JPH10302110A - 紙幣判別装置 - Google Patents

紙幣判別装置

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JPH10302110A
JPH10302110A JP9107280A JP10728097A JPH10302110A JP H10302110 A JPH10302110 A JP H10302110A JP 9107280 A JP9107280 A JP 9107280A JP 10728097 A JP10728097 A JP 10728097A JP H10302110 A JPH10302110 A JP H10302110A
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JP
Japan
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bill
denomination
banknote
image data
unit
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Application number
JP9107280A
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English (en)
Inventor
Yuji Matsuzoe
雄二 松添
Nobuhiko Tsuji
伸彦 辻
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10302110A publication Critical patent/JPH10302110A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙幣判別装置に関し、紙幣を検出する部分を
小型化し、金種の判別を高速にすることを目的とする。 【解決手段】 二つのラインセンサモジュール11,1
2と、二つの光源ユニット13,14と、発光素子搭載
部15および受光素子搭載部16からなる紙幣状態セン
サユニットとで紙幣センサ部を構成し、紙幣判別演算部
17がラインセンサモジュール11,12から得られた
紙幣18の両側の特定位置の画像データで紙幣の金種を
判別する。紙幣18の特定位置は、発光ダイオード20
a,20b,20c,20dおよびフォトダイオード2
1a,21b,21c,21dからなる4組のフォトイ
ンタラプタが出力する紙幣18による遮光・通光タイミ
ングにより求められる。紙幣18の両側の一部の領域だ
けの画像データを取得して使うので画像データを取得す
る部分の構成を小型化でき高速処理が可能になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙幣判別装置に関
し、特に自動販売機や両替機などにおいて投入された紙
幣の金種を1枚ずつ判別する紙幣判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動販売機や両替機など紙幣を扱う装置
では、紙幣を判別するための装置を備えている。従来よ
りこの種の装置では、紙幣の金種に特有な模様を調べる
ことによって金種を特定しているが、その金種判別に必
要な情報はたとえば以下のような方法にて取得するよう
にしている。
【0003】図24は従来の紙幣判別装置のセンサ部分
を示す概略図である。図に例示のセンサ部分は、紙幣1
が搬送される搬送路の途中に設けられるもので、直線上
に配列された複数の、図では4個のフォトダイオード2
a,2b,2c,2dと、紙幣の搬送路を介して各フォ
トダイオード2a,2b,2c,2dと対向する位置に
直線上に配列された4個の発光ダイオード3a,3b,
3c,3dとによって構成される。これらフォトダイオ
ード2a〜2dおよび発光ダイオード3a〜3dは、紙
幣1の搬送方向に直交するライン上に位置している。
【0004】ここで、フォトダイオード2a〜2dおよ
