JPH10315255A - フィルムの製造方法およびその装置 - Google Patents

フィルムの製造方法およびその装置

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JPH10315255A
JPH10315255A JP9125527A JP12552797A JPH10315255A JP H10315255 A JPH10315255 A JP H10315255A JP 9125527 A JP9125527 A JP 9125527A JP 12552797 A JP12552797 A JP 12552797A JP H10315255 A JPH10315255 A JP H10315255A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムを製造する場合にフィルムに発生す
る各種の欠点を容易に解消する方法を提供する。 【解決手段】 フィルム面に対し斜め方向から光線を投
射することにより、透過または反射光によってフィルム
の持っている欠点の像を得、この像を処理解析して欠点
の原因および/または程度を決定し、これらから変更す
べきフィルム製造条件を決定し、これをフィルム製造装
置にフィードバックしてフィルム製造条件を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、均一で高品質な、
溶融押し出しフィルムや溶液キャストフィルム等の各種
フィルムを生産性良く製造する方法ならびにその装置に
関する。より詳細には、溶融押し出しされ、あるいは溶
液をキャスト等して作製されたフィルムに生じた各種の
欠点を非接触にて検出し、画像解析することによって発
生した欠点の位置、範囲および/または外観から欠点の
原因および/または程度を判断し、欠点の解消対策を実
施する方法並びにその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】溶液キャスト法でフィルムを製造する場
合、特に製膜開始直後において乾燥条件等の不適切のた
めに各種の欠点がフィルムに発生することがある。ま
た、安定製造条件下においても何らかの要因によってフ
ィルムに欠点を生じることがあり、このような欠点の発
生はフィルムの生産を中断させその生産性を著しく低下
させる要因の一つとなっている。
【0003】ここで言うフィルムの欠点とは、例えば異
物の付着、気泡の発生、スクラッチ(微小なひっかき
傷)、転写(キャスト支持体や搬送ロールの傷等の転
写)、縦筋(例えば押し出しダイリップの影響による縦
方向の筋状の厚み変動)、横縞(横方向に生じる押し出
し量の変動や支持体の走行速度の変動等により生じる厚
み変動)、風紋およびレベリング不良(キャストフィル
ムの乾燥工程において、液膜の粘度が低い状態にあると
き、乾燥風のかく乱等によって生じるさざ波状の厚み変
動)、オイル付着等である。また、その他のフィルムの
欠点としては、キャスト支持体の裏面が時としてまだら
状に汚れることがあり、この汚れによって支持体の熱伝
導に局部的な斑を生じ、この影響がキャストされた液膜
の乾燥斑を生じ、結局最終製品であるフィルムの厚み斑
を発生させる場合のものも知られている。更にポリマー
の分解で生じたゲルの如きフィルムの内部に存在する欠
点もある。
【0004】上記欠点のうち、付着異物、気泡、スクラ
ッチ、転写、厚み斑、ゲルは従来市販の欠点検出装置で
検出ができるが、微少な物は検出困難であった。すなわ
ち、従来欠点をオンラインで検出する方法としては、例
えば、大きな付着異物、気泡等についてはフィルムの片
面から光を照射し、その反対面からカメラで検出する方
法が知られている。これは異物によって光が遮られ透過
量が変わることを利用したものであるが、この方法では
微細な欠点は検出しにくいという問題点があった。
【0005】また、縦筋、横縞、風紋、レベリング不良
等の欠点やオイル付着等の欠点は従来の技術では迅速な
検出は不可能であった。すなわち、従来は、例えば縦
筋、横縞、レベリング不良などは生産の途中でフィルム
サンプルを採取し連続厚み測定器等によりこれらを定量
評価して良否を判断し、キャストの条件にフィードバッ
クすることによって欠点を解消し安定生産条件に極力短
時間で到達しようとすることが行われているが、このよ
うな方法はサンプリング、測定およびフィルム製造条件
へのフィードバックを何回も繰り返すことが多くフィル
