JPH10326382A - 避難誘導装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平常時にも、非常時と異なる動作をさせてコ
ストパフォーマンスを高める。 【解決手段】 避難路６に沿って配設される複数の灯具
１と、この複数の灯具１を点滅制御する制御部３と、停
電時の灯具１の点滅動作保証を行う停電保証部５とを備
え、火災信号を受けた非常時に灯具１を点滅させて避難
誘導方向を表示させる避難誘導装置において、制御部３
に、平常時の灯具１の点滅動作とその点滅するタイミン
グを設定入力可能な設定部４を設けて、平常時に制御部
３により設定部４からの設定入力に従って灯具１の少な
くとも一部を一斉に点滅させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、避難誘導装置に関
し、特に避難路に沿って配設された複数の灯具を点滅制
御することにより避難誘導方向を表示させる避難誘導装
置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、建築物や各種の施設等には、火災
の発生や地震の発生等の非常時に、建築物等の内部に滞
在する人を外部に避難誘導させるための避難誘導装置と
して、消防法に基づく誘導灯が設置されている。この誘
導灯は、避難口または避難方向を示す表示パネルを備え
てなり、内部に収容された光源を平常時、及び非常時で
あって停電が起きるまでは商用電源で、停電時には内部
に収容された蓄電池により点灯させて表示パネルの輝度
を高め、避難口または避難方向を避難者に知らせるよう
にされている。

【０００３】しかし、このような避難誘導装置として誘
導灯は、その表示パネルの表示は固定的であり、火災等
の発生個所とは無関係に常に一定の避難方向を示すもの
であって、火災等の発生個所に応じて必ずしも適切な避
難方向を示せるものではないばかりか、誘導灯の設置間
隔が比較的広いため、火災等により煙が発生すると、そ
の視認が、妨げられ易いものであった。

【０００４】そこで、避難誘導装置として、通路や壁面
等に光源を内蔵した複数の灯具を短い間隔で連続的に配
設し、それらをそれぞれ点滅制御させる制御部に接続さ
せて、火災等が発生した非常時に、制御部によって複数
の灯具を逐次点滅させて、あたかも光が走行しているよ
うに視認させた光走行式の装置が開発されてきている。

【０００５】このような避難誘導装置では、火災等の発
生のない平常時は、複数の灯具は消灯状態とされ、例え
ば火災が発生した非常時には、制御部が火災の発生個
所、及び灯具の設置場所等の情報をもとに、その発生個
所に従って安全な避難方向としてあらかじめ設定された
方向に複数の灯具を逐次点滅させることにより、避難者
に適切な避難方向を知らせることができるようにされて
いる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うに構成された従来の光走行式の避難誘導装置において
は、非常時の避難路に沿って数多くの灯具が設置されて
はいるものの、それらの灯具は火災の発生等の非常時に
のみ動作するものであって、火災の発生等のない平常時
には何らの機能を果たすこともできず、装置のコストパ
フォーマンスが極めて悪いものとなるという問題点があ
った。

【０００７】本発明は上記問題点に鑑みてなされもの
で、その目的とするところは、平常時にも、非常時と異
なる動作をさせてコストパフォーマンスを高めた避難誘
導装置を提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の問題点を
解決するため、請求項１記載の発明にあっては、避難路
に沿って配設される複数の灯具と、この複数の灯具を点
滅制御する制御部と、停電時の前記灯具の点滅動作保証
を行う停電保証部とを備え、火災信号を受けた非常時に
前記灯具を点滅させて避難誘導方向を表示させる避難誘
導装置において、前記制御部に、平常時の前記灯具の点
滅動作を設定入力可能な設定部を設けて、平常時に前記
制御部により前記設定部からの設定入力に従って、前記
灯具の少なくとも一部を点滅させたことを特徴とする。

【０００９】請求項２記載の発明にあっては、請求項１
記載の避難誘導装置において、前記灯具が点滅されるタ
イミングを、前記設定部で設定自在とさせたことを特徴
とする。

【００１０】請求項３記載の発明にあっては、請求項
１、または請求項２記載の避難誘導装置において、前記
灯具の点滅をフラッシング点滅とさせたことを特徴とす
る。

【００１１】

【発明の実施の形態】図１及び図２は、本発明の避難誘
導装置の第１の実施の形態を示すものであり、この避難
誘導装置は、建築物や施設等に設置され非常時に逐次点
滅されて光を走行させるようにすることにより避難経路
を表示させるものであって、複数の灯具１と、主制御部
２を構成する制御部３と、設定部４、及び停電保証部５
とを備えて構成されている。

