JP2002278283A - 現像ユニット及び画像形成装置 - Google Patents

現像ユニット及び画像形成装置

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JP2002278283A
JP2002278283A JP2001083545A JP2001083545A JP2002278283A JP 2002278283 A JP2002278283 A JP 2002278283A JP 2001083545 A JP2001083545 A JP 2001083545A JP 2001083545 A JP2001083545 A JP 2001083545A JP 2002278283 A JP2002278283 A JP 2002278283A
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創 甲斐
Hajime Koyama
一 小山
Katsuhiro Aoki
勝弘 青木
Osamu Ariizumi
修 有泉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低電位現像において、潜像担持体の長寿命化
及び高画質化を達成する。 【解決手段】 暗部電位をV、露光後電位をV、現
像バイアス電圧をV とすると、0<|V|−|V
|<|V−V|<400Vを満たし、且つ上記範囲
で画像濃度の現像ポテンシャルに対する関係にて、最大
の傾き(ΔID/Δ[V−V]max);Aに対して、
−Vの最大値における傾き(ΔID/Δ[{V
−VMAX]);Bとすると、0.9×A>Bを満
たし、且つ現像領域内の現像磁極の法線方向の減衰率を
40%以上とする現像剤担持体を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、比較的低電位で画
像形成プロセスを行うプリンタ、ファックス、複写機等
の画像形成装置に関するものであって、現像剤担持体表
面の所謂現像領域部分に現像剤を立ち上げて(穂立ちを
起こして)現像処理するにあたり画像濃度を高く且つ低
コントラスト画像を良好にする画像形成装置に関するす
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機、プリンタ、ファクシミ
リ等の電子写真式や静電記録式の画像形成装置において
は、感光体ドラムや感光体ベルトなどからなる潜像担持
体上に画像情報に対応した静電潜像が形成され、現像装
置によって現像動作が実行され、可視像が得られるよう
になっている。このように現像動作を実行するにあた
り、転写性、ハーフトーンの再現性、温度・湿度に対す
る現像特性の安定性などの観点から、トナーとキャリア
からなる2成分現像剤を用いた磁気ブラシ現像方式が主
流になってきている。つまり、現像装置では、現像剤担
持体上に2成分現像剤がブラシチェーン状に穂立ちを起
こし、現像領域において、現像剤中のトナーを潜像担持
体上の潜像部分に供給するのである。ここで現像領域と
は、現像剤担持体上で磁気ブラシが立ち上がり潜像担持
体と接触している範囲である。
【0003】上記現像剤担持体は、通常円筒状に形成さ
れたスリーブ(現像スリーブ)でなると共に、当該スリ
ーブ表面に現像剤の穂立ちを生じさせるように磁界を形
成する磁石体(磁石ローラ)をスリーブ内部に備えてい
る。穂立ちの際、キャリアが磁石ローラで生じる磁力線
に沿うようにスリーブ上に穂立ちすると共に、この穂立
ちに係るキャリアに対して帯電トナーが付着されてい
る。上記磁石ローラは、複数の磁極を備え、それぞれの
磁極を形成する磁石が棒状などに形成されていて、特に
スリーブ表面の現像領域部分では現像剤を立ち上げる現
像磁極を備えている。上記スリーブと磁石ローラの少な
くとも一方が動くことでスリーブ表面に穂立ちを起こし
た現像剤が移動するようになる。現像領域に搬送された
現像剤は上記現像磁極から発せられる磁力線に沿って穂
立ちを起こし、この現像剤のチェーン穂は撓むように潜
像担持体表面に接触し、接触した現像剤のチェーン穂が
潜像担持体との相対線速差に基づいて静電潜像と擦れ合
いながら、トナー供給を行う。
【0004】そして、このような2成分現像剤を用いて
現像処理するにあたり、画像濃度を高くするための現像
条件と低コントラスト画像を良好に得るための現像条件
とを高い時点で満足させ、全濃度域にわたって良質な画
像を得るために、本願出願人は先に特開2000−30
5360号で、現像装置等を提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】画像形成装置において
高画質化と長寿命化の両立を狙う場合に大きな課題とな
る点は、現像剤の長寿命化と、潜像及び顕像形成時に高
精細に再現することである。現像剤は磁性粒子もしくは
規制部材との接触で機械的なハザードを受け、粒子の外
側に付着している外添剤が粒子に埋没して流動性が低下
したり、帯電能が低下して画像品質を維持するのが非常
に難しい。
【0006】画像品質を維持することを達成するために
現像剤の帯電時の機械的ハザードを低減することが考え
られるが、そうすると摩擦帯電を行うにあたり帯電量が
あまり高まらない。また、高精細像の形成には帯電及び
露光後電位の差を出来るだけ小さくして、光学系も出来
るだけ低いエネルギーで書き込むようにするが考えられ
る。但し、電位コントラストが低くなるため現像能力を
高める必要性が生じるので、比較的低帯電トナーを使用
して、現像量の増加を見込めるようにする。
【0007】また、転写においては潜像及び地肌ポテン
シャルが比較的小さいことから、転写時の散りが発生し
にくい。長寿命化を達成するには潜像担持体の劣化防止
が有効である。潜像担持体は露光による光疲労もさるこ
とながら、初期帯電時に強いハザードを受ける。スコロ
トロンチャージャに代表される放電を利用した帯電シス
テムでは、潜像担持体表面に直接降りかかるために、電
離作用が表面劣化を促進させる要因となる。そこで通常
設定される初期帯電−800Vを−400Vと1/2と
することで前出の表面劣化促進を遅らせるようにし、長
寿命化が目論まれる。ところが低電位設定、すなわち、
ネガポジ現像方式を採用する時に帯電電位を絶対的に下
げるということは、バイアス設定条件を含めた現像ポテ
ンシャルを低減させることに他ならないので、課題とし
て、現像能力を上げて飽和現像ポテンシャルを低減させ
ることが必要となる。
【0008】ところが上記観点から低電位でプロセスを
行うと、潜像担持体表面電位の変動の影響を受けやすく
なる。そもそも帯電電位の絶対値が低いためにばらつき
の影響が大きく出るためである。
【0009】以上から、本発明では、高画質化と長寿命
化の両立を狙う為に潜像担持体帯電電位を従来より低減
し、且つ、現像剤へのハザードを低減させた状態で、現
像剤の帯電量を従来より低減することによって現像能力
を高めること、潜像担持体の電位変動の影響を低減する
こと及び低エネルギー光量で露光を行うことで精細な潜
像を形成して高品位画像を形成するシステムを提案する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明にし
たがって、現像剤担持体表面に現像剤を磁気吸着させて
磁気ブラシを形成する現像磁極を有する現像装置と、当
該現像装置に対向し上記磁気ブラシにより表面潜像を可
視像化される像担持体とを備えた現像ユニットにおい
て、暗部電位をV、露光後電位をV、現像バイアス
電圧をVとすると、0<|V|−|V|<|V
−V|<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度
の現像ポテンシャルに対する関係にて、最大の傾き(Δ
ID/Δ[V−V]max);Aに対して、V−V
の最大値における傾き(ΔID/Δ[{V−V
MAX]);Bとすると、0.9×A>Bを満たし、且
つ現像領域内の現像磁極の法線方向の減衰率を40%以
上とする現像剤担持体を有することで、解決される。
【0011】0<|V|−|V|<|V−V
<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度の現像ポ
テンシャルに対する関係にて、最大の傾き(ΔID/Δ
[V −V]max);Aに対して、V−Vの最大値
における傾き(ΔID/Δ[{V−VMAX]);
Bとすると、0.9×A>Bを満たし、且つ現像領域内
の現像剤の汲み上げ量ρ(g/cm)と像担持体・現
像剤担持体間の最近接距離Gp(mm)の比がGp/ρ
<10であっても、同様に上記課題が解決される。
【0012】更に、0<|V|−|V|<|V
|<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度の
現像ポテンシャルに対する関係にて、最大の傾き(ΔI
D/Δ[V−V]max);Aに対して、V−V
最大値における傾き(ΔID/Δ[{V−V
MAX]);Bとすると、0.9×A>Bを満たし、且
つ像担持体・現像剤担持体間の最近接距離を平均キャリ
ア粒径の3倍以上10倍以下とし、当該最近接距離に対
する現像ニップ境界部の像担持体・現像剤担持体間距離
の比を1.5以下としても、上記課題が解決される。を
特徴とする現像ユニット。
【0013】0<|V|−|V|<|V−V
<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度の現像ポ
テンシャルに対する関係にて、最大の傾き(ΔID/Δ
[V −V]max);Aに対して、V−Vの最大値
における傾き(ΔID/Δ[{V−VMAX]);
Bとすると、0.9×A>Bを満たし、且つ上記現像磁
極とその現像剤搬送方向上流及び/又は下流側の搬送磁
極との間に、上記現像磁極の磁力を補助する補助磁極が
備えられていてもよい。
【0014】なお、磁極の減衰率が大きくなるというこ
とは、磁気ブラシの立ち上がり・倒れの間の穂立ち幅が
小さくなることで、その結果、磁気ブラシは短く且つ密
に立ち上がることとなる。このような短く且つ密な立ち
上がりをする磁気ブラシは、スリーブ長手方向において
考察すると、立ち上がり・倒れの均一化をもたらすもの
である。減衰率を大きくするには、その磁極を形成する
磁石の選択によって実現可能である。実験的に、磁極の
半値幅を狭くすることで、その減衰率が大きくなること
が判明している。半値幅を22°以下、望ましくは18
°以下で構成するのが良い。半値幅とは、法線方向の磁
力分布曲線の最高法線磁力(頂点)の半分の値(例えば
N極によって作製されている磁石の最高法線磁力が12
0mT(ミリテスラ)であった場合、半値50%という