び発光ダイオード3a〜3dの間を紙幣1が通過すると
き、それぞれ発光ダイオード3a〜3dによって発光さ
れた光は紙幣1を搬送方向の検出ライン4a,4b,4
c,4dに沿って照射する。照射された光は紙幣1を透
過し、その透過した光はそれぞれ対応するフォトダイオ
ード2a〜2dにて受光され、これにより、紙幣を判別
するための紙幣の濃淡模様の情報を、紙幣1の4本の検
出ライン4a,4b,4c,4dから得ることができ
る。このようにして得られたライン上の濃淡情報を千円
札、五千円札、壱万円札のそれぞれ対応する位置の濃淡
情報に関する基準データと比較することで、千円札、五
千円札、壱万円札を判別している。
【0005】図25は従来の紙幣判別装置の別のセンサ
部分を示す概略図である。図に例示のセンサ部分は、C
CDラインセンサ5と、結像レンズ6と、CCDライン
センサ5と対向する位置に配置された発光ダイオードア
レイ7とから構成され、CCDラインセンサ5および発
光ダイオードアレイ7はそれらの長手方向が紙幣1の搬
送方向に直交する方向に一致するよう配置される。
【0006】紙幣1が搬送されてくると、発光ダイオー
ドアレイ7が紙幣1の一方の面を照明し、その反対側の
面では、紙幣1から透過してきた光は結像レンズ6を介
してCCDラインセンサ5に到達し、CCDラインセン
サ5が搬送方向に直交する方向の紙幣1の一つの検出ラ
イン8上の模様情報を検出する。これを紙幣1の搬送方
向に連続して検出することにより、紙幣1の全面の情報
を得ることができる。その後、全面の模様情報はあらか
じめ登録された千円札、五千円札、壱万円札の基準パタ
ーンと比較され、ここでパターンが一致するかどうかに
よって、紙幣の判別が行われる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ライン
上の模様情報から紙幣判別する方式では、紙幣の搬送方
向に対して限定された数カ所をライン状に検出した特定
位置の濃淡情報を基にしている。搬送されてくる紙幣は
それぞれ、一般に搬送速度が変化したり、突入位置や突
入角度がずれることがあり、その影響により、安定して
特定位置の紙幣のライン上の模様情報を得ることは困難
である。そのため、従来では、速度、位置、角度を検出
するためのセンサを設ける必要があり、コスト高にな
る。また、得られる模様情報は数本のライン情報である
ため、紙幣判別のための情報量としては少なく、判別能
力が低いという問題がある。
【0008】また、紙幣全面の模様情報から紙幣を判別
する方式では、搬送方向に直交する方向の紙幣の全幅に
渡って紙幣をライン状に検知するため、その検知領域の
照明もライン状に行う必要がある。結像レンズはその光
軸中心に比べてその周辺部はレンズの収差によってレン
ズを通る光の量が少なくなる性質がある。このため、ラ
インセンサが検知する領域の全幅に渡って均一な光量分
布にするよう周辺部の光量を増やす必要がある。従来で
は、図25の発光ダイオードアレイ7のように、中心部
よりも周辺にいくに従って発光ダイオード間の間隔を密
にすることで、周辺部の光量を増加させている。このた
め、発光ダイオードアレイは数多くの発光ダイオードを
配置する必要がある。また、検知する領域が全幅である
ため、ラインセンサおよび発光ダイオードアレイは大き
くなり、装置そのものが大型になって小型化は一般的に
困難である。さらに、紙幣判別のための模様の濃淡情報
は紙幣全面の画像情報であるため、パターンマッチング
処理などで処理するデータ量が膨大になり、そのため高
速処理が可能な演算装置、および膨大な基準パターンを
保存し処理する回路を必要とするなど、コストが高くな
るというという問題点があった。
【0009】本発明はこのような点に鑑みてなされたも
のであり、紙幣の模様情報をライン状に検知する場合よ
りも判別精度が高く、紙幣の全面で検知する場合よりも
高速処理が必要なく小型でコスト的に安価な紙幣判別装
置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明では上記問題を解
