JPH11132128A - 可変吐出量高圧ポンプ - Google Patents

可変吐出量高圧ポンプ

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JPH11132128A
JPH11132128A JP29127297A JP29127297A JPH11132128A JP H11132128 A JPH11132128 A JP H11132128A JP 29127297 A JP29127297 A JP 29127297A JP 29127297 A JP29127297 A JP 29127297A JP H11132128 A JPH11132128 A JP H11132128A
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JP
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plunger
pressure
fuel
cam
valve
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JP29127297A
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English (en)
Inventor
Shigeiku Enomoto
榎本  滋郁
Masaaki Makino
牧野  正晃
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Soken Inc
Original Assignee
Nippon Soken Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吐出量がゼロの時にインナーカムとカムロー
ラとが衝突して騒音を発生することのない可変吐出量高
圧ポンプを提供する。 【解決手段】 プランジャ21の全ての軸方向を重力の
作用方向(鉛直線方向)に対して30°〜150°とな
るように配置するので、プランジャ21とシリンダたる
摺動孔2との摩擦により、プランジャ21、カムローラ
22、及びシュー24の移動が妨げられ、重力によって
下降することはなく、インナーカム8とカムローラ22
が衝突することが無いので、ゼロ吐出量の時の騒音を低
減することができる。プランジャ21が4本の時は、プ
ランジャ21の軸方向を重力の作用方向(鉛直線方向)
に対して約45°と約135°に配置する。また、プラ
ンジャ21が2本の時は、プランジャ21の軸方向を重
力の作用方向(鉛直線方向)に対して約90°に配置す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コモンレール(蓄
圧配管)内に蓄圧された高圧燃料をインジェクタにより
ディーゼルエンジンの各気筒へ噴射するコモンレール式
燃料噴射装置において、コモンレール内に高圧燃料を圧
送するための可変吐出量高圧ポンプに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ディーゼルエンジンに燃料を噴射するシ
ステムの1つとして、コモンレール噴射システムが知ら
れている。コモンレール噴射システムでは、各気筒に連
通する共通の蓄圧配管(コモンレール)が設けられ、こ
こに可変吐出量高圧ポンプによって必要な流量の高圧燃
料を圧送供給することにより、蓄圧配管の燃料圧力を一
定に保持している。蓄圧配管内の高圧燃料は所定のタイ
ミングでインジェクタにより各気筒に噴射される(例え
ば、特開昭64−73166号公報等)。
【0003】図8は、このような従来の可変吐出量高圧
ポンプの一例を示す要部横断面図である。図8におい
て、シリンダ91内には図示しないカムによって駆動さ
れるプランジャ92が往復動自在に嵌挿され、シリンダ
91の内壁面とプランジャ92の上端面とで圧力室93
を形成している。該圧力室93の上方には電磁弁94が
