JPH1045441A - 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート - Google Patents

高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート

Info

Publication number
JPH1045441A
JPH1045441A JP8201575A JP20157596A JPH1045441A JP H1045441 A JPH1045441 A JP H1045441A JP 8201575 A JP8201575 A JP 8201575A JP 20157596 A JP20157596 A JP 20157596A JP H1045441 A JPH1045441 A JP H1045441A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cement
concrete
3cao
strength
quick
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8201575A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3718697B2 (ja
Inventor
Toyoharu Nawa
豊春 名和
Kazuki Tokuhashi
一樹 徳橋
Wataru Yuki
渡 結城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Onoda Corp
Original Assignee
Chichibu Onoda Cement Corp
Onoda Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Chichibu Onoda Cement Corp, Onoda Corp filed Critical Chichibu Onoda Cement Corp
Priority to JP20157596A priority Critical patent/JP3718697B2/ja
Publication of JPH1045441A publication Critical patent/JPH1045441A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3718697B2 publication Critical patent/JP3718697B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • C04B28/06Aluminous cements
    • C04B28/065Calcium aluminosulfate cements, e.g. cements hydrating into ettringite
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00034Physico-chemical characteristics of the mixtures
    • C04B2111/00146Sprayable or pumpable mixtures
    • C04B2111/00155Sprayable, i.e. concrete-like, materials able to be shaped by spraying instead of by casting, e.g. gunite
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00724Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 in mining operations, e.g. for backfilling; in making tunnels or galleries

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pit Excavations, Shoring, Fill Or Stabilisation Of Slopes (AREA)
  • Lining And Supports For Tunnels (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低い水セメント比で高い流動性を有し、夏場
のように吹付けコンクリートの練り上がり温度が高温に
なる場合でも、急結剤を添加したときに良好な凝結硬化
性状を示す高強度吹付けコンクリートを提供する。 【解決手段】 3CaO・Al23含有量2〜7重量
%、4CaO・Al23・Fe23含有量2〜13重量
%であり、かつ該3CaO・Al23と該4CaO・A
23・Fe23の合計量が8〜16重量%であり、か
つ残部が3CaO・SiO2および2CaO・SiO2
からなるクリンカー粉末に、無水石膏および/または二
水石膏を30重量%以上含む石膏を配合した、高強度吹
付けコンクリート用セメント。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高強度吹付けコン
クリート、特に地山壁面やトンネル等の施工に用いられ
る高強度吹付けコンクリートにかかわるもので、特に暑
中あるいは地熱などの高温状態での使用に適したコンク
リート用セメント、およびこれを用いた高強度吹付けコ
ンクリートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の吹付けコンクリートは、コンクリ
ート強度が材齢28日で26N/mm2程度であるため、
近年要請されてきているような3車線の大断面トンネル
では、吹付けコンクリート層を著しく厚くする必要があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような吹付け厚さ
の増大は剥落の危険を増すため、吹付けを数回に分けて
実施する必要があり、工期の長期化が懸念される。また
当然、吹付け厚さの増大にともないトンネルの掘削断面
も増大し、さらに残土の処理も問題となる。これらの問
題を解決するために、低い水セメント比を有する高強度
コンクリートを吹付けることが検討されている。しか
し、普通ポルトランドセメントを用いた高強度コンクリ
ートでは、低い水セメント比ではコンクリートの粘性が
著しく高くなり、混合機までポンプ圧送できる流動性が
確保できないことや、混合機中での急結剤との混合が困
難になるなどの問題が生じている。また、セメント、細
骨材、粗骨材および水を混練し生コンクリートを製造し
た後、急結剤をノズルの手前で添加する湿式吹付け工法
においては、従来の吹付けコンクリートにおいても、コ
ンクリートの練上り温度が高温(例えば暑中コンクリー
トのように25℃以上)になると、セメントの水和反応
が促進されることにより、急結剤添加直後のコンクリー
トの凝結が著しく早くなり、吹付け作業の可使時間が充
分とれない等の問題が指摘されていた。
【0004】上記の課題を解決するため、練り混ぜ水に
冷却した水を使用したり、骨材を冷却したり、混合機等
に散水することによりコンクリート温度を下げることが
行われていた(コンクリート・ジャーナル,Vol.4, No.
