JPH10330134A - 低圧複層ガラスの製造方法 - Google Patents

低圧複層ガラスの製造方法

Info

Publication number
JPH10330134A
JPH10330134A JP9142499A JP14249997A JPH10330134A JP H10330134 A JPH10330134 A JP H10330134A JP 9142499 A JP9142499 A JP 9142499A JP 14249997 A JP14249997 A JP 14249997A JP H10330134 A JPH10330134 A JP H10330134A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
glass
sealing material
low
pressure
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9142499A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Sakata
昭 坂田
Yoshiaki Sugata
菅田義敬
Toshiaki Ito
伊藤俊明
Hiromi Hase
長谷広美
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Central Glass Co Ltd
Original Assignee
Central Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Central Glass Co Ltd filed Critical Central Glass Co Ltd
Priority to JP9142499A priority Critical patent/JPH10330134A/ja
Publication of JPH10330134A publication Critical patent/JPH10330134A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A30/00Adapting or protecting infrastructure or their operation
    • Y02A30/24Structural elements or technologies for improving thermal insulation
    • Y02A30/249Glazing, e.g. vacuum glazing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02BCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO BUILDINGS, e.g. HOUSING, HOUSE APPLIANCES OR RELATED END-USER APPLICATIONS
    • Y02B80/00Architectural or constructional elements improving the thermal performance of buildings
    • Y02B80/22Glazing, e.g. vaccum glazing

Landscapes

  • Joining Of Glass To Other Materials (AREA)
  • Securing Of Glass Panes Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】長期的な耐久性を保持することができるととも
に、排気口の処理が不用であり、しかも排気口の跡が全
くわからず、さらに加工が容易である低圧複層ガラスの
製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の製造方法は、2枚の板ガラスの
どちら一方の板ガラスにスペーサーを配設した状態で、
該板ガラスの周辺部に目標の前記間隔よりも厚い主とし
て有機高分子系材料からなる封着材を一部を残して開口
部となるように配設し、その後他方の板ガラスを一方の
板ガラスに重ね合わせ積層体とし、該積層体を減圧チャ
ンバーに導入し、所定の圧力まで減圧した後、前記開口
部が位置する板ガラスの一辺を押圧することにより、開
口部を閉塞し、次いで積層体を減圧の状態から開放する
ことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅・非住宅など
の建築分野、自動車・車両・船舶・航空機などの輸送分
野、冷凍庫・冷凍ショーケース・恒温恒湿槽などの設備
機器分野などの省エネルギーを要求される開口部に適用
される高い断熱性能を有する低圧複層ガラスの製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、省エネルギーに優れた快適で健康
な住環境をつくるため、従来に増して断熱性能を有する
