JPH1047111A - 筒内噴射型火花点火式内燃エンジン - Google Patents

筒内噴射型火花点火式内燃エンジン

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JPH1047111A
JPH1047111A JP8206012A JP20601296A JPH1047111A JP H1047111 A JPH1047111 A JP H1047111A JP 8206012 A JP8206012 A JP 8206012A JP 20601296 A JP20601296 A JP 20601296A JP H1047111 A JPH1047111 A JP H1047111A
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injection
fuel
fuel injection
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Hitoshi Kamura
均 加村
Kenjirou Hatayama
健二郎 幡山
Hiroki Tamura
宏記 田村
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    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
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    • F02B75/12Other methods of operation
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  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)
  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料噴射時期が圧縮行程であっても吸気行程
であっても容易にして常に安定した運転状態を確保可能
な筒内噴射型火花点火式内燃エンジンを提供する。 【解決手段】 筒内噴射型火花点火式内燃エンジンで
は、各種燃焼パラメータに基づいて燃焼制御が行われる
が、圧縮行程噴射モードが選択されたときには、各種燃
焼パラメータはエンジン回転速度及び加速操作状態検出
手段の出力結果に基づく第1の負荷相関値(Pe)によ
り設定され(S20)、一方、吸気行程噴射モードが選択さ
れたときには、各種燃焼パラメータは少なくとも吸入空
気量検出手段の出力結果に基づく第2の負荷相関値(E
v)により設定される(S22)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒内噴射型火花点
火式内燃エンジンに係り、詳しくは、圧縮行程及び吸気
行程で燃料噴射可能な筒内噴射型火花点火式内燃エンジ
ンに関する。
【0002】
【関連する背景技術】近年、車両に搭載される火花点火
式内燃エンジンにおいて、有害排出ガス成分の低減や燃
費の向上等を図るため、旧来の吸気管噴射型に代えて燃
焼室に直接燃料を噴射する筒内噴射型のガソリンエンジ
ンが種々提案されている。筒内噴射型のガソリンエンジ
ンでは、例えば、燃料噴射弁からピストン頂部に設けた
キャビティ内に燃料を噴射することで、点火時点におい
て点火プラグの周囲に理論空燃比に近い空燃比の混合気
を生成させている。これにより、全体に希薄な空燃比で
も着火が可能となり、COやHCの排出量が減少すると
共に、アイドル運転時や低負荷走行時の燃費を大幅に向
上させることができるようにされている。
【0003】また、このようなガソリンエンジンでは、
エンジンの運転状態、つまりエンジン負荷に応じて圧縮
行程噴射モード(後期噴射モード)と吸気行程噴射モー
ド(前期噴射モード)とを切り換えるようにしている。
これにより、低負荷運転時には、圧縮行程中に燃料を噴
射し、点火プラグの周囲やキャビティ内に理論空燃比に
近い空燃比の混合気を形成させることができ、これによ
り、全体として希薄な空燃比でも良好な着火を実現でき
る。一方、中高負荷運転時には、吸気行程中に燃料を噴
射し、燃焼室内に均一な空燃比の混合気を形成させるこ
とができ、これにより、吸気管噴射型のものと同様に、
多量の燃料を燃焼させて加速時や高速走行時に要求され
る出力を確保することが可能とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
筒内噴射型のガソリンエンジンでは、燃料の噴射時期や
点火時期等の設定が問題となる。そこで、このような筒
内噴射型のガソリンエンジンにおいては、圧縮行程噴射
モードでのスロットル開度のエンジン負荷との相関性が
高いことに着目し、通常はエンジン回転速度とスロット
ル開度とから求めた目標平均有効圧(負荷相関値)Pe
に基づいて燃料の噴射時期や点火時期等の設定を行うよ
うにしている。
【0005】しかしながら、この目標平均有効圧Pe
は、圧縮行程噴射モードでは特に問題ないのであるが、
吸気行程噴射モードにおいて適用すると、例えば高地や
夏季等のように吸入空気量が少なくなるような環境のも
とでは、実際に得られるエンジン負荷と目標平均有効圧
Peに応じた負荷との間に差異が生じ、正確な燃料噴射
時期や点火時期等が得られず、結果としてエンジンの運
