JPH10307032A - ナビゲーション装置 - Google Patents

ナビゲーション装置

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JPH10307032A
JPH10307032A JP11490797A JP11490797A JPH10307032A JP H10307032 A JPH10307032 A JP H10307032A JP 11490797 A JP11490797 A JP 11490797A JP 11490797 A JP11490797 A JP 11490797A JP H10307032 A JPH10307032 A JP H10307032A
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JP
Japan
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acceleration
vehicle
data
value
speed
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JP11490797A
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English (en)
Inventor
Toshiji Baba
利治 馬場
Hiroshi Sato
宏 佐藤
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Pioneer Corp
Original Assignee
Pioneer Electronic Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の要因により加速度センサの出力にずれ
が生じた場合でも、速度及び距離を高い精度で算出する
ことのできるナビゲーション装置を提供すること。 【解決手段】 加速度センサ(Gセンサ)の出力から加
速度及び速度を算出する(S202)と共に、GPS及
びジャイロにより位置または方位を算出し(S203,
S204)、車両等の移動体が停止状態または等速度走
行状態にある場合にGセンサの出力の平均値を求め、当
該平均値に基づいてGセンサ出力のオフセット値を更新
するオフセット補正処理(S209)、速度に応じてG
PS測位による速度データによりGセンサ出力から求め
た速度データを更新する速度リセット処理(S21
0)、更には等加速度状態においてGPS測位により求
めた速度データとGセンサにより求めた速度データとの
比によりゲインを補正する処理(S211)を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、車両等の
移動体の現在位置や進行方位等を指示表示して当該移動
体の運行を支援するナビゲーション装置の技術分野に関
するもので、詳しくは加速度を検出する加速度センサの
他、車両等の車軸一回転当たりの車速パルス数に基づい
て車両等の走行距離を検出する距離センサ、あるいはG
PS(Global Positioning System)受信機、もしくは
角速度センサを備え、車両等の移動体の走行距離及び速
度を検出するナビゲーション装置の技術分野に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、例えば、自動車、航空機、船舶等
の各種の移動体のための測位装置として、移動体が現在
存在している地点を含む地図上の当該地点に当該移動体
の位置を示す位置マークを重畳して表示し、これに基づ
いて目的地までの経路誘導を行う、いわゆるナビゲーシ
ョン装置が知られている。これらのナビゲーション装置
のうち、例えば、車両等に搭載される車載用ナビゲーシ
ョン装置には、大別して自立型ナビゲーション装置とG
PS(Global Positioning System )型ナビゲーション
装置がある。
【0003】前者は、移動体に備えられた速度センサ等
により移動体の移動距離等を求め、それを基準地点に加
算して現在位置を算出し、算出した現在位置に基づい
て、表示画面上に位置マーク及び該当する地図を表示す
るものである。
【0004】また、後者は、宇宙空間に打ち上げられて
いる複数個のGPS衛星からの測位電波を受信し、受信
結果に基づいて3次元測量法又は2次元測量法により移
動体の現在位置を算出し、算出した現在位置に基づい
て、表示画面上に位置マーク及び該当する地図を表示す
るものである。
【0005】これらのうち後者のGPS測位を用いる装
置においては、予め自車の位置を地図上にセットする必
要がなく、また自車位置の測位誤差が極めて少なく高い
信頼性が得られる利点がある。
【0006】しかしながら、GPS測位は、ビル、トン
ネル内、森林等の物陰では測位できないという欠点があ
り、また、自立型測位も、積分誤差、累積誤差、温度変
化の影響、あるいは車両内外の状況等により影響を受け
易い等、検出されるデータは常に精度の良いものとは限
らず、それぞれの測位は必ずしも万全とはなっていな
い。
【0007】従って、最近ではGPS型測位と自立型測
位とが併用されてそれぞれの欠点を補うように構成され
たハイブリッド型の車載用ナビゲーション装置が一般化
しつつある。
【0008】このハイブリッド型の車載用ナビゲーショ
ン装置は精度の高い走行位置表示を行うことができる装
置であるが、自立型測位として車速センサやバックセン
サ等の予め車両に設置されているセンサを用いた測位を
採用する場合には、ナビゲーション装置と当該センサと
を電気的に接続する必要があり、接続作業が煩雑になる
という問題があった。
【0009】そこで、車両に設置されたセンサとの電気
的接続の不要なハイブリッド型の車載用ナビゲーション
装置として、加速度センサを用いたものが提案された。
この装置は、例えば半導体チップからなる加速度センサ
をナビゲーション装置に具備し、ナビゲーション装置を
車両に設置することにより、当該加速度センサからの出
力値を獲得し、当該出力値に基づいて加速度を算出した
後に当該加速度を積分して速度変化量を算出し、前回算
出した当該速度に累積する。更に当該速度を積分して移
動距離変化量を算出し前回算出した当該移動距離に累積
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のような装置にお
いて、当該加速度センサは、一般に加速度が本来「0」
であるべき時においても、実際には所定の出力値(以
下、「オフセット値」とする)を示すように調整されて
いる。そして、当該車両の加速/減速時には前記所定の
出力値を基準として、当該加速度センサの出力値が当該
車両の加速度の方向により増加あるは減少する。その増
加あるいは減少量は当該車両の加速度の大きさに比例す
るように調整されている。
【0011】従って、加速度を求める際には、加速度セ
ンサの出力値から上記オフセット値を差し引く処理を行
っていた。
【0012】また、上記加速度センサの出力値を、ナビ
ゲーション装置で実際に取り扱われる量に変換するため
に、上記加速度センサの出力値からオフセット値を引い
た値に、所定のゲインを乗じて当該実加速度が得られる
ようにしていた。
【0013】しかしながら、上記加速度センサの出力値
は、上記装置起動時、あるいは長時間(長距離)無停止
走行時、もしくは温度変化時等において変動するため、
本来得られるべき値にドリフトが生じ、しかもそのドリ
フトの大きさが一定ではないので、車両停止時における
加速度センサの出力値から上記所定のオフセット値を差
し引いても、その値が「0」にならない。
【0014】その結果、車両が停止していても少しずつ
自車位置が動いてしまい、距離誤差が発生するという問
題があった。
【0015】また、同様に上記ゲインについても、上記
装置起動時、あるいは上記装置取付角度や車両の傾斜角
の変動の相違、もしくは温度変化時等における加速度セ
ンサの出力値のドリフトに対応できず、算出される速度
及び距離に誤差を生じるという問題があった。
【0016】また、同様に、上記変化量算出手段により
上記実加速度に基づいて算出した速度データについて
も、上記実加速度を時間で積分する際に生じる積分誤差
や前回算出した当該速度データに、今回積分して得られ
た当該速度データ変化量を累積する際に生じる累積誤差
等の問題があった。
【0017】また、同様に上記移動体の移動距離につい
ても、上記実加速度を時間で2回積分する際に生じる積
分誤差や、前回算出した当該移動距離に、今回2回積分
して得られた当該移動距離変化量を累積する際に生じる
累積誤差等の問題があった。
【0018】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たもので、当該速度データと当該移動距離の算出時に積
分及び累積誤差が生じた場合、または複数の要因により
加速度センサの出力値にドリフトが生じた場合でも、速
度及び距離を高い精度で算出することのできるナビゲー
ション装置を提供することを課題としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のナビゲ
ーション装置は、上記課題を解決するために、移動体の
前後方向の加速度を検出し加速度データを出力する加速
度センサと、上記移動体の位置変化または方向変化に対
応して所定のデータを出力する変位検出手段と、上記加
速度センサから出力される加速度データに所定の演算を
施すことにより実加速度を算出する実加速度算出手段
と、上記実加速度または変位検出手段からのデータに基
づいて上記移動体の単位時間当たりの位置変化量または
方向変化量の少なくともいずれか一方を算出し所定の変
化量データを出力する変化量算出手段と、上記変化量算
出手段により出力された変化量データに基づいて上記移
動体の移動距離を算出する移動距離算出手段とを備え、
上記実加速度算出手段は、上記実加速度及び上記変位検
出手段からの出力データに基づいて上記移動体の変位状
態を検出し、上記移動体が所定状態にある際の上記加速
度センサまたは上記変位検出手段の少なくともいずれか
一方の出力データに基づいて上記演算のパラメータの値
の更新を行うことを特徴とする。
【0020】請求項1に記載のナビゲーション装置によ
れば、移動体が移動すると、加速度センサにより当該移
動体の前後方向の加速度が検出されて加速度データが出
力されると共に、変位検出手段により上記移動体の位置
変化または方向変化に対応して所定のデータが出力され
る。そして、実加速度算出手段により、上記加速度セン
サから出力される加速度データに所定の演算が施されて
実加速度が算出され、変化量算出手段により、当該実加
速度または上記変位検出手段からのデータに基づいて上
記移動体の単位時間当たりの位置変化量または方向変化
量の少なくともいずれか一方が算出され、所定の変化量
データが出力される。更に、移動距離算出手段により、
当該変化量データに基づいて上記移動体の移動距離が算
出される。
【0021】そして、本発明の上記実加速度算出手段に
より、上記実加速度及び上記変位検出手段からの出力デ
ータに基づいて上記移動体の変位状態が検出され、当該
検出結果により上記移動体が所定状態にあると判定され
ると、この際の上記出力データに基づいて、上記演算の
パラメータの値が更新される。従って、上記移動体が所
定状態の上記加速度センサまたは上記変位検出手段の少
なくともいずれか一方の上記出力データに基づいて上記
更新が行われるため、適切な値のパラメータにより上記
演算が行われ、誤差の少ない実加速度が得られる。その
結果、当該誤差の少ない実加速度により算出される上記
変化量データ、及び当該変化量データに基づいて算出さ
れる移動距離の誤差が減少する。
【0022】請求項2に記載のナビゲーション装置は、
上記請求項1に記載のナビゲーション装置において、上
記パラメータは、上記加速度データに乗ずるゲイン、ま
たはゲイン補正係数、もしくは上記加速度データから差
し引くオフセット値の少なくともいずれか一つであるこ
とを特徴とする。
【0023】請求項2に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記のように更新されるパラメータは、上記加速
度データに乗ずるゲイン、またはゲイン補正係数、もし
くは上記加速度データから差し引くオフセット値の少な
くともいずれか一つであるので、温度変化または移動体
の傾斜角の変動の相違等により上記ゲインが変動する場
合、あるいは温度変化等により上記オフセット値が変動
する場合であっても、これらのゲイン、ゲイン補正係
数、またはオフセット値は上述のように適正に更新さ
れ、上記実加速度、変化量データ、及び移動距離の誤差
が減少する。
【0024】請求項3に記載のナビゲーション装置は、
前記請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装
置において、上記実加速度算出手段が上記演算のパラメ
ータの更新を行う際の出力データを得る前記所定状態
は、前記移動体の安定状態であることを特徴とする。
【0025】請求項3に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記移動体が安定状態の上記加速度センサまたは
上記変位検出手段の少なくともいずれか一方の上記出力
データに基づいて上記更新が行われるため、適切な値の
パラメータにより上記演算が行われ、誤差の少ない実加
速度が得られる。その結果、当該誤差の少ない実加速度
により算出される上記変化量データ、及び当該変化量デ
ータに基づいて算出される移動距離の誤差が減少する。
【0026】請求項4に記載のナビゲーション装置は、
請求項2または請求項3に記載のナビゲーション装置に
おいて、上記実加速度算出手段は、上記演算として上記
加速度データからオフセット値を差し引く演算を行うと
共に、上記実加速度及び上記変位検出手段からの出力デ
ータに基づいて上記移動体の停止状態を検出し、上記移
動体が停止状態にある際に、加速度センサのオフセット
値を更新することを特徴とする。
【0027】請求項4に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度算出手段により、上記実加速度を算
出する演算として上記加速度データからオフセット値を
差し引く演算が行われ、上記実加速度及び上記変位検出
手段からの出力データに基づく上記移動体の停止状態の
検出結果により、上記移動体が停止状態にあると判定さ
れた場合には、加速度センサのオフセット値が更新され
る。従って、オフセット値が温度変化等により変動する
場合であっても、上記移動体が停止状態にあり、安定し
た値の上記出力データによって上記オフセット値が更新
されるので、適切なオフセット値により上記演算が行わ
れることになり、誤差の少ない上記実加速度が得られ
る。その結果、誤差の少ない実加速度により算出される
変化量データ、及び当該変化量データに基づいて算出さ
れる移動距離の誤差が減少する。
【0028】請求項5に記載のナビゲーション装置は、
請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のナビゲー
ション装置において、上記実加速度算出手段は、上記演
算として上記加速度データからオフセット値を差し引く
演算を行うと共に、上記実加速度及び上記変位検出手段
からの出力データに基づいて上記移動体の等速度移動状
態を検出し、上記移動体が等速度移動状態にある際に、
上記加速度センサのオフセット値を更新することを特徴
とする。
【0029】請求項5に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度算出手段により、上記実加速度を算
出する演算として上記加速度データからオフセット値を
差し引く演算が行われ、上記実加速度及び上記変位検出
手段からの出力データに基づく上記移動体の等速度移動
状態の検出結果により、上記移動体が等速度移動状態に
あると判定された場合には、加速度センサのオフセット
値が更新されるので、適切なオフセット値により上記演
算が行われることになり、長時間停止しない状態であっ
ても、誤差の少ない上記実加速度が得られる。その結
果、誤差の少ない実加速度により算出される変化量デー
タ、及び当該変化量データに基づいて算出される移動距
離の誤差が減少する。
【0030】請求項6に記載のナビゲーション装置は、
請求項4または請求項5に記載のナビゲーション装置に
おいて、上記実加速度算出手段は、上記加速度データの
平均値を算出し、当該平均値により上記加速度センサの
オフセット値を更新することを特徴とする。
【0031】請求項6に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度算出手段により、上述のように上記
移動体が停止状態あるいは等速度状態にある時に、上記
加速度データの平均値が算出され、当該平均値により上
記加速度センサのオフセット値が更新される。従って、
上記オフセット値は安定したデータにより更新されるこ
とになり、適切なオフセット値により上記演算が行われ
るので、誤差の少ない上記実加速度が得られる。その結
果、誤差の少ない実加速度により算出される変化量デー
タ、及び当該変化量データに基づいて算出される移動距
離の誤差が減少する。上記実加速度、変化量データ、及
び移動距離の誤差が減少する。
【0032】請求項7に記載のナビゲーション装置は、
請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載のナビゲー
ション装置において、上記実加速度算出手段は、上記演
算としてゲインを乗ずる演算を行うと共に、上記実加速
度及び上記変位検出手段からの出力データに基づいて上
記移動体の等速度移動状態を検出し、上記移動体が等速
度移動状態にある際に、上記変化量算出手段により上記
実加速度に基づいて算出した速度データと上記変位検出
手段からの出力データに基づいて算出した速度データと
の比に応じて、上記ゲインの値を更新することを特徴と
する。
【0033】請求項7に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度算出手段により、上記実加速度を算
出する演算としてゲインを乗ずる演算が行われ、上記実
加速度及び上記変位検出手段からの出力データに基づく
上記移動体の等速度移動状態の検出結果により、上記移
動体が等速度移動状態にあると判定された場合には、上
記変化量算出手段により算出した加速度データに基づく
速度データと上記変位検出手段からの出力データに基づ
く速度データとの比に応じて、上記ゲインの値の更新が
行われる。従って、上記ゲインが変動する場合でも上記
ゲインは適正な値に更新されることになり、適切な値の
ゲインにより上記演算が行われるので、誤差の少ない実
加速度が得られる。その結果、誤差の少ない実加速度に
基づいて算出される変化量データ、及び当該変化量デー
タに基づいて算出される移動距離の誤差が減少する。
【0034】請求項8に記載のナビゲーション装置は、
請求項7に記載のナビゲーション装置において、上記実
