JPH10302322A - 光ディスクおよびその製造方法 - Google Patents

光ディスクおよびその製造方法

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JPH10302322A
JPH10302322A JP9164174A JP16417497A JPH10302322A JP H10302322 A JPH10302322 A JP H10302322A JP 9164174 A JP9164174 A JP 9164174A JP 16417497 A JP16417497 A JP 16417497A JP H10302322 A JPH10302322 A JP H10302322A
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JP
Japan
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mark
light beam
pit
width
optical disk
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Application number
JP9164174A
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English (en)
Inventor
Kozo Taira
浩三 平
Toshiyuki Nakano
敏行 中野
Sukeaki Matsumaru
祐晃 松丸
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 情報が高密度にピット列のようなマーク列と
して記録され、しかも再生用光ビームのスポット径より
長さの短いマークに対する再生信号振幅を高くできる光
ディスクを提供すること及びこのような光ディスクを原
盤を用いて製造するために原盤上に情報をピット列のよ
うなマーク列として記録する方法を改良した光ディスク
の製造方法を提供すること。 【解決手段】 光ビームの照射により読み取り可能な情
報を記録したマーク列(11,12)を備えた光ディス
クにおいて、前記マーク列のうち最短マーク長のマーク
(11)の幅が他のマーク(12)の幅以上であること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報をピット列な
どのマーク列の形で高密度に記録した光ディスクおよび
この光ディスクを原盤を用いて製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光ディスクは、情報を光ビームの照射に
よって読み取り可能なピット列などのマーク列として記
録した記録媒体である。このような光ディスクは高密度
・大容量なメモリとして注目され、パーソナルコンピュ
ータを初めとする各種の情報処理システムの記憶装置
や、オーディオ・ビデオ信号用の記録媒体として実用化
されており、現在もさらなる高密度化・大容量化に向け
て研究・開発が進められている。
【0003】光ディスクは、原盤からメッキ工程を経て
スタンパを作成し、このスタンパから射出成形によって
大量のディスク基板を複製し、このディスク基板上にア
ルミニウム膜などの反射膜、あるいは相変化膜や光磁気
膜などの記録膜を形成することにより作成される。原盤
は通常、ガラス基板にフォトレジスト膜を塗布し、この
フォトレジスト膜上に露光用レーザビームを対物レンズ
で絞り込んで照射することで露光を行い、次いでエッチ
ング材により現像することによって作られる。ここで、
露光用レーザビームを記録すべき情報信号に応じて強度
変調すれば、原盤上に情報に対応したピット列が形成さ
れ、また強度の一様な露光用レーザビームを照射すれ
ば、原盤上にグルーブが形成される。
【0004】ピット列を形成した原盤から前述のように
スタンパを作成し、スタンパを用いてディスク基板を複
製して、ディスク基板上に反射膜を形成すると、反射膜
に形成されたピット列の形で情報を記録した光ディスク
が得られる。一方、原盤にグルーブを形成しておき、デ
ィスク基板上に記録膜を形成すれば、記録膜に光ビーム
のトラッキングガイドのためのグルーブが形成された光
ディスクが得られるので、このグルーブに沿って記録膜
上に情報をピット列などのマーク列として記録すること
ができる。
【0005】一方、こうして情報が記録された光ディス
クから情報を再生する際には、ピットを読み取るための
再生用光ビームを光ディスクに照射して、ピットからの
反射光を光検出器で検出することによって再生信号を得
る。再生用光ビームとして、従来では赤色レーザ素子か
ら発生されるレーザビームが用られており、このレーザ
ビームが対物レンズで1μm径程度のスポットに絞り込
まれて光ディスク上に照射される。この場合、0.3μ
m〜0.4μm程度の幅を持ったピットを読み取ること
ができる。
【0006】光ディスクの高密度化を図るためには、光
ディスク上のピットを小さくしピットピッチを小さくす
る必要がある。このため、より高密度なピット形成が望
まれている。一方、高密度に形成されたピットを読み取
るためには、再生用光ビームのスポット径を小さくする
必要がある。この要求に対して、SHGレーザ素子や青
色レーザ素子などの短波長レーザ素子の開発が精力的に
進められている。これらのレーザ素子を用いると、再生
用光ビームのスポット径もサブミクロンオーダまで小さ
くできると予想される。
【0007】ただし、再生用光ビームのスポット径と光
ディスク上のピットの大きさとの間には最適条件があ
り、ピット長が再生用光ビームのスポット径より大きい
場合、ほぼスポット径の1/3の幅のピットを形成した
とき、再生信号振幅が最も大きくなるとされている。青
色レーザ素子の発光波長では、対物レンズにもよるが、
スポット径は0.6μm径程度まで小さくなると考えら
れる。その場合、再生信号振幅を最大にするためには、
光ディスク上のピット幅を0.2μm程度まで微細化す
ることが必要となる。
【0008】前述したように、光ディスクで高密度記録
を行うためには、ピットを微細化する必要があるが、ピ
ットの微細化によりピットピッチが再生用光ビームのス
ポット径より小さくなると、MTF(Modulation Transf
er Function)が低下し、再生信号振幅が小さくなる。特
に、最短ピットでは原盤の露光時に露光用レーザビーム
のスポット径と同程度か、あるいはそれより小さいピッ
トを記録することになるため、ピット幅もピット長の大
きいピットに比べ小さくなってしまい、再生信号振幅が
極端に減少してしまうという問題がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、光デ
ィスクの高密度化を達成すべくピットを微細化し、かつ
微小なピットを読み取るべく再生用光ビームを短波長化
してスポット径を小さくすると、ピット長の短いピット
を読み取るときに再生信号振幅が大きく低下してしま
う。このような再生信号振幅の低下は、再生信号ジッタ
