JPH10338185A - 移動装置及びその制御方法 - Google Patents

移動装置及びその制御方法

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JPH10338185A
JPH10338185A JP15347497A JP15347497A JPH10338185A JP H10338185 A JPH10338185 A JP H10338185A JP 15347497 A JP15347497 A JP 15347497A JP 15347497 A JP15347497 A JP 15347497A JP H10338185 A JPH10338185 A JP H10338185A
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moving device
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assist
power
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JP15347497A
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English (en)
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Yuuichi Nanae
裕一 名苗
Toshiro Hayashi
俊郎 林
Hiroyoshi Hayashi
広佳 林
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Electric Propulsion And Braking For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 移動するための主動力が人力で、該主動力に
より回転される回転部をアシストするために動力補助手
段を備えた移動装置において、速度が変化して加速と減
速とを繰り返す状況下における走行性能の向上を図る。 【解決手段】 登坂道を自転車で走行するときのよう
に、クランク軸の回転速度が変化して加速と減速とを繰
り返す状況下において、少なくとも減速時に、その減速
分に応じたアシスト量をモータ7により後輪3に与え
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は移動装置及びその制
御方法に関する。詳しくは、移動するための主動力が人
力で、該主動力により回転される回転部を補助するため
に動力補助手段を備えた移動装置において、速度が変化
して加速と減速とを繰り返す状況下における走行性能の
向上を図る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】移動装置として、たとえば自転車を例に
挙げると、操作者(ライダー)は自転車のサドルに座
り、ライダーの踏力を用いて、ペダル、クランク、チェ
ーン等の駆動伝達部を介して後輪を駆動することで走行
することができる。
【0003】ところで、このように操作者が踏力を回転
部(クランク軸、チェーンホイール、スプロケット、車
輪等)に伝達して自転車で走行する場合に、平坦な道で
あれば苦労はしないが、登り坂、草むら、泥道等走行抵
抗の大きな路面においては、ライダーの踏力だけではな
かなか走行できなかったり、或いは、途中で自転車を降
りなければならないという問題がある。
【0004】そこで、操作者の踏力により回転される回
転部の回転を補助(アシスト)するための駆動手段とし
てモータを備えた自転車(以下、「アシスト自転車」と
いう。)が提案されている。
【0005】かかるアシスト自転車には、ライダーの踏
力を駆動系(クランク、チェーンホイール、チェーン、
スプロケット等)のいずれかにおけるトルクとして検出
し、トルクの大きさに比例してアシスト量を決定する方
式や、本出願人が平成8年12月27日に出願した平成
8年特許願第357768号に示したように、操作者が
与えようとする速度変化情報(加速度情報)に見合った
アシスト量を決定する方式などがある。
【0006】このようなアシスト自転車は何れも、操作
者が踏み込む力の大きさが大きいときに、より大きなア
シストを行うようになっており、そのため、加速時に大
きなアシスト量を得ることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、移動装置に
おいては、回転部の速度が変化して加速と減速とを繰り
返す場合があり、かかる場合には、走行性能が悪化する
という問題があった。
【0008】即ち、例えば、自転車の走行においては、
ペダルの踏み込んだときは、クランクが上方を向いた位