複層ガラスの使用頻度が高まり、急速に普及している。
【0003】この複層ガラスパネルとして、対向する板
ガラスにより形成される空間を低圧にした複層ガラスパ
ネルが提案されている。例えば、特表平5-501896号公報
には、低圧空間を包囲し、溶融はんだガラスの周囲ジョ
イントと溶融はんだガラスの外部コーティングを有する
配列された複数の支柱とによって相互に連結された2枚
の板ガラスから構成される断熱ガラスパネルが提案され
ている。
【0004】特表平7-508967号公報には、低圧空間を封
入し、かつ溶合されたはんだガラスの周縁接合部と柱の
配列により互いに結合された2枚の互いに離れた板ガラ
スからなり、しかもこれらの柱の少なくともいくつかは
完全に金属製である熱絶縁ガラスパネルが提案されてい
る。
【0005】特開平6-17579 号公報には、2枚の板ガラ
スからなる平行板が所定の間隔で隔置し、この間隔を保
持する低融点ガラスまたは陶磁器で作られているスペー
サーを低融点ガラスにより融着して配設するとともに、
この平行板端部を低融点融着材、例えば、低融点ガラス
や低融点合金により融着密着して真空空間を形成する真
空断熱ガラス板が提案されている。
【0006】特開平8-133795号公報には、高さ一定の突
起を設けた板ガラスを突起のある面で重ね合わせ、外周
部を接着剤で気密に張り合わせ空間を形成し、この空間
を真空にした構造の複合ガラス板が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、排気用
のパイプ状のチューブをシーリング部分に埋め込んで、
そのチューブ部分から減圧して、減圧後チューブを溶着
することにより、製造するものであるから、加工が煩雑
であり、その部分が保護を十分にしないと破損する恐れ
もあり、しかも完成後残るので見栄えも悪いという欠点
があった。
【0008】しかも封着材に低融点ガラスを使用して封
着するものであるから、化学的耐久性に劣り、酸性雨の
ようなう雨水に晒される建築用には採用が困難であり、
また、低融点ガラスと板ガラスの熱膨張係数が異なるの
で、夏季などの猛暑環境などでは熱応力が発生し、板ガ
ラスが破損する恐れがあるなどの欠点がある。
【0009】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、長期的な耐久性を保持することができるとと
もに、排気口の処理が不用であり、しかも排気口の跡が
全くわからず、さらに加工が容易である低圧複層ガラス
の製造方法を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決する
ために、本発明は、2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置
し、この間隔を保持する点状、線状または網状スペーサ
ーを配設するとともに、このパネルの周縁端部を封着材
により密封して、低圧空間が形成される低圧複層ガラス
を製造する方法において、前記2枚の板ガラスのどちら
か一方の板ガラスにスペーサーを配設した状態で、該板
ガラスの周辺部に目標の前記間隔よりも厚い主として有
機高分子系材料からなる封着材を一部を残して開口部と
なるように配設し、その後他方の板ガラスを一方の板ガ
ラスに重ね合わせ積層体とし、該積層体を減圧チャンバ
ーに導入し、所定の圧力まで減圧した後、前記開口部の
が位置する板ガラスの一辺を押圧することにより、開口
部を閉塞し、次いで積層体を減圧の状態から開放して、
2枚の板ガラスの間隔が所定厚さになるようにしたこと
を特徴とするものであり、開口部が位置する板ガラスの
一辺を押圧することにより、封着材を延伸させ、開口部
を閉塞するものであるから、パイプ状のチューブなどが
不用であり、しかも押圧するだけで密封されるので、加
工がきわめて容易である。
【0011】しかも封着材は予め複層ガラスの所定の間
隔より厚くしておいて、積層体を減圧の状態から開放し
て、大気圧にさらすことにより、積層体内部の低圧と外
部の大気圧の圧力差により積層体がさらに押圧されて、
所定の厚さまで封着材部分が延伸され、積層体は所定の
厚さになり、強固に密封される。
【0012】さらに、主として有機高分子系材料からな
る封着材は、粘弾性特性を有するので、夏季の猛暑環境
や環境試験機の高温環境において発生する熱応力は小さ
く、大きな熱応力が発生する脆性材料の低融点ガラスと
違い、封着部で破損することがないので、建築用途、車
両などの輸送用途および環境試験機などの設備機器用途
に採用でき、地震や風などによる繰り返し衝撃荷重を吸
収することができるので、低融点ガラスと違い、建築用
途および車両などの輸送用途にも採用できる。
【0013】また、有機高分子系材料からなる封着材に
よって周辺端部を封着するときに、加熱するにしてもせ
いぜい200℃程度までの加熱で済むので、一方の板に
垂直放射率の低いスパッタリング法による特殊金属膜を
コーティングした低放射板ガラスを使用することができ
るので、断熱性能をさらに向上させることができる。
【0014】また、封着材として金属製芯材が挿入され
たものを使用すると、封着を容易に行うことができるの
