JPH10329732A - ラックピニオン式ステアリング装置 - Google Patents

ラックピニオン式ステアリング装置

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JPH10329732A
JPH10329732A JP16341997A JP16341997A JPH10329732A JP H10329732 A JPH10329732 A JP H10329732A JP 16341997 A JP16341997 A JP 16341997A JP 16341997 A JP16341997 A JP 16341997A JP H10329732 A JPH10329732 A JP H10329732A
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output shaft
steering
rack
torque
pinion
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Kaname Shiroshita
要 城下
Kazuhiro Yokoyama
和弘 横山
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Koyo Seiko Co Ltd
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Koyo Seiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】操舵フィーリングの低下を容易に防止でき、適
正な操舵補助力を付与でき、組立工程を簡単化でき、小
型化を図れ、適正にフェイルセーフ機能を奏することが
できるラックピニオン式ステアリング装置を提供する。 【解決手段】操舵トルクを伝達する出力シャフト3bに
同行回転するように一体化されるピニオン4にラック5
が噛み合う。その出力シャフト3bは軸受26、27を
介してハウジング1により支持される。その軸受26、
27に予圧が調節可能に付与される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、操舵トルクを伝達
する出力シャフトに一体化されるピニオンに、ラックが
噛み合わされるラックピニオン式ステアリング装置に関
する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】操舵トル
クを伝達する出力シャフトと、その出力シャフトに同行
回転するように一体化されるピニオンと、そのピニオン
に噛み合うラックと、その出力シャフトを軸受を介して
支持するハウジングとを備え、そのピニオンの回転によ
るラックの移動により車両が操舵されるラックピニオン
式ステアリング装置が従来から用いられている(特開平
9‐20256号公報)。従来のラックピニオン式ステ
アリング装置では、その出力シャフトの軸方向のがたつ
きにより、ラックとピニオンの噛み合い状態が変動し、
操舵フィーリングが低下するという問題があった。
【0003】そのラックピニオン式ステアリング装置に
おいて操舵補助力を付与するため、出力シャフトに、軸
方向相対変位可能かつ操舵トルクに応じて弾性的に相対
回転可能に連結される入力シャフトと、その入力シャフ
トに固定される磁性材製部材と出力シャフトに固定され
る磁性材製部材との間の磁気抵抗の変化に基づき、その
操舵トルクを検出するトルクセンサと、その検出された
操舵トルクに応じた操舵補助力の付与手段とが設けられ
ている。しかし、その出力シャフトが軸方向にがたつく
と、その入力シャフトに固定される磁性材製部材と出力
シャフトに固定される磁性材製部材との間隔が変動する
ので、トルクセンサによる検出値が適正値から変動する
という問題がある。
【0004】そのトルクセンサにより検出された操舵ト
ルクに応じた操舵補助力を付与するため、その検出され
た操舵トルクに応じた操舵補助力を発生させるアクチュ