加速度算出手段は、上記変化量算出手段により上記実加
速度に基づいて算出した速度データの平均値と上記変位
検出手段からの出力データに基づいて算出した速度デー
タの平均値との比に応じて、上記ゲインの値を更新する
ことを特徴とする。
【0035】請求項8に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度算出手段により、上記変化量算出手
段にて算出された加速度データに基づく速度データの平
均値と上記変位検出手段からの出力データに基づく速度
データの平均値との比に応じて、上記ゲインの値の更新
が行われるので、上記ゲインが変動する場合でも上記ゲ
インは適正な値に更新されることになり、適切な値のゲ
インにより上記演算が行われ、誤差の少ない実加速度が
得られる。その結果、誤差の少ない実加速度に基づいて
算出される変化量データ、及び当該変化量データに基づ
いて算出される移動距離の誤差が減少する。
【0036】請求項9に記載のナビゲーション装置は、
請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載のナビゲー
ション装置において、上記実加速度算出手段は、上記演
算としてゲインとゲイン補正係数とを乗ずる演算を行う
と共に、上記変化量算出手段により上記実加速度及び上
記変位検出手段からの出力データに基づいて算出した加
速度変化量から、等加速度移動状態を検出し、上記移動
体が等加速度移動状態にある際に、減速時と加速時とで
独立に上記ゲイン補正係数の値を更新することを特徴と
する。
【0037】請求項9に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度算出手段により、上記実加速度を算
出する演算としてゲインとゲイン補正係数とを乗ずる演
算が行われ、上記変化量算出手段にて算出された加速度
データ及び及び上記変位検出手段からの出力データに基
づく加速度変化量による等加速度移動状態の検出の結
果、上記移動体が等加速度移動状態にあると判定された
場合には、減速時と加速時とで独立に上記ゲイン補正係
数の値が更新される。従って、減速時と加速時で上記移
動体の傾斜角の変動が相違する場合でも、適正な値に更
新されたゲイン補正係数により適正な値の実加速度が算
出され、変化量データ、及び移動距離の誤差が減少す
る。
【0038】請求項10に記載のナビゲーション装置
は、請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載のナビ
ゲーション装置において、上記変位検出手段は、少なく
とも、GPS衛星からの電波に基づいて移動***置を算
出するGPS測位手段、移動体の方向変化に伴い角速度
データを出力する角速度センサ、あるいは移動体の移動
速度を検出する速度検出手段のいずれか一つを備えてい
ることを特徴とする。
【0039】請求項10に記載のナビゲーション装置に
よれば、少なくとも、GPS衛星からの電波に基づいて
移動***置を算出するGPS測位手段、移動体の方向変
化に伴い角速度データを出力する角速度センサ、あるい
は移動体の移動速度を検出する速度検出手段のいずれか
一つにより、上記移動体の位置変化または方向変化に対
応して所定のデータが得られ、当該所定のデータは加速
度センサにより出力される加速度データに比べて精度と
信頼性の高い値であるため、当該所定のデータに基づい
て上述のような更新が行われることにより、実加速度、
変化量データ、及び移動距離の誤差が減少する。
【0040】請求項11に記載のナビゲーション装置
は、前記課題を解決するために、移動体の前後方向の加
速度を検出し加速度データを出力する加速度センサと、
上記移動体の位置変化または方向変化に対応して所定の
データを出力する変位検出手段と、上記加速度センサか
ら出力される加速度データに所定の演算を施すことによ
り実加速度を算出する実加速度算出手段と、上記実加速
度または変位検出手段からのデータに基づいて上記移動
体の単位時間当たりの位置変化量または方向変化量の少
なくともいずれか一方を算出し所定の変化量データを出
力する変化量算出手段と、上記変化量算出手段により出
力された変化量データに基づいて上記移動体の移動距離
を算出する移動距離算出手段とを備え、上記実加速度算
出手段は、減速時と加速時とで異なるパラメータを用い
て上記演算を行うことを特徴とする。
【0041】請求項11に記載のナビゲーション装置に
よれば、移動体が移動すると、加速度センサにより当該
移動体の前後方向の加速度が検出されて加速度データが
出力されると共に、変位検出手段により上記移動体の位
置変化または方向変化に対応して所定のデータが出力さ
れる。そして、実加速度算出手段により、上記加速度セ
ンサから出力される加速度データに所定の演算が施され
て実加速度が算出され、変化量算出手段により、当該実
加速度または上記変位検出手段からのデータに基づいて
上記移動体の単位時間当たりの位置変化量または方向変
化量の少なくともいずれか一方が算出され、所定の変化
量データが出力される。更に、移動距離算出手段によ
り、当該変化量データに基づいて上記移動体の移動距離
が算出される。
【0042】そして、本発明の上記実加速度算出手段に
より、減速時と加速時で上記移動体の傾斜角の変動が相
違する場合でも、その変動に応じた減速時と加速時とで
異なるパラメータにより上記演算が行われるので、誤差
の少ない実加速度が得られる。その結果、誤差の少ない
実加速度に基づいて算出される変化量データ、及び当該
変化量データに基づいて算出される移動距離の誤差が減
少する。
【0043】請求項12に記載のナビゲーション装置
は、前記請求項11に記載のナビゲーション装置におい
て、前記減速時と加速時で異なるパラメータは、ゲイン
またはオフセット値であることを特徴とする。
【0044】請求項12に記載のナビゲーション装置に
よれば、上記実加速度算出手段により、前記減速時と加
速時で異なるゲインまたはオフセット値により上記演算
が行われるので、減速時と加速時で上記移動体の傾斜角
の変動が相違する場合でも、その変動に応じたゲインま
たはオフセット値を用いて上記演算が行われることにな
り、誤差の少ない実加速度が得られる。その結果、誤差
の少ない実加速度に基づいて算出される変化量データ、
及び当該変化量データに基づいて算出される移動距離の
誤差が減少する。
【0045】
【発明の実施の形態】次に、本発明に好適な実施の形態
を図面に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態に
おいては、本発明を自動車等における車載用ナビゲーシ
ョン装置に適用した場合について説明する。
【0046】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態を図1乃至図6に基づいて説明する。
【0047】図1は、本実施形態の車載用ナビゲーショ
ン装置の全体構成を示すブロック図である。
【0048】図1に示すように、本実施形態に係る車載
用ナビゲーション装置Sは、車両の発進または停止及び
前進または後退及び加速または減速時における加速度を
検出し加速度データを出力する加速度センサ1と、例え
ば車両の方向変化の角速度を検出し、単位時間当たりの
角速度データ及び相対方位データを出力する変位検出手
段の一つとしての角速度センサ2と、例えば車軸の回転
に伴い発生する車速パルスを検出し、そのパルス数を単
位時間毎にカウントする。そして、車軸一回転当たりの
車速パルス数に基づいて単位時間当たりの移動距離を検
出し、走行距離データを出力する変位検出手段の一つと
しての速度検出手段に相当する走行距離センサ3と、G
PS衛星からの電波を受信して車両が存在する緯度、経
度、高度、速度等のGPS測位データを出力すると共
に、車両の進行方向の絶対方位データを出力する変位検
出手段の一つとしてのGPS測位手段に相当するGPS
受信機4を備えている。
【0049】また、バスライン10を介して上記加速度
センサ1、角速度センサ2、走行距離センサ3、及びG
PS受信機4から出力される、加速度データ、角速度デ
ータ及び相対方位データ、走行距離データ、GPS測位
データ及び絶対方位データに基づいて、ナビゲーション
装置全体の制御を行うシステムコントローラ5と、ユー
ザーが各種データを入力するためのリモコン装置等の入
力装置11と、地図情報を記憶したDVD−ROM(Di
gital Video(またはVersatile)Disk-Read Only Memor
y)ディスクDK1あるいはCD−ROM(Compact Dis
k Read Only Memory )ディスクDK2を、それぞれシ
ステムコントローラ5の制御下で再生するDVD−RO
Mドライブ12aあるいはCD−ROMドライブ12b
と、システムコントローラ5の制御下で各種表示データ
を表示する表示ユニット13と、システムコントローラ
5の制御下で各種音声データを再生し、出力する音響再
生ユニット18と、VICS(Vehicle Information an
d Communication System)に基づいて渋滞情報を受信す
るVICS受信部22を備えている。
【0050】システムコントローラ5は、上記各種セン
サ等とのインターフェース動作を行うインターフェース
部6と、システムコントローラ5全体を制御するCPU
7と、システムコントローラ5を制御する制御プログラ
ム等が格納されたROM(Read Only Memory)8と、入
力装置11を介してユーザーにより予め設定された経路
データ等の読み出し可能な各種データを格納するRAM
9を備えており、入力装置11、DVD−ROMドライ
ブ12aあるいはCD−ROMドライブ12b、表示ユ
ニット13及び音響再生ユニット18及びVICS受信
部22とは、バスライン10を介して接続されている。
また、上記各種センサ等とはインターフェース6及びバ
スライン10を介して接続されている。
【0051】更に、表示ユニット13は、バスライン1
0を介してCPU7から送られる制御データに基づいて
表示ユニット13全体の制御を行うグラフィックスコン
トローラ14と、VRAM(Video RAM )等のメモリか
らなる即時表示可能な画像情報を一時的に記憶するバッ
ファメモリ15と、グラフィックスコントローラ14か
ら出力される画像データに基づいて、液晶表示装置やC
RT(Cathode Ray Tube)等のディスプレイ17を表示
制御する表示制御部16を備えて構成されている。
【0052】また、音響再生ユニット18は、DVD−
ROMドライブ12aあるいはCD−ROMドライブ1
2b又はRAM9からバスライン10を介して送られる
音声ディジタル信号のD/A変換を行うD/Aコンバー
タ19と、D/Aコンバータ19から出力される音声ア
ナログ信号を増幅する増幅器20と、増幅された音声ア
ナログ信号を音声に変換して出力するスピーカ21を備
えて構成されている。
【0053】上記構成のナビゲーション装置が起動され
ると、システムコントローラ5は、まずDVD−ROM
ディスクDK1あるいはCD−ROMディスクDK2か
ら地図表示情報等をアクセスするための情報と、自車位
置マーク等の表示情報等を読み出してRAM9に記憶す
る。次に、加速度センサ1の出力値を読み取り、読み取
った出力値に基づいて後述するように車両の加速度を算
出し、算出した加速度から車両の速度及び走行距離を求
める。更に、角速度センサ2の出力値を読み取り、読み
取った出力値に基づいて相対方位データを算出し上記絶
対方位データに累積する。そして、上記走行距離データ
及び車両の進行方向の累積絶対方位データに基づいて、
自車の現在位置の演算を行い、自車の現在位置の緯度、
経度、高度を求める。自車位置に対応する地図データを
DVD−ROMディスクDK1あるいはCD−ROMデ
ィスクDK2から読み出してグラフィックスコントロー
ラ14に送り、現在地の地図をディスプレイ17に表示
する。また、随時GPS受信機4から送出されるGPS
測位データの中の自車位置情報である緯度・経度・高度
のデータと車両の進行方向の絶対方位データに基づいて
算出される速度データ等を用いて上記加速度センサ1及
び角速度センサ2の出力値から算出される各種データ等
の補正を行う。そして、その情報により自車位置マーク
の表示位置と方向及び必要に応じて表示する地図の更新
処理を行う。
【0054】このように、本実施形態のナビゲーション
装置は、加速度センサ1の出力値を利用して車両の速度
及び走行距離を求めており、加速度センサ1の信頼性を
高めるために、他のセンサ等からの情報を用いて加速度
センサ1の出力値を補正する処理を行っている。
【0055】以下、この補正処理について説明するが、
まず、本実施形態における加速度センサ1の出力値に基
づいて具体的な車両の加速度及び速度並びに走行距離の
算出方法について説明する。なお、以下に説明する処理
は、実加速度検出手段、変化量検出手段、及び移動距離
算出手段に相当し、システムコントローラ5において行
われる。
【0056】また、本実施形態においては、加速度セン
サ1により車両の前後方向(進行方向)の加速度を検出
するように、かつ、加速時の加速度センサ1の出力値か
らオフセット値を差し引いた値が正となるように上記加
速度センサ1を車両に設置したものとして説明する。
【0057】図2は本実施形態における加速度センサ1
からの出力値を処理する手段を示すブロック図である。
図2に示すように、入力する加速度Accに対応して加
速度センサ本体1aから検出回路1bを通って検出され
る加速度の電圧を、ローパスフィルタ1cでノイズを除
去した後に、12ビットのA/Dコンバータ1dでサン
プリング周期T期間にm回のA/D変換を行う。そし
て、下記(1)式を使用して平均化処理手段1eにより
サンプリング周期T期間の平均化処理を行って、サンプ
リング1T期間毎にサンプリング周期T期間の加速度セ
ンサ1の出力値のA/D変換データの平均値a'nを算出
する。
【0058】
【数1】 なお、ここで「LSB」とは、上記A/Dコンバータ1
dの出力値の大きさを示す単位で、例えばnビットのA
/Dコンバータの場合、入力電圧レンジを2n等分して
目盛りを打つことから、目盛りの間隔はFS/2n(F
Sは入力電圧レンジのフルスケール)となる。これは出
力のLSB(最下位ビット)に対応する。入力電圧がF
S/2n変化すれば、出力はLSBの1ビット分だけ変
化する。即ち、1LSB=FS/2nという大きさを単
位に用いる。
【0059】次に、加速度センサ1の出力値には予めオ
フセット値が設定されているため、この平均値a'nから
オフセット値を差し引き、更に所定のゲイン及びゲイン
補正係数を乗じることにより、車両の加速度を算出す
る。例えば、サンプリング時刻nTにおける今回の車両
の加速度An[m/s2]は、
【数2】 An = Cy・Gkn-1・Gn-1・(a'n−aoe) ・・・(2) Cy :加速度センサの出力極性 (=±1; +1:加速時の加速度センサ1の出力値か
らオフセット値を差し引いた値が正となるように設置し
た場合 −1:加速時の加速度センサ1の出力値からオフセット
値を差し引いた値が負となるように設置した場合 Gkn-1:加減速独立ゲイン補正係数(加速時と減速時で
異なる値を用いる) Gn-1 :加速度センサゲイン[m/s2/LSB](常
に一定ではなく、使用状況により変化する) a'n :加速度センサ出力[LSB] aoe :オフセット量[LSB] (温度変化時や装置起動時等により変化する) により求められる。
【0060】ここで、サンプリング周期T期間における
車両の走行状態を等加速度直線運動と仮定すると、サン
プリング時刻nTにおける今回の車両の速度変化量ΔV
n[km/h]は、
【数3】 ΔVn = (3600/1000)・An・T ・・・(3) n:サンプリング数(1,2,3,4,5・・・) T:サンプリング周期 により求められる。従ってサンプリング時刻nTにおけ
る今回の車両の速度Vn[km/h]は、
【数4】 Vn = ΔVn + Vn-1 ・・・(4) Vn-1:前回の車両の速度[km/h] となる。また、サンプリング周期T期間における車両の
走行状態を等加速度直線運動と仮定すると、サンプリン
グ時刻nTにおける今回の車両の走行距離の変化量Δd
n[m]は、
【数5】 Δdn = 1/2・An・T2 +(1000/3600)・Vn-1・T ・・・(5) となる。従って、サンプリング時刻nTにおける今回の
車両の単位時間当たりの累積走行距離Dn[m]は、
【数6】 と求められる。
【0061】以上のような演算を主にCPU7にて行う
ことにより、加速度センサ1の出力値に基づいて車両の
速度及び走行距離を求めることができ、これらを正確に
求めるためには、上記(2)式の加速度の算出を正確に
行う必要がある。
【0062】しかしながら、上記(2)式で示した加速
度センサ1の出力値のオフセット値aoeは温度変化時あ
るいは装置起動時もしくは長時間(長距離)無停止走行
時等において変動するため、上記(2)式で示したオフ
セット値aoeを固定値とすると、上記(2)式で示され
る今回の車両の加速度Anに誤差を生じ、この誤差が上
記(4)式の今回の車両の速度Vn及び上記(6)式の
今回の車両の単位時間当たりの累積走行距離Dnにも影
響を与え、誤差を生じさせる結果となってしまう。
【0063】この問題を解決するためには、車両が停止
する度に、その時の加速度センサ1の出力値の平均値
a'stopを求め、上記オフセット値aoeをこの停止時の
出力値の平均値a'stopで置き換えれば良い。
【0064】しかし、上記のような加速度センサ1の出
力値のオフセット値aoeの変動が発生すると、車両が停
止していても上記(2)式による差分部(a'n−aoe
は「0」にはならず、加速度センサ1の出力値a'nから
車両が停止した状態を判定する正確な停止判定方法がな
かった。
【0065】また、車両の停止判定を行って、上記オフ
セット値aoeの更新を行う場合でも、次の車両の発進ま
での間に上記温度変化等の影響により加速度センサ1の
出力値のオフセット値aoeが変動すると、上記(2)式
による差分部(a'n−aoe)に基づいて上記(4)式及
び(6)式により車両の速度及び単位時間当たりの累積
走行距離が計算されることになり、車両の発進後におい
て、この単位時間当たりの累積走行距離が積算されるた
めに誤差を取り除くことができなかった。
【0066】そこで、本発明は、上記のような加速度セ
ンサ1の出力値a'nが変動する状況下においても、正確
な車両の停止判定と発進判定を行って、車両の停止が確
定した場合には、次に車両の発進が確定されるまでの
間、加速度センサ1の出力値a'nから求めた車両の速度
及び単位時間当たりの累積走行距離をゼロクリアし続け
るようにしたものである。
【0067】以下、本発明の実施形態について説明する
が、まず本実施形態では、車両の正確な停止判定と発進
判定を行う具体例について説明する。
【0068】本実施形態では、一定期間の加速度センサ
1の出力値あるいは角速度センサ2の出力値が安定して
いる時、またはGPS測位時にGPS速度データが0
[km/h]であることを検出した場合に車両が停止し