ムの安定生産に要する作業を煩雑にし非効率にしている
大きな要因であった。
【0006】さらに、厚み斑についてはベータ線、ガン
マ線、赤外線等の透過率の差を利用した連続厚み計が実
用されているが、これらの方法ではより小さな欠点は検
出しにくいこと、走行中のフィルムの欠点の場所やその
範囲を特定することができない等の問題があり、その解
消対策をとることはできなかった。
【0007】なお、このような諸問題の多くまたは全て
は、溶液キャストフィルムに限らず、溶融押し出しによ
って得られるフィルム等、その他のすべてのフィルムに
共通する問題であり、解決が望まれていた。特に押し出
しによって得られるフィルムについては、オイル付着の
問題に対し、サンプルを採取して一旦フィルム表面に金
属蒸着を施し、この金属蒸着の不良部分を肉眼判定する
以外の方法がなく、解決が切望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明者らは
これらの欠点の新しい検出、解消方法について鋭意検討
した結果、フィルムの表面欠点を像として得、それを画
像解析し、その結果を製造装置にフィードバックするこ
とにより、これらの欠点を容易に解消できることを見い
だし本発明に到達したものである。なお、本願明細書に
おいて「像として得る」とは肉眼で直接観察することが
できるようにすることを含む他、光学的あるいは電子的
方法等により映像データとして得ることをも意味する。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、次
の通りである。 1. フィルム製造方法において、フィルム面に対し斜
め方向から光線を投射することにより、その光線の透過
または反射によってフィルムの持っている欠点の像を得
る工程を含むことを特徴とするフィルムの製造方法。
【0010】2. フィルム製造方法において、下記
(1)〜(4)の工程を含むことを特徴とするフィルム
の製造方法。 (1)フィルム面に対し斜め方向から光線を投射するこ
とにより、その光線の透過または反射によってフィルム
の持っている欠点の像を得る工程。 (2)この像をAD変換してデジタルデータを得る工
程。 (3)このデジタルデータを画像解析することによって
フィルムに発生する欠点の位置、範囲および/または外
観から欠点の原因および/または程度を決定し、これら
の欠点の原因および/または程度のデータから変更すべ
きフィルム製造条件を決定する工程。 (4)上記(3)の変更すべきフィルム製造条件をフィ
ルム製造装置にフィードバックしてフィルム製造条件を
制御することによってフィルムの欠点を解消する工程。
【0011】3. フィルムが高分子フィルムであるこ
とを特徴とする上記1または2記載のフィルムの製造方
法。
【0012】4. フィルムがポリカーボネートフィル
ムであることを特徴とする上記1または2記載のフィル
ムの製造方法。
【0013】5. フィルムが、高分子の溶液を支持体
上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造す
る工程によって作製されるフィルムであることを特徴と
する上記1または2記載のフィルムの製造方法。
【0014】6. フィルムが、ポリカーボネートの溶
液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィル
ムを製造する工程によって作製されるフィルムであるこ
とを特徴とする上記1または2記載のフィルムの製造方
法。
【0015】7. 下記(a)〜(d)の各手段を含む
ことを特徴とするフィルムの製造装置。 (a)フィルム面に対し斜め方向から光線を投射するこ
とにより、その光線の透過または反射によってフィルム
の持っている欠点の像を得る手段。 (b)この像をAD変換してデジタルデータを得る手
段。 (c)このデジタルデータを画像解析することによって
フィルムに発生する欠点の位置、範囲および/または外
観から欠点の原因および/または程度を決定し、これら
の欠点の原因および/または程度のデータから変更すべ
きフィルム製造条件を決定する手段。 (d)上記(c)の変更すべきフィルム製造条件をフィ
ルム製造装置にフィードバックしてフィルム製造条件を
制御することによってフィルムの欠点を解消する手段。
【0016】8. フィルムが高分子フィルムであるこ
とを特徴とする上記7記載のフィルムの製造装置。
【0017】9. フィルムがポリカーボネートフィル