転状態が不安定になる虞がある。また、この場合、目標
平均有効圧Peを適宜補正することも考えられるが、演
算が複雑になり好ましいことではない。
【0006】そこで、例えば、空気流量に基づいて燃料
噴射時期や点火時期等をより正確に設定するための手段
が特公昭52−6414号公報等に開示されているが、
当該公報に開示されるものは、エンジンの低負荷時にお
いてのみ適用されるものであって実用的なものとは言い
難い。本発明は、上述した事情に基づきなされたもの
で、その目的とするところは、燃料噴射時期が圧縮行程
であっても吸気行程であっても容易にして常に安定した
運転状態を確保可能な筒内噴射型火花点火式内燃エンジ
ンを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、請求項1の発明では、燃焼室に燃料を直接噴射する
燃料噴射弁を有し、運転状態に応じて主として吸気行程
において燃料噴射を行う吸気行程噴射モードと、主とし
て圧縮行程において燃料噴射を行う圧縮行程噴射モード
とを選択可能な筒内噴射型火花点火式内燃エンジンにお
いて、加速操作部材の操作状態を検出する加速操作状態
検出手段と、エンジン回転速度を検出するエンジン回転
速度検出手段と、前記燃焼室に導かれる吸入空気量を検
出する吸入空気量検出手段と、各種燃焼パラメータに基
づき燃焼制御を行う燃焼制御手段と、前記圧縮行程噴射
モードが選択されたときには、前記各種燃焼パラメータ
を前記エンジン回転速度及び前記加速操作状態検出手段
の出力結果に基づく第1の負荷相関値により設定する一
方、前記吸気行程噴射モードが選択されたときには、前
記各種燃焼パラメータを少なくとも前記吸入空気量検出
手段の出力結果に基づく第2の負荷相関値により設定す
る燃焼パラメータ設定手段とを備えたことを特徴として
いる。
【0008】従って、筒内噴射型火花点火式内燃エンジ
ンは、各種燃焼パラメータに基づいて燃焼制御が行われ
るが、圧縮行程噴射モードが選択されたときには、各種
燃焼パラメータは、エンジン回転速度及び加速操作状態
検出手段の出力結果に基づく第1の負荷相関値により設
定される。一方、吸気行程噴射モードが選択されたとき
には、各種燃焼パラメータは、少なくとも吸入空気量検
出手段の出力結果に基づく第2の負荷相関値に基づき設
定される。これにより、各燃料噴射モード毎に、要求す
るエンジン負荷と相関関係の大きい負荷相関値に基づい
て燃焼パラメータが設定され、燃料噴射モードの如何に
拘わらず常に良好な燃焼制御が実施され、安定したエン
ジンの運転状態が維持される。故に、筒内噴射型火花点
火式内燃エンジンが車両に搭載された場合にあっては、
ドライバビリティが向上する。
【0009】また、請求項2の発明では、前記燃焼パラ
メータ設定手段は、前記吸気行程噴射モードが選択され
たときには、前記各種燃焼パラメータの一部を前記第1
の負荷相関値に基づき設定するとともに残部を前記第2
の負荷相関値に基づき設定するようにし、前記第1及び
第2の負荷相関値を使い分けて前記各種燃焼パラメータ
を設定することを特徴としている。
【0010】従って、吸気行程噴射モードが選択された
ときには、各種燃焼パラメータの一部が第1の負荷相関
値に基づき設定され、残部が第2の負荷相関値に基づき
設定され、各種燃焼パラメータ毎に、より適正な負荷相
関値に基づいて燃焼パラメータが好適に設定される。ま
た、請求項3の発明では、前記各種燃焼パラメータは少
なくとも燃料噴射量相関値と補正吸気量相関値とを含
み、前記燃焼パラメータ設定手段は、前記吸気行程噴射
モードが選択されたときには、前記燃料噴射量相関値を
前記第2の負荷相関値に基づき設定する一方、前記補正
吸気量相関値を前記第1の負荷相関値に基づき設定する
ことを特徴としている。
【0011】従って、吸気行程噴射モードが選択された
ときには、各種燃焼パラメータのうち燃料噴射量相関値
については第2の負荷相関値に基づいて設定され、補正
吸気量相関値については第1の負荷相関値により設定さ
れる。故に、燃料噴射量相関値と補正吸気量とは、とも
に、より適正な負荷相関値に基づいて設定される。ま
た、請求項4の発明では、前記吸気行程噴射モードと前
記圧縮行程噴射モードとの選択切換は、前記加速操作状
態検出手段の出力結果に応じた前記第1の負荷相関値に
基づいて実施されることを特徴としている。
【0012】従って、第1の負荷相関値はエンジン回転
速度と加速操作状態検出手段の出力結果に基づいて比較
的容易に求められるのであるが、吸気行程噴射モードと
圧縮行程噴射モードとの選択切換は、この第1の負荷相
関値に基づいて第2の負荷相関値に基づくよりも容易且
つ正確に実施される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
一実施形態を詳細に説明する。図1は、車両に搭載され
た本発明に係る内燃エンジンの制御装置の一実施形態を
示す概略構成図である。以下、同図に基づき、内燃エン
ジンの制御装置の構成について説明する。
【0014】エンジン1としては、吸気行程での燃料噴
射(前期噴射モード)とともに圧縮行程での燃料噴射
(後期噴射モード)を実施可能であって、且つ希薄空燃
比、即ちリーン空燃比での燃焼が可能な、筒内噴射型直
列4気筒ガソリンエンジンが適用される。この筒内噴射
型のエンジン1では、燃焼室を始め吸気装置や排ガス再
循環(EGR)を行うEGR装置(排ガス再循環装置)
等が筒内噴射専用に設計されており、また、容易にして