決するために、紙幣の大きさおよび模様情報を基に紙幣
の金種を判別する紙幣判別装置において、紙幣の搬送方
向と直交する同一のライン上に配置されて紙幣の両エッ
ジを含む前記ライン上の所定の撮像領域の模様を結像レ
ンズを介してラインセンサ上に結像させることで検出す
る二つのラインセンサ手段と、紙幣の搬送路を挟んで前
記二つのラインセンサ手段にそれぞれ対向する位置に配
置されて通過する紙幣に対して照明する二つの光源手段
と、前記二つのラインセンサ手段が配置されたラインに
対して前記搬送方向の前後の平行ライン上に前記紙幣の
搬送路を挟んで発光部および受光部がそれぞれ対向して
配置された4組のフォトインタラプタを含む紙幣状態セ
ンサ手段と、前記紙幣状態センサ手段により検出された
紙幣の通過タイミングおよび前記二つのラインセンサ手
段にて検出された紙幣の両エッジ近傍の模様の画像デー
タを基に紙幣の大きさおよび模様の特徴を抽出して金種
の判別を行う紙幣判別演算手段と、を備えていることを
特徴とする紙幣判別装置が提供される。
【0011】上記構成によれば、紙幣状態センサ手段の
排出側のフォトインタラプタが紙幣の前縁を検出するこ
とで紙幣の前縁から所定の位置の検出領域を二つのライ
ンセンサ手段が撮像し、挿入側のフォトインタラプタが
紙幣の後縁を検出することで紙幣の後縁から所定の位置
の検出領域を二つのラインセンサ手段が撮像する。紙幣
判別演算手段は二つのラインセンサ手段が検出した紙幣
の4箇所の画像データより紙幣の搬送方向に直交する方
向の長さと、四つの模様の相関関係とを求め、紙幣の長
さ情報で仮の金種を決定し、先に求めた相関関係から最
終的に金種を決定する。このように紙幣の両側の一部の
領域の画像データだけで判別処理を行うので高速処理が
可能になり、画像を検出するラインセンサ手段および光
源手段を紙幣の両側に二つに分けて配置するようにした
ので、画像データを取得する紙幣センサ部分の構成を小
型化できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による紙幣判別装置
の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は紙幣判
別装置の原理的な構成を示す図である。本発明によれ
ば、紙幣判別装置は、二つのラインセンサモジュール1
1,12と、二つの光源ユニット13,14と、発光素
子搭載部15および受光素子搭載部16と、紙幣判別演
算部17とを備えている。発光素子搭載部15および受
光素子搭載部16は紙幣状態センサユニットを構成し、
ラインセンサモジュール11,12、光源ユニット1
3,14、および紙幣状態センサユニットは紙幣センサ
部を構成する。
【0013】紙幣センサ部のラインセンサモジュール1
1,12は紙幣18の両エッジ近傍の模様を検出するよ
う、紙幣18が通過する搬送路の両端付近の紙幣18の
搬送方向19と直交する同一ライン上に配置されてい
る。光源ユニット13,14は紙幣の搬送路を挟んでそ
れそれラインセンサモジュール11,12と対向する位
置に配置されている。発光素子搭載部15および受光素
子搭載部16は光源ユニット13および光源ユニット1
4の間、ラインセンサモジュール11およびラインセン
サモジュール12の間において、搬送路の中央部分を挟
むように対向して配置される。発光素子搭載部15はそ
の四隅の近傍に四つの発光ダイオード20a,20b,
20c,20dが搬送路に向かって光を放射するように
設けられている。なお、発光ダイオード20a,20b
は紙幣18の搬送方向19と直交する、ラインセンサモ
ジュール11,12がライン検知するラインよりも上流
位置であってそのラインに平行なライン上に配置され、
発光ダイオード20c,20dは検知するラインよりも
下流であってそのラインに平行なライン上に配置され
る。受光素子搭載部16は発光素子搭載部15の四つの
発光ダイオード20a,20b,20c,20dにそれ
ぞれ対向した位置にてそれらが発光した光を受けるよう