ムであることを特徴とする上記7記載のフィルムの製造
装置。
【0018】10. フィルムが、高分子の溶液を支持
体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造
する工程によって作製されるフィルムであることを特徴
とする上記7記載のフィルムの製造装置。
【0019】11. フィルムが、ポリカーボネートの
溶液を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィ
ルムを製造する工程によって作製されるフィルムである
ことを特徴とする上記7記載のフィルムの製造装置。
【0020】なおここで、上記2のおよび上記7につい
ては、その(1)から(4)の工程または(a)から
(d)の手段の一部を含む製造方法または製造装置であ
ることも可能である。
【0021】また、本発明に言う溶融押し出しフィルム
とは溶融されたポリマー等の素材をダイを介して押し出
し、これを冷却等して固化することにより得られるフィ
ルムであり、キャストフィルムとは溶液キャスト法によ
り作製されるフィルムのことをいい、ポリマーを所定の
溶媒に溶解させた溶液(ドープ)を支持体上に流延し、
溶媒を蒸発させて製膜することによって得られる。
【0022】本発明で溶融押しだしによってフィルムを
得ることのできるポリマーとしては例えば、ポリエチレ
ンテレフタレートやポリエチレン−2,6−ナフタレー
トに代表されるポリエステル、ポリアミド、ポリオレフ
ィンおよびこれら各種のポリマーの共重合体がある。
【0023】また、本発明でキャストフィルムの製造シ
ステムでフィルムにすることのできるポリマーの例とし
ては、芳香族ポリカーボネートに代表されるポリカーボ
ネートポリマー、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリ
エーテルスルホン、ポリビニルアルコール、セルローズ
アセテート等を挙げることができる。ここで芳香族ポリ
カーボネートとは、芳香族ジヒドロキシ化合物とホスゲ
ン、ジフェニルカーボネートの如き炭酸結合生成性の化
合物とを、反応せしめることにより得られる重合体のこ
とを言う。
【0024】上記芳香族ジヒドロキシ化合物の例として
は、具体的には以下に示す化合物を挙げることができ
る。すなわち、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−t
−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒド
ロキシ−3−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェ
ニル)プロパンなどのビス(ヒドロキシアリール)アル
カン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
シクロヘキサンなどのビス(ヒドロキシアリール)シク
ロアルカン類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエー
テル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフ
ェニルエーテルなどのジヒドロキシアリールエーテル
類、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニル
スルフィドなどのジヒドロキシアリールスルフィド類、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,
4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルスル
ホキシドなどのジヒドロキシアリールスルホキシド類、
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’
−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルフェニルスルホン
などのジヒドロキシアリールスルホン類などが挙げられ
る。
【0025】これらのうちでは特に2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)が
好ましく用いられる。これらの芳香族ジヒドロキシ化合
物は単独または組み合わせて用いることができる。
【0026】また、一般に炭酸成分の一部をテレフタル