の増大やエラーレートの増加を招き、光ディスクシステ
ムとしての信頼性が著しく低下するという問題を引き起
こす。
【0010】本発明の目的は、情報が高密度にピット列
のようなマーク列として記録され、しかも再生用光ビー
ムのスポット径より長さの短いマークに対する再生信号
振幅を高くできる光ディスクを提供することにある。
【0011】また、本発明の他の目的は、このような光
ディスクを原盤を用いて製造するために原盤上に情報を
ピット列のようなマーク列として記録する方法を改良し
た光ディスクの製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決するために次のような手段を講じた。本発明の光デ
ィスクは、光ビームの照射により読み取り可能な情報を
記録したマーク列を備えた光ディスクにおいて、前記マ
ーク列のうち最短マーク長のマークの幅が他のマークの
幅以上であることを特徴とする。ここで、前記マーク列
の前記最短マークピッチが前記マーク列を読み取るため
の光ビームのスポット径より小さいことを特徴とする。
【0013】本発明の他の光ディスクは、前記マーク列
のマークの幅がマーク長の短いほど大きいことを特徴と
する。また、前記マーク列のマーク長が前記マーク列を
読み取るための光ビームのスポット径以下の領域におい
て、前記マーク列のマークの幅がマーク長の短いほど大
きいことを特徴とする。更に、前記マーク列の最短マー
クピッチが前記マーク列を読み取るための光ビームのス
ポット径より小さく、かつ前記マーク列のマークの幅が
マーク長によらず一定であることを特徴とする。
【0014】このように最短マークの幅を他のより長い
マークの幅に比較して広くすると(又は、マークの幅を
マーク長の短いほど大きくするか、あるいはマーク列の
最短マークピッチを再生用光ビームのスポット径より小
さくしかつマークの幅をマーク長によらず一定すること
によって)、最短マークを読み取ったときの再生信号振
幅が増大する。これはマーク長が再生用光ビームのスポ
ット径より小さい場合、再生信号振幅が最大となるマー
ク幅が変わり、広くした方が再生信号振幅が大きくなる
からである。実際に従来の光ディスクを調べると、露光
用光ビームのスポット径と同程度に長さの短いマークを
記録した場合、他の長いマークに比べてマークの幅が小
さくなる傾向がある。このことからも、本発明のように
最短マークのマーク幅を補正することで再生信号振幅特
性が向上することが分かる。
【0015】このように、本発明では光ディスクの高密
度化のために最短マークの長さが短くなった場合でも、
再生信号振幅の低下が抑えられる。この結果、再生信号
ジッタマージンが大きくなり、エラーレートが低下する
ため、高密度かつ信頼性に優れた光ディスクシステムを
実現することができる。
【0016】一方、マークピッチに関しては、再生用光
ビームのスポット径より小さくなるとMTFが低下し、
再生信号振幅を低下させる。このマークピッチによるM
TF特性への影響は、特に最短マークにおいて顕著であ
るため、光ディスクシステムとして考えたときは、本発
明のように最短マークのマーク幅を補正するのみでも再
生信号特性の向上に十分な効果が得られ、マーク幅の補
正を実現するための信号処理系の構成も簡単で済み、実
用上有利である。
【0017】本発明の光ディスクを製造する方法は、記
録すべき情報信号に応じて変調された露光用光ビームを
照射して、前記情報信号を原盤にマーク列として形成す
る第1のステップと、前記原盤を用いて、光ビームの照
射により読み取り可能なマーク列として情報が記録され
た光ディスクを作成する第2のステップと、を備えた光
ディスクの製造方法であって、前記第1のステップは、
最短マーク長のマークに対応する露光用光ビームのパワ
ーを他のマークに対応する露光用光ビームのパワーより
大きくしてマーク列を作成するステップを含むことを特
徴とする。ここで、前記第1のステップは、前記最短マ
ーク長のマークに対応する露光用光ビームのパルス幅を
他のマークに対応する露光用光ビームのパルス幅より小
さくしてマーク列を作成するステップを更に含むことを
特徴とする。また、前記第1のステップは、全てのマー
クに対応する露光用光ビームのパルス幅を前記情報信号
のパルス幅より小さくしてマーク列を作成するステップ
を更に含むことを特徴とする。
【0018】このような方法で情報が記録された原盤を
用いて光ディスクを製造すると、最短マークピッチが再
生用光ビームのスポット径より小さく、かつ最短マーク
長のマークの幅が他のマークの幅以上であるマーク列と
して情報を記録した上記のような光ディスクを得ること
ができる。
【0019】この場合、最短マーク長のマークに対応す
る露光用光ビームのパワーを他のマークに対応する露光
用光ビームのパワーより大きくすることに加えて、最短
マーク長のマークに対応する露光用光ビームのパルス幅
を他のマークに対応する露光用光ビームのパルス幅より
小さくするか、あるいは全てのマークに対応する露光用
光ビームのパルス幅を情報信号のパルス幅より小さくし
てもよい。こうすると最短マークの長さを予定より長く
することなく、最短マークの幅を大きくすることが可能
となる。
【0020】本発明の光ディスクを製造する方法は、記
録すべき情報信号に応じて変調された露光用光ビームを
照射照射して、情報を原盤にマーク列として形成する第
1のステップと、前記原盤を用いて、光ビームの照射に
より読み取り可能なマーク列として情報が記録された光
ディスクを作成する第2のステップと、を備えた光ディ
スクの製造方法であって、前記第1のステップは、前記
露光用光ビームのピークパワーに対して10%のパワー
での前記原盤上のスポット径をwとし、前記情報信号の
パルス幅に対応する前記原盤上での空間的な長さをxと
した場合に、x/w>1のときは該露光用光ビームのパ
ワーを一定とし、x/w≦1のときは該露光用光ビーム
のパワーをx/w>1のときのパワーに対して0.5×
{(w/x)+1}倍として、前記マーク列を作成する
ステップを含むことを特徴とする。このように露光用光
ビームのパワーを補正することにより、最短マークを含
めたマーク長の短いマークの幅がマーク長の長いマーク
より大きい光ディスクが得られる。
【0021】本発明の光ディスクを製造する方法は、記
録すべき情報信号に応じて変調された露光用光ビームを
照射照射して、情報を原盤にマーク列として形成する第
1のステップと、前記原盤を用いて、光ビームの照射に
より読み取り可能なマーク列として情報が記録された光
ディスクを作成する第2のステップと、を備えた光ディ
スクの製造方法であって、前記露光用光ビームのピーク
パワーに対して10%のパワーでの前記原盤上のスポッ
ト径をwとし、前記情報信号のパルス幅に対応する前記
原盤上での空間的な長さをxとした場合に、x/w≦
0.5のときに、該露光用光ビームのパワーをx/w>
0.5のときのパワーに対して0.5×{(w/x)+
1}倍として前記マーク列を作成するステップを含むこ
とを特徴とする。
【0022】上記の製造方法において、前記露光用光ス
ポットとして、前記原盤の接線方向に短い形状のスポッ