取付られており、電磁弁94は、その内部に形成された
低圧流路95と圧力室93の間を開閉する弁体96を有
している。
【0004】弁体96は、コイル97に通電しない図示
の状態で開弁位置にあり、燃料は、プランジャ92の下
降時に、図略の低圧供給ポンプより低圧流路95、弁体
96周りの間隙を経て圧力室93内に導入される。コイ
ル97に通電すると弁体96は上方へ吸引され、その略
円錐状の先端部がシート部98に着座して閉弁する。同
時に、プランジャ92の上昇によって、圧力室93内の
燃料が加圧され、圧力室93の側壁に設けた流路99よ
り蓄圧配管へ圧送される。
【0005】ところで、プランジャ92の上昇中は、圧
力室93内の燃料圧により弁体96に閉弁方向の力が作
用するため、弁体96は一度閉弁すると、コイル97へ
の通電を停止しても開弁しない。このため、前記構成の
可変吐出量高圧ポンプでは、蓄圧配管へ送る流量の制御
を、閉弁時期を調整することにより制御する、いわゆる
プレストローク制御にて行っている。すなわち、プラン
ジャ92が上昇行程に移った後、直ちに閉弁せず、圧力
室93内の燃料が所定量となるまで開弁状態を保持し
て、余剰の燃料を低圧流路95側へ逃がし、しかる後、
閉弁して加圧を開始することで必要量の加圧流体を蓄圧
配管へ圧送している。
【0006】ところが、エンジンの回転数の上昇に伴
い、ポンプの送油率が高くなると、弁体96が閉弁信号
とは無関係に閉弁(自閉)するという問題が生ずる。こ
れは、プランジャ92の上昇時において、弁体96が、
下端面に圧力室93内の燃料の動圧を直接受けること、
弁体96とシート部98の間の間隙より低圧流路95へ
向けて流れる燃料の絞り効果により閉弁方向の力を受け
ること等によるもので、流量制御が適切になされないお
それがある。
【0007】この対策としては、弁体96の作動ストロ
ークを大きくするか、弁体96の復帰用スプリング力を
大きくすることが考えられるが、いずれの場合も、閉弁
応答性の低下につながる。閉弁応答性を維持するために
はコイルに通電する電力を多大にしたり、体格を大きく
して電磁弁の吸引力を増加させる必要があり、電磁弁の
電力コスト、製作コストの上昇を招くという問題があっ
た。
【0008】また、前記構成の可変吐出量高圧ポンプで
は、圧力室93への流路の開閉を電磁弁94で行ってお
り、閉弁信号に対し弁体96が着座して流路を閉鎖する
までに一定の時間を要することから、通常、この作動応
答時間を予め計算して閉弁タイミングを制御している。
ところが、エンジンの回転数が上昇し、ポンプの送油率
が高くなると、開閉動作が間に合わなくなり、十分な制
御ができなくなるおそれがあった。
【0009】そこで、本発明者等は、エンジンの回転数
が上昇し、ポンプの送油率が高い状態でも、蓄圧配管へ
圧送する流量制御が容易かつ確実にでき、しかも装置の
大型化や電力の増大を伴わないことを目的として、低圧
流路と圧力室との間を開閉する弁体と、低圧流路から圧
力室へ吸入される低圧燃料の流量を制御する弁体を別々
に設けた可変吐出量高圧ポンプを提案した(特願平9−
100939号)。
【0010】図9は特願平9−100939号におい
て、本発明者等が提案した可変吐出量高圧ポンプの構成
を示す中心軸に沿った横断面図である。図9において、
ポンプハウジング100内にはドライブシャフト101
が挿通保持されており、このドライブシャフト101と
一体に回転するフィードポンプ102によって、低圧燃
料が低圧流路103、104より、燃料溜まり105に
流入するようになしてある。
【0011】前記ドライブシャフト101の右端部に
は、インナーカム106が一体に形成されており、この
インナーカム106内には、ヘッド107の左端部が挿
通位置している。該ヘッド107の左端部内には、4個
のシリンダをなす摺動孔108が放射状に形成され(図
ではこのうち2個のみを示す)、各摺動孔108内には
プランジャ109が往復動自在に支持されている。これ
らプランジャ109の内側端面と摺動孔108の内壁と
