JPH10318087A - 可変吐出量高圧ポンプ - Google Patents

可変吐出量高圧ポンプ

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JPH10318087A
JPH10318087A JP15023297A JP15023297A JPH10318087A JP H10318087 A JPH10318087 A JP H10318087A JP 15023297 A JP15023297 A JP 15023297A JP 15023297 A JP15023297 A JP 15023297A JP H10318087 A JPH10318087 A JP H10318087A
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JP
Japan
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cam
pressure
plunger
fuel
high pressure
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JP15023297A
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English (en)
Inventor
Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
Masaaki Makino
牧野  正晃
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Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Priority to DE69731241T priority patent/DE69731241T2/de
Priority to EP02008521A priority patent/EP1221552B1/en
Priority to US08/888,238 priority patent/US6016790A/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレストローク制御を行う可変吐出量高圧ポ
ンプにおいて、アイドル時のような小圧送量時に、カム
ローラとカムの衝突による騒音の発生を防止することに
ある。 【解決手段】シリンダ2内にプランジャ21を往復運動
可能に嵌挿し、インナーカム8の回転によりプランジャ
21を往復運動させて、シリンダ2の内壁面とプランジ
ャ21の端面とで形成される圧力室23内の燃料を加圧
する。加圧燃料はデリバリバルブ3より高圧流路へ圧送
される。インナーカム8は、リフト曲線の頂上部にフラ
ット部を有する形状とし、プランジャ21が最大リフト
位置において一定時間その状態を保持し、しかる後に下
降を開始するようになしてある。よって、この間に電磁
弁6の弁体73を開弁させることができるので、吸入行
程に入った時に弁体73が閉弁していることがなく、カ
ムローラとカムが離れるのを防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コモンレール(蓄
圧配管)内に蓄圧された高圧燃料をインジェクタにより
ディーゼルエンジンの各気筒へ噴射するコモンレール式
燃料噴射装置において、コモンレール内に高圧流体を圧
送するための可変吐出量高圧ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンに燃料を噴射するシ
ステムの1つとして、コモンレール噴射システムが知ら
れている。コモンレール噴射システムでは、各気筒に連
通する共通の蓄圧配管(コモンレール)が設けられ、こ
こに可変吐出量高圧ポンプによって必要な流量の高圧燃
料を圧送供給することにより、蓄圧配管の燃料圧力を一
定に保持している。蓄圧配管内の高圧燃料は所定のタイ
ミングでインジェクタにより各気筒に噴射される(例え
ば、特開昭64−73166号公報等)。
【0003】図8は、このような用途に用いられる可変
吐出量高圧ポンプの一例を示すもので、シリンダ91内