トを用いて前記マーク列を作成するステップを含むこと
を特徴とすることによって、最短マークの幅を他のマー
クの幅以上にすることが容易となる。前記原盤の接線方
向に短い形状のビームは、前記露光用光ビームとなる光
ビームを超解像フィルタに通すことによって得られるこ
とを特徴とする。この超解像フィルタは、例えば原盤の
半径方向に沿ったストライプ状の遮蔽板、または原盤の
接線方向(原盤の半径方向に直交する方向)を長軸とす
る楕円状の遮蔽板により実現することができる。このよ
うな超解像フィルタによる原盤の接線方向の超解像効果
によって、露光用光ビームをより小さなスポットで原盤
の半径方向に長い楕円状にすることができ、光ディスク
の高密度化にさらに有利となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。なお、本実施形態ではマーク列とし
てピット列を形成した光ディスクについて述べる。 (第1の実施形態)図1に、本発明の第1の実施形態に
よる光ディスクの表面ピット形状を示す。この光ディス
クは、例えば樹脂製のディスク基板上に同心円状または
螺旋状のトラックに沿って情報がピット列として記録さ
れ、その上にアルミニウム膜などの反射膜が形成された
再生専用光ディスクである。ピット列は記録される情報
に応じた種々の長さ(ピット長)を持つピット11,1
2からなる。これらのうち、ピット11がピット長の最
も短いピット(最短ピット)である。
【0024】この光ディスクに記録された情報は、図示
しない光学ヘッドでピット列を読み取ることによって再
生される。光学ヘッドは光源である半導体レーザ素子、
コリメータレンズ、ビームスプリッタ、対物レンズ、集
光レンズ、光検出器などを主体として構成された公知の
ものでよく、半導体レーザ素子から出射されたレーザビ
ームはコリメータレンズ、ビームスプリッタを介して対
物レンズに入射し、対物レンズで絞り込まれて、光ディ
スク上に図1に示すように微小なスポット(以下、再生
用光ビームスポットという)13として照射される。
【0025】そして、光ディスクからの反射光は、入射
ビームと逆方向に対物レンズを通過した後、ビームスプ
リッタにより入射ビームと分離され、集光レンズを介し
て光検出器に導かれる。光検出器は受光面を複数に分割
した分割光検出器であり、その複数の出力信号を演算処
理することによって、再生信号およびトラッキングサー
ボやフォーカスサーボに必要なエラー信号が生成され
る。
【0026】ここで、各パラメータについて一例を示す
と、トラックピッチPtは0.74μm、ピット長は
0.4〜1.5μmの範囲であり、最短ピット11のピ
ット長L1は設定値が0.4μm(最短ピットピッチP
1は0.8μm)である。ピット幅については、最短ピ
ット11以外のピット12のピット幅W2が0.4μm
であるのに対し、最短ピット11のピット幅W1は0.
41μmと、W2より大きくなっている。
【0027】この光ディスクからの再生に使用する半導
体レーザ素子は例えば赤色レーザであり、その発振波長
は650nmである。対物レンズのNA(開口数)は
0.6であり、再生用光ビームスポット13のスポット
径は約0.9μmである。すなわち、最短ピットピッチ
P1は再生用光ビームスポット13のスポット径より小
さくなっている。
【0028】一方、図2は従来の光ディスクの表面ピッ
ト形状を示したもので、最短ピット1の幅が0.35μ
mと、他のピット2のピット幅0.4μmより小さくな
っている。再生用光ビームスポット3のスポット径その
他のパラメータは、図1の場合とほぼ同じである。
【0029】上記のように、本実施形態の光ディスク
は、最短ピットピッチP1が再生用光ビームスポット1
3のスポット径より小さく、かつ最短ピット11のピッ
ト幅W1が他のピット12のピット幅W2以上である点
が従来の光ディスクと異なっている。このような構成す
ることにより、記録密度が非常に高密度でありながら最
短ピット11からの再生信号振幅を十分に大きくとるこ
とができる。
【0030】図1および図2の表面ピット形状を有する
光ディスクについて再生信号アイパターンを実測した結
果、図1に示した本実施形態の光ディスクからの再生信
号振幅、特に最短ピット11からの再生信号振幅は、図
2に示した従来の光ディスクのそれより大きくなってい
ることがわかった。なお、本実施形態では、図1に示し
たように、最短ピット11を楕円形状としたが、本発明
はこの場合に限られず、上記要件を満たせば最短ピット
の形状を円形としても良い。
【0031】次に、本実施形態の光ディスクの製造方法
について説明する。本実施形態の光ディスクは、基本的
には従来の光ディスクの製造工程と同様にして製造され
る。すなわち、光ディスクに記録すべきピット列と同様
のピット列を形成した原盤からメッキ工程を経てスタン
パが作成される。このスタンパから射出成形によって大
量のディスク基板が複製されて、このディスク基板上に
アルミニウム膜などの反射膜を形成することにより本実
施形態の光ディスクが作成される。但し、本実施形態で
は原盤への記録方法が従来の方法と異なっている。
【0032】以下、ピット列が形成された原盤を得るた
めの原盤記録装置の実施形態について述べる。図3は、
原盤記録装置の記録光学系を概略的に示したものであ
る。露光用光源であるレーザ発生装置21から出射され
たレーザビームは、まず第1の光変調器22に入射す
る。この光変調器22からの出射ビームはハーフミラー
23により二分割され、ハーフミラー23を通過したビ
ームはパワーモニタ用光検出器24に入射して光パワー
がモニタされる。光量制御系25は、光検出器24でモ
ニタされた光パワーが一定となるように第1の光変調器
22にフィードバック制御を施す。
【0033】一方、ハーフミラー23を反射したレーザ
ビームは、第2の光変調器26に入射し、ここで後述す
るように記録すべき情報信号に応じた光変調を受ける。
この光変調器26から出射されるレーザビームは、ミラ
ー27により案内されて幾つかのレンズからなるコリメ
ート系28によって平行光束とされた後、ミラー29に
より案内されて対物レンズ30に入射し、この対物レン
ズ30によって適当なスポット径に絞り込まれた露光用
レーザビーム31が原盤32に導かれる。原盤32は、
円形のガラス基板33上にフォトレジスト膜34を塗布
形成したものであり、フォトレジスト膜34に露光用レ
ーザビーム31が照射されることで、露光が行われる。
【0034】露光後のフォトレジスト膜34は、適当な
エッチング材によって現像が行われる。これにより、フ
ォトレジスト膜34上にピットが形成される。このとき
露光用レーザビーム31のパワー(それに加えて、パル
ス幅)を制御することにより、露光用レーザビーム31
のスポット径の近傍でフォトレジスト膜34の現像によ
って形成されるピットの大きさおよび幅を制御すること
ができる。レーザ発生装置21の発振波長を407nm
とし、対物レンズ30のNAを0.9とすると、露光用
レーザビーム31のスポット径はほぼ0.4μmとな
る。
【0035】ここで、従来の原盤記録装置を用いて0.
