JPH10323710A - 剥離洗浄用液体ジェットのノズルおよびその形成方法 - Google Patents

剥離洗浄用液体ジェットのノズルおよびその形成方法

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JPH10323710A
JPH10323710A JP13887797A JP13887797A JPH10323710A JP H10323710 A JPH10323710 A JP H10323710A JP 13887797 A JP13887797 A JP 13887797A JP 13887797 A JP13887797 A JP 13887797A JP H10323710 A JPH10323710 A JP H10323710A
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liquid
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Shinichiro Iida
真一郎 飯田
Yoshiaki Takeishi
芳明 武石
Seiji Okada
誠司 岡田
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Nippon Steel Corp
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Sumitomo Metal Industries Ltd
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    • B21BROLLING OF METAL
    • B21B45/00Devices for surface or other treatment of work, specially combined with or arranged in, or specially adapted for use in connection with, metal-rolling mills
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱間鋼材の脱スケールような高圧液体による
表面洗浄または剥離除去を効率よく、また安価に行うこ
とができるノズルと液体ジェットの形成方法を提供す
る。 【解決手段】 液体ジェットの周囲に高圧気体ジェット
を平行して噴出する。気体ジェットの噴出速度を液体ジ
ェットの噴出速度以上とするとさらに望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鋼板や鋼管などの
鋼材の製造過程で発生する酸化スケールの剥離除去、鉄
鋼構造物やコンクリート構造物の表面付着物の剥離、洗
浄、建造物の内外壁、床、天井等の洗浄、構造物のコー
ティング材の剥離、船舶の付着物の剥離、土砂や岩盤の
掘削等に用いられる液体ジェットのノズルと液体ジェッ
トの形成方法に関する。以下、鋼材の酸化スケールの剥
離除去を例にとって本発明を説明する。
【0002】
【従来の技術】鋼板、鋼管、条鋼あるいは型鋼等の鋼材
の熱間製造工程においては鋼材表面に酸化スケールが発
生するが、この酸化スケールは圧延工程で鋼材に押し込
まれて表面疵の原因となるので圧延前には除去しなけれ
ばならない。鋼材の製造工程で発生する酸化スケール
(以下、単にスケールという)には、加熱炉内で発生す
る一次スケール、および一次スケールを除去後、熱間圧
延中に発生する二次スケールに大別される。一次スケー
ルは鋼材の成分や在炉時間によっても異なるが、一般に
厚さ数mmである。二次スケールは圧延速度や圧延温度に
よっても異なるが一般的に一次スケールより薄く数十〜
数百μm 程度である。
【0003】一次あるいは二次スケールを除去するには
従来から高圧水ジェットを噴射する方法が用いられてい
る。一次スケールの場合、加熱炉から出た直後の材料
(スラブと言う)の温度が1000℃以上あり、搬送速度も
10〜100 m/min と遅いため、高圧水の供給圧力(以下、
デスケーリング圧と言う)が比較的低くても剥離除去が
可能である。この場合のデスケーリング圧は一般的に10
0 〜150 kgf/cm2 である。
【0004】二次スケールの場合、鋼材の搬送速度も10
0 〜1200 m/minと高速であること、および鋼材温度が低
下しているため、冷却水による熱衝撃効果によってスケ
ールが破砕される効果がなくなるため、デスケーリング
圧は 150〜250 kgf/cm2 程度が必要と言われている。
【0005】近年、鋼材の多様化、高機能化、高性能化
が進み種々の元素が添加された合金鋼が多用されはじめ
た。特にSiを含有する鋼材では粘性の高いスケール