リッチ空燃比、理論空燃比(ストイキオ)AFS、リー
ン空燃比での運転が実現可能とされている。
【0015】エンジン1のシリンダヘッド2には、各気
筒毎に点火プラグ3とともに電磁式の燃料噴射弁4も取
り付けられており、燃焼室5内に燃料が直接噴射される
ようにされている。また、シリンダ6に上下摺動自在に
保持されたピストン7の頂面には、圧縮行程後期に燃料
噴射弁4からの燃料噴霧が到達する位置に、半球状の窪
み、即ちキャビティ8が形成されている。また、このエ
ンジン1の圧縮比は、吸気管噴射型のものに比べ高く
(例えば、12程度)設定されている。動弁機構として
はDOHC4弁式が採用されており、シリンダヘッド2
の上部には、吸排気弁9,10をそれぞれ駆動すべく、
吸気側カムシャフト11と排気側カムシャフト12とが
回転自在に支持されている。
【0016】シリンダヘッド2には、両カムシャフト1
1,12の間を抜けるようにして、略直立方向に吸気ポ
ート13が形成されており、この吸気ポート13を通過
した吸気流は燃焼室5内において、通常のタンブル流と
は逆方向のタンブル流である逆タンブル流を発生可能と
されている。一方、排気ポート14については、通常の
エンジンと同様に略水平方向に形成されているが、斜め
下方に向け大径の排ガス再循環ポート、即ちEGRポー
ト15が分岐している。
【0017】図中、符号16は冷却水温Twを検出する
水温センサである。また、符号17は各気筒の所定のク
ランク位置(例えば、5°BTDCおよび75°BTDC)でク
ランク角信号SGTを出力するベーン型のクランク角セン
サであり、このクランク角センサ17はクランク角信号
SGTに基づきエンジン回転速度Neを検出可能とされて
いる。符号19は点火プラグ3に高電圧を出力する点火
コイルである。なお、クランクシャフトの半分の回転数
で回転するカムシャフトには、気筒判別信号SGCを出力
する気筒判別センサ(図示せず)が設けられており、こ
れにより、上記クランク角信号SGTがどの気筒のものか
判別可能とされている。
【0018】吸気ポート13には、サージタンク20を
有する吸気マニホールド21を介して、スロットルボデ
ィ23、ステッパモータ式の#1ABV(第1エアバイ
パスバルブ)24、エアフローセンサ32及びエアクリ
ーナ22を備えた吸気管25が接続されている。吸気管
25には、スロットルボディ23を迂回して吸気マニホ
ールド21に吸気を行う大径のエアバイパスパイプ26
が併設されており、その管路にはリニアソレノイド式で
大型の#2ABV(第2エアバイパスバルブ)27が設
けられている。なお、エアバイパスパイプ26は、吸気
管25に準ずる流路面積を有しており、#2ABV27
の全開時にはエンジン1の低中速域で要求される量の吸
気が可能とされている。
【0019】また、スロットルボディ23には、流路を
開閉するバタフライ式のスロットルバルブ28ととも
に、スロットルバルブ28の開度、即ちスロットル開度
θthを検出するスロットル弁開度センサとしてのスロッ
トルポジションセンサ(以下、TPSという)29と、
スロットルバルブ28の全閉状態を検出してエンジン1
のアイドリング状態を認識するアイドルスイッチ30と
が備えられている。なお、実際には、TPS29から
は、スロットル開度θthに応じたスロットル電圧VTHが
出力され、このスロットル電圧VTHに基づいてスロット
ル開度θthが認識される。
【0020】上記エアフローセンサ32は、吸入空気量
Qaを検出するものであって、例えば、カルマン渦式フ
ローセンサが使用される。なお、吸入空気量Qaは、サ
ージタンク20にブースト圧センサを取付け、このブー
スト圧センサにより検出される吸気管圧力から求めるよ
うにしてもよい。一方、排気ポート14には、O2セン
サ40が取付けられた排気マニホールド41を介して、
三元触媒42や図示しないマフラー等を備えた排気管4
3が接続されている。また、上述のEGRポート15
は、大径のEGRパイプ44を介して、吸気マニホール
ド21の上流に接続されており、その管路にはステッパ
モータ式のEGRバルブ45が設けられている。
【0021】燃料タンク50は、車両の図示しない車体
後部に設置されている。燃料タンク50に貯留された燃
料は、電動式の低圧燃料ポンプ51に吸い上げられ、低
圧フィードパイプ52を介してエンジン1側に送給され
る。低圧フィードパイプ52内の燃圧は、リターンパイ
プ53の管路に介装された第1燃圧レギュレータ54に
より、比較的低圧(低燃圧)に調圧される。エンジン1
側に送給された燃料は、シリンダヘッド2に取り付けら
れた高圧燃料ポンプ55により、高圧フィードパイプ5
6とデリバリパイプ57とを介して、各燃料噴射弁4に
送給される。
【0022】高圧燃料ポンプ55は、例えば斜板アキシ
ャルピストン式であり、排気側カムシャフト12により
駆動され、エンジン1のアイドル運転時においても5M
Pa〜7MPa以上の吐出圧を発生可能とされている。そ
して、デリバリパイプ57内の燃圧は、リターンパイプ
58の管路に介装された第2燃圧レギュレータ59によ
り、比較的高圧(高燃圧)に調圧される。
【0023】図中、符号60は第2燃圧レギュレータ5
9に取付けられた電磁式の燃圧切換弁である。この燃圧
切換弁60は、オン状態で燃料をリリーフし、これによ
りデリバリパイプ57内の燃圧を低燃圧に低下させるこ
とが可能である。また、符号61は高圧燃料ポンプ55