置(以下、「上死点」という。)から、前方に向かって
回転して行くに従いそのトルクは大きくなり、上死点か
ら中心角で120度付近の位置で最も大きくなる。そし
て、中心角で120度を超えると、徐々にトルクは小さ
くなり、クランクが下方を向いた位置(以下、「下死
点」という。)ではトルクはほゞ0になる。尚、実際に
は、ライダーのペダルの踏み方(座った状態でこぐ場合
や立った状態でこぐ場合等)によりクランク軸にかかる
トルクが異なるため、速度変化曲線はその状況により異
なるが、クランクが上死点から中心角でほゞ45度回転
した位置からほゞ90度の範囲において、ライダーの踏
力が最もクランク軸に伝達されるものと考えられる。
【0009】そこで、自転車で坂道のように走行抵抗が
大きい路面を走行する場合に、上記のように、クランク
の位置により回転部に与えるトルクが異なってしまう
と、ライダーが加速しようとして、或いは所定速度の維
持をしようとしてペダルを踏んでも、ペダルの踏み始め
はそのトルクが走行抵抗を上回って加速するが、その後
半ではトルクが走行抵抗より下回って減速してしまい、
また、ペダルを踏み込む足を他方の足に切り換えるとき
にクランク軸にはトルクが掛からない状態となってしま
う。このように、自転車の速度(車速)はクランクの1
80度の回転範囲でも変化して加速と減速とを繰り返す
ことになる。
【0010】図4は坂道を走行中の自転車の速度変化を
グラフに表わしたもので、横軸は時間であり、縦軸が車
速を表わし、クランク軸を2回転させた後、停止させた
グラフ図である。
【0011】図中、実線で示すものグラフ線Aは、動力
補助手段を持たない自転車の速度変化を示したもので、
横軸(時間軸)に示した目盛りはクランク軸の周期を示
すものである。尚、その間隔が不均一であるのは、車速
の上昇に伴い、慣性によりペダルが軽くなり、クランク
軸の回転速度が増すからである。
【0012】そして、一方の足でペダルを踏み出すとク
ランク軸にトルクが掛かり回転し始め、その時のトルク
が走行抵抗を上回るために、自転車の速度が上がり、加
速状態となる。やがて、トルクが最大になった位置にお
いて車速は最大になり(極大点p1)、その後は、走行
抵抗がトルクを上回るために車速は減速し、減速状態に
なる。
【0013】次に、ペダルを踏む足を切り換える。この
とき、クランク軸には一瞬、トルクが掛からない状態が
生じるが、自転車は慣性により低速度ながらある速度
(極小点b1)を維持する。これで、クランク軸は半回
転したこと(180度)になる。
【0014】そして、他方の足で逆のペダルを踏み出す
と、再び、クランク軸にトルクが掛かり回転し始め、上
記一方の足でペダルを踏んだときと同様に、クランク軸
にかかるトルクは、徐々に上がり、最大となった位置
(極大点p2)で車速が最大となり、再び、クランク軸
にかかるトルクが下がり車速が減速する。そして次に、
ペダルを踏み換えるときの車速は上記極小点b1よりも
やや上がっており(極小点b2)、自転車は全体として
車速が増加していることを示す。これで、クランク軸は
一回転したこと(360度)になる。
【0015】このように、ペダルを踏んで、クランクを
回転させることにより、クランク軸にかかるトルクは波
形線を示し、これにより、車速も図4のグラフ線Aのよ
うな波形図を示すことになる。
【0016】ところで、このような走行抵抗の大きな状
況下で、上記した従来のようなアシスト自転車を走行さ
せた場合、ペダルを踏み込んだときには、加速状態とな
ってそれに見合ったアシスト量を得るが、ペダルを踏む
足の切り換え時には、減速状態となってアシストされな
いことになり、更に、速度変化が大きくなってしまう。
従って、図4に一点鎖線で示すグラフ線Bのような速度
変化を示すことになる。
【0017】このため、体感的には、ペダルを踏み初め
て回転部の回転力が大きくなるに従いアシスト量が大き
くなってペダルは軽くなるが、ペダルが下方へ行ったと
きは回転部の回転力が小さくなって、アシスト量が少な
くなりペダルが重くなってしまい、速度変化が大きく乗
り心地が良くないという問題があった。
【0018】かかる状況は、坂道のほか、平地でも草む
ら、砂地等の悪路の場合や向かい風の中を走行しようと
するときにも生じ得る。
【0019】またこのようなことは、自転車に限らず、
荷物を運搬する台車や車イス等のように、人力を主動力
とし、これにアシスト用の動力補助手段を備えた移動装
置においても生じ得る。
【0020】そこで、本発明は、走行抵抗が大きい場合
にも速度変化が小さな移動装置及びその制御方法を提供
することを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明移動装置及びその
制御方法は、上記した課題を解決するために、動力補助
手段を備えた移動装置において、回転部の速度が変化し
て加速と減速とを繰り返す状況下において、少なくとも