四つのフォトダイオード21a,21b,21c,21
dが設けられている。それぞれ対向する発光ダイオード
20a,20b,20c,20dおよびフォトダイオー
ド21a,21b,21c,21dは4組のフォトイン
タラプタを構成している。
【0014】発光素子搭載部15および受光素子搭載部
16からなる紙幣状態センサユニットは搬送されてきた
紙幣18がこの紙幣状態センサユニットを通過するとき
の通過タイミングを検出し、これによって、ラインセン
サモジュール11,12が紙幣18の所定位置の画像を
検出し、画像データとして出力する。紙幣判別演算部1
7は紙幣状態センサユニットから出力された紙幣18の
通過タイミングおよびラインセンサモジュール11,1
2から出力された画像データを基に、紙幣18の速度、
挿入角、紙幣長さを演算し、画像データを画像処理する
ことで紙幣18の模様を調べ、演算結果および模様の特
徴から紙幣を判別する。
【0015】このように、紙幣18の両側の一部の領域
だけを紙幣判別のための画像データとして取り込むた
め、処理するデータ量を少なくすることができ、ライン
センサモジュール11,12および光源ユニット13,
14をそれぞれ二つに分けたことにより、画像検出部分
の構成を小型化することができる。
【0016】次に、本発明の紙幣判別装置の第1の実施
の形態について詳細に説明する。図2は紙幣判別装置の
紙幣センサ部の左半分を拡大して示した図である。紙幣
センサ部は紙幣の搬送路の中心に対して左右対称に構成
されているので、ここでは、その左半分のみを示してい
る。
【0017】紙幣センサ部の左側の位置には、紙幣18
の端部の模様を検出できる位置にラインセンサモジュー
ル11が配置され、その対向する位置には光源ユニット
13が配置され、図示はしないが、右側の位置にもライ
ンセンサモジュール12および光源ユニット14が配置
されている。紙幣センサ部の中央部には紙幣状態センサ
ユニットが配置されている。
【0018】ラインセンサモジュール11は結像レンズ
11aとラインセンサ11bとから構成され、紙幣18
のエッジが必ずラインセンサ11bの視野11cに入る
位置に設置されている。
【0019】光源ユニット13はライン上に配置された
複数の照明用発光ダイオード13aと、その照明用発光
ダイオード13aを取り囲むように四方に配置された反
射板13bと、光の出口部分に設けられた拡散板13c
とから構成されている。ここで、ライン上に配置された
複数の照明用発光ダイオード13aは光源ユニット13
の中心部から両端部に向かって間隔が密になるように設
置され、出射される光のパワーが両端部で大きくなるよ
うにして、結像レンズ11aが持つレンズの収差による
影響をなくすようにしている。
【0020】紙幣状態センサユニットは第1の発光ダイ
オード20a、図示しない第2の発光ダイオード20
b、第3の発光ダイオード20c、および図示しない第
4の発光ダイオード20dからなる発光部と、これらに
対向する位置にそれぞれ配置された第1のフォトダイオ
ード21a、図示しない第2のフォトダイオード21
b、第3のフォトダイオード21c、および図示しない
第4のフォトダイオード21dからなる受光部と、これ
ら発光部および受光部の間に配置されてそれらの間に形
成される四つの光軸上にピンホールを有するピンホール
板16aとによって構成されている。
【0021】次に、紙幣状態センサユニットによる紙幣
18の状態の検出、すなわち、搬送されてくる紙幣18
の速度および紙幣の挿入角の検出について説明する。図
3は紙幣状態センサユニットでの紙幣の搬送状態検出を
説明するための図であって、(A)はフォトダイオード
の位置と紙幣の挿入状態との関係を示し、(B)はフォ
トダイオードの検出タイミングを示し、(C)はサンプ
リング位置を示している。
【0022】紙幣状態センサユニットの挿入方向側の第
1のフォトダイオード21aおよび第2のフォトダイオ
ード21bと、排出方向側の第3のフォトダイオード2
1cおよび第4のフォトダイオード21dとはそれぞ
れ、搬送方向に直交するライン上に配置されている。ま