【００１２】灯具１は、内部に光源が収容され商用電源
により点灯可能に構成されてなり、建築物や施設等の１
つであり非常時の避難路６となる地下鉄のプラットホー
ム６ａに設置されたものであって、プラットホーム６ａ
に複数が連続的に埋め込まれて構成されている。そし
て、灯具１は、電車７の線路８側の端部から所定距離だ
け離れた停止線の位置に、線路８と略平行をなすように
複数の灯具１が連続的に所定ピッチで埋め込まれてなる
停止線側ブロック部１ａと、階段９の近傍で、その停止
線ブロック部１ａの任意の灯具１から所定ピッチで階段
９に向けて連続的に埋め込まれた階段誘導ブロック部１
ｂとを形成するように配設されるようにされている。

【００１３】制御部３は、停止線ブロック部１ａと階段
誘導ブロック部１ｂを構成する全ての灯具１と接続され
てなり、それらを点滅制御可能に構成されている。そし
て、例えば火災が発生した非常時には、自動火災報知設
備１０からの火災信号を受信して火災の発生位置によっ
て、複数の灯具１を逐次点滅させてあたかも光が走行し
ているように視認させるような光走行の方向を、あらか
じめ火災の発生位置との関係で安全な避難方向と設定さ
れた最適の方向に自動的に選んで制御するようにされて
いる。したがって、火災が発生した非常時には、停止線
ブロック部１ａを構成する各灯具１から階段誘導ブロッ
ク部１ｂを構成する各灯具１の方向に、灯具１が逐次点
滅されるようにされて、その点滅する光の流れによりプ
ラットホーム６ａに滞在する人に避難路６を示して、人
をプラットホーム６ａから階段９へと誘導できるように
されている。なお、このような点滅制御は、地震が発生
したような非常時にも略同様になされるようにされてい
る。

【００１４】設定部４は、制御部３に接続されてなり、
火災等の発生のない平常時の複数の灯具１の点滅パター
ンや、そのタイミングを設定入力可能に構成されてい
る。そして、例えば、複数の灯具１としてプラットホー
ム６ａの一方の側の停止線ブロック部１ａと、プラット
ホーム６ａの一方の側の線路８に電車７が入ってくるタ
イムテーブルを設定入力しておくと、そのタイムテーブ
ルに示された時間の所定時間前に、プラットホーム６ａ
の一方の側の停止線ブロック部１ａを構成する全ての灯
具１が一斉に点滅、またはフラッシング点滅して、ほど
なく電車７が入ってくることを視覚的に知らせ、注意を
喚起するようにされており、プラットホーム６ａの他方
の側でも、同様の設定入力ができるようにされている。
なお、火災等が発生した非常時には、全ての灯具１は、
この設定部４の入力に優先して、上述したように避難路
６での避難誘導方向を示すように動作制御される。

【００１５】停電保証部５は、制御部３に接続され、商
用電源とは異なる電源を備えてなり、商用電源の停電時
には、その異なる電源により少なくとも所定時間は灯具
１の逐次点滅の動作が保証できるようにされている。

【００１６】このように構成されているため、本実施の
形態における避難誘導装置においては、火災発生や地震
発生等の非常時には、複数の灯具１が制御部３により逐
次点滅されてその光の流れにより避難路６での避難方向
を示すようにさせることができると共に、平常時にも設
定部４からの設定入力に基づいて、一部の灯具１である
一方の停止線ブロック部１ａを構成する全ての灯具１を
一斉に点滅させて、ほどなく電車７が入ってくることを
視覚的に知らせ、注意を喚起するようにさせることがで
きて、灯具１を、常時にも非常時と異なる動作をさせて
コストパフォーマンスを高めることができる。また、こ
のとき、灯具１をフラッシング点滅させるようにするこ
とにより、灯具１の点滅をさらに視認させ易くできて、
さらに注意を喚起させるようにさせることができる。ま
た、停止線ブロック部１ａをプラットホーム６ａの停止
線を設けるべき位置に設置すれば、灯具１の一群である
停止線ブロック部１ａで、安全の確保のため電車７が停
止するまで人に踏み込ませたくない線である停止線の役
目をも果たすこともできて、プラットホーム６ａに停止
線としての白線や黄線等を描く必要がなくなる。