ていると判定している。一方、車両の停止が確定した後
に一定期間の加速度センサ1の出力値あるいは角速度セ
ンサ2の出力値の変化量が大きくなった時、またはGP
S測位時にGPS速度データが0[km/h]ではない
ことを検出した場合に車両が発進したと判定するように
した。
【0069】具体的には、まず車両の停止判定処理にお
いては、加速度センサ1の出力値の揺り戻しが検知され
た時、あるいは加速度センサ1の出力値の標準偏差が所
定値σ以下になった時、もしくは角速度センサ2の出力
値の標準偏差が所定値s以下になった時、またはGPS
測位時にGPS速度データが0[km/h]になった時
に、車両が停止したと判定するようにした。
【0070】ここで、「揺り戻し」とは、車両の停止直
後に車両の進行方向から逆方向に急激に変化する加速度
が車両に加わり、その後、加速度が車両の前後方向に減
衰振動しながらゼロに収束していく現象を言い、余程緩
やかな停止動作を行わない限り、車種や加速度センサの
取り付け場所によらずに発生するため、この揺り戻しを
検知することにより正確な車両の停止判定を行うことが
できるものである。
【0071】図4に揺り戻し発生の際における車両の加
速度及び速度の変化例を示す。図4は横軸が時間[秒]
を表し、右側縦軸が速度[km/h]及び左側縦軸が加
速度[×10-2m/s2]を表す。また、実線で描かれ
た折線グラフは車両の加速度の測定値を表し、負の加速
度が出力されている時は、減速を行っている(ブレーキ
を含んでいる状態)時に相当する。更に、点線で描かれ
た折線グラフは車両の走行速度の測定値(車速パルス数
から換算した値)を表す。
【0072】また、実験条件については、例えば速度約
40[km/h]で定速走行後、ドライバーが日常的に
行うのと同程度の強さで減速し、停車させることにし
た。
【0073】この揺り戻しが発生するのは次のようなメ
カニズムによる。
【0074】車両が停止するために減速している時、車
両には元の速度で走り続けようとする慣性力が働くの
で、車両の車輪に対する位置は停止時よりも前(進行方
向)側になっている。この慣性力は、車両の速度変化が
小さくなるにつれて弱まり、車両を再び車輪に近づけよ
うとするサスペンションの復元力が相対的に強くなって
くる。そして、車輪が完全に停止した直後、サスペンシ
ョンの復元力が車両の慣性力を上回り、車両は一旦停止
した後、後ろ向きに急激に動き始める。これが揺り戻し
の始まりである(図4のt1以降)。この後は、サスペ
ンションの復元力により、車両は前後方向に減衰振動
し、やがて停止する。
【0075】そこで、本実施形態では、まず車両が減速
したことを検知するために、過去の所定時間の加速度セ
ンサ1の出力値の平均値が負であるか否かを判定する。
【0076】次に、車両の減速が検知されたら、上記の
ように車両が「後ろ向きに急激に動き始める」ことを検
知するために、加速度センサ1の出力値が上記進行方向
とは逆向きに変化し、所定時間内の車両の加速度の変化
量が所定値を超えたか否かを判定する。そして、これら
の判定の条件の全てが真である場合に揺り戻しが発生し
たと判定するようにした。
【0077】以下、上記揺り戻し検知を含む本実施形態
の車両の停止判定処理を図3及び図5のフローチャート
に基づいて説明する。この車両の停止判定処理は、上述
した車両の加速度等の算出処理と並行して、ナビゲーシ
ョン装置が起動されている間は常に実行されている。ま
た、図3には示していないが、加速度センサ1、角速度
センサ2、GPS受信機4の出力値を所定周期T期間毎
に行うサンプリング処理も、上記車両の加速度等の算出
処理及び車両の停止判定処理と並行して実行されてい
る。
【0078】まず、処理が開始されると、車両の停止確
定のフラグが立っているか否かが判定される(ステップ
S1)。そして、車両の停止が確定したと判定されてい
ない間は、車両の停止確定のフラグが立っていないので
(ステップS1;No)、次に、カウンタ1の値が常に
所定値uになっているか否か、即ちu個のサンプリング
データが常に存在しているか否かの判定処理に移行する
(ステップS2)。そして、カウンタ1の値が所定値u
に達していない間は、そのまま車両の停止判定処理を終
了する(ステップS2;No)。
【0079】一方、カウンタ1の値が所定値uに達して
いる時には(ステップS2;Yes)、まず上述したよ
うに、加速度センサ1の出力値の揺り戻しが検知された
か否かを判定する(ステップS3)。
【0080】この揺り戻し検知の詳細な処理は図5に示
されており、まず、車両の平均加速度が負であるか否か
により車両の減速が行われているか否かを判定する(ス
テップS20)。この車両の平均加速度とは、上述のよ
うなu個のサンプリングデータの平均値である。そし
て、車両の減速が行われていなかった場合には(ステッ
プS20;No)、揺り戻し検知処理を終了して図3の
ステップS4の処理に移行する。
【0081】また、車両の減速が行われていた場合には
(ステップS20;Yes)、車両の最新加速度が正で
あるか否かを判定する(ステップS21)。そして、車
両の最新加速度が正でない場合には(ステップS21;
No)、揺り戻しが始まっていないとして揺り戻し検知
処理を終了して図3のステップS4の処理に移行する。
【0082】一方、車両の最新加速度が正である場合に
は(ステップS21;Yes)、車両の最新加速度から
前々回の車両の加速度を差し引いた値が所定値以上、例
えば1.0[m/s2]以上であるか否かにより、車両
の急激な加速度の変化があったか否かを判定する(ステ
ップS22)。そして、上記値が1.0[m/s2]に
満たない場合には(ステップS22;No)、揺り戻し
が始まっていないとして揺り戻し検知処理を終了して図
3のステップS4の処理に移行する。
【0083】しかし、上記値が1.0[m/s2]以上
である場合には(ステップS22;Yes)、揺り戻し
が開始されたと判定して、後述する図3のステップS8
以下の車両の停止確定処理に移行する(図3、ステップ
S3;Yes)。
【0084】このように揺り戻しを検知することによ
り、車種や加速度センサ1の取り付け場所によらず、車
両の停止判定を行うことができる。但し、厳密に揺り戻
しか否かを判定するためには、減衰振動の有無を確認す
る必要があるが、実験の結果、上記ステップS20〜S
22の条件判定だけでも実用上十分な検知を行うことが
可能であることが分かった。
【0085】次に、図3のステップS3において、揺り
戻しが開始されていないと判定された場合には(ステッ
プS3;No)、図3のステップS2で確認されている
u個の加速度センサ1の出力値のサンプリングデータを
用いて標準偏差を算出し、この標準偏差が所定値σ以下
であるか否かを判定する。そして、標準偏差が所定値σ
以下である場合には(ステップS4;Yes)、サンプ
リング期間における加速度センサ1の出力値が安定して
いるため車両が停止状態であると判定して後述するステ
ップS8以下の車両の停止確定処理を行う。
【0086】一方、標準偏差が所定値σを超える場合に
は(ステップS4;No)、u個の角速度センサ2の出
力値のサンプリングデータを用いて角速度センサ2の標
準偏差を算出し、この標準偏差が所定値s以下であるか
否かを判定する。そして、標準偏差が所定値s以下であ
る場合には(ステップS5;Yes)、サンプリング期
間における角速度センサ2の出力値が安定しているため
車両が停止状態にあると判定して後述するステップS8
以下の車両の停止確定処理を行う。
【0087】また、標準偏差が所定値sを超える場合に
は(ステップS5;No)、GPSが測位状態であるか
否かを判定する(ステップS6)。そして、測位状態で
はない場合には(ステップS6;No)、車両の停止判
定処理を終了するが、測位状態の場合には(ステップS
6;Yes)、GPS速度データがゼロであるか否かを
判定する(ステップS7)。そして、GPS速度データ
がゼロではない場合には(ステップS7;No)、車両
の停止判定処理を終了するが、ゼロの場合には(ステッ
プS7;Yes)、車両が停止したと判定して、車両の
停止確定のマスク処理を行う(ステップS8)。このマ
スク処理の結果、車両の停止確定のフラグが立つことに
なり、このフラグが立っている間は車両の停止判定処理
(ステップS2〜S7)は行われない(ステップS1;
Yes)。
【0088】最後に、後述する車両の発進確定のマスク
を解除し(ステップS9)、後述する車両の発進判定処
理が行われるように設定する。
【0089】本実施形態では、以上のような処理におい
て、例えばサンプリング周期T期間を0.1秒間、σを
0.30、sを0.15として車両の停止判定を行っ
た。
【0090】以上のように、本発明によれば、加速度セ
ンサ1の出力値だけでなく、他のセンサ等の出力値に基
づいて車両の停止を判定するので、確実に車両の停止を
判定することができる。
【0091】そして、以上のようにして車両の停止が確
定したと判定した場合には、前回の車両の速度(上記
(4)式におけるVn-1)及び現在の車両の速度(上記
(4)式におけるVn)をゼロに設定し続ける(ステッ
プS10,S11)。更に、現在までの単位時間当たり
の累積走行距離(上記(6)式におけるDn)をゼロに
し続ける(ステップS12)。
【0092】従って、次に車両が発進するまでの間に加
速度センサ1の出力値が温度変化等の影響を受けて変動
し、加速度センサ1の出力値からオフセット値を差し引
いた値がゼロにならない場合でも、車両の停止確定後の
サンプリング時刻nTにおける今回の車両の速度(上記
(4)式におけるVn)及び単位時間当たりの累積走行
距離(上記(6)式におけるDn)の値をゼロに設定し
続けているため、自車位置表示は停止した状態となる。
【0093】また、車両の停止判定以前の積分誤差や累
積誤差等がキャンセルされるため、誤差が蓄積されず、
車両の速度及び走行距離等の精度が向上する。
【0094】次に、本実施形態の車両の発進判定処理に
ついて図6のフローチャートを用いて説明する。本実施
形態では、一定期間の加速度センサ1の出力値あるいは
角速度センサ2の出力値の変化量が大きくなる時、また
はGPS測位時にGPS速度データが0[km/h]で
はないことを検出した場合に車両が発進したと判定する
ようにした。
【0095】具体的には、まず車両の発進判定処理にお
いては、加速度センサ1の出力値の標準偏差が所定値η
以上となった時、もしくは角速度センサ2の出力値の標
準偏差が所定値τ以上となった時、またはGPS測位時
にGPS速度データが0[km/h]ではなくなった時
に、車両が発進したと判定するようにした。
【0096】以下、図6のフローチャートに基づいて本
実施形態の車両の発進判定処理を説明する。この車両の
発進判定処理は、上述した車両の加速度等の算出処理及
び車両の停止判定処理と並行して、ナビゲーション装置
が起動されている間は常に実行されている。また、図6
には示していないが、加速度センサ1、角速度センサ
2、GPS受信機4の出力値を所定周期T期間毎に行う
サンプリング処理も、この車両の発進判定処理と並行し
て実行されている。
【0097】まず、処理が開始されると、車両の発進確
定のフラグが立っているか否かが判定される(ステップ
S30)。そして、車両の発進が確定したと判定されて
いない間は、車両の発進確定のフラグが立っていないの
で(ステップS30;No)、次にカウンタ1の値が常
に所定値εになっているか否か、即ちε個のサンプリン
グデータが常に存在しているか否かの判定処理に移行す
る(ステップS31)。そして、カウンタ1の値が所定
値εに達していない間は、そのまま車両の発進判定処理
を終了する(ステップS31;No)。一方、カウンタ
1の値が所定値εに達している時には(ステップS3
1;Yes)、まず上述したように、ε個の加速度セン
サ1の出力値のサンプリングデータを用いて標準偏差を
算出し、この標準偏差が所定値η以上であるか否かを判
定する。そして、標準偏差が所定値η以上である場合に
は(ステップS32;Yes)、サンプリング期間にお
ける加速度センサ1の出力値の変化量が大きくなったた
め車両が発進状態であると判定して後述するステップS
36以下の車両の発進確定処理を行う。
【0098】一方、標準偏差が所定値ηに達していない
場合には(ステップS32;No)、ε個の角速度セン
サ2の出力値のサンプリングデータを用いて角速度セン
サ2の標準偏差を算出し、この標準偏差が所定値τ以上
であるか否かを判定する。そして、標準偏差が所定値τ
以上である場合には(ステップS33;Yes)、サン
プリング期間における角速度センサ2の出力値の変化量
が大きくなったため車両が発進状態にあるとして後述す
るステップS36以下の車両の発進確定処理を行う。
【0099】また、標準偏差が所定値τに達しない場合
には(ステップS33;No)、GPSが測位状態であ
るか否かを判定する(ステップS34)。そして、測位
状態ではない場合には(ステップS34;No)、車両
の発進判定処理を終了するが、測位状態の場合には(ス
テップS34;Yes)、GPS速度データがゼロでな
いか否かを判定する(ステップS35)。そして、GP
S速度データがゼロの場合には(ステップS35;N
o)、車両の発進判定処理を終了するが、ゼロでない場
合には(ステップS35;Yes)、車両が発進したと
判定して、車両の発進確定のマスク処理を行う(ステッ
プS36)。このマスク処理の結果、車両の発進確定の
フラグが立つことになり、このフラグが立っている間は
車両の発進判定処理(ステップS31〜S35)は行わ
れない(ステップS30;Yes)。
【0100】最後に、前述した車両の停止確定のマスク
を解除し(ステップS37)、前述した車両の停止判定
処理が行われるように設定する。
【0101】本実施形態では、以上のような処理におい
て、例えばサンプリング周期T期間を0.1秒間、ηを
4.00、τを2.00として車両の発進判定を行っ
た。
【0102】以上のように、本発明によれば、加速度セ
ンサ1の出力値だけでなく、他のセンサ等の出力値に基
づいて車両の発進を判定するので、確実に車両の発進を
判定することができる。
【0103】以上説明したように、本発明によれば、正
確に車両の停止と発進を判定することができ、車両の停
止が確定したと判定した場合には、前回の車両の速度
(上記(4)式におけるVn-1)と現在の車両の速度
(上記(4)式におけるVn)及び現在までの単位時間
当たりの累積走行距離(上記(6)式におけるDn)を
ゼロに設定し続けるので、次に車両が発進するまでの間
に加速度センサ1の出力値からオフセット値を差し引い
た値がゼロにならない場合でも、確実に車両の速度と累
積走行距離をゼロにし続けて自車位置表示を停止させた
状態にすることができる。また、車両の発進後において
算出されるサンプリング時刻nTにおける今回の車両の
速度(上記(4)式におけるVn)及び単位時間当たり
の累積走行距離(上記(6)式におけるDn)は、初速
度となる前回の車両の速度(上記(4)式におけるV
n-1)及び前回までの単位時間当たりの累積走行距離
(上記(6)式におけるDn-1)が共にゼロであるた
め、誤差を減少させることができる。
【0104】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を図7及び図8に基づいて説明する。なお、本
実施形態のナビゲーション装置の概略構成及び加速度セ
ンサの構成は図1及び図2に示した第1の実施形態と同
様であり、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を
付して説明を省略する。
【0105】上記第1の実施形態においては、車両の停
止確定中は現在の車両の速度Vnと前回の車両の速度V
n-1と現在までの車両の単位時間当たりの累積走行距離
nをゼロにし続けていたため、車両の発進後に算出さ
れるサンプリング時刻nTにおける今回の車両の速度V
n及び単位時間当たりの累積走行距離Dnは、車両の停止
時において加速度センサ1の出力値のオフセット値aoe
が変動する場合でも、車両の停止時における積分誤差や
累積誤差等の影響を受けることなく正確に算出されるこ
とになる。
【0106】しかし、加速度センサ1の出力値の上記停
止時のオフセット値aoeの変動は、ナビゲーション装置
の起動時や車両停止中における温度変化時、あるいは車
両停止直後の加速度センサ1の出力値の安定時間のばら
つき等によっても発生するため、上記(2)式に示した
停止時のオフセット値aoeを固定値とした場合には、上
記(2)式により算出される車両の加速度Anは加速度
センサ1の出力値のオフセット値aoeの変動に追従せず
に誤差を有することになる。
【0107】その結果、上記(3)式で求められる車両
の速度変化量ΔVn及び上記(5)式で求められる車両
の走行距離の変化量Δdnにも誤差が生じることにな
り、その結果、上記(4)式で求められる車両の速度V
n及び上記(6)式で求められる車両の単位時間当たり
の累積走行距離Dnにも誤差が生じることになる。
【0108】ここで、上記(2)式において上記停止時
のオフセット値aoeを加速度センサ1の出力値a'nから
差し引くのは、加速度センサ1の出力値a'nが車両の停
止時においてもゼロにならず所定値、即ち上記停止時の
オフセット値aoeを示すように、加速度センサ1が設計
されているためである。
【0109】そこで、本実施形態では、上記停止時のオ
フセット値aoeを固定値とせずに、上記第1の実施形態
で説明したような正確な車両の停止判定処理により停止
が確定した場合に、車両の停止確定時の加速度センサ1
の出力値a'nの平均値を求め、その平均値により上記停
止時のオフセット値aoeを更新することにした。更に、
加速度センサ1の出力値a'nがより一層安定した状態に
ある時に上記平均値を求めるため、車両の停止直後と発
進直前の所定期間を平均値算出期間から除くことにし
た。
【0110】これにより、車両の停止時において加速度
センサ1の出力値a'nが装置起動時や温度変化時等によ
り変動した場合でも、その変動に追従した上記停止時の
オフセット値aoeを設定することができ、車両の発進後
において算出される車両の加速度Anの誤差を減少させ
ることができ、その結果、車両の速度変化量ΔVn及び
走行距離の変化量Δdnの誤差を減少させ、その結果車
両の速度Vn及び単位時間当たりの累積走行距離Dnの誤
差を減少させることができる。
【0111】以下、図7及び図8を用いて本実施形態に
おける具体的な車両停止時におけるオフセット値aoe
更新方法について説明する。なお、以下に示す処理は主
にCPU7にて行われることになる。
【0112】図7は停止時におけるオフセット値の更新
処理を示すフローチャートであり、当該処理は、第1の
実施形態で説明した車両の加速度等の算出処理及び車両
の停止判定処理並びに車両の発進判定処理と別に並行し
て実行されるものである。また、加速度センサ1の出力
値のサンプリング期間は、第1の実施形態で説明したサ
ンプリング周期と同様にT期間となっており、当該更新
処理はT期間毎に実行されることになる。
【0113】この更新処理では、まず、第1の実施形態