で圧力室110が形成され、導入される燃料をプランジ
ャ109の往復動によって加圧するようになしてある。
【0012】前記燃料溜まり105より圧力室110に
至る流路には、上流側から、流量制御用の電磁弁111
および逆止弁112が配設されている。逆止弁112は
電磁弁111が開弁している間、流入する燃料の圧力で
開弁し、電磁弁111が閉弁すると閉弁する。しかし
て、電磁弁111により予め必要な流量を圧力室110
内に供給すると、逆止弁112により低圧燃料の加圧開
始時より圧送終了時まで圧力室110への流路が閉鎖さ
れるので、電磁弁111には最大の圧力でもフィード圧
(約15気圧)しか作用しない。よって、電磁弁111
の体格を大きくする等の必要がなく、コスト低減が可能
となる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】図10は、図9中の断
面C−Cにおいてインナーカム106等を正面から見
た、ゼロ吐出量(電磁弁111への通電が行われず、電
磁弁111の弁体113が閉弁し、吐出量がゼロ)の時
の作動の様子を示すC−C断面図であり、(A)は吸入
行程が終わり、圧送行程に入る直前の状態を示し、
(B)は(A)の直後のプランジャ、カムローラ、シュ
ーの状態を示し、(C)は圧送行程が終わり、吸入行程
に入る直前の状態を示す。
【0014】図9および図10に示すように、本可変吐
出量高圧ポンプでは、ヘッド107に形成されたシリン
ダたる摺動孔108が固定されており、インナーカム1
06が回転する。図10において、(A)に示されるよ
うに、ゼロ吐出量の時は、カムローラ114がインナー
カム106から離れる。そのため、4本のプランジャ1
09、カムローラ114、シュー115のうち、プラン
ジャ109a、109c、カムローラ114a、114
c、シュー115a、115cが重力によって下降し
て、(B)に示す状態となる。この時、圧力室110の
容積に変化はない。そして、インナーカム106の回転
により、インナーカム106とカムローラ114cが衝
突して、プランジャ109a、109c、カムローラ1
14a、114c、シュー115a、115cは上昇し
て、(C)に示す状態となる。この時も、圧力室110
の容積に変化がないため、可変吐出量高圧ポンプからの
吐出は行われないが、インナーカム106とカムローラ
114cが衝突することによる金属音的な耳ざわりな騒
音が発生するという問題が発生した。
【0015】可変吐出量高圧ポンプから吐出が行われて
いる時は、当然、インナーカム106とカムローラ11
4が衝突することにより騒音が発生することは仕方がな
いが、ゼロ吐出量の時にも金属的な耳ざわりな騒音が発
生するのは大幅に商品価値を低下させてしまう。本発明
は吐出量がゼロの時にインナーカムとカムローラとが衝
突して騒音を発生することのない可変吐出量高圧ポンプ
を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は前記課題を解決
するために、請求項1ないし請求項3に記載の技術的手
段を採用する。請求項1に記載の発明によれば、プラン
ジャの全ての軸方向を重力の作用方向(鉛直線方向)に
対して30°〜150°となるように配置しているの
で、プランジャとシリンダたる摺動孔との摩擦により、
プランジャ、カムローラ、及びシューの移動が妨げら
れ、重力によって下降することはなく、インナーカムと
カムローラが衝突することが無いので、ゼロ吐出量の時
の騒音を低減することができる。
【0017】また、請求項2に記載の発明によれば、プ
ランジャは4本であり、プランジャの軸方向を重力の作
用方向(鉛直線方向)に対して約45°と約135°に
配置しているので、4本の各プランジャにシリンダたる
摺動孔との摩擦力が等しく作用し、最適な摩擦条件でプ
ランジャ、カムローラ、及びシューの移動が妨げられ、
重力によって下降することはなく、インナーカムとカム
ローラが衝突することが無いので、ゼロ吐出量の時の騒
音を低減することができる。
【0018】また、請求項3に記載の発明によれば、プ