減速時に、その減速分に応じたアシスト量を上記動力補
助手段により回転部に与えようとするものである。
【0022】従って、本発明移動装置及びその制御方法
にあっては、減速時において、その減速分に応じたアシ
スト量が動力補助手段により回転部に付与されるので、
速度が変化して加速と減速とを繰り返す状況下におい
て、減速時に動力補助手段によるアシストが為されるた
め移動装置の走行性能の向上を図ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、本発明移動装置及びその
制御方法の実施の形態を添付図面を参照して説明する。
尚、以下に示した実施の形態は、本発明をアシスト自転
車に適用したものである。また、この実施の形態に示し
たアシスト自転車は動力補助手段としてのモータが駆動
輪である後輪の回転軸にモータ軸が連結されているいわ
ゆるダイレクトモータとして構成されており、従って、
動力補助手段が補助する回転部は後輪となっている。
【0024】図1はアシスト自転車1の全体を示し、該
アシスト自転車1は人力を主動力とし、該人力(踏力)
を回転運動に変換するためのクランク2と該クランク2
の回転を駆動輪である後輪3に伝達するためのチェーン
ホイール4、チェーン5、スプロケット6を備え、ま
た、上記後輪3の回転をアシストするための動力補助手
段としてのモータ7が設けられている。
【0025】モータ7は後輪3の回転中心に配設され
て、いわゆるダイレクトモータとして構成されており、
所定の状況下において後輪3の回転を補助してライダー
の踏力をアシストするようになっている。
【0026】図2はモータ7へのアシスト量を制御する
ためのアシスト制御回路の回路構成の一例8を示すもの
であり、速度検出回路9、ピークホールド回路10、差
動アンプ11、アシスト判定回路12、モータ制御回路
13を備えている。
【0027】速度検出回路9は、モータ7の回転速度を
検出することで自転車の速度を間接的に計測するために
モータ7内に設けられており、その検出信号(以下、
「Sv」と記す。)はピークホールド回路10及びアシ
スト判定回路12に送出される。このように、かかる速
度検出回路9は、移動装置(アシスト自転車)の現速度
を検出する速度検出手段として機能する。
【0028】ピークホールド回路10は、速度検出回路
9からの検出信号Svにおけるピーク値を保持するもの
であり、その出力信号と検出信号Svとの差信号が差動
アンプ11で制御指令値として生成されてモータ制御回
路13に送出されることでモータ7の制御に係るフィー
ドバックサーボ系を形成している。該ピークホールド回
路10は、演算増幅器を用いた入力バッファアンプ14
と出力バッファアンプ15とを有しており、検出信号S
vの示す検出電圧が入力バッファアンプ14に供給され
る。該入力バッファアンプ14の出力端子にはダイオー
ド16のアノードが接続されており、該ダイオード16
のカソードがコンデンサ17を介して接地されるととも
に該コンデンサ17に対して抵抗18が並列に接続され
ている。そして、コンデンサ17の端子電圧が出力バッ
ファアンプ15を介して出力信号(以下、「Sp」と記
す。)として差動アンプ11に送出される。
【0029】差動アンプ11は、演算増幅器19を用い
た負帰還の構成とされ、演算増幅器19の非反転入力端
子に上記出力信号Spが入力され、演算増幅器19の反
転入力端子には検出信号Svが入力される。そして、演
算増幅器19の出力信号(これを「Sc」と記す。)が
モータ制御回路13に送出される。このようにかかる差
動アンプ11は、ピークホールド回路10によって得ら
れたピーク値と現速度値との差分を検出する、差分検出
手段として機能する。
【0030】アシスト判定回路12は、モータ7による
アシスト自転車へのアシストを行うか否かを判断するた
めに設けられており、演算増幅器を用いた入力バッファ
アンプ20と、微分回路21の出力信号によってオン/
オフ制御されるアナログスイッチ22と、定電流源23
によって充電されるホールドコンデンサ24と、コンパ
レータ25とを備えており、アシスト判定手段として機
能する。
【0031】上記した検出信号Svは入力バッファアン
プ20及び微分回路21に入力され、入力バッファアン
プ20の出力端子は後段のアナログスイッチ22を介し
てホールドコンデンサ22に接続されている。微分回路
21は検出信号Svに基づいて速度の時間微分、即ち加
速度を算出して、加速度が負値から正値に変化する時点
に同期した立ち上がりを有する信号をアナログスイッチ
22を制御する信号(これを「Su」と記す。)として
生成するために設けられている。
【0032】コンパレータ25は、そのプラス入力端子
にホールドコンデンサ24の端子電圧が入力され、ま
た、そのマイナス入力端子には分圧抵抗を介して所定の
基準電圧(これを「Vref」と記す。)が供給され