には図示しないカムによって駆動されるプランジャ92
が往復動自在に嵌挿され、シリンダ91の内壁面とプラ
ンジャ92の上端面とで圧力室93を形成している。該
圧力室93の上方には電磁弁94が取り付けられてお
り、電磁弁94は、その内部に形成された低圧流路95
と圧力室93の間を開閉する弁体96を有している。
【0004】弁体96は、コイル97に通電しない図示
の状態で開弁位置にあり、燃料は、プランジャ92の下
降時に、図略の低圧供給ポンプより低圧流路95、弁体
96周りの間隙を経て圧力室93内に導入される。コイ
ル97に通電すると弁体96は上方へ吸引され、その略
円錐状の先端部がシート部98に着座して閉弁する。同
時に、プランジャ92の上昇によって、圧力室93内の
燃料が加圧され、圧力室93の側壁に設けた流路99よ
り蓄圧配管へ圧送される。
【0005】ところで、プランジャ92の上昇中は、圧
力室93内の燃料圧により弁体96に閉弁方向の力が作
用するため、弁体96は一度閉弁すると、コイル97へ
の通電を停止しても開弁しない。このため、上記構成の
可変吐出量高圧ポンプでは、蓄圧配管へ送る流量の制御
を、閉弁時期を制御する、いわゆるプレストローク制御
にて行っている。すなわち、プランジャ92が上昇行程
に移った後、直ちに閉弁せず、圧力室93内の燃料が所
定量となるまで開弁状態を保持して、余剰の燃料を低圧
流路95側へ逃がし、しかる後、閉弁して加圧を開始す
ることで、必要量の加圧流体を蓄圧配管へ圧送してい
る。
【0006】上記構成の可変吐出量高圧ポンプは、列型
の燃料噴射ポンプをベースとするものである。分配型の
インナーカム圧送式の燃料噴射ポンプについては、例え
ば特特開平7−253068号公報等に開示があり、イ
ンナーカムリング内に配した複数のプランジャを径方向
に往復動させることにより、これら複数のプランジャの
内端面側に形成される圧力室内の燃料を加圧するように
なしてある。このような構成においても、プレストロー
ク制御による圧送量の制御が行われており、その制御方
法を図9に示す。燃料は、吸入行程時に、プランジャの
下降に伴って低圧流路から圧力室内に供給され、圧送行
程時には、プランジャの上昇とともに圧力室から低圧流
路へ流出する。電磁弁のコイルに通電して低圧流路と圧
力室の間を閉鎖すると、圧力室内の燃料の加圧が開始さ
れ、その圧力が所定圧を越えると、デリバリバルブを開
いて蓄圧配管に燃料が供給される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ここで、電磁弁の開閉
を制御する電子制御ユニットは、電磁弁のコイルへの通
電を開始してから、所定の時間(T)後に通電を終了す
る。この時間(T)は、通常、個々の電磁弁のバラツ
キ、バッテリ電圧の変動を考慮して、コイルへの通電開
始後、弁体が閉弁するまでの時間(t0 )より長く設定
される(約0.5ms程度)。
【0008】ところが、このようにすると、例えば、ア
イドル時のような小圧送量時において、図10(a)に
示すように、弁体の開弁が吸入行程の開始後になってし
まうという問題があった。その場合、吸入行程になった
直後は、まだ、電磁弁の弁体は閉弁しているため、圧力
室に燃料が吸入されず、カムローラがカムから離れてジ
ャンピングする(図10(b))。電磁弁への通電が終
了すると弁体は開弁し、圧力室への吸入が再び開始され
るが、その際に、カムローラがカムに衝突して騒音を発
生するおそれがあった。特に、この騒音は、比較的騒音
の少ないアイドル時に多く発生するので、問題となりや
すい。
【0009】しかして、本発明の目的は、プレストロー
ク制御を行う可変吐出量高圧ポンプにおいて、アイドル
時のような小圧送量時においても、カムローラがカムか
ら離れることがなく、カムローラとカムの衝突による騒
音の発生を防止することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明請求項1の構成に
おいて、可変吐出量高圧ポンプは、シリンダ内に往復運
動可能に嵌挿されたプランジャと、上記プランジャを上
記シリンダ内で往復運動させるカムと、上記シリンダの
内壁面と上記プランジャの端面とで形成され、低圧流路
より導入される低圧燃料を上記プランジャの往復運動に
よって加圧する圧力室と、加圧燃料を高圧流路へ圧送す