6, Jun, 1966)。しかし、特に夏場で気温が30℃を超
えるような気候条件下では、それほどの効果が期待でき
ず、さらに冷却に要する経費が多大であるなどの課題が
指摘されていた。このため、クエン酸等の有機酸類を添
加してセメントの凝結をコントロールし、可使時間を得
ようとする方法が提案されている(特開平2-97449
号)。しかし、クエン酸等の有機酸類を使用する場合に
は適切な添加量の選定が難しいことや、クエン酸等の過
剰な添加が急結剤の急結作用を抑制し、吹付けコンクリ
ートの付着性状を悪化させることなどの問題が生じる。
さらに、高強度吹付けコンクリートでは、低い水セメン
ト比でのコンクリートの流動性を確保するために添加し
た化学混和剤とクエン酸等の有機酸類とが相互作用を生
じ、コンクリートの流動性を低下させる等の問題点が懸
念されている。
【0005】そこで本発明は、コンクリートの練上り温
度が高い場合においても、前記のクエン酸等の有機酸類
を使用しなくても、水和反応の異常な促進が起こらず、
かつ、高い流動性を有し、同時に急結剤を添加したとき
に優れた凝結性状および強度発現性を示す高強度吹付け
コンクリートを得ることを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく種々検討した結果、かかる問題点を抱え
る前記したクエン酸等の有機酸類を使用することなく、
特定の組成を有するセメントと高性能減水剤や高性能A
E減水剤などの分散剤とを組み合わせることにより、高
温でも常温と同様の急結性状をしめす高強度吹付けコン
クリートを得ることに成功したものである。すなわち本
発明は、練上り温度が高い場合において高強度吹付けコ
ンクリートを得るために用いるセメントであって、3C
aO・Al23含有量2〜7重量%、4CaO・Al2
3・Fe23含有量2〜13重量%であり、かつ該3
CaO・Al23と該4CaO・Al23・Fe23
合計量が8〜16重量%であり、かつ残部が3CaO・
SiO2および2CaO・SiO2とからなるクリンカー
粉末に、無水石膏および/または二水石膏を30重量%
以上含む石膏を配合したことを特徴とする、高強度吹付
けコンクリート用セメントを提供するものである。本発
明はまた、上記クリンカー中の2CaO・SiO2含有
量を40〜60重量%の範囲に調整した高強度吹付けコ
ンクリート用セメントを提供するものである。本発明は
さらに、上記セメントに、高性能減水剤や高性能AE減
水剤などの分散剤と急結剤とを組み合わせたコンクリー
トを提供するものである。本発明のセメントを用いた吹
付けコンクリートは、練り上がり温度が25℃を越える
場合においても良好な吹付け性状を示し、成形した後で
の優れた高強度を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下本発明について詳細に説明す
る。まず、本発明のセメントについて詳しく説明する。
低水セメント比でコンクリートの高い流動性を得るため
には、一般に、界面活性剤である高性能減水剤や高性能
AE減水剤等の分散剤を添加し、吸着した分散剤の電荷
に起因する「静電気的反発力」や、吸着分子そのものの
「立体障害反発力」によりセメント粒子を分散させる方
法が行われている。分散剤の吸着性状はセメントの構成
化合物により異なり、3CaO・Al23や4CaO・
Al23・Fe23等の間隙質相へ、選択的かつ多量に
吸着し、その後に主要構成化合物である3CaO・Si
2や 2CaO・SiO2等の珪酸カルシウムに吸着す
る。したがって、間隙質相が多い場合には、珪酸カルシ
ウムへ分配吸着される分散剤の量はわずかとなり、吸着
が不均一となり、分散効果が十分に発揮されない。ま
た、間隙質相は水和が早く、初期材齢でエトリンガイト
(3CaO・Al23・3CaSO4・32H2O)等の
多くの結合水を有する水和物を生成するため、その後の
水和反応に必要な水量が不足し、間隙質相に比べ反応が
遅い珪酸カルシウムの反応が抑制され、長期での強度発
現性が抑制される。特に、水和速度が早く、活性の高い
3CaO・Al23含有量が多いほど、この傾向が顕著
となる。
【0008】なお、急結剤も、CaO-Al23-H2
水和物(2CaO・Al23・8H2O)、 モノサルフ
ェート(3CaO・Al23・CaSO4・12H2O)
あるいはエトリンガイト(3CaO・Al23・3Ca
SO4・32H2O)等の水和物を多量に生成し、セメン
トペーストを急結させる。この反応も、3CaO・Al
23の水和反応と同様に多くの結合水を必要とし、例え
ば3CaO・Al23の水和が高温でより促進され急結
剤を添加する前に自由水が減少していると、急結剤の急
激な水和により、急結剤添加直後からペースト中の自由
水が無くなり、セメントの急結は著しく早くなるため、
ペーストに可塑性、すなわち付着力が失われ吹付け性状
が低下する。この傾向は、高強度吹付けコンクリートの
ようにセメントに対する水の絶対容積が少ない場合に顕
著となる。このため、セメント中の3CaO・Al23
や4CaO・Al23・Fe23等の間隙質相、特に3
CaO・Al23を低減する必要がある。
【0009】本発明のセメントは、3CaO・Al23
量を最小限に抑えた結果、珪酸カルシウムに吸着される