た、ラインセンサモジュール11,12はそれらの視野
11c,12cが第1のフォトダイオード21aと第3
のフォトダイオード21cとの間、および第2のフォト
ダイオード21bと第4のフォトダイオード21dとの
間にくるように配置されている。正確には、視野11
c,12cから第3のフォトダイオード21cおよび第
4のフォトダイオード21dまでの距離をXとすると
き、視野11c,12cから第1のフォトダイオード2
1aおよび第2のフォトダイオード21bまでの距離
X’が
【0023】
【数1】X’=X+v/t ……(1) で表される位置にラインセンサモジュール11,12が
配置される。ここに、vは紙幣の平均速度、tは1サン
プリングに要する時間を表している。これは、紙幣18
の模様が正立した正方向の状態で挿入された場合と、模
様が倒立した逆方向の状態で挿入された場合とで同じ位
置の画像データを取るためである。
【0024】紙幣18が図の上から移動してくるとし
て、このとき、紙幣18は左下がりの状態で紙幣状態セ
ンサユニットに挿入されてくるとする。搬送方向19に
沿って紙幣18が移動してくると、まず最初に、斜めに
なった状態で搬送されてきた紙幣18の前縁は第1のフ
ォトダイオード21aの方に差しかかる。これにより、
第1の発光ダイオード20aからの光を受けていた第1
のフォトダイオード21aは紙幣18の前縁によって遮
光される。このときのタイミングを遮光タイミングt1
とする。次に、紙幣18の前縁は第2のフォトダイオー
ド21bに差しかかることにより、第2の発光ダイオー
ド20bからの光は遮光タイミングt2で遮光される。
続いて、紙幣18の前縁が第3のフォトダイオード21
cおよび第4のフォトダイオード21dに差しかかる
と、第3の発光ダイオード20cおよび第4の発光ダイ
オード20dからの光が遮光タイミングt3,t4で遮
光される。紙幣18がさらに移動して、紙幣18の後縁
が第1のフォトダイオード21aに差しかかると、第1
のフォトダイオード21aは第1の発光ダイオード20
aからの光を受けるようになる。このときのタイミング
を通光タイミングt5とする。続いて、紙幣18の後縁
が第2のフォトダイオード21b、第3のフォトダイオ
ード21cおよび第4のフォトダイオード21dに差し
かかると、それぞれ、通光タイミングt6,t7,t8
のタイミングで第2の発光ダイオード20b、第3の発
光ダイオード20cおよび第4の発光ダイオード20d
からの光を受けるようになる。
【0025】第1のフォトダイオード21aおよび第3
のフォトダイオード21cの間隔はあらかじめ決められ
ているので、これらの通光タイミングの時間差から紙幣
18の搬送速度が求められ、さらに、その搬送速度と第
1のフォトダイオード21aおよび第2のフォトダイオ
ード21bの通光タイミングの時間差から紙幣18の挿
入角が求められる。このように、通光タイミングから、
紙幣の速度、紙幣の挿入角を算出し、搬送系の挿入角異
常、速度異常の有無を判断するが、これらの具体的な構
成については、たとえば特願平9−25186号におい
て詳述された構成を採用することができる。
【0026】次に、ラインセンサモジュール11,12
によって検出される紙幣18の検出領域について説明す
る。図3(C)に示したように、たとえば、紙幣18が
図中左下がりで移動してきた場合には、第1のフォトダ
イオード21aおよび第2のフォトダイオード21bを
通過後、まず、第3のフォトダイオード21cによる遮
光タイミングt3で紙幣18の領域A,B’の模様がサ
ンプリングされる。続いて、第4のフォトダイオード2
1dによる遮光タイミングt4で紙幣18の領域A’,
Bの模様がサンプリングされ、第1のフォトダイオード
21aによる通光タイミングt5で紙幣18の領域C,
D’の模様がサンプリングされ、そして第2のフォトダ
イオード21bによる通光タイミングt6で紙幣18の
領域C’,Dの模様がサンプリングされる。このよう
に、1枚の紙幣18について、八つの画像データが得ら