る手段と、上記カムの圧送行程において上記圧力室から
上記低圧流路にリリーフする燃料の量を調節するための
電磁弁と、該電磁弁のコイルへの通電を制御する手段と
を備えている。上記カムは、リフト曲線の頂上部にフラ
ット部を有する形状とし、上記プランジャが最大リフト
位置において一定時間その状態を保持し、しかる後に下
降を開始するようになしてある。
【0011】上記構成において、上記カムの回転により
上記プランジャがシリンダ内を上昇すると、上記圧力室
へ吸入された低圧燃料が加圧され、圧送手段によって高
圧流路へ圧送される。上記プランジャがリフトの最高位
置に達すると、圧送が終了する。
【0012】ここで、上記カムを、リフト曲線がその頂
上部においてフラットな部分を有するように形成したの
で、上記プランジャは最大リフト位置に達した後、直ち
に下降を開始せず、一定の時間その状態を保持する。従
って、この間に電磁弁の弁体を開弁させることができ
る。よって、吸入行程に入った時に弁体が閉弁している
ことがなく、カムローラとカムが離れることがないの
で、両者の衝突による騒音を防止することができる。
【0013】請求項2の構成では、上記制御手段は、上
記プランジャが最大リフト位置にある間に上記電磁弁が
開弁を終了するように制御する。これにより、吸入行程
の開始時に電磁弁が確実に開弁しているようにすること
ができる。
【0014】請求項3の構成では、上記カムのリフト頂
上部における上記フラット部を、カムの回転角度で2°
〜5°の範囲とする。これにより、上記電磁弁が開弁を
終了するに十分な時間、上記プランジャが最大リフト位
置を保持するようにできる。
【0015】請求項4の構成では、リング状に形成した
上記カムの内周面を複数のカム山を有するカム面とな
し、上記カム山の頂上部を、カム中心を中心とする円弧
状に形成する。この円弧状の部分を設けることで、上記
カムリフトの頂上部に上記フラット部を設定することが
でき、プランジャが最大リフト位置を一定の間維持する
ようにできる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可変吐出量高圧ポ
ンプをディーゼルエンジンのコモンレール噴射システム
に適用した例について説明する。図2のシステム図にお
いて、エンジンEには各気筒の燃焼室に対応する複数の
インジェクタIが配設され、これらインジェクタIは各
気筒共通の高圧蓄圧配管いわゆるコモンレールRに接続
されている。インジェクタIからエンジンEの各燃焼室
への燃料の噴射は、噴射制御用電磁弁B1のON−OF
Fにより制御され、電磁弁B1が開弁している間、コモ
ンレールR内の燃料がインジェクタIによりエンジンE
に噴射される。従って、コモンレールRには連続的に燃
料噴射圧に相当する高い所定圧の燃料が蓄圧される必要
があり、そのために高圧流路である供給配管R1、吐出
弁B2を介して、本発明の可変吐出量高圧ポンプPが接
続される。
【0017】この可変吐出量高圧ポンプPは、燃料タン
クTからフィードポンプP1を経て吸入される低圧燃料
を高圧に加圧し、コモンレールR内の燃料を高圧に制御
するものである。コモンレールRには、コモンレール圧
力を検出する圧力センサS1が配設されており、システ
ムを制御する制御手段たる電子制御ユニットECUは、
この圧力センサS1からの信号が予め負荷や回転数に応
じて設定した最適値となるように、可変吐出量高圧ポン
プPの吐出量を制御する。さらに、電子制御ユニットE
CUには、例えばエンジン回転数センサS2、負荷セン
サS3より、回転数、負荷の情報が入力され、電子制御
ユニットECUは、これらの信号により判別されるエン
ジン状態に応じた最適の噴射時期、噴射量(噴射期間)
を決定して噴射量制御用電磁弁B1に制御信号を出力す
る。
【0018】次に、図1により上記可変吐出量高圧ポン
プPの詳細について説明する。図において、ポンプハウ
ジング1内には、エンジンE(図2参照)によってエン
ジンの1/2の回転と同期して回転駆動されるドライブ
シャフトDが挿通保持されており、このドライブシャフ
トDには低圧燃料供給用のベーン式フィードポンプP1
が連結されている。フィードポンプP1はドライブシャ
フトDと一体に回転し、燃料タンクT(図2参照)から