と60mTである)を指す部分の角度幅のことである。
【0015】
【解決手段の概要】図24は潜像担持体現像部における
電位及びバイアス条件を模式的に示したものである。V
が帯電後(未露光)電位、Vが露光後電位、V
現像バイアス電圧である。更に各電位の関係を見ると、
−Vが露光の有無における電位の差異を意味する
ので、露光ポテンシャルと呼ばれる。V−Vは現像
を行う実質的な現像電位差(ポテンシャル)であり、V
−Vは地肌(未露光部)と現像バイアスの差による
もので、地肌ポテンシャルと呼ばれる。なお、|V
−|V|はネガポジ現像ではV、Vそれぞれの符
号が「−(マイナス)」で、絶対値ではVの方が大き
くなると地肌が現像されてしまうので小さく設定した。
−Vは少なくともV−Vより小さくないと画
像濃度と地肌汚れのバランスが取れない。
【0016】現像プロセスの諸条件を設定するとき、上
記3つのポテンシャルは特に重要である。それは最終的
な画像特性であり、画像濃度に関わることになるので、
その関係を図25に示した。これは一般的には四限チャ
ートと呼ばれるもので、複写機であれば入力画像濃度と
露光特性が付加されるが、本発明ではトナーの特性を示
す、付着量・画像濃度の関係と現像ポテンシャル・画像
濃度、現像ポテンシャル・付着量の関係を示した。この
グラフの説明を行う。図25の第1象限は現像ポテンシ
ャルと画像濃度IDの関係である。第2象限はトナー付
着量と画像濃度IDの関係を示し、ここではトナーの着
色度が大きく関係する。特性的にはほぼ線形になるが規
定の画像濃度になる時の付着量がトナー着色度により、
大きく異なる。第3象限はそのままトナーの付着量であ
り、第4象限は現像ポテンシャルと付着量の関係、一般
的にはm-ID特性と呼ばれるもので、現像ポテンシャ
ルに対するトナー付着量の関係を表している。一連の関
係は現像ポテンシャルと付着量及び画像濃度を結びつけ
るもので、これを使用して本発明の解決手段を説明す
る。図25の第1象限において、これは現像ポテンシャ
ルが決まると一義的に決まるものであり、現像ポテンシ
ャルが変動すると画像濃度IDも変動することになる。
実際の画像形成プロセスでは潜像担持体への帯電部材の
帯電変動によるもの、潜像担持体の光疲労によるV
昇(見かけの感度低下)、露光量変動、現像バイアス変
動によるものがある。また1枚の画像中に発生するムラ
と呼ばれる減少が上記項目でもある。特に本発明で規定
する現像ポテンシャル400V近傍では画像濃度は最高
濃度領域なので、最高濃度の変動となって現れる。画像
形成装置では最高濃度が変動すると、画像品質が劣化す
ることとなり大きな問題である。また上記ムラに対して
もその影響が大きくなる。
【0017】そこで本発明では現像ポテンシャル400
V近傍における現像ポテンシャル・IDの傾きが、現像
ポテンシャル・IDの傾きの最大値の0.9倍したもの
より小さくすることで低電位プロセスにおける画像濃度
安定性を得ようとしたものである。尚、現像ポテンシャ
ル・IDの傾きの最大値を取るのは飽和画像濃度が得ら
れるトナー付着量の約1/2になる。
【0018】しかしながら、このような装置において
は、画像濃度を高くするための現像条件と低コントラス
ト画像を良好に得るための現像条件とが両立せず、高濃
度部と低濃度部との双方を同時に改善することが困難で
ある。すなわち、画像濃度を高くするための現像条件と
しては、(i)潜像担持体と現像スリーブとの間隔である
現像ギャップを狭くすること、あるいは(ii)現像領域幅
を広くすることなどが挙げられる。一方、低コントラス
ト画像を良好に得るための現像条件としては、(i')現像
ギャップを広くすること、あるいは(ii')現像領域幅を
狭くすることなどがある。つまり、双方の現像条件は相
対するものであって両立せず、全濃度域にわたって双方
の条件を満たして良質な画像を得ることは一般に困難と
されている。
【0019】例えば低コントラスト画像を重視する場合
には、ベタラインのクロス部や黒ベタ、ハーフトーンベ
タ画像の後端部に白抜けを生じる所謂「後端白抜け」と
称される異常画像が発生しやすい。また同じ幅で形成し
た格子画像の横線が縦線よりも細くなったり、1ドット
などの小さい点画像が現像されないなどの現象も発生し
ている。
【0020】このような現象のメカニズムを考える。図
26に示すように、現像スリーブ上に形成される磁気ブ
ラシが潜像担持体と摺擦する部分で発生する接触部(現
像ニップ)において、潜像担持体と現像スリーブの線速
差(対感光体線速比)がある場合に、上記現象は生じ
る。例えば対感光体線速比を2.5倍とする場合、現像
スリーブは潜像担持体(感光体)よりも2.5倍速く動
くということである。また現像スリーブの現像磁極半値
幅が48°の磁石を用いる時の現像ニップの幅は約4m
m(実験値)であり、また現像ギャップは0.4mmで
あった。
【0021】潜像担持体上の潜像は磁気ブラシによって
トナー像とされるが、図26に示した現像ニップにおい
て潜像が現像される際の、キャリアに付着するトナーの
挙動を、磁気ブラシの穂立ち・穂倒れと静電潜像の位置
関係を示す図27において、考察する。
【0022】図27a,bは、静電潜像の表面電位と現
像バイアスの関係、現像ニップでの静電潜像位置、及び
現像ニップ前後での磁気ブラシの動きを示している。現
像スリーブは通常円筒状に形成されるが、ここでは説明
の便宜上、平坦なものとして示す。
【0023】図27aでは静電潜像の地肌部と画像部の
境がニップのほぼ中心に位置している。現像スリーブと
潜像担持体が共に同一方向に移動し、潜像担持体移動速
度Sp<現像スリーブ移動速度Ssの関係にあるので、
相対的に潜像担持体が停止していると想定すると磁気ブ
ラシの動きは次のようになる。すなわち、磁気ブラシは
H1の位置で穂立ちを生じ、潜像担持体と磁気ブラシ先
端のキャリアとが接触を開始する。H2の位置では磁気
ブラシは地肌部を擦って移動し、H3の位置では磁気ブ
ラシは画像部を通過し、H4の位置では穂倒れを起こ
し、磁気ブラシ先端のキャリアが潜像担持体と離間す
る。これらH1〜H4間で潜像担持体と接触する磁気ブ
ラシ先端のキャリアは、ほとんどその高さ位置を変える
ことなく、但しキャリア単体では自転しながら、ニップ
内を通過する。
【0024】図27aに示したH1〜H4間の磁気ブラ
シにおける先端キャリアとトナーの付着状態を、モデル
図として示したものが図28a〜dである。磁気ブラシ
位置H1が図28aに相当し、以下H2〜H4が図28
b〜図28dに相当する。
【0025】磁気ブラシ位置H1はニップに入ってから
間もない箇所なので、比較的均一にキャリアの周囲にト
ナーが付着している(図28a)。磁気ブラシ位置H2
では、現像バイアスVbの電圧と潜像担持体の地肌部の
静電電位で形成される電界が潜像担持体側から現像スリ
ーブに向かう方向性を有する領域であるため、トナーは
潜像担持体から遠ざかるように移動し、図28bのよう
に潜像担持体近傍でのトナーが減少する。この状態はニ
ップ内をキャリアがローリングしながら移動するため、
ニップ幅が広くなるのに伴い、潜像担持体近傍のキャリ
ア表面のトナーが減っている表面積が、増加する。
【0026】磁気ブラシ位置H3では現像バイアスVb
の電圧と潜像担持体の画像部の静電電位で形成される電
界が現像スリーブ側から潜像担持体に向かう方向性を有
する領域になるが、下方に移動していたトナーが瞬時に
潜像担持体上の静電画像に付着することはできない。そ
してその間に、当該画像部を先に通過した別の磁気ブラ
シによって潜像担持体に付着した当該潜像担持体上のト
ナーが磁気ブラシ側キャリアのカウンターチャージのた
めにキャリア側に移る「トナー逆移動」が生じる。磁気
ブラシ先端のキャリア表面のトナーが増えて、潜像担持
体画像部後端のトナー付着が減っている状態が図28c
である。
【0027】トナー逆移動によってトナー量が増えると
カウンターチャージも減じ、下方に移動していたトナー
が再び磁気ブラシ先端に移動しやすくなり、現像スリー
ブ側から潜像担持体に向いた電界によってキャリア上の
トナーが潜像担持体に向かう正規な現像領域になり、逆
移動していたトナーも再度潜像担持体に付着することが
できる。この状態を図28dに示した。
【0028】時間の経過に伴って潜像スリーブと潜像担
持体とが相対移動し、図27bに示したように画像部後
端が磁気ブラシ位置H4に近づくと、図28cに示した
状態において穂倒れが起こる。すなわち、潜像担持体上
のかなりのトナーが磁気ブラシ先端のキャリア側に逆移
動して、画像部のトナー付着が少なくなった状態におい
て穂倒れが起きて現像を終了することとなる。これが
「後端白抜け」で、ハーフトーンでは一層顕著に現れ
る。更に線速比を比較して大きくして現像する場合、磁
気ブラシが潜像担持体に接触した際の衝撃力が大きく、
キャリアとトナーの付着力が低減して、トナーの移動が
起こりやすくなっている。この「後端白抜け」現象を生
じる際、後端白抜け部はギザギザになっている(波打ち
状態)が、そのメカニズムについて考察する。
【0029】固定配置された磁石外周を回動する現像ス
リーブ上の現像剤は磁力線に沿って磁気ブラシを形成
し、磁極ピークのある部分では完全に立ち上がり、磁極
間の接線磁極が高い部分では現像スリーブ表面に沿うよ
うになり、これを繰り返しながら現像スリーブ上を搬送
される。特に規制部材により薄層に形成された現像剤で
は上記現象が顕著である。そして磁気ブラシが現像領域
に入る際、現像磁極と当該磁極の1極前の磁極との間で
現像スリーブ表面に沿って搬送された現像剤は、現像磁
極磁界にしたがって立ち上がり潜像担持体に摺擦して現
像を行う。そして現像後、現像磁極磁界にしたがって穂
倒れを起こした磁気ブラシが現像スリーブ表面を下流側
に搬送されるものである。
【0030】ここで、現像磁極磁界にしたがう磁気ブラ
シの立ち上がり始めの段階で現像スリーブの長手方向に
おいて立ち上がりにばらつきがあるならば、磁気ブラシ
が潜像担持体に接触する位置もばらつくこととなる。つ
まり、磁気ブラシの立ち上がりのばらつきによって、磁
気ブラシが現像磁極のピーク部分から外れた位置で完全
な立ち上がりを迎える状態がスリーブ長手方向において
散在することになり、更にスリーブ長手方向で隣り合っ
た磁気ブラシが引き合うこともあって、個々に分かれた
大きな穂となり、潜像担持体への接触位置がスリーブ長
手方向において不揃いでばらつく。このような事態は、
磁気ブラシの潜像担持体との摺擦後にも同じように発生
する。その結果、既述したように磁気ブラシ先端キャリ
アのトナードリフト現象によって発生したカウンターチ
ャージによる画像後端白抜けは、画像縁でギザギザ形状