れることになる。なお、各検出領域の搬送方向の幅は1
サンプリング時間当たりに紙幣18が移動する距離、す
なわち、X’−Xの距離に相当する。
【0027】領域A,A’,B,B’,C,C’,D,
D’から得られた八つの画像データは金種判別にすべて
が使用される訳ではなく、挿入角に応じて選択される。
図示の例のように、左下がりで挿入角が大きい場合に
は、ハッチングした領域A,B,C,Dの四つの画像デ
ータ、すなわち、紙幣18の前縁および後縁からそれぞ
れ距離Xだけ離れた位置における四つの画像データが選
択される。しかし、挿入角が小さい場合、たとえば挿入
角が3度以下のときは、領域A,B’,C,D’で検出
した画像データが選択される。
【0028】次に、紙幣状態センサユニットで検出され
た遮光タイミングおよび通光タイミングを基に光源ユニ
ット13,14が発光し、ラインセンサモジュール1
1,12が紙幣18の領域A,A’,B,B’,C,
C’,D,D’を撮像するサンプリング動作ついて説明
する。
【0029】図4はサンプリング動作時の制御の流れを
説明する図であって、(A)は紙幣センサ部およびこれ
の制御に関連する紙幣判別演算部の一部を示し、(B)
はサンプリング動作時のタイミングチャートを示してい
る。
【0030】サンプリング動作時の制御の構成として
は、紙幣センサ部を構成するラインセンサモジュール1
1,12と、光源ユニット13,14と、紙幣状態セン
サモジュール22の第1ないし第4の発光ダイオード
(LED)20a〜20dおよび第1ないし第4のフォ
トダイオード(PD)21a〜21dとはそれぞれ紙幣
判別演算部17のセンサ制御部30に接続されている。
また、センサ制御部30はラインセンサモジュール1
1,12によって撮像された画像データを一時保存する
ランダムアクセスメモリ(RAM)31と、サンプリン
グ動作の制御プログラムおよび後述する金種判定のため
のパラメータとの比較のための基準データを格納した読
取り専用メモリ(ROM)32とに接続されている。
【0031】紙幣状態センサモジュール22の第1ない
し第4の発光ダイオード20a〜20dについては、常
時または紙幣の搬送開始に応答して、点灯するよう制御
される。ここで、紙幣がたとえば図3に示すように左下
がりに傾斜した状態で搬送され、紙幣センサ部に挿入さ
れると、第1ないし第4のフォトダイオード21a〜2
1dは遮光タイミングおよび通光タイミングで状態の変
化するタイミング信号S1〜S4を出力し、紙幣判別演
算部17のセンサ制御部30に送られる。センサ制御部
30はタイミング信号S3,S4の遮光タイミングt
3,t4、タイミング信号S1,S2の通光タイミング
t5,t6に応答して画像取り込み開始を指令する。す
なわち、照明開始信号S5およびセンサ露光開始信号S
6が4回オンになる。
【0032】照明開始信号S5は光源ユニット13,1
4に送られ、センサ露光開始信号S6はラインセンサモ
ジュール11,12に送られる。光源ユニット13,1
4は照明開始信号S5により照明を開始し、ラインセン
サモジュール11,12はセンサ露光開始信号S6によ
り露光を開始する。
【0033】センサ制御部30から照明開始信号S5が
出力されると、光源ユニット13,14内の照明用発光
ダイオードから放射された光は、直接または反射板を介
して、照明用発光ダイオードと紙幣との間に配置された
拡散板を照射し、拡散板を透過することにより拡散され
た光は光量が均一化されて紙幣を照明する。
【0034】さらに、紙幣を透過してきた光はラインセ
ンサモジュール11,12に入力される。ラインセンサ
モジュール11,12では、入射された光は結像レンズ
で集光され、集光された光がラインセンサ上に結像す
る。ラインセンサ上に結像した紙幣の画像は光電変換さ
れ、紙幣画像データS7としてラインセンサモジュール
11,12からセンサ制御部30へ出力される。センサ
制御部30はその紙幣画像データS7をランダムアクセ
スメモリ31に保存する。
【0035】次に、ラインセンサモジュール11,12