で説明した車両の停止確定を示すフラグが立っているか
否かを判定する(ステップS40)。つまり、第1の実
施形態で説明した車両の正確な停止判定により、車両の
停止が確定した場合にのみこの更新処理が行われるよう
になっている。この判定の結果、車両の停止確定フラグ
が立っていない時は(ステップS40;No)、後述す
る車両の停止安定期間を計測するためのカウンタ2をゼ
ロクリアし(ステップS41)、更に後述する停止時の
オフセット候補値の算出期間及び車両の発進兆候期間を
計測するためのカウンタ3及びカウンタ4をゼロクリア
して(ステップS42,S43)、更新処理を終了す
る。
【0114】一方、車両の停止確定フラグが立ってお
り、車両の停止が確定している場合には(ステップS4
0;Yes)、車両の停止安定期間が終了したか否かを
カウンタ2の値が所定値αに達したか否かで判定する
(ステップS44)。カウンタ2は上述したように車両
の停止が確定していない時には常にゼロクリアされる
が、車両の停止が確定するとゼロクリアされないため、
サンプリング周期T期間毎にインクリメントされる。従
って、カウンタ2の値が所定値αに達するのは、車両の
停止確定直後からαT期間経過後の時である。つまり、
この期間が車両の停止安定期間であり、この期間は加速
度センサ1の出力値の平均値の算出は行わない。これ
は、車両の停止確定直後は車両が若干動いていたり、揺
れていたりする場合があるため、加速度センサ1の出力
値が安定していない可能性があるためである。
【0115】そこで、この車両の停止安定期間が終了し
ていない場合には(ステップS44;No)、カウンタ
2の値をインクリメントして、更新処理を終了する。な
お、この時カウンタ3及びカウンタ4のゼロクリア処理
も行うことになる(ステップS42,S43)。
【0116】一方、車両の停止安定期間が終了した場合
には(ステップS44;Yes)、加速度センサ1の出
力値が安定したか否かを、当該出力値の標準偏差が所定
値2σ以下であるかで判定する(ステップS45)。そ
して、車両の停止安定期間終了後に加速度センサ1の出
力値の標準偏差が所定値2σを超える場合には、安定し
た値でないため、オフセット値を更新することができな
い。従って、後述する停止時のオフセット候補値の算出
期間及び車両の発進兆候期間を計測するためのカウンタ
3及びカウンタ4をゼロクリアして(ステップS42,
S43)、更新処理を終了する。
【0117】しかし、車両の停止安定期間が終了し(ス
テップS44;Yes)、加速度センサ1の出力値の標
準偏差が所定値2σ以下となって安定した場合には(ス
テップS45;Yes)、停止時のオフセット候補値の
算出を行うため、加速度センサ1の出力値のサンプリン
グ処理を行う。サンプリングは本実施形態ではβ個に設
定しており、カウンタ3の値が所定値βになるまで(ス
テップS46;Yes)サンプリングを続ける(ステッ
プS46;No)。カウンタ3は上述したように加速度
センサ1の出力値の標準偏差が所定値2σを超える時に
は常にゼロクリアされるが、所定値2σ以下になるとゼ
ロクリアされないため、サンプリング周期T期間毎にイ
ンクリメントされる。従って、カウンタ3の値が所定値
βに達するのは、車両の停止確定直後から(α+β)T
期間経過後の時である。
【0118】そして、カウンタ3の値が所定値βにな
り、即ち上記標準偏差が所定値2σ以下となってからβ
T期間経過した時に(ステップS46;Yes)、停止
時のオフセット値の第m候補値を算出する(ステップS
47)。このmは1から始まる整数であり、最初は第1
候補値が算出される。
【0119】この候補値の算出は、下記(7)式に基づ
いてCPU7により行われる。
【0120】
【数7】 そして、この第m候補値を図8に示すようなRAM9上
に設けられたバッファ9aの最上位アドレス部から記憶
される。バッファ9aは、本実施形態ではγ個のサンプ
リングデータを記憶できる容量を有しており、以上のよ
うにして算出した停止時の各オフセット候補値が順次記
憶されるようになっている。
【0121】次に、停止時のオフセット候補値の算出と
記憶が終了した後は、車両の発進兆候期間が終了したか
否かをカウンタ4の値が所定値γに達したか否かで判定
する(ステップS48)。カウンタ4は、上記停止時の
オフセット候補値算出のためのサンプリング期間が終了
していない間はゼロクリアされており、サンプリング期
間終了後の停止時のオフセット第m候補値算出後であっ
て車両の発進兆候期間の終了判定後にインクリメントさ
れるので、停止時のオフセット第1候補値算出時にはカ
ウンタ4の値は0、停止時のオフセット第2候補値算出
時にはカウンタ4の値は1となる。
【0122】この更新処理はサンプリング周期T期間毎
に実行されるから、カウンタ4の値が所定値γに達する
のは、上記停止時のオフセット候補値算出のためのサン
プリング期間終了直後からγT期間経過後の時であり、
この期間を車両の発進兆候期間としている。この車両の
発進兆候期間は車両の発進確定直前において車両が動き
始め、加速度センサ1の出力値が不安定になる可能性が
あるため、加速度センサ1の出力値の平均値を算出しな
いようにしているものである。
【0123】以上のように、上記停止時のオフセット第
1候補値が算出された直後においては、カウンタ4の値
は0であり、所定値γに達していないため(ステップS
48;No)、カウンタ4の値をインクリメントし(ス
テップS50)、今回の更新処理を終了する。
【0124】そして、次の周期1T期間後にこの更新処
理が実行されると、車両は停止状態にあるため(ステッ
プS40;Yes)、車両の停止安定期間の終了判定処
理が行われるが(ステップS44)、上述したように既
に車両の停止安定期間は終了しているため(ステップS
44;Yes)、加速度センサ1の出力値が安定してい
るか否かが判定され(ステップS45)、安定している
場合には(ステップS45;Yes)、サンプリング期
間の終了判定処理に移行する(ステップS46)。しか
し、この場合でも上述したように既にカウンタ3の値は
所定値βに達しているので(ステップS46;Ye
s)、現在の加速度センサ1の出力値のサンプリングを
行い、停止時のオフセット第2候補値算出を行う(ステ
ップS47)。なお、この時には、停止時のオフセット
第1候補値の算出のために既にβ個のサンプリングが行
われており、今回のサンプリングでβ+1個のサンプリ
ングが行われたことになるが、停止時のオフセット候補
値の算出はあくまでもβ個のサンプリングデータに基づ
いて行われるように設定されており、今回のサンプリン
グデータから(β−1)個前のデータまでに基づいて上
記(7)式により停止時のオフセット第2候補値が算出
される(ステップS47)。
【0125】この算出された停止時のオフセット第2候
補値は、図8に示すバッファ8aの最上位アドレス部に
記憶され、その前に前回記憶された停止時のオフセット
第1候補値は最上位アドレス部よりも候補値1個分下位
のアドレス部にシフトされる。従って、バッファ8a上
では停止時のオフセット第2候補値の上に第1候補値が
積み上げられることになる。
【0126】そして、この停止時のオフセット第2候補
値の算出後のカウンタ4の値は、前回の車両の発進兆候
期間の終了判定後のインクリメントにより1になってお
り、まだ所定値γに達していないため(ステップS4
8;No)、カウンタ4の値をインクリメントして更新
処理を終了する。以下同様に、次々に停止時のオフセッ
ト候補値の算出が行われる。
【0127】また、停止時のオフセット第(γ+1)候
補値の算出が行われた時には(ステップS47)、バッ
ファ8aには、最下位アドレスから最上位アドレスに向
かって、停止時のオフセット第1候補値から第γ候補値
までの所定値γ個の停止時のオフセット候補値が既に記
憶されおり、停止時のオフセット第(γ+1)候補値を
最上位アドレス部に記憶させると、{(γ+1)−γ}
番目、即ち停止時のオフセット第1候補値がバッファ8
aから溢れることになる。
【0128】更に、この時のカウンタ4の値は、前回の
インクリメントにより所定値γになっているため、車両
の発進兆候期間が終了したと判定して(ステップS4
8;Yes)、上述のように溢れた停止時のオフセット
第1候補値を停止時のオフセット値として更新し(ステ
ップS49)、今回の更新処理を終了する。
【0129】以下、同様に、停止時のオフセット第(γ
+2)候補値の算出が行われた時には(ステップS4
7)、既に車両の発進兆候期間は終了しているので(ス
テップS48;Yes)、停止時のオフセット第2候補
値を停止時のオフセット値として更新され、更に、停止
時のオフセット第m候補値が算出された時には、停止時
のオフセット第(m−γ)候補値が停止時のオフセット
値として更新される。
【0130】そして、以上のように停止時のオフセット
値が次々に更新されている状態で、第1の実施形態で説
明した処理により車両の発進が確定すると、車両の停止
確定フラグは立っていないため(ステップS40;N
o)、カウンタ2及びカウンタ3並びにカウンタ4はゼ
ロクリアされ(ステップS41,42,43)、ここま
での段階で更新された停止時の最新オフセット値に基づ
いて車両の発進後の加速度等の算出が行われることにな
る。
【0131】本実施形態では、例えば具体的に、サンプ
リング周期T期間を第1の実施形態と同様に0.1秒と
し、αを5、βを16、γを5として停止時のオフセッ
ト値aoeの更新を行った。
【0132】以上のように、本発明によれば、停止時の
オフセット候補値算出期間内のサンプリングデータに基
づいて得られた平均値により、次々に停止時のオフセッ
ト値が更新されることになり、上記装置起動時や温度変
化時あるいは加速度センサ1の出力値の安定時間のばら
つき等により加速度センサ1の出力値が変動する場合で
も、その変動に追従した適切な停止時のオフセット値a
oeを設定することができる。
【0133】その結果、車両の発進後において、適正な
停止時のオフセット値により、誤差の少ない車両の加速
度を算出することができ、当該車両の加速度から算出さ
れる車両の速度及び走行距離の誤差を減少させることが
できる。
【0134】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を図9に基づいて説明する。なお、本実施形態
のナビゲーション装置の概略構成及び加速度センサ1の
構成は図1及び図2に示した第1の実施形態と同様であ
り、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して
説明を省略する。
【0135】上記第2の実施形態においては、車両の停
止確定時における加速度センサ1の出力値の平均値に基
づいて停止時のオフセット値の更新を行うことにより、
上記装置起動時や温度変化時あるいは加速度センサ1の
出力値の安定時間のばらつき等による加速度センサ1の
出力値の変動に追従した適切な車両の加速度等の算出を
可能とした。
【0136】しかしながら、高速道路等での長距離無停
止走行のような長時間にわたって無停止走行状態が続く
場合には、第2の実施形態のように車両の停止確定時の
加速度センサ1の出力値の平均値に基づいて停止時のオ
フセット値の更新を行うことができない。
【0137】その結果、長時間(長距離)無停止走行中
に、温度変化等により加速度センサ1の出力値が変動し
た場合には、この変動に追従した適切な車両走行時のオ
フセット値の更新を行うことができず、算出される車両
の加速度及び速度並びに走行距離に誤差を生じることに
なる。特に、高速道路等では、車両の走行距離を正確に
求めないと、”出口”や”分岐”等の経路案内等をタイ
ミング良く行えない。
【0138】そこで、本実施形態では、長時間(長距
離)無停止走行状態であって、車両の角速度と速度の変
化量が少ない状態であることを検知した場合には、この
期間の加速度センサ1の出力値の平均値を求め、車両走
行時のオフセット値がこの平均値に近づくように更新す
ることにした。これは、長時間(長距離)無停止走行中
であっても、車両の角速度と速度の変化量が少なけれ
ば、車両が等速度走行状態に近いと考えられるからであ
る。
【0139】以下、図9を用いて本実施形態における具
体的な車両走行時におけるオフセット値の更新処理につ
いて説明する。なお、以下に示す処理は主にCPU7に
て行われることになる。
【0140】図9は走行時におけるオフセット値の更新
処理を示すフローチャートであり、当該処理は、第1の
実施形態で説明した車両の加速度等の算出処理及び車両
の停止判定処理並びに車両の発進判定処理と別に並行し
て実行されるものである。また、加速度センサ1の出力
値のサンプリング期間は、第1の実施形態で説明したサ
ンプリング周期と同様にT期間となっており、当該更新
処理はT期間毎に実行されることになる。
【0141】この更新処理では、まず、第1の実施形態
で説明した車両の発進確定を示すフラグが立っているか
否かを判定する(ステップS51)。つまり、第1の実
施形態で説明した正確な車両の発進判定により、車両の
発進が確定した場合にのみこの更新処理が行われるよう
になっている。この判定の結果、車両の発進確定フラグ
が立っていない時は(ステップS51;No)、後述す
る車両の走行時のオフセット値更新判定期間を計測する
ためのカウンタ5をゼロクリアし(ステップS52)、
更新処理を終了する。
【0142】一方、車両の発進確定フラグが立ってお
り、車両の発進が確定している場合には(ステップS5
1;Yes)、上記第1の実施形態で説明した(4)式
により、加速度センサ1の出力値に基づいて算出される
サンプリング時刻nTにおける今回の車両の速度Vn
30[km/h]以上であるか否かを判定する(ステッ
プS53)。これは、車両の速度が低すぎる場合には、
車両の速度及び加速度が不安定になる傾向にあるため、
車両走行時のオフセット値の更新に適した状態であると
は言えないためである。また、これはバック走行をして
いる場合を除外するためのものでもある。つまり、通常
30km/hでバック走行をすることはないため、30
km/h以上であれば車両が前進していると推測される
からである。従って、当該車両の速度Vnが30[km
/h]未満である場合には(ステップS53;No)、
カウンタ5をゼロクリアして(ステップS52)この更
新処理を終了する。
【0143】しかし、当該車両の速度Vnが30[km
/h]以上の場合には(ステップS53;YES)、G
PSが測位状態であるか否かを判定する(ステップS5
4)。そして、GPSが測位状態にあり(ステップS5
4;Yes)、正確な車両の速度が計測可能な場合に
は、GPS測位によるGPS速度データが30[km/
h]以上であるか否かを判定する(ステップS55)。
この理由は加速度センサ1の出力値に基づいて算出され
るサンプリング時刻nTにおける今回の車両の速度Vn
が30[km/h]以上であるか否かを判定する理由と
同様である。
【0144】従って、当該GPS速度データが30[k
m/h]未満である場合には(ステップS55;N
o)、カウンタ5をゼロクリアして(ステップS52)
この更新処理を終了する。
【0145】しかし、当該GPS速度データが30[k
m/h]以上の場合には(ステップS55;YES)、
加速度センサ1の出力値に基づいて算出したサンプリン
グ時刻nTにおける今回の車両の加速度Anの絶対値が
0.3[m/s2]以下であるか否かを判定する(ステ
ップS56)。これは、加速度センサ1の出力値により
算出された速度の変化量(加速度An)が少なく、車両
が等速度走行状態にあると言えるか否かを判定するため
である。その結果、車両の加速度Anの絶対値が0.3
[m/s2]を超える場合には(ステップS56;N
o)、車両が等速度走行状態にあるとは言えないので、
カウンタ5をゼロクリアして(ステップS52)この更
新処理を終了する。
【0146】一方、車両の加速度Anの絶対値が0.3
[m/s2]以下である場合には(ステップS56;Y
es)、次に車両の角加速度の絶対値が0.3[deg
/s2]以下であるか否かを判定する(ステップS5
7)。これは、角速度センサ2の出力値により算出され
た角速度の変化量(角加速度)が少なく、車両が等速度
走行状態にあると言えるか否かを判定するためである。
その結果、車両の角加速度の絶対値が0.3[deg/
2]を超える場合には(ステップS57;No)、車
両が等速度走行状態にあるとは言えないので、カウンタ
5をゼロクリアして(ステップS52)この更新処理を
終了する。
【0147】しかし、車両の角加速度の絶対値が0.3
[m/s2]以下である場合には(ステップS57;Y
es)、次に、GPS測位によるGPS加速度データの
絶対値が0.3[m/s2]以下であるか否かを判定す
る(ステップS58)。これも、GPS速度データの変
化量(GPS加速度データ)が少なく、車両が等速度走
行状態にあると言えるか否かを判定するためである。そ
の結果、当該GPS加速度データの絶対値が0.3[m
/s2]を超える場合には(ステップS58;No)、
車両が等速度走行状態にあるとは言えないので、カウン
タ5をゼロクリアして(ステップS52)この更新処理
を終了する。
【0148】一方、当該GPS加速度データの絶対値が
0.3[m/s2]以下である場合には(ステップS5
8;Yes)、以上のような各条件を満たした車両の等
速度走行状態が所定期間継続したか否かをカウンタ5の
値により判定する(ステップS59)。そして、カウン
タ5の値が所定値λに達して車両の等速度走行状態が継
続していると判定した場合には(ステップS59;Ye
s)、下記(8)式により当該車両の等速度走行状態に
おける加速度センサ1の出力値の平均値に近づくように
車両走行時のオフセット値を更新する(ステップS6
0)。しかし、カウンタ5の値が所定値λに達していな
い場合には(ステップS59;No)、カウンタ5の値
をインクリメントして、この更新処理を終了する。
【0149】
【数8】 ここで、可変更新定数δは、上記平均値により車両走行
時のオフセット値を補正する割合を定めるものであり、
本実施形態においては、例えば装置起動時の加速度セン
サ1の出力値のドリフトが収束するまでは0.002と
し、その他は0.001とした。
【0150】そして、以上のような各条件を満たす車両
の等速度走行状態にある限りは、上記(8)式により過
去λT期間分の加速度センサ1のサンプリングデータの
平均値が求められ、車両走行時のオフセット値aoen
次々に上記平均値に近づきながら更新されていく。ま
た、更新速度は可変更新定数δに比例する。
【0151】また、GPS測位状態ではない場合でも
(ステップS54;No)、加速度センサ1の出力値に
基づいて算出した速度の変化量である加速度Anの絶対
値が0.2[m/s2]以下であり(ステップS61;
Yes)かつ角速度センサ2の出力値に基づいて算出し
た角速度の変化量である角加速度の絶対値が0.2[d
eg/s2]以下である場合には(ステップS62;Y
es)、車両が等速度走行状態にあると判定して上述の
ような車両走行時のオフセット値の更新を行う。
【0152】しかし、車両の加速度Anの絶対値が0.