で好ましいが、金属製芯材が挿入されていない封着材も
勿論使用することができる。
【0015】また、封着材として、有機高分子系材料か
らなる封着材に加え、比較的硬い芯材表面を比較的柔ら
かい被覆材でコーティングした線材スペーサーを2重に
配設すると、本低圧複層ガラスパネルの製造工程におい
て、2枚の板ガラスにより形成される空間部を低圧にし
た後、大気圧が負荷されるときに、比較的柔らかい被覆
材が変形することにより、板ガラスと線材スペーサーの
接触面積が増え、より封着性能が向上させることができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】2枚の板ガラスとは、クリアなフ
ロート板ガラス、熱線吸収板ガラス、熱線反射板ガラ
ス、高性能熱線反射板ガラス、線入板ガラス、網入板ガ
ラス、型板ガラス、強化ガラス、倍強度ガラス、低反射
板ガラス、高透過板ガラス、摺りガラス、タペスティ
(フロスト)ガラス、セラミックス印刷ガラス、合わせ
ガラスなど各種板ガラスを適宜組み合わせることができ
るが、少なくとも1枚はこれら各種板ガラスに特殊金属
膜をコーティングした低放射板ガラスを採用すると断熱
性能が高くなるので好ましい。この場合封着材として主
として有機高分子系材料を使用すると比較的垂直放射率
の高いCVD法により成膜したものは勿論、垂直放射率
の低いスパッタリング法により成膜したコーティング膜
を採用することができる。
【0017】さらに、当該低放射板ガラスは、JIS
R3106ー1985(板ガラスの透過率・反射率・日
射熱取得率試験方法)に定める垂直放射率が0.20 以
下の、好ましくは0.10 以下のガラスを1枚以上使用
したもの、または垂直放射率が0.35 以下の、好まし
くは0.25 以下のガラスを2枚使用することもでき
る。 2枚の板ガラスの板厚は通常、ともに1.9mm
以上のものが用いられるが、強化ガラスの場合で、とく
に化学強化ガラスなどの場合はこの限りではなく、1.
9 mm以下のものを用いることもできる。
【0018】2枚の板ガラスの間隔を保持する点材、線
材または網材スペーサー用材料としては、ガラスに比べ
硬度が低く、かつ適切な圧縮強さを有するものであれ
ば、とくに限定されないが、金属、合金、鉄鋼、セラミ
ックスまたはプラスチックが好ましい。金属では鉄、
銅、アルミニウム、タングステン、ニッケル、クロム、
チタンなど、合金、鉄鋼では炭素鋼、クロム鋼、ニッケ
ル鋼、ステンレス鋼、ニッケルクロム鋼、マンガン鋼、
クロムマンガン鋼、クロムモリブデン鋼、珪素鋼、真
鍮、ハンダ、ニクロム、ジュラルミンなどが用いられ
る。
【0019】点材スペーサーは球状、円柱状、角柱状な
ど、線材スペーサーは断面が円形、半円形、角形など
で、直線状と曲線状のものがあり、網状スペーサーは角
形、菱形などが用いられる。金属または合金をセラミッ
クスまたはプラスチックでコーティングしたものでは、
着色することにより意匠性を向上させるとともに、金属
特有の反射を抑制することができる。
【0020】点状、線状または網状スペーサーの配設間
隔は100mm以下であり、75mm以下が好ましい。
これらスペーサーの配設は、当該配設間隔の範囲内であ
れば、規則的でも不規則的でも構わない。
【0021】2枚の板ガラスの間隔は0.05mm以
上、2.0mm以下であり、0.10mm以上、1.0m
m以下が好ましい。比較的硬い芯材表面を比較的柔らか
い被覆材でコーティングした線材スペーサーは、前述の
金属、合金、鉄鋼、セラミックスまたはプラスチックな
どの比較的硬い芯材の表面を、比較的柔らかい被覆材と
して、インジウム、アルミニウム、銅、銀、金、鉛、亜
鉛、スズなどの金属、あるいはスズ、鉛、亜鉛、銀、ア
ルミニウム、カドミウム、インジウム、ビスマス、アン
チモンのいずれかを適宜組み合わせてなるハンダなど、
好ましくは溶解温度が250℃未満である金属あるいは
ハンダ、例えばスズ、インジウムなどの金属、あるいは
Sn−Pb系、Sn−Zn系、Sn−Zn−Ag系、I
n−Ag系、In−Sn系、In−Pb系、In−Zn
系、In−Al系、In−Sn−Zn系、In−Ag−
Pb系、In−Sn−Ag−Pb系のハンダでコーティ
ングしたものであればよく、その配置は実施例2に示す
ように、封着材の低圧空間側周辺部分に、封着材と接す
るように配設すればよい。
【0022】なお、比較的柔らかい被覆材としてアルミ
ニウム、銅を使用する場合には、芯材がこれより硬い材
料、例えば鉄、タングステン、ニッケル、チタン、炭素
鋼、ステンレス鋼などを使用した場合に利用できる。
【0023】このパネルの周縁端部に用いる封着材とし
ては、主として有機高分子系材料から成る封着材を用い
る。当該有機高分子系材料は、母材として透湿度(JI
SZ 0208−1976に規定される防湿包装材料の
透湿度試験方法に基づく)が2.0g/m2・24h
(40℃、90%RH)以下で、窒素透過度(JISZ
1707−1975に規定される食品包装用プラスチ
ックフィルムに基づく)が1×10-6cm3・cm/c
2・sec・atm(25℃)以下、酸素透過度が
(JIS Z 1707−1975に規定される食品包