(ファイアライト:2FeO・SiO2 )が生成するな
ど、合金鋼のスケールの鋼材表面層付近の構造は、従来
の一般炭素鋼と異なり、地鉄への付着力が大きい。従っ
て、上述したデスケーリング圧ではスケールが完全には
除去されず、そのまま圧延されるためにスケール疵の問
題がおきている。
【0006】このため、デスケーリング圧の強化が順次
すすめられているが、合金鋼のスケールを完全に除去す
るには400 〜700 kgf/cm2 以上のデスケーリング圧が必
要になる。このような高圧化には、設備(高圧ポンプ、
配管、アキュムレータ、ヘッダー、ノズル等)の大改造
またはリプレースが必要であり、設備コストの上昇は言
うまでもなく、メンテナンスコストも大幅に上昇する。
したがって、低いデスケーリング圧で効率の高い脱スケ
ール法が強く望まれている。
【0007】低いデスケーリング圧で効率よく脱スケー
ルする方法として、特開昭59−76615号公報には
ノズルを鋼材に25〜100 mmまで接近させて鋼材面への衝
突力を増加させる方法が開示されている。
【0008】また、特開昭61−119322号公報に
は高圧水流量に対して2.0 〜2.5 倍の研掃材スラリーを
噴射混入せしめデスケーリングする方法が開示されてい
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前記特開昭59−76
615号公報に記載の方法は、ノズルを鋼材に25〜100m
mまで接近させるため、鋼材走行時の接触・衝突による
ノズル損傷が頻発し実用化は困難である。
【0010】また、前記特開昭61−119322号公
報に記載の研掃材投射方法は、高効率でスケール除去が
可能であるが、スケール除去後に研掃材のクリーニング
を十分に行わないと研掃材による押し込み疵が発生しや
すい。また、跳ね返った研掃材による周辺機器設備の摩
耗が発生するため、防護設備が必要であるとともに、メ
ンテナンスの問題もある。
【0011】本発明の課題は、熱間鋼材の脱スケールの
ような表面の付着物の剥離、洗浄を高効率で、かつメン
テナンスフリーで行うことのできる液体ジェット用のノ
ズルと液体ジェットの形成方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題点
に鑑み、高圧水ジェットの壊食特性に関し種々の調査と
実験を行った結果、以下の知見を得た。
【0013】(1) ノズルから噴出した液体の流速は大気
(静止状態の周囲気体)による粘性抵抗のため、徐々に
減速し運動エネルギーを失う。
【0014】(2) 周囲の気体が液体ジェットと同一方向
に運動していれば、その運動速度に依存して液体ジェッ
トの減速が抑制される。
【0015】(3) 液体と気体を同一箇所から同一方向に
噴出する場合、気体ジェットの流速が液体ジェットの流
速以上であれば、液体ジェットの減速が完全に抑制でき
る。
【0016】これらの知見に基づき、本発明者らは加圧
噴出した液体ジェットに沿って噴出した気体ジェットに
より、液体ジェットの減速を抑制し、洗浄効率を向上す
るノズルとその使用方法を想到するに至った。
【0017】本発明の要旨は以下の液体ジェットのノズ
ルおよびその形成方法にある。
【0018】(1) 液体ジェットと気体ジェットを平行に
噴出することを特徴とする剥離洗浄用液体ジェットのノ
ズル。
【0019】(2) 気体ジェットを液体ジェットの周囲か
ら噴出することを特徴とする前記(1)項に記載の剥離洗
浄用液体ジェットのノズル。
【0020】(3) 面状に噴出する液体ジェットを挟んで
面状の気体ジェットを噴出することを特徴とする前記
(1) 項に記載の剥離洗浄用液体ジェットのノズル。
【0021】(4) 前記(1) 項から(3) 項までのいずれか
1項のノズルを用い、気体ジェットの噴出速度を液体ジ
ェットの噴出速度以上とすることを特徴とする剥離洗浄
用液体ジェットの形成方法。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明者らはまず、円筒ノズルか
ら高圧液体(水)を大気中に噴出させる実験を行った。
(実験1) 図1はノズル1の出口からの液体ジェット11の噴出状
況を説明する模式図である。ノズル内径dは2 mmとし
た。
【0023】同図において、ノズル出口から距離x0 mm
までは出口流速U0 を維持するポテンシャルコア13と
呼ばれる流束が存在する領域がある。これを展開領域5
1と言う。ポテンシャルコア13の周囲には静止気体1
4との間に大きな速度勾配を有するせん断層15が存在
し、速度勾配に起因する摩擦力が高速液体ジェット11
と静止気体14との境界に生ずる。この摩擦力によって
ジェットの乱れが生じ、気体は加速され、逆に液体ジェ
ット11は減速される。