4μm程度の長さの短いピットを形成する場合を示す。
この場合には、ピットの幅は図2中の最短ピット11に
示されるように、ピット長の大きい他のピット12に比
べて小さくなってしまう。これに対して、本実施形態で
は露光用レーザビーム31のパワーを記録すべき情報信
号に応じて制御し、最短ピット11に対応するパワーを
他のピット12に対応するパワーより小さくすることに
よって、図1で説明したように最短ピット11のピット
幅W1を他のピット12のピット幅W2より大きくして
いる。以下、この点について詳しく説明する。
【0036】図3に示されるように、記録すべき情報信
号S1は信号処理回路35に入力され、この信号処理回
路35から第2の光変調器26を駆動するための光変調
器ドライバ36に露光用信号S2が供給される。信号処
理回路35は、画像、音声または各種データなどの信号
をディジタル化した二値の情報信号S1を処理して露光
用信号S2に変換する。
【0037】図4は、信号処理回路35の具体的な構成
例を示すブロック図である。外部から入力される情報信
号S1は、まずメモリ41に蓄積される。メモリ41か
ら読み出される情報信号は、パルス幅検出部42とパル
ス振幅変換部43に入力される。パルス振幅変換部43
では、パルス幅検出部42の検出結果に基づいてパルス
振幅の変換を行う。このパルス振幅変換部42によって
パルス振幅変換された信号は、露光用信号S2として図
3中の変調器ドライバ36に供給される。
【0038】次に、この信号処理回路35の動作を図5
に示す波形図を用いて説明する。図5(a)は信号処理
回路35に入力される情報信号S1であり、この情報信
号S1はメモリ41を介してパルス幅検出部42とパル
ス振幅変換部43に入力される。パルス振幅変換部43
からは、図5(b)に示す露光用信号S2が得られる。
【0039】パルス幅検出部42は、メモリ41から読
み出された情報信号について最短パルス幅のパルスを検
出すると、その旨を示す最短パルス幅検出信号をパルス
振幅変換部43に供給する。パルス振幅変換部43は、
この最短パルス幅検出信号を受け取ると、そのときにメ
モリ41から入力されている最短パルス幅のパルスの振
幅が最短パルス幅以外の他のパルスの振幅より所定量大
きくなるように振幅変換を行う。この結果、パルス振幅
変換部43から出力される露光用信号S2は、図5
(b)に示したように最短ピット11に対応するパルス
P21の振幅A1が他のピット12に対応するパルスP
22の振幅A2より大きなものとなる。
【0040】この露光用信号S2に従って、図3に示す
ように光変調器ドライバ36によって第2の光変調器2
6を駆動し、光変調器26に入射するレーザビームに対
し露光用信号S2のパルス振幅に応じた強度変調を施す
と、露光用レーザビーム31のパワーは最短ピット11
に対応する期間では、他のピット12に対応する期間に
比べて大きくなる。この結果、図1に示されるように最
短ピット11のピット幅W1を他のピット12のピット
幅W2より大きくすることができる。
【0041】図6は、信号処理回路35の他の構成例を
示すブロック図であり、パルス振幅変換部43の後段に
パルス幅変換部44が設けられている点が図4の構成と
異なっている。すなわち、外部から入力される情報信号
S1は、まずメモリ41に蓄積され、メモリ41から読
み出される情報信号はパルス幅検出部42とパルス振幅
変換部43に入力される。パルス振幅変換部43の出力
信号は、さらにパルス幅変換部44に入力される。パル
ス振幅変換部43およびパルス幅変換部44では、パル
ス幅検出部42の検出結果に基づいてパルス振幅変換お
よびパルス幅変換をそれぞれ行う。こうしてパルス振幅
変換およびパルス幅変換された信号が露光用信号S2と
して図3中の変調器ドライバ36に供給される。
【0042】この信号処理回路35の動作を図7に示す
波形図を用いて説明する。図7(a)は信号処理回路3
5に入力される情報信号S1であり、図5(a)の場合
と同様、P11は最短ピットに対応するパルス、P12
は最短ピット以外のピットに対応するパルスである。こ
こで、最短ピットに対応するパルスP11のパルス幅を
B0とする。この情報信号S1がメモリ41を介してパ
ルス振幅変換部43とパルス幅変換部44を順次通過す
ると、図7(b)に示す露光用信号S2が得られる。
【0043】パルス幅検出部42は、メモリ41から読
み出された情報信号について最短パルス幅のパルスを検
出すると、その旨を示す最短パルス幅検出信号をパルス
振幅変換部43およびパルス幅変換部44に供給する。
パルス振幅変換部43は、この最短パルス幅検出信号を
受け取ると、そのときにメモリ41から入力されている
最短パルス幅のパルスの振幅が最短パルス幅以外の他の
パルスの振幅より所定量大きくなるように振幅変換を行
う。この動作は、図4の場合と同様である。一方、パル
ス幅変換部44は、最短パルス幅検出信号を受け取る
と、パルス振幅変換部43を介して入力されている最短
パルス幅のパルスのパルス幅を所定量小さくするように
パルス幅変換を行う。
【0044】この結果、パルス振幅変換部43とパルス
幅変換部44を介して出力される露光用信号S2は、図
7(b)に示したように最短ピット11に対応するパル
スP21の振幅A1が他のピット12に対応するパルス
P22の振幅A2より大きくなり、かつパルスP21の
パルス幅B1が情報信号S1の最短ピット11に対応す
るパルスP11のパルス幅B0より小さくなる。
【0045】この露光用信号S2に従って、光変調器ド
ライバ36によって第2の光変調器26を駆動し、光変
調器26に入射するレーザビームに対し露光用信号S2
のパルス振幅に応じた強度変調を施すと、露光用レーザ
ビーム31のパワーは、最短ピット11に対応する期間
では他のピット12に対応する期間に比べて大きくな
り、かつ露光用レーザビーム31のパルス幅(照射時
間、露光時間)は、最短ピット11に対応する期間では
情報信号S1で決まる時間より短くなる。