エータと、その操舵補助力により回転する駆動ギアと、
その駆動ギアに噛み合わされると共に前記出力シャフト
に嵌め合わされる従動ギアとが設けられている。その駆
動ギアと従動ギアのバックラッシが適正でない場合、そ
の従動ギアの交換作業が行われる。しかし、その出力シ
ャフトを単一のハウジングにより支持した場合、そのバ
ックラッシが適正か否かを、ピニオンにラックを噛み合
わせた後にしか行えない。そうすると、その従動ギアを
交換してバックラッシを適正化するには、そのピニオン
とラックの噛み合わせの解除を含め、多くの面倒な分解
組立作業を必要とする。
【0005】従来、その従動ギアの軸方向変位を阻止す
るため、出力シャフトに止め輪やナットが嵌め合わされ
ている。しかし、止め輪やナットを用いる場合、それだ
け出力シャフトの軸方向寸法が大きくなるため、スペー
スの制限された車体内部にステアリング装置を配置でき
ないことがある。
【0006】そのアクチュエータの出力軸がロックした
場合のフェイルセーフのため、その従動ギヤは出力シャ
フトにトルクリミッター機構を介して嵌め合わされ、予
め設定されたリミットトルク以上の操舵トルクが作用す
ると従動ギヤは出力シャフトに対して相対回転するもの
とされている。しかし、その従動ギアの軸方向変位を阻
止するために止め輪を用いる場合、加工公差や組立公差
に基づき、その従動ギアと止め輪との相対滑りを阻止す
る摩擦力が過大になり、適正にトルクリミッター機構を
機能させることができない場合がある。
【0007】本発明は、上記問題を解決することのでき
るラックピニオン式ステアリング装置を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のラックピニオン
式ステアリング装置は、操舵トルクを伝達する出力シャ
フトと、その出力シャフトに同行回転するように一体化
されるピニオンと、そのピニオンに噛み合うラックと、
その出力シャフトを軸受を介して支持するハウジング
と、その軸受に予圧を調節可能に付与する手段とを備え
ることを特徴とする。この構成によれば、その軸受に適
正な予圧を付与することで、その出力シャフトの軸方向
のがたつきを防止し、そのラックとピニオンの噛み合い
状態の変動を防止し、操舵フィーリングが低下するのを
防止できる。
【0009】その出力シャフトに、軸方向相対変位可能
かつ操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能に連結さ
れる入力シャフトと、その入力シャフトに固定される磁
性材製部材と出力シャフトに固定される磁性材製部材と
の間の磁気抵抗の変化に基づき、その操舵トルクを検出
するトルクセンサと、その検出された操舵トルクに応じ
た操舵補助力の付与手段とを備えるのが好ましい。この
構成によれば、その出力シャフトの軸方向のがたつきが
防止されることで、その入力シャフトに固定される磁性
材製部材と出力シャフトに固定される磁性材製部材との
間隔が変動するのを防止できる。これにより、そのトル
クセンサによる検出値が適正値から変動するのを防止で
き、適正な操舵補助力を付与することができる。
【0010】本発明において、その出力シャフトは第1
の転がり軸受と第2の転がり軸受とを介して前記ハウジ
ングにより支持され、両転がり軸受の外輪を、互いに向
かい変位するのを阻止する外輪変位阻止部と、第1の転
がり軸受の内輪が、第2の転がり軸受の内輪から離れる
方向へ変位するのを阻止する内輪変位阻止部と、その出
力シャフトにねじ合わされる予圧調節部材とを備え、そ
の予圧調節部材の出力シャフトへのねじ込み量に応じ
て、第2の転がり軸受の内輪を第1の転がり軸受の内輪
に向かい押すことが可能とされているのが好ましい。こ
の構成によれば、両転がり軸受の外輪は互いに向かい変
位するのが外輪変位阻止部により阻止され、第1の転が
り軸受の内輪は第2の転がり軸受の内輪から離れる方向
へ変位するのが内輪変位阻止部により阻止されるので、
予圧調節部材の出力シャフトへのねじ込み量に応じて、
第2の転がり軸受の内輪を第1の転がり軸受の内輪に向