の潤滑や冷却等に利用された一部の燃料を燃料タンク5
0に還流させるリターンパイプである。
【0024】車両の車室内には、入出力装置、制御プロ
グラムや制御マップ等の記憶に供される記憶装置(RO
M,RAM,BURAM等)、中央処理装置(CP
U)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子制御ユニ
ット)70が設置されており、このECU70によっ
て、エンジン1の総合的な制御が実施される。ECU7
0の入力側には、上述した各種のセンサ類が接続されて
おり、各種センサ類等からの検出情報が入力する。EC
U70は、これらの検出情報に基づき、燃料噴射モード
を始めとして、燃料噴射量、点火時期、EGRガスの導
入量等を決定し、燃料噴射弁4や点火コイル19、EG
Rバルブ45等を駆動制御する。なお、ECU70の入
力側には、説明を省略するが、上記各種センサ類の他、
図示しない多数のスイッチやセンサ類が接続されてお
り、一方、出力側にも図示しない各種警告灯や機器類等
が接続されている。
【0025】次に、上記のように構成されたエンジン1
の制御装置の作用、即ちエンジン1の燃焼制御内容につ
いて説明する。エンジン1が冷機状態にあるときには、
運転者がイグニッションキーをオン操作すると、ECU
70は、低圧燃料ポンプ51とレギュレータバイパスバ
ルブ60をオンにして、燃料噴射弁4に低燃圧の燃料を
供給する。
【0026】運転者がイグニッションキーをスタート操
作すると、図示しないセルモータによりエンジン1がク
ランキングされ、同時にECU70により燃焼制御が開
始される。この時点では、ECU70は、前期噴射モー
ド(即ち、吸気行程噴射モード)を選択し、比較的リッ
チな空燃比となるように燃料を噴射する。これは、冷機
時には燃料の気化率が低いため、後期噴射モード(即
ち、圧縮行程噴射モード)で噴射を行うと、失火や未燃
燃料(HC)の排出が避けられないことに基づいてい
る。また、ECU70は、このような始動時においては
#2ABV27を閉鎖する。従って、この場合、燃焼室
5への吸気はスロットルバルブ28の隙間や#1ABV
24を介して行われる。なお、#1ABV24と#2A
BV27とは、ECU70により一元管理されており、
スロットルバルブ28を迂回する吸入空気(バイパスエ
ア)の必要導入量に応じてそれぞれの開弁量が決定され
る。
【0027】このようにしてエンジン1の始動が完了
し、エンジン1がアイドル運転を開始すると、高圧燃料
ポンプ55が定格の吐出作動を始めることになり、EC
U70は、レギュレータバイパスバルブ60をオフにし
て燃料噴射弁4に高圧の燃料を供給する。この際、要求
される燃料噴射量は、高圧燃料ポンプ55の吐出圧と燃
料噴射弁4の開弁時間、即ち燃料噴射時間とから得られ
る。
【0028】そして、冷却水温Twが所定値に上昇する
までは、ECU70は、始動時と同様に前期噴射モード
を選択してリッチ空燃比となるよう燃料を噴射するとと
もに、#2ABV27を継続して閉鎖状態とする。な
お、エアコン等の補機類の負荷の増減に応じたアイドル
回転数の制御は、吸気管噴射型エンジンの場合と同様に
して#1ABV24によって行われる。
【0029】このように、冷機時においては、吸気管噴
射型エンジンの場合と略同様の燃料噴射制御が行われる
ことになるが、この場合には、吸気管13の壁面への燃
料滴の付着等がないため、制御の応答性や精度は高い。
図2を参照すると、エンジン1が暖機した状態でECU
70が実行する燃焼制御の制御手順がブロック図で示さ
れており、また、図3を参照すると、燃焼制御のうちの
各種燃焼パラメータの設定ルーチンのフローチャートが
示されている。以下、図2,3に基づき、暖機時におけ
る燃焼制御について説明する。
【0030】エンジン1が暖機状態になると、ECU7
0は、図3のステップS10において、各種検出値、即
ち、TPS29からのスロットル電圧VTHに基づくスロ
ットル開度情報θth、クランク角センサ17からのエン
ジン回転速度Ne及びエアフローセンサ32からの吸入
空気量情報Qaとを読込む。そして、ステップS12で
は、図2中のPe算出部80において、TPS29から
のスロットル電圧VTHに基づくスロットル開度情報θth
とクランク角センサ17からのエンジン回転速度情報N
eとに基づき、目標出力、即ち目標平均有効圧(第1の
負荷相関値)Peを演算する。実際には、図中Pe算出部
80内に示すように、スロットル開度情報θthとエンジ
ン回転速度Neとの関係を示すマップが予め設定されて
おり、目標平均有効圧Peは、このマップから読取られ
る。
【0031】次にステップS14では、図2中のEv算
出部82において、エアフローセンサ32からの吸入空
気量情報Qaに基づき、体積効率(第2の負荷相関値)
Evを演算する。このように、目標平均有効圧Peと体積
効率Evとが求められると、エンジン回転速度Neの信号
の他、これら目標平均有効圧Pe、体積効率Evの各信号
は、図2中の目標A/F演算部90、噴射終了時期演算
部92、点火時期演算部94、EGR量演算部96に供
給される。これら目標A/F演算部90、噴射終了時期
演算部92、点火時期演算部94、EGR量演算部96
は、それぞれ目標空燃比(燃料噴射量相関値)A/F
(以下、目標A/Fという)、燃料の噴射終了時期(燃
料噴射量相関値)Tend、点火時期Sa、EGR量Legr
の各種燃焼パラメータを設定するブロックである。