【0046】図4および図5で説明したようにして、最
短ピット11に対応する期間に露光用レーザビーム31
のパワーを大きくするのみでは、最短ピット11の長さ
が予定より長くなってしまうことがある。これに対し、
図6および図7で説明したように、最短ピット11に対
応する期間には露光用レーザビーム31のパワーを大き
くすると共に、パルス幅をある程度小さくすれば、最短
ピット11の長さを予定通りにすることができる。この
最短ピット11に対応するパルス幅は、露光用レーザビ
ームのスポット径とピット形成プロセス条件によって変
わるため、実験的に最適な値を選ぶことが望ましい。
【0047】なお、図7(b)では露光用信号S2のう
ち最短ピット11に対応するパルスP21の幅B1だけ
を情報信号S1の対応するパルスP11のパルス幅B0
より小さくしたが、図7(c)に示すように露光用信号
S2の全てのピットに対応するパルスの幅を情報信号S
1の対応するパルスのパルス幅より一律に、例えば同じ
割合ずつ小さくしてもよい。
【0048】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態について説明する。第1の実施形態は上述した
ように、最短ピットピッチが再生用光ビームのスポット
径より小さく、かつ最短ピット11の幅が他のピットよ
り大きいことが特徴であるが、このようにするためには
露光用レーザビーム31のスポット形状もピットの幅方
向、すなわち原盤32の半径方向に長い形状となってい
る方が所望のピット形成を容易に行うことができ、好ま
しい。
【0049】図8に、露光用レーザビーム31のスポッ
トを原盤32の幅方向に長い形状とするための一実施形
態を示す。本実施形態では、図3の原盤記録装置におけ
る対物レンズ30への入射光路、例えばミラー29の前
に楕円のアパーチャ51を挿入して円形のレーザビーム
50を楕円のレーザビーム52に成形し、原盤32の半
径方向における対物レンズ30のNAを等価的に下げる
ことによって、対物レンズ30から出射する露光用レー
ザビーム31のスポット形状を半径方向に長くしてい
る。なお、図8では分かりやすくするため、対物レンズ
30を入射光軸方向から見た平面図として描いており、
またこれに入射するレーザビームを断面で示している。
【0050】(第3の実施形態)図9および図10に、
第3の実施形態を示す。図9に示す実施形態では、原盤
32の半径方向に沿ったストライプ状の遮蔽板61から
なる超解像フィルタを対物レンズ30への入射光路に挿
入している。また、図10に示す実施形態では、原盤3
2の半径方向を長軸とする楕円状の遮蔽板からなる超解
像フィルタ62を同様に対物レンズ30への入射光路に
挿入している。なお、図9および図10においても、対
物レンズ30を光軸方向から見た平面図として描き、ま
たこれに入射するレーザビームを断面で示している。
【0051】このようにすると、超解像フィルタ61,
62による原盤32の接線方向の超解像効果によって、
露光用レーザビーム31を従来の露光用レーザビームよ
り小さなスポットで原盤32の接線方向に短い(原盤3
2の半径方向に直交する方向)楕円状にすることがで
き、光ディスクの高密度化にさらに有利となる。
【0052】(第4の実施形態)図11および図12
は、本発明の第4の実施形態におけるピット長Lとピッ
ト幅Wの関係を示した図である。ここでは、最短ピット
ピッチが再生用ビームスポット径より小さいような高密
度な場合を示している。
【0053】第1の実施形態では、最短ピット11のピ
ット幅W1を他のピット12のピット幅W2より大きく
したが、図11に示すようにピット長Lの短いほどピッ
ト幅Wを大きくしてもよいし、図12に示すようにピッ
ト長Lが再生用光ビームのスポット径S以下の領域で
は、ピット長Lの短いほどピット幅Wを大きくし、それ
以外の領域ではピット長Lによらずピット幅Wを一定と
するようにしてもよく、このようにしても第1の実施形
態とほぼ同様の効果が得られる。
【0054】図13に、本実施形態による光ディスクの
表面ピット形状を示す。最短ピット11(この例ではピ
ット長3T)のピット幅をW1とし、それ以外のピット
12のうちピット長4Tのピットのピット幅をW3、ピ
ット長8Tのピットのピット幅をW2とすると、図1に
示した第1の実施形態による光ディスクでは、W1>W
2=W3であったのに対して、本実施形態ではW1>W
3>W2、すなわちピット長の短いほどピット幅を大き
くしている。また、ピット長が再生用光ビームスポット
径以下の領域でのみピット長の短いほどピット幅を大き
くし、それ以外の領域ではピット長によらずピット幅を
一定としてもよい。
【0055】このように本実施形態では、最短ピットを
含めてよりピット長の短いピットのピット幅を大きくす
ることにより、記録密度を高密度化しつつ短ピットから
の再生信号振幅を大きくとることができる。
【0056】(第5の実施形態)次に、ピット幅がピッ
ト長に関係なくほぼ一定のピット列を形成した光ディス
クとその製造方法について説明する。
【0057】図14は、本実施形態に係る光ディスクの
表面ピット形状を示す。図14に示されるように、本実
施形態では最短ピット11および他のピット12を含め
て全てのピットの幅を等しくしている点が第1の実施形
態と異なっている。但し、本実施形態においても、最短
ピットピッチP1は第1の実施形態と同様に再生用光ビ
ームスポット13のスポット径より小さくなっている。
【0058】各パラメータについて一例を示すと、トラ
ックピッチTpは0.6μm、ピット長は0.33〜
1.2μmの範囲であり、最短ピット11のピット長L
1は0.33μm(最短ピットピッチP1は0.66μ
m)である。ピット幅については、最短ピット11およ
び他のピット12を含めてW=0.33μmと等しくな
っている。
【0059】この光ディスクからの再生に使用する半導
体レーザ素子は例えば緑色レーザであり、その発振波長
は532nmである。対物レンズのNA(開口数)は