ランジャは2本であり、プランジャの軸方向を重力の作
用方向(鉛直線方向)に対して約90°に配置している
ので、2本の各プランジャにシリンダたる摺動孔との摩
擦力が等しく作用し、最適な摩擦条件でプランジャ、カ
ムローラ、及びシューの移動が妨げられ、重力によって
下降することはなく、インナーカムとカムローラが衝突
することが無いので、ゼロ吐出量の時の騒音を低減する
ことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の可変吐出量高圧ポ
ンプをディーゼルエンジンのコモンレール噴射システム
に適用した実施形態について説明する。図1ないし図5
はプランジャ21が4本の時の本発明の第1実施形態に
関するものであり、図1は可変吐出量高圧ポンプの構成
を示す中心軸に沿った横断面図、図2は図1の可変吐出
量高圧ポンプをディーゼルエンジンのコモンレール噴射
システムに適用したシステム図、図3は図1の逆止弁4
および電磁弁6付近の拡大横断面図、図4は図1中の断
面A−Aにおいて、インナーカム8を正面から見たゼロ
吐出量の時の作動の様子を示す縦断面図であり、(A)
は吸入行程が終わり、圧送行程に入る直前の状態を示
し、(B)は圧送行程が終わり、吸入行程に入る直前の
状態を示す。図5は本実施形態のコモンレール噴射シス
テムの作動を示すタイムチャートである。
【0020】図2のシステム図において、エンジンEに
は各気筒の燃焼室に対応する複数のインジェクタIが配
設され、これらインジェクタIは各気筒共通の高圧蓄圧
配管いわゆるコモンレールRに接続されている。インジ
ェクタIからエンジンEの各燃焼室への燃料の噴射は、
噴射制御用電磁弁B1のON−OFFにより制御され、
噴射制御用電磁弁B1が開弁している間、コモンレール
R内の燃料がインジェクタIによりエンジンEに噴射さ
れる。従って、コモンレールRには連続的に燃料噴射圧
に相当する高い所定圧の燃料が蓄圧される必要があり、
そのために高圧流路たる供給配管R1、吐出弁B2を介
して、本発明の可変吐出量高圧ポンプPが接続される。
【0021】この可変吐出量高圧ポンプPは、燃料タン
クTからフィードポンプP1を経て吸入される低圧燃料
を高圧に加圧し、コモンレールR内の燃料を高圧に制御
するものである。コモンレールRには、コモンレール圧
力を検出する圧力センサS1が配設されており、システ
ムを制御する制御手段たる電子制御ユニットECUは、
この圧力センサS1からの信号が予め負荷や回転数に応
じて設定した最適値となるように、可変吐出量高圧ポン
プPの吐出量を制御する。さらに、電子制御ユニットE
CUには、例えばエンジン回転数センサS2、負荷セン
サS3より、回転数、負荷の情報が入力され、電子制御
ユニットECUは、これらの信号により判別されるエン
ジン状態に応じた最適の噴射時期、噴射量(噴射期間)
を決定して噴射制御用電磁弁B1に制御信号を出力す
る。
【0022】次に、図1により前記可変吐出量高圧ポン
プPの詳細について説明する。図1において、ポンプハ
ウジング1内には、エンジンE(図2参照)によってエ
ンジンの1/2の回転と同期して回転駆動されるドライ
ブシャフトDが挿通保持されており、このドライブシャ
フトDには低圧燃料供給用のベーン式フィードポンプP
1が連結されている。フィードポンプP1はドライブシ
ャフトDと一体に回転し、燃料タンクT(図2参照)か
ら燃料を吸入して低圧に加圧した燃料を低圧流路11、
12、13、51を通して燃料溜まり52に送出してい
る。フィードポンプP1の燃料吐出側と燃料吸入側と
は、吐出圧力が調節できるように図示しない圧力調整弁
を介して接続されている。このように本実施形態では、
可変吐出量高圧ポンプPは図2に示したフィードポンプ
P1を内蔵する構成となっている。
【0023】前記ドライブシャフトDは、ベアリングD
1、D2を介してポンプハウジング1に回転可能に支持
されており、その右端部には、詳細を後述するインナー
カム8が一体に形成されている。なお、本実施形態にお