2[m/s2]を超える場合(ステップS61;N
o)、あるいは車両の角加速度の絶対値が0.2[de
g/s2]を超える場合には(ステップS62;N
o)、車両が等速度走行状態にあるとは言えないので、
カウンタ5をゼロクリアして(ステップS63)この更
新処理を終了する。
【0153】以上のように、本発明によれば、車両が等
速度走行状態にあると判定された期間内の加速度センサ
1のサンプリングデータに基づいて得られた平均値によ
り、次々に車両走行時のオフセット値が上記平均値に近
づきながら更新されることになり、長時間(長距離)無
停止走行時に温度変化等により加速度センサ1の出力値
が変動する場合でも、その変動に追従した適切な車両走
行時のオフセット値a oeを設定することができる。
【0154】その結果、車両走行時において、適正な車
両走行時のオフセット値により、誤差の少ない車両の加
速度を算出することができ、当該車両の加速度から算出
される車両の速度及び走行距離の誤差を減少させること
ができる。
【0155】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態を図10乃至図15に基づいて説明する。な
お、本実施形態のナビゲーション装置の概略構成及び加
速度センサ1の構成は図1及び図2に示した第1の実施
形態と同様であり、第1の実施形態との共通箇所には同
一符号を付して説明を省略する。
【0156】上記第2の実施形態または第3の実施形態
においては、車両停止時あるいは走行時における加速度
センサ1の出力値の平均値に基づいてオフセット値の更
新を行うことにより、上記装置起動時や長時間(長距
離)無停止走行時や温度変化時等による加速度センサ1
の出力値の変動に追従した適切な車両の加速度等の算出
を可能とした。
【0157】しかしながら、上記第1の実施形態で説明
した(2)式に示すように、車両の加速度Anはゲイン
n-1を乗じることにより算出され、従来はこのゲイン
n-1を固定値としていたため、ナビゲーション装置の
水平及び車両前後方向に対する取り付け角度に対してゲ
インが変動する場合でも適切に調整ができず、また、装
置起動時や温度ドリフト時によるゲイン変動あるいは加
減速時の車両本体の傾斜角の変動の相違等によるゲイン
変動などに対応できなかった。
【0158】従って、上記(2)式により算出される車
両の加速度に誤差を生じ、その結果、上記(4)式によ
り算出される車両の速度及び上記(6)式により算出さ
れる車両の走行距離に誤差を生じた。
【0159】そこで、本実施形態では、第3の実施形態
で説明した車両が等速度走行状態と判定される期間にお
いて、その期間中の加速度センサ1の出力値に基づいて
算出される車両の速度の平均値と、GPS測位によるG
PS速度データの平均値との比により、ゲインGn-1
更新を行うことにした。
【0160】次に、車両の発進が確定している間、加速
度センサ1の出力値により算出された加速度の変化量が
少ない状態(等加速度走行状態)で走行している場合
と、ジャイロ(角速度)センサ2の出力値により算出さ
れた角速度の変化量である角加速度の変化量が少ない状
態(等角加速度走行状態)で走行している場合と、GP
S測位時にのみGPS速度データの変化量であるGPS
加速度データの変化量が少ない状態(等加速度走行状
態)で走行している場合には、その期間(nT期間)の
加速度センサ1の出力値により算出された加速度の平均
値とGPS速度データの変化量であるGPS加速度デー
タの平均値を比較しながら、GPS加速度データ平均値
に近づくようにゲイン補正係数を車両の加速時と減速時
それぞれ独立にゲイン変動に追従する(永久)学習をし
ながら収束させていくことにした以下、図10乃至図1
5に基づいて本実施形態のゲイン更新処理及び補正係数
更新処理について説明する。なお、以下に示す処理は主
にCPU7にて行われることになる。
【0161】図10は等速度走行状態及び等加速度走行
状態におけるゲイン更新処理及びゲイン補正係数更新処
理を示すフローチャートであり、当該処理は、第1の実
施形態で説明した車両の加速度等の算出処理及び車両の
停止判定処理並びに車両の発進判定処理、更には第2の
実施形態で説明した車両停止時のオフセット値の更新処
理、第3の実施形態で説明した車両走行時のオフセット
値の更新処理と別に並行して実行されるものである。ま
た、加速度センサ1の出力値のサンプリング期間は、第
1の実施形態で説明したサンプリング周期と同様にT期
間となっており、当該更新処理はT期間毎に実行される
ことになる。
【0162】まず、このゲイン更新処理では、第1の実
施形態で説明した車両の発進確定を示すフラグが立って
いるか否かを判定する(ステップS70)。つまり、第
1の実施形態で説明した正確な車両の発進判定により、
車両の発進が確定した場合にのみこの更新処理が行われ
るようになっている。この判定の結果、車両の発進確定
フラグが立っていない時は(ステップS70;No)、
後述する車両の等速度走行時加速度センサゲイン更新判
定期間及び車両の等加速度走行時の加減速独立のゲイン
補正係数更新判定期間を計測するためのカウンタ6及び
カウンタ7をゼロクリアし(ステップS71,84)、
更新処理を終了する。
【0163】一方、車両の発進確定フラグが立ってお
り、車両の発進が確定している場合には(ステップS7
0;Yes)、GPSが測位状態であるか否かを判定す
る(ステップS72)。そして、GPSが測位状態にな
く(ステップS72;No)、正確なGPS速度データ
の計測ができない場合にはカウンタ6及びカウンタ7を
ゼロクリアし(ステップS71,S84)、更新処理を
終了する。
【0164】しかし、GPSが測位状態にあり(ステッ
プS72;Yes)、正確なGPS速度データが計測可
能な場合には、GPS測位によるGPS速度データが3
0[km/h]以上であるか否かを判定する(ステップ
S73)。これは、GPS速度データが低すぎる場合に
は、車両の速度及び加速度が不安定になる傾向にあるた
め、ゲインの更新に適した状態であるとは言えないため
である。
【0165】従って、当該GPS速度データが30[k
m/h]未満である場合には(ステップS73;N
o)、カウンタ6をゼロクリアし(ステップS78)、
この更新処理を終了して、後述する図10のステップS
81以下のゲイン補正係数更新処理に移行する。
【0166】しかし、当該GPS速度データが30[k
m/h]以上の場合には(ステップS73;Yes)、
上記第1の実施形態で説明した(4)式により、加速度
センサ1の出力値に基づいて算出されるサンプリング時
刻nTにおける今回の車両の速度Vnが30[km/
h]以上であるか否かを判定する(ステップS74)。
【0167】当該車両の速度Vnが30[km/h]未
満である場合には(ステップS74;No)、カウンタ
6をゼロクリアし(ステップS78)、この更新処理を
終了して、後述する図10のステップS81以下のゲイ
ン補正係数更新処理に移行する。
【0168】しかし、当該車両の速度Vnが30[km
/h]以上の場合には(ステップS74;Yes)、加
速度センサ1の出力値に基づいて算出したサンプリング
時刻nTにおける今回の車両の加速度Anの絶対値が
0.3[m/s2]以下であるか否かを判定する(ステ
ップS75)。これは、加速度センサ1の出力値により
算出された車両の速度の変化量(加速度An)が少な
く、車両が等速度走行状態にあると言えるか否かを判定
するためである。その結果、車両の加速度Anの絶対値
が0.3[m/s2]を超える場合には(ステップS7
5;No)、車両が等速度走行状態にあるとは言えない
ので、カウンタ6をゼロクリアし(ステップS78)、
この更新処理を終了して、後述する図10のステップS
81以下のゲイン補正係数更新処理に移行する。
【0169】一方、車両の加速度Anの絶対値が0.3
[m/s2]以下である場合には(ステップS75;Y
es)、次に車両の角加速度の絶対値が0.3[deg
/s2]以下であるか否かを判定する(ステップS7
6)。これは、角速度センサ2の出力値により算出され
た車両の角速度の変化量(角加速度)が少なく、車両が
等速度走行状態にあると言えるか否かを判定するためで
ある。従って、車両の角加速度の絶対値が0.3[de
g/s2]を超える場合には(ステップS76;N
o)、車両が等速度走行状態にあるとは言えないので、
カウンタ6をゼロクリアし(ステップS78)、この更
新処理を終了して、後述する図10のステップS81以
下のゲイン補正係数更新処理に移行する。
【0170】しかし、車両の角加速度の絶対値が0.3
[m/s2]以下である場合には(ステップS76;Y
es)、次に、GPS測位によるGPS加速度データの
絶対値が0.3[m/s2]以下であるか否かを判定す
る(ステップS77)。これも、GPS速度データの変
化量(GPS加速度データ)が少なく、車両が等速度走
行状態にあると言えるか否かを判定するためである。そ
の結果、当該GPS加速度データの絶対値が0.3[m
/s2]を超える場合には(ステップS77;No)、
車両が等速度走行状態にあるとは言えないので、カウン
タ6をゼロクリアし(ステップS78)、この更新処理
を終了して、後述する図10のステップS81以下のゲ
イン補正係数更新処理に移行する。
【0171】一方、当該GPS加速度データの絶対値が
0.3[m/s2]以下である場合には(ステップS7
7;Yes)、以上のような各条件を満たした車両の等
速度走行状態が所定期間継続したか否かをカウンタ6の
値により判定する(ステップS79)。カウンタ6は上
記各条件のいずれか一つでも偽である場合にはゼロクリ
アされるが(ステップS78)、全ての条件が真である
場合には(ステップS79;No)、ゼロクリアされず
周期T期間の間隔でインクリメントされる。従って、カ
ウンタ6の値が所定値χに達するのは、上記全ての条件
が真となった直後からχT期間経過後であり、このχT
期間中において車両の等速度走行状態が継続していると
判定した場合には(ステップS79;Yes)、下記
(9)式によりゲインの更新を行う(ステップS8
0)。次に、後述する図10のステップS81以下のゲ
イン補正係数更新処理に移行する。
【0172】
【数9】 そして、以上のような各条件を満たす車両が等速度走行
状態にある限りは、上記(9−1)式により過去χT期
間分の加速度センサ1の出力値に基づいて算出した速度
の平均値が求められ、更に上記(9−2)式により過去
χT期間分のGPS測位によるGPS速度データの平均
値が求められ、そして、上記(9−3,4)式によりゲ
インGnが求められ、求めた値によりゲインが更新され
る。従って、ゲインGnが装置の水平及び車両前後方向
に対する取付角度や、装置起動時及び温度ドリフト時
や、加速時と減速時における車両の傾斜角の変動の相違
等の要因により、変動する場合においても、その変動に
追従した適切な値にゲインG nを更新することができ
る。
【0173】以上のようなゲインの更新処理を行った
後、本実施形態では、前述していた図10のステップS
81以下の加減速独立のゲイン補正係数の更新処理を行
う。
【0174】まず、加速度センサ1の出力値に基づいて
算出されるサンプリング時刻nTにおける今回の車両の
加速度Anの変化量を求め、その車両の加速度Anの変化
量の絶対値が0.3以下であるか否かについて判定し、
車両の等加速度走行状態の判定を行う(ステップS8
1)。当該車両の加速度Anの変化量の絶対値が0.3
を超える場合には(ステップS81;No)、車両が等
加速度走行状態ではないとしてカウンタ7をゼロクリア
して(ステップS84)、加減速独立のゲイン補正係数
の更新処理を終了する。
【0175】一方、上記車両の加速度Anの変化量の絶
対値が0.3以下である場合には(ステップS81;Y
es)、角速度センサ2の出力値に基づいて算出される
車両の角速度の変化量である角加速度の変化量の絶対値
が0.3以下であるか否かについて判定し、車両の等加
速度走行状態の判定を行う(ステップS82)。当該車
両の角加速度の変化量の絶対値が0.3を超える場合に
は(ステップS82;No)、車両が等加速度走行状態
ではないとしてカウンタ7をゼロクリアして(ステップ
S84)、加減速独立のゲイン補正処理を終了する。
【0176】一方、上記車両の角加速度の変化量の絶対
値が0.3以下である場合には(ステップS82;Ye
s)、GPS測位によるGPS加速度データの変化量の
絶対値が0.3以下であるか否かにより、車両の等加速
度走行状態の判定を行う(ステップS83)。当該GP
S加速度データの変化量の絶対値が0.3を超える場合
には(ステップS83;No)、車両の等加速度走行状
態ではないとしてカウンタ7をゼロクリアして(ステッ
プS84)、加減速独立のゲイン補正係数の更新処理を
終了する。
【0177】一方、上記GPS加速度データの変化量が
0.3以下である場合には(ステップs83;Ye
s)、以上のような車両の等加速度走行状態の判定処理
をカウンタ7の値が所定値κになるまで継続する(ステ
ップS85)。カウンタ7は上述した車両の各等加速度
走行状態の判定条件のいずれか一つでも偽である場合に
は、ゼロクリアされるが(ステップS84)、全ての車
両の等加速度走行状態の判定条件が真であれば、ゼロク
リアされないので、カウンタ7の値が所定値κに達する
のは、全ての車両の等加速度走行状態の判定条件が真に
なった直後から、κT期間経過後である。そして、車両
の等加速度走行状態がκT期間継続したと判定した場合
には(ステップS85:Yes)、下記(10),(1
1)式により加減速独立にゲイン補正係数の更新処理を
行う(ステップS86)。
【0178】
【数10】
【数11】 (加速時) 0<Aaccn<Agpsn の場合 Gkn = Gkn-1 + φ ・・・(11−1) 0<Agpsn<Aaccn の場合 Gkn = Gkn-1 − φ ・・・(11−2) (減速時) Agpsn<Aaccn<0 の場合 Gk'n = Gk'n-1 + φ ・・・(11−3) Aaccn<Agpsn<0 の場合 Gk'n = Gk'n-1 − φ ・・・(11−4) Gkn : 今回の加速時ゲイン補正係数 Gkn-1 : 前回までの加速時ゲイン補正係数 Gk'n : 今回の減速時ゲイン補正係数 Gk'n-1 : 前回までの減速時ゲイン補正係数 φ : 可変更新定数(0≦φ≦1) そして、以上のような各条件を満たす車両が等加速度走
行状態にある限りは、上記(11−1)〜(11−4)
式により加減速独立にゲイン補正係数が更新される。
【0179】従って、加速時と減速時における車両の傾
斜角の変動の相違等によるゲイン変動を抑えることがで
き、算出される車両の加速度及び速度並びに走行距離の
誤差を少なくすることができる。
【0180】なお、可変更新定数φは、例えば±0.0
04(±0.4%)、±0.002(±0.2%)、±
0.001(±0.1%)等の3種類のものを用いて以
下のように随時変更する。この可変更新定数φの変更
は、車両の加速度の変化を観察して、ゲインが真値に収
束するように行う。以下、本実施形態における加減速独
立ゲイン補正係数学習処理について、図11乃至図14
のフローチャートに基づいて説明する。なお、この加減
速独立ゲイン補正係数学習処理は、上述したゲイン補正
係数の更新処理(ステップS86)を行う時に実行され
るようになっており、サンプリング期間は、上述したゲ
イン更新処理及びゲイン補正係数の更新処理と同様にT
期間となっている。従って、当該学習処理はT期間毎に
実行されることになる。
【0181】まず、上述した車両の等加速度走行条件が
成立したか否かを判定し(ステップS90)、成立して
いない場合には(ステップS90;No)、当該学習処
理を終了する。しかし、車両の等加速度走行条件が成立
している場合には(ステップS90;Yes)、今回の
車両が加速中であり、かつ、今回の加速度センサ1の出
力値に基づいて算出されるサンプリング時刻nTにおけ
る今回の車両の加速度Anの平均値Aaccnが今回のGP
S測位によるGPS加速度データの平均値Agps nよりも
小さい場合(以下、アンダーラン状態とする)であるか
否かを判定する(ステップS91)。その結果、今回の
車両が加速中であってアンダーラン状態であると判定し
た場合には(ステップS91;Yes)、前回の車両が
加速中であり、かつ、前回の車両の加速度センサ1の出
力値に基づいて算出されたサンプリング時刻(n−1)
Tにおける前回の車両の加速度An-1の平均値Aaccn-1
が前回のGPS測位によるGPS加速度データの平均値
Agpsn-1よりも大きい場合(以下、オーバーラン状態と
する)であるかを判定する(ステップS92)。
【0182】その結果、前回の車両が加速中であってオ
ーバラン状態ではないと判定した場合には(ステップS
92;No)、更に前々回の加速度センサ1の出力値に
基づいて算出されたサンプリング時刻(n−2)Tにお
ける前々回の車両の加速度A n-2の平均値Aaccn-2が加
速中においてオーバラン状態であったか否かを判定する
(ステップS93)。
【0183】その結果、前々回がオーバラン状態ではな