0.6であり、再生用光ビームスポット13のスポット
径は約0.7μmである。すなわち、最短ピットピッチ
P1は再生用光ビームスポット13のスポット径より小
さくなっている。一方、従来の光ディスクでは図2に示
したように最短ピット1の幅は、他のピット2のピット
幅0.4μmより小さく、例えば0.28μmとなって
いる。
【0060】このように本実施形態の光ディスクは、最
短ピットピッチP1が再生用光ビームスポット12のス
ポット径より小さく、かつ全てのピット11,12のピ
ット幅Wがほぼ等しい点が従来の光ディスクと異なって
いる。このような構成することにより、記録密度が非常
に高密度でありながら最短ピット11を含めて全てのピ
ットからの再生信号振幅を十分に大きくとり、さらにク
ロストーク量の変動を抑制することができる。
【0061】なお、本実施形態では、図14に示したよ
うに、最短ピット11を円形としたが、本発明はこの場
合に限られず、上記要件を満たせば、図1に示したよう
に、最短ピットを楕円形状としても良い。
【0062】次に、本実施形態の光ディスクの製造方法
について説明する。図14に示したようにピット幅がピ
ット長によらず一定のピットを形成するためには、図3
に示した原盤記録装置において、原盤32のフォトレジ
スト34に照射される露光用レーザビーム31のパワー
のピークの原盤32の半径方向の分布が等しくなるよう
にすればよい。
【0063】図15は、露光用レーザビーム31として
ビームパワーがエアリー分布を持つレーザビームを用い
て1次元の走査を行ったときの露光用レーザビーム31
のビームパワーの絶対値を走査方向に表した図である。
露光用レーザビーム31のスポット径はk×λ/NAで
定義され、図3に示した原盤記録装置において、レーザ
発生装置21の発振波長をλ=351nm、対物レンズ
30のNAを0.9とすると、ピークパワーに対し1/
2になるスポット径は0.32μm、ビームパワーが
最初に零となる、いわゆる暗環径は0.476μmであ
る。
【0064】この図15から、0.36μm以上の距離
にわたって走査を行うと、露光用レーザビーム31のピ
ークパワーがほぼ一定となることが分かる。この0.3
6μmという距離は、ピークパワーに対して略10%の
パワーでの原盤32上での露光用レーザビーム31のス
ポット径に相当する。従って、露光用レーザビーム31
のスポット径をピークパワーに対して10%のパワーで
のスポット径として定義すると、このスポット径より長
い距離に対しては、すなわち、ある程度以上長い走査時
間に対しては、ピークパワーは一定となる。
【0065】図16は、上述のように定義したスポット
径(wとする)に対する、記録すべき情報信号のパルス
幅に対応する原盤32上での空間的な長さxの比a(=
x/w)をパラメータとして、フォトレジスト膜34上
に照射される露光用レーザビーム31のパワーの原盤3
2の半径方向における分布を示したものである。
【0066】図17は、a=x/wに対して露光用レー
ザビーム31のピークパワーをプロットして示す図であ
る。aが1以上の場合はピークパワーはほとんど変わら
ないが、aが1より小さい場合はピークパワーが低下す
ることが分かる。このため、スポット径Wより短いピッ
トを露光するときには、フォトレジスト膜34に対する
絶対露光量が減少することにより、ピット幅が狭くなっ
てしまう。通常、フォトレジストに対するスレッショル
ドはピークパワーの50%付近に設定するので、a=
0.8程度であればあまり問題ないが、a=0.5程度
になるとピット形成が難しくなる。そこで、同じピーク
パワーで露光ができるように露光用レーザビーム31の
パワーを補正することで、短いパルス幅でも同じピット
幅となるようにすることができる。
【0067】情報信号のパルス幅にかかわらず露光用レ
ーザビーム31のピークパワーを一定にし、原盤32の
半径方向のパワー分布を同じにして形成できるピット幅
を一定にするための露光用レーザビーム31のパワー
は、図17より図18のように求めることができる。す
なわち、情報信号のパルス幅に応じて露光用レーザビー
ム31のパワーをA倍することにより、ピークパワーを
一定にすることが可能である。
【0068】図18から、露光用レーザビーム31のパ
ワー補正量Aは、 A=0.5×{(1/a)+1} (1) で近似できる。このようなパワー補正量Aを用い、a>
1のときは露光用光ビーム31のパワーを一定とし、a
≦1のときは露光用光ビーム31のパワーをx/w>1
のときのパワーに対してA倍することによって、ピーク
パワーを一定にし、もってピット幅をピット長によらず
一定にすることができる。
【0069】本実施形態における原盤記録時の動作を図
3、図6および図7を用いてさらに詳しく説明する。図
3においてレーザ発振装置21の発振波長を351nm
とし、対物レンズ30のNAを0.9とすると、露光用
レーザビーム31のスポット径はほぼ0.32μmとな
る。この条件で従来の原盤記録装置を用いて0.32μ
m程度の長さの短ピットを形成しようとすると、ピット
幅は図2中の最短ピット11に示されるように他のピッ
ト12に比べて小さくなってしまう。
【0070】これに対して、本実施形態では図5(a)
に示される情報信号S1を信号処理回路35に入力し、
図5(b)に示すように露光用信号S2において露光用
レーザビーム31のスポット径より短い短ピットに対応
する短いパルス幅のパルスの振幅A1を他のピットに対
応する長いパルス幅のパルスの振幅A2より大きくし
て、短ピットのピットを形成するときの露光用レーザビ
ーム31のパワーを補正することにより、ピット幅を補
正できる。すなわち、このときの露光用レーザビーム3
1のパワー補正量Aを前述したように、式(1)で決定
することにより、ピット幅をピット長によらずほぼ一定
にすることが可能となる。
【0071】また、このとき露光用レーザビーム31の
パワーを大きくすると、長さ方向にもピットが大きくな
