JPH1045741A - クマリン化合物およびその用途 - Google Patents

クマリン化合物およびその用途

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JPH1045741A
JPH1045741A JP20975696A JP20975696A JPH1045741A JP H1045741 A JPH1045741 A JP H1045741A JP 20975696 A JP20975696 A JP 20975696A JP 20975696 A JP20975696 A JP 20975696A JP H1045741 A JPH1045741 A JP H1045741A
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Application number
JP20975696A
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English (en)
Inventor
Rihoko Suzuki
理穂子 鈴木
Atsuo Otsuji
淳夫 大辻
Tatsunobu Uragami
達宣 浦上
Hirosuke Takuma
啓輔 詫摩
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 下記式で表されるクマリン化合物および
これを光増感剤として含有する可視光感光性樹脂組成
物。 【効果】 本発明のクマリン化合物は、可視光領域、特
にアルゴンレーザーおよびYAGレーザーの第二高調波
に対し、十分な感度を有し、樹脂に対する相溶性保存安
定性に優れており、これを光増感剤として含有する本発
明の可視光感光性樹脂組成物は、可視光レーザー用とし
て優れた感光層を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な化合物であ
るクマリン化合物、およびこれを光増感剤として含有す
る可視光領域の光線に対し高い感度を示す可視光感光性
樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光重合反応を用いた情報、あるい
は画像記録の分野で、従来のフィルム原稿等を用いた紫
外線による記録方法に代わり、コンピューターによって
電子編集された原稿を、そのまま、高出力レーザーを用
いて直接出力し、記録する方法が検討されている。この
方法は、レーザーによる直接書き込みにより、記録、画
像形成工程が、大幅に簡略化できるという利点をもつ。
現在、一般的に使用されている高出力で安定なレーザー
光源は、可視領域にその出力波長を有するものが多い。
具体的には、波長488nmおよび514.5nmに安
定な発振線を持つアルゴンレーザー、あるいは第二高調
波(SHGと略す)として532nmに輝線を持つYA
Gレーザー等が汎用されている。従来使用されてきた感
光性組成物は、可視領域にはほとんど感度を有していな
いため、可視光に感度を有する光増感剤の添加が必要で
ある。ピリリウム塩、またはチオピリリウム塩類等の添
加で、可視部での感度の向上は可能ではあるが、その感
光層の保存安定性が低く、使用するのが困難であった。
【0003】可視領域に感光性を有する化合物として、
例えば、7−ジエチルアミノ−3−ベンゾチアゾリルク
マリン(慣用名:クマリン−6)、或いは、ビス〔3−
(7−ジエチルアミノクマリル)〕ケトン(慣用名:ケ
トクマリン)が知られているが、これらは最大吸収波長
が450nm前後にあるために、アルゴンレーザーの4
88nmよりは短波長であり、感度が不十分である。
【0004】光重合反応を用いた情報、あるいは画像記
録の分野では、実用性に優れた可視光感光性樹脂組成物
の要望がある。感光性樹脂は、通常可視光には感度を有
しておらず、可視光レーザーによって直接書き込みを行
うためには、光増感剤に対して、数々の特性が要求され
る。かかる光増感剤は、適切な吸収波長および吸光係数
を有し、高感度であり、良好な溶媒溶解性や他成分との
相溶性を有し、保存安定性がよいことなどが要求特性と
して挙げられる。しかしながら、光増感剤の分子構造
や、含まれる他の成分との相互作用により、各特性の発
現がどのようにして起こるのかは、現状ではまだ十分に
解明されていない。このため、前記要求特性をすべて満
足する光増感剤を選択することは困難な作業であり、公
知材料から類推、選択することは容易なことではない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高出力で安
定なレーザー光源であるアルゴンレーザーあるいはYA
Gレーザー(SHG)等の可視光領域のレーザー光に対
して高感度な光増感剤、および感光性樹脂組成物を提供
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するため鋭意検討した結果、Arレーザー及びY
AGレーザー(SHG)で十分使用可能な吸収波長、高
い感度および実用に十分な溶媒溶解性を有する化合物を
見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
下記一般式(1)(化4)で表されるクマリン化合物、
該化合物を含有する光増感剤、該光増感剤を含有する可
視光感光性樹脂組成物、該可視光感光性樹脂組成物と溶
剤とを含有してなる可視光感光性材料用インキ、および
該可視光感光性樹脂組成物を基材上に有してなる可視光
感光性材料に関するものである。
【0007】
【化4】 〔式中、R1 及びR2 は各々、水素原子、アルキル基、
アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ
アルキル基、アリールオキシアルキル基、アルケニルオ
キシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、または下記一
般式(2)(化5)で表される基
【0008】
【化5】 (式中、Q1 は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアル
キル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、アルコキシ
アルキル基またはシクロアルキル基を示し、p及びqは
各々、1〜5の整数を示す)を表し、R1 とR2 は互い
に結合して、または骨格内のアミノ基の置換したベンゼ
ン核と結合して環を形成してもよく、R3 は水素原子、
ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒ
ドロキシアルキル基、ハロゲノアルキル基、水酸基、ア
ルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアルコキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基又はスルホン酸基
を示し、Zは下記一般式(3)または(4)(化6)で
表される基
【0009】
【化6】 (式中、Xは酸素原子、硫黄原子、−NH−基または−
NR4 −基を示し、R4はアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシア
ルキル基、アルケニルオキシアルキル基または前記一般
式(2)を表し、環Aは置換されていてもよく、Yは酸
素原子または=C(CN)2 基を表す)を表す〕
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳しく説明
する。本発明の化合物は、一般式(1)で表され、光増
感剤として有用な新規のクマリン化合物である。本発明
の化合物は優れた諸特性を有するため、光硬化性樹脂な
らびに光重合開始剤を用いる光硬化に最適であり、極め
て有用である。更に、従来の感光性樹脂組成物は、塗布
方式の違いによって感度が大きく変動していたが、本発
明の光増感剤含有の感光性組成物は、いずれの方式にお
いても安定した感度を示し、市場の要望を十分に満足さ
せるものである。
【0011】本発明のクマリン化合物は、一般式(1)
で表される。一般式(1)において、R1 及びR2 の例
としては、それぞれ独立または同一に、水素原子、炭素
数1〜10の分岐してもよいアルキル基;シクロペンチ
ル、シクロヘキシル等のシクロアルキル基;フェニル基
等のアリール基;アリル、2−ブテニル、2−ペンテニ
ル基等のアルケニル基;ベンジル基等のアラルキル基;
メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エ
トキシエチル、エトキシプロピル基等の炭素数2〜11
のアルコキシアルキル基;フェニルオキシメチル、p−
メチルフェニルオキシエチル、m−メチルフェニルオキ
シプロピル、o−メチルフェニルオキシブチル、2,4-ジ
メチルフェニルオキシペンチル基等のアリールオキシア
ルキル基;アリルオキシメチル、2-ブテニルオキシエチ
ル、2-ペンテニルオキシプロピル基等のアルケニルオキ
シアルキル基;ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、
2-ヒドロキシプロピル、3-ヒドロキシプロピル、2-ヒド
ロキシブチル基等のヒドロキシアルキル基;および、一
般式(2)で表される基である、例えば、ヒドロキシメ
トキシメチル、ヒドロキシエトキシエチル、2-ヒドロキ
シプロポキシメチル、3-ヒドロキシプロポキシブチル基
等のヒドロキシアルコキシアルキル基;ヒドロキシエト
キシエトキシブチル、ヒドロキシプロポキシプロポキシ
メチル、ヒドロキシメトキシエトキシペンチル、ヒドロ
キシプロポキシメトキシメチル、ヒドロキシエトキシエ
トキシエトキシエチル基等のヒドロキシポリエーテル
基;メトキシメトキシメチル、メトキシエトキシエチ
ル、エトキシメトキプロピル、エトキシエトキシブチ
ル、エトキシプロポキシペンチル基、メトキシエトキシ
エトキシエチル、エトキシエトキシエトキシエトキシエ
チル等のポリエーテル基等が挙げられる。また、R1
2 は互いに結合して環を形成するか、骨格内のベンゼ
ン核と環を形成してもよく、例えば、下記一般式(5
a)〜(5e)(化7)の様な環を形成してもよい。
【0012】
【化7】 (ここで、R2 およびR3 は、一般式(1)と同じ意味
を示し、Q3 〜Q6 は水素原子または炭素数1〜6のア
ルキル基を表す)
【0013】R1 及びR2 は、好ましくは、アルキル
基、アルケニル基、アルコキシアルキル基、アリールオ
キシアルキル基、アルケニルオキシアルキル基、ヒドロ
キシアルキル基、一般式(2)または一般式(5a)〜
(5e)で表される置換基であり、より好ましくは、ア
ルキル基、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル
基、一般式(2)または一般式(5b)で表される置換
基である。
【0014】また、一般式(1)において、R3 の例と
しては、水素原子;ハロゲン原子;炭素数1〜10のア
ルキル基;メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシ
メチル、エトキシエチル、エトキシプロピル基等の炭素
数2〜11のアルコキシアルキル基;ヒドロキシメチ
ル、ヒドロキシエチル、2-ヒドロキシプロピル、3-ヒド
ロキシプロピル、2-ヒドロキシブチル基等のヒドロキシ
アルキル基;クロロメチル、ジクロロメチル、フルオロ
メチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、
ノナフオロブチル基等の炭素数1〜10のハロゲノアル
キル基;水酸基;炭素数1〜10のアルコキシ基;フェ
ニルオキシ、p−メチルフェニルオキシ、m−メチルフ
ェニルオキシ、o−メチルフェニルオキシ、2,4-ジメチ
ルフェニルオキシ基等のアリールオキシ基;メトキシメ
トキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、エトキ
シエトキシ、n−プロポキシエトキシ等の炭素数2〜1
1のアルコキシアルコキシ基;メチルチオ、エチルチ
オ、n−ブチルチオ基等のアルキルチオ基;フェニルチ
オ、2−メチルフェニルチオ、3−クロロフェニルチ
オ、4−メトキシフェニルチオ基等のアリールチオ基;