いと判定した場合には(ステップS93;No)、前々
回から今回に至るまでアンダーラン状態が継続してお
り、加減速独立ゲイン補正係数は発散していると判定し
(ステップS94)、可変更新定数φを最大の0.4%
にセットする(ステップS95)。
【0184】一方、今回はアンダーラン状態であるが
(ステップS91;Yes)、前回はオーバーラン状態
であった場合には(ステップS92;Yes)、フラグ
A1を1とし(ステップS96)、可変更新定数φを
0.2%にセットする(ステップS97)。そして、後
述するステップS98に移行する。
【0185】また、今回と前回がアンダーラン状態であ
るが(ステップS91;Yes,ステップS92;N
o)、前々回はオーバーラン状態であった場合には(ス
テップS93;Yes)、フラグFA1を0とし(ステッ
プS101)、可変更新定数φを0.1%にセットして
(ステップS102)、ステップS98に移行する。
【0186】ステップS98では、減速時のゲイン補正
係数Gk’nが収束しているかどうか、即ち減速時の当
該学習処理において、前々回の学習処理にあたる時がオ
ーバーラン状態またはアンダーラン状態の時にセットさ
れるFB1、FB2のフラグのいずれかが1であるかどうか
を判定し、どららかが1であれば、減速時のゲイン補正
係数Gk’nは収束していると判定し(ステップS9
8;Yes)、加速時、減速時両方共にゲイン補正係数
(Gkn及びGk’n)が収束している時のフラグを立て
る(ステップS99)。この結果はマップマッチング処
理に用いられる。
【0187】このように可変更新定数φとして0.1%
と0.2%のいずれかが選択されるということは、過去
にアンダーラン状態からオーバーラン状態、またはオー
バーラン状態からアンダーラン状態の切り換えが必ずあ
った、ということである。これは、目標とするゲイン値
を跨いだことを意味し、収束方向に向かっていることが
分かる。
【0188】一方、FB1、FB2のいずれも1ではない場
合には(ステップS98;No)、上記(11−1)式
により加速時のゲイン補正係数Gknを更新し(ステッ
プS103)、今回がアンダーラン状態であると判定し
て(ステップS104)、加速時のゲイン補正係数の学
習処理を終了する。
【0189】次に、上記ステップS91にて、今回の加
速度センサ1の出力値に基づいて算出されるサンプリン
グ時刻nTにおける今回の車両の加速度Anの平均値Aa
ccnが加速中においてアンダーラン状態ではないと判定
された場合には(ステップS91;No)、今回の車両
が加速中においてオーバーラン状態であるか否かを判定
する(図12,ステップS105)。その結果、加速中
であってオーバーラン状態であると判定した時は(ステ
ップS105;Yes)、前回も加速中においてアンダ
ーラン状態であるか否かを判定する(ステップS10
6)。
【0190】そして、前回がアンダーラン状態ではない
と判定した場合には(ステップS106;No)、更に
前々回の加速度が加速中においてアンダーラン状態であ
ったか否かを判定する(ステップS107)。
【0191】その結果、前々回がアンダーラン状態では
ないと判定した場合には(ステップS107;No)、
前々回から今回に至るまでオーバーラン状態が継続して
おり、加減速独立ゲイン補正係数は発散していると判定
し(ステップS108)、可変更新定数φを最大の0.
4%にセットする(ステップS109)。
【0192】一方、今回はアンダーラン状態であるが
(ステップS105;Yes)、前回はアンダーラン状
態であった場合には(ステップS106;Yes)、フ
ラグF A2を1とし(ステップS110)、可変更新定数
φを0.2%にセットする(ステップS111)。そし
て、後述するステップS112に移行する。
【0193】また、今回と前回がオーバーラン状態であ
るが(ステップS105;Yes,ステップS106;
No)、前々回はオーバーラン状態であった場合には
(ステップS107;Yes)、フラグFA2を0とし
(ステップS115)、可変更新定数φを0.1%にセ
ットして(ステップS116)、ステップS112に移
行する。
【0194】ステップS112では、減速時のゲイン補
正係数Gk’nが収束しているかどうか、即ち減速時の
当該学習処理において、前々回の学習処理にあたる時が
オーバーラン状態またはアンダーラン状態の時にセット
されるFB1、FBA2のフラグのいずれかが1であるかど
うかを判定し、どららかが1であれば、減速時のゲイン
補正係数Gk’nは収束していると判定し(ステップS
112;Yes)、加速、減速両方共にゲイン補正係数
(Gkn及びGk’n)が収束している時のフラグを立て
る(ステップS113)。この結果はマップマッチング
の処理に用いられる。
【0195】一方、FB1、FBA2のいずれも1ではない
場合には(ステップS112;No)、上記(11−
2)式によりゲイン補正係数を更新し(ステップS11
7)、今回がオーバーラン状態であると判定して(ステ
ップS118)、ゲイン補正係数の学習処理を終了す
る。
【0196】次に、上記ステップS105にて、加速中
においてオーバーラン状態にはないと判定された場合に
は(ステップS105;No)、減速中においてアンダ
ーラン状態であるか否かを判定する(図13,ステップ
S119)。その結果、減速中であってアンダーラン状
態であると判定した時は(ステップS119;Ye
s)、前回は減速中においてオーバーラン状態であるか
否かを判定する(ステップS120)。
【0197】そして、前回がオーバーラン状態ではない
と判定した場合には(ステップS120;No)、更に
前々回の加速度センサ1の出力値に基づいて算出された
サンプリング時刻(n−2)Tにおける前々回の車両の
加速度An-2の平均値Aaccn- 2が減速中においてオーバ
ラン状態であったか否かを判定する(ステップS12
1)。
【0198】その結果、前々回がオーバーラン状態では
ないと判定した場合には(ステップS121;No)、
前々回から今回に至るまで減速時におけるアンダーラン
状態が継続しており、加減速独立ゲイン補正係数は発散
していると判定し(ステップS122)、可変更新定数
φを最大の0.4%にセットする(ステップS12
3)。
【0199】一方、今回は減速時のアンダーラン状態で
あるが(ステップS119;Yes)、前回は減速時の
アンダーラン状態であった場合には(ステップS12
0;Yes)、フラグFB1を1とし(ステップS12
4)、可変更新定数φを0.2%にセットする(ステッ
プS125)。そして、後述するステップS126に移
行する。
【0200】また、今回と前回が減速時のアンダーラン
状態であるが(ステップS119;Yes,ステップS
120;No)、前々回は減速時のオーバーラン状態で
あった場合には(ステップS121;Yes)、フラグ
B1を0とし(ステップS129)、可変更新定数φを
0.1%にセットして(ステップS130)、ステップ
S126に移行する。
【0201】ステップS126では、加速時のゲイン補
正係数Gknが収束しているかどうか、即ち加速時の当
該学習処理において、前々回の学習処理にあたる時がオ
ーバーラン状態またはアンダーラン状態の時にセットさ
れるFA1、FA2のフラグのいずれかが1であるかどうか
を判定し、どららかが1であれば、加速時のゲイン補正
係数Gknは収束していると判定し(ステップS12
6;Yes)、加速時、減速時両方共にゲイン補正係数
(Gkn及びGk’n)が収束している時にフラグを立て
る(ステップS127)。この結果はマップマッチング
処理に用いられる。
【0202】一方、FA1、FA2のいずれも1ではない場
合には(ステップS126;No)、上記(11−3)
式により減速時のゲイン補正係数Gk’nを更新し(ス
テップS131)、今回が減速時のアンダーラン状態で
あると判定して(ステップS132)、ゲイン補正係数
の学習処理を終了する。
【0203】次に、上記ステップS119にて、今回の
加速度センサ1の出力値に基づいて算出されるサンプリ
ング時刻nTにおける今回の車両の加速度Anの平均値
Aacc nが減速中においてアンダーラン状態ではないと判
定された場合には(ステップS119;No)、減速中
においてオーバーラン状態であるか否かを判定する(図
14,ステップS133)。その結果、減速時であって
オーバーラン状態であると判定した時は(ステップS1
33;Yes)、前回も減速中においてアンダーラン状
態であるか否かを判定する(ステップS134)。
【0204】そして、前回がアンダーラン状態ではない
と判定した場合には(ステップS134;No)、更に
前々回の加速度センサ1の出力値に基づいて算出された
サンプリング時刻(n−2)Tにおける前々回の車両の
加速度An-2の平均値Aaccn- 2が加速中においてアンダ
ーラン状態であったか否かを判定する(ステップS13
5)。
【0205】その結果、前々回がアンダーラン状態では
ないと判定した場合には(ステップS135;No)、
前々回から今回に至るまで減速時のオーバーラン状態が
継続しており、加減速独立ゲイン補正係数は発散してい
ると判定し(ステップS136)、可変更新定数φを最
大の0.4%にセットする(ステップS137)。
【0206】一方、今回は減速時のオーバーラン状態で
あるが(ステップS133;Yes)、前回は減速時の
アンダーラン状態であった場合には(ステップS13
4;Yes)、フラグFB2を1とし(ステップS13
8)、可変更新定数φを0.2%にセットする(ステッ
プS139)。そして、後述するステップS140に移
行する。
【0207】また、今回と前回が減速時のオーバーラン
状態であるが(ステップS133;Yes,ステップS
134;No)、前々回は減速時のオーバーラン状態で
あった場合には(ステップS135;Yes)、フラグ
B2を0とし(ステップS143)、可変更新定数φを
0.1%にセットして(ステップS144)、ステップ
S140に進む。
【0208】ステップS140では、加速時のゲイン補
正係数Gknが収束しているかどうか、即ち加速時の当
該学習処理において、前々回の学習処理にあたる時がオ
ーバーラン状態またはアンダーラン状態の時にセットさ
れるFA1、FA2のフラグのいずれかが1であるかどうか
を判定し、どららかが1であれば、加速時のゲイン補正
係数Gknは収束していると判定し(ステップS14
0;Yes)、加速、減速両方共に補正係数(Gkn
びGk’n)が収束している時にフラグを立てる(ステ
ップS141)。この結果はマップマッチング処理に用
いられる。
【0209】一方、FA1、FA2のいずれも1ではない場
合には(ステップS140;No)、上記(11−4)
式により減速時ゲイン補正係数Gk’nを更新し(ステ
ップS145)、今回が減速時のオーバーラン状態であ
ると判定して(ステップS146)、ゲイン補正係数の
学習処理を終了する。
【0210】また、上記ステップS133による判定の
結果がNoになる場合は、加速度センサ1の出力に基づ
く加速度の平均値AaccnとGPS測位による加速度の平
均値Agpsnとが等しく、ゲイン補正係数は収束している
と判定する(ステップS147)。
【0211】以上のような学習処理により、例えば、加
速時のゲイン補正係数Gknは図15に示すように段階
的に減少し、時刻t2以降は収束した状態となる。な
お、理想的な加速時のゲイン補正係数Gknの収束状況
は、最終的に収束すべき値を中心として、加減速独立ゲ
イン補正係数Gknの変化の方向が正負の方向に交互に
反転し続けているような状況を言う。そこで、CPU7
はこの加速時のゲイン補正係数Gknの変化が単調増加
あるいは単調減少するようになった場合(時刻t3〜)
には、ゲインの真値が変化してきたと判定する。そし
て、再び最も大きい可変更新定数φ(大:0.4%)を
選択して、新たに加速時のゲイン補正係数Gk nを収束
させる動作を継続する。
【0212】加速時の収束について説明したが、減速時
のゲイン補正係数Gk’nについても全く同様のことが
言える。
【0213】このようにして、加減速独立ゲイン補正係
数Gkn、Gk’nはそれぞれ収束し、最も精度の高い実
際のゲイン変動の状況に合致した加減速独立ゲイン補正
係数Gkn、Gk’nが得られる。
【0214】以上のように、本発明によれば、等速度状
態においてゲインの更新を行うため、ナビゲーション装
置の取り付け位置に追従した適切なゲイン調整を行うこ
とができ、また、起動時や温度変化によりゲインが変動
しても適切に調整することができる。更には、加減速独
立のゲイン補正係数の更新を行うので、加速時及び減速
時の車両の傾斜角の変動の相違によるゲイン変動が生じ
ても、当該変動に追従した適切なゲイン補正係数を設定
することができる。その結果、本発明によれば、加速度
及び速度並びに走行距離の誤差を減少させることがで
き、加速度センサを用いた高精度な非接触のナビゲーシ
ョン装置を提供することができる。また、上述のように
ナビゲーション装置の取り付け位置に応じてゲイン調節
が可能なため、当該ナビゲーション装置を車種に限定さ
れることなく取り付けることができる。
【0215】なお、本実施形態では、加速時及び減速時
の車両の傾斜角の変動の相違によるゲイン変動に対応す
るために、ゲイン補正係数を加速時と減速時で独立に設
定する例について説明したが、本発明はこれに限られる
ものではなく、ゲイン自体G n-1またはオフセット値a
oe自体を加速時用と減速時用にそれぞれ異なる値のもの
を容易しておき、加速時と減速時で異なるゲインGn-1
またはオフセット値ao eを用いるように構成しても良
い。
【0216】オフセット値aoeについても、加速時と減
速時で異なるものを用いるのは、車両の構造上、加速時
と減速時で車両本体の傾斜角が異なると、加速度センサ
1に働く重力も異なることになり、この重力の影響は加
速度センサ1のオフセット値に現れるためである。従っ
て、加速時と減速時で異なるオフセット値を用い、ま
た、ゲインそのものを減速時と加速度で変えることによ
り、ゲイン補正係数を加速時と減速時でそれぞれ設定す
る場合と同様の効果が得られるのである。
【0217】つまり、加速度及び速度並びに走行距離の
誤差を減少させることができ、加速度センサを用いた高
精度な非接触のナビゲーション装置を提供することがで
きる。また、上述のようにナビゲーション装置の取り付
け位置に応じてゲイン調節が可能なため、当該ナビゲー
ション装置を車種に限定されることなく取り付けること
ができる。
【0218】なお、加速時と減速時の判断は、速度の増
減あるいは加速度センサの出力極性に基づいて行うよう
にすれば良い。
【0219】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態を図16及び図17に基づいて説明する。な
お、本実施形態のナビゲーション装置の概略構成及び加
速度センサ1の構成は図1及び図2に示した第1の実施
形態と同様であり、第1の実施形態との共通箇所には同
一符号を付して説明を省略する。
【0220】上述した各実施形態においては、車両の正
確な停止判定及び発進判定、または当該判定に基づく積
分誤差や累積誤差の発生防止、更にはオフセット値また
はゲインあるいはゲイン補正係数の更新を行うことによ
り、正確な車両の加速度の算出を可能とし、当該加速度
に基づいて正確な速度と走行距離の算出を行うことがで
きた。しかし、本実施形態は、これらの処理に加え、加
速度センサ1の出力値に基づいて算出された速度を、信
頼性の高いGPS速度データあるいは走行距離センサ3
による速度データを用いて校正することにより、より一
層正確な速度を算出しようとするものである。
【0221】本実施形態では、次のような計算を行うこ
とにより、GPS受信機4または走行距離センサ3等に
より検出された車両の速度Vrefを使用して前回の車両
の速度Vn-1を任意の間隔で適宜、校正(リセット)
し、車両の初速度V0を算出する。
【0222】
【数12】 V0 = Vn-1 + SPn・(Vref−Vn-1) ・・・(12) 上記(12)式において、SPnは速度係数であり、次
のように算出する。
【0223】
【数13】 SPn = Vref/30 (Vref≦30km/h) = 1.0 (Vref>30km/h) ・・・(13) ここで、速度係数SPnは、車両の速度に比例する変数
であり、図16に示すように、Vrefが30.0[km
/h]以下の場合では所定の割合で変化し、Vr efが3
0.0[km/h]に達すると1になり、更に車両停止
すると0になるように設定する。
【0224】つまり、速度が30.0[km/h]を超
える場合には、信頼性の高いGPS測位等による速度デ
ータを用いるが、30.0[km/h]以下の場合に
は、所定の割合でGPS測位等による速度データを加算
し、加速度センサ1の出力値に基づく速度データの校正
を行うものである。
【0225】以下、図17のフローチャートに基づいて
本実施形態の速度リセット処理を説明する。なお、当該
処理は、第1の実施形態で説明した加速度等の算出処理
及び停止判定処理並びに発進判定処理、更には第2の実
施形態で説明した停止中のオフセット値の更新処理、第