混和剤の量を増しセメント粒子を十分に分散させ、低い
水セメント比でもコンクリートの流動性を著しく高めた
ものである。この結果、湿式吹付けにおいて混合機まで
容易にポンプ圧送でき、混合機中での急結剤との混合も
容易に行うことが可能である。また、高温でも適量の自
由水を確保し、急結剤添加直後も適切な可塑性を得るこ
とができ、良好な吹付け性状を得ることができる。さら
に、珪酸カルシウムの水和に用いられる自由水も確保さ
れ、その結果、長期材齢でも水和反応が十分に進むよう
になり、高強度化が可能となる。さらに、珪酸カルシウ
ムの3CaO・SiO2の水和が温度によって促進され
ることもコンクリートの練上り温度が25℃以上で急結
剤を添加した後のコンクリートの凝結が早くなる副次的
な要因と考えられる。したがって、水和の温度依存性が
3CaO・SiO2よりも小さく、かつ最終強度がほぼ
同じである2CaO・SiO2の含有量を増すことが有
効であり、高温状態では2CaO・SiO2の含有量を
40〜60重量%の範囲に調整して用いると、さらに好
ましい。なお、以上のような効果を得るためには、セメ
ントの粉末度を3200〜4500cm2/gの比表面積
を有する程度とするのが好ましい。
【0010】該クリンカーに添加する石膏は、その形態
として無水塩、半水塩、二水塩からなるものが挙げられ
るが、無水石膏あるいは二水石膏を30%以上含む石膏
を添加することがセメントの偽凝結を防止し、最も良い
流動性が得られる点で好ましい。なお、石膏の添加量は
SO3量で2%より少ないと、3CaO・Al23の水
和が活発になり分散剤の吸着量が増し、また5重量%を
越えると、石膏量が過剰なために偽凝結が生じ、流動性
が低下するので2〜5重量%が望ましい。しかし、急結
剤中に石膏を多量に含むものもあり、これらの効果も考
慮してセメント中の石膏量を調整する必要がある。
【0011】分散剤は、セメント粒子を分散させセメン
トペーストの流動性を改善する目的で使用するものであ
り、その組成は、セメント粒子を分散させるものなら
ば、特に限定するものでなく、市販の高性能減水剤およ
び高性能AE減水剤等を使用することができる。急結剤
は、コンクリートの凝結を早め、吹付け時にコンクリー
トを地山壁面やトンネル壁面に付着させ、短時間で固化
させる目的で使用するもので、その組成は、セメントの
水和を著しく阻害せずにコンクリートの付着性を増大さ
せれるものならば、特に限定するものではなく、市販の
急結剤を使用することができる。
【0012】本発明のセメントを高強度吹付けコンクリ
ートに適用する場合、セメント、骨材、分散剤および水
等の配合処方を特に制限するものではないが、セメント
の単位量が400〜600kg/m3、単位水量が175
〜200kg/m3、細骨材の単位量が700〜1200
kg/m3、粗骨材の単位量が600〜1100kg/m3
の割合からなる高強度暑中吹付けコンクリートに適用す
ると効果的である。本発明のコンクリートが高強度暑中
吹付けコンクリートとして効果を発揮するコンクリート
の練り上がり温度は25℃以上であり、好ましくは30
℃である。なお、25℃未満でも急結剤の添加量を増大
させることで目的の吹付け性状を得ることができる。
【0013】
【実施例】
実施例1.以下に示す材料を用いて、水セメント比30
%のセメントペーストをホバートミキサーを用いて練り
混ぜ、日本建築学会のJASS 25 M103に規定さ
れているセルフレベリング材の試験方法に基づきセメン
トペーストのフロー値を測定した。 <使用材料> セメント:クリンカーの構成化合物(C3S:3CaO・
SiO2, C2S:2CaO・SiO2, C3A:3CaO・Al2
3, C4AF:4CaO・Al23・Fe23)が表1に示
すような4種類のクリンカーに、無水、二水および半水
石膏を添加して粉砕した5種類のセメントと比較用の普
通ポルトランドセメント(秩父小野田(株)製);高性
能AE減水剤:チューポールHP−11(竹本油脂(株)
製、ポリカルボン酸系); 水:水道水。なお、高性能AE減水剤の添加量はセメン
トに対して1.0重量%とした。結果を表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1から分かるように、3CaO・Al2
3が7重量%以下で、3CaO・Al23と4CaO
・Al23・Fe23の合量が8〜16重量%の範囲で
は、3CaO・Al23と4CaO・Al23・Fe2
3の合量が減少するほどフロー値が大きくなり普通ポ
ルトランドセメントに比べ流動性が向上するのが分か
る。なお、3CaO・Al23と4CaO・Al23
Fe23の合量がほぼ同じならば、3CaO・Al23
が少ないほど著しく優れた流動性を示すことが分かる。
また、クリンカーが同じ構成化合物を有するセメントを
比較すると、無水石膏および二水石膏を30%以上含むこ
とにより流動性がさらに向上することが分かる。
【0016】実施例2.実施例1の表1に記載した高強
度吹付けコンクリート用セメントの中、本発明のセメン
トを用いたコンクリートの流動性を、普通ポルトランド
セメント(秩父小野田(株)製)を用いたコンクリート
と比較した。セメント以外の材料としては以下に示すも