いては、ドライブシャフトDとインナーカム8は一体と
なっているが、これらを別体にして継手で連結してもよ
い。
【0024】ポンプハウジング1の右端開口にはヘッド
14が嵌着されており、該ヘッド14は左端中央部が突
出して前記インナーカム8内に挿通位置している。該ヘ
ッド14の左端中央部に設けたシリンダたる摺動孔2内
には、複数個のプランジャ21が往復動可能かつ摺動自
在に嵌挿されており、各プランジャ21の内側端面と各
摺動孔2の内壁面との間に圧力室23が形成されてい
る。圧力室23は、流路15、逆止弁4、電磁弁6を介
して前記燃料溜まり52に連通しており、燃料溜まり5
2から低圧燃料が流入する燃料を加圧する加圧室として
機能する。
【0025】図1において、前記ヘッド14の右端面に
は、内部に前記燃料溜まり52が形成されるロックアダ
プタ5が固定されている。燃料溜まり52内には前記フ
ィードポンプP1によって約15気圧に加圧された低圧
燃料が満たされ、この低圧燃料は、ロックアダプタ5お
よびヘッド14内に設けた流路を経て前記圧力室23へ
流入する。燃料溜まり52から圧力室23へ至る流路途
中には、ロックアダプタ5とヘッド14の間に挟持せし
めて逆止弁4が配設され、燃料溜まり52から圧力室2
3方向へのみ燃料が流れるようになしてある。ロックア
ダプタ5の右端部には、圧力室23への低圧燃料の流入
量を制御するための電磁弁6が配設され、該電磁弁6
は、バルブハウジング61外周に設けたフランジ63に
図示しないボルトを挿通することによって固定されてい
る。この電磁弁6と逆止弁4とで前記図2における吐出
制御装置P2を構成している。
【0026】前記逆止弁4は、図3の如く、ハウジング
42を左右方向に貫通する流路43と、該流路43を開
閉する弁体44を有する。前記流路43は、途中で前記
圧力室23方向(図の左方)に拡径して円錐状のシート
面45をなし、弁体44は、スプリングストッパ41内
に保持されるスプリング46によって右方に付勢され、
シート面45に着座している。このように、逆止弁4は
図示の通常状態で閉弁しており、前記電磁弁6が開弁し
て燃料溜まり52から低圧燃料が流入すると、燃料の圧
力で弁体44が開弁するようになしてある。
【0027】前記電磁弁6は、コイル62を内蔵するハ
ウジング61と、その左端部内に嵌装固定されるバルブ
ボディ71を有し、バルブボディ71に設けたシリンダ
72内に、弁体73を摺動可能に保持している。弁体7
3の左端部周りには環状の流路74aが形成され、該流
路74aは流路74bにて前記燃料溜まり52に連通す
るとともに、流路74cにて前記逆止弁4の流路43に
連通している。
【0028】前記弁体73の右端にはアーマチャ64が
圧入固定してあり、アーマチャ64は、ステータ65と
一定の間隔で対向している。該ステータ65の外周には
前記コイル62が配され、ステータ65内部に設けたス
プリング室66内にはスプリング67が配設されて、前
記アーマチャ64を図の左方に付勢している。流路74
cの開口端には略円錐状のシート面75が形成してあ
り、前記コイル62に通電しない図示の状態で、弁体7
3の先端部がこのシート面75に着座して前記流路74
a、74c間を閉鎖するようになしてある。コイル62
へ通電するとアーマチャ64が吸引され、これと一体の
弁体73先端部がシート面75から離れて、流路74
a、74c間を開放する。このように、電磁弁6を、非
通電状態で閉弁する構成とすることで、コイルの破損時
に燃料の圧送が行われないようにする効果がある。
【0029】図4において、前記複数個のプランジャ2
1はリング状のインナーカム8の内側に等間隔で配置さ
れている。各プランジャ21の外側端部にはシュー24
が設けられ、各シュー24にカムローラ22が回転自在
に保持されている。前記インナーカム8の内周面には、
等間隔で配置された複数のカム山を有するカム面81が
形成してある。
【0030】このように、本実施形態においては、プラ
ンジャ21c、21dは重力の作用方向(鉛直線方向)