スルホン酸基等が挙げられる。
【0015】また、一般式(1)において、Zは前記一
般式(3)または(4)で表される基を表す。一般式
(3)において、Xは酸素原子、硫黄原子、−NH−基
または−NR4 −基を示し、R4 はアルキル基、アリー
ル基、アラルキル基、アルコキシアルキル基、アリール
オキシアルキル基、アルケニルオキシアルキル基、ヒド
ロキシアルキル基または前記式(2)で表される置換基
を表す。Xは、好ましくは、酸素原子、硫黄原子、−N
4 −基であり、さらに好ましく、酸素原子、硫黄原子
であり、特に好ましくは硫黄原子である。R4 は、好ま
しくは、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルケニ
ルオキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ポリエー
テル基またはヒドロキシポリエ−テル基であり、さらに
好ましくは、アルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキ
ル基、ポリエーテル基またはヒドロキシポリエーテル基
である。
【0016】環Aは置換されていてもよく、置換されて
いてもよい基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素な
どのハロゲン原子;メチル、エチル、n−プロピル、i
so−プロピル、n−ブチル、iso−ブチル、ter
t−ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ基等の炭素数2〜11のアルコキシ基;ニトロ
基;アミノ基;ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジブ
チルアミノ等の炭素数2〜12のアルキルアミノ基;ジ
フェニルアミノ等のアリールアミノ基;アルキル基、ア
ルコキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ポリエー
テル基またはヒドロキシポリエーテル基で置換された置
換アミノ基等が挙げられる。また、一般式(4)におい
て、Yは酸素原子または=C(CN)2 基を示し、好ま
しくは=C(CN)2 基である。本発明のクマリン化合
物は、公知の方法により製造できる。一般式(1)にお
けるZが一般式(3)で表されるシッフ塩基化合物は、
例えば、下記の反応式(化8)に従って製造することが
できる。
【0017】
【化8】 一般式(8)で表される化合物は、代表的には、反応促
進剤の存在化、一般式(6)で表されるクマリンアルデ
ヒド化合物と一般式(7)で表されるアミノ化合物とを
縮合反応させることにより製造される。
【0018】一般式(6)で表されるクマリンアルデヒ
ド化合物および一般式(7)で表されるアミノ化合物
は、公知の製法によって製造できる。一般式(6)で表
されるクマリンアルデヒド化合物は、公知の方法、例え
ば、独国特許 2413281号記載の方法によって、あるい
は、反応式(化9)に従って反応させることによって、
得ることができる。なお、反応式におけるN−置換サリ
チルアルデヒド化合物はm−アミノフェノール化合物
を、「新実験化学講座 14〔II〕,688〜699
(1977年、日本化学会編)」記載のVilsmei
er反応によってホルミル化を行うことによって得られ
る。
【0019】
【化9】 また、一般式(7)で表されるアミノ化合物は、「Comp
rehensive HeterocyclicChemistry vol.6(1984年
Pergamon Press )」記載の方法あるいは「新実験化学
講座 14〔iv〕,2212,2228,2231(1
978年、日本化学会編)」記載の方法によって得るこ
とができる。
【0020】一般式(8)で表される化合物は、例え
ば、「Organic Synthesis vol.61, 14〜17 (1983年) 」
記載の方法、また、例えば、一般式(6)で表されるク
マリンアルデヒド化合物と一般式(7)で表されるアミ
ノ化合物とを、メタノール、エタノール、N,N-ジメチル
ホルムアミド(以下DMF と略する)、ジメチルスルホキ
シド、1,3-ジメチル-2- イミダゾリジノン(以下DMI と
略する)の様な極性溶媒中で、必要であれば、10分の1
程度の触媒量の塩基(例えば、ピペリジン、ピロリジ
ン、ピリジン、アニリンの様なアミン類、苛性ソーダ、
苛性カリのような無機塩基等) を加え、0〜100℃
で、1〜12時間反応させることによって得られる。一
般式(1)におけるZが一般式(4)で表されるオレフ
ィン化合物は、例えば、下記の反応式(化10)に従っ
て製造することができる。
【0021】
【化10】 一般式(10)で表される化合物は、代表的には、反応
促進剤の存在化、一般式(6)で表されるクマリンアル
デヒド化合物と一般式(9)で表されるピラン化合物と
を縮合反応させることにより製造される。
【0022】一般式(9)で表されるピラン化合物は、
公知の製法によって製造できる。例えば、「Comprehens
ive Heterocyclic Chemistry vol.3(1984年 Perga
monPress )」記載の方法、あるいは、Yが酸素原子の
場合には、「新実験化学講座14〔iv〕,2021(1
978年、日本化学会編)」記載の方法によって得ら
れ、また、Yが=C(CN)2 基の場合には、特開昭6
0−83035号記載の方法によって得られる。一般式
(10)で表される化合物は、例えば、特開昭60−8
3035号、特開平6−329654号記載の方法、ま
た、例えば、一般式(6)で表されるクマリンアルデヒ
ド化合物と一般式(9)で表されるピラン化合物とを、
メタノール、エタノール、N,N-ジメチルホルムアミド
(以下DMF と略する)、ジメチルスルホキシド、1,3-ジ
メチル-2- イミダゾリジノン(以下DMI と略する)の様
な極性溶媒中で、必要であれば、10分の1程度の触媒量
の弱塩基(例えば、ピペリジン、ピロリジン、ピリジ
ン、アニリンの様なアミン類が好ましい)を加え、0〜
100℃で、1〜12時間反応させることによって得ら
れる。