のを用いた。 <使用材料> 細骨材:小笠産陸砂、比重2.60 粗骨材:岩瀬産砕石1505、比重=2.63 高性能AE減水剤:チューポールHP−11(竹本油脂
(株)製、ポリカルボン酸系) 水:水道水 コンクリートの配合を表2および表3に示す。コンクリ
ートの作製には、0.5m3のパン型強制ミキサーを用い
た。コンクリートは、セメント、細骨材、粗骨材を順次
投入して15秒間空練りした後、高性能AE減水剤を練
り混ぜ水と同時に添加し2分間練り混ぜ作製した。得ら
れたフレッシュコンクリートの性状を表3に示す。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】表3より、本発明のセメントを用いた高強
度コンクリートは、普通ポルトランドセメントに比べ約
1/2以下の高性能AE減水剤加量で同等のスランプが
得られており、高い流動性を有するのがわかる。
【0020】実施例3.土木学会基準「吹付けコンクリ
ートの品質規格(JSCE-D102-1986)に準じて、以下に示
す材料を用いて急結剤を添加したモルタルのプロクター
凝結試験をモルタルの練り上がり温度別に実施した。 <使用材料> セメント:高強度暑中吹付けコンクリート用セメント
(実施例1表1のセメントA−1) 秩父小野田(株)製、普通ポルトランドセメント 細骨材:小笠産陸砂、比重2.60 高性能AE減水剤:チューポールHP−11(竹本油脂
(株)製) 急結剤:T−ROCK((株)小野田製) 水:水道水 セメント 100重量部、細骨材 200重量部、水 3
5重量部および高性能AE減水剤をモルタルミキサーで
115秒練り混ぜた後、急結剤を3重量部投入し、5秒
間練り混ぜた。練り上がり後、手早くタッピングし練り
跡を無くし、20秒〜4分までの貫入抵抗値を測定し
た。結果を表4に示す。なお、プロクター貫入抵抗値の
始発は3.5N/mm2、終結は28.0N/mm2である。
【0021】
【表4】
【0022】表4より、練り上がり温度と抵抗値の関係
は、急結剤の添加量は同じでも、セメントの種類によら
ず温度の上昇にともないセメントの水和が促進されるた
め、急結剤の添加の効果が早期に発現し、急結剤添加直
後からプロクター抵抗値は大きくなる。なお同一の条件
で得られる急結性状はセメントごとに異なり、練り上が
り温度が25〜30℃の範囲において得られる急結性状
は、本発明の高強度吹付けコンクリート用のセメントを
用いたモルタルでは、普通セメントを用いた場合にくら
べ穏やかとなっていることがわかる。急結剤の添加量が
同じ場合、本発明のセメントを用いたモルタルが30℃
で示す急結性状は、普通セメントを用いたモルタルが2
0℃で示すのと同様であることからも、夏場などの気温
が高くなる気候条件下での吹付け材としてセメントAは
十分に使用可能であることが明らかである。
【0023】実施例4.急結剤を添加したコア供試体を
用いて、モルタルの強度発現を測定した。コア供試体
は、実施例2に配合を示すモルタルを練り上がり温度3
0℃に練り上げ、所定量の急結剤を投入し5秒間練り混
ぜて作成した。練り上がり後、手早くタッピングし練り
跡をなくしたモルタルの塊を30℃にて封緘養生し、所定
材齢でφ45mmのコアを抜き出し、95mmの長さに
切り揃えた。載荷面の処理は切断面を硫黄キャッピング
または研磨処理した。実施例3のプロクター貫入抵抗試
験の結果に基づいて、適正な急結性状が得られる急結剤
の必要添加量を求めた。適正な急結性状が得られる必要
添加量およびコア供試体の圧縮強度の結果を表5に示
す。
【0024】
【表5】
【0025】表5より、本発明のセメントを用いたモル
タルの強度発現は良好であり、材齢28日で50N/mm2
を達成した。一方、普通セメントを用いた場合には、3
0℃では急結剤を添加した直後の凝結が著しく早いため
に、急結剤の添加量は少ないが流動性が確保できず、練
り上がり後モルタルを十分に締め固められず、その結果
大きな空隙が残留し、強度が低下することが認められ
た。
【0026】実施例5.本発明のセメントを用いた高強
度吹付けコンクリートと、比較用の普通ポルトランドセ
メントを用いた従来の吹付けコンクリートを、0.5m3
のパン型強制ミキサーで練り混ぜた。表6に各コンクリ
ートの調合を示す。練り混ぜは、セメント、細骨材(小
笠産陸砂、比重=2.59、粗粒率=2.85)、粗骨材
(岩瀬産砕石1505、比重=2.63)を順次投入し
て、15秒間空練りした。次いで、高強度吹付けコンク
リート用セメントを用いた場合にはスランプが20±
2.5cmの範囲に入るように、高性能AE減水剤(竹
本油脂(株)製チューポールHP−11)をセメント1
00重量部に対して固形分換算で0.1〜1.0部の範囲
で練混ぜ水と同時に添加して2分間練り混ぜた。この高
強度吹付けコンクリートと従来の吹付けコンクリートを
練り上がり温度30℃に練り上げ、湿式吹付け機で吹付け
た。その結果、高強度吹付けコンクリート用セメントで
は、従来の吹付けコンクリートとくらべ、リバウンドお
よび粉塵量がすくなくてコンクリートの吹付けができ、
さらに表7に示すような高強度を得ることができた。
【0027】
【表6】
【0028】
【表7】
【0029】
【発明の効果】本発明のセメントを用いると、低い水セ
メント比で高い流動性を有し、吹付けコンクリートの練