となるのである。一方、現像磁極磁界にしたがって立ち
上がる磁気ブラシがスリーブ長手方向で均一な立ち上が
りを実現できるならば、後端白抜けの解消に伴って、画
像後端のギザギザ形状もなくなるはずである。
【0031】以上のような「後端白抜け」現象に関し
て、図29に示したように、数cm角のベタ画像におい
て後端にかかる状態で5mmφ程度の面積濃度を測定す
ると、図30における条件2での濃度特性(現像ニップ
幅が4mm程度)として結果が表れる。図30のグラフ
は、縦軸に図29に示したベタ画像の後端濃度を、横軸
に現像スリーブ移動速度Ssと潜像担持体移動速度Sp
との速度比を示すものである。線速比を例えば1.1程
度から一段と増加すると、後端白抜けを起こす部分以外
での濃度は上がるが、図28cに示した状態が著しく、
したがって後端白抜けも著しくなり、その幅も次第に広
がって、濃度測定位置での測定濃度結果に大きなばらつ
きがでる。
【0032】以上の欠点をなくすために、図27及び図
28に関連して説明した挙動状態から図28bに示す状
態にならない条件を見い出し、図330の破線(条件
1)に示すような、線速比が大きくなっても後端濃度の
低下がないか、線速比が大きくなりトナー供給の増加が
あることに伴って後端濃度が上昇するような特性が得ら
れる方法を見いだす。
【0033】上記欠点をなくすための改良の方向とし
て、一つには、現像バイアスVbと地肌部の電位差を零
にするやり方が考えられる。このようなやり方は、トナ
ーが電荷量分布を持ち、地汚れを発生させ得る低い電荷
量のトナーに合わせて、地汚れを生じない電位差に設定
する必要があるため、現実的な改良の方策にはなり得な
い。また、トナーに磁性体を混合させた磁性トナーを使
用すると、トナーが現像スリーブ側の磁界の影響を受け
上記電界による移動が緩慢となり、図28bの状態が起
こりにくくなる。しかし、潜像担持体上の画像部へのト
ナー付着も減じ、画像全体の濃度が高くならないこと
と、磁性体を含むためにカラートナーへの展開ができな
いことの理由で、有効な改良の方策とすることが困難で
ある。キャリア特性やキャリア表面の構成を改良するこ
とで改良法としての可能性も残るが、耐久性等を考慮す
ると、この狙いだけのためにキャリアを変更するのは実
用的でなく、現実的な改良の方策にはなり得ない。
【0034】良質な画質を確保するために、細線の再現
性、特に縦横比、ドットの再現性、トナー付着の均一性
等のファクターを考慮することが指摘でき、これらは、
後端白抜け/ギザギザ発生の排除と共に達成されるべき
項目である。
【0035】以上の観点より、高画質化と長寿命化の両
立を狙って本発明が提案された。すなわち、潜像担持体
帯電電位を従来より低減し、且つ、現像剤へのハザード
を低減させた状態で、現像剤の帯電量を従来より低減す
ることによって現像能力を高め、低エネルギー光量で露
光を行い精細な潜像を形成して高品位画像を形成すると
共に、特に低コントラスト画像の後端白抜け/ギザギザ
発生を改善することができ、良好な画像濃度と画質を確
保することに成功したのである。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を以下に説明
する。
【0037】例1:先ず本発明に係る現像装置を含む感
光体ユニット全体について説明する。図1において、静
電潜像担持体である感光体ドラム1の周囲には、当該ド
ラム表面を帯電するための帯電装置2、一様帯電処理面
に潜像を形成するためのレーザー光線でなる露光3、ド
ラム表面の潜像に帯電トナーを付着することでトナー像
を形成する現像装置4、形成されたドラム上のトナー像
を記録紙へ転写するための転写装置5、ドラム上の残留
トナーを除去するためのクリーニング装置7、ドラム上
の残留電位を除去するための除電ランプ8が順に配設さ
れている。
【0038】このような構成において、帯電装置2の帯
電ローラによって表面を一様に帯電された感光体1は、
露光3によって静電潜像を形成され、現像装置4によっ
てトナー像を形成される。当該トナー像は、転写ベルト
などでなる転写装置5によって、感光体ドラム1表面か
ら、不図示の給紙トレイから搬送された記録紙へ転写さ
れる。この転写の際に感光体ドラムに静電的に付着した
記録紙は、分離爪によって感光体ドラム1から分離され
る。そして未定着の記録紙上のトナー像は定着器9によ
って記録紙に定着される。一方、転写されずに感光体ド
ラム上に残留したトナーは、クリーニング装置7によっ
て除去され回収される。残留トナーを除去された感光体
ドラム1は除電ランプ8で初期化され、次回の画像形成
プロセスに供される。
【0039】ここで、トナーは、磁性体を含有させて磁
性トナーとしても使用することもできる。具体的な磁性
体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等
の酸化鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこ
れら金属とアルミニウム、銅、鉛、マグネシウム、ス
ズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミ
ウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タング
ステン、バナジウムのような金属との合金及びその混合
物等が挙げられる。これらの磁性体は平均粒径が0.1
〜2μm程度のものが望ましく、このときの磁性体の含
有量は、結着樹脂100重量部に対して20〜200重
量部、特に好ましくは結着樹脂100重量部に対して4
0〜150重量部である。
【0040】用いられる添加剤としては、従来公知のも
のが使用できるが、具体的には、Si,Ti,Al,M
g,Ca,Sr,Ba,In,Ga,Ni,Mn,W,
Fe,Co,Zn,Cr,Mo,Cu,Ag,V,Zr
等の酸化物や複合酸化物等が挙げられ、特にSi,T
i,Alの酸化物であるシリカ、チタニア、アルミナが
好適に用いられる。また、このときの添加剤の添加量
は、母体粒子100重量部に対して0.5〜1.8重量
部であることが好ましく、特に好ましくは、0.7〜
1.5重量部である。添加剤の添加量が、0.5重量部
未満であると、トナーの流動性が低下するため、十分な
帯電性が得られず、また、転写性や耐熱保存性も不十分
となり、また、地汚れやトナー飛散の原因にもなりやす
い。一方、1.8重量部より多いと、流動性は向上する
ものの、ビビリ、ブレードめくれ等の感光体クリーニン
グ不良や、トナーから遊離した添加剤による感光体等へ
のフィルミングが生じやすくなり、クリーニングブレー
ドや感光体等の耐久性が低下し、定着性も悪化する。更
に、細線部におけるトナーのチリが発生しやすくなり、
特に、フルカラー画像における細線の出力の場合には、
少なくとも2色以上のトナーを重ねる必要があり、付着
量が増えるため、特にその傾向が顕著である。更に、カ
ラートナーとして用いる場合には、添加剤が多く含有さ
れていると、透明シートに形成されたトナー画像をオー
バーヘッドプロジェクターで投影した場合に投影像にか
げりが生じ、鮮明な投影像が得られにくくなる。
【0041】ここで、添加剤の含有量の測定には種々の
方法があるが、蛍光X線分析法で求めるのが一般的であ
る。すなわち、添加剤の含有量既知のトナーについて、
蛍光X線分析法で検量線を作成し、この検量線を用い
て、添加剤の含有量を求めることができる。更に、本発
明で用いられる添加剤は、必要に応じ、疎水化、流動性
向上、帯電性制御等の目的で、表面処理を施されている
ことが好ましい。
【0042】ここで、表面処理に用いる処理剤として
は、有機系シラン化合物等が好ましく、例えば、メチル
トリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ジメチ
ルジクロロシラン等のアルキルクロロシラン類、ジメチ
ルジメトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等の
アルキルメトキシシラン類、ヘキサメチルジシラザン、
シリコーンオイル等が挙げられる。また処理方法として
は、有機シラン化合物を含有する溶液中に添加剤を漬積
し乾燥させる方法、添加剤に有機シラン化合物を含有す
る溶液を噴霧し乾燥させる方法等があるが、いずれの方
法も好適に用いることができる。
【0043】トナーの体積平均粒径の範囲は3〜12μ
mが好適であるが、本例では5μmであり、1200dp
i以上の高解像度の画像にも十分対応することが可能で
ある。一方、キャリア(磁性粒子)は金属もしくは樹脂
をコアとしてフェライトもしくはマグネタイト等の磁性
材料を含有し、表層はシリコン樹脂等で被覆されたもの
である。粒径は20〜50μmの範囲が良好である。ま
た抵抗はダイナミック抵抗で10〜10Ωの範囲が
最適である。但し測定方法は磁石を内包したローラ(φ
20;600RPM)に担持して、幅65mm、長さ1
mmの面積の電極をギャップ0.9mmで当接させ、耐
圧上限レベル(高抵抗シリコンコートキャリアでは40
0Vから鉄粉キャリアでは数V)の印加電圧を印加した
時の測定値である。
【0044】上記現像装置4の構成を図2に基づいて説
明する。現像装置4内には、現像剤担持体である現像ロ
ーラ41が感光体ドラム1に近接するように配置されて
いて、双方の対向部分には、感光体ドラムと磁気ブラシ
が接触する現像領域が形成されている。現像ローラ41
は、アルミニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂など
の非磁性体を円筒形に形成してなる現像スリーブ43
(図2)が不図示の回転駆動機構によって図中時計回り
に回転されるようになっている。表面はサンドブラスト
もしくは1〜数mmの深さを有する複数の溝を形成する
処理を行い、10〜20μmRZの範囲に入るように荒
らしている。感光体ドラムはアルミ等の素管に感光性を
有する有機感光体を塗布し、感光層を形成したドラムタ
イプのものを用いた。
【0045】本例においては、感光体ドラム1のドラム
径が60mmで、ドラム線速が240mm/秒に設定さ
れ、現像スリーブ43のスリーブ径が20mmで、スリ
ーブ線速が600mm/秒に設定されている。したがっ
て、ドラム線速に対するスリーブ線速の比は2.5であ
る。また感光体ドラム1と現像スリーブ43との間隔で
ある現像ギャップは0.4mmに設定されている。現像
ギャップは、従来ではキャリア粒径が50μmであれば
0.65mmから0.8mm程度、言い換えれば、現像
剤粒径の10倍以上に設定されていたが、本例では10
倍以下(0.55mm)に設定するのが良い。これより