に対しておおよそ45°で配置してあり、プランジャ2
1a、21bはおおよそ135°に配置してあるため、
プランジャ21とヘッド14のシリンダたる摺動孔2で
の摩擦により、(A)に示すようにプランジャ21、カ
ムローラ22、シュー24の移動が妨げられ、重力によ
って下降するようなことは無く、インナーカム8の回転
によって(B)に示す状態になっても、インナーカム8
とカムローラ22は衝突するようなことは無く、わずか
に接するように触れるだけである。従ってゼロ吐出量の
時の騒音を低減することができる。
【0031】また、本実施形態においては、プランジャ
21c、21dを重力の作用方向に対して45°に配置
し、プランジャ21a、21bを135°に配置した
が、重力に対してプランジャ21とシリンダたる摺動孔
2での摩擦によって、プランジャ21が動かない角度で
ある約30°〜150°であればよい。なお、図1にお
いてプランジャ21、カムローラ22、シュー24等は
図4(A)中のB−B断面を示している。
【0032】なお、従来の可変吐出量高圧ポンプでは、
プランジャ21をカム8に常時押し付けるスプリングを
配設することが多いが、本発明の可変吐出量高圧ポンプ
は吸入量制御方式であり、吸入量が少量の時にプランジ
ャ21が最下降点まで下降すると、圧力室23の減圧に
よるキャビテーションの発生のおそれがある。このた
め、本発明ではスプリングを設けておらず、プランジャ
21の往復動は、圧送時はドライブシャフトDの回転に
よるカムリフトで、吸入時は低圧燃料の圧力(フィード
圧)によって行う。よって吸入量が少ない場合には、低
圧燃料の供給分だけしかプランジャ21が移動せず、カ
ムローラ22とインナーカム8が離れるようになしてあ
る。
【0033】図1に示すように、圧力室23で加圧され
た燃料は、ポンプハウジング1の壁に設けた吐出孔16
よりデリバリバルブ3(図2における吐出弁B2に相
当)、供給配管R1を通ってコモンレールRに供給され
る(図2参照)。その供給の圧力はエンジンEの運転状
態によって異なり、200〜1200気圧である。デリ
バリバルブ3は逆止弁としての機能を持ち、弁体31と
これを閉弁方向に付勢するリターンスプリング32を有
し、加圧燃料が所定圧を越えると開弁するようになして
ある。
【0034】次に、前記図1〜図4を参照しながら、図
5を用いて前記構成のコモンレール噴射システムの作動
について説明する。図5において、NEパルスとは、図
2におけるエンジン回転数センサS2からの出力信号を
電子制御ユニットECU内で波形整形した後の波形であ
る。このNEパルスおよび負荷センサS3、圧力センサ
S1、さらに図示しない水温センサ、大気圧センサから
の信号に基づいて、電子制御ユニットECUは、電磁弁
6のコイル62への通電を制御する。
【0035】図5中(a)点では、図1の電磁弁6のコ
イル62への通電は行われておらず、弁体73は、スプ
リング67の付勢力によって閉弁しており、燃料溜まり
52と弁体73の下流の流路74cは遮断されている。
また、逆止弁4の弁体44はスプリング46の付勢力に
よって閉弁している。この図5中(a)点の状態では、
カムローラ22とインナーカム8は離れている。
【0036】圧送行程に入ると、インナーカム8のリフ
トが開始される。インナーカム8がリフトを開始して
も、プランジャ21はすぐには上昇を開始せず、インナ
ーカム8のリフト量がプランジャ21のリフト量となる
と(図5中(b)点)、カムローラ22がインナーカム
8に当接し、カムローラ22がシュー24を介してプラ
ンジャ21を押し上げる。この圧送行程において、逆止
弁4には加圧の圧力が加わるため、弁体44が開くこと
は無い。その後、プランジャ21の上昇とともに前記圧
力室23内の容積が縮小し、圧力室23内の圧力が次第
に高くなる。圧力室23内の燃料の圧力が所定圧を越え
ると、流路16、デリバリバルブ3を経て、供給配管R
1よりコモンレールRに高圧燃料が供給される(図2参
照)。プランジャ21のリフトが最大となると(図5中