【0023】本発明の一般式(1)で表されるクマリン
化合物は、400〜700nmの可視光領域の光、特
に、400〜600nmの光を吸収することにより励起
され、光硬化性樹脂や、重合開始剤と相互作用を有する
化合物である。ここで言う「相互作用」には、励起され
た本発明の化合物から光硬化性樹脂または重合開始剤へ
のエネルギー移動や電子移動が包含される。このことか
ら、本発明の化合物は、光増感剤として極めて有用な化
合物である。
【0024】本発明の光増感剤は、一般式(1)で表さ
れるクマリン化合物を少なくとも1種含有するものであ
り、その他の公知の光増感剤を含有していてもよい。公
知の光増感剤としては、一般に使用されている光増感剤
であれば特に限定はされないが、ケトクマリン、クマリ
ン−6および特開平4−18088号に記載されたクマ
リン化合物等が挙げられる。この場合、光増感剤中の一
般式(1)で表されるクマリン化合物の含有量として
は、特に制限はないが、本発明で所望の効果を得るため
には、光増感剤中の一般式(1)で表されるクマリン化
合物の含有量は、10重量%以上であることが好まし
く、より好ましくは20重量%以上であり、さらに好ま
しくは30重量%以上であり、50重量%以上含有する
光増感剤は特に好ましい。
【0025】本発明の可視光感光性樹脂組成物とは、光
硬化性樹脂、光重合開始剤および光増感剤を含有し、必
要により、溶剤やその他の光硬化性樹脂を含有するもの
である。さらに、活性化剤や開始補助剤と呼ばれる物質
を含有していてもよい。本発明の可視光感光性樹脂組成
物において、本発明の光増感剤の使用量は、光増感剤中
に含有される一般式(1)で表されるクマリン化合物の
種類や量、相互作用すべき光硬化性樹脂成分の種類によ
り異なるが、通常、光硬化性樹脂成分100重量部当た
り、本発明のクマリン化合物の使用量が0.1〜10重
量部、好ましくは0.3〜5重量部の範囲内が適当であ
る。本化合物の使用量が0.1重量部より少なすぎる
と、形成される被膜の感光性が低下する傾向があり、1
0重量部より多くなると、溶解性の点から、組成物を均
一な状態に保つことが困難になる傾向がみられる。
【0026】本発明で用いる光硬化性樹脂としては、一
般に使用されている光照射により架橋もしくは重合しう
る感光性基を有する光硬化性樹脂であれば特に限定され
るものではなく、例えば、特開平3−223759号公
報の第2頁右下欄第6行〜第6頁左下欄第16行目に記
載の感光性基として(メタ)アクリロイル基を含むアニ
オン性光硬化性樹脂、感光性基としてシンナモイル基を
含む光硬化性樹脂、感光性基としてアリル基を含む光硬
化性樹脂等が挙げられる。また、光硬化性樹脂として常
用されている、エチレン性不飽和二重結合を分子中に少
なくとも1個以上有する光重合または光架橋可能な化合
物には、モノマー、プレポリマー、2量体、3量体等の
オリゴマー、それらの混合物ならびにそれらの共重合体
などがある。単官能および多官能アクリレート、メタア
クリレートが一般的であり、さらに、不飽和カルボン酸
およびその塩、不飽和カルボン酸と脂肪族アルコール化
合物または脂肪族ポリオール化合物とのエステル等、特
開昭58−15503号公報の第3頁〜第4頁に記載の
光硬化性樹脂が挙げられる。光硬化性樹脂は、その種類
により、反応性、粘度等が異なるので、2種類以上を組
合せて使用してもよい。
【0027】本発明の可視光感光性樹脂組成物におい
て、一般に使用されている光重合開始剤であれば特に限
定されないが、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾインメ
チルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベン
ジル、キサントン、チオキサントン、アントラキノン等
の芳香族カルボニル化合物;アセトフェノン、プロピオ
フェノン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、α,
α’−ジクロル−4−フェノキシアセトフェノン、1−
ヒドロキシ−1−シクロヘキシルアセトフェノン、アセ
トフェノン等のアセトフェノン類;ベンゾイルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチル
ハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルジパーオキシ
イソフタレート、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチル
パーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等の有機過酸化
物;ジフェニルヨードニウムブロマイド、ジフェニルヨ
ードニウムクロライド等のジフェニルハロニウム塩;四
塩化炭素、四臭化炭素、クロロホルム、ヨードホルム等
の有機ハロゲン化物、3−フェニル−5−イソオキサゾ
ロン、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,
3,5−トリアジンベンズアントロン,9−フェニルア
クリジン等の複素環式および多環式化合物;2,2'−ア
ゾ(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'−アゾ
ビスイソブチロニトリル、1,1'−アゾビス(シクロヘ
キサン−1−カルボニトリル)、2,2'−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)等のアゾ化合物;鉄−アレン
錯体( Iron −Arene Complex:ヨーロッパ特許152377号
公報参照);チタノセン化合物(特開昭63−2211
10号公報参照);ビスイミダゾール系化合物;N−ア
リールグリシン系化合物;アクリジン系化合物;芳香族
ケトン/芳香族アミンの組み合わせ等が挙げられる。
【0028】上記の重合開始剤の中では、ジ−t−ブチ
ルジパーオキシイソフタレート、3,3',4,4'−テト
ラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノ
ン、鉄−アレン錯体、チタノセン化合物は架橋もしくは
重合に対して活性が高いので好ましい化合物であり、特
に好ましくは、チタノセン化合物である。これら光重合
開始剤の使用量は、臨界的なものではなく、その種類等
に応じて広い範囲で変えることができるが、一般的に
は、前述した光硬化性樹脂固形分100重量部当たり、
0.1〜25重量部、好ましくは、0.2〜10重量部
の範囲内とすることができる。25重量部を越えて多量
に用いると、得られる組成物の安定性が低下する傾向が
みられる。
【0029】次に、本発明の可視光感光性樹脂組成物の
用途について説明する。本発明の可視光感光性樹脂組成
物は、一般に用いられている公知の感光性材料と同様に
取り扱うことができる。例えば、本発明の可視光感光性
材料インキ(感光液)は、本発明の化合物を含有する可
視光感光性樹脂組成物を溶剤に溶解(着色剤に顔料を用
いた場合は顔料を微分散)させることにより得られる。
また、本発明の可視光感光性材料は、本発明の感光性樹
脂組成物を基材上に有するものであり、種々の形態をも
つものである。例えば、前記の感光液を、基材上に、例
えば、ローラー、ロールコーター、バーコーター、ブレ
ードコーター、リバースコーター、ダイコーター、スピ
ンコーター等の塗布装置を用いて塗布あるいはスプレー
等でコーティングし、乾燥させることより、これを可視
光感光材料として用いることができる。
【0030】使用する溶剤としては、例えば、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケ
トン等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、安息
香酸メチル、プロピオン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エ
チル、乳酸プロピル、乳酸ブチル等)、エーテル類(テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン
等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロ
ピレングリコールモノメチルエーテル等)、セロソルブ
アセテート類(メチルセロソルブアセテート、エチルセ
ロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチル
エーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエー
テルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテル
アセテート等)芳香族炭化水素(ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等)、ハロゲン化炭化水素
(クロロホルム、トリクロロエチレン、ジクロロメタン
等)、アルコール(メチルアルコール、エチルアルコー
ル、イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール
等)、その他(ジメチルホルムアミド、N−メチルピロ
リドン、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、ジメチル
スルホキシド等)などが挙げられる。基材としては、例
えば、アルミニウム、マグネシウム、銅、亜鉛、クロ
ム、ニッケル、鉄等の金属またはそれらを成分とした合
金のシート又はこれらの金属で表面を処理したプリント
基板、プラスチック、ガラス又はシリコーンウェハー、
カーボンなどが挙げられる。
【0031】本発明の可視光感光性組成物は、オフセッ
ト印刷用PS版に用いることもできる。作製する手順と
しては、先ず前述した有機溶剤により、光硬化性樹脂、
光重合開始剤、光増感剤およびその他の添加剤を含む感
光性樹脂組成物を固形分濃度1〜40重量%、好ましく
は5〜20重量%に希釈する。この感光液をアルミニウ
ム基板上、あるいはポリエチレンテレフタレート(PE
T)フィルム上に乾燥膜厚0.2〜10g/m2 、好ま
しくは1〜4g/m2 となるように塗布し、乾燥して感
光性樹脂層とする。上記の感光性樹脂層の上には、酸素
遮断用のオーバーコート層を設けることが好ましい。オ
ーバーコート層には、ポリビニルアルコール(PVA)
を用いる事が出来、平均分子量300〜1000、ケン
化率70〜90%のものが好ましい。オーバーコート層
作製には、PVAを5〜20重量%水溶液を使用する。
このオーバーコート層は、乾燥膜厚0.5〜5μm、好
ましくは1〜2μmとなるように塗布を行う。これを乾
燥させることにより、PS版が得られる。
【0032】また、本発明の可視光感光性樹脂組成物
は、通常の電着塗装用感光性材料と同様に取り扱うこと
ができ、電着塗装用の塗料として用いることもできる。
その場合、最初に光硬化性樹脂を水分散化物とするか、
又は水溶化物とする。光硬化性樹脂の水分散化又は水溶
化は、光硬化性樹脂中にカルボキシル基等のアニオン
性基が導入されている場合にはアルカリ(中和剤)で中
和するか、又はアミノ基等のカチオン性基が導入され
ている場合には、酸(中和剤)で中和することによって
行われる。その際に使用されるアルカリ中和剤として
は、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン
類;トリエチルアミン、ジエチルアミン、モノエチルア
ミン、ジイソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジイ
ソブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルアミノ
エタノール等のアルキルアルカノールアミン類;シクロ
ヘキシルアミン等の脂環族アミン類;カセイソーダ、カ
セイカリ等のアルカリ金属水酸化物;アンモニアなどが
挙げられる。また、酸中和剤としては、例えば、ギ酸、
酢酸、乳酸、酪酸等のモノカルボン酸が挙げられる。こ
れらの中和剤は単独でまたは混合して使用できる。中和
剤の使用量は光硬化樹脂中に含まれるイオン性基1当量
当り、一般に、0.2〜1.0当量、特に0.3〜0.