広くすると望ましいとされる画像濃度が出にくくなる。
【0046】また現像剤の搬送方向(図で見て時計回り
方向)における現像領域の上流側部分には、現像剤チェ
ーン穂の穂高さ、すなわち現像スリーブ上の現像剤量を
規制するドクタブレード45が設置されている。このド
クタブレード45と現像スリーブ43との間隔であるド
クタギャップは0.4mmに設定されている。更に現像
ローラの感光体ドラムとは反対側領域には、現像装置ケ
ーシング46内の現像剤を攪拌しながら現像ローラ41
へ汲み上げるためのスクリュー47が設置されている。
【0047】ここで現像条件に言及する。本例では感光
体の帯電(露光前)電位Vを−350V、露光後電位
を−50Vとして、現像バイアス電圧Vを−25
0V、すなわち現像ポテンシャル(V−V=200
V)として現像工程が行われる。この時|V−V
>|V−V|は400V>300Vとなる。図3を
用いて範囲を説明する。図3は横軸に|V−V|、
縦軸には|V−V|を取ったものである。|VD−
VL|<400Vは感光体の露光部分とそうでない部分
の放電を避けるためにパッシェンの放電則より設定した
ものである。図4に示すように400V以下では剥離放
電が発生しにくいことが実験的に検証されている。図3
に戻って、グラフの斜めの線は|V−V|>|V
−V|を示すもので、本例はネガポジのプロセスであ
り、V、V、Vが全て同極性なので斜線部分はグ
ラフより|V|−|V|>0の範囲を示すものにな
る。これより本発明では斜線の部分が|V−V|、
|V−V|の取り得る範囲となる。
【0048】また現像スリーブ43内には、当該現像ス
リーブ43の周表面に現像剤の穂立ちを生じるように磁
界を形成する磁石体(磁石ローラ)44が固定状態で備
えられる。この磁石ローラ44から発せられる法線方向
磁力線に沿うように、現像剤のキャリアが現像スリーブ
43上にチェーン状に穂立ちを起こし、このチェーン状
に穂立ちを生じたキャリアに帯電トナーが付着されて、
磁気ブラシが構成される。当該磁気ブラシは現像スリー
ブ43の回転によって現像スリーブ43と同方向(図で
見て時計回り方向)に移送されることとなる。
【0049】上記磁石ローラ44は、複数の磁極を有し
ている。具体的には図5にも示すように、現像領域部分
に現像剤の穂立ちを生じさせる現像主磁石P1b、当該
主磁極の磁力形成を補助する主磁極磁力形成補助磁石P
1a、P1c、現像スリーブ43上に現像剤を汲み上げ
るための磁石P4、汲み上げられた現像剤を現像領域ま
で搬送するための搬送磁石P2、P3である。これら各
磁石P1b,P1a,P1c,P4,P5,P2及びP
3は、現像スリーブ43の半径方向に向けて配置されて
いる。本例では、磁石ローラ44を8極の磁石によって
構成しているが、汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上
させるためにP3極からドクタブレード45の間に磁石
(磁極)を更に増やして10極や12極で構成してもよ
い。
【0050】特に図2に示すように、上記現像極群P1
は、P1a,P1b,P1cの順で上流側から並ぶ横断
面の小さな磁石から構成されている。横断面の小さいこ
れら磁石は希土類金属合金により作製されているが、サ
マリウム合金系磁石、特にサマリウムコバルト合金系磁
石などを用いることもできる。希土類金属合金磁石のう
ち代表的な鉄ネオジウムボロン合金磁石では最大エネル
ギー積が358kJ/mであり、鉄ネオジウムボロン
合金ボンド磁石では最大エネルギー積が80kJ/m
前後である。このような磁石によって従来の磁石と異な
り、相当に小サイズ化しても必要な現像ローラ表面磁力
を確保できる。従来の通常フェライト磁石やフェライト
ボンド磁石では最大エネルギー積がそれぞれ36kJ/
前後、20kJ/m前後である。スリーブ径を大
きくすることが許容される場合には、フェライト磁石や
フェライトボンド磁石を用いて形状を大きくとり、ある
いはスリーブ側に向いた磁石先端を細く形成することに
よっても半値幅を狭くすることが可能である。また本例
では横断面の小さな磁石により構成しているが、一体成
形で形成される磁石ローラ(磁性粉末を樹脂体に分散さ
せたもの)により成形しても良く、更に、P1極群以外
の磁石を一体成形しP1極群を個別に形成し一体化もし
くは同時に形成しても良い。扇状に形成した磁石を磁石
ローラ軸に貼り合わせによって成形しても良い。
【0051】本例では、現像主磁石P1bと、現像スリ
ーブ43上に現像剤を汲み上げるための磁石P4と、汲
み上げられた現像剤を現像領域まで搬送する磁石P6
と、現像後の領域で現像剤を搬送する磁極P2,P3が
N極をなし、主磁極の磁力形成を補助する主磁極磁力形
成補助磁石P1a,P1cと、汲み上げられた現像剤を
搬送する磁石P5がS極をなしている。法線方向の磁束
密度を測定し円チャートグラフとして示した図5で理解
できるように、主磁石P1bとして、現像ローラ上で8
5mT以上の法線方向磁力を有する磁石が用いられた。
本例では、当該主磁石P1bより回転下流側の主磁極磁
力形成補助磁石P1cとして60mT以上の磁力を有す
る磁石を用いることにより、キャリア付着などの異常画
像の発生が無いことが確認された。これよりも小さい磁
力の場合にはキャリア付着が発生した。キャリア付着に
関係する磁力は接線磁力であり、この接線磁力を大きく
するためにはP1b,P1cの磁力を大きくする必要が
あるが、どちらかを十分に大きくすることでキャリア付
着の発生を抑えることができる。磁石P1a,P1b,
P1cの磁石幅は2mmであった。この時のP1bの半
値幅は16°であった。
【0052】なお別の例として図6に示すように、主磁
石P1bの下流側のみに主磁極磁力形成補助磁石P1c
を配置したところ、主磁石P1bでの半値幅は変わりな
かったが、主磁極(P1b部分)の磁力が数%低下し
た。上流側に主磁極磁力形成補助磁石(P1a)が無い
ためにP1a部分の磁力は低下し、30mT程度になっ
たことが確認されたが、この箇所は入口シールによって
覆うことができる部分であり、そのような構成では当該
箇所が作像部に露出しないので、画像に影響が出ないよ
うにして主磁極に現像剤を供給することが可能である。
更に磁石の幅を狭くすることで、半値幅は更に細くなる
ことが確認された。1.6mm幅の磁石を用いた際の主
磁極の半値幅は12°であった。
【0053】法線方向の磁力密度の減衰率を考察するに
あたり、改めて図5に戻る。当該図は法線磁力パターン
を示すもので、実線は現像スリーブ表面上の磁束密度を
測定して円チャートグラフであり、破線は現像スリーブ
表面から1mm離れたところでの法線方向の磁束密度を
測定した円チャートグラフである。対照のため、図7に
従来の磁石ローラでの磁力詳細を概略的に示す。測定に
使用した計測装置はADS社製ガウスメーター(HGM
-8300)並びにADS社製A1型アキシャルプロー
ブであり、円チャートレコーダにて記録した。
【0054】本例での磁石ローラによる観測では、主磁
極P1bのスリーブ表面上の法線方向の磁束密度は95
mTを示し、スリーブ表面から1mm離れた部分での法
線方向磁束密度は44.2mTであり、磁束密度の変化
量は50.8mTの磁力差であった。この時の法線方向
磁束密度の減衰率(スリーブ表面上の法線方向磁束密度
のピーク値からとスリーブ表面から1mm離れたところ
での法線方向磁束密度のピーク値の差をスリーブ表面上
の法線方向磁束密度のピーク値で割った比率)は53.
5%である。主磁極P1bの上流側に位置する主磁極磁
力形成補助磁石P1aのスリーブ表面上の法線方向磁束
密度は93mTを示し、スリーブ表面上から1mm離れ
た部分での法線方向磁束密度は49.6mTであり、磁
束密度の変化量は43.4mTの磁力差であった。この
時の法線方向磁束密度の減衰率は46.7%である。主
磁極P1bの下流側に位置する主磁極磁力形成補助磁石
P1cのスリーブ表面上の法線方向磁束密度は92mT
を示し、スリーブ表面上から1mm離れた部分での法線
方向磁束密度は51.7mTであり、磁束密度の変化量
は40.3mTの磁力差であった。この時の法線方向磁
束密度の減衰率は43.8%である。本例では、磁石ロ
ーラ上に発生した磁力線に沿って形成された磁気ブラシ
は、主磁極P1bに形成されるブラシ部分のみが感光体
に接し、感光体上の静電潜像を顕像化する。この際、感
光体が接しない状態で測定すると当該箇所での磁気ブラ
シの長さは約1.5mmで、従来の磁石ローラで形成さ
れる磁気ブラシ(約3mm)よりも穂立ちが短く、密に
なった状態を作り出すことが可能となった。現像剤規制
部材と現像スリーブの間の距離が従来と同じである場合
には、現像剤規制部材を通過する現像剤量が同じである
ので、現像領域にある磁気ブラシは短く、密になってい
ることが確認できた。この現象は図5の法線磁力パター
ンからも理解でき、現像スリーブ表面から1mm離れた
ところでの法線磁束密度が大きく減少しているので、磁
気ブラシは現像スリーブより離れたところではブラシチ
ェーンを形成することができず、磁気ブラシが短く現像
スリーブ表面に密に形成することとなる。ちなみに従来
の磁石ローラ(図7)では、主磁極のスリーブ表面上の
法線方向磁束密度は73mTを示し、スリーブ表面上か
ら1mm離れた部分での法線方向磁束密度は51.8m
Tであり、磁束密度の変化量は21.2mTの磁力差で
あった。この時の法線方向磁束密度の減衰率は29%で
ある。
【0055】磁石ローラの法線方向磁力分布とその大き
さ程度を示す図5を基礎にして主磁石P1bと補助磁石
P1a,P1cの位置関係を中心として改めて表した図
8から認識できるように、主磁石の最高法線磁力が95
mTである時の半値は47.5mTで、その半値幅は2
2°である。この主磁極の半値幅22°を境に、それよ
り大きくすると異常画像の発生があることが確認され
た。
【0056】主磁極磁力形成補助磁石P1a,P1cの
半値幅は35°以下に形成する。この部分での半値幅は
外側に位置するP2やP6の半値幅が大きいために主磁
極でのように半値幅を相対的に狭く設定することができ
ない。また主磁石P1bの両側にある主磁極磁力形成補
助磁石P1a,P1cによる挟角を30°以下に形成す
る。主磁極の現像剤搬送方向上流及び下流に補助磁極を
形成した上記の例では、主磁極での半値幅を16°に設
定するために当該挟角は22°とした。更に主磁極磁力
形成補助磁石P1a,P1cと当該補助磁石の外側にあ
る磁石P2,P6とによる変極点(0mT:磁力がN極
からS極、S極からN極に変わる点)の挟角を120°
以下にする。
【0057】例2:現像剤による現像駆動トルクの範囲