るので、図7(a)に示される情報信号S1に対して、
図7(b)または図7(c)に示すように露光用信号に
おいて短ピットに対応するパルスのパルス幅A1を短く
することが望ましい。このためには、再生される情報信
号のパルス長が所望の値となるように露光用信号S2の
パルス幅をコントロールすればよい。但し、このパルス
幅A1の最適値は露光用レーザビームとピット形成プロ
セスよって変わるため、実験的に定めることが望まし
い。
【0072】式(1)の補正量Aは、図18に示される
ようにa≦0.5のとき大きな値を示し、a>0.5の
ときはほとんど一定なので、この露光用レーザビームの
パワー補正は、x/w≦0.5のときのみ行ってもよ
い。すなわち、x/w≦0.5のときの露光用レーザビ
ームのパワーをx/w>0.5以外のときのパワーに対
してA倍にするようにしてもよい。
【0073】さらに、このような露光用レーザビームの
パワー補正の手法は、最短ピットのピット幅を他のピッ
トのピット幅以上とする第1の実施形態、あるいはピッ
ト長の短いほどピット幅を大きくしたり、ピット長が再
生用光ビームのスポット径以下の領域でピット長の短い
ほどピット幅を大きくし、それ以外の領域ではピット長
によらずピット幅を一定とする第4の実施形態にも適用
できることはいうまでもない。本発明は、上記の発明の
実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を
変更しない範囲で種々変形して実施できるのは勿論であ
る。
【0074】
【発明の効果】本発明によれば次のような効果が得られ
る。上記のように、本発明では光ディスクの高密度化の
ために最短マークの長さが短くなった場合でも、再生信
号振幅の低下が抑えられる。この結果、再生信号ジッタ
マージンが大きくなり、エラーレートが低下するため、
高密度かつ信頼性に優れた光ディスクシステムを実現す
ることができる。
【0075】一方、マークピッチに関しては、再生用光
ビームのスポット径より小さくなるとMTFが低下し、
再生信号振幅を低下させる。このマークピッチによるM
TF特性への影響は、特に最短マークにおいて顕著であ
るため、光ディスクシステムとして考えたときは、本発
明のように最短マークのマーク幅を補正するのみでも再
生信号特性の向上に十分な効果が得られ、マーク幅の補
正を実現するための信号処理系の構成も簡単で済み、実
用上有利である。
【0076】また、上記のような方法で情報が記録され
た原盤を用いて光ディスクを製造すると、最短マークピ
ッチが再生用光ビームのスポット径より小さく、かつ最
短マーク長のマークの幅が他のマークの幅以上であるマ
ーク列として情報を記録した光ディスクを得ることがで
きる。
【0077】この場合、最短マーク長のマークに対応す
る露光用光ビームのパワーを他のマークに対応する露光
用光ビームのパワーより大きくすることに加えて、最短
マーク長のマークに対応する露光用光ビームのパルス幅
を他のマークに対応する露光用光ビームのパルス幅より
小さくするか、あるいは全てのマークに対応する露光用
光ビームのパルス幅を情報信号のパルス幅より小さくし
てもよい。こうすると最短マークの長さを予定より長く
することなく、最短マークの幅を大きくすることが可能
となる。
【0078】また、超解像フィルタによる原盤の接線方
向の超解像効果によって、露光用光ビームをより小さな
スポットで原盤の半径方向に長い楕円状にすることがで
き、光ディスクの高密度化にさらに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に係る光ディスクの
表面ピット形状を示す図。
【図2】 従来の光ディスクの表面ピット形状を示す
図。
【図3】 本発明の第1の実施形態に係る原盤記録装置
の記録光学系を示す図。
【図4】 図3における信号処理回路の構成例を示すブ
ロック図。
【図5】 図4の信号処理回路の動作を示す信号波形
図。
【図6】 図3における信号処理回路の他の構成例を示
すブロック図。
【図7】 図6の信号処理回路の動作を示す信号波形
図。
【図8】 本発明の第2の実施形態における露光用光学
系の構成を示す図。
【図9】 本発明の第3の実施形態における超解像フィ
ルタを用いた露光用光学系の構成例を示す図。
【図10】 同実施形態における超解像フィルタを用い
た露光用光学系の他の構成例を示す図。
【図11】 本発明の第4の実施形態におけるピット長
とピット幅の関係の一例を示す図。
【図12】 同実施形態におけるピット長とピット幅の
関係の他の例を示す図。
【図13】 同実施形態に係る光ディスクの表面ピット
形状を示す図。
【図14】 本発明の第5の実施形態に係る光ディスク
の表面ピット形状を示す図。
【図15】 ビームパワーがエアリー分布を持つ露光用
レーザビームを用いて一方向に走査を行ったときのビー
ムパワーの分布を示す図。
【図16】 原盤の半径方向における露光用光ビームの
パワーの分布を光ビームスポット径に対する情報信号の
パルス幅に対応する原盤上の空間的長さの比をパラメー
タとして示す図。
【図17】 露光用光ビームのスポット径に対する情報
信号のパルス幅に対応する原盤上の空間的長さの比と露
光用光ビームのパワーとの関係を示す図。
【図18】 露光用光ビームのスポット径に対する情報
信号のパルス幅に対応する原盤上の空間的長さの比と露
光用光ビームのパワー補正量との関係を示す図。
【符号の説明】
11…最短ピット 12…最短ピット以外のピット 13…再生用光ビームスポット 21…レーザ発生装置 22…第1の光変調器 23…ハーフミラー 24…パワーモニタ用光検出器 25…光量制御系 26…第2の光変調器 27…ミラー 28…コリメート系 29…ミラー 30…対物レンズ 31…露光用レーザビーム 32…原盤 33…ガラス基板 34…フォトレジスト膜 35…信号処理回路 36…( 光変調器) ドライバ 41…メモリ 42…パルス幅検出部 43…パルス振幅変換部 44…パルス幅変換部 51…楕円アパーチャ 61…ストライプ状の超解像フィルタ 62…楕円状の超解像フィルタ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ビームの照射により読み取り可能な情