8当量の範囲が望ましい。
【0033】水溶化または水分散化した樹脂成分の流動
性をさらに向上させるために、必要により、上記光硬化
性樹脂に親水性溶剤、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、n-ブタノール、t-ブタノール、
メトキシエタノール、エトキシエタノール、ブトキシエ
タノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、
ジオキサン、テトラヒドロフラン等を加えることができ
る。かかる親水性溶剤の使用量は、一般には、樹脂固形
成分100重量部当り、300重量部まで、好ましくは
100重量部までとすることができる。また、被塗装物
への塗着量を多くするため、上記光硬化性樹脂に対し、
疎水性溶剤、例えば、トルエン、キシレン等の石油系溶
剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;2-
エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のア
ルコール類等も加えることができる。これらの疎水性溶
剤の配合量は、樹脂固形成分100重量部当り、通常、
200重量部まで、好ましくは、100重量部以下とす
ることができる。
【0034】電着塗料として可視光感光性組成物の調製
は、従来から公知の方法で行うことができる。例えば、
前記の中和により水溶化された光硬化性樹脂、本発明の
光増感剤、重合開始剤、さらに必要に応じ、含窒素化合
物、溶剤及びその他の成分をよく混合し、水を加えるこ
とにより調製することができる。このようにして調製さ
れた組成物は、通常の方法で、更に水で希釈し、例え
ば、pHが4〜9の範囲内、浴濃度(固形分濃度)3〜
25重量%、好ましくは5〜15重量%の範囲内の電着
塗料(または電着浴)とすることができる。
【0035】上記のようにして調製された電着塗料は、
次のようにして被塗物である導体表面に塗装することが
できる。すなわち、まず、浴のpH及び浴濃度を上記の
範囲に調整し、浴温度を15〜40℃、好ましくは15
〜30℃に管理する。次いで、このように管理された電
着塗装浴に、塗装されるべき導体を電着塗料がアニオン
型の場合には陽極として、また、カチオン型の場合には
陰極として、浸漬、5〜200Vの直流電流を通電す
る。通電時間は30秒〜5分が適当であり、得られる膜
厚は乾燥膜厚で、一般に0.5〜50μm、好適には、
1〜15μmである。電着塗装後、電着浴から被塗物を
引き上げ水洗いした後、電着塗膜中に含まれる水分など
を熱風等で乾燥、除去する。導体としては、金属、カー
ボン、酸化錫等の導電性材料またはこれらを積層、メッ
キ等によりプラスチック、ガラス表面に固着させたもの
が使用できる。
【0036】上記のごとくして基材上や導体表面に形成
された可視光感光材料、或いは、電着塗装によって得ら
れた可視光感光性電着塗膜は、画像に応じて、可視光で
露光し、硬化させ、非露光部を現像処理によって除去す
ることにより、画像を形成することができる。露光のた
めの光源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の水銀
灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、
メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等
の各光源により得られる光源のうち、紫外線を紫外カッ
トフィルターによりカットした可視領域の光線や、可視
領域に発振線をもつ各種レーザー等が使用できる。高出
力で安定なレーザー光源として、アルゴンレーザー、あ
るいはYAGレーザーの第2高調波が好ましい。
【0037】現像処理は、非露光部膜がアニオン性の場
合にはアルカリ水溶液を用いて、また、カチオン性の場
合にはpH5以下の酸水溶液を用いて洗い流すことによ
り行われる。アルカリ水溶液は通常、カセイソーダ、炭
酸ソーダ、カセイカリ、アンモニア水など塗膜中に有す
る遊離のカルボン酸と中和して水溶性を与えることので
きるものが、また、酸水溶液は酢酸、ギ酸、乳酸などが
使用可能である。また、イオン性基をもたない光硬化性
樹脂の場合の現像処理は、1,1,1−トリクロロエタ
ン、トリクロロエチレン、メチルエチルケトン、塩化メ
チレン等の溶剤を使って未露光部を溶解することによっ
て行う。現像した後の塗膜は、水洗後、熱風等により乾
燥され、導体上に目的とする画像が形成される。また、
必要に応じて、エッチングを施し、露出した導体部を除
去した後、レジスト膜を除去し、プリント回路板の製造
を行うこともできる。本発明の組成物は、フォトレジス
トをはじめ、平板や凸版用製版材、オフセット印刷用P
S板、情報記録材料、レリーフ像作製材料等幅広い用途
への応用が可能である。
【0038】
【実施例】以下に、本発明を具体例によって説明する
が、これらは例示的なものであり、本発明は、これらに
限定されるものではない。実施例中の部は重量部、%は
重量%を示す。 実施例1 窒素雰囲気下、3−ホルミル−7−ジエチルアミノクマ