を0.15N・mに設定したものである。現像の駆動ト
ルクのうち、現像剤の攪拌に使用される割合は大きい。
現像剤攪拌はトナーの均一な帯電に必要だからである。
それを決める条件は現像剤量、攪拌に使用する部材、特
に最近はスクリュー形状のものが多く提案されている
が、現像剤に当接する面積、接触頻度(回転数)、現像
スリーブ中の磁極の磁力、現像剤中のキャリアの飽和磁
化、現像剤層厚のための規制部材45の現像スリーブ4
3(現像ローラ41)との間隙等に依存することが分か
っている。条件を組み合わせてトナーの効率的な帯電を
促していたが、既述したように現像剤が受ける機械的な
ハザードが寿命を短くする要因になっており、これを低
減することが重要である。
【0058】ここでは、トナーへストレスを与える要因
となる現像トルクに着目し、これを低減する構成にする
ことで、比較的低い帯電量でも十分な現像特性を得つ
つ、現像剤の寿命を延ばすことを考える。表1に示した
ように、現像器における幾つかのパラメータを変更した
ときの現像トルクとトナー帯電量の関係が分かってい
る。これを現状条件(比較例)に対して本発明の条件A
〜Dの範囲で選択することで、平均帯電量は低減しなが
ら、経時において現像剤の劣化促進が低減し、比較例の
150K枚通紙の寿命に対して、本発明では最大230
K枚へと飛躍的に向上した。
【0059】
【表1】
【0060】図9において、S1極が所謂主磁極となる
が全ての磁極に関係し、キャリアを含めた現像剤の搬送
及び磁気ブラシの硬さに影響を及ぼす。これは、各磁極
の磁力とキャリアの飽和磁化によって決まるもので、本
例では主磁極の磁力MDが70T、キャリアの飽和磁化
MCが100emu/gである。この範囲では磁気ブラシ
の硬さは適度であり、経時的にも現像剤がストレスを受
けることなく使用し続けることができる。図10にその
使用可能範囲を示したが、MD<60TもしくはMC<
60emu/gでは十分強固な磁気ブラシが形成できず、
均一な現像が行えない。またMD>80TもしくはMC
>130emu/gでは磁気ブラシが現像スリーブ上で強
固に形成されるのでトナー、キャリアの摩擦力が高ま
り、両者の表面が前者では添加剤の塊、後者ではトナー
の一部がキャリアに付着する、所謂スペント化現象が発
生し、トナーの流動性低減、トナー帯電量の低減により
現像特性が著しく劣化して、画像品質も劣化する。
【0061】現像ローラ41(スリーブ)上のトナー
は、現像スリーブに印加された現像バイアスで感光体上
1に移ることで感光体1上に形成された潜像を現像し、
当該潜像を顕像化する。ちなみに本例では感光体1の線
速を200mm/s、現像スリーブの線速を300mm
/sとしている。感光体1の直径を50mm、供給ホッ
パーの直径を18mm、現像スリーブの直径を16mm
として、現像行程が行われる。ここで現像スリーブ上の
トナー帯電量は−10〜−30μC/gの範囲である。
感光体の厚みを28μmとし、光学系のビームスポット
径を50×60μm、光量を0.23mWとしている。
感光体の帯電(露光前)電位Vを−300V、露光後
電位Vを−100Vとして現像バイアス電圧を−25
0V、すなわち現像ポテンシャル(V−V=150
V)として現像工程が行われる。感光体1上に形成され
たトナー像はその後、転写、定着工程を経て画像として
完成される。
【0062】例3(低光量露光):光量を高密度として
ビーム径を絞って露光する手法を用いて、所謂2値プロ
セスと称して提案が行われている。ところが光量をアッ
プすることで課題が存在する。一つは高密度の光量のビ
ーム径を絞ることは光学設計の余裕度を低減させ、部品
精度の向上が不可欠となってコストが上昇してしまう。
更にもう一つの点は光量が大きいために感光体に対する
帯電・露光において、通電電荷量アップによる所謂静電
ハザードを受け、寿命が短くなる要因の一つとなること
である。そこで感光体の初期帯電電位を低くすること
で、露光量も同時に低減して、汎用光学部品を使用して
高精細な潜像を形成すると共に感光体への静電ハザード
を低減して長寿命化を可能とするものである。
【0063】本発明において、現像特性におけるγ曲線
(現像電位差に対する現像量)をみるとその傾きが大き
く、比較的低電位でも現像し易く、すぐに飽和してしま
う。これは現像ローラ41上のトナー担持量を一定にし
てベタ画像でローラ上の全量のトナーで現像するのは比
較的容易ではあるが、小径ドットを形成するには従来の
感光体及び書き込みの諸条件では、微分感度が十分下が
らない場合は現像量の変化が生じて、その結果ドット径
の変動が見られるが、本発明ではそもそも帯電電位が低
く、上記潜像形成条件が1/e2で規定される潜像ドッ
ト径の部分で十分、微分感度が下がっているので均一な
ドット画像が形成できる。本例では従来の0.47mW
に対して0.23mWの露光パワーで十分均一な地汚れ
のない画像が得られた。
【0064】例4:現像剤層の静電容量と感光体の静電
容量の関係をCD(現像剤層の静電容量)>CP(感光
体の静電容量)と設定した。ここで感光体に静電容量を
計算すると本例では比誘電率2.7、厚み30μmなの
で静電容量は単位面積当たり79.6pF/cmとな
る。またトナー層の比誘電率が3、層厚が15μmとす
るとCD=177pF/cmとなり、CP<CDの条件
を満たしている。従来例では比誘電率2.7、厚み20
μmなので静電容量は単位面積当たり、119pF/cm
となる。またトナー層の比誘電率が3、層厚が25μ
mとするとCTL=106pF/cmとなり、CP>C
Dとなっている。
【0065】これを現像γで比較したものが図11、1
2である。図11は従来例でベタとライン・ドットのγ
曲線が乖離しているが、図12は本発明でライン・ドッ
トのγ曲線が近接しているのが特徴である。
【0066】更にこれをベタ画像における画像濃度の端
部での濃度変化で比較すると図13のように従来例では
エッジ効果が顕著であるが、本発明では低減できるの
で、ベタとライン・ドットの濃度の差を低減することが
できる。
【0067】現像剤層の抵抗による現像特性を、現像剤
層のダイナミック抵抗による現像γ特性として、図14
に示した。ダイナミック抵抗の測定方法に関しては既に
記述した。この抵抗が低い程現像γの傾きが大きくな
る。図14では105、106、107Ω・cmのもの
の比較結果を示した。107Ω・cmでは現像ポテンシ
ャルで飽和する領域に達するまでに400Vを超えてし
まう。それに対して105Ω・cm、106Ω・cmでは
400V以内で飽和付着量に達するので、現像能力が高
まっており、より低い現像ポテンシャルで現像を行うこ
とが可能である。
【0068】具体的な例として、16mm径と20mm
径での本発明に関わるFeNdBボンドの磁石ローラで
の磁束密度等を従来構成での磁石ローラとの比較におい
て表2に示す。当該磁石ローラの測定は既述したADS
社製TS−10A型プローブ、ガウスメータHGM−8
900Sを用いて行った。法線方向、接線方向の磁束密
度の測定のホール素子の位置はスリーブ表面より0.5
mmに設定した。
【0069】
【表2】
【0070】以上の条件により、後端白抜け及びギザギ
ザ形状の発生が抑制される。つまり、主磁極の半値幅を
狭くしたことで、短い磁気ブラシでの立ち上がりと穂倒
れを実現して現像ニップを狭くし、図28bに示された
磁気ブラシ先端側トナーの根元側への移動を極力少なく
し、スリーブ長手方向においては、その立ち上がりと倒
れを均一化するので、画像後端におけるギザギザ形状と
白抜けの発生がし難くなるのである。
【0071】図15は磁気ブラシ穂立ち均一度と画像後
端白抜けランクの関係を示していて、磁気ブラシが主磁
極によって発生する磁力線に沿って穂立ちを起こす穂立
ち均一度をランクで表している。ランク数字が小さい方
が穂立ちがばらついている状態であり、ランク数字が大
きい方が穂立ちの均一性に優れている。穂立ちの均一度
が上がるほど画像後端白抜けランクも良くなることが分
かる。
【0072】磁気ブラシの穂立ち均一度が悪い場合、図
16bに示すように、潜像担持体に接する部分における
磁気ブラシが不均一になるため、トナー移動の挙動が現
像スリーブ長手方向各位置によって異なり、非画像部の
電荷により移動するトナーの距離が変わり、潜像担持体
近傍のトナー濃度が長手方向に対して不均一になってし
まい、画像後端白抜けが起きやすくなる。また、画像後
端部が波打った状態で画像後端白抜けが発生する。反対
に穂立ち均一度が良い場合には、図16aのように、潜
像担持体に接触する際に磁気ブラシが長手方向に対して
均一に接触するため、トナーの移動が均一となり、画像
後端白抜けの発生を抑えることができる。このようなこ
とは磁気ブラシが潜像担持体から離間する側でも同じで
あり、均一に離間することが望ましく、磁気ブラシが現
像領域から抜ける際、スリーブ長手方向において均一な
状態でブラシ穂が現像スリーブに倒れる状態となると、
スキャベンジが均一となる。従来の磁石ローラのように
不均一に磁気ブラシが現像スリーブに穂倒れを起こす場
合にはスキャベンジ量に差が生まれ、画像後端部を磁気
ブラシが掃き取る状態を作り出して、異常画像の発生を
促してしまう。
【0073】本発明によれば、後端白抜けやギザギザ形
状の発生抑制と同様に、横線の再現性(特に縦横比の確
保)、ドットの再現性、トナー付着の均一性が改善され
る。そのイメージを図17に示し、図26と比較する。
【0074】主磁極が更に制御され、キャリアの穂列を
1列のみ感光体に接触可能である場合は、[キャリア粒
径×線速比(Ss/Sp)]以上のニップ幅で現像が可
能となる。
【0075】磁気ブラシ均一度は半値幅によって表すこ
とが可能である。図18は主磁極半値幅と磁気ブラシの
穂立ち均一度の関係を表す。半値幅が小さくなるほど磁
気ブラシの穂立ちの均一性が向上する。穂立ちが均一に
なることによって画像が良くなることは図15より明ら
かである。
【0076】また半値幅を狭くすることによって後端白
抜けランクが良くなることは図19から明らかである。
この図19は図15と図18の関係から導き出せるもの
で、半値幅が狭くなるほど磁気ブラシの穂立ち均一度が
上がり(図18)、当該穂立ち均一度が上がるほど画像
後端白抜けランクも上がる(図15)であるから、図1
9に示されるような関係が成り立つのである。
【0077】穂立ちの均一性が良い状態は、減衰率の高
い磁石ローラを用いて主磁極を形成させることによっ
て、作り出すことができる。実験値では半値幅を小さく
することによって減衰率が高まることが判明している。
半値幅を小さくするには、磁石の幅(スリーブ円周方向
での幅)を小さくすることによって達成できるが、半値