かい押すことで、両転がり軸受に予圧を容易に調節可能
に付与できる。
【0011】また、その操舵トルクを検出するトルクセ
ンサと、その検出された操舵トルクに応じた操舵補助力
を発生させるアクチュエータと、その操舵補助力により
回転する駆動ギアと、その駆動ギアに噛み合わされると
共に前記出力シャフトに嵌め合わされる従動ギアとを備
え、前記ハウジングは、その駆動ギアと従動ギアを覆う
ギアハウジング部と、そのギアハウジング部と別体であ
って前記ピニオンとラックを覆うラックハウジング部と
を有し、そのギアハウジング部により出力シャフトを前
記第1の転がり軸受を介して支持することで、その駆動
ギアに従動ギアを噛み合わせることが可能とされ、その
ギアハウジング部により出力シャフトを支持した後に、
そのラックハウジング部により出力シャフトを前記第2
の転がり軸受を介して支持すると共にギアハウジング部
にラックハウジング部を連結することで、前記ピニオン
にラックを噛み合わせることが可能とされているのが好
ましい。この構成によれば、ギアハウジング部とラック
ハウジング部とを連結する前に、出力シャフトをギアハ
ウジング部で支持した状態で駆動ギアと従動ギアとを噛
み合わせることで、両ギアの間のバックラッシが適正か
否かを判断できる。これにより、そのバックラッシの適
正化のための従動ギアの交換作業を、ピニオンにラック
を噛み合わせる前に行える。よって、そのバックラッシ
の適正化のための分解組立作業を簡単化できる。
【0012】また、その操舵トルクを検出するトルクセ
ンサと、その検出された操舵トルクに応じた操舵補助力
を発生させるアクチュエータと、その操舵補助力により
回転する駆動ギアと、その駆動ギアに噛み合わされると
共に前記出力シャフトに嵌め合わされる従動ギアとを備
え、その従動ギヤは出力シャフトに、予め設定されたリ
ミットトルク以上の操舵トルクが作用すると相対回転す
るように、トルクリミッター機構を介して嵌め合わさ
れ、その従動ギアは、前記第1の転がり軸受の内輪と内
輪変位阻止部との間に配置され、その第1の転がり軸受
の内輪は、その従動ギアを介して、その内輪変位阻止部
により前記第2の転がり軸受の内輪から離れる方向へ変
位するのが阻止されるのが好ましい。この構成によれ
ば、その従動ギアの軸方向変位を、出力シャフトを支持
する第1の転がり軸受の内輪により規制できるので、止
め輪等の専用の変位規制部材が不要である。これによ
り、出力シャフトの軸方向寸法を短くし、小型化を図る
ことができる。さらに、その第1の転がり軸受に付与さ
れる予圧を調節することで、その第1の転がり軸受の内
輪と駆動ギアとの相対滑りを阻止する摩擦力が過大にな
るのを防止できる。これにより、適正にトルクリミッタ
ー機構を機能させることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を説明する。
【0014】図1に示すラックピニオン式電動パワース
テアリング装置は、ステアリングホイール(図示省略)
の操舵により発生する操舵トルクを、ハウジング1によ
り支持されたステアリングシャフト3によりピニオン4
に伝達する。その操舵トルクによるピニオン4の回転に
より、そのピニオン4に噛み合うラック5が移動する。
そのラック5の移動により、そのラック5にナックルア
ーム等を介し連結される車輪の舵角が変化する。そのハ
ウジング1は、ギアハウジング部2とラックハウジング
部6とを連結することで構成されている。
【0015】そのステアリングシャフト3により伝達さ
れる操舵トルクに応じた操舵補助力を付与するため、そ
の操舵トルクを検出するトルクセンサ7と、その検出さ
れた操舵トルクに応じて駆動されることで操舵補助力を
発生させるモータ(アクチュエータ)8と、そのモータ
8の発生する操舵補助力により回転駆動されるウォーム
(駆動ギア)9と、このウォーム9に噛み合うウォーム
ホイール(従動ギア)10とが設けられている。
【0016】上記ウォーム9とウォームホイール10は
ギアハウジング部2に覆われる。上記ピニオン4とラッ