および紙幣状態センサモジュール22によって検出され
た紙幣の画像データおよび紙幣の搬送状態のデータを基
に金種判定を行う紙幣判別演算部17について詳細に説
明する。
【0036】図5は紙幣判別演算部の構成例を示す図で
ある。紙幣判別演算部17はラインセンサモジュール1
1,12からの画像データを受けるセンサ制御部30
と、このセンサ制御部30から転送された画像データを
記憶するランダムアクセスメモリ31と、紙幣状態セン
サモジュール22の第1ないし第4のフォトダイオード
21a〜21dから出力された遮光・通光タイミング信
号を受ける速度算出部33と、この速度算出部33から
の速度データを受ける挿入角算出部34と、この挿入角
算出部34からの紙幣挿入角のデータを基にランダムア
クセスメモリ31内の画像データの選択を行う画像デー
タ選定部35と、選定された画像データを基に紙幣のエ
ッジを抽出して紙幣の長さを求めるエッジ抽出部36
と、画像データの微分2乗和を算出する微分2乗和算出
部37と、エッジ抽出部36からの紙幣長さ情報および
微分2乗和算出部37からの微分2乗和情報を受けて金
種判定を行う紙幣判別部38と、この紙幣判別部38に
よる判別結果および速度算出部33および挿入角算出部
34における速度異常情報および挿入角異常情報を受け
て計数するカウンタ39とから構成される。
【0037】ラインセンサモジュール11,12から4
回のサンプリングで得られた紙幣の領域A,A’,B,
B’,C,C’,D,D’の八つの画像データはセンサ
制御部30を介してランダムアクセスメモリ31に格納
される。一方、紙幣状態センサモジュール22の第1な
いし第4のフォトダイオード21a〜21dから出力さ
れた遮光・通光タイミング信号は速度算出部33に入力
され、紙幣の搬送方向に並んだ第1および第3のフォト
ダイオード21a,21cの遮光タイミングの時間差か
ら紙幣の速度情報を算出し、その速度情報と紙幣の搬送
方向に直交して並んだ第1および第2のフォトダイオー
ド21a,21bの遮光タイミングの時間差とから紙幣
の挿入角情報を算出する。速度算出部33および挿入角
算出部34での算出結果が正常値と大きく外れている場
合は、速度異常情報および挿入角異常情報としてカウン
タ39に送られる。
【0038】挿入角算出部34で算出された紙幣の挿入
角情報は画像データ選定部35に送られる。画像データ
選定部35では、紙幣の挿入角がどちらに傾いている
か、また、挿入角がたとえば3度以下かどうかによっ
て、ランダムアクセスメモリ31に格納された画像デー
タを選択する。たとえば、図3の例のように、紙幣が左
下がりで挿入角が大きい場合には、領域A,B,C,D
の四つの画像データが選択される。このようにして選択
された画像データは、まず、エッジ抽出部36に送ら
れ、紙幣長さ情報が求められる。次に、エッジ抽出部3
6での紙幣長さ情報の求め方について説明する。
【0039】図6は紙幣の長手方向の長さを算出する手
順を説明する図であって、(A)は紙幣とその画像検出
領域との位置関係を示し、(B)および(C)はライン
センサモジュールが検出した紙幣の濃淡情報を示し、
(D)は紙幣のエッジ検出および長さ算出方法を示して
いる。
【0040】まず、図6(A)に示したように、ライン
センサモジュール11は紙幣18の左側のエッジが視野
11cに入るよう配置され、ラインセンサモジュール1
2は紙幣18の右側のエッジが視野12cに入るよう配
置されており、視野11cおよび視野12cはそれらの
内側の端部が距離Lcだけ隔てられている。
【0041】ラインセンサモジュール11,12によっ
て検出された紙幣の濃淡情報、たとえば図3(C)にて
紙幣18の第1回目のサンプリング時の領域Aおよび
B’における画像データは図6(B)および(C)に示
したように、光源ユニットからの光を直接入力すること
によって非常に明るいデータとして出力される光源情報
と、紙幣を透過することによって減衰された暗いデータ
として出力される模様情報とからなっている。
【0042】このようにして得られた濃淡情報は微分す
ることにより