幅を狭くすることにより隣り合う磁石に回り込む磁力線
量が増え、スリーブ表面より離れた部分での法線磁束密
度が低下する。磁石ローラと現像スリーブの間には、磁
石ローラが固定され現像スリーブが回転するのに必要な
空間と現像スリーブの肉厚分とに基づく実質空隙が存在
し、接線磁束密度位置が実質的に現像スリーブ側に集中
するので、法線磁束密度はスリーブ表面から遠ざかるほ
ど低下するのである。
【0078】減衰率の高い磁石ローラを使用すると磁気
ブラシは短く密に形成される。これに対して、減衰率の
低い従来の磁石ローラでは磁気ブラシは長く疎に形成さ
れる。これは、減衰率の大きい磁石により形成された磁
界は隣の磁石(例えばP1bに対するP1a,P1c)
に引き付けられやすくなり、法線方向に磁束が広がるよ
りも接線方向に磁束が回り込む寄与が高くなり、法線方
向の磁束密度が小さくなることによって法線方向に磁気
ブラシが形成されにくくなり、短く且つ密に磁気ブラシ
が形成されるのである。例えば減衰率の高い磁石P1b
に形成される磁気ブラシは細長く個別に形成されるより
も隣り合って短く形成された方が安定する。減衰率の低
い従来の磁石ローラでは現像剤の汲み上げ量を少なくし
ても磁気ブラシは短くならず、ほぼ前述した磁気ブラシ
と同等の長さとなってしまう。
【0079】減衰率を高くするには、主磁極と隣り合う
主磁極形成補助磁石を(スリーブ周方向において)主磁
極位置に近づけることでも達成可能である。こうするこ
とにより、主磁極から発せられる磁力線が隣り合う主磁
極形成補助磁極に流れ込む磁力線が増すことになって、
減衰率が高くなる。
【0080】主磁極の半値幅を狭くして、短い磁気ブラ
シでの立ち上がりと穂倒れを実現し、スリーブ長手方向
においては、その立ち上がりと倒れを均一化すること
で、図30に破線で示した曲線の如く、線速比が大きく
なっても後端濃度の低下がない特性となること(条件
1)が確認された。これにより、後端白抜け/ギザギザ
が発生しない画質向上を実現する現像装置を提供するこ
とができる。
【0081】例5:次に、本発明の適用を電子写真式カ
ラー複写装置(以下、カラー複写機という)に広げて説
明する。まず、図20を用いて、本カラー複写機の概略
構成及び動作について説明する。このカラー複写機は、
カラー画像読取装置(以下、カラースキャナという)1
1、カラー画像記録装置(以下、カラープリンタとい
う)12、給紙バンク13等で構成されている。
【0082】上記カラースキャナ11は、コンタクトガ
ラス101上の原稿10の画像を照明ランプ102、ミ
ラー群103a,103b,103c及びレンズ104
を介してカラーセンサ105に結像して、原稿10のカ
ラー画像情報を、例えば赤、緑、青(以下、夫々R,
G,Bという)の色分解光毎に読み取り、電気的な画像
信号に変換する。ここで、カラーセンサ105は、本例
ではR,G,Bの色分解手段とCCDのような光電変換
素子で構成され、原稿10の画像を色分解した3色のカ
ラー画像を同時に読み取っている。そして、このカラー
スキャナ11で得たR,G,Bの色分解画像信号強度レ
ベルを基にして、不図示の画像処理部で色変換処理を行
い、黒(以下、Bkという)、シアン(以下、Cとい
う)、マゼンタ(以下、Mという)、イエロー(以下、
Yという)のカラー画像データを得る。
【0083】上記Bk、C、M、Yのカラー画像データ
を得るためのカラースキャナ11の動作は次の通りであ
る。後述のカラープリンタ12の動作とタイミングを取
ったスキャナスタート信号を受けて、照明ランプ102
及びミラー群103a,103b,103c等からなる
光学系が矢印左方向へ原稿10を走査し、1回の走査毎
に1色のカラー画像データを得る。この動作を合計4回
繰り返すことによって、順次4色のカラー画像データを
得る。そして、その都度カラープリンタ12で順次顕像
化しつつ、これを重ね合わせて最終的な4色フルカラー
画像を形成する。
【0084】上記カラープリンタ12は、像担持体とし
ての感光体ドラム20、書き込み光学ユニット22、リ
ボルバ現像ユニット23、中間転写装置26、定着装置
27等で構成されている。 上記感光体ドラム20は矢
印の反時計方向に回転し、その周りには、感光体クリー
ニング装置201、除電ランプ202、帯電器203、
電位センサ204、リボルバ現像ユニット23の選択さ
れた現像器、現像濃度パターン検知器205、中間転写
装置26の中間転写ベルト261などが配置されてい
る。
【0085】また、上記書き込み光学ユニット22は、
カラースキャナ11からのカラー画像データを光信号に
変換して、原稿10の画像に対応した光書き込みを行
い、感光体ドラム20に静電潜像を形成する。この書き
込み光学ユニット22は、光源としての半導体レーザー
221、不図示のレーザー発光駆動制御部、ポリゴンミ
ラー222とその回転用モータ223、f/θレンズ2
24、反射ミラー225などで構成されている。
【0086】また、上記リボルバ現像ユニット23は、
Bk現像器231K、C現像器231C、M現像器23
1M及びY現像器231Yと、各現像器を矢印の反時計
方向に回転させる後述のリボルバ回転駆動部などで構成
されている。各現像器は、静電潜像を現像するために現
像剤の穂を感光体ドラム20の表面に接触させて回転す
る現像スリーブと、現像剤を汲み上げて攪拌するために
回転する現像剤パドルなどで構成されている。各現像器
231内のトナーはフェライトキャリアとの攪拌によっ
て負極性に帯電され、また、各現像スリーブには不図示
の現像バイアス電源によって負の直流電圧Vdcに交流
電圧Vacが重畳された現像バイアスが印加され、現像
スリーブが感光体ドラム20の金属基体層に対して所定
電位にバイアスされている。複写機本体の待機状態で
は、リボルバ現像ユニット23はBk現像器231Kが
現像位置にセットされており、コピー動作が開始される
と、カラースキャナ11で所定のタイミングからBkカ
ラー画像データの読み取りが開始され、このカラー画像
データに基づいてレーザー光による光書き込み、静電潜
像形成が始まる(以下、Bk画像データによる静電潜像
をBk潜像という。C、M、Yについても同様)。この
Bk潜像の先端部から現像可能とすべくBk現像位置に
静電潜像先端部が到達する前にBk現像スリーブを回転
開始しておいて、Bk潜像をBKトナーで現像する。B
k潜像領域の現像動作が続いて、静電潜像後端部がBk
現像位置を通過した時点で、速やかに次の色の現像器
(本例では通常C現像器)が現像位置にくるまで、リボ
ルバ現像ユニット23が回転する。これは少なくとも、
次の画像データによる静電潜像先端部が到達する前に完
了する。
【0087】このリボルバ現像ユニット23について
は、後で詳しく説明する。上記中間転写装置26は、中
間転写ベルト261、ベルトクリーニング装置262、
紙転写コロナ放電器(以下、紙転写器という)263な
どで構成されている。中間転写ベルト261は駆動ロー
ラ264a、転写対向ローラ264b、クリーニング対
向ローラ264c及び従動ローラ群に張架されており、
不図示の駆動モータにより、駆動制御される。またベル
トクリーニング装置262は、入口シール、ゴムブレー
ド、排出コイル、入口シール及びゴムブレードの接離機
構等で構成されており、1色目のBk画像を中間転写ベ
ルト261に転写した後の2、3、4色目の画像をベル
ト転写している間は接離機構によって中間転写ベルト2
61の表面から入口シール、ブレードを離間させてお
く。また紙転写器263は、コロナ放電方式にてAC電
圧+DC電圧、又はDC電圧を印加して、中間転写ベル
ト261上の重ねトナー像を記録紙に一括転写する。
【0088】また、カラープリンタ12内の記録紙カセ
ット207及び給紙バンク13内の記録紙カセット30
a,30b,30cには、各種サイズの記録紙が収納さ
れており、指定されたサイズの記録紙のカセットから、
給紙コロ28,31a,31b,31cによってレジス
トローラ対29方向に給紙、搬送される。また、プリン
タ12の図で見て右側面には、OHP用紙や厚紙などの
手差し給紙用の手差しトレイ21が設けられている。
【0089】上記構成のカラー複写機において、画像形
成サイクルが開始されると、まず感光体ドラム20は矢
印の反時計方向に、中間転写ベルト261は矢印の時計
回りに不図示の駆動モータによって回転される。中間転
写ベルト261の回転に伴ってBkトナー像形成、Cト
ナー像形成、Mトナー像形成、Yトナー像形成が行わ
れ、最終的にBk、C、M、Yの順に中間転写ベルト2
61上に重ねてトナ−像が形成される。
【0090】上記Bkトナー像形成は次のように行なわ
れる。帯電器203はコロナ放電によって感光体ドラム
20を負電荷で約−700Vに一様帯電する。そして、
半導体レーザー221はBkカラー画像信号に基づいて
ラスタ露光を行う。このラスタ像が露光されたとき、当
初一様荷電された感光体ドラム20の露光部分は、露光
光量に比例する電荷が消失し、Bk潜像が形成される。
そして、このBk潜像にBk現像スリーブ上の負帯電の
Bkトナーが接触することにより、感光体ドラム20の
電荷が残っている部分にはトナーが付着せず、電荷の無
い部分、つまり露光された部分にはBkトナーが吸着さ
れ、静電潜像と相似なBkトナー像が形成される。そし
て、感光体ドラム20上に形成されたBkトナー像は、
感光体ドラム20と接触状態で等速駆動している中間転
写ベルト261の表面に、ベルト転写器265によって
転写される(以下、感光体ドラム20から中間転写ベル
ト261へのトナー像転写をベルト転写という)。
【0091】感光体ドラム20上の若干の未転写残留ト
ナーは、感光体ドラム20の再使用に備えて感光体クリ
ーニング装置201で清掃される。ここで回収されたト
ナーは回収パイプを経由して不図示の排トナータンクに
蓄えられる。
【0092】感光体ドラム20側ではBk画像形成工程
の次にC画像形成工程に進み、所定のタイミングでカラ
ースキャナ11によるC画像データ読み取りが始まり、
そのC画像データによるレーザー光書き込みで、C潜像
形成が行われる。そして、先のBk潜像の後端部が通過
した後で、かつC潜像の先端部が到達する前にリボルバ
ー現像ユニット23の回転動作が行なわれ、C現像器2
31Cが現像位置にセットされてC潜像がCトナーで現
像される。C潜像領域の現像が続いて、C潜像の後端部
が現像位置を通過した時点で、先のBk現像器231B
の場合と同様にリボルバー現像ユニット23の回転動作
がなされ、次のM現像器231Mを現像位置に移動させ
る。これもやはり次のM潜像の先端部が現像位置に到達
する前に完了させる。
【0093】なお、M及びYの画像形成工程について