ク5は、そのギアハウジング部2と別体のラックハウジ
ング部6に覆われる。そのギアハウジング部2は、その
ラックハウジング部6と、そのトルクセンサ7のセンサ
ハウジング21とに連結される。
【0017】そのセンサハウジング21内において、そ
のステアリングシャフト3は入力シャフト3aと出力シ
ャフト3bとに分割される。その入力シャフト3aの一
端にステアリングホイールが連結される。その入力シャ
フト3aの他端に、出力シャフト3bの一端がブッシュ
25を介して相対回転可能に嵌め合わされる。
【0018】その入力シャフト3aは、そのセンサハウ
ジング21にボールベアリング31を介して支持され
る。その出力シャフト3bは、そのギアハウジング部2
に第1ボールベアリング(第1の転がり軸受)26を介
して支持され、そのラックハウジング部6に第2ボール
ベアリング(第2の転がり軸受)27を介して支持され
る。その第1ボールベアリング26の外輪26bは、そ
のギアハウジング部2の内周に形成された段差面(外輪
変位阻止部)2aに接することで、第2ボールベアリン
グ27に向かい変位するのが規制される。その第2ボー
ルベアリング27の外輪27bは、そのラックハウジン
グ部6の内周に形成された段差面(外輪変位阻止部)6
aに接することで、第1ボールベアリング26に向かい
変位するのが規制される。すなわち、その第1ボールベ
アリング26の外輪26bと、第2ボールベアリング2
7の外輪27bは、互いに向かい変位するのが規制され
ている。
【0019】その出力シャフト3bの外周に上記ピニオ
ン4が同行回転するように一体的に設けられている。上
記ウォームホイール10は、その出力シャフト3bに後
述のトルクリミッター機構11を介して嵌め合わされ
る。上記ウォーム9は、ギアハウジング部2の内部に軸
受(図示省略)を介して支持される。
【0020】各シャフト3a、3bの中心に沿ってトー
ションバー23が挿入されている。そのトーションバー
23の一端は入力シャフト3aにピン22により連結さ
れ、他端はセレーション24により出力シャフト3bに
連結されている。これにより、その入力シャフト3aと
出力シャフト3bとは操舵トルクに応じて弾性的に相対
回転可能とされている。また、そのトーションバー23
と出力シャフト3bはセレーション24により連結され
るので、入力シャフト3aと出力シャフト3bは軸方向
に相対変位可能である。
【0021】そのトルクセンサ7は、センサハウジング
21により保持される第1、第2検出コイル33、34
と、その入力シャフト3aの外周に固定される磁性材製
の第1検出リング(磁性材製部材)36および磁性材製
の第3検出リング38と、その出力シャフト3bの外周
に固定される磁性材製の第2検出リング(磁性材製部
材)37を有する。その第1検出リング36の一端面と
第2検出リング37の一端面とは互いに対向するように
配置され、各検出リング36、37の一端面に、それぞ
れ歯36a、37aが周方向に沿って複数設けられてい
る。その第1検出リング36の他端面と第3検出リング
38の一端面とは互いに対向するように配置される。そ
の第3検出リング38の一端面に歯38aが周方向に沿
って複数設けられている。その第1検出リング36の他
端面には歯は設けられない。その第1検出コイル33は
第1検出リング36と第2検出リング37の対向間を覆
うように配置され、第2検出コイル34は第1検出リン
グ36と第3検出リング38の対向間を覆うように配置
される。各検出コイル33、34はプリント基板41に
接続される。
【0022】その基板41に、図2に示す信号処理回路
が形成されている。すなわち、第1検出コイル33は抵
抗45を介して発振器46に接続され、第2検出コイル
34は抵抗47を介して発振器46に接続され、各検出
コイル33、34は差動増幅回路48に接続される。こ
れにより、操舵トルクによりトーションバー23が捩
れ、第1検出リング36と第2検出リング37とが相対
的に回転すると、両検出リング36、37の歯36a、
37aの対向部分の面積が変化する。その面積変化によ