リン2.5部、2-アミノ-6- クロロベンゾチアゾール
1.8部およびトリエチルアミン1.0部をエタノール
25部中で、8時間加熱還流して反応させた。放冷後、
濾過し、エタノール洗浄を行い、乾燥して下記式(A)
(化11)の化合物を2.1部得た。
【0039】
【化11】 この化合物の分析結果は以下の通りであった。 ・吸収スペクトル;吸収極大〔λmax 〕503nm(ク
ロロホルム中) ・FD−MSスペクトル;m/z=411(M+ ) ・元素分析値(C2118ClN3 2 S) C(%) H(%) N(%) S(%) 計算値 61.24 4.40 10.20 7.79 実測値 61.17 4.46 10.40 7.72
【0040】実施例2 窒素雰囲気下、2,6−ジメチル−γ−ピロン21.1
部およびマロノニトリル12.3部を無水酢酸63部中
で、1時間加熱還流して反応させた。放冷後、濾過し、
メタノール洗浄し、乾燥させて、下記式(B)(化1
2)の化合物を20部得た。窒素雰囲気下、3−ホルミ
ル−7−ジノルマルブチルアミノクマリン3.6部、式
(B)の化合物およびピペリジン1.2部をエタノール
24部中で、2時間加熱還流して反応させた。放冷後、
濾過し、エタノール洗浄を行い、乾燥した。これをクロ
ロホルム洗浄、ついでアセトン洗浄して、乾燥後、下記
式(C)(化12)の化合物を1.5部得た。
【0041】
【化12】 式(C)の化合物の分析結果は以下の通りであった。 ・吸収スペクトル;吸収極大〔λmax 〕487nm(ク
ロロホルム中) ・FD−MSスペクトル;m/z=455(M+ ) ・元素分析値(C28293 3 C(%) H(%) N(%) 計算値 73.83 6.41 9.23 実測値 73.87 6.38 9.34
【0042】実施例3 窒素雰囲気下、下記式(D)(化13)の3−アミノフ
ェノール化合物22.3部を、乾燥したDMF80部中
に溶解させ、室温でオキシ塩化リン30.6部を滴加
し、70℃で7時間反応させた。反応後、反応溶液を氷
水200部に排出して、28%アンモニア水で中和した
後、酢酸エチルで抽出した。水洗し、濃縮して、下記式
(E)(化13)のサリチルアルデヒド化合物を21.
8部得た。窒素雰囲気下、式(E)の化合物4.5部及
びマロン酸ジエチル3.5部をエタノール40部中に溶
解させ、ピペリジン0.5部を加えて、7時間還流させ
た。冷却後、濾過して、下記式(F)(化13)の化合
物を4.2部得た。下記式(F)の化合物4.0部を水
20部に分散させ、35%塩酸25部を加えて、5時間
還流した。冷却後、濾過、水洗して、乾燥、下記式
(G)(化13)の化合物を2.8部得た。窒素雰囲気
下、式(G)の化合物2.5部を乾燥したDMF12部
中に溶解させ、室温でオキシ塩化リン2.0部を滴加
し、50℃で3時間反応させた。反応後、反応溶液を氷
水20部中に排出して、28%アンモニア水で中和した
後、濾過した。水洗し、乾燥して、下記式(H)(化1
3)の化合物を2.5部得た。窒素雰囲気下、下記式
(H)の化合物1.0部、2−アミノ−5−メトキシベ
ンゾオキサゾール0.9部およびトリエチルアミン0.
4部をエタノール30部中で、3時間還流させた。放冷
後、濾過、エタノール洗浄後、乾燥して下記式(I)
(化13)の化合物を1.2部得た。
【0043】
【化13】 式(I)の化合物の分析結果は以下の通りであった。 ・吸収スペクトル;吸収極大〔λmax 〕495nm(ク
ロロホルム中) ・FDMSスペクトル;m/z=463 ・元素分析値(C26293 5 C(%) H(%) N(%) 計算値 67.38 6.30 9.07 実測値 67.32 6.21 9.08
【0044】実施例4 光硬化性樹脂(高分子バインダー)として、メチルメタ
クリレート/メタクリル酸/ヒドロキシフェニルメタク
リレート/ベンジルメタクリレート=50/20/10
/20の混合物の重合体100部、トリメチロールプロ
パントリアクリレート55部、重合開始剤として下記式
(J)(化14)のチタノセン化合物20部、光増感剤
として実施例1で得られたクマリン化合物5部、ならび
に、溶媒としてメチルセロソルブ 160部を用いて感光液
を調製した。この感光液を、乾燥膜厚3.5g/m2
なるように、積層銅板上に、スピンコ−ターを用いて塗
布した。乾燥後、ポリビニルアルコール水溶液を塗布
し、乾燥させて、オーバーコート層を設けた。上記の感
光層に、5.0mJ/cm2 強度のYAGレーザーの第
2高調波(532nm)を光照射したところ、速やかに
樹脂が硬化することが確認された。露光後、炭酸ナトリ
ウムの0.5%水溶液で現像した。得られたパターン
は、現像液による膜減りや、未露光部のレジスト残渣の
ない良好なものであった。また同様にして得た感光層に
ついて、さらに5.0mJ/cm2 強度のアルゴンレー
ザーで露光し、次いで現像したところ、良好なパターン
が得られた。
【0045】
【化14】
【0046】実施例5 実施例4におけるクマリン化合物として、実施例1で得
られた化合物の代わりに、実施例2で得られた化合物を
用いた以外は、実施例4と同様にして、感光層を得た。
この感光層は、5.0mJ/cm2 強度のYAGレーザ