酸および/またはイソフタル酸成分で置き換えたポリカ
ーボネートを使用することも可能である。このような構
成単位をビスフェノールAからなるポリカーボネートの
構成成分の一部に使用することにより、ポリカーボネー
トの性質、例えば耐熱性、溶解性を改良することができ
る。このような共重合体についても本発明では用いるこ
とができる。
【0027】本発明において用いることのできる芳香族
ポリカーボネートの分子量の例としては、濃度0.5g
/dlの塩化メチレン溶液中20℃での粘度測定から求
めた粘度平均分子量が10,000以上200,000
以下、好ましくは20,000以上120,000以下
の範囲のものを挙げることができる。
【0028】また、本発明において芳香族ポリカーボネ
ートの溶液を作製するために用いられる溶媒としては、
例えば、塩化メチレンまたは1,3−ジオキソランを主
体とする溶媒を挙げることができる。すなわち、塩化メ
チレンまたは1,3−ジオキソランの含有量が98.0
〜99.9重量%、エタノールとペンタノールとの混合
物の含有量が0.1〜2.0重量%である溶媒がその例
である。
【0029】芳香族ポリカーボネートの場合におけるフ
ィルム製造は例えば次のような工程を含む。すなわち、
得られた溶液をスチールベルトやドラムまたは支持体フ
ィルム(一般的にはポリエステルの2軸延伸配向フィル
ム)等の支持体上に、公知の方法によって流延製膜する
ことができる。とりわけ、本発明方法は支持体としてス
チールベルトを用いる場合に有効である。
【0030】その後、流延したフィルムを、支持体上で
乾燥機によって乾燥する。乾燥は公知の方法によって実
施できる。流延直後は液膜が極力外乱を受けないよう
に、斑なく均一に乾燥され、後半の半固化状態になった
後は熱風を吹きつけて乾燥するのが好ましい。
【0031】このようにして乾燥によって溶媒を所定量
蒸発させたフィルムを、例えばフィルムの残留溶媒量が
21〜25重量%で、かつ、支持体温度が0〜25℃の
条件下、支持体から剥離する。この時の支持体の温度
は、フィルムを剥離した直後の表面温度である。これ
は、接触式や非接触式の温度計によって測ることができ
る。剥離時は支持体の表面温度とフィルムの温度がほぼ
等しくなるようにフィルムの温度も熱風吹きつけなどに
より調節する。剥離時の溶媒含有量と支持体の温度が規
定条件を外れると、剥離時にフィルムが変形し易くなり
透明性が落ちるので好ましくない。
【0032】剥離したフィルムは、場合によっては、さ
らにピンテンター乾燥機、ロール懸垂型乾燥機等により
残留溶媒量が例えば0.5〜2.0重量%となるまで乾
燥する。より好ましくは1.0〜1.5重量%となるよ
うに乾燥する。残留溶媒量が0.5重量%以下の場合や
2.0重量%を超える場合には、一軸延伸時に光学特性
を均一化する効果がないので好ましくない。
【0033】さらにその後、あるいは上記工程の途中
に、当該フィルムを延伸する工程を設ける場合もある。
【0034】本発明の方法においては、工程(1)とし
て、フィルム、例えばキャスト乾燥され支持体より剥離
されたフィルム、に光線を投射する。光源は輝度の高い
極力平行化した光線が良い、光源としては市販のもの
(例えばウシオ電気(株)製の水銀ランプ、USHIO
MODEL UI−100)を用いることができる。
光源からの光は走行しているフィルムの面に対して斜め
方向に投射させることが必要である。こうすることによ
ってフィルムに存在する各種の欠点が拡大、強調された
像として得られることができることが見出された。すな
わち、微小な気泡や転写、スクラッチ等が明瞭に像とし
て得ることができるようになるばかりでなく、フィルム
を直接目視しただけではみることのできないフィルムの
微小な凹凸、筋状の欠点、レベリングの不良などが極め
て明瞭に目視できるようになるばあいもあり、また、透
明フィルムや透明度の高い半透明フィルムにオイル状の
物質が付着した場合にも、本発明に係る検出方法によれ
ばオイルの付着部分が灰色ないし黒色になり、像として
得ることはもちろん、目視することも可能となる場合が
多いことが判明した。これに対し通常の室内照明条件下
の観察や、光線を投射してその反射光や透過光を観察す
る場合であっても、実質的にその光線がフィルム面と直
交する場合や、光線が平行でない場合には、欠点の拡大
強調の効果は不明確であり、オイルの付着部分はほとん
ど目視できず像としても明確なものは得られなかった。
【0035】また、高さ1μ以下はもちろんのこと0.