【0024】ポテンシャルコアがなくなると液体ジェッ
ト11の全域にわたって乱れが生じ、中心の速度Um
徐々に減少する。これを完全発達領域61と言う。完全
発達領域61では前述の摩擦力により液体ジェットの噴
霧化が起こる。
【0025】図2に液体ジェットの流速の測定結果を示
す。同図の縦軸は液体ジェットの初速U0 に対する中心
部の流速Um の比Um/U0 、横軸はノズル径dに対す
る噴出距離xの比x/dを表す。同図のグラフ左端の平
坦部が展開領域である。展開領域ではノズル出口の流速
0 を維持しているが、x/d=50近傍の完全発達領域
になると、流速は急激に減速する。
【0026】次に円筒ノズルから高圧気体(空気)を大
気中に噴出させる実験を行った。(実験2) 図3は円筒状のノズル2の出口からのの気体ジェット1
2の噴出状況を説明する模式図である。ノズル内径dは
2 mmとした。流線は投影法で観察した。気体ジェットの
場合も液体ジェットと同じようにポテンシャルコア13
があり、展開領域52、完全発達領域62がある。
【0027】図4に気体ジェットの流速の測定結果を示
す。気体ジェットの場合もx/d=17近傍の展開領域ま
でポテンシャルコアを維持した後、完全発達領域からは
速度が急激に減速している。図2の液体ジェットの場合
と比較して展開領域は短く、減速率も大きいが、さらに
先では減速率が液体ジェットの場合よりむしろ小さくな
っている。
【0028】次に、環状ノズルから高圧気体(空気)を
大気中に噴出させる実験を行った。(実験3) 図5は環状ノズル3の出口からの気体ジェット12の噴
出状況を説明する模式図である。ノズル内筒4は内径d
=2 mm、肉厚0.5 mm、ノズル外筒5の内径は5mm、肉厚1
mm、スリット6の幅b=1 mmとした。内筒の先端は外
側に1/5 のテーパをつけており、その突端部はR0.05mm
のエッジを形成した。また、内筒の内側16は大気開放
とした。これはエジェクター効果による負圧によって環
状流が内径側に引き込まれないようにするためである。
【0029】図6に環状ノズルから噴出する気体ジェッ
トの流速の測定結果を示す。同図において、横軸は噴出
口からの距離xをスリット幅bで除した値x/bであ
る。環状ノズルの場合も、x/b=20近傍までポテンシ
ャル・コアを維持した後、急激に減速している。
【0030】図6を図4と比較すると、展開領域は若干
長くなり、完全発達領域における減速率も円筒ノズルの
場合よりも若干小さい。これは環状ノズルの内周側では
外周側に比べてエジェクター効果よる周囲気体の加速が
大きく、噴出流の減速が小さくなったものと考えられ
る。
【0031】以上の予備実験のもと、本発明の効果を確
認するため、以下の実験を行った。
【0032】まず2重管ノズルの実験を行った(実験
4)。
【0033】図7に2重管ノズル7の液体ジェット11
と気体ジェッ12トの噴出状態を示す。このノズル7に
は内筒8から液体(水など)、内外筒の間のスリット1
0から気体(空気など)を供給する。
【0034】この2重管ノズル7では外周から噴出する
気体流12によって、展開領域51に続いて液体と気体
とが混合を開始する遷移領域71が形成されている。遷
移領域71ではポテンシャルコア13が崩れ、大きな液
滴が形成されている。大きな液滴はさらに細分化され、
すべて霧化した領域が完全発達領域61である。
【0035】液体ジェット11は気体ジェット12によ
って周囲を保護されているため減速が抑制され、液体ジ
ェット11の展開領域51は長くなり、更に遷移領域7
1が形成されることによって、完全発達領域61までの
距離が長くなる。
【0036】図8に実験4の流速の測定結果を示す。同
図中cは液体ジェット、dは気体ジェットの速度を示
す。また、液体単独での実験1、および気体単独の環状
ノズルでの実験3の結果に基づいて、同図中にa、およ
びbとして書き加えた。
【0037】同図において、外周の気体ジェット流によ
って、液体ジェットの減速は抑制され、外周の気体ジェ
ットも液体ジェットに吸引されて減速率が小さくなって
いることがわかる。
【0038】次に気体ジェットの流速が、液体ジェット
の減速抑制にどのように影響するかを調べるため、給気
圧を変化させて実験を行った。(実験5)図9に実験5
の測定結果を示す。同図の縦軸は液体の噴出速度に対す
る気体の噴出速度の比、および液体の展開領域長さと遷
移領域長さの2重目盛りとし、横軸には給気圧を示す。
【0039】同図では、気体ジェットを液体ジェットと
平行に噴出させれば、液体ジェットの展開領域を伸ばす
効果があるが、同図のB点、すなわち、気体ジェットの
噴出速度が気体ジェットの噴出速度を上回るところから
展開領域が伸びはじめている。さらに2.5 kgf/cm2 を超
えるところ(C点)から、遷移領域が伸びてくる。
【0040】図10(a) 〜(d) に前記A〜D点の各状態