装用プラスチックフィルムに基づく)が1×10-5cm
3・cm/cm2・sec・atm(25℃)以下である
ポリイソブチレン(反応性ポリイソブチレンを含む)ま
たはブチルゴムを主たる成分として、他に粘着付与剤や
可塑剤などを添加した自己粘着性を有するものを、必要
に応じて充填材として炭酸カルシウム、タルク、マイ
カ、シリカ、カーボンブラック、超微粉末シリカ、超微
粉末チタニアなどを用いて複合したもの、あるいは母材
として透湿度(JIS Z 0208−1976に規定
される防湿包装材料の透湿度試験方法に基づく)が2.
0g/m2・24h(40℃、90%RH)以下で、窒
素透過度(JIS Z 1707−1975に規定され
る食品包装用プラスチックフィルムに基づく)が1×1
-6cm3・cm/cm2・sec・atm(25℃)以
下、酸素透過度が(JIS Z 1707−1975に
規定される食品包装用プラスチックフィルムに基づく)
が1×10-5cm3・cm/cm2・sec・atm(2
5℃)以下という条件をいずれかあるいは全て満足する
ポリイソプレン、シリコーン、ポリサルファイド、ポリ
エチレン系、ポリプロピレン系、テフロン(PTF
E)、ポリ弗化ビニリデン(PVDF)、ポリアクリル
ニトリル、ポリメタクリロニトリル、Monsanto
社製の「ロパッグ」(商品名)、Sohio社製の「バ
ーレックス」(商品名)、ポリエチレンテレフタレー
ト、ナイロン6、ナイロン66などのポリアミド系、ポ
リ塩化ビニール、ポリ弗化ビニール、ポリイミドなどの
有機高分子に、必要に応じて粘着付与剤や可塑剤などを
添加したもの、また必要に応じて充填材として炭酸カル
シウム、タルク、マイカ、シリカ、カーボンブラック、
超微粉末シリカ、超微粉末チタニアなどを用いて複合し
たものを組み合わせて使用することができる。
【0024】透湿度、窒素透過度、酸素透過度の条件全
てを満足しない場合には、複数の封着材により二重ある
いは三重の封着を行って全ての条件を満足するようにす
るとよい。
【0025】また、低圧空間内に気体あるいは低分子量
物が透過または放出される場合は、これらを吸着させる
ため、当該有機高分子系材料にシリカゲル、活性炭、活
性白土、ゼオライト(3A、4A、5A、13X)、酸
素吸着剤、Ba−Alなどの合金ゲッター材などの吸着
剤を、60wt%以下、好ましくは50wt%以下で充
填することが好ましい。なお、例えば低圧空間内に気体
あるいは低分子量物が透過または放出されない場合は、
吸着剤を充填しなくてもよい。
【0026】このパネルの周縁端部の封着材と2枚の板
ガラスによって形成される開口部(排気口)の幅は、
0.1mm程度開いていれば、減圧チャンバー内におい
て積層体の減圧は可能であるが、減圧時間を短縮するた
めには、0.2mm以上開けたほうがよく、2.0mm
を越えると、この開口部が閉塞しても、密封が十分でな
いので、0.2mm〜2.0mmの範囲とした方がよ
い。
【0027】また、シールと2枚の板ガラスにより形成
される開口部(排気口)は、後述するように1カ所とす
る方が好ましいが、2本〜4本の封着材により、2〜4
カ所の開口部を形成してもよい。2カ所以上の開口部が
あるときには押圧する辺を数に応じて増やせばよい。
【0028】2枚の板ガラス間の密封された低圧空間の
真空度は、1×10-2Torr以下、好ましくは1×1
-3Torr以下とする。複層ガラス作製は、限定され
るものではないが、一例として、次ぎの手順により行
う。
【0029】まず一方の板ガラスの面上にスペーサー、
周縁上に封着材を一部を残して開口部となるように配設
し、その後他方の板ガラスを一方の板ガラスに重ね合わ
せ積層体とし、該積層体を減圧チャンバーに導入し、所
定の圧力まで減圧した後、前記開口部が位置する板ガラ
スの一辺を押圧することにより、開口部を閉塞し、次い
で積層体を減圧の状態から開放して、大気圧を負荷する
ことにより、低圧複層ガラスを製造する。
【0030】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説
明する。図1〜図3はそれぞれ実施例1における低圧複
層ガラスパネルの製造過程を示す斜視図であり、図1が
2枚の板ガラスを積層する前の斜視図、図2が押圧具に
より押圧するときの斜視図、図3が完成時の斜視図、図
4は実施例2における低圧複層ガラスを示す要部断面図
である。
【0031】実施例1 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、図1〜図3に示
すように構成される。2枚の板ガラス2、3はいずれも
厚さ3mm、寸法が1040mm×1040mmのフロ
ート板ガラスで、一方の板ガラス2は何もコーティング
しない板ガラスであり、他方の板ガラスは低圧の空間側
にAgとZnOなどの膜を複数層コーティングした低放
射板ガラスであり、垂直放射率は0.07 である。
【0032】スペーサー4は、直径250μmチタン製
スペーサーからなり、これを約20mm間隔で格子状に
配設した。封着材5は直径250μmの銅線にポリイソ
ブチレンを主成分とするホットメルトブチルにゼオライ