2μ程度の微小な筋状斑やフィルムに局所的に存在する
襞状の斑も像として得ることができることが判明した。
【0036】なお、投射光の向きはフィルムの走行方向
に対して、同方向でも、逆方向でも、直角方向でも(縦
筋に対しては直角方向がむしろ望ましい)、斜め方向で
も良く、面の表側、裏側のいずれの側からの投射でも良
いが、この投射光自体は、フィルムの面に対しては斜め
である必要があることが判明した。これは斜めにするこ
とによって欠点が拡大されるからである。この原因につ
いてはフィルムの厚み斑等によっていわばレンズ効果が
生じるためと考えられているが明確ではない。更に、透
過光を使用する場合には厚いところが白っぽく薄いとこ
ろが黒っぽく強調される特徴を有することも斜めにする
効果である。
【0037】この投射光がフィルム面と成す角度は欠点
の種類、大きさ、フィルムの材質、厚さ、延伸度等によ
って影響されるため、適宜実験等で定めることができ
る。なお、フィルムの厚み変化については、投射光の方
向とフィルム面との成す角度が小さい方がより小さな厚
み変化が検出できる。このようにフィルム面と投射光と
の成す角度の最適値は、どの範囲の大きさの厚み変化を
検出するかや検出すべき欠点の種類によって異なるた
め、投射光とスクリーン等との複数の組合わせを使用す
ることも有効である。5μから500μの厚みのポリカ
ーボネートフィルムの場合において厚み斑を検出する場
合には、15゜から60゜の間がよく、特に20゜から
45゜の間が検出能力に優れることが見出された。
【0038】次に、工程(2)として、透過光および/
または反射光をスクリーンに投射して画像を結ばせる
か、または、CCD(個体映像素子)よりなるリニアセ
ンサーを設置して画像を検出する。あるいはスクリーン
に投射された画像をデジタルカメラにより撮影する方法
によりAD変換してデジタルデータを得ることもでき
る。透明なフィルムに斜め方向に光を投射すると透過に
よる像と反射による像が得られる。本発明ではどちらの
像を用いても良いが、一般的には反射像の場合の方が何
故かコントラストの良い像が得られる。
【0039】なお、CCDやリニアセンサーを使用する
場合には、フィルムの走行速度はCCDやリニアセンサ
ーの検出能力にあわせて高く設定することも可能となる
ため、肉眼で欠点を検出する場合のようにフィルム走行
速度が肉眼の検出能力によって制限される問題がなくな
る。
【0040】次に工程(3)として、かくしてリニアセ
ンサーまたはデジタルカメラによりAD変換して得られ
たデジタルデータをパソコンまたは画像解析装置に入力
し、画像処理し、分析して、キャストフィルムに発生す
る欠点の位置、範囲および/または外観から欠点の原因
および/または程度を決定し、これらの欠点の原因およ
び/または程度のデータから変更すべきフィルム製造条
件を決定する。ここで、キャストフィルムに発生する欠
点の位置、範囲および/または外観と欠点の原因および
/または程度との因果関係は予備テストにより予め決定
しておく。すなわち、発生した欠点のフィルム中におけ
る位置と範囲や欠点の形状、大きさ、色調、彩度、明
度、模様と言った外観を前もって解析し、予め決定した
欠点の原因および/または程度との因果関係に従って、
その欠点を解決するために変更すべきフィルム製造条件
を決定する。ここで、欠点を解決するために変更すべき
フィルム製造条件には乾燥条件やダイのリップ開口条件
といったものがあるが、他のフィルム製造条件を変更す
るすることも可能である。
【0041】次いで工程(4)として、工程(3)で得
られた結果である、変更すべきフィルム製造条件をフィ
ルム製造工程にフィードバックしてフィルム製造条件を
変更し各種欠点を解消する対策を実施する。例えば画像
解析の結果から、レベリング不良の画像が得られた場合
には、その原因になっている部分の形状や大きさ等によ
り工程(3)で決定した変更すべきフィルム製造条件
(乾燥機風向板の調整範囲、風量といった乾燥条件やダ
イのリップ開口条件等)に従って、工程(4)では、欠
点解消のための対策条件、すなわち、乾燥機の風量、風
速、雰囲気温度などレベリング不良に関与する条件を制
御するのである。
【0042】なお、上記の説明では、欠点の像を得る工
程が、高分子を流延し、乾燥後剥離したキャストフィル
ムについて適用されているが、その後の工程例えばフィ
ルムの延伸工程に適用することも、また、製造工程の流
れとは独立にサンプリングしたフィルムについて適用す
ることも本願発明の範疇に属する。