【0032】これら目標A/F演算部90、噴射終了時
期演算部92、点火時期演算部94、EGR量演算部9
6には、それぞれ、エンジン回転速度Neと目標平均有
効圧Peに基づく燃焼パラメータ設定マップと、エンジ
ン回転速度Neと体積効率Evとに基づく燃焼パラメータ
設定マップが複数設けられている。詳しくは、目標A/
F演算部90、噴射終了時期演算部92、点火時期演算
部94には、それぞれ、エンジン回転速度Neと目標平
均有効圧Peに基づき設定され燃料噴射モードが後期噴
射リーンモード(後述の図4参照)であるときに使用さ
れるマップと、エンジン回転速度Neと体積効率Evとに
基づき設定され、燃料噴射モードが前期噴射モード(後
述の図4中の前期噴射リーンモード、ストイキオフィー
ドバックモード或いはオープンループモード)であると
きに使用されるマップとが設けられている。
【0033】ここに、燃料噴射モードが後期噴射モード
である場合には目標平均有効圧Peに基づいて燃焼パラ
メータが設定され、前期噴射モードである場合には体積
効率Evに基づいて燃焼パラメータが設定されるように
されているが、これは、圧縮行程で燃料を噴射する後期
噴射モードにおいては、エンジン負荷は目標平均有効圧
Peとの相関性が大きく、一方、吸気行程で燃料を噴射
する前期噴射モードでは体積効率Evとの相関性が大き
いことに起因している。
【0034】なお、後期噴射リーンモードに関しては、
EGRを行った場合と行わなかった場合の2種類のマッ
プがそれぞれ設けられており、点火時期演算部94のス
トイキオフィードバックモード或いはオープンループモ
ードに関しても、やはり、EGRを行った場合と行わな
かった場合の2種類のマップが設けられている。また、
EGR量演算部96にも、エンジン回転速度Neと目標
平均有効圧Peに基づき設定され後期噴射リーンモード
において使用されるマップと、エンジン回転速度Neと
体積効率Evとに基づき設定され前期噴射モードにおい
て使用されるマップとが設けられている。ここでは、変
速機(図示せず)がニュートラルレンジ(Nレンジ)の
場合とそうでない場合で2種類のマップがそれぞれ設定
されている。
【0035】そして、図3のフローチャートに戻り、ス
テップS15を経てステップS16では、目標A/F演
算部90、噴射終了時期演算部92、点火時期演算部9
4、EGR量演算部96における前期噴射モードと後期
噴射モードのマップの切換判別が実行される。つまり、
ステップS15において、現在の燃料噴射モードが判定
され、ステップS16において、ステップS15の判別
結果に基づき燃料噴射モードが後期噴射モードであるか
或いは前期噴射モードであるかが判別される。
【0036】図4を参照すると、ECU70に設けられ
た燃料噴射モードの設定マップが示されており、ステッ
プS15では、このマップに応じて燃料噴射モードが適
宜判定される。この図4のマップを参照すると、燃料噴
射モードは、エンジン回転速度Neと目標平均有効圧Pe
或いは体積効率Evとに応じて切換えられるようにされ
ている。詳しくは、後期噴射リーンモードと前期噴射リ
ーンモードとの切換え及び後期噴射リーンモードとスト
イキオフィードバックモードとの切換え、つまり、後期
噴射モードと前期噴射モードとの切換えに関しては、エ
ンジン回転速度Neと目標平均有効圧Peとに応じて実施
され、一方、前期噴射リーンモードとストイキオフィー
ドバックモードとの切換え、及び、ストイキオフィード
バックモードとオープンループモードとの切換え、つま
り、前期噴射モード間での切換えに関しては、目標平均
有効圧Pe及び体積効率Evのいずれか一方に応じて行わ
れるようにされている。
【0037】ここに、後期噴射モードと前期噴射モード
との切換えに体積効率Evを用いないのは、つまり、後
期噴射モードにおいては、#1ABV24と#2ABV
27により大量のバイパスエアが導入されていることか
ら、エアフローセンサ32に基づく体積効率Evが全域
で略全開値となり、この場合、体積効率Evがエンジン
負荷の相関値となり得ないからである。
【0038】そして、この図4のマップから求められた
燃料噴射モードに基づき、ステップS16において燃料
噴射モードが後期噴射モードであるか否かが判別され
る。この判別結果が真(Yes)で燃料噴射モードが後
期噴射モードである場合には、次にステップS20に進
み、一方、判別結果が偽(No)で燃料噴射モードが前
期噴射モードである場合には、次にステップS22に進
む。
【0039】ステップS20では、燃料噴射モードが後
期噴射モードであることから、目標A/F演算部90、
噴射終了時期演算部92、点火時期演算部94、EGR
量演算部96の各ブロックにおいて、エンジン回転速度
Neと目標平均有効圧Peとに基づき設定されたマップが
それぞれ選択され、目標A/F、噴射終了時期Tend、
点火時期Sa、EGR量Legrの各燃焼パラメータが設定
される。なお、上述したように、後期噴射モードではE
GRの有無に応じてマップが使い分けられる。
【0040】これにより、燃料噴射モードが後期噴射モ
ードである場合には、後期噴射モードでのエンジン負荷
と相関性の大きい目標平均有効圧Peに基づいて各燃焼
パラメータが好適に設定される。ところで、図2に示さ
れているように、目標平均有効圧Peの信号は、D/F
フィルタ84を介してバイパスエア量演算部98にも供
給されている。従って、このステップS20では、エア