ト4Aを20wt%充填したものを外径が2mmとなる
ように被覆したHMB線を使用する。
【0033】低圧空間の真空度は7.6×10-3 Tor
rとした。低圧複層ガラスの作製手順は以下のとおりで
ある。一方の板ガラス2を水平に載置台などに載せた状
態で、スペーサー4としての、直径250μmの球状の
チタン製スペーサーを約20mm間隔で格子状に配設し
た。
【0034】次いで封着材5としてのホットメルトブチ
ル線(HMB線)を板ガラスの端部から内側に5mmの
位置に、一部を開口部6として幅0.5mm残して、全
周にわたり配設した。
【0035】その後、他方の板ガラス3を重ね、仮接着
して積層体としたものを図示しない真空チャンバーに入
れて、真空度を上げると空間部の空気が開口部から排出
され、空間部の真空度が次第に上がる。
【0036】空間部分が所定の圧力例えば7.6×10
-3 Torrの圧力になったところで、開口部6が位置
する板ガラスの一辺を板状の押圧具7などにより押圧す
ると封着材の被覆部分が延伸して、開口部を閉塞して全
周が密閉された積層体を得る。
【0037】次いでチャンバー内に空気を導入して大気
圧により積層体全体を強固に圧着して(スペーサー4と
封着材5が若干変形)板ガラスの間隔を200μmとし
低圧複層ガラスを得る。
【0038】このようにして得られた低圧複層ガラスを
チャンバーから取り出し、複層ガラス周辺部全周にPE
Tフィルム8を卷いて完成させた。得られた低圧複層ガ
ラスの初期露点をJIS R3209−1995に規定
された方法により、初期熱貫流率をJIS A4710
−1989に準拠した方法により測定したところ、初期
露点は−70℃以下、初期熱貫流率は1.36kcal
/m2h℃となり、JISR3209−1995に規定
された加速耐久性試験III類後、露点は−55℃、熱貫
流率は1.46 kcal/m2h℃となり、断熱性能が
高く、しかも過酷な条件の試験後もほとんど初期露点、
熱貫流率の低下がほとんどなく充分な耐久性を有するこ
とを確認した。
【0039】また、この断熱性能の測定結果からも明ら
かであるが、板ガラス2にコーティングされた膜は封着
時の温度による影響を全く受けていないことも併せて確
認した。
【0040】実施例2 本実施例の低圧複層ガラスパネル1は、封着材の低圧空
間側周辺部分に、比較的硬い芯材表面を比較的柔らかい
被覆材でコーティングした線材スペーサー9を配設した
以外は実施例1と同じ構成にした例であり、図4の要部
断面図に示すように構成される。
【0041】この場合に、線材スペーサー9は断面円形
で、その外径は、間隔を保持するためのスペーサー4と
同じ径の250μmとしたものであり、封着材5を配設
するに先だって全周にわたり配設しておけばよい。
【0042】線材スペーサー9には、開口部を設ける必
要がなく、封着材5の外径2mmと線材スペーサー9の
外径250μmの差が1.75mmあるので、真空減圧
前には、線材スペーサー9と板ガラス3との間に隙間が
あり、充分減圧することができる。
【0043】このようにして得られた低圧複層ガラスの
断熱性能は実施例1の低圧複層ガラスと同等であるが、
耐久性はさらに向上することを確認した。なお、本実施
例の場合には、スペーサー4と封着材5とともに、線材
スペーサー9も若干変形して密着をより強固にする。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
低圧に減圧して、封着する作業を簡便に行うことがで
き、低融点ガラスによる封着のように高温にする必要が
なく、したがって、断熱性能の高い高性能のスパッタ膜
が形成された板ガラスも採用することができ、断熱性能
が格段に優れるものとすることができるとともに、長期
的な耐久性を保持するものとすることができる。
【0045】さらに、封着材により形成された開口部が
同じ封着材により閉塞されるので、この部分が他の部分
と区別がつかず、外観上目立たなくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における低圧複層ガラスの積
層前の過程を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1における低圧複層ガラスの押
圧時の過程を示す斜視図である。
【図3】本発明の実施例1における低圧複層ガラスの完
成時の斜視図である。
【図4】本発明の実施例2における低圧複層ガラスを示
す要部断面図である。
【符号の説明】
1 低圧複層ガラスパネル 2 板ガラス 3 板ガラス(低放射ガラス) 4 スペーサー 5 封着材 6 開口部 7 押圧具 8 PETフィルム 9 線材スペーサー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 長谷広美 三重県松阪市大口町1510番地 セントラル 硝子株式会社硝子研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2枚の板ガラスを所定の間隔で隔置し、こ
    の間隔を保持する点状、線状または網状スペーサーを配