    報を記録したマーク列を備えた光ディスクにおいて、 前記マーク列のうち最短マーク長のマークの幅が他のマ
    ークの幅以上であることを特徴とする光ディスク。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の光ディスクにおいて、前
    記マーク列の前記最短マークピッチが前記マーク列を読
    み取るための光ビームのスポット径より小さいことを特
    徴とする光ディスク。
  3. 【請求項3】 光ビームの照射により読み取り可能な情
    報を記録したマーク列を備えた光ディスクにおいて、 前記マーク列のマークの幅がマーク長の短いほど大きい
    ことを特徴とする光ディスク。
  4. 【請求項4】 光ビームの照射により読み取り可能な情
    報を記録したマーク列を備えた光ディスクにおいて、 前記マーク列のマーク長が前記マーク列を読み取るため
    の光ビームのスポット径以下の領域において、前記マー
    ク列のマークの幅がマーク長の短いほど大きいことを特
    徴とする光ディスク。
  5. 【請求項5】 光ビームの照射により読み取り可能な情
    報を記録したマーク列を備えた光ディスクにおいて、 前記マーク列の最短マークピッチが前記マーク列を読み
    取るための光ビームのスポット径より小さく、かつ前記
    マーク列のマークの幅がマーク長によらず一定であるこ
    とを特徴とする光ディスク。
  6. 【請求項6】 記録すべき情報信号に応じて変調された
    露光用光ビームを照射して、前記情報信号を原盤にマー
    ク列として形成する第1のステップと、前記原盤を用い
    て、光ビームの照射により読み取り可能なマーク列とし
    て情報が記録された光ディスクを作成する第2のステッ
    プと、を備えた光ディスクの製造方法において、 前記第1のステップは、最短マーク長のマークに対応す
    る露光用光ビームのパワーを他のマークに対応する露光
    用光ビームのパワーより大きくしてマーク列を作成する
    ステップを含むことを特徴とする光ディスクの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の光ディスクを製造する方
    法において、前記第1のステップは、前記最短マーク長
    のマークに対応する露光用光ビームのパルス幅を他のマ
    ークに対応する露光用光ビームのパルス幅より小さくし
    てマーク列を作成するステップを更に含むことを特徴と
    する光ディスクの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の光ディスクを製造する方
    法において、前記第1のステップは、全てのマークに対
    応する露光用光ビームのパルス幅を前記情報信号のパル
    ス幅より小さくしてマーク列を作成するステップを更に
    含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  9. 【請求項9】 記録すべき情報信号に応じて変調された
    露光用光ビームを照射照射して、情報を原盤にマーク列
    として形成する第1のステップと、前記原盤を用いて、
    光ビームの照射により読み取り可能なマーク列として情
    報が記録された光ディスクを作成する第2のステップ
    と、を備えた光ディスクの製造方法において、 前記第1のステップは、前記露光用光ビームのピークパ
    ワーに対して10%のパワーでの前記原盤上のスポット
    径をwとし、前記情報信号のパルス幅に対応する前記原
    盤上での空間的な長さをxとした場合に、 x/w>1のときは該露光用光ビームのパワーを一定と
    し、 x/w≦1のときは該露光用光ビームのパワーをx/w
    >1のときのパワーに対して0.5×{(w/x)+
    1}倍として、 前記マーク列を作成するステップを含むことを特徴とす
    る光ディスクの製造方法。
  10. 【請求項10】 記録すべき情報信号に応じて変調され
    た露光用光ビームを照射照射して、情報を原盤にマーク
    列として形成する第1のステップと、前記原盤を用い
    て、光ビームの照射により読み取り可能なマーク列とし
    て情報が記録された光ディスクを作成する第2のステッ
    プと、を備えた光ディスクの製造方法において、 前記露光用光ビームのピークパワーに対して10%のパ
    ワーでの前記原盤上のスポット径をwとし、前記情報信
    号のパルス幅に対応する前記原盤上での空間的な長さを
    xとした場合に、x/w≦0.5のときに、該露光用光
    ビームのパワーをx/w>0.5のときのパワーに対し
    て0.5×{(w/x)+1}倍として前記マーク列を
    作成するステップを含むことを特徴とする光ディスクの
    製造方法。
  11. 【請求項11】 請求項6〜請求項10記載の光ディス
    クを製造する方法において、前記第1のステップは、前
    記露光用光スポットとして、前記原盤の接線方向に短い
    形状のスポットを用いて前記マーク列を作成するステッ
    プを含むことを特徴とする光ディスクの製造方法。
  12. 【請求項12】 請求項11記載の光ディスクを製造す
    る方法において、前記原盤の接線方向に短い形状のビー
    ムは、前記露光用光ビームとなる光ビームを超解像フィ
    ルタに通すことによって得られることを特徴とする光デ
    ィスクの製造方法。
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