る。そして、コンパレータ25によって2値化された信
号(これを「Sa」と記す。)がモータ制御回路13に
送出される。
【0033】図3は上記した回路の動作について説明す
るための波形図であり、図中の信号「Sdf」は検出信
号Svの示す速度変化に対応する加速度を示しており、
その他の信号は既述の通りである。尚、検出信号Svの
波形図は、上記従来例で示したものと同様に、クランク
軸を2回転させた後、停止したものを示す。
【0034】図示するように、検出信号Svの波形にお
いて、時刻t=tip(但し、i=1、2、3、4)に
示す点Pi(i=1、2、3、4)は速度のピーク値
(極大値)を示しており、時刻t=tib(但し、i=
1、2、3)に示す点Bi(i=1、2、3)は速度の
ボトム値(極小値)を示している。
【0035】そして、信号Sdfに示す加速度は、上記
した極大点Pi、極小点Biにおいてゼロであり、ま
た、0≦t<t1pの期間、あるいはtib≦t<tj
pの期間(但し、「i=1、2、3」かつ「j=i+
1」である。)において正値を示し、tip≦t<ti
bの期間(但し、i=1、2、3)において負値を示し
ている。
【0036】信号Spの波形(実線で示す。)について
は、破線で示す検出信号Svの波形との差違から分かる
ように、上記極大点Pi(i=1、2、3、4)での値
をピークホールド回路10のコンデンサ17により保持
することによって得られる。このようにピークホールド
回路10は車速の極大値を検出する極大値検出手段とし
て機能する。また、極大点Piの値の保持については1
点鎖線で示す完全なピーク保持ではなく、当該1点鎖線
を基準とした低下分「Δd」(所謂ドループ)があえて
生じるように、コンデンサ17の静電容量値及び抵抗1
8の抵抗値によって時定数の設定がなされている。これ
により、ピークホールド回路10により速度検出回路1
0により検出した車速の極大値(ピーク値)に所定の比
例定数を乗算した値(以下、「減衰ピーク値」とい
う。)を得、これが差動アンプ11に出力されることに
なる。
【0037】尚、当該時定数は人間の平均的な脚力に応
じて規定される固定値とされるが、これに限らず抵抗1
8を可変抵抗に等価的に置換することによって外部信号
(例えば、手動操作信号等。)に応じて時定数を所望の
値に調整したり、あるいは自転車の運動状態(速度、加
速度等。)に応じて自動的に時定数の可変制御を行うよ
うに制御しても良い。
【0038】信号Scは、信号Spと信号Svとの差と
して差動アンプ11により算出される。つまり、信号S
pのレベルから信号Svのレベルを差し引いた分(図に
斜線で示す部分を参照。)が信号Scのレベルである。
【0039】他方、アシスト判定回路12では、微分回
路21において信号Sdfの示す加速度が負値から正値
に変化した時点(つまり、減速から加速に転じた時点)
で立ち上がる信号Suが生成され、該信号Suの立ち上
がり時点(図に矢印で示す。)に同期してアナログスイ
ッチ22が一時的にオンされる。
【0040】つまり、信号Shについては、0≦t<t
1bの期間や、tib≦t<tjb(但し、「i=1、
2」かつ「j=i+1」である。)の期間でホールドコ
ンデンサ24の充電によりその端子電圧が所定の傾斜を
もって上昇するが、ボトム値を示す時点tib(i=
1、2、3)においてアナログスイッチ22のオン動作
によってボトム値が保持される。
【0041】そして、0≦t≦t3bの期間では信号S
hのレベルが基準電圧Vref未満であるため、上記コ
ンパレータ25の出力信号SaがL(ロー)信号となる
が、t>t3bの期間においては信号Suの立ち上がり
が認められないため、信号Shのレベルが1点鎖線で示
すVrefを越えた時点(これを「te」と記す。)で
上記コンパレータ25の出力信号SaがH(ハイ)信号
となる。
【0042】信号Smは、信号ScとSaとに基づいて
モータ制御回路13で生成され、信号SaがL信号であ
る場合には信号Scに一致するが、信号SaがH信号で
ある場合にはゼロとなる。つまり、信号Saはモータ7
によるアシストを行うか否かを規定する信号であり、当
該信号がL信号である場合には信号Scのレベルに応じ
てモータ7の回転制御が行われるが、信号SaがH信号
である場合にはモータ7の回転制御が停止される。尚、
信号SaがH信号になった場合に、図示しない回路によ
ってホールドコンデンサ24がリセットされることは勿
論である。
【0043】尚、上記した回路8では、アナログ回路の
構成を採用したが、これをディジタル回路として構成し
たり、あるいは、速度検出回路の検出信号をA(アナロ
グ)/D(ディジタル)変換した後、コンピュータ等の
計算手段に取り込んで図3で説明した動作をソフトウェ
ア処理によって実現しても良い(例えば、図3の信号S
hにおいて右上りに傾斜した線分はカウンタの計数動作