    設するとともに、このパネルの周縁端部を封着材により
    密封して、低圧空間が形成される低圧複層ガラスを製造
    する方法において、前記2枚の板ガラスのどちらか一方
    の板ガラスにスペーサーを配設した状態で、該板ガラス
    の周辺部に目標の前記間隔よりも厚い主として有機高分
    子系材料からなる封着材を一部を残して開口部となるよ
    うに配設し、その後他方の板ガラスを一方の板ガラスに
    重ね合わせ積層体とし、該積層体を減圧チャンバーに導
    入し、所定の圧力まで減圧した後、前記開口部が位置す
    る板ガラスの一辺を押圧することにより、開口部を閉塞
    し、次いで積層体を減圧の状態から開放して、2枚の板
    ガラスの間隔が所定厚さになるようにしたことを特徴と
    する低圧複層ガラスの製造方法。
  2. 【請求項2】封着材は、金属製芯材に主として有機高分
    子系材料からなる封着材を被覆したものであることを特
    徴とする請求項1記載の低圧複層ガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】封着材は、主として有機高分子系材料から
    成る封着材とし、該封着材に吸着剤を充填したものであ
    ることを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記載の
    低圧複層ガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】封着材の低圧空間側周辺部分に、比較的硬
    い芯材表面を比較的柔らかい被覆材でコーティングした
    線材スペーサーを配設するようにしたことを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の低圧複層ガラスの製造
    方法。
JP9142499A 1997-05-30 1997-05-30 低圧複層ガラスの製造方法 Pending JPH10330134A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9142499A JPH10330134A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 低圧複層ガラスの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9142499A JPH10330134A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 低圧複層ガラスの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10330134A true JPH10330134A (ja) 1998-12-15

Family

ID=15316767

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9142499A Pending JPH10330134A (ja) 1997-05-30 1997-05-30 低圧複層ガラスの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10330134A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010083475A2 (en) * 2009-01-15 2010-07-22 Eversealed Windows, Inc. Filament-strung stand-off elements for maintaining pane separation in vacuum insulating glazing units
JP2015036491A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 旭硝子株式会社 複層ガラス窓の圧着装置及び圧着方法
US9540863B2 (en) 2010-06-02 2017-01-10 Eversealed Windows, Inc. Multi-pane glass unit having seal with adhesive and gas-restrictive coating layer
US9546513B2 (en) 2013-10-18 2017-01-17 Eversealed Windows, Inc. Edge seal assemblies for hermetic insulating glass units and vacuum insulating glass units
US10119327B2 (en) 2011-05-05 2018-11-06 Astravac Glass, Inc. Method and apparatus for an insulating glazing unit and compliant seal for an insulating glazing unit