り、その歯36a、37aの対向間における第1検出コ
イル33の発生磁束に対する磁気抵抗が変化することか
ら、その変化に基づき第1検出コイル33の出力が変化
し、その出力に対応した操舵トルクが検出される。ま
た、温度変動による第1検出コイル33の出力変動は、
温度変動による第2検出コイル34の出力変動に等しく
されている。これにより、温度変動による第1検出コイ
ル33の出力変動は差動増幅回路48により打ち消さ
れ、操舵トルクの検出値の温度による変動が補償され
る。
【0023】その差動増幅回路48から出力される操舵
トルクに対応した信号が、配線61を介して制御装置
(図示省略)に送られる。その制御装置は、その検出さ
れた操舵トルクに応じて上記操舵補助用モータ8を駆動
する。そのモータ8の回転が、上記ウォーム9、ウォー
ムホイール10を介して出力シャフト3bに伝達される
ことで、操舵補助力が付与される。
【0024】上記トルクリミッター機構11は、図3に
示すように、その出力シャフト3bの外周とウォームホ
イール10の内周とに挟まれることで径方向に変形する
トルク設定部材51を有する。そのトルク設定部材51
は、出力シャフト3bの外周に形成される周溝3h内に
配置される。このトルク設定部材51は、図4の
(1)、(2)に示すように、割り溝51aを有する金
属製リング本体51bと、この本体51bに一体的に形
成された複数の半円筒状突出部51cとを有する。それ
ら突出部51cは、周方向に沿って一定間隔で並列し、
径方向外方へ突出する。各突出部51cの径方向変形量
に対応する径方向力が、その出力シャフト3bとウォー
ムホイール10とに作用する。このようなトルク設定部
材51として、例えばトレランスリング(レンコルトレ
ランスリングス社製、SV型)を用いることができる。
【0025】図5は、そのトルク設定部材51の径方向
変形量と径方向力との関係を示し、径方向変形量が一定
値δa以下では径方向変形量に比例して径方向力が増加
するものとされ、その一定値δaを超える領域におい
て、径方向変形量に対する径方向力の増加割合が一定値
δa未満の領域における増加割合よりも小さくなる領域
Aを有する。その一定値δaを超える領域A内の値δb
にトルク設定部材51の径方向変形量が設定されてい
る。
【0026】図3に示すように、そのウォームホイール
10は、出力シャフト3bの外周に一体形成されるリン
グ状のフランジ(内輪変位阻止部)3dと、出力シャフ
ト3bに嵌め合わされる上記第1ボールベアリング26
の内輪26aとの間に配置される。その第1ボールベア
リング26の内輪26aは、そのウォームホイール10
を介して、そのフランジ3dにより上記第2ボールベア
リング27の内輪27aから離れる方向へ変位するのが
阻止される。また、ウォームホイール10の軸方向変位
は、そのフランジ3dと第1ボールベアリング26の内
輪26aとにより規制されることになる。
【0027】そのトルク設定部材51の径方向変形量に
対応する径方向力をステアリングシャフト3とウォーム
ホイール10とに作用させることで、そのトルク設定部
材51の内周とステアリングシャフト3の外周との間の
摩擦抵抗、およびトルク設定部材51の外周とウォーム
ホイール10の内周との間の摩擦抵抗により、ステアリ
ングシャフト3とウォームホイール10との間でトルク
を伝達することができる。その摩擦抵抗に対応してリミ
ットトルクが定まる。本実施形態では、そのトルク設定
部材51の内周とステアリングシャフト3の外周との間
の摩擦抵抗は、そのトルク設定部材51外周とウォーム
ホイール10の内周との間の摩擦抵抗よりも小さくされ
る。そのトルク設定部材51の内周とステアリングシャ
フト3の外周とが相対的に滑り始める時のトルクが、ト
ルクリミッター機構11のリミットトルクとなる。その
リミットトルクは実験により予め適当な値に設定され
る。そのリミットトルク以上の操舵トルクが作用すると
出力シャフト3bとウォームホイール10とは相対回転
する。
【0028】図1に示すように、上記ラック5はサポー
トヨーク(ラック支持部材)66の一端により支持され