(c)点)、圧送が終了する。
【0037】圧送が終了すると、次に、吸入行程に入
る。電子制御ユニットECUは、電磁弁6が開弁を開始
して吸入行程に入ると同時に全開となるように、コイル
62への通電を制御する。図5中(c)点を過ぎると吸
入行程に入り、電磁弁6の弁体73が開弁しているた
め、燃料溜まり52から流路74cに流入する低圧燃料
が、スプリング46の力に抗して逆止弁4の弁体44を
開弁し、圧力室23内に流入する。この時、流入する燃
料によってプランジャ21が下方に押し下げられ、電磁
弁6が閉弁するまで燃料の吸入が行われる。
【0038】電子制御ユニットECUからコイル62へ
の通電が遮断されると、電磁弁6の弁体73が閉弁し
(図5中(d)点)、燃料溜まり52と流路74cの
間、すなわち圧力室23との間が遮断される。燃料の流
入が停止すると逆止弁4の弁体44もスプリング46の
付勢力で閉弁する。その後もインナーカム8のカム面は
下降し続けるが、吸入が終了するとプランジャ21のリ
フトは停止して、カムローラ22とインナーカム8は離
れる。
【0039】ここで、燃料溜まり52から圧力室23へ
供給される燃料の量は、電磁弁6のコイル62への通電
時間によって制御される。図5中の点線は供給量が多い
場合で、プランジャ21は最下降点まで下降し、最大量
の燃料が圧力室23内に吸入される。電磁弁6の弁体7
3の閉弁時期を早くすると、図5に実線で示すように、
プランジャ21の下降は途中で停止し、圧力室23に流
入する燃料は減少する。
【0040】図6はプランジャ21が2本の時の本発明
の第2実施形態に関し、図1中の断面A−Aに相当する
箇所でインナーカム8を正面から見たゼロ吐出量の時の
作動の様子を示す縦断面図であり、(A)は吸入行程が
終わり、圧送行程に入る直前の状態を示し、(B)は圧
送行程が終わり、吸入行程に入る直前の状態を示す。図
6に示すように、プランジャ21が2本の場合は、重力
の作用方向(鉛直線方向)に対しほぼ90°に配置する
とよい。
【0041】図7はプランジャ21が4本の時の本発明
の第3実施形態に関し、可変吐出量高圧ポンプがエンジ
ンEに傾けて取り付けられる場合の、図1中の断面A−
Aに相当する箇所でインナーカム8を正面から見たゼロ
吐出量の時の作動の様子を示す縦断面図であり、吸入行
程が終わり、圧送行程に入る直前の状態を示す。図7に
示すように、可変吐出量高圧ポンプが取り付けられるエ
ンジンEによっては傾けて取り付けられることがある。
この場合には予めその傾き角度を考慮して、エンジンE
に取り付けた状態でプランジャ21c、21dを重力の
作用方向(鉛直線方向)に対して約45°に配置すると
共にプランジャ21a、21bを約135°に配置する
ようにする。
【図面の簡単な説明】
【図1】プランジャ21が4本の時の本発明の第1実施
形態に関するものであり、可変吐出量高圧ポンプの構成
を示す中心軸に沿った横断面図である。
【図2】プランジャ21が4本の時の本発明の第1実施
形態に関するものであり、図1の可変吐出量高圧ポンプ
をディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムに適
用したシステム図である。
【図3】プランジャ21が4本の時の本発明の第1実施
形態に関するものであり、図1の逆止弁4および電磁弁
6付近の拡大横断面図である。
【図4】プランジャ21が4本の時の本発明の第1実施
形態に関するものであり、図1中の断面A−Aにおい
て、インナーカム8を正面から見たゼロ吐出量の時の作
動の様子を示す縦断面図であり、(A)は吸入行程が終
わり、圧送行程に入る直前の状態を示し、(B)は圧送
行程が終わり、吸入行程に入る直前の状態を示す。
【図5】プランジャ21が4本の時の本発明の第1実施
形態に関するものであり、本実施形態のコモンレール噴
射システムの作動を示すタイムチャートである。
【図6】プランジャ21が2本の時の本発明の第2実施
形態に関し、図1中の断面A−Aに相当する箇所でイン