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010083475A2 (en) * 2009-01-15 2010-07-22 Eversealed Windows, Inc. Filament-strung stand-off elements for maintaining pane separation in vacuum insulating glazing units
WO2010083475A3 (en) * 2009-01-15 2010-11-18 Eversealed Windows, Inc. Filament-strung stand-off elements for maintaining pane separation in vacuum insulating glazing units
US9540863B2 (en) 2010-06-02 2017-01-10 Eversealed Windows, Inc. Multi-pane glass unit having seal with adhesive and gas-restrictive coating layer
US10119327B2 (en) 2011-05-05 2018-11-06 Astravac Glass, Inc. Method and apparatus for an insulating glazing unit and compliant seal for an insulating glazing unit
US11035168B2 (en) 2011-05-05 2021-06-15 Astravac Glass, Inc. Method and apparatus for an insulating glazing unit and compliant seal for an insulating glazing unit
JP2015036491A (ja) * 2013-08-13 2015-02-23 旭硝子株式会社 複層ガラス窓の圧着装置及び圧着方法
US9546513B2 (en) 2013-10-18 2017-01-17 Eversealed Windows, Inc. Edge seal assemblies for hermetic insulating glass units and vacuum insulating glass units

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10297944A (ja) 複層ガラスパネル
US6420002B1 (en) Vacuum IG unit with spacer/pillar getter
US10626663B2 (en) Spacer for insulating glazing units
EP1506945B1 (en) Translucent glass panel
US6399169B1 (en) Vacuum IG window unit with dual peripheral seal
US5027574A (en) Thermally insulating structure
EP1966462B1 (en) High r-value window unit with vacuum ig unit and insulating frame
JPH1087350A (ja) 断熱複層ガラス及び真空複層ガラス
JP2010536704A (ja) 窓、ドア及びそれらのためのガラス組立体
RU2009128180A (ru) Теплоизолирующий элемент остекления, его изготовление и применение
JPH0684707B2 (ja) 熱絶縁作用する建築要素および/または採光要素およびそれらの製造方法およびこの方法を行うための装置
CA1290624C (en) Insulating glass unit
JP2014525888A (ja) 周囲封止を持つ板ガラスユニット及び対応する製造方法
WO1994024398A1 (en) Insulating panel
WO2008004709A1 (fr) Panneau de verre à pression reduite et son procédé de fabrication
JPH11278877A (ja) 低圧空間を有する複層ガラスおよびその製造方法
JPH1121150A (ja) 低圧複層ガラスの作製方法
JPH1121149A (ja) 低圧複層ガラスパネルおよびその作製方法
JPH10330134A (ja) 低圧複層ガラスの製造方法
JPH10306658A (ja) 複層ガラスパネル
JPH10331532A (ja) 低圧複層ガラスの製造方法
CN115176064A (zh) 具有改进的附着性的间隔件
JPH06306966A (ja) 断熱パネル
JP2001206740A (ja) 低圧複層ガラスおよびその製造方法
JPH09175843A (ja) 複層ガラスおよびそれに用いるスペーサ