る。そのサポートヨーク66は、ラックハウジング部6
に形成された保持孔65に、ラック5に近接する方向と
離反する方向とに移動可能に挿入されている。そのサポ
ートヨーク66の移動により、ピニオン4及びラック5
の歯の加工誤差やラック5の曲がりが吸収され、ラック
5とピニオン4との噛み合いの円滑化が図られる。その
サポートヨーク66の他端と、その保持孔65にねじ込
まれたプラグ68とで圧縮されるコイルバネ69が配置
されている。そのバネ69の弾力により、サポートヨー
ク66はラック5に押し付けられる。そのプラグ68の
外端には工具係合用凹部68aが形成されている。その
プラグ68の保持孔65へのねじ込み量の調節により、
そのバネ69の弾力が調節され、ラック5とピニオン4
の噛み合い状態の適正化が行われる。なお、そのプラグ
68の外周にロックナット67がねじ合わされる。
【0029】上記出力シャフト3bの他端は、ラックハ
ウジング部6に形成された開口から突出する。その出力
シャフト3bの他端に、予圧調節用ナット(予圧調節部
材)71とロックナット72とがねじ合わされる。その
予圧調節用ナット71の一端面71′は、上記第2ボー
ルベアリング27の内輪27aに接する。その予圧調節
用ナット71とロックナット72とを覆うキャップ73
が、そのラックハウジング部6に嵌め合わされる。
【0030】上記第1ボールベアリング26の内輪26
aは第2ボールベアリング27の内輪27aから離れる
方向に変位するのが阻止されているので、その予圧調節
用ナット71の出力シャフト3bへのねじ込み量に応じ
て、第2ボールベアリング27の内輪27aを第1ボー
ルベアリング26の内輪26aに向かい押すことができ
る。両ボールベアリング26、27の外輪26b、27
bは、上記のように互いに向かい変位するのが規制され
ているので、その予圧調節用ナット71の出力シャフト
3bへのねじ込みにより、両ボールベアリング26、2
7に予圧を付与でき、これにより、ステアリングシャフ
ト3が軸方向にがたつくのを防止できる。また、その予
圧調節用ナット71の出力シャフト3bへのねじ込み量
を調節することで、その予圧を調節できる。
【0031】上記ステアリング装置を組み立てる場合、
先ず、第1検出リング36と第3検出リング38とが取
り付けられた入力シャフト3aを、ウォームホイール1
0、トルクリミッター機構11、および第2検出リング
37が取り付けられた出力シャフト3bに、ブッシュ2
5を介して嵌め合わせる。次に、トーションバー23
を、入力シャフト3aに挿入すると共にセレーション2
4を介して出力シャフト3bに接続する。その入力シャ
フト3aと出力シャフト3bを含む組立体を、ウォーム
9が取り付けられたギアハウジング部2により、第1ボ
ールベアリング26を介して支持する。これにより、そ
のウォーム9とウォームホイール10とを噛み合わせる
ことができる。次に、そのウォーム9とウォームホイー
ル10の間のバックラッシが適正か否か測定し、適正で
なければ分解し、ウォームホイール10を交換する。そ
のバックラッシが適正であれば、その入力シャフト3
a、出力シャフト3b、およびギアハウジング部2を含
む組立体を、第1、第2検出コイル33、34が取り付
けられたセンサハウジング21により、ボールベアリン
グ31を介して支持し、ギアハウジング部2とセンサハ
ウジング21とをボルト(図示省略)により連結し、基
板41を取り付けてトルクセンサ7を構成する。次に、
その入力シャフト3aに連結されるステアリングホイー
ルが直進操舵状態に位置決めされる時に、トルクセンサ
7の出力が零になるように、入力シャフト3aの出力シ
ャフト3bに対する周方向における位置決めを行う。そ
の位置決め後に、ピン22によりトーションバー23を
入力シャフト3aに連結する。次に、その入力シャフト
3a、出力シャフト3b、ギアハウジング部2、および
トルクセンサ7を含む組立体を、ラック5を覆うラック
ハウジング部6により、第2ボールベアリング27を介
して支持し、ギアハウジング部2とラックハウジング部