り上がり温度が高温であっても、急結剤を添加したとき
に良好な凝結硬化性状を示す高強度吹付けコンクリート
を得ることができる。これにより、夏場などの気温が高
くなる気候条件下においても、材料および混合機の冷却
といった前処理を不要として高強度吹付けコンクリート
を施工することができる。その結果として吹付け量の低
下による掘削量の低減および工期の短縮を図ることがで
きる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:14 24:26 22:00) (72)発明者 結城 渡 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 株式会 社小野田開発研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高強度吹付けコンクリートを得るために
    用いるセメントであって、3CaO・Al23含有量2
    〜7重量%、4CaO・Al23・Fe23含有量2〜
    13重量%であり、かつ該3CaO・Al23と該4C
    aO・Al23・Fe23の合計量が8〜16重量%で
    あり、かつ残部が3CaO・SiO2および2CaO・
    SiO2とからなるクリンカー粉末に、無水石膏および
    /または二水石膏を30重量%以上含む石膏を配合した
    ことを特徴とする、高強度吹付けコンクリート用セメン
    ト。
  2. 【請求項2】 クリンカーの2CaO・SiO2含有量
    が40〜60重量%の範囲に調整された請求項1に記載
    の高強度吹付けコンクリート用セメント。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のセメントに、
    分散剤と急結剤とを配合してなる高強度吹付けコンクリ
    ート。
JP20157596A 1996-07-31 1996-07-31 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート Expired - Fee Related JP3718697B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20157596A JP3718697B2 (ja) 1996-07-31 1996-07-31 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20157596A JP3718697B2 (ja) 1996-07-31 1996-07-31 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1045441A true JPH1045441A (ja) 1998-02-17
JP3718697B2 JP3718697B2 (ja) 2005-11-24

Family

ID=16443339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20157596A Expired - Fee Related JP3718697B2 (ja) 1996-07-31 1996-07-31 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3718697B2 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044307A (ja) * 1998-07-29 2000-02-15 Taiheiyo Cement Corp 高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤
JP2006062888A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Taiheiyo Material Kk 急硬性混和材及び急硬性セメント組成物
JP2007099609A (ja) * 2005-09-08 2007-04-19 Taiheiyo Material Kk 急硬性セメント混練物及び吹付材料
JP2008297780A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Raito Kogyo Co Ltd 斜面の安定化工法
JP2009149515A (ja) * 2009-03-19 2009-07-09 Ube Ind Ltd セメント組成物及びセメント混練物
JP2009256205A (ja) * 2009-08-03 2009-11-05 Mitsubishi Materials Corp 高間隙相型セメント組成物
JP2013209236A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd セメント組成物、及び、コンクリート組成物
JP2015223697A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 株式会社トクヤマ 硬化性組成物の製造方法