に等価であり、信号Suの立ち上がり時点でカウンタの
計数開始値が検出信号Svのボトム値に規定されること
に他ならない。)。
【0044】次に、具体的にクランク2の回転との関係
で、0≦t≦t1b(クランクの半回転)の期間につい
て説明する。
【0045】先ず、アシスト自転車1のペダルを上死点
(t=0)から踏み込むと、アシスト自転車1は加速し
始め、その加速状態の間(0≦t≦t1p)では、ピー
クホールド回路10からの出力信号と速度検出回路9か
らの検出信号Sv(現速度値)とに差が生じないため、
差動アンプ11の演算増幅器19における出力信号Sc
は「0」であり、モータ制御回路13には「0」値の入
力信号が入力する。これにより、モータ制御回路13か
らのモータ7への駆動電圧は「0」であり、モータ7は
後輪3の回転をアシストしない。
【0046】次に、アシスト自転車1が減速状態となる
と(t1p≦t≦t1b)、ピークホールド回路10か
ら出力される信号は、該ピークホールド回路10でホー
ルドしたピーク値に上記時定数を乗算した減衰ピーク値
となり、該減衰ピーク値が速度検出手段10から出力さ
れた現速度値と、差動アンプ11において比較されて、
その差分に応じた信号が差動アンプ11の演算増幅器1
9からモータ制御回路13へ制御信号として出力され
る。
【0047】差動アンプ11から制御信号を受けたモー
タ制御回路13は、これに見合った駆動電圧をモータ7
に供給することになる。
【0048】これにより、速度の減衰ピーク値から現速
度値の差分に応じて、モータ7に印加される駆動電圧が
決定され、車速の極大値との差が小さいときには小さな
アシスト量が、また、車速の極大値との差が大きいとき
には大きなアシスト量が、後輪3に与えられ、従って、
車速のボトム値Bにおいて最も大きなアシスト量が後輪
3に与えられる。
【0049】また、上記コンデンサ17及び抵抗18に
より決定される時定数は、後輪3へのアシストがあって
も登坂道を走行しているようにライダーに体感させるた
めである。即ち、ライダーは、ペダルが重いこと、及び
クランク軸にかけるトルクが低下して走行抵抗により車
速が減速すること等により、登坂道であることを体感す
ることができるが、上記コンデンサ17及び抵抗18が
ないか、或いはその時定数が無限大であった場合には、
時間とともにピーク値が低下せず、クランク軸にかける
トルクが低下した後も車速は減速せず、登坂道であるこ
とが体感しにくくなってしまう。
【0050】そこで、本実施の形態のアシスト自転車1
のように、ピークホールド回路10中にコンデンサ17
及び抵抗18を設けることにより、ライダーに登坂道で
あることを体感させることができる。また、かかる時定
数をどのくらいにするかは、ライダーにどの程度、登坂
道であることを体感させたいかにより決定される。
【0051】そして、ライダーが走行を中止しようとし
て、ペダルを踏むのを停止した場合(t>t4p)、車
速は減じる。このような状態は、上記減速状態と同様で
あるが、最早、アシストをする必要のない状態であり、
モータ7は駆動されてはならない。
【0052】この期間では、速度にボトム値が現れず、
よって、上述のように、信号Suの立ち上がりが認めら
れないため、信号Shのレベルが1点鎖線で示す基準電
圧Vrefを越えた時点(te)で上記コンパレータ2
5の出力信号SaがH(ハイ)信号となり、該出力信号
を受けたモータ制御回路13ではモータ7への電力供給
が遮断される。これにより、アシスト自転車1の走行状
態(加速か減速か)にかかわらずアシストが行われない
ようになる。
【0053】しかして、上記実施の形態によるアシスト
自転車1によれば、走行抵抗が大きい登坂道などを走行
するときに、操作者の踏力がクランク軸に十分に掛かる
ときは、後輪3をアシストせず、踏力がクランク軸に充
分に掛からないときに、後輪3をアシストすることがで
き、走行抵抗が大きくても比較的楽にペダルをこぐこと
ができ、走行抵抗の大きな場合であっても、アシスト自
転車の走行性能を向上させることができる。
【0054】尚、この実施の形態においては、モータ7
が後輪3を直接回転させるダイレクトモータとして構成
したものを示したが、本発明はこれに限らず、モータで
クランクの回転をアシストするものであっても、また、
モータで前輪の回転をアシストするものでも良い。
【0055】また、この実施の形態においては、アシス
ト自転車の動力補助手段としてのモータが、車速の変化
のうち減速時だけ作用するものについて説明したが、本
発明はこれに限らず、従来例で説明したような、加速時
に回転部の回転をアシストするアシスト自転車に、適用
すれば、更に、加速時及び減速時における走行性能を向
上させることができる。
【0056】
【発明の効果】以上に記載したところから明らかなよう
に、請求項1に記載した本発明移動装置によれば、移動
装置の速度が変化して加速と減速とを繰り返す状況下に
おいて、移動装置の減速時に、その減速分に応じたアシ
スト量を動力補助手段により回転部に付与するようにし
たので、走行抵抗の大小により移動装置の速度が変化し
ても、移動装置の走行性能の向上を図ることができる。
【0057】請求項2に記載した本発明移動装置によれ
ば、移動装置の現速度を検出する速度検出手段と、該速
度検出手段により検出した速度情報から速度変化におけ
る極大値を検出する極大値検出手段と、該極大値検出手
段により検出した極大値と移動装置の現速度値との差を
検出する差分検出手段とを備え、該差分検出手段により
得られた量に応じて、動力補助手段を制御して補助する
ようにしたので、移動装置の減速時において、その減速
分に応じたアシスト量の補助を動力補助手段により回転
部に付与することができ、走行抵抗により移動装置の速
度が変化しても、移動装置の走行性能の向上を図ること
ができる。
【0058】請求項3に記載した本発明移動装置によれ
ば、上記速度検出手段により検出した現速度値が上記極
大値に所定の比例定数を乗算した値を超えるまでの間、
動力補助手段による補助を行うようにしたので、動力補
助手段による補助があっても、本来の走行抵抗を体感す
ることができ、そのような状況下であることと走行状態
との不一致感を解消することができる。
【0059】請求項4及び請求項5に記載した本発明移
動装置によれば、操作者による回転部への入力がない場
合に、回転部への補助を行なうか否かを判断するための
アシスト判定手段を設けたので、操作者が移動装置を停
止しようとするときに、移動装置への補助が行われず、
操作者の意思に反して移動装置が移動してしまうことを
回避することができる。
【0060】請求項6に記載した本発明移動装置の制御
方法によれば、移動装置の速度が変化して加速と減速と
を繰り返す状況下において、移動装置の減速時に、その
減速分に応じたアシスト量を動力補助手段により回転部
に付与するようにしたので、走行抵抗の大小により移動
装置の速度が変化しても、移動装置の走行性能の向上を
図ることができる。
【0061】請求項7に記載した本発明移動装置の制御
方法によれば、移動装置の現速度を検出し、該検出した
速度情報から速度変化における極大値を検出し、該検出
した極大値と移動装置の現速度値との差を検出し、上記
極大値と現速度値との差の量に応じて、上記動力補助手
段を制御して補助するようにしたので、移動装置の減速
時において、その減速分に応じたアシスト量の補助を動
力補助手段により回転部に付与することができ、走行抵
抗により移動装置の速度が変化しても、移動装置の走行
性能の向上を図ることができる。
【0062】請求項8に記載した本発明移動装置の制御
方法によれば、検出した現速度値が上記極大値に所定の
比例定数を乗算した値を超えるまでの間、上記動力補助
手段による補助を行うようにしたので、動力補助手段に
よる補助があっても、本来の走行抵抗を体感することが
でき、そのような状況下であることと走行状態との不一
致感を解消することができる。
【0063】請求項9及び請求項10に記載した本発明
移動装置の制御方法によれば、操作者による回転部への
入力がない場合には、上記補助を遮断するようにしたの
で、操作者が移動装置を停止しようとしているときに
は、移動装置への補助が行われず、操作者の意思に反し
て移動装置が移動してしまうことを回避することができ
る。
【0064】尚、本発明にかかる移動装置は、アシスト
自転車に限らず電動車椅子や電動貨物運搬台車等、人力
を主動力とし、その主動力により回転する回転部をアシ
ストするための動力補助手段を備えた各種の移動装置に
採用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明移動装置の実施の形態を示すもので、ア
シスト自転車の側面図である。
【図2】回路構成を示す図である。
【図3】回路構成における各部の信号の波形図である。
【図4】従来の自転車における速度変化を表わした図で
ある。
【符号の説明】
1…アシスト自転車(移動装置)、3…後輪(回転
部)、7…モータ(動力補助手段)、9…速度検出回路
(速度検出手段)、10…ピークホールド回路、11…
差動アンプ(差分検出回路)、12…アシスト判定回路
(アシスト判定手段)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動するための主動力が人力で、該主動
    力により回転される回転部を補助するための動力補助手
    段を備えた移動装置であって、 移動装置の速度が変化して加速と減速とを繰り返す状況
    下において、少なくともその減速時に、その減速分に応
    じた量を上記動力補助手段により補助する動力の量(以
    下、「アシスト量」という。)としたことを特徴とする