6とをボルト(図示省略)により連結する。これによ
り、ピニオン4とラック5とを噛み合わせることができ
る。次に、出力シャフト3bにねじ合わせる予圧調節用
ナット71により第1ボールベアリング26と第2ボー
ルベアリング27に付与する予圧を調節し、その調節後
にロックナット72を出力シャフト3bにねじ合わせ、
キャップ73をラックハウジング部6に取り付ける。し
かる後に、プラグ68の保持孔65へのねじ込み量を調
節することで、コイルバネ69がサポートヨーク66を
介してラック5を押し付ける弾力を調節し、ラック5と
ピニオン4の噛み合い状態の適正化を行う。しかる後
に、プラグ68にロックナット67をねじ合わせる。
【0032】上記構成によれば、出力シャフト3bを支
持する一対のボールベアリング26、27に適正な予圧
を付与することで、出力シャフト3bの軸方向のがたを
防止できる。これにより、ラック5とピニオン4の噛み
合い状態の変動を防止し、操舵フィーリングを向上でき
る。また、その出力シャフト3bの軸方向のがたつきが
防止されることで、トルクセンサ7の第1検出リング3
6と第2検出リング37の間隔が変動するのを防止でき
る。これにより、両検出リング36、37の間の磁気抵
抗の変化に基づき検出される操舵トルクの値が適正値か
ら変動するのを防止でき、適正な操舵補助力を付与する
ことができる。また、予圧調節用ナット71のねじ込み
量を調節するだけで、両ボールベアリング26、27に
予圧を容易に調節可能に付与できる。また、ギアハウジ
ング部2とラックハウジング部6とを連結する前に、出
力シャフト3bをギアハウジング部2で支持した状態で
ウォーム9とウォームホイール10とを噛み合わせるこ
とで、そのウォーム9とウォームホイール10の間のバ
ックラッシが適正か否かを判断できる。これにより、そ
のバックラッシを適正化するためのウォームホイール1
0の交換作業を、ピニオン4にラック5を噛み合わせる
前に行える。よって、そのバックラッシの適正化のため
の分解組立作業を簡単化できる。また、上記実施形態で
は、ウォームホイール10の軸方向変位を、出力シャフ
ト3bを支持する第1ボールベアリング26の内輪26
aにより規制できるので、止め輪等の専用の変位規制部
材が不要である。これにより、出力シャフト3bの軸方
向寸法を短くし、小型化を図ることができる。さらに、
上記のように各ボールベアリング26、27に付与され
る予圧を調節できるので、第1ボールベアリング26の
内輪26aとウォームホイール10との相対滑りを阻止
する摩擦力が過大になるのを防止できる。これにより、
適正にトルクリミッター機構11を機能させることがで
きる。
【0033】なお、本発明は上記実施形態に限定される
ものではない。例えば、操舵補助力を伝達する駆動ギア
と従動ギアは、ウォームとウォームホイールに限定され
ず、ギアであればよい。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、操舵フィーリングの低
下を容易に防止でき、適正な操舵補助力を付与でき、組
立工程を簡単化でき、小型化を図れ、適正にフェイルセ
ーフ機能を奏することができるラックピニオン式ステア
リング装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装
置の断面図
【図2】本発明の実施形態のトルクセンサの回路構成の
説明図
【図3】本発明の実施形態の電動パワーステアリング装
置の要部の断面図
【図4】本発明の実施形態のトルクリミッター機構にお
けるトルク設定部材の(1)は断面図、(2)は正面図
【図5】本発明の実施形態のトルク設定部材の径方向変
形量と径方向力との関係を示す図
【符号の説明】
2 ギアハウジング部 2a、6a 段差面(外輪変位阻止部) 3a 入力シャフト 3b 出力シャフト 3d フランジ(内輪変位阻止部) 4 ピニオン 5 ラック 6 ラックハウジング部 7 トルクセンサ 8 モータ 10 ウォームホイール 11 トルクリミッター機構 26 第1ボールベアリング 27 第2ボールベアリング 36 第1検出リング 37 第2検出リング 71 予圧調節用ナット