ーの第2高調波(532nm)で、速やかに樹脂が硬化す
ることが確認された。また同様にして得た感光層につい
て、さらにらに5.0mJ/cm2 強度のアルゴンレー
ザーで露光し、次いで現像したところ、良好なパターン
が得られた。
【0047】実施例6 実施例4におけるクマリン化合物として、実施例1で得
られた化合物の代わりに、実施例3で得られた化合物を
用いた以外は、実施例4と同様にして、感光層を得た。
この感光層は、5.0mJ/cm2 強度のYAGレーザ
ーの第2高調波(532nm)で、速やかに樹脂が硬化す
ることが確認された。また同様にして得た感光層につい
て、さらにらに5.0mJ/cm2 強度のアルゴンレー
ザーで露光し、次いで現像したところ、良好なパターン
が得られた。
【0048】実施例7〜28 実施例1〜3と同様にして合成したクマリン化合物を第
1表(表1〜3)にまとめて示した。これらの化合物を
用いて、実施例4〜6と同様に評価し、その結果を第1
表に示した。得られた感光層について、5.0mJ/c
2 強度のYAGレーザーの第2高調波(532nm)
で、また同様にして得た感光層について、さらに5.0
mJ/cm2 強度のアルゴンレーザーでで走査露光し、
現像した。得られたパターンの状態を下記のように評価
した。
【0049】
【表1】 第1表
【0050】
【表2】 第1表(つづき)
【0051】
【表3】 第1表(つづき)
【0052】
【発明の効果】本発明のクマリン化合物は、光増感剤と
して極めて高い有用性をもつ化合物である。すなわち、
本発明のクマリン化合物は、可視光感光性樹脂組成物を
調製する際に、感光性樹脂との相溶性がよく、かつ、汎
用の塗布溶液に溶解し、基材上で均一で平滑な塗面を得
ることができる。また、本発明のクマリン化合物は、4
88nmおよび514.5nmに安定な発振線を持つア
ルゴンレーザーや、第2高調波として532nmに輝線
を持つYAGレーザー等の汎用可視レーザーに対して、
非常に高い感度を有するため、本発明の光増感剤を用い
て得られた感光性材料は、これらのレーザーにより高速
走査露光が可能である。さらに、高速走査露光によって
得られる画像は極めて高解像度の画像である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 491/06 C07D 491/06 C08F 2/50 MDN C08F 2/50 MDN C08K 5/18 KAZ C08K 5/18 KAZ C08L 101/00 C08L 101/00 C09D 11/00 PTE C09D 11/00 PTE (72)発明者 詫摩 啓輔 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)(化1)で表されるクマリ
    ン化合物。 【化1】 〔式中、R1 及びR2 は各々、水素原子、アルキル基、
    アリール基、アルケニル基、アラルキル基、アルコキシ
    アルキル基、アリールオキシアルキル基、アルケニルオ
    キシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、または下記一
    般式(2)(化2)で表される基 【化2】 (式中、Q1 は水素原子、アルキル基、ヒドロキシアル
    キル基、ヒドロキシアルコキシアルキル基、アルコキシ
    アルキル基またはシクロアルキル基を示し、p及びqは
    各々、1〜5の整数を示す)を表し、R1 とR2 は互い
    に結合して、または骨格内のアミノ基の置換したベンゼ
    ン核と結合して環を形成してもよく、R3 は水素原子、
    ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシアルキル基、ヒ
    ドロキシアルキル基、ハロゲノアルキル基、水酸基、ア
    ルコキシ基、アリールオキシ基、アルコキシアルコキシ
    基、アルキルチオ基、アリールチオ基又はスルホン酸基
    を表し、Zは下記一般式(3)または(4)(化3)で
    表される基 【化3】 (式中、Xは酸素原子、硫黄原子、−NH−基または−
    NR4 −基を示し、R4はアルキル基、アリール基、ア
    ラルキル基、アルコキシアルキル基、アリールオキシア
    ルキル基、アルケニルオキシアルキル基または前記一般
    式(2)を表し、環Aは置換されていてもよく、Yは酸
    素原子または=C(CN)2 基を表す)を表す〕
  2. 【請求項2】 請求項1のクマリン化合物を含有する光
    増感剤。
  3. 【請求項3】 請求項2の光増感剤を含有する可視光感
    光性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3の可視光感光性樹脂組成物と溶
    剤とを含有してなる可視光感光性材料用インキ。
  5. 【請求項5】 請求項3の可視光感光性樹脂組成物を、
    基材上に有してなる可視光感光性材料。
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