    移動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載した移動装置において、 移動装置の現速度を検出する速度検出手段と、 該速度検出手段により検出した速度情報から速度変化に
    おける速度の極大値を検出する極大値検出手段と、 該極大値検出手段により検出した極大値と移動装置の現
    速度値との差を検出する差分検出手段とを有し、 該差分検出手段により得られた量に応じて、上記動力補
    助手段を制御して補助するようにしたことを特徴とする
    移動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した移動装置において、 上記速度検出手段により検出した現速度値が上記極大値
    に所定の比例定数を乗算した値を超えるまでの間、上記
    動力補助手段による補助を行うようにしたことを特徴と
    する移動装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載した移動装置において、 操作者による回転部への入力の有無を判断し、その入力
    がない場合には上記補助を遮断するアシスト判定手段を
    設けたことを特徴とする移動装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載した移動装置において、 操作者による回転部への入力の有無を判断し、その入力
    がない場合には上記補助を遮断するアシスト判定手段を
    設けたことを特徴とする移動装置。
  6. 【請求項6】 移動するための主動力が人力で、該主動
    力により回転される回転部を補助するために動力補助手
    段を備えた移動装置の制御方法であって、 移動装置の速度が変化して加速と減速とを繰り返す状況
    下において、少なくともその減速時に、その減速分に応
    じた量を上記動力補助手段により補助する動力の量(以
    下、「アシスト量」という。)としたことを特徴とする
    移動装置の制御方法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載した移動装置の制御方法
    において、 移動装置の現速度を検出し、 該検出した速度情報から速度変化における速度の極大値
    を検出し、 該検出した極大値と移動装置の現速度値との差を検出
    し、 上記極大値と現速度値との差の量に応じて、上記動力補
    助手段を制御して補助するようにしたことを特徴とする
    移動装置の制御方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載した移動装置の制御方法
    において、 検出した現速度値が上記極大値に所定の比例定数を乗算
    した値を超えるまでの間、上記動力補助手段による補助
    を行うようにしたことを特徴とする移動装置の制御方
    法。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載した移動装置の制御方法
    において、 操作者による回転部への入力の有無を判断し、その入力
    がない場合には上記補助を遮断するようにしたことを特
    徴とする移動装置の制御方法。
  10. 【請求項10】 請求項7に記載した移動装置の制御方
    法において、 操作者による回転部への入力の有無を判断し、その入力
    がない場合には上記アシストを遮断するようにしたこと
    を特徴とする移動装置の制御方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004025913A (ja) * 2002-06-21 2004-01-29 Matsushita Electric Ind Co Ltd 補助動力付き車輌
WO2018069522A1 (en) * 2016-10-13 2018-04-19 Carr Hansson Kinetics Ab Control unit for electric motor, computer program and method of controlling an electric motor
EP3412553A1 (de) * 2017-06-09 2018-12-12 Robert Bosch GmbH Regelungsverfahren für einen antriebsmotor eines zweirads, steuergerät und zweirad
US10227106B2 (en) 2016-02-29 2019-03-12 Shimano Inc. Bicycle controller and bicycle drive device

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