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵トルクを伝達する出力シャフトと、 その出力シャフトに同行回転するように一体化されるピ
    ニオンと、 そのピニオンに噛み合うラックと、 その出力シャフトを軸受を介して支持するハウジング
    と、 その軸受に予圧を調節可能に付与する手段とを備えるラ
    ックピニオン式ステアリング装置。
  2. 【請求項2】 その出力シャフトに、軸方向相対変位可
    能かつ操舵トルクに応じて弾性的に相対回転可能に連結
    される入力シャフトと、 その入力シャフトに固定される磁性材製部材と出力シャ
    フトに固定される磁性材製部材との間の磁気抵抗の変化
    に基づき、その操舵トルクを検出するトルクセンサと、 その検出された操舵トルクに応じた操舵補助力の付与手
    段とを備える請求項1に記載のラックピニオン式ステア
    リング装置。
  3. 【請求項3】 その出力シャフトは、第1の転がり軸受
    と第2の転がり軸受とを介して前記ハウジングにより支
    持され、 両転がり軸受の外輪を、互いに向かい変位するのを阻止
    する外輪変位阻止部と、 第1の転がり軸受の内輪が、第2の転がり軸受の内輪か
    ら離れる方向へ変位するのを阻止する内輪変位阻止部
    と、 その出力シャフトにねじ合わされる予圧調節部材とを備
    え、 その予圧調節部材の出力シャフトへのねじ込み量に応じ
    て、第2の転がり軸受の内輪を第1の転がり軸受の内輪
    に向かい押すことが可能とされている請求項1に記載の
    ラックピニオン式ステアリング装置。
  4. 【請求項4】 その操舵トルクを検出するトルクセンサ
    と、 その検出された操舵トルクに応じた操舵補助力を発生さ
    せるアクチュエータと、 その操舵補助力により回転する駆動ギアと、 その駆動ギアに噛み合わされると共に前記出力シャフト
    に嵌め合わされる従動ギアとを備え、 前記ハウジングは、その駆動ギアと従動ギアを覆うギア
    ハウジング部と、そのギアハウジング部と別体であって
    前記ピニオンとラックを覆うラックハウジング部とを有
    し、 そのギアハウジング部により出力シャフトを前記第1の
    転がり軸受を介して支持することで、その駆動ギアに従
    動ギアを噛み合わせることが可能とされ、 そのギアハウジング部により出力シャフトを支持した後
    に、そのラックハウジング部により出力シャフトを前記
    第2の転がり軸受を介して支持すると共にギアハウジン
    グ部にラックハウジング部を連結することで、前記ピニ
    オンにラックを噛み合わせることが可能とされている請
    求項3に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
  5. 【請求項5】 その操舵トルクを検出するトルクセンサ
    と、 その検出された操舵トルクに応じた操舵補助力を発生さ
    せるアクチュエータと、 その操舵補助力により回転する駆動ギアと、 その駆動ギアに噛み合わされると共に前記出力シャフト
    に嵌め合わされる従動ギアとを備え、 その従動ギヤは出力シャフトに、予め設定されたリミッ
    トトルク以上の操舵トルクが作用すると相対回転するよ
    うに、トルクリミッター機構を介して嵌め合わされ、 その従動ギアは、前記第1の転がり軸受の内輪と内輪変
    位阻止部との間に配置され、 その第1の転がり軸受の内輪は、その従動ギアを介し
    て、その内輪変位阻止部により前記第2の転がり軸受の
    内輪から離れる方向へ変位するのが阻止される請求項3
    に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
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