は、それぞれのカラー画像データ読み取り、静電潜像形
成、現像の動作が上述のBk、Cの工程と同様であるの
で説明を省略する。
【0094】上記中間転写ベルト261には、感光体ド
ラム20に順次形成されるBk、C、M、Yのトナー像
を、同一面に順次位置合わせして、4色重ねのトナー像
が形成され、次の転写工程において、この4色のトナー
像が記録紙に紙転写器263により一括転写される。
【0095】上記画像形成動作が開始される時期に、記
録紙は上記記録紙カセット又は手差しトレイのいずれか
から給送され、レジストローラ対29のニップで待機し
ている。そして、紙転写器263に中間転写ベルト26
1上のトナー像先端がさしかかるときに、ちょうど記録
紙の先端がこのトナー像の先端に一致するようにレジス
トローラ対29が、駆動され、記録紙とトナー像とのレ
ジスト合わせが行われる。そして、記録紙が中間転写ベ
ルト261上のトナー像と重ねられて正電位の紙転写器
263の上を通過する。このときコロナ放電電流で記録
紙が正電荷で荷電され、トナー画像が記録紙上に転写さ
れる。続いて紙転写器263の図で見て左側に配置され
るべき不図示のAC+DCコロナによる分離除電器との
対向部を通過するときに、記録紙は除電され、中間転写
ベルト261から剥離して搬送ベルト211に移る。
【0096】そして、中間転写ベルト261面から4色
重ねトナー像を一括転写された記録紙は、搬送ベルト2
11で定着装置27に搬送され、所定温度に制御された
定着ローラ271と加圧ローラ272のニップ部でトナ
ー像が溶融定着され、排出ローラ対32で装置本体外に
送り出され、不図示のコピートレイに表向きにスタック
され、フルカラーコピーを得る。
【0097】一方、ベルト転写後の感光体ドラム20の
表面は、感光体クリーニング装置201(ブラシロー
ラ、ゴムブレード)でクリーニングされ、除電ランプ2
02で均一に除電される。また、記録紙にトナー像を転
写した後の中間転写ベルト261の表面は、ベルトクリ
ーニング装置262のブレードを再びブレード接離機構
で押圧することによってクリーニングされる。
【0098】次に、上記リボルバ現像ユニット23につ
いて説明する。図21は、各現像器231K,231
C,231M,231Yが一体となったリボルバ現像ユ
ニット23の内部構造を示す断面図である。このリボル
バ現像ユニット23の各現像器231K,231C,2
31M,231Yは、不図示の前後端板間に設けられた
中空角筒状のステー部材242によってそれぞれ支持さ
れている。また、各現像器231K,231C,231
M,231Yは、それぞれ同型の現像器ケーシング部2
83K,283C,283M,283Yを備えている。
これら各現像器ケーシング部283K,283C,28
3M,283Yには、現像剤としてのキャリア及び各色
のトナーからなる二成分現像剤がそれぞれ収容されてい
る。図示の例では感光体ドラム20に対向する現像位置
にあるのが黒トナーとキャリアを収容したBk現像器2
31Kで、図中反時計回りの順に、イエロートナーとキ
ャリアを収容したY現像器231Y、マゼンタトナーと
キャリアを収容したM現像器231M、シアントナーと
キャリアを収容したC現像器231Cになっている。
【0099】ここで、4つの各現像器の内部構造はまっ
たく同様なので、以下、図21において現像位置にある
Bk現像器231Kを例にとってその内部構造を説明
し、他の現像器の内部構造については、対応する部材の
符号として、Bk現像器における符号と同じ数字にイエ
ロー、マゼンタ、シアンの各現像器を区別するためY,
M,Cの添字を付した符号を図中に示し、その説明を省
略する。
【0100】図21に示すように現像装置に設けられて
いる現像剤担持体としての現像ローラ284は、潜像担
持体としての感光体ドラム20に近接するようにして配
置されており、両者の対向部分に現像領域が形成される
ようになっている。上記現像ローラ284には、アルミ
ニウム、真鍮、ステンレス、導電性樹脂などの非磁性体
を円筒状に形成してなる現像スリーブ285が不図示の
回転駆動機構によって時計回り方向に回転されるように
して備えられている。本例においては、感光体ドラム2
0のドラム径が90mmに設定されているとともに、ド
ラム線速が200mm/secが設定されている。また
現像スリーブ285のスリーブ径は30mmに設定され
ているとともに、スリーブ線速は240mm/secに
設定されている。したがって感光体ドラム20のドラム
線速に対する現像スリーブ285のスリーブ線速の比は
1.2である。また感光体ドラム20と現像スリーブ2
85との間隔である現像ギャップは0.4mmに設定さ
れている。
【0101】上記現像スリーブ285内には当該現像ス
リーブ285の表面上に現像剤を立ち上げるように磁界
を形成する磁石ローラ体286が固定状態で備えられて
いる。このとき現像剤を構成するキャリアは、上記磁石
ローラ体286から発せられる磁力線に沿うようにして
現像スリーブ285上にチェーン状に穂立ちを起こすと
ともに、このチェーン状に穂立ちを起こしたキャリアに
対して帯電トナーが付着されて磁気ブラシが構成される
ようになっている。この磁気ブラシは、現像スリーブ2
85の回転移送にともなって現像スリーブ285と同方
向(時計回り方向)に移送されることとなる。上記磁石
ローラ体286は、複数の磁極を備えている。具体的に
は、図22に詳細を示すように、現像領域部分に現像剤
を立ち上げる現像主磁極P1bと、現像主磁極磁力の形
成を補助する主磁極形成補助部材P1a,P1c、現像
スリーブ285上に現像剤を汲み上げるための磁極P
4,P5、汲み上げられた現像剤を現像領域まで搬送さ
せる磁極P6,P7,P8、現像後の領域で現像剤を搬
送させる磁極P2,P3を備えている。これらの各磁極
P1b,P1a,P1c,P4,P5,P6,P7,P
8,P2及びP3は、現像スリーブ285の半径方向に
向けて配置されている。その30mm径での本発明に係
るFeNdBボンドの磁石ローラでの磁束密度等を従来
構成での磁石ローラとの比較において表3に示す。
【0102】
【表3】
【0103】上記磁石ローラ286は10極によって構
成されているが、汲み上げ性、黒ベタ画像追従性を向上
させるためにP3極からドクタブレード間に磁極を更に
増やして12極で構成する磁石ローラとしても良い。磁
石の形状に関しては、上記磁石ローラ内部の個々の磁石
断面形状は四角でもよいが、その他に扇型、竹輪型など
が考えられる。
【0104】上記磁石ローラの測定は既述したADS社
製TS−10A型プローブ、ガウスメータHGM−89
00Sを用いて行った。法線方向、接線方向の磁束密度
の測定のホール素子の位置はスリーブ表面より0.5m
mに設定した。
【0105】以上のような構成を有する現像ローラを有
する現像装置において、現像器ケーシング部283K内
には、現像ローラ284に担持され感光体ドラム20と
の対向部に搬送される現像剤量を規制するドクタブレー
ド287、当該ドクタブレード287で規制されて現像
器ケーシング内に押し留められた現像剤の−部を中心軸
線方向に沿って後から前に搬送する第1搬送スクリュー
288、及び、中心軸線方向に沿って上記第1搬送スク
リュー288とは逆の向きに現像剤を搬送する第2搬送
スクリュー289が配設されている。この第2搬送スク
リュー289の下方の現像器ケーシング部283Kに
は、現像器ケーシング部283Kに収容されている現像
剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサが設
置されている。
【0106】作像条件はGp(現像ギャップ)とGd
(ドクタギャップ)を変えて行い「ざらつき」並びに
「後端白抜け」を評価した。Gdは剤規制部材に関わる
ものである為に、広くなると汲み上げ量ρが増加し、狭
めると汲み上げ量が低下する。
【0107】Gp/ρが小さいほどざらつきの向上が見
られた。つまり、狭い現像ギャップ内に多くの現像剤を
充填することによってトナーが潜像に対し忠実に付き、
ざらつきが改善される。後端白抜けに関してはどの条件
においても良好であり、現像領域内の現像剤密度、感光
体に接触する長さが短いことで改善されている。現像領
域内に突入した現像剤の接触率が増加し、現像スリーブ
から感光体への電荷の移動も一層効率的になっている。
要するに現像慮域内に均一に現像電界が形成されること
によって潜像に対し忠実に現像されるのである。更に交
番電界を印加することによってトナーの現像領域内での
移動が容易になり、更に改善に繋がることは言うまでも
ない。
【0108】例6:図23に、低電位プロセスによるプ
ロセスカ−トリッジを有する画像形成装置の概略構成を
示す。本例においては、上述の感光体1、帯電装置2、
現像装置4(現像ローラ41)及びクリ−ニング手段7
等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカ−トリッ
ジとして一体的に結合して構成し、このプロセスカ−ト
リッジを画像形成装置本体に対して着脱可能に取り付け
る。本発明の現像装置を有するプロセスカ−トリッジを
備えた画像形成装置は、感光体が所定の周速度で回転駆
動される。感光体は回転過程において、帯電装置により
その周面に正又は負の所定電位の均一帯電を受け、次い
で、スリット露光やレ−ザ−ビ−ム走査露光等の像露光
手段からの画像露光光を受け、こうして感光体の周面に
静電潜像が順次形成され、形成された静電潜像は、次い
で現像装置によりトナ−現像され、現像されたトナ−像
は、給紙部から感光体と転写手段との間に感光体の回転
と同期給送された転写材に、転写手段により順次転写さ
れていく。像転写を受けた転写材は感光体表面から分離
されて定着手段へ導入されて定着され、複写物(コピ
−)として装置外へプリントアウトされる。
【0109】像転写後の感光体の表面は、クリ−ニング
手段によって転写残りトナ−の除去を受けて清浄面化さ
れ、更に除電された後、繰り返し画像形成に使用され
る。プロセスカートリッジは独立して取り外しが可能
で、感光体ユニット、現像装置とも本発明で寿命は延び
るが、必ずしもその長さは一致しない場合もあり、その
時はそれぞれ別々に容易に交換することが可能となる。
また、独立して配設できるので簡単な機構を追加するこ
とで、非現像時に現像ローラを感光体から退避させるこ
とが可能となり、現像ローラへのトナーフィルミングの
促進が低減され、更に現像装置の寿命が延びる。図にお
いて、プロセスカ−トリッジ全体を示し、像担持体、帯
電手段、現像手段、クリーニング手段を示す。
【0110】図23に概念的にのみ示した本例の現像装
置41において、現像時、現像スリーブには、不図示の