バイパスパイプ26をバイパスするバイパスエア量(補
正吸気量相関値)Qabvについてもエンジン回転速度Ne
と目標平均有効圧Peとに基づいて設定される。
【0041】一方、ステップS22では、燃料噴射モー
ドが前期噴射モードであることから、目標A/F演算部
90、噴射終了時期演算部92、点火時期演算部94、
EGR量演算部96の各ブロックにおいて、エンジン回
転速度Neと体積効率Evに基づき設定されたマップがそ
れぞれ選択され、目標A/F、噴射終了時期Tend、点
火時期Sa、EGR量Legrの各燃焼パラメータが設定さ
れる。なお、上述したように、前期噴射モードにおいて
は、前期噴射リーンモード、ストイキオフィードバック
モード、オープンループモードに応じたマップが適宜選
択され適用される。
【0042】これにより、燃料噴射モードが前期噴射モ
ードである場合には、前期噴射モードでのエンジン負荷
と相関性の大きい体積効率Evに基づいて各燃焼パラメ
ータが好適に設定される。このように、前期噴射モード
では、各燃焼パラメータの設定に体積効率Evを用いる
ようにしているのであるが、より詳しく説明すると、こ
れは、目標平均有効圧Peを用いた場合には、エンジン
1の出力トルクが目標平均有効圧Peの変化に応じて応
答性よく過敏に増減する傾向にあり、特に前期噴射モー
ドが選択されるエンジン負荷の大きい領域においてこの
傾向が顕著である一方、体積効率Evを用いた場合に
は、応答性が鈍く、出力トルクの追従性が遅いことに起
因している。つまり、前期噴射モードにおいて目標平均
有効圧Peを用いて制御を行うと、運転者が無意識のう
ちにアクセルペダル(図示せず)を微少に操作しただけ
でも、エンジン1の出力トルクが極めて容易に増減して
しまい、車両の走行安定性に影響を与えてしまうのであ
るが、体積効率Evを用いるようにすれば、出力トルク
の追従性が遅いために、アクセルペダルの微少変化に拘
わらず車両の走行安定性が維持されるのである。
【0043】次のステップS24ではバイパスエア量Q
abvが設定される。但し、このバイパスエア量Qabvに関
しては、上記後期噴射モードの場合と同様に、エンジン
回転速度Neと目標平均有効圧Peとに基づいて設定され
る。これは、バイパスエア量(補正吸気量相関値)Qab
vが、吸入空気量Qaを制御するものであって、この吸入
空気量Qaに応じて体積効率Evが決定されるものである
ことに起因している。
【0044】つまり、もしバイパスエア量Qabvを体積
効率Evから決定するものとすると、吸入空気量Qaがバ
イパスエア量Qabvとスロットルバルブ28を通過する
吸入空気量との和であることから、バイパスエア量Qab
vの変化に応じて体積効率Evも変化し、この体積効率E
vの変化に応じてまたバイパスエア量Qabvが変化すると
いう現象が繰り返され、この結果、バイパスエア量Qab
vが一定値となるまでに時間がかかり、各燃焼パラメー
タに影響を与えてエンジン1の出力トルクの追従性が悪
化し好ましいことではないのである。
【0045】また、本来、体積効率Evはスロットル開
度θthの変化に遅れて変化するものである。故に、体積
効率Evを用いてバイパスエア量Qabvを設定しようとす
ると、バイパスエア量Qabv決定のタイミングが遅くな
り、やはりエンジン1の出力トルクの追従性を悪化させ
てしまうことになる。従って、このことからも、バイパ
スエア量Qabvについては、体積効率Evではなく、スロ
ットル開度θthに基づく目標平均有効圧Peから設定し
たほうがよいといえる。
【0046】このように、ここでは、後期噴射モードと
前期噴射モードとで負荷相関値を目標平均有効圧Peと
体積効率Evのように使い分けて各種燃焼パラメータを
求めるようにしている。従って、当該エンジン1では、
各モード毎に適切な負荷相関値を用いて燃焼制御を行う
ことができることになる。以上のようにして、目標A/
F、燃料の噴射終了時期Tend、点火時期Sa、EGR量
Legr及びバイパスエア量Qabvが設定されると、目標A
/Fに関しては、目標A/F信号が図2中のTinj算出
部102に供給され、このTinj算出部102において
燃料噴射時間Tinjが設定される。そして、燃料噴射時
間Tinjに対応する信号が燃料噴射弁4に供給され、上
述したように、燃料噴射時間Tinjに応じた量の燃料が
燃料噴射弁4から噴射される。このとき、燃料の噴射終
了時期Tendに対応する信号も同時に燃料噴射弁4に供
給され、この信号に応じて燃料の噴射時期が確定され
る。
【0047】また、点火時期Sa信号が点火コイル19
に供給され、EGR量Legr信号がEGRバルブ45に
供給され、バイパスエア量Qabv信号が#1ABV及び
#2ABVにそれぞれ供給され、これにより、最適な燃
焼制御が実施されることになる。従って、例えば、アイ
ドル運転時や低速走行時のようにエンジン1が低負荷域
にあるときには、図4に基づき燃料噴射モードは後期噴
射リーンモードとされ、圧縮行程において燃料噴射が実
施されるとともに、目標平均有効圧Peに基づくリーン
な目標A/F(例えば、A/F=30〜40程度)とな
るよう燃料噴射量が決定され、やはり目標平均有効圧P
eに基づいて点火時期Sa、EGR量Legrが設定され
て、良好な燃焼制御が行われる。
【0048】なお、後期噴射リーンモードでの燃焼につ
いてより詳しく説明すると、この筒内噴射型のエンジン
1では、前述したように、ピストン7の上面にキャビテ