燃料を吸入して低圧に加圧した燃料を流路11、12、
13、51を通して燃料室52に送出している。フィー
ドポンプP1の燃料吐出側と燃料吸入側とは、吐出圧力
が調節できるように図示しない圧力調整弁を介して接続
されている。このように本実施の形態では、可変吐出量
高圧ポンプPは図2に示したフィードポンプP1を内蔵
する構成となっている。
【0019】上記ドライブシャフトDは、ベアリングD
1、D2を介してポンプハウジング1に回転可能に支持
されており、その右端部には、詳細を後述するインナー
カム8が一体に形成されている。なお、本実施の形態に
おいては、ドライブシャフトDとインナーカム8は一体
となっているが、これらを別体にして継手で連結しても
よい。
【0020】ポンプハウジング1の右端開口にはヘッド
14が嵌着されており、該ヘッド14は左端中央部が突
出して上記インナーカム8内に挿通位置している。該ヘ
ッド14の左端中央部に設けたシリンダたる摺動孔2内
には、複数個のプランジャ21が往復動自在かつ摺動自
在に支持されており、各プランジャ21の内側端面と各
摺動孔2の内壁との間に圧力室23が形成されている。
圧力室23は、流路15、電磁弁6を介して上記燃料室
52に連通しており、燃料室52から低圧燃料が流入す
る燃料を加圧する加圧室として機能する。
【0021】上記電磁弁6は、図3の如く、ステータ6
5を内蔵する筒状ハウジング61と、その左端部内に嵌
装固定されるバルブボディ71を有している。ハウジン
グ61の右端開口には蓋体63が覆着されてこれを閉鎖
している。上記バルブボディ71に設けたシリンダ72
内には、弁体73が摺動可能に保持され、該弁体73の
左半部周りには環状の上記燃料室52が形成されてい
る。燃料室52は、流路51によって上記図1に示した
流路11、12、13に連通している。
【0022】上記弁体73の右端にはアーマチャ64が
圧入固定してあり、アーマチャ64は、ステータ65と
一定の間隔で対向している。該ステータ65内にはコイ
ル62が配され、ステータ65内部に設けたスプリング
室66内にはスプリング67が配設されて、上記アーマ
チャ64を図の左方に付勢している。
【0023】上記燃料室52の開口端にはスペーサ41
が配設されており、上記コイル62に通電しない図示の
状態で、上記弁体73は、上記スプリング67のばね力
によってこのスペーサ41に押圧されている。この時、
上記燃料室52は、スペーサ41に設けた流路42を介
して、上記圧力室23への流路15(図1)と連通して
いる。上記燃料室52の途中には、略円錐状のシート面
75が形成してあり、コイル62へ通電するとアーマチ
ャ64がステータ65に吸引され、弁体73の先端部7
4が、このシート面75に着座する。これにより、上記
燃料室52と上記流路15の間が閉鎖される。
【0024】図4(a)は上記インナーカム8を正面か
ら見た図で、上記複数個のプランジャ21はリング状の
インナーカム8の内側に等間隔で配置されている。各プ
ランジャ21の外側端部にはシュー24が設けられ、各
シュー24にカムローラ22が回転自在に保持されてい
る。上記インナーカム8は、このカムローラ22の外周
に摺接するように配置されており、上記インナーカム8
の内周面には、等間隔で配置された複数のカム山を有す
るカム面81が形成してある。しかして、ドライブシャ
フトDと一体となったインナーカム8が回転すると、プ
ランジャ21がシリンダ2内を往復動し、プランジャ2
1の上昇により圧力室23内の燃料を加圧する。図4
(a)はプランジャ21が最上昇点にある状態、図4
(b)はプランジャ21が最下降点にある状態を示す。
【0025】ここで、本発明では、プランジャ21が最
大リフト位置にある図4(a)の状態を一定の間保持す
るように、インナーカム8のカム山の頂上部82を、カ
ム中心Oを中心とする円弧状に形成する(図5)。この
時、インナーカム8のリフト曲線は、リフト頂上部がフ
ラット(直線)になり、インナーカム8によって駆動さ
れるプランジャ21のリフトも同様となる。よって、プ
ランジャ21は、最大リフト位置に達した後、直ちに下
降を開始せず、インナーカム8が角度θだけ回転する
間、この状態を保持する。なお、この角度θは、通常、
2°〜5°の範囲とするのがよい。
【0026】図1において、上記燃料室52内には、上
記フィードポンプP1によって約15気圧に加圧された
低圧燃料が満たされ、吸入行程時には、この低圧燃料が
上記流路15を通って上記圧力室23へ流入する。逆
に、プランジャ21が圧送する圧送行程時には、圧力室
23内の燃料は上記流路15を通って、上記燃料室5
2、流路51方向へ逆流する。この圧送行程において、
上記電磁弁6のコイル62に通電すると、弁体73が閉
弁して燃料の流出が停止し、圧力室23内の燃料が加圧
される。圧力室23内の燃料の圧力が所定値を越える
と、加圧燃料は、流路16、圧送手段であるデリバリバ
ルブ3(図2における吐出弁B2に相当)を経て、供給
配管R1よりコモンレールRに高圧燃料が供給される
(図2参照)。その供給の圧力はエンジンEの運転状態
によって異なり、200〜1200気圧である。デリバ
リバルブ3は逆止弁としての機能を持ち、弁体31とこ
れを閉弁方向に付勢するリターンスプリング32を有
し、加圧燃料が所定圧を越えると開弁するようになして
ある。
【0027】次に、上記図1〜図5を参照しながら、図
6、7を用いて上記構成の燃料噴射システムの作動につ
いて説明する。図6において、NEパルスとは、図2に
おけるエンジン回転数センサS2からの出力信号を電子
制御ユニットECU内で波形整形した後の波形である。
このNEパルスおよび負荷センサS3、圧力センサS
1、さらに図示しない水温センサ、大気圧センサからの
信号に基づいて、電子制御ユニットECUは、電磁弁6
のコイル62への通電を制御する。
【0028】図6(a)点では、図1の電磁弁6のコイ
ル62への通電は行われておらず、弁体73は、スプリ
ング67の付勢力によって開弁している。この時、燃料
室52と流路15とは連通している。圧送行程に入ると
インナーカム8のリフトが開始されるが、燃料室52と
流路15は連通しているため、圧力室23内の燃料は、
流路15、42、燃料室52を通って流出する。ここ
で、電子制御ユニットECUにより、電磁弁6のコイル
62への通電を行うと、弁体73はスプリング67の付
勢力に抗して閉弁する(図6(b)点)。なお、弁体7
3は、電磁弁6のコイル62への通電開始から、遅れ時
間(t0 )後に閉弁が終了する。
【0029】その後、プランジャ21の上昇とともに上
記圧力室23内の容積が縮小し、圧力室23内の圧力が
次第に高くなる。圧力室23内の燃料の圧力が所定圧を
越えると、流路16、デリバリバルブ3を経て、供給配
管R1よりコモンレールRに高圧燃料が供給される(図
2)。プランジャ21のリフトが最大となると(図6
(c)点)、圧送が終了する。
【0030】圧送が終了すると、次に、吸入工程に入る
が、本発明では上述したようにインナーカム8はカム山
の頂上部82を円弧状に形成し(図5)、インナーカム
8のリフト曲線が、図6(c)点から図6(d)点の間
フラットとなるようにしてある。このため、インナーカ
ム8は直ちに吸入工程に入らず、最大リフトのままで維
持される。この最大リフト区間(フラット部)は、ここ
ではインナーカム8の回転角度で5°設けられており、
この間、プランジャ21も最大リフト位置を維持する。
【0031】電子制御ユニットECUは、通電開始から
時間(T)後に通電を終了する。この時間(T)は、個
々の電磁弁6のバラツキ、バッテリ電圧の変動を考慮し
て、コイルへ62の通電を開始してから、弁体73が閉
弁するまでの時間(t0 )より長く設定している(通
常、約0.5ms程度)。このため、上述したように従
来の可変吐出量高圧ポンプでは、例えば、アイドル時の
ような小圧送量時に、電磁弁6の弁体73の開弁が、図
10に示すように吸入行程の開始後になってしまてい
た。また、電磁弁6のコイル62への通電を停止してか
ら弁体73の開弁が終了するまでに時間(t1 )を要す
る。つまり、吸入行程に入った直後は、まだ電磁弁6の
弁体73は閉弁しているため、圧力室23に燃料が吸入
されず、カムローラ22がインナーカム8から離れてジ
ャンピングし、騒音を発生するおそれがあった。
【0032】これに対し、本発明の可変吐出量高圧ポン
プでは、圧送行程と吸入行程の間にカムリフトがフラッ
トとなる部分を設けたので、この間に弁体73が開弁さ
せることができる。その後、吸入行程に入り、圧力室2
3には燃料が流入する。よって、カムローラ22とイン
ナーカム8が離れることはなく、カムローラ22とイン
ナーカム8の衝突による騒音を防止することができる。
【0033】図7は、圧送工程開始から吸入行程終了ま
での1サイクルにおけるインナーカム8のカム速度を示
すもので、圧送工程終了から吸入行程を開始するまでの
5°の間、カム速度はゼロとなる。この間、図6のカム
リフトはフラットとなる。なお、インナーカム8は略円
形であるので、このようなリフト曲線を得るためには、
この5°の区間を点Oを中心とする円弧状とし、中心O
からの距離を一定とする必要がある(図5参照)。
【0034】なお、上記各実施の形態では、インナーカ
ム式圧送の可変吐出量高圧ポンプPに限らず、フェイス
カム式圧送の可変吐出量高圧ポンプ、さらには図10に
示したような列式のプランジャによる圧送方式の可変吐
出量高圧ポンプに適用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す可変吐出量高
圧ポンプの全体断面図である。
【図2】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプを含
む燃料噴射装置の全体構成図である。
【図3】図1の部分拡大断面図である。
【図4】(a)は図1のA−A線断面図で、プランジャ
が最上昇点にある状態を示す図、(b)はプランジャが
最下降点にある状態を示す図である。
【図5】図4の部分拡大断面図である。
【図6】第1の実施の形態の可変吐出量高圧ポンプの作
動を説明するための図である。
【図7】第1の実施の形態におけるカム速度とカムリフ
トの関係を示す図である。
【図8】従来の可変吐出量高圧ポンプの全体断面図であ
る。
【図9】従来の可変吐出量高圧ポンプの作動を説明する
ための図である。
【図10】(a)は従来の可変吐出量高圧ポンプの作動
を説明するための図、(b)は(a)のB部拡大図であ
る。
【符号の説明】
P 可変吐出量高圧ポンプ R コモンレール R1 共通配管(高圧流路) 1 ポンプハウジング 11、12、13、流路(低圧流路) 15 流路 2 シリンダ 21 プランジャ 22 カムローラ 23 圧力室 3 デリバリバルブ(圧送手段) 31 弁体 32 リターンスプリング 41 スペーサ 42 流路 5 ロックアダプタ 51 流路(低圧流路) 52 燃料室 6 電磁弁 62 コイル 71 バルブボディ 73 弁体 75 シート面 8 インナーカム(カム) 81 カム面 82 頂上部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に往復運動可能に嵌挿された
    プランジャと、上記プランジャを上記シリンダ内で往復
    運動させるカムと、上記シリンダの内壁面と上記プラン
    ジャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧
    燃料を上記プランジャの往復運動によって加圧する圧力
    室と、加圧燃料を高圧流路へ圧送する手段と、上記カム
    の圧送行程において上記圧力室から上記低圧流路にリリ
    ーフする燃料の量を調節するための電磁弁と、該電磁弁
    のコイルへの通電を制御する手段とを備え、上記カム
    を、リフト曲線の頂上部にフラット部を有する形状と
    し、上記プランジャが最大リフト位置において一定時間
    その状態を保持し、しかる後に下降を開始するようにし
    たことを特徴とする可変吐出量高圧ポンプ。
  2. 【請求項2】 上記制御手段は、上記プランジャが最大
    リフト位置にある間に上記電磁弁が開弁を終了するよう
    に制御する請求項1記載の可変吐出量高圧ポンプ。
  3. 【請求項3】 上記カムのリフト頂上部における上記フ
    ラット部を、カムの回転角度で2°〜5°の範囲とした
    請求項1または2記載の可変吐出量高圧ポンプ。
  4. 【請求項4】 リング状に形成した上記カムの内周面を
    複数のカム山を有するカム面となし、上記カム山の頂上
    部を、カム中心を中心とする円弧状に形成した請求項1
    ないし3記載の可変吐出量高圧ポンプ。
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