【００１７】図３は、本発明の避難誘導装置の第２の実
施の形態を示すものであり、前記第１の実施の形態と異
なる点は、避難誘導装置が地下街やショッピングセンタ
ー等の大規模施設に設置されるものであって、非常時の
避難路６がその通路６ｂとされた点と、平常時には、そ
の両側に位置する店舗１１等に対応させて灯具１を点
滅、またはフラッシング点滅できるようにさせた点であ
り、他は前記第１の実施の形態と同様に構成されてい
る。

【００１８】つまり、複数の灯具１は、非常時の避難路
６となる地下街の通路６ｂに沿って所定間隔で連続的に
配設されてなる通路ブロック部１ｃと、例えば階段９の
近傍で通路ブロック部１ｃから階段９の方向に複数の灯
具１が所定間隔で連続的に配設されてなる階段ブロック
部１ｂとを形成するようにされており、その通路ブロッ
ク１ｃの各灯具１を、両側に位置する店舗１１に対応さ
せて設定部４から設定入力することにより、例えば１つ
の店舗１１ａがタイムサービス等のバーゲンセール等を
行う場合には、その一店舗１１ａの前に配設された灯具
１のみを一斉に点滅、またはフラッシング点滅させて注
意を喚起させるようにさせたものである。

【００１９】このように構成しても、火災発生や地震発
生等の非常時には、複数の灯具１が制御部３により逐次
点滅されて光の流れにより避難路６の避難方向を示すよ
うにさせることができると共に、平常時にも設定部４か
らの設定入力に基づいて、避難路６の両側の店舗１１等
に対応させた灯具１を一斉に点滅、またはフラッシング
点滅させて、その店舗１１が例えばタイムサービス等を
行っていることを通行人に視覚的に知らせ、注意を喚起
するようにさせることができ、灯具１を、平常時にも非
常時と異なる動作をさせてコストパフォーマンスを高め
ることができる。

【００２０】

【発明の効果】このように構成されているため本発明
は、請求項１記載の発明にあっては、火災発生や地震発
生等の非常時には、複数の灯具が制御部により逐次点滅
されて、その光の流れにより避難路の避難方向を示すよ
うにさせることができると共に、平常時にも設定部から
の設定入力に基づいて、一部の灯具を一斉に点滅させ
て、視覚的に注意を喚起するようにさせることができ、
灯具を、平常時にも非常時と異なる動作をさせてコスト
パフォーマンスを高めることができる。

【００２１】請求項２記載の発明にあっては、請求項１
記載の発明の効果に加えて、平常時の灯具を点滅させる
タイミングを設定部から入力可能にしたため、灯具の点
滅するタイミングを注意を喚起させたい事象のタイミン
グに合わせることができて、効果的に注意喚起効果を高
めることができる。

【００２２】請求項３記載の発明にあっては、請求項
１、または請求項２記載の発明の効果に加えて、平常時
に灯具をフラッシング点滅させることにより、灯具の点
滅をさらに視認させ易くできて、さらに効果的に注意を
喚起させるようにさせることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の避難誘導装置の第１の実施の形態を示
すブロック図である。

【図２】同上の設置状態の模式図である。

【図３】本発明の避難誘導装置の第２の実施の形態の設
置状態を示す模式図である。

【符号の説明】

１ 灯具 ３ 制御部 ４ 設定部 ５ 停電保証部 ６ 避難路

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 避難路に沿って配設される複数の灯具
   と、この複数の灯具を点滅制御する制御部と、停電時の
   前記灯具の点滅動作保証を行う停電保証部とを備え、火
   災信号を受けた非常時に前記灯具を点滅させて避難誘導
   方向を表示させる避難誘導装置において、前記制御部
   に、平常時の前記灯具の点滅動作を設定入力可能な設定
   部を設けて、平常時に前記制御部により前記設定部から
   の設定入力に従って、前記灯具の少なくとも一部を点滅
   させたことを特徴とする避難誘導装置。
2. 【請求項２】 前記灯具が点滅されるタイミングを、前
   記設定部で設定自在とさせたことを特徴とする請求項１
   記載の避難誘導装置。
3. 【請求項３】 前記灯具の点滅を、フラッシング点滅と
   させたことを特徴とする請求項１、または請求項２記載
   の避難誘導装置。