ィ8が形成されている。このことから、吸気ポート13
から流入した吸気流がキャビティ8に沿い上記逆タンブ
ル流を形成するため、燃料噴射弁4から噴射された燃料
と吸入空気との混合気、即ち燃料噴霧は、点火プラグ3
近傍に良好に集約される。その結果、点火時点において
点火プラグ3の周囲には理論空燃比AFSに近い混合気
が常に層状に形成されることになる。従って、この後期
噴射モードにおいては、全体としてリーン空燃比であっ
ても良好な着火性が確保されるのである。
【0049】また、例えば、定速走行時のようにエンジ
ン1が中負荷域にあるときには、図4に基づき燃料噴射
モードは前期噴射リーンモード或いはストイキオフィー
ドバックモードとされる。前期噴射リーンモードの場
合、燃料噴射が吸気行程で実施されるとともに、体積効
率Evに基づく比較的リーンな目標A/F(例えば、A
/F=20〜23程度)となるよう燃料噴射量が決定さ
れ、やはり体積効率Evに基づいて点火時期Saが設定さ
れて、良好な燃焼制御が行われる。
【0050】一方、ストイキオフィードバックモードで
は、燃料噴射はやはり吸気行程で行われ、体積効率Ev
に基づいて点火時期Sa、EGR量Legrが設定されるこ
とになるが、この場合には、O2センサ40の出力電圧
に応じて空燃比フィードバック制御が行われることにな
り、目標A/Fに関しては、理論空燃比AFSとなるよ
う制御される。
【0051】なお、前期噴射モードであって、特にエン
ジン回転速度Neが比較的低いようなときには、エンジ
ン負荷と体積効率Evとの相関性が極めて良く、従っ
て、通常の定速走行時に多用されるような、前期噴射モ
ードであって且つエンジン回転速度Neが比較的低いよ
うな中負荷域では、燃焼制御は極めて良好なものとな
る。
【0052】また、例えば、急加速時や高速走行時のよ
うにエンジン1が高負荷域にあるときには、図4に基づ
き燃料噴射モードはオープンループモードとされ、この
場合には、前期噴射モードが選択されて燃料噴射が吸気
行程で行われるとともに、体積効率Evに基づいて比較
的リッチな空燃比となるよう目標A/Fが設定され、や
はり体積効率Evに基づいて点火時期Saが設定されて、
良好な燃焼制御が行われる。
【0053】なお、中高速走行中の惰行運転時等には、
燃料噴射モードは図4中に示すように燃料カットモード
となり、この場合には、燃料噴射は停止される。この燃
料カットは、エンジン回転速度Neが復帰回転速度より
低下した場合や、運転者がアクセルペダルを踏み込んだ
場合には即座に中止されるものである。ところで、上記
エンジン1と自動変速機とを組み合わせた場合におい
て、変速用の摩擦クラッチの油圧制御についてもやはり
体積効率Evではなく目標平均有効圧Peに基づいて行う
ようにするのがよい。これは、上述したように、体積効
率Evでは制御の応答性が遅いことに基づくものであっ
て、エンジン1の出力トルクと選択された変速段との不
一致、即ちずれを防止するためである。
【0054】以上、詳細に説明したように、本発明の筒
内噴射型火花点火式内燃エンジンでは、アイドル運転時
や低速走行時のようにエンジン1が低負荷域にあるとき
には、燃料噴射モードとして後期噴射リーンモードが選
択され、一方、中高速走行時のようにエンジン1が高負
荷域にあるときにおいては、前期噴射モードが選択され
てエンジン1の燃焼制御が実施されるようにされてお
り、さらに、後期噴射モードにおいては、圧縮行程で燃
料噴射を行うときにエンジン負荷と相関関係の大きい目
標平均有効圧Peに基づいて各種燃焼パラメータを設定
し、一方、前期噴射モードにおいては、吸気行程で燃料
噴射を行うときにエンジン負荷と相関関係の大きい体積
効率Evに基づいて各種燃焼パラメータを設定するよう
にしている。つまり、本発明の筒内噴射型火花点火式内
燃エンジンでは、燃料噴射モード毎に、別々に、適正な
負荷相関値(PeまたはEv)に基づいて各種燃焼パラメ
ータを設定し燃焼制御を実施するようにしている。
【0055】従って、当該筒内噴射型火花点火式内燃エ
ンジンによれば、燃料噴射モードに依らず、常にエンジ
ン1の運転性能を充分に発揮させることができ、運転状
態を常に安定した状態に維持することができる。これに
より、車両の走行性能、即ちドライバビリティを向上さ
せることができる。また、燃焼状態を常に良好に維持す
ることが可能となるため、有害な排ガス成分の発生を抑
制することも可能となる。
【0056】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンによれば、圧縮行
程噴射モードが選択されたときには、エンジン回転速度
及び加速操作状態検出手段の出力結果に基づく第1の負
荷相関値により各種燃焼パラメータを設定でき、吸気行
程噴射モードが選択されたときには、少なくとも吸入空
気量検出手段の出力結果に基づく第2の負荷相関値に基
づき各種燃焼パラメータを設定できる。
【0057】従って、負荷相関値を使い分けることによ
り、複雑な補正演算処理もなく、各燃料噴射モード毎
に、要求するエンジン負荷と相関関係の大きい負荷相関
値に基づいて燃焼パラメータを適正に設定でき、燃料噴
射モードの如何に拘わらず常に良好な燃焼制御を実施で
き、安定したエンジンの運転状態を維持することができ
る。
【0058】故に、筒内噴射型火花点火式内燃エンジン
が車両に搭載されている場合には、ドライバビリティの
向上を図ることができ、さらに、有害な排ガス成分の発