【0043】更に、本願発明は溶融押し出しフィルム等
の他のフィルムの製造においても利用できることが判明
した。すなわち、溶融押し出しフィルムの作製において
は、溶液キャストフィルムの場合と異なり乾燥工程を持
たないが、そのかわりに溶融ポリマーを冷却する工程が
あり、また、その後の巻き取り工程、延伸工程等は溶液
キャストフィルムの場合と類似しており、たとえば、溶
融押し出しフィルムの場合、そのオイル付着の欠点につ
いても上記説明による方法が利用できることが明らかと
なった。なお、いずれの場合においても、透過光を利用
する場合は、フィルムには、使用する光線によって投射
像が得られる程度の透明性が要求されることは言うまで
もないが、本願発明を実施するのに必要な透明性の程度
は使用する光源の照度によって左右されるので、使用す
る光源の種類、能力は、作製するフィルムの種類やその
使用環境に応じて、当業者の経験や試行錯誤により選択
することができる。また、反射光を利用する場合には、
透明なフィルムのみならず、半透明や場合によっては不
透明なフィルムにも適用できる場合が多い。
【0044】
【実施例】以下に本願発明の実施例を示す。ただし、本
願発明は下記に示す実施例により制限を受けるものでは
ない。
【0045】[実施例1]メチレンクロライドにポリカ
ーボネートを溶解し、18重量%の溶液を作製した。こ
れをスチールベルト支持体を有するキャスト機にてキャ
ストした。
【0046】キャストフィルムの幅は1,500mmで
あった。キャスト、乾燥工程を経た後、支持体より剥離
して120μm厚みのフィルムを作製した。走行中にピ
ンと張った状態のフィルムに、フィルムの下面から、走
行方向に平行に、かつフィルム面とウシオ電気(株)製
の水銀ランプ、USHIO MODEL UI−100
の光線との成す角度が30度となるように光を投射し
た。フィルムの投射像を得るためのスクリーンは、縦1
00cm、横200cmのもので、その下端がフィルム
上面の上20cmになるように、フィルムの幅方向に平
行に、かつ走行面に垂直に設置した。
【0047】投射像を目視してこのキャストフィルムに
は著しい風紋の欠点(厚み斑)があることが見出され
た。
【0048】また、投射像を市販のデジタルカメラを通
してパソコンに入力し、風紋の発生位置(フィルム幅方
向上で風紋の発生している場所)、風紋の大きさ(投射
像の濃淡の程度)を画像解析した。このデータを前もっ
て得られていた各種の風紋データと比較検討して調整す
べきフィルム製造条件を決定した。具体的には、前もっ
て得られていた各種の風紋データとの比較検討の結果、
この風紋の発生がキャスト直後の乾燥風の風速斑に起因
していると判断されたので風向調節装置とブロワーの風
速を自動調節して風紋解消対策を実施した。
【0049】このようにして、上記の投射像の画像解析
および欠点解消対策を繰り返し実施し製品フィルムを巻
き取った結果、フィルム上の風紋は次第に薄くなり(す
なわち減少し)、3回目のフィルム製造条件変更後に製
造されたフィルムでは当該風紋は完全に消失していた。
【0050】[実施例2]実施例1の改良された条件で
製膜を続行したところ、灰色ないし黒色の投射像が得ら
れた。この投射像を市販のデジタルカメラを通してパソ
コンに入力し、欠点の発生位置(フィルム幅方向上で欠
点の発生している場所)、欠点の大きさ(投射像の濃淡
の程度)を画像解析した。このデータを前もって得られ
ていた各種のデータと比較した結果、この欠点は第1バ
ックアップロールのオイル洩れによるものと推定された
ので、この部分の洩れ部分を修理し、その近辺を清掃し
た結果、当該欠点は直ちに解消した。
【0051】[実施例3]フィルムの投射像を得るため
のスクリーンをフィルムの幅方向に直交して、かつ走行
面に垂直に設置した以外は実施例2の改良条件で製膜を
続行したところ、筋状斑欠点が発生した。この投射像を
市販のデジタルカメラを通してパソコンに入力し、欠点
の発生位置(フィルム幅方向上で欠点の発生している場
所)、欠点の大きさ(投射像の濃淡の程度)を画像解析
した。このデータ(2μの筋状斑)を前もって得られて
いた各種の筋状斑と比較した結果ダイのリップ部分に異
物が付着している物と推定されたので、この部分を清掃
した結果、筋条斑欠点は直ちに解消した。
【0052】
【発明の効果】溶融押し出しフィルムや溶液キャストフ
ィルムの作製において発生する各種の欠点を迅速に検出
し、その原因を解明し直ちに原因解消対策ができるた