における液体ジェットと気体ジェットの流速を示す。同
図(a) に示すA点の状態は気体の流速が液体の流速を下
回っている状態に相当し、同図(b) に示すB点の状態は
気体の噴出流速が液体の噴出流速と等しくなる状態に相
当する。同図(c) に示すC点の状態は気体の噴出速度は
液体の噴出速度より大きく、液体のポテンシャルコアが
終わる所で気体流速が液体流速と等しくなる状態に相当
し、同図(d) に示す状態は気体の流速が液体の流速を上
回っている状態に相当する。
【0041】図9および図10から、気体ジェットの噴
出流速が液体の噴出流速以上であれば(B点の状態)、
ポテンシャルコア長さを増大させる効果があり、さらに
展開領域で気体ジェットの流速が液体ジェット流速以上
なら(C点の状態)、遷移領域の長さを増大させる効果
があることがわかる。
【0042】図11はフラットタイプの液体ノズルに平
行して気体ジェットのノズルを配置した本発明例のノズ
ル20の概要図である。同図(a) はノズルチップ23の
中心線での断面図、同図(b) は正面図、同図(C) は断面
AAでの断面図、同図(d) は断面BBでの断面図であ
る。
【0043】ノズルチップ23の液体噴出口24の前面
にはV字状の切り込み26があり、これによってフラッ
トな液体ジェット(図示せず)が得られる。ノズルチッ
プは超硬合金、セラミックなど、耐摩耗性材で製作す
る。気体は噴出口25から噴出し、液体のフラットジェ
ットの減速を抑制する。同図例では気体噴出口13は多
数の円孔ノズルとしているが、スリット形状でもよい。
【0044】気体噴出口24は液体噴出口の両側に平行
に配置されるが、気体噴出口のノズル幅は同ノズル間隔
に対して大きいほど気体ジェットが液体ジェットを包み
込む形となり、液体ジェットの流速低下を抑制するので
より好ましいが、概ね2倍以上であればよい。
【0045】
【実施例】本発明のノズルを用いて鋼材の脱スケール試
験を行った。以下に従来法と比較しながら述べる。
【0046】供試材として、表1に示すSiキルド鋼のブ
ロック(幅400 mm×長さ1000mm×厚さ30mm)を用いた。
この鋼種は高温酸化するとファイヤライト(2FeO・Si
02 )が生成するため、スケールの剥離性が非常に悪く
なる。このブロックを電気炉により大気雰囲気下で1200
℃に加熱し、およそ2 mm厚の一次スケールを生成させ
た。さらに、前記一次スケールを通常のデスケーリング
ノズル(デスケーリング圧150 kgf/cm2 )を用いて除去
し、約3分放冷して表面におよそ0.15mm厚の二次スケー
ルを生成させた。表面温度はおよそ900 ℃であった。こ
の供試材を用いて、以下の試験を行った。
【0047】
【表1】
【0048】本発明による図7に示す2重管ノズルと、
比較用として図1に示す円筒ノズルを用いて、表2に示
す条件で脱スケール試験を行った。
【0049】
【表2】
【0050】この脱スケール試験結果を表3に示す。
【0051】
【表3】
【0052】表3に示すように、本発明の2重管ノズル
を用いると、比較例の円筒ノズルに対して同じ脱スケー
ル効果を得るのに、噴射距離を2〜4倍まで大きくする
ことができることがわかった。
【0053】前記の表3に示す試験では本発明の2重管
ノズルで満足すべき脱スケール効果(◎:スケール残存
率2%以下)が得られたのは、試験No. 4の噴射距離40
0 mm以下で、デスケーリング圧は150 kgf/cm2 であっ
た。
【0054】同じ距離条件(400 mm)で比較例の円筒ノ
ズルではデスケーリング圧をどの程度まで増圧すればよ
いのかを見極めるため、デスケーリング圧を変化させる
試験を行った。供試材の条件は表1に示す供試材に実施
例1と同様の二次スケールを生成させたものを用いた。
その結果を表4に示す。
【0055】
【表4】
【0056】表4に示すように、本発明の2重管ノズル
と同等の脱スケール効果を得るには、比較例の円筒ノズ
ルではデスケーリング圧を400 kgf/cm2 程度まで高くし
なければならない。
【0057】一方、本発明の2重管ノズルを用いればデ
スケーリングが圧150 kgf/cm2 で同様の結果を得ること
ができ、この程度であれば現有設備を大改造する必要は
ないことが確認できた。
【0058】図11は前述した本発明例のフラットジェ
ットのノズルの構造図である。
【0059】このノズルの水ジェット部は従来型のフラ
ットノズルと同じ構造である。従って、比較例として本
発明のノズルと同じものを、高圧空気を供給せずに用い
た。
【0060】本フラットノズルの脱スケール試験では、
前記実施例1の2重管ノズルの試験と同じく、表1に示
す供試材に実施例1と同様の二次スケールを生成させた
ものを用いた。また、脱スケール条件は表2と同じであ
るが、噴射距離は600 mmで一定とした。これは、鋼材の
圧延ラインで通常必要な間隔に基づいている。
【0061】表5に本試験の結果を示す。
【0062】
【表5】
【0063】表5に示すように、本発明のノズルは比較
例に比べて著しく残存スケールが減少し、顕著な効果を
持つことがわかった。
【0064】以上の説明は、鋼材の脱スケールを例に述
べたが、本発明は例えば、船舶の喫水線下に付着するフ
ジツボなどの海洋生物の除去にも適用することができ
る。従来はスパチェラで掻き落とす等の手段にて除去し
ていたが、本発明の高圧水洗浄装置を用いることによっ
て、作業能率は格段に向上し、しかも均一に剥離するこ
とができる。
【0065】
【発明の効果】本発明を、鋼材の熱間圧延ラインの脱ス
ケールに用いる場合、現有設備の大幅改造を伴うデスケ
ーリングポンプの強化をせずに、脱スケール力を強める
ので、スケールの取れにくい鋼種に対しても品質の向上
を図ることができる。また、他の条件が同じなら、ノズ
ルと鋼材との距離を離すことができ、設備故障を減少す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来型円筒ノズル出口の液体ジェットの噴出状
況を説明する模式図である。
【図2】円筒ノズルから噴出した液体ジェットの速度と
ノズル出口からの距離との関係を表すグラフである。
【図3】従来型円筒ノズルの高圧気体ジェットの噴出状
態の模式図である。
【図4】円筒ノズルから噴出した気体ジェットの速度と
ノズル出口からの距離との関係を表すグラフである。
【図5】環状ノズルの高圧気体ジェットの噴出状態の模
式図である。
【図6】環状ノズルから噴出した気体ジェットの速度と
ノズル出口からの距離との関係を表すグラフである。
【図7】本発明の高圧水洗浄装置のノズルから噴出した
液体と気体のジェットの模式図である。
【図8】本発明の2重管ノズルでの液体と気体ジェット
の速度の説明図である。
【図9】本発明の2重管ノズルで気体の供給圧を変化さ
せたときの展開領域および遷移領域長さを表す概要図で
ある。
【図10】本発明の2重管ノズルで気体の供給圧を変化
させたときの、液体と気体ジェットの速度の関係を表す
説明図である。(a) は気体流速が液体流速より小さい場
合、(b) は気体噴出速度と液体噴出速度が等しい場合、
(c) は気体噴出速度が液体噴出速度より大きく、液体の
展開領域で液体と気体の流速が等しくなる場合、(d) は
気体の速度が液体の展開領域全体で液体速度より大きい
場合である。
【図11】本発明によるフラットタイプのノズルの構造
図の一例である。同図(a) はノズルチップ中心線での断
面図、同図(b) は正面図、同図(C) は断面AAでの断面
図、同図(d) は断面BBでの断面図である。
【符号の説明】
1:液体円筒ノズル 2:気体円筒ノズル 3:気体環状ノズル 4:気体環状ノズル内筒 5:気体環状ノズル外筒 6:気体環状ノズルのスリット 7:2重管ノズル 8:2重管ノズル内筒 9:2重管ノズル外筒 10:2重管ノズルのスリット 11:液体ジェット 12:気体ジェット 13:ポテンシャルコア 14:静止気体(大気) 15:せん断層 16:気体環状ノズル内面 20:フラットジェットノズル 21:高圧水供給口 22:空気供給口 23:ノズルチップ 24:液体噴出口 25:多孔管(気体噴出口) 26:V字状切り込み 51:展開領域(液体) 52:展開領域(気体) 61:完全発達領域(液体) 62:完全発達領域(気体) 71:遷移領域(液体)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体ジェットと気体ジェットを平行に噴
    出することを特徴とする剥離洗浄用液体ジェットのノズ
    ル。
  2. 【請求項2】 気体ジェットを液体ジェットの周囲から
    噴出することを特徴とする請求項1に記載の剥離洗浄用
    液体ジェットのノズル。
  3. 【請求項3】 面状に噴出する液体ジェットを挟んで面
    状の気体ジェットを噴出することを特徴とする請求項1
    に記載の剥離洗浄用液体ジェットのノズル。
  4. 【請求項4】 請求項1から請求項3までのいずれか1
    項のノズルを用い、気体ジェットの噴出速度を液体ジェ
    ットの噴出速度以上とすることを特徴とする剥離洗浄用
    液体ジェットの形成方法。
JP13887797A 1997-05-28 1997-05-28 剥離洗浄用液体ジェットのノズルおよびその形成方法 Withdrawn JPH10323710A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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