生を抑えることもできる。また、請求項2の筒内噴射型
火花点火式内燃エンジンによれば、吸気行程噴射モード
が選択されたときには、各種燃焼パラメータの一部を第
1の負荷相関値に基づき設定でき、残部を第2の負荷相
関値に基づき設定できる。つまり、各種燃焼パラメータ
毎に、より適正な負荷相関値に基づいて燃焼パラメータ
を好適に設定することができ、さらに安定したエンジン
の運転状態を維持してドライバビリティの向上を図るこ
とができる。
【0059】また、請求項3の筒内噴射型火花点火式内
燃エンジンによれば、吸気行程噴射モードが選択された
ときには、各種燃焼パラメータのうち燃料噴射量相関値
については第2の負荷相関値に基づいて設定でき、補正
吸気量相関値については第1の負荷相関値に基づいて設
定できる。故に、より適正な負荷相関値に基づいて燃料
噴射量相関値と補正吸気量とを設定することができ、さ
らに安定したエンジンの運転状態を維持してドライバビ
リティの向上を図ることができる。
【0060】また、請求項4の筒内噴射型火花点火式内
燃エンジンによれば、第1の負荷相関値はエンジン回転
速度と加速操作状態検出手段の出力結果に応じて比較的
容易に求められることに基づき、吸気行程噴射モードと
圧縮行程噴射モードとの選択切換をこの第1の負荷相関
値に基づいて容易且つ正確に実施するようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の筒内噴射型火花点火式内燃エンジンを
示す概略構成図である。
【図2】図1中のECUが実行する燃焼制御の制御手順
を示すブロック図である。
【図3】燃焼パラメータの設定ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図4】燃料噴射モードの判定マップを示す図である。
【符号の説明】 1 エンジン 3 点火プラグ 4 燃料噴射弁 17 クランク角センサ(エンジン回転速度検出手段) 19 点火コイル 24 #1ABV(第1エアバイパスバルブ) 27 #2ABV(第2エアバイパスバルブ) 29 TPS(操作状態検出手段) 32 エアフローセンサ(吸入空気量検出手段) 70 電子制御ユニット(ECU) 80 Pe算出部 82 Ev算出部 90 目標A/F演算部 92 噴射終了時期演算部 94 点火時期演算部 96 EGR量演算部 98 バイパスエア量演算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02P 5/15 F02P 5/15 B

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室に燃料を直接噴射する燃料噴射弁
    を有し、運転状態に応じて主として吸気行程において燃
    料噴射を行う吸気行程噴射モードと、主として圧縮行程
    において燃料噴射を行う圧縮行程噴射モードとを選択可
    能な筒内噴射型火花点火式内燃エンジンにおいて、 加速操作部材の操作状態を検出する加速操作状態検出手
    段と、 エンジン回転速度を検出するエンジン回転速度検出手段
    と、 前記燃焼室に導かれる吸入空気量を検出する吸入空気量
    検出手段と、 各種燃焼パラメータに基づき燃焼制御を行う燃焼制御手
    段と、 前記圧縮行程噴射モードが選択されたときには、前記各
    種燃焼パラメータを前記エンジン回転速度及び前記加速
    操作状態検出手段の出力結果に基づく第1の負荷相関値
    により設定する一方、前記吸気行程噴射モードが選択さ
    れたときには、前記各種燃焼パラメータを少なくとも前
    記吸入空気量検出手段の出力結果に基づく第2の負荷相
    関値により設定する燃焼パラメータ設定手段と、 を備えたことを特徴とする筒内噴射型火花点火式内燃エ
    ンジン。
  2. 【請求項2】 前記燃焼パラメータ設定手段は、前記吸
    気行程噴射モードが選択されたときには、前記各種燃焼
    パラメータの一部を前記第1の負荷相関値に基づき設定
    するとともに、残部を前記第2の負荷相関値に基づき設
    定するようにし、前記第1及び第2の負荷相関値を使い
    分けて前記各種燃焼パラメータを設定することを特徴と
    する、請求項1記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジ
    ン。
  3. 【請求項3】 前記各種燃焼パラメータは少なくとも燃
    料噴射量相関値と補正吸気量相関値とを含み、 前記燃焼パラメータ設定手段は、前記吸気行程噴射モー
    ドが選択されたときには、前記燃料噴射量相関値を前記
    第2の負荷相関値に基づき設定する一方、前記補正吸気
    量相関値を前記第1の負荷相関値に基づき設定すること
    を特徴とする、請求項2記載の筒内噴射型火花点火式内
    燃エンジン。
  4. 【請求項4】 前記吸気行程噴射モードと前記圧縮行程
    噴射モードとの選択切換は、前記加速操作状態検出手段
    の出力結果に応じた前記第1の負荷相関値に基づいて実
    施されることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか
    記載の筒内噴射型火花点火式内燃エンジン。
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