WO2019218133A1 (zh) * 2018-05-14 2019-11-21 重庆大学产业技术研究院 一种绿色喷锚和生态植被相结合的边坡防护方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044307A (ja) * 1998-07-29 2000-02-15 Taiheiyo Cement Corp 高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤
JP4651134B2 (ja) * 1998-07-29 2011-03-16 太平洋セメント株式会社 高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤
JP2006062888A (ja) * 2004-08-24 2006-03-09 Taiheiyo Material Kk 急硬性混和材及び急硬性セメント組成物
JP2007099609A (ja) * 2005-09-08 2007-04-19 Taiheiyo Material Kk 急硬性セメント混練物及び吹付材料
JP2008297780A (ja) * 2007-05-31 2008-12-11 Raito Kogyo Co Ltd 斜面の安定化工法
JP2009149515A (ja) * 2009-03-19 2009-07-09 Ube Ind Ltd セメント組成物及びセメント混練物
JP2009256205A (ja) * 2009-08-03 2009-11-05 Mitsubishi Materials Corp 高間隙相型セメント組成物
JP2013209236A (ja) * 2012-03-30 2013-10-10 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd セメント組成物、及び、コンクリート組成物
JP2015223697A (ja) * 2014-05-26 2015-12-14 株式会社トクヤマ 硬化性組成物の製造方法
WO2019218133A1 (zh) * 2018-05-14 2019-11-21 重庆大学产业技术研究院 一种绿色喷锚和生态植被相结合的边坡防护方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3718697B2 (ja) 2005-11-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7166827B2 (ja) グラウトモルタル組成物、グラウトモルタル、コンクリート構造体及びその製造方法
JPH1045441A (ja) 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート
JPH0680456A (ja) 流動性水硬性組成物
JP6783118B2 (ja) セメント組成物及びその製造方法
JP2002068804A (ja) コンクリート組成物
JP4878752B2 (ja) 急硬材及び急硬性セメント組成物
JP4617073B2 (ja) 急硬性材料及び急硬性セメント組成物
JP4689072B2 (ja) セメントコンクリート、急結性セメントコンクリート、及び調製方法
JP4651134B2 (ja) 高流動吹付けコンクリ−ト用急結剤
JP3991242B2 (ja) 高強度吹付けコンクリート
JP3529052B2 (ja) 凝結遅延剤及びそれを用いた速硬性コンクリートの施工方法
JP2007176744A (ja) 速硬混和材
JPH11130500A (ja) 吹付材用急結補助材
JPH11130499A (ja) 吹付材用セメント組成物とその吹付施工方法
JP2003146725A (ja) 水硬性組成物
JP7333019B2 (ja) セメント組成物、及び、セメント硬化体の製造方法
JP3728340B2 (ja) 高強度吹付けコンクリート用セメントおよび高強度吹付けコンクリート
JPH0256296B2 (ja)
JP7074527B2 (ja) セメント複合材
JPH02302352A (ja) 速硬型セルフレベリング性床材用組成物
JP2899066B2 (ja) 防水用混和材及び防水材組成物
JP2001122649A (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP2004315240A (ja) 水硬性組成物及び高強度コンクリート
JP4229303B2 (ja) セメント混和材及びセメント組成物
JP2001172063A (ja) 凝結調整材スラリー、セメントコンクリート、急結性セメントコンクリート、及び急結性セメントコンクリートの施工方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050616

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050628

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050805

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees