JPH10324525A - ロジウム錯体溶液の調製方法 - Google Patents

ロジウム錯体溶液の調製方法

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JPH10324525A
JPH10324525A JP9131925A JP13192597A JPH10324525A JP H10324525 A JPH10324525 A JP H10324525A JP 9131925 A JP9131925 A JP 9131925A JP 13192597 A JP13192597 A JP 13192597A JP H10324525 A JPH10324525 A JP H10324525A
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aqueous solution
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JP9131925A
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Tomoyuki Mori
知行 森
Masaki Takai
正樹 高井
Tomohiko Inoue
朋彦 井上
Kazuyuki Yokoyama
和之 横山
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C45/00Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds
    • C07C45/49Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide
    • C07C45/50Preparation of compounds having >C = O groups bound only to carbon or hydrogen atoms; Preparation of chelates of such compounds by reaction with carbon monoxide by oxo-reactions

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価なロジウム化合物水溶液を用いて、ヒド
ロホルミル化反応等の触媒として有用なロジウム−第3
級有機リン化合物錯体溶液を調製する。 【解決手段】 水溶性ロジウム化合物水溶液と非水溶性
第3級有機リン化合物の有機溶媒溶液とを、一酸化炭素
ガスを含有するガス雰囲気下、接触させた後、二相分離
し、ロジウム−第3級有機リン化合物錯体を含有する有
機溶媒相を回収することを特徴とするロジウム錯体溶液
の調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロジウム錯体溶液
の調製方法に関する。詳しくは、水溶性ロジウム水溶液
からオレフィンのヒドロホルミル化反応等の触媒として
使用されるロジウム−第3級有機リン化合物錯体溶液を
調製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ロジウムを含有する錯体、例えば、ロジ
ウム−第3級有機リン化合物錯体は、オレフィンのヒド
ロホルミル化反応、水素化反応、カルボニル化反応等の
触媒として広く用いられている。特にヒドロホルミル化
反応においては良好な触媒活性及びアルデヒドへの高い
選択性を有するため、工業的に広く用いられる触媒であ
る。これらの反応の触媒の調製法としては、錯体を予め
調製し反応系に供給する方法、および前駆体を反応系に
そのまま供給し、反応系内で錯体に変換する方法等があ
る。触媒の前駆体をそのまま反応系に供給する方法で
は、この前駆体が有効な触媒に充分に変換されないため
に触媒の活性が低い等の問題点がある。錯体を別途に合
成する方法としては、多くの提案がなされている。
【0003】例えば、特開昭47−3320号に示され
るロジウム錯体の調製方法は酢酸ロジウム(II)をテ
トラフルオロホウ酸およびトリフェニルホスフィンと反
応させ、引き続き過剰の酢酸リチウムで処理し、目的の
ロジウム−トリフェニルホスフィン錯体を得る方法であ
るが、テトラフルオロホウ酸あるいは酢酸リチウム等の
助剤を必要とし、操作も煩雑である。特開昭55−73
696号は酢酸ロジウム水溶液とトリフェニルホスフィ
ンをメタノールやN,N−ジメチルホルムアミドのよう
な極性溶媒に、均一に溶解し、晶析する錯体を得る方法
であるが、トリフェニルホスフィンのような極性置換基
を持たない第3級アリールホスフィンは極性溶媒への溶
解度が低いため、収率が低く、工業的プロセスにはロジ
ウムの損失が大きく利用できない。
【0004】また、酢酸ロジウムのようなロジウム塩か
らではなく触媒反応の反応液からロジウム錯体を合成す
る方法としては、特開昭58−116495号に使用済
みのヒドロホルミル化反応液の濃縮物をアルコールで希
釈した溶液を、有機リン化合物の存在下、水素および一
酸化炭素の混合ガスで処理することによりヒドリドカル
ボニルトリス(トリ有機リン)ロジウム化合物を製造す
る方法が開示されている。しかし、この方法では生成す
るロジウム化合物を濾過する必要があるために操作が煩
雑であり、ロジウム化合物の収率も低い。このように、
予め錯体を別途に合成する方法は操作が煩雑である、ま
たは、収率が低い、コストがかかる等の問題点がある。
【0005】そこで、安価なロジウム化合物、または使
用済みの反応液から回収されたロジウム含有液から、有
効な触媒を簡便な操作で得る方法について種々検討され
ている。例えば、特開昭57−122023号にはカル
ボン酸のロジウム塩をトリアリールホスフィン及び水性
ガスの存在下、ヒドロホルミル化反応溶媒中で錯体化す
る方法が開示されている。また、特開平8−10624
号には親水性有機溶媒に溶解した水溶性ロジウム化合物
をリン化合物の存在下で錯体化する方法が開示されてい
る。これらの方法はいずれも、均一相で反応させてロジ
ウム含有溶液を直接有機相へ導入するため、例えば、ロ
ジウム源として硫酸塩等の無機塩を利用した場合には、
反応系内に無機塩が混入することとなり、高沸点物質の
生成等の副反応を起こす原因となり望ましくない。
【0006】特開昭63−22046号には炭化水素中
に溶解したカルボン酸のロジウム塩を水性ガスの存在
下、水溶性ホスフィン等を含有する水溶液と接触させ、
水溶液中にロジウム錯体を抽出する方法が開示されてい
る。また、特開平2−48419号にはヒドロホルミル
化反応の蒸留残滓を酸化剤と反応させた後、同様に水性
ガスの存在下、水溶性ホスフィン等を含有する水溶液と
接触させ、水溶液中にロジウム錯体を抽出する方法が開
示されている。しかし、これらの方法はいずれも水溶液
中にロジウム錯体を調製する方法である。ヒドロホルミ
ル化反応等においては原料が非水溶性の場合が多く、そ
の反応は非水溶性の有機溶液中で行われることが多い。
従って、水溶性の触媒では原料の水溶液への溶解度が低
いために反応性が低い等の問題があり、これらの方法は
有機溶液中での反応のための触媒の調製法としては不適
である。
【0007】特表平8−505137号にはコバルト触
媒を用いたヒドロホルミル化反応液から、水溶性リン配
位子水溶液を用いて水相にコバルトを抽出し、この水溶
液を水性ガスで処理することにより有機溶媒にコバルト
を抽出する方法が開示されている。しかし、ロジウムに
ついては何ら言及されていない。また、コバルトは一酸
化炭素含有ガスで処理することにより比較的容易に安定
なジコバルトオクタカルボニルが生成することが知られ
ているが、ロジウムに関しては安定性の点でロジウムカ
ルボニルの生成は困難である。ヨーロッパ特許(EP)
695734号には、同様にロジウムを用いたヒドロホ
ルミル化反応液から、水溶性リン配位子水溶液を用いて
水相にロジウムを抽出し、この水溶液を水性ガスで処理
することにより有機溶媒にロジウムを抽出する方法が開
示されている。しかし、この方法の如く水溶液および非
水溶性有機溶液のどちらにもロジウムと錯体を形成しや
すい有機リン化合物が存在する場合には、非水溶性有機
溶液中のロジウムの回収率が低い等の問題点がある。
【0008】特開平2−284651号では、メタノー
ル等のカルボニル化反応より得られる第4有機リン化合
物、酢酸等を含む反応液から、トリブチルホスフィンの
ようなトリアルキルホスフィンによりロジウムを抽出回
収する方法が開示されているが、この方法はロジウムを
含有する水溶液からの抽出については延べられていな
い。さらに、この方法は液状のホスフィン化合物にしか
適用できない。特開昭63−14824号は貴金属を含
有する水溶液から貴金属をリン系抽出剤で有機相へ抽出
する際にモノアルキルリン酸を加速剤として使用する方
法であるが、リン系抽出剤としてトリアルキルホスフォ
ネート、トリアルキルホスフェート、トリアルキルホス
フィンオキサイドを使用する。しかし、この方法は5価
のリン化合物を用いているため、目的の非水溶性第3級
有機リン化合物のロジウム錯体を調製することは出来な
い。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】叙上の如く、ロジウム
化合物から触媒として使用されるロジウム錯体を調製す
る方法は数多く提案されているが、何れも工業的実施に
際し、満足し得るものではなかった。本発明が解決しよ
うとする課題は、かかる従来技術の欠点を避け、安価な
ロジウム化合物水溶液から効率的に、ヒドロホルミル化
反応、水素化反応、カルボニル化反応等の触媒として有
用なロジウム−第3級有機リン化合物錯体溶液を調製す
る方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、本発明方
法に従って、水溶性ロジウム化合物水溶液と非水溶性第
3級有機リン化合物の有機溶媒溶液を一酸化炭素含有ガ
ス雰囲気で接触させた後、二相分離し、ロジウムを第3
級有機リン化合物錯体として有機溶媒中に抽出すること
により達成される。本発明方法によれば、水溶性ロジウ
ム化合物水溶液中のロジウムを高回収率で錯体として回
収することが出来る。特に、水溶性ロジウム化合物水溶
液と非水溶性第3級有機リン化合物の有機溶媒溶液とを
接触させる際、炭素数2〜8のカルボン酸を存在させる
ことにより、ロジウム−第3級有機リン化合物錯体の回
収率を向上させることが出来る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明方法に使用される水溶性ロ
ジウム化合物としては、ロジウムの無機酸塩、有機酸
塩、錯塩等が挙げられる。具体的には、例えば、塩化ロ
ジウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウム、硫酸ロジウム、
リン酸ロジウム等の無機酸塩、クロロペンタアンミンロ
ジウム塩化物(〔RhCl(NH3 5 〕Cl2 )、ヘ
キサアンミンロジウム酸性硝酸塩(〔Rh(N
3 6 〕(NO3 ))等の錯塩、ギ酸ロジウム、酢酸
ロジウム、プロピオン酸ロジウム、2−エチルヘキサン
酸ロジウム等の有機酸塩、ヘキサクロロロジウム酸(H
3 〔RhCl6 〕)等が挙げられる。好ましくは、塩化
ロジウム、硫酸ロジウム、硝酸ロジウム等のロジウムの
無機酸塩、酢酸ロジウム、プロピオン酸ロジウム等のロ
ジウムのカルボン酸塩である。より好ましくは、酢酸ロ
ジウムである。これらは、通常、水溶液として入手可能
のものもあり、もちろん、固体状のロジウム化合物を水
に溶解して用いてもよい。
【0012】更に、ヒドロホルミル化反応、水素化反
応、カルボニル化反応等の反応液から回収されたロジウ
ム含有水溶液も、本発明方法に使用することが出来る。
この様なロジウム含有水溶液としては、上記反応液をそ
のまま水性媒体で抽出して得られたものであっても、反
応液を濃縮後、水性媒体で抽出して得られたものであっ
ても、あるいは反応液に酸化処理等を行った後に、水性
媒体で抽出して得られたロジウム含有水溶液であっても
よい。好ましくは、ヒドロホルミル化反応の触媒液とし
て用いられたロジウム含有液より回収されたロジウム含
有水溶液が良い。最も好ましくは、非水溶性媒体中でヒ
ドロホルミル化反応を行った反応液より分離された触媒
含有液を、水性媒体の存在下、好ましくは、促進剤の存
在下、酸化剤で処理してロジウムを水中に抽出した水溶
液である。ここに促進剤とは該触媒液中のロジウムを酸
化処理して水性媒体中に抽出する反応を促進する水溶性
の物質であって、具体的には、酢酸、プロピオン酸、蓚
酸等のカルボン酸、モノメタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン、トリメタノールアミ
ン、エチレンジアミン等のアミンあるいはこれらアミン
の有機酸塩、無機酸塩等のアミン塩、アンモニア又は酢
酸アンモニウム、塩化アンモニウム等の有機酸あるいは
無機酸のアンモニウム塩、硫酸、硝酸、塩酸、炭酸、ほ
う酸あるいは燐酸等の無機酸またはこれら無機酸のアル
カリ金属塩等である。
【0013】かかる促進剤を用いて回収されたロジウム
水溶液中には、多くの場合促進剤が残存しているが、そ
の種類によっては、本発明方法のロジウム錯体溶液調製
の促進剤になるものもあるが、逆の働きをするものもあ
る。即ち、カルボン酸類の存在は、後述する様に、ロジ
ウム錯体の回収率を向上させる。一方、水溶液中にロジ
ウムと水溶性の錯体を形成しやすい、極性の窒素含有化
合物あるいは第3級有機リン化合物が存在する場合は、
抽出する非水溶性有機溶液中の第3級有機リン化合物と
これら水溶液中の配位性化合物との間に配位平衡が形成
され、有機溶媒中に回収されるロジウム錯体の回収率を
低下させるので好ましくない。かかる窒素含有化合物と
しては、アミン類、アンモニアやアンモニウム塩類が挙
げられる。従って、上記促進剤としてアミン、アンモニ
アやアンモニウム塩類を用いる場合は、抽出後のロジウ
ム化合物水溶液中に残存するアミン類の量を極力少量と
する必要がある。
【0014】ロジウムと、錯体を形成しやすい極性の第
3級有機リン化合物としては、トリスルホン化トリフェ
ニルホスフィン及びその塩、モノスルホン化トリフェニ
ルホスフィン及びその塩、トリカルボキシル化トリフェ
ニルホスフィン及びその塩、ジビスフェニルホスフィノ
エタンモノスルホネート及びその塩等のスルホン化又は
カルボキシル化されたホスフィン、ホスファイト化合物
が挙げられる。これらの極性第3級有機リン化合物も、
水溶性ロジウム化合物水溶液中に存在することは好まし
くない。
【0015】水溶液中のロジウム化合物の濃度は生成す
る錯体が有機溶媒へ溶解し得る量以内であれば特に限定
されるものではないが、通常、ロジウム金属換算で1〜
10,000ppm、好ましくは10〜1,000pp
mである。また、ロジウム化合物水溶液中は、接触させ
る有機溶媒溶液との2相形成を妨げない範囲で、メタノ
ール、エタノール、プロパノールなどの炭素数1〜4の
アルカノール、エチレングリコール、エチレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のグリコール類及びそのアルキルエーテル類
の様な極性溶媒を含有していてもよい。水溶液中のこれ
ら、極性溶媒の量は、接触させる有機溶媒と2相を形成
する限り特に限定されないが、通常、0〜50重量%で
ある。
【0016】本発明方法に従って、水溶性ロジウム化合
物水溶液と非水溶性第3級有機リン化合物の有機溶媒溶
液を接触させる際、炭素数2〜8のカルボン酸を存在さ
せると、ロジウム−第3級有機リン化合物錯体の回収率
を向上させることが出来る。本発明方法に使用される、
炭素数2〜8のカルボン酸としては酢酸、プロピオン
酸、酪酸、バレリアン酸、2−エチルヘキサン酸、蓚
酸、マロン酸、リンゴ酸、グリコール酸、乳酸、ヒドロ
キシ酪酸等の脂肪族モノあるいはジカルボン酸あるいは
これらの混合物である。好ましくは炭素数2から4のモ
ノカルボン酸であり、より好ましくは酢酸である。これ
らカルボン酸は、通常、ロジウム水溶液中に添加して用
いられるが、有機溶媒中に添加することも可能である。
【0017】前述の如く、かかるカルボン酸は、カルボ
ニル化反応液から分離された触媒含有液を含有する水性
媒体の存在下、酸化処理して水溶性ロジウム化合物を水
性媒体中に抽出する場合、促進剤として使用される。従
って、本発明方法の好ましい実施態様は、非水性媒体中
でヒドロホルミル化反応を行った反応液より分離された
触媒含有液を、促進剤として炭素数2〜8のカルボン酸
を用い水性媒体中で酸化処理して、ヒドロホルミル化反
応液から回収されたロジウム含有水溶液をロジウム水溶
液として使用することである。かかるロジウム含有水溶
液中には、水溶性のロジウムカルボン酸塩及び遊離のカ
ルボン酸が含有されているので、本発明の対象とするロ
ジウム水溶液として特に好ましい。
【0018】また、前述の如くアミン類やアンモニウム
塩等は、ロジウムと水溶性の錯体を形成し、目的とする
ロジウム錯体の回収率を低下させる恐れがあるが、この
ような窒素含有化合物が共存する場合も、カルボン酸を
添加するとロジウム錯体の回収率を向上させることが出
来る。カルボン酸による回収率向上効果は、特に、水溶
性ロジウム化合物水溶液として、カルボニル化反応液か
ら回収されたロジウム含有水溶液を使用する場合に大き
い。かかるロジウム含有水溶液中のカルボン酸濃度は3
〜50重量%、好ましくは20〜40重量%である。
【0019】本発明に使用される非水溶性第3級有機リ
ン化合物としては、使用するロジウム水溶液への溶解度
が低く有機溶媒に対する溶解度の高いものであれば良
い。これらの第3級有機リン化合物としてはホスフィ
ン、ホスファイトが挙げられる。好ましいホスフィン化
合物としては、トリフェニルホスフィン、トリトルイル
ホスフィン、トリキシリルホスフィン等のトリアリール
ホスフィン、あるいはプロピルジフェニルホスフィン、
ジプロピルフェニルホスフィン等のアルキルアリールホ
スフィン、またトリブチルホスフィン、トリオクチルホ
スフィン、トリベンジルホスフィンなどのアルキルホス
フィン、トリアラルキルホスフィンである。また、好ま
しいホスファイト化合物としては、トリフェニルホスフ
ァイト等のトリアリールホスファイト、トリス(o−タ
ーシャリーブチルフェニル)ホスファイト等の立体障害
により加水分解性の低いホスファイト類が挙げられる。
また、これらホスフィン、ホスファイト化合物の混合物
であっても差し支えない。更に、ロジウム錯体溶液を触
媒として用いる反応に非水溶性第3級有機リン化合物を
用いる場合には、これと同じ有機リン化合物を用いるの
が好ましい。これら非水溶性第3級有機リン化合物の使
用量は、少なくともロジウム水溶液中のロジウムと1座
あるいは2座以上の配位化合物を形成する量以上であ
り、通常、大過剰量用いられる。非水溶性第3級有機リ
ン化合物の有機溶媒中濃度は0.1〜50重量%、好ま
しくは0.5〜30重量%である。
【0020】本発明方法に使用される有機溶媒としては
前記水溶液と2相を形成し、第3級有機リン化合物及び
生成する錯体を溶解できるものであれば良い。具体例と
しては、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族飽和炭化水素
類、ベンゼン、トルエン、キシレンのような芳香族炭化
水素類、ヘキセン、オクテン、ノネン等の脂肪族不飽和
炭化水素類、酢酸エチルなどのエステル類、メチルイソ
ブチルケトンなどのケトン類、ブチルアルデヒド、バレ
ルアルデヒド、ノニルアルデヒド、デシルアルデヒド等
のアルデヒド類及びそれらの混合物が挙げられる。ま
た、ロジウム錯体触媒を使用する反応の溶媒、反応混合
液そのものまたは、その濃縮物でもかまわない。好まし
くは、この触媒を使用して反応を行う溶媒、反応液およ
び芳香族炭化水素である。これらの接触させる水溶液と
有機溶液の量比は水相/油相(有機相)の体積比で0.
1〜10の範囲で可能である。好ましくは1〜5であ
る。
【0021】本発明方法は一酸化炭素含有ガス雰囲気下
に行われる。一酸化炭素含有ガスの効果について、はっ
きりしたことは明らかではないが、有機溶媒へ溶解しや
すい錯体への錯体化を促進しているものと考えられる。
すなわち、水溶性のロジウム化合物は3価のロジウム化
合物が多いが、一酸化炭素ガスにより還元されて1価の
ロジウム錯体となることおよび一酸化炭素の配位にによ
りカルボニル錯体を生成することにより有機溶媒への溶
解を促進し抽出率を向上させていると考えられる。ま
た、一酸化炭素含有ガスでの処理により、ヒドロホルミ
ル化反応のようなカルボニル化反応では触媒としても活
性が良好な錯体を得ることができる。本発明を適用でき
る一酸化炭素含有ガスとしては一酸化炭素ガス、水性ガ
スが挙げられる。このうち水性ガスがより好ましい。水
性ガスの水素と一酸化炭素ガスの体積比は、0.1から
10までの任意の範囲で使用可能であり、より好ましく
は1対1の水素と一酸化炭素の混合ガスが良い。また、
一酸化炭素含有ガスは加圧して使用することが好まし
く、常圧から300kg/cm2 G、より好ましくは5
から100kg/cm2 G、更に好ましくは10から5
0kg/cm2 Gの範囲の圧力が良い。
【0022】接触処理の温度は常温から200℃、好ま
しくは80〜150℃である。最も好ましくは120〜
140℃である。接触処理の時間は限定されるものでは
ないが、有機溶媒中にロジウムが充分に抽出される時間
行うのがよく、通常0.5〜2時間である。また、反応
形式は回分式でもガスだけを流通させる半回分方式、連
続式のいずれでも差し支えない。また、本反応は、気−
液−液の3相系の反応であるため、これら3相の接触を
充分に行わせることが望ましい。この3相の接触を充分
に行えるならば、攪拌槽、充填式または段塔式の向流ま
たは並流連続抽出塔、スタティックミキサー等いずれの
反応器を用いてもかまわない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に制約されるものではない。なお、実施例中、
「%」は特に断わらない限り、「重量%」を意味する。 実施例1 市販の硫酸ロジウム水溶液(Rh濃度:11%)を、水
で希釈して調製したロジウム水溶液(Rh濃度:29
4.2mg/L)100mLと、トリフェニルホスフィ
ン25%を含むトルエン溶液100mLを、0.5Lの
上下攪拌式オートクレーブに仕込み、室温で水性ガス
(H2 :CO=1:1(容量比)、以下の実施例も同
じ)を通入し、20kg/cm2 Gに加圧した後、13
0℃に昇温し2時間攪拌処理した。処理後、室温まで降
温し、水性ガスを放圧し、静置した。次いで、油相(有
機相)と水相を分離し、各相のロジウム濃度をゼーマン
原子吸光法で分析し、その結果から下式に従って、仕込
み水溶液中のロジウムが油相へ移行した量(回収率)を
求めたところ、99.6%であった。
【数1】回収率(%)={(100−水相のRh量)/
(仕込み水溶液のRh量)}×100
【0024】実施例2 市販の硝酸ロジウム水溶液(Rh濃度:5.1%)を、
水で希釈して調製したロジウム水溶液(Rh濃度:35
5.9mg/L)100mLと、トリフェニルホスフィ
ン25%を含むトルエン溶液100mLを、0.5Lの
上下攪拌式オートクレーブに仕込み、室温で水性ガスを
通入し、20kg/cm2 Gに加圧した後、130℃に
昇温し2時間攪拌処理した。処理後、室温まで降温し、
水性ガスを放圧し、静置した。次いで、油相(有機相)
と水相を分離し、各相のロジウム濃度をゼーマン原子吸
光法で分析した。その結果、ロジウムの回収率は99.
2%であった。
【0025】実施例3 塩化ロジウムを水で希釈して調製したロジウム水溶液
(Rh濃度:265.5mg/L)100mLと、トリ
フェニルホスフィン25%を含むトルエン溶液100m
Lを、0.5Lの上下攪拌式オートクレーブに仕込み、
室温で水性ガスを通入し、20kg/cm2 Gに加圧し
た後、130℃に昇温し2時間攪拌処理した。処理後、
室温まで降温し、水性ガスを放圧し、静置した。次い
で、油相(有機相)と水相を分離し、各相のロジウム濃
度をゼーマン原子吸光法で分析した。その結果、ロジウ
ムの回収率は97.2%であった。
【0026】実施例4 市販の酢酸ロジウム水溶液(Rh濃度:10%、少量の
酢酸を含む)を水で希釈して調製したロジウム水溶液
(Rh濃度:577.4mg/L)50mLと、トリフ
ェニルホスフィン25%を含むトルエン溶液50mL
を、0.5Lの上下攪拌式オートクレーブに仕込み、室
温で水性ガスを通入し、20kg/cm2 Gに加圧した
後、130℃に昇温し0.5時間、攪拌処理した。処理
後、室温まで降温し、水性ガスを放圧し、静置した。次
いで、油相(有機相)と水相を分離し、各相のロジウム
濃度をゼーマン原子吸光法で分析した。その結果、ロジ
ウムの回収率は99.9%であった。
【0027】実施例5 実施例4で使用した市販の酢酸ロジウム水溶液を水と酢
酸で希釈して調製したロジウム水溶液(Rh濃度:48
9.7mg/L、酢酸濃度15.1%)50mLと、ト
リフェニルホスフィン25%を含むトルエン溶液50m
Lを0.5Lの上下攪拌式オートクレーブに仕込み、室
温で水性ガスを通入し、20kg/cm 2 Gに加圧した
後、130℃に昇温し0.5時間、攪拌処理した。処理
後、室温まで降温し、水性ガスを放圧し、静置した。次
いで、油相(有機相)と水相を分離し、各相のロジウム
濃度をゼーマン原子吸光法で分析した。その結果、ロジ
ウムの回収率は99.8%であった。
【0028】実施例6 ロジウム−トリフェニルホスフィンを触媒としたプロピ
レンのヒドロホルミル化反応溶液から、未反応原料、生
成物のアルデヒド及び反応溶媒等を除去した後の、主と
してヒドロホルミル化高沸点物及びトリフェニルホスフ
ィンからなる溶液を、水の存在下、空気で酸化処理した
後、水相を分離して、ロジウム化合物を含有する水溶液
を得た。この水溶液(Rh濃度:146.9mg/L)
60mLとトリフェニルホスフィン25%を含むトルエ
ン溶液60mLを0.5Lの上下攪拌式オートクレーブ
に仕込み、水性ガス50kg/cm2 G雰囲気下、13
0℃で0.5時間攪拌処理した。処理後降温し、水性ガ
スを放圧し、静置して水相及び有機相(油相)に分離し
た。各相のロジウム濃度をゼーマン原子吸光法で分析し
た。その結果ロジウムの回収率は92.3%であった。
【0029】実施例7 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物及
びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、水の存在
下、空気で酸化処理した後、水相を分離して、ロジウム
化合物を含有する水溶液を得た。この水溶液に、酢酸を
添加して調製したロジウム水溶液(Rh濃度:116.
4mg/L、酢酸濃度20%)50mLを、実施例6と
同様にしてトリフェニルホスフィン20%を含むトルエ
ン溶液50mLと接触処理した。その結果、ロジウムの
回収率は99.1%であった。
【0030】実施例8 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物及
びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、1M/Lの
硫酸水溶液の存在下、空気で酸化処理した後、水相を分
離して得られたロジウム含有水溶液(Rh濃度:10
7.4mg/L)170mLと、トリフェニルホスフィ
ン25%を含むトルエン溶液50mLを0.5Lの上下
攪拌式オートクレーブに仕込み、水性ガス50kg/c
2 G雰囲気下、130℃で0.5時間攪拌処理した。
処理後降温し、水性ガスを放圧し、静置して水相及び有
機相(油相)に分離した。各相のロジウム濃度をゼーマ
ン原子吸光法で分析した。その結果ロジウムの回収率は
74.9%であった。
【0031】実施例9 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物及
びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、0.1M/
Lのモノエタノールアミン水溶液の存在下、酸化処理し
て得られたロジウム水溶液(Rh濃度:125.6mg
/L)60mLと、トリフェニルホスフィン25%を含
むトルエン溶液60mLを用い、他は実施例6と同じ条
件で処理して、油相へ移行したロジウムの回収率を求め
た。回収率は88.3%であった。
【0032】実施例10 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物及
びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、1M/Lの
モノエタノールアミン水溶液で酸化処理して得られた水
溶液(Rh濃度:245.5mg/L)を用い実施例6
と同様にしてトリフェニルホスフィン25%を含むトル
エン溶液で処理した。その結果、ロジウムの回収率は5
7.2%であった。
【0033】実施例11 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物及
びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、1M/Lの
ジエタノールアミン水溶液で酸化処理して得られた水溶
液(Rh濃度:91.9mg/L)を用い実施例6と同
様にしてトリフェニルホスフィン25%を含むトルエン
溶液で処理した。その結果、ロジウムの回収率は48.
1%であった。
【0034】実施例12 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物及
びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、1M/Lの
メチルエタノールアミン水溶液で酸化処理して得られた
水溶液(Rh濃度:97.2mg/L)を用い実施例6
と同様にしてトリフェニルホスフィン25%を含むトル
エン溶液で処理した。その結果、ロジウムの回収率は4
1.1%であった。
【0035】実施例13 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物及
びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、1M/Lの
酢酸アンモニウム水溶液で酸化処理して得られた水溶液
(Rh濃度:163.4mg/L)と、トリフェニルホ
スフィン25%を含むトルエン溶液を、水性ガス50k
g/cm2 G、130℃で4時間処理した。その結果、
ロジウムの回収率は79.6%であった。
【0036】比較例1 実施例13と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物
及びトリフェニルホスフィンからなる溶液を、1M/L
の酢酸アンモニウム水溶液で酸化処理して得られた水溶
液と、トリフェニルホスフィン25%を含むトルエン溶
液を、0.5L上下攪拌式オートクレーブに窒素下で仕
込み、130℃で6時間処理した。その結果、ロジウム
の回収率は8.7%であった。
【0037】実施例14 実施例13と同様の酢酸アンモニウム水溶液で処理して
得られたロジウム水溶液に酢酸を添加した水溶液(Rh
濃度:218mg/L、酢酸濃度20%)を用いて、実
施例13と同様に150℃で0.5時間処理した。その
結果、ロジウムの回収率は88.4%であった。
【0038】実施例15 実施例13と同様の酢酸アンモニウム水溶液で処理して
得られたロジウム水溶液に、酢酸を添加した水溶液(R
h濃度:263.2mg/L、酢酸濃度20%)とトリ
フェニルホスフィン25%を含むトルエン溶液を用い、
実施例13と同様に処理した。その結果、ロジウムの回
収率は87.4%であった。
【0039】実施例16 実施例6と同様の主としてヒドロホルミル化高沸点物お
よびトリフェニルホスフィンからなる反応液を20%酢
酸水溶液の存在下、酸化処理してロジウム含有水溶液を
得た。(Rh濃度:239.0mg/L、酢酸濃度約1
4〜15%)50mLと、トリフェニルホスフィン25
%を含むトルエン溶液50mLを0.5Lの上下攪拌式
オートクレーブに仕込み、水性ガス20kg/cm
2 G、130℃で0.5時間攪拌処理した。その結果、
ロジウムの回収率は99.9%であった。
【0040】実施例17 実施例16と同様にして得たロジウム含有水溶液(Rh
濃度:117.4mg/L)75mLと、トリフェニル
ホスフィン25%のトルエン溶液25mLを0.5Lの
上下攪拌式オートクレーブに仕込み、水性ガス20kg
/cm2 G、130℃で0.5時間攪拌処理した。処理
後、降温し、水性ガスを放圧し、静置後、油水を分離し
た。各相のロジウム濃度をゼーマン原子吸光法で分析し
た。その結果、回収率は99.9%であった。
【0041】実施例18 実施例16と同様にして得たロジウム含有水溶液(Rh
濃度:110.2mg/L)150mLと、トリフェニ
ルホスフィン25%のトルエン溶液50mLを0.5L
の誘導回転攪拌式オートクレーブに仕込み、水性ガス1
8kg/cm2G、130℃、回転数750rpmで2
時間攪拌処理した。処理後、降温し、水性ガスを放圧
し、静置後、油水を分離した。各相のロジウム濃度をゼ
ーマン原子吸光法で分析した。その結果、回収率は9
9.6%であった。
【0042】実施例19〜23 処理温度、時間、回転数、トリフェニルホスフィン(T
PP)濃度を変えた以外は実施例16と同様の方法によ
り実験を行った。結果を下記表−1に示す。
【0043】
【表1】 表−1 実施例 Rh濃度 温度 時間 回転数 TPP濃度 回収率 No mg/L ℃ Hr rpm % % 19 110.2 130 2 500 25 99.5 20 134.1 120 2 500 25 99.3 21 134.1 120 4 1000 25 99.6 22 99.4 120 2 1000 10 99.2 23 89.0 120 2 1000 5 99.1
【0044】実施例24 実施例16と同様にして得たロジウム含有水溶液(Rh
濃度:192.0mg/L)50mLと、トリフェニル
ホスフィン0.59%の混合オクテン溶液50mLを
0.5Lの上下攪拌式オートクレーブに仕込み、水性ガ
ス50kg/cm 2 G、130℃で0.5時間攪拌処理
した。処理後、降温し、水性ガスを放圧し、静置後、油
水を分離した。各相のロジウム濃度をゼーマン原子吸光
法で分析した。その結果、回収率は99.6%であっ
た。
【0045】実施例25〜26 油水比およびトリフェニルホスフィン濃度を変えた以外
は実施例24と同様の方法により実験を行った。結果を
下記表−2に示す。
【0046】
【表2】 表−2 実施例 Rh濃度 油/水 TPP濃度 反応圧力 回収率 No mg/L (容量比) % kg/cm2 ・G % 25 206.0 2 0.59 50 98.5 26 237.9 2 3.03 20 99.0
【0047】
【発明の効果】本発明方法によれば、水溶性ロジウム化
合物水溶液から、ヒドロホルミル化反応触媒としてその
まま使用することが出来るロジウム−第3級有機リン化
合物錯体溶液の有機溶媒溶液を効率よく調製することが
出来る。特に、炭素数2〜8のカルボン酸の存在下、本
発明方法を実施することにより、ロジウム水溶液から9
9%を超える回収率でロジウムを回収し、ロジウム−第
3級有機リン化合物錯体溶液の有機溶媒溶液とすること
が出来る。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年8月20日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に制約されるものではない。なお、実施例中、
「%」は特に断わらない限り、「重量%」を意味する。 実施例1 市販の硫酸ロジウム水溶液(Rh濃度:11%)を、水
で希釈して調製したロジウム水溶液(Rh濃度:29
4.2mg/L)100mLと、トリフェニルホスフィ
ン25%を含むトルエン溶液100mLを、0.5Lの
上下攪拌式オートクレーブに仕込み、室温で水性ガス
(H2 :CO=1:1(容量比)、以下の実施例も同
じ)を通入し、20kg/cm2 Gに加圧した後、13
0℃に昇温し2時間攪拌処理した。処理後、室温まで降
温し、水性ガスを放圧し、静置した。次いで、油相(有
機相)と水相を分離し、各相のロジウム濃度をゼーマン
原子吸光法で分析し、その結果から下式に従って、仕込
み水溶液中のロジウムが油相へ移行した量(回収率)を
求めたところ、99.6%であった。
【数1】回収率(%)={1−(水相のRh量/仕込み
水溶液のRh量)}×100
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07C 27/22 C07C 27/22 (72)発明者 横山 和之 岡山県倉敷市潮通三丁目10番地 三菱化学 株式会社水島事業所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ロジウム化合物水溶液と非水溶性
    第3級有機リン化合物の有機溶媒溶液とを、一酸化炭素
    を含有するガス雰囲気で接触させた後、二相分離し、ロ
    ジウム−第3級有機リン化合物錯体を含有する有機溶媒
    相を回収することを特徴とするロジウム錯体溶液の調製
    方法。
  2. 【請求項2】 水溶性ロジウム化合物水溶液と非水溶性
    第3級有機リン化合物の有機溶媒溶液とを、炭素数2〜
    8のカルボン酸の存在下、一酸化炭素を含有するガス雰
    囲気で接触させることを特徴とする請求項1に記載のロ
    ジウム錯体溶液の調製方法。
  3. 【請求項3】 水溶性ロジウム化合物が、ロジウムの無
    機酸塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の
    ロジウム錯体溶液の調製方法。
  4. 【請求項4】 水溶性ロジウム化合物が、炭素数2〜8
    のカルボン酸のロジウム塩であることを特徴とする請求
    項1又は2に記載のロジウム錯体溶液の調製方法。
  5. 【請求項5】 水溶性ロジウム化合物水溶液が、オレフ
    ィンのヒドロホルミル化反応液から回収されたロジウム
    含有水溶液であることを特徴とする請求項1乃至4の何
    れかに記載のロジウム錯体溶液の調製方法。
  6. 【請求項6】 水溶性ロジウム化合物水溶液が、オレフ
    ィンのヒドロホルミル化反応液から分離された、ロジウ
    ム含有溶液を、促進剤と水性媒体の存在下、酸化剤で処
    理して得られたロジウム含有水性液であることを特徴と
    する請求項5に記載のロジウム錯体溶液の調製方法。
  7. 【請求項7】 促進剤が炭素数2〜8のカルボン酸であ
    ることを特徴とする請求項6に記載のロジウム錯体溶液
    の調製方法。
  8. 【請求項8】 カルボン酸が酢酸であることを特徴とす
    る請求項2乃至7の何れかに記載のロジウム錯体溶液の
    調製方法。
  9. 【請求項9】 非水溶性第3級有機リン化合物がトリア
    リールホスフィンであることを特徴とする請求項1乃至
    8の何れかに記載のロジウム錯体溶液の調製方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006131573A (ja) * 2004-11-08 2006-05-25 Mitsubishi Chemicals Corp アルデヒドの製造方法
JP2007506644A (ja) * 2003-07-08 2007-03-22 ヴェー ツェー ヘレーウス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング クロロトリス(トリフェニルホスファン)ロジウム(i)の製造方法
JP2018522006A (ja) * 2015-07-28 2018-08-09 ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー 安定化された有機リン化合物溶液の調製方法

Cited By (4)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007506644A (ja) * 2003-07-08 2007-03-22 ヴェー ツェー ヘレーウス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング クロロトリス(トリフェニルホスファン)ロジウム(i)の製造方法
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