ナーカム8を正面から見たゼロ吐出量の時の作動の様子
を示す縦断面図であり、(A)は吸入行程が終わり、圧
送行程に入る直前の状態を示し、(B)は圧送行程が終
わり、吸入行程に入る直前の状態を示す。
【図7】プランジャ21が4本の時の本発明の第3実施
形態に関し、可変吐出量高圧ポンプがエンジンEに傾け
て取り付けられる場合の、図1中の断面A−Aに相当す
る箇所でインナーカム8を正面から見たゼロ吐出量の時
の作動の様子を示す縦断面図であり、吸入行程が終わ
り、圧送行程に入る直前の状態を示す。
【図8】従来の可変吐出量高圧ポンプの一例を示す要部
横断面図である。
【図9】特願平9−100939号において、本発明者
等が提案した可変吐出量高圧ポンプの構成を示す中心軸
に沿った横断面図である。
【図10】図9中の断面C−Cにおいてインナーカム1
06等を正面から見た、ゼロ吐出量の時の作動の様子を
示すC−C断面図であり、(A)は吸入行程が終わり、
圧送行程に入る直前の状態を示し、(B)は(A)の直
後のプランジャ、カムローラ、シューの状態を示し、
(C)は圧送行程が終わり、吸入行程に入る直前の状態
を示す。
【符号の説明】 2 シリンダ(摺動孔) 8 カム 11、12、13、51 低圧流路 21 プランジャ 23 圧力室

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダ内に往復運動可能に嵌挿された
    プランジャと、該プランジャを前記シリンダ内で往復運
    動させるカムと、前記シリンダの内壁面と前記プランジ
    ャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃
    料を前記プランジャの往復運動によって加圧する圧力室
    とを備える可変吐出量高圧ポンプにおいて、前記プラン
    ジャの全ての軸方向を重力の作用方向(鉛直線方向)に
    対して30°〜150°となるように配置したことを特
    徴とする可変吐出量高圧ポンプ。
  2. 【請求項2】 シリンダ内に往復運動可能に嵌挿された
    プランジャと、該プランジャを前記シリンダ内で往復運
    動させるカムと、前記シリンダの内壁面と前記プランジ
    ャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃
    料を前記プランジャの往復運動によって加圧する圧力室
    とを備える可変吐出量高圧ポンプにおいて、前記プラン
    ジャは4本であり、前記プランジャの軸方向を重力の作
    用方向(鉛直線方向)に対して約45°と約135°に
    配置したことを特徴とする可変吐出量高圧ポンプ。
  3. 【請求項3】 シリンダ内に往復運動可能に嵌挿された
    プランジャと、該プランジャを前記シリンダ内で往復運
    動させるカムと、前記シリンダの内壁面と前記プランジ
    ャの端面とで形成され、低圧流路より導入される低圧燃
    料を前記プランジャの往復運動によって加圧する圧力室
    とを備える可変吐出量高圧ポンプにおいて、前記プラン
    ジャは2本であり、前記プランジャの軸方向を重力の作
    用方向(鉛直線方向)に対して約90°に配置したこと
    を特徴とする可変吐出量高圧ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103233891A (zh) * 2011-12-21 2013-08-07 株式会社富石 旋转凸轮环流体机械

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103233891A (zh) * 2011-12-21 2013-08-07 株式会社富石 旋转凸轮环流体机械
CN103233891B (zh) * 2011-12-21 2015-10-28 株式会社富石 旋转凸轮环流体机械

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