3の実施形態で説明した走行中のオフセット値の更新処
理、及び第4の実施形態で説明したゲイン更新処理並び
にゲイン補正係数の更新処理とは別個に並行して実行さ
れるものである。また、サンプリング期間は、各実施形
態と同様にT期間となっており、当該更新処理はT期間
毎に実行されることになる。
【0226】また、図17に示した例は、GPS測位に
より得られる速度データに基づいて当該リセット処理を
行うものである。
【0227】まず、第1の実施形態で説明した上記
(2)式により今回の車両の加速度Anを算出する(ス
テップS150)。次に、車両の発進が確定したか否か
を判定し(ステップS151)、車両の発進が確定して
いない場合には(ステップS151;No)、速度リセ
ット処理を終了する。しかし、発進が確定している場合
には(ステップS151;Yes)、第1の実施形態で
説明した上記(3)式により今回の車両の速度変化量Δ
nを算出する(ステップS152)。そして、GPS
データを更新し、GPSが測位状態にあるか否かを判定
する(ステップS153)。
【0228】その結果、GPS測位状態ではない場合に
は(ステップS153;No)、速度のリセットが行え
ないため、第1の実施形態で説明した上記(4)式によ
り今回の車両の速度Vnを算出し(ステップS15
5)、同様に第1の実施形態で説明した上記(5)式に
より今回の車両の走行距離変化量Δdnを算出し、更に
第1の実施形態で説明した(6)式により、今回の車両
の単位時間当たりの累積走行距離Dnを算出する(ステ
ップS157)。
【0229】一方、GPS測位状態にある場合には(ス
テップS153;Yes)、GPS速度データが0[k
m/h]であるか否かを判定する(ステップS15
4)。そして、GPS速度データが0[km/h]であ
る場合には(ステップS154;Yes)、上述と同様
に速度のリセットは行わずに今回の車両の速度Vn、走
行距離変化量Δdn、及び累積走行距離Dnを算出する
(ステップS155〜S157)。
【0230】しかし、GPS速度データが0[km/
h]ではない場合には、GPS速度データを上記Vref
とし、更に上記(12)式に基づいて、速度係数SPn
を決定する。つまり、GPS速度データが30[km/
h]を超える場合には、速度係数SPnを1.0に設定
し、GPS速度データが30[km/h]以下の場合に
は、Vrefを30で除算することにより求める。そし
て、上記(13)式により、速度Vn-1のリセットを行
う(ステップS158)。
【0231】その後、上述と同様に、リセットした速度
n-1を用いて、上述した(4)式により今回の車両の
速度Vnを算出し(ステップS159)、(5)式によ
り今回の車両の走行距離変化量Δdnを算出し(ステッ
プS160)、更に(6)式により、今回の車両の累積
走行距離Dnを算出する(ステップS161)。
【0232】以上のように、本実施形態によれば、加速
度センサ1の出力により算出された車両の速度Vnを信
頼性の高い速度データで校正するので、当該速度Vn
び走行距離Dnの積分誤差及び累積誤差を減少させるこ
とができ、より一層正確な速度及び走行距離を求めるこ
とができる。
【0233】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態を図18及び図19に基づいて説明する。な
お、本実施形態のナビゲーション装置の概略構成及び加
速度センサ1の構成は図1及び図2に示した第1の実施
形態と同様であり、第1の実施形態との共通箇所には同
一符号を付して説明を省略する。
【0234】本実施形態は、第1の実施形態で説明した
停止判定及び発進判定処理と、第2の実施形態で説明し
た車両の停止時におけるオフセット値の更新処理と、第
3の実施形態で説明した車両の走行中におけるオフセッ
ト値の更新処理と、第4の実施形態で説明した加減速独
立ゲイン補正処理と、第5の実施形態で説明した速度リ
セット処理とを全て組み合わせ、より正確な車両の速度
と走行距離を算出しようとするものである。
【0235】図18は、本実施形態における各センサ等
が接続されたシステムコントローラ5を機能面から説明
するためのブロック図である。
【0236】図18に示すように、加速度センサ1の出
力値は、A/D変換部30を介して第1停止判定処理部
31に入力される。この第1停止判定処理部31は、図
3のステップS3に示した揺り戻し検知による車両停止
判定処理を行う。次に、この第1停止判定処理部31を
通過した加速度センサ1の出力値は第2停止判定処理部
32に入力される。この第2停止判定処理部32は、図
3のステップS4に示した加速度センサ1の出力値に基
づいて標準偏差σを算出し、標準偏差σが所定値以下で
ある場合に停止判定処理を行う。
【0237】一方、角速度センサ2の出力値は、A/D
変換部33を介して第3停止判定処理部34に入力され
る。この第3停止判定処理部34は、図3のステップS
5に示した角速度センサ2の出力値に基づいて標準偏差
uを算出し、標準偏差uが所定値以下である場合に停止
判定処理を行う。
【0238】更に、GPS受信機4の出力は、第4停止
判定処理部35に入力される。この第4停止判定処理部
35は、図3のステップS6及びS7のGPS速度デー
タに基づく停止判定処理を行う。
【0239】以上のような各停止判定処理部による判定
結果、及び各停止判定処理部を通過した加速度センサ1
の出力値は、加速度センサ停止オフセット補正部36に
入力される。この加速度センサ停止オフセット補正部3
6は、第2の実施形態で説明した図7に示す車両の停止
時オフセット値の更新を行う。
【0240】また、上記各停止判定処理部による判定結
果、及び各停止判定処理部を通過した加速度センサ1の
出力値は、角速度センサ停止オフセット補正部37に入
力される。この角速度センサ停止オフセット補正部36
は、角速度センサ2のオフセット値の更新を行う。この
処理は、上述の各実施形態においては説明されていない
が、加速度センサのオフセット値の更新と同様の処理で
ある。つまり、角速度センサ2の出力値についても、加
速度センサ1の場合と同様にオフセットが生じるため当
該オフセット値を補正する必要があるため、停止確定時
にて、角速度センサ2の出力の所定サンプリング数にお
ける平均値を求め、この平均値を角速度センサ出力のオ
フセット値として更新するのである。
【0241】次に、上記加速度センサ停止オフセット補
正部36を通過した加速度センサ1の出力は第1発進判
定処理部38に入力される。この第1発進判定処理部3
8は、図6のステップS32に示した加速度センサ1の
出力値についての標準偏差の判定処理を行う。
【0242】一方、上記角速度センサ停止オフセット補
正部37を通過した角速度センサ2の出力は、第2発進
判定処理部39に入力される。この第2発進判定処理部
39は、図6のステップS33に示した角速度センサ出
力についての標準偏差の判定処理を行う。
【0243】更に、第4停止判定処理部35を通過した
GPS受信機4の出力は、第3発進判定処理部40に入
力される。この第3発進判定処理部40は、図6のステ
ップS34及びS35のGPS速度データに基づく発進
判定処理を行う。
【0244】次に、上記各発進判定処理部の判定結果及
び第1発進判定処理部38を通過した加速度センサ1の
出力値は、加速度演算部41に入力される。加速度演算
部41は、加速度センサ1の出力値に基づいて加速度及
び速度を算出し、当該加速度を第1等速度判定部44に
出力する。第1等速度判定部44は、図9に示したステ
ップS53の速度判定処理及びステップS56,S61
の加速度に基づく等速度判定処理を行う。
【0245】一方、上記各発進判定処理部の判定結果、
及び第2発進判定処理部39を通過した角速度センサ2
の出力値は、角速度演算部42に入力される。角速度演
算部42は角速度センサ2の出力値に基づいて角加速度
を演算し、第2等速度判定部45に出力する。第2等速
度判定部45は、図9に示すステップS57の角加速度
に基づく等速度判定処理を行う。
【0246】また、上記各発進判定処理部の判定結果、
及び第3発進判定処理部40を通過したGPS速度デー
タは、GPS速度データ演算部43に入力される。GP
S速度データ演算部43は、GPS速度データに基づい
て加速度を算出し、当該加速度及びGPS速度データ
は、第3等速度判定部46に入力される。第3等速度判
定部46は、図9に示したステップS54,S55のG
PS速度データに基づく等速度判定処理、及びステップ
S58に示したGPS加速度に基づく等速度判定処理を
行う。
【0247】次に、上記各等速度判定部の判定結果、及
び第1等速度判定処理部44を通過した加速度センサ1
の出力値は、加速度センサ走行オフセット補正部47に
入力され、加速度センサ走行オフセット補正部47は、
図9のステップS60に示した走行中のオフセット値の
更新処理を行う。
【0248】また、上記各等速度判定部の判定結果、及
び第2等速度判定処理部45を通過した角速度センサ2
の出力は、角速度センサ走行オフセット補正部48に入
力され、角速度センサ出力のオフセット値の更新が行わ
れる。この更新処理については上述した各実施形態にお
いて説明されていないが、加速度センサ1の場合と同様
に、等速度直進状態において角速度センサ2の出力値の
平均を求め、所定の割合でオフセット値を更新する処理
である。
【0249】次に、上記加速度センサ走行オフセット補
正部47を通過した加速度センサ1の出力、及び加速度
演算部41により算出された加速度センサ1の出力値に
基づく速度、更には加速度変化量は、第1等加速度判定
部49に入力される。第1等加速度判定部49は、図1
0に示すステップS74の加速度センサ速度に基づく等
速度判定処理、ステップS75の加速度に基づく等加速
度判定処理、ステップS81に示す加速度変化量に基づ
く等加速度判定処理を行う。
【0250】また、上記角速度センサ走行オフセット補
正部48を通過した角速度センサ2の出力、及び角速度
演算部42により算出された角速度センサ2の出力に基
づく角加速度は、第2等加速度判定部50に入力され
る。第2等加速度判定部50は、図10のステップS7
6の角加速度に基づく等加速度判定処理、ステップS8
2の角加速度変化量に基づく等加速度判定処理を行う。
【0251】更に、上記第3等速度判定部46を通過し
たGPS速度データ、及びGPS速度演算部43で算出
されたGPS加速度、並びにGPS加速度変化量は、第
3等加速度判定部51に入力される。第3等加速度判定
部51は、図10に示すステップS72,S73のGP
S速度データに基づく等速度判定処理、ステップS77
のGPS加速度に基づく等速度判定処理、更にはステッ
プS83のGPS加速度変化量に基づく等加速度判定処
理を行う。
【0252】次に、上記等加速度判定部49を通過した
加速度センサ1の出力値は、加速度センサゲイン補正部
52に入力される。加速度センサゲイン補正部52は、
図10のステップS80のゲインの更新処理、及びステ
ップS86の加減速独立ゲイン補正処理を行う。
【0253】そして、上述した加速度センサ停止オフセ
ット補正部36と加速度センサ走行オフセット補正部4
7により更新されたオフセット値と、加速度センサゲイ
ン補正部52により更新されたゲイン及びゲイン補正係
数は、加速度演算部53に入力される。加速度演算部5
3は、上記オフセット値とゲインとゲイン補正係数に基
づいて上記(1)式により加速度を算出し、更に上記
(3)式により当該加速度を積分して速度を算出する。
更にこの速度は、速度積分器54に入力され、速度積分
器54は当該速度を積分して走行距離を算出する。
【0254】一方、第3等加速度判定部51を通過した
GPS速度データ、及び加速度演算部41で算出された
速度変化量は、加速度センサの速度校正部55に入力さ
れる。加速度センサ1の速度校正部55は、図17のス
テップS158の速度リセット処理の他、ステップS1
59の当該リセットした速度に基づく速度の算出、ステ
ップS160の走行距離変化量の算出、ステップS16
1の累積走行距離の算出を行う。
【0255】本実施形態は、以上のような機能を有する
システムコントローラ5により、以下のような自車位置
検出処理を行うものである。以下、図19に基づいて本
実施形態における自車位置検出処理について説明する。
なお、サンプリング周期はT周期であり、各処理はT周
期毎に実行される。
【0256】まず、電源が投入されると本実施形態のナ
ビゲーション装置が起動し、当該処理がスタートする
(ステップS200)。そして、ナビゲーション装置と
各機器との接続状況の確認と、初期数値設定等が行われ
(ステップS201)、加速度センサ1の出力値に基づ
く加速度、速度の算出が行われる(ステップS20
2)。次に、GPSによる位置、方位の算出が行われ
(ステップS203)、更に、角速度センサ2の出力値
から方位を算出する(ステップS204)。そして、こ
れらの算出値に基づいて走行距離が算出され(ステップ
S205)、自車位置をGPS受信機及び各種センサの
出力値に基づいて求める。
【0257】その後、角速度センサ2の出力に基づく停
止判定処理及び発進判定処理と(ステップS206)、
あるいは、角速度センサ2の出力に基づく角速度センサ
の停止時または走行中のオフセット値の更新処理が行わ
れる(ステップS207)。
【0258】更に、加速度センサ1の出力値に基づく停
止判定処理及び発進判定処理(ステップS208)、あ
るいは加速度センサ1の出力に基づく停止時または走行
中のオフセット値の更新処理が行われる(ステップS2
09)。なお、このステップS208の停止判定処理が
図3に示した処理に相当するものであり、発進判定処理
が図6に示した処理に相当するものである。更に、ステ
ップS209のオフセット値の更新処理は、図7及び図
9に示した処理に相当するものである。
【0259】次に、GPSデータによる加速度センサ1
の速度リセット処理が行われ(ステップS210)、更
にGPSデータによる加速度センサゲイン補正が行われ
る(ステップS211)。このステップS210の速度
リセット処理は、図17に示した処理に相当するもので
あり、ステップS211のゲイン補正処理は、図10に
示した処理に相当するものである。
【0260】以下、ステップS202からの処理が繰り
返して行われる。また、上述した各実施形態で説明した
各カウンタもこのループの中でインクリメントされるよ
うになっている。
【0261】以上のような、本実施形態によれば、正確
に車両の停止と発進を判定することができ、停止が確定
したと判定した場合には、前回の車両の速度と現在の車
両の速度及び現在までの累積走行距離をゼロに設定する
ので、停止中における累積誤差を減少させることがで
き、確実に速度と走行距離をゼロにして自車位置表示を
停止させた状態にすることができる。また、発進後にお
いて算出される速度及び走行距離は、初速度となる前回
の車両の速度及び現在までの累積走行距離が共にゼロで
あるため、その後の誤差を減少させることができる。
【0262】また、停止中の温度変化、または起動時、
あるいは停止直後の安定時間のばらつき等により加速度
センサ1の出力が変動する場合でも、その変動に追従し
た適切なオフセット値を設定することができ、発進後に
おいて、適正なオフセット値により、誤差の少ない加速
度を算出し、当該加速度から算出される速度及び走行距
離の誤差を減少させることができる。
【0263】また、長時間無停止走行時等に温度変化等
により加速度センサ1の出力が変動する場合でも、その
変動に追従した適切なオフセット値を設定することがで
き、走行中において、適正なオフセット値により、誤差
の少ない加速度を算出し、当該加速度から算出される速
度及び走行距離の誤差を減少させることができる。
【0264】更に、ナビゲーション装置の取り付け位置
に追従した適切なゲイン調整を行うことができ、また、
起動時や温度変化によりゲインが変動しても適切に調整
することができる。そして、加速時及び減速時の車両の
傾斜角の変動の相違によるゲイン変動が生じても、当該
変動に追従した適切なゲイン補正係数を設定することが
でき、加速度及び速度並びに走行距離の誤差を減少さ
せ、加速度センサを用いた高精度な非接触のナビゲーシ
ョン装置を提供することができる。また、上述のように
ナビゲーション装置の取り付け位置に応じてゲイン調節
が可能なため、当該ナビゲーション装置を車種に限定さ
れることなく取り付けることができる。
【0265】また、以上のように低誤差で算出される速
度を、信頼性の高い速度データにより補正することによ
り、速度及び走行距離の積分誤差及び累積誤差を減少さ
せることができ、より一層正確な速度及び走行距離を求
めることができる。
【0266】以上のように、本実施形態によれば、自立
型測位を行うセンサとして、外部機器等との電気的接続
が不要な加速度センサを用いたハイブリッド型の車載用
ナビゲーション装置であって、いかなる状況において
も、精度の高い走行位置表示を行うことができる装置を
提供することができる。
【0267】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載の