電源より現像バイアスとして、直流電圧に交流電圧を重
畳した振動バイアス電圧が印加される。背景部電位と画
像部電位は、上記振動バイアス電位の最大値と最小値の
間に位置している。これによって現像領域において向き
が交互に変化する交互電界が形成される。この交互電界
中で現像剤のトナーとキャリアが激しく振動し、トナー
が現像スリーブ及びキャリアへの静電的拘束力を振り切
って感光体ドラムに飛翔し、感光体ドラムの潜像に対応
して付着する。
【0111】振動バイアス電圧の最大値と最小値の差
(ピーク間電圧)は、0.5〜5KVが好ましく、周波数
は1〜10KHzが好ましい。振動バイアス電圧の波形
は、矩形波、サイン波、三角波等が使用できる。振動バ
イアスの直流電圧成分は、上記したように背景部電位と
画像部電位の間の値であるが、画像部電位よりも背景部
電位に近い値である方が、背景部電位領域へのかぶりト
ナーの付着を防止する上で好ましい。
【0112】振動バイアス電圧の波形が矩形波の場合、
デューティ比を50%以下とすることが望ましい。ここ
でデューティ比とは、振動バイアスの1周期中でトナー
が感光体に向かおうとする時間の割合である。このよう
にすることにより、トナーが感光体に向かおうとするピ
ーク値とバイアスの時間平均値との差を大きくすること
ができるので、トナーの運動が更に活発化し、トナーが
潜像面の電位分布に忠実に付着してざらつき感や解像力
を向上させることができる。またトナーとは逆極性の電
荷を有するキャリアが感光体に向かおうとするピーク値
とバイアスの時間平均値との差を小さくすることができ
るので、キャリアの運動を沈静化し、潜像の背景部にキ
ャリアが付着する確率を大幅に低減することができる。
【0113】
【発明の効果】本発明によれば、通電電荷量が低減する
ことで像担持体表面の劣化が防止される一方で、現像能
力の向上を図ることができる。更には画像のざらつき
感、細線再現性が改善する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る現像装置を含む感光体ユニットの
概略構成図である。
【図2】図1における現像装置の詳細構成図である。
【図3】|V−V|と|V−V|の関係を示す
グラフである。
【図4】パッシェンの放電則を説明するグラフである。
【図5】本発明に係る現像装置での現像ローラの磁力分
布とその大きさ程度を示す図である。
【図6】磁石P1aが欠けた場合の磁力分布を示す図で
ある。
【図7】比較のために従来公知の現像ローラの磁力分布
を示す図である。
【図8】主磁石と主磁極磁力形成補助磁石の角度位置関
係を表す図である。
【図9】現像駆動トルクを関連した構成を示す概念図で
ある。
【図10】最大磁極磁力とキャリア飽和磁化の関係を示
すグラフである。
【図11】従来構成での潜像による現像γの関係を示す
グラフである。
【図12】本発明の構成での潜像による現像γの関係を
示すグラフである。
【図13】本発明の構成と従来構成でのエッジ効果の違
いを説明するグラフである。
【図14】現像剤層の抵抗による現像γ特性を説明する
グラフである。
【図15】磁気ブラシの穂立ち均一度と画像後端白抜け
の程度の関係をランク的に示すグラフである。
【図16】後端白抜けの有無に伴う現像スリーブ長手方
向での様子を示す概念図で、(a)が本発明に係る磁気
ブラシによるものであり、(b)が従来の磁気ブラシに
よるものである。
【図17】本発明での現像領域での現像ギャップやニッ
プの大きさを示すイメージ図である。
【図18】主磁極の半値幅と磁気ブラシの穂立ち均一度
の程度の関係を示すグラフである。
【図19】主磁極の半値幅と画像後端白抜けの程度の関
係を示すグラフである。
【図20】本発明に係る画像形成装置としてのカラー複
写機の概略構成図である。
【図21】本発明に係る現像装置としてのリボルバ現像
ユニットの部分概略構成図である。
【図22】図10のリボルバ現像ユニットでの現像ロー
ラの磁力分布とその大きさ程度を示す図である。
【図23】プロセスカートリッジを有する画像形成装置
の概略構成図である。
【図24】感光体現像部における電位及びバイアス条件
の模式図である。
【図25】画像濃度と画像特性の関係を示す四限チャー
トである。
【図26】比較のために従来公知の現像ギャップやニッ
プの大きさを示すイメージ図である。
【図27】現像ニップ内での磁気ブラシにおけるキャリ
アに付着しているトナーの振る舞いを静電潜像との位置
関係で示すもので、静電潜像の表面電位とニップでの静
電潜像位置の状態及びニップ内での磁気ブラシの動きを
夫々a,bで示す。
【図28】図27aでの磁気ブラシの先端キャリアとト
ナーの付着状態をモデル図として表したもので、a〜d
がそれぞれ磁気ブラシ位置H1,H2,H3,H4に相
当する。
【図29】後端白抜けの観察のために用いたベタ画像を
示す図である。
【図30】現像スリーブの移動速度と感光体の移動速度
の速度比と画像濃度の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 感光体ドラム 4 現像装置 41 現像ローラ 43 現像スリーブ 44 磁石ローラ体 45 ドクタブレード 47 スクリュー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 勝弘 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 有泉 修 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H027 DA02 DA04 EA05 EC07 EC14 2H031 AC19 AC20 AC30 AD05 BA04 CA03 CA07 CA09 FA01 2H073 AA02 BA02 BA03 BA23 CA03 2H077 AD06 AD13 AD18 AD35 BA07 DB08 EA03 FA19 GA12

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 現像剤担持体表面に現像剤を磁気吸着さ
    せて磁気ブラシを形成する現像磁極を有する現像装置
    と、当該現像装置に対向し上記磁気ブラシにより表面潜
    像を可視像化される像担持体とを備えた現像ユニットに
    おいて、 暗部電位をV、露光後電位をV、現像バイアス電圧
    をVとすると0<|V|−|V|<|V−V
    |<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度の現像
    ポテンシャルに対する関係にて、最大の傾き(ΔID/
    Δ[V−V]max);Aに対して、V−Vの最大
    値における傾き(ΔID/Δ[{V
    MAX]);Bとすると、0.9×A>Bを満た
    し、且つ現像領域内の現像磁極の法線方向の減衰率を4
    0%以上とする現像剤担持体を有することを特徴とする
    現像ユニット。
  2. 【請求項2】 現像剤担持体表面に現像剤を磁気吸着さ
    せて磁気ブラシを形成する現像磁極を有する現像装置
    と、当該現像装置に対向し上記磁気ブラシにより表面潜
    像を可視像化される像担持体とを備えた現像ユニットに
    おいて、 暗部電位をV、露光後電位をV、現像バイアス電圧
    をVとすると0<|V|−|V|<|V−V
    |<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度の現像
    ポテンシャルに対する関係にて、最大の傾き(ΔID/
    Δ[V−V]max);Aに対して、V−Vの最大
    値における傾き(ΔID/Δ[{V
    MAX]);Bとすると、0.9×A>Bを満た
    し、且つ現像領域内の現像剤の汲み上げ量ρ(g/cm
    )と像担持体・現像剤担持体間の最近接距離Gp(m
    m)の比がGp/ρ<10であることを特徴とする現像
    ユニット。
  3. 【請求項3】 現像剤担持体表面に現像剤を磁気吸着さ
    せて磁気ブラシを形成する現像磁極を有する現像装置
    と、当該現像装置に対向し上記磁気ブラシにより表面潜
    像を可視像化される像担持体とを備えた現像ユニットに
    おいて、 暗部電位をV、露光後電位をV、現像バイアス電圧
    をVとすると0<|V|−|V|<|V−V
    |<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度の現像
    ポテンシャルに対する関係にて、最大の傾き(ΔID/
    Δ[V−V]max);Aに対して、V−Vの最大
    値における傾き(ΔID/Δ[{V
    MAX]);Bとすると、0.9×A>Bを満た
    し、且つ像担持体・現像剤担持体間の最近接距離を平均
    キャリア粒径の3倍以上10倍以下とし、当該最近接距
    離に対する現像ニップ境界部の像担持体・現像剤担持体
    間距離の比を1.5以下とすることを特徴とする現像ユ
    ニット。
  4. 【請求項4】 現像剤担持体表面に現像剤を磁気吸着さ
    せて磁気ブラシを形成する現像磁極を有する現像装置
    と、当該現像装置に対向し上記磁気ブラシにより表面潜
    像を可視像化される像担持体とを備えた現像ユニットに
    おいて、 暗部電位をV、露光後電位をV、現像バイアス電圧
    をVとすると0<|V|−|V|<|V−V
    |<400Vを満たし、且つ上記範囲で画像濃度の現像
    ポテンシャルに対する関係にて、最大の傾き(ΔID/
    Δ[V−V]max);Aに対して、V−Vの最大
    値における傾き(ΔID/Δ[{V
    MAX]);Bとすると、0.9×A>Bを満た
    し、且つ上記現像磁極とその現像剤搬送方向上流及び/
    又は下流側の搬送磁極との間に、上記現像磁極の磁力を
    補助する補助磁極が備えられていることを特徴とする現
    像ユニット。
  5. 【請求項5】 上記現像装置を少なくとも2つ有するこ
    とを特徴とする請求項1に記載の現像ユニット。
  6. 【請求項6】 上記像担持体上の潜像を現像する際に、
    交互電界を印加するようになったことを特徴とする請求
    項1〜5のいずれか一項に記載の現像ユニット。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載の現
    像ユニットを備えた画像形成装置。
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