め、製膜の中断等を起こすことなく生産ができるので生
産効率を大幅に上げることができる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィルム製造方法において、フィルム面
    に対し斜め方向から光線を投射することにより、その光
    線の透過または反射によってフィルムの持っている欠点
    の像を得る工程を含むことを特徴とするフィルムの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 フィルム製造方法において、下記(1)
    〜(4)の工程を含むことを特徴とするフィルムの製造
    方法。 (1)フィルム面に対し斜め方向から光線を投射するこ
    とにより、その光線の透過または反射によってフィルム
    の持っている欠点の像を得る工程。 (2)この像をAD変換してデジタルデータを得る工
    程。 (3)このデジタルデータを画像解析することによって
    フィルムに発生する欠点の位置、範囲および/または外
    観から欠点の原因および/または程度を決定し、これら
    の欠点の原因および/または程度のデータから変更すべ
    きフィルム製造条件を決定する工程。 (4)上記(3)の変更すべきフィルム製造条件をフィ
    ルム製造装置にフィードバックしてフィルム製造条件を
    制御することによってフィルムの欠点を解消する工程。
  3. 【請求項3】 フィルムが高分子フィルムであることを
    特徴とする請求項1または2記載のフィルムの製造方
    法。
  4. 【請求項4】 フィルムがポリカーボネートフィルムで
    あることを特徴とする請求項1または2記載のフィルム
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 フィルムが、高分子の溶液を支持体上に
    流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する工
    程によって作製されるフィルムであることを特徴とする
    請求項1または2記載のフィルムの製造方法。
  6. 【請求項6】 フィルムが、ポリカーボネートの溶液を
    支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを
    製造する工程によって作製されるフィルムであることを
    特徴とする請求項1または2記載のフィルムの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 下記(a)〜(d)の各手段を含むこと
    を特徴とするフィルムの製造装置。 (a)フィルム面に対し斜め方向から光線を投射するこ
    とにより、その光線の透過または反射によってフィルム
    の持っている欠点の像を得る手段。 (b)この像をAD変換してデジタルデータを得る手
    段。 (c)このデジタルデータを画像解析することによって
    フィルムに発生する欠点の位置、範囲および/または外
    観から欠点の原因および/または程度を決定し、これら
    の欠点の原因および/または程度のデータから変更すべ
    きフィルム製造条件を決定する手段。 (d)上記(c)の変更すべきフィルム製造条件をフィ
    ルム製造装置にフィードバックしてフィルム製造条件を
    制御することによってフィルムの欠点を解消する手段。
  8. 【請求項8】 フィルムが高分子フィルムであることを
    特徴とする請求項7記載のフィルムの製造装置。
  9. 【請求項9】 フィルムがポリカーボネートフィルムで
    あることを特徴とする請求項7記載のフィルムの製造装
    置。
  10. 【請求項10】 フィルムが、高分子の溶液を支持体上
    に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルムを製造する
    工程によって作製されるフィルムであることを特徴とす
    る請求項7記載のフィルムの製造装置。
  11. 【請求項11】 フィルムが、ポリカーボネートの溶液
    を支持体上に流延し、乾燥後剥離してキャストフィルム
    を製造する工程によって作製されるフィルムであること
    を特徴とする請求項7記載のフィルムの製造装置。
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