ナビゲーション装置によれば、実加速度及び変位検出手
段からの出力データに基づいて移動体の変位状態を検出
し、移動体が所定状態にある際の加速度センサまたは変
位検出手段の少なくともいずれか一方の出力データに基
づいて移動体の実加速度を算出する演算のパラメータの
値の更新を行うようにしたので、上記パラメータが環境
変化等により変動する場合でも、当該パラメータに基づ
いて算出される実加速度、及び移動体の位置変化または
方向変化に関する変化量データ、並びに移動体の移動距
離の誤差を減少させることができる。
【0268】請求項2に記載のナビゲーション装置によ
れば、加速度データに乗ずるゲイン、またはゲイン補正
係数、もしくは加速度データから差し引くオフセット値
の少なくともいずれか一つを上述のように更新するの
で、温度変化または移動体の傾斜角の変動の相違等によ
り上記ゲインが変動する場合、あるいは温度変化等によ
り上記オフセット値が変動する場合であっても、これら
のゲイン、ゲイン補正係数、またはオフセット値を上述
のように適正に更新することができ、上記実加速度、変
化量データ、及び移動距離の誤差を減少させることがで
きる。
【0269】請求項3に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記移動体が安定状態の上記加速度センサまたは
上記変位検出手段の少なくともいずれか一方の上記出力
データに基づいて上記更新が行われるため、適切な値の
パラメータにより上記演算が行われ、誤差の少ない実加
速度を得ることができる。その結果、当該誤差の少ない
実加速度により算出される上記変化量データ、及び当該
変化量データに基づいて算出される移動距離の誤差を減
少させることができる。
【0270】請求項4に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度を算出する演算として上記加速度デ
ータからオフセット値を差し引く演算を行い、上記実加
速度及び上記変位検出手段からの出力データに基づいて
上記移動体の停止状態を検出し、上記移動体が停止状態
にある際に、加速度センサのオフセット値を更新するよ
うにしたので、オフセット値が温度変化等により変動す
る場合であっても、安定した値の上記出力データによっ
て上記オフセット値を更新することができ、上記実加速
度、変化量データ、及び移動距離の誤差を減少させるこ
とができる。
【0271】請求項5に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度を算出する演算として上記加速度デ
ータからオフセット値を差し引く演算を行い、上記実加
速度及び上記変位検出手段からの出力データに基づいて
上記移動体の等速度移動状態を検出し、上記移動体が等
速度移動状態にある際に、上記加速度センサのオフセッ
ト値を更新するようにしたので、長時間停止しない状態
でオフセット値が温度変化等により変動する場合であっ
ても、安定した値の上記出力データによって上記オフセ
ット値を更新することができ、上記実加速度、変化量デ
ータ、及び移動距離の誤差を減少させることができる。
【0272】請求項6に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記加速度データの平均値を算出し、当該平均値
により上記加速度センサのオフセット値を更新するよう
にしたので、オフセット値を安定したデータにより更新
することができ、上記実加速度、変化量データ、及び移
動距離の誤差を減少させることができる。
【0273】請求項7に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度を算出する演算としてゲインを乗ず
る演算を行い、上記実加速度及び上記変位検出手段から
の出力データに基づいて上記移動体の等速度移動状態を
検出し、上記移動体が等速度移動状態にある際に、上記
変化量算出手段により上記実加速度に基づいて算出した
速度データと上記変位検出手段からの出力データに基づ
いて算出した速度データとの比に応じて、上記ゲインの
値を更新するようにしたので、上記ゲインが変動する場
合でも上記ゲインを適正な値に更新することができ、上
記実加速度、変化量データ、及び移動距離の誤差を減少
させることができる。
【0274】請求項8に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記変化量算出手段により算出した加速度データ
に基づく速度データの平均値と上記変位検出手段からの
出力データに基づく速度データの平均値との比に応じ
て、上記ゲインの値を更新するようにしたので、上記ゲ
インが変動する場合でも上記ゲインを適正な値に更新す
ることができ、上記実加速度、変化量データ、及び移動
距離の誤差を減少させることができる。
【0275】請求項9に記載のナビゲーション装置によ
れば、上記実加速度を算出する演算としてゲインとゲイ
ン補正係数とを乗ずる演算を行い、上記変化量算出手段
により上記実加速度及び上記変位検出手段からの出力デ
ータに基づいて算出した加速度変化量から、等加速度移
動状態を検出し、上記移動体が等加速度移動状態にある
際に、減速時と加速時とで独立に上記ゲイン補正係数の
値を更新するようにしたので、減速時と加速時で上記移
動体の傾斜角の変動が相違する場合でも、適正な値に更
新されたゲイン補正係数により適正な値の実加速度を算
出することができ、変化量データ、及び移動距離の誤差
を減少させることができる。
【0276】請求項10に記載のナビゲーション装置に
よれば、少なくとも、GPS衛星からの電波に基づいて
移動***置を算出するGPS測位手段、移動体の方向変
化に伴い角速度データを出力する角速度センサ、あるい
は移動体の移動速度を検出する速度検出手段のいずれか
一つにより、上記移動体の位置変化または方向変化に対
応して所定のデータを得るので、加速度センサにより出
力される加速度データに比して精度の高いデータに基づ
いて上述のような更新を行うことができ、実加速度、変
化量データ、及び移動距離の誤差を減少させることがで
きる。
【0277】請求項11に記載のナビゲーション装置に
よれば、実加速度及び変位検出手段からの出力データに
基づいて移動体の変位状態を検出し、減速時と加速時で
上記移動体の傾斜角の変動に応じて、それぞれ異なるパ
ラメータにより実加速度を蚕算出するので、誤差の少な
い実加速度を得ることができる。その結果、誤差の少な
い実加速度に基づいて算出される変化量データ、及び当
該変化量データに基づいて算出される移動距離の誤差を
減少させることができる。
【0278】請求項12に記載のナビゲーション装置に
よれば、減速時と加速時で上記移動体の傾斜角の変動が
相違する場合でも、その変動に応じたゲインまたはオフ
セット値を用いて上記演算を行うので、誤差の少ない実
加速度を得ることができ、その結果、誤差の少ない実加
速度に基づいて算出される変化量データ、及び当該変化
量データに基づいて算出される移動距離の誤差を減少さ
せることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置
の概要構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態における加速度センサからの
出力値を処理する手段を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施形態における車両の停止判定処理
を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態における揺り戻し発生の際に
おける車両の加速度及び速度の変化例を示すグラフであ
る。
【図5】本発明の実施形態における揺り戻し検知処理を
示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態における車両の発進判定処理
を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態おける停止時におけるオフセ
ット値の更新処理を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施形態におけるRAM上に設けられ
たバッファの構成を示す模式図である。
【図9】本発明の実施形態の走行時におけるオフセット
値の更新処理を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態の等速度走行状態及び等加
速度走行状態におけるゲインの更新処理及びゲイン補正
係数更新処理を示すフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における加減速独立ゲイン
補正係数学習処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の実施形態における加減速独立ゲイン
補正係数学習処理を示すフローチャートである。
【図13】本発明の実施形態における加減速独立ゲイン
補正係数学習処理を示すフローチャートである。
【図14】本発明の実施形態における加減速独立ゲイン
補正係数学習処理を示すフローチャートである。
【図15】本発明の実施形態におけるゲイン補正係数の
収束例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の実施形態における速度係数の切換例
を示すグラフである。
【図17】本発明の実施形態における速度リセット処理
を示すフローチャートである。
【図18】本発明の実施形態における各センサ等が接続
されたシステムコントローラを機能面から説明するため
のブロック図である。
【図19】本発明の実施形態における自車位置検出処理
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1…加速度センサ 2…角速度センサ 3…走行距離センサ 4…GPS受信機 5…システムコントローラ 6…インターフェース 7…CPU 8…ROM 9…RAM 10…バスライン 11…入力装置 12a…DVD−ROMドライブ 12b…CD−ROMドライブ 13…表示ユニット 14…グラフィックスコントローラ 15…バッファメモリ 16…表示制御部 17…ディスプレイ 18…音響再生ユニット 19…D/Aコンバータ 20…増幅器 21…スピーカ 22…VICS受信部 DK1…DVD−ROMディスク DK2…CD−ROMディスク

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動体の前後方向の加速度を検出し加速
    度データを出力する加速度センサと、 上記移動体の位置変化または方向変化に対応して所定の
    データを出力する変位検出手段と、 上記加速度センサから出力される加速度データに所定の
    演算を施すことにより実加速度を算出する実加速度算出
    手段と、 上記実加速度または変位検出手段からのデータに基づい
    て上記移動体の単位時間当たりの位置変化量または方向
    変化量の少なくともいずれか一方を算出し所定の変化量
    データを出力する変化量算出手段と、 上記変化量算出手段により出力された変化量データに基
    づいて上記移動体の移動距離を算出する移動距離算出手
    段とを備え、 上記実加速度算出手段は、上記実加速度及び上記変位検
    出手段からの出力データに基づいて上記移動体の変位状
    態を検出し、上記移動体が所定状態にある際の上記加速
    度センサまたは上記変位検出手段の少なくともいずれか
    一方の出力データに基づいて上記演算のパラメータの値
    の更新を行う、 ことを特徴とするナビゲーション装置。
  2. 【請求項2】 上記パラメータは、上記加速度データに
    乗ずるゲイン、またはゲイン補正係数、もしくは上記加
    速度データから差し引くオフセット値の少なくともいず
    れか一つであることを特徴とする請求項1に記載のナビ
    ゲーション装置。
  3. 【請求項3】 上記実加速度算出手段が上記演算のパラ
    メータの更新を行う際の出力データを得る前記所定状態
    は、前記移動体の安定状態であることを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
  4. 【請求項4】 上記実加速度算出手段は、上記演算とし
    て上記加速度データからオフセット値を差し引く演算を
    行うと共に、上記実加速度及び上記変位検出手段からの
    出力データに基づいて上記移動体の停止状態を検出し、
    上記移動体が停止状態にある際に、加速度センサのオフ
    セット値を更新することを特徴とする請求項2または請
    求項3に記載のナビゲーション装置。
  5. 【請求項5】 上記実加速度算出手段は、上記演算とし
    て上記加速度データからオフセット値を差し引く演算を
    行うと共に、上記実加速度及び上記変位検出手段からの
    出力データに基づいて上記移動体の等速度移動状態を検
    出し、上記移動体が等速度移動状態にある際に、上記加
    速度センサのオフセット値を更新することを特徴とする
    請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載のナビゲー
    ション装置。
  6. 【請求項6】 上記実加速度算出手段は、上記加速度デ
    ータの平均値を算出し、当該平均値により上記加速度セ
    ンサのオフセット値を更新することを特徴とする請求項
    4または請求項5に記載のナビゲーション装置。
  7. 【請求項7】 上記実加速度算出手段は、上記演算とし
    てゲインを乗ずる演算を行うと共に、上記実加速度及び
    上記変位検出手段からの出力データに基づいて上記移動
    体の等速度移動状態を検出し、上記移動体が等速度移動
    状態にある際に、上記変化量算出手段により上記実加速
    度に基づいて算出した速度データと上記変位検出手段か
    らの出力データに基づいて算出した速度データとの比に
    応じて、上記ゲインの値を更新することを特徴とする請
    求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載のナビゲーシ
    ョン装置。
  8. 【請求項8】 上記実加速度算出手段は、上記変化量算
    出手段により上記実加速度に基づいて算出した速度デー
    タの平均値と上記変位検出手段からの出力データに基づ
    いて算出した速度データの平均値との比に応じて、上記
    ゲインの値を更新することを特徴とする請求項7に記載
    のナビゲーション装置。
  9. 【請求項9】 上記実加速度算出手段は、上記演算とし
    てゲインとゲイン補正係数とを乗ずる演算を行うと共
    に、上記変化量算出手段により上記実加速度及び上記変
    位検出手段からの出力データに基づいて算出した加速度
    変化量から、等加速度移動状態を検出し、上記移動体が
    等加速度移動状態にある際に、減速時と加速時とで独立
    に上記ゲイン補正係数の値を更新することを特徴とする
    請求項2乃至請求項8のいずれか一項に記載のナビゲー
    ション装置。
  10. 【請求項10】 上記変位検出手段は、少なくとも、G
    PS衛星からの電波に基づいて移動***置を算出するG
    PS測位手段、移動体の方向変化に伴い角速度データを
    出力する角速度センサ、あるいは移動体の移動速度を検
    出する速度検出手段のいずれか一つを備えていることを
    特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか一項に記載
    のナビゲーション装置。
  11. 【請求項11】 移動体の前後方向の加速度を検出し加
    速度データを出力する加速度センサと、 上記移動体の位置変化または方向変化に対応して所定の
    データを出力する変位検出手段と、 上記加速度センサから出力される加速度データに所定の
    演算を施すことにより実加速度を算出する実加速度算出
    手段と、 上記実加速度または変位検出手段からのデータに基づい
    て上記移動体の単位時間当たりの位置変化量または方向
    変化量の少なくともいずれか一方を算出し所定の変化量
    データを出力する変化量算出手段と、 上記変化量算出手段により出力された変化量データに基
    づいて上記移動体の移動距離を算出する移動距離算出手
    段とを備え、 上記実加速度算出手段は、減速時と加速時とで異なるパ
    ラメータを用いて上記演算を行うことを特徴とするナビ
    ゲーション装置。
  12. 【請求項12】 前記減速時と加速時で異なるパラメー
    タは、ゲインまたはオフセット値であることを特徴とす
    る請求項11に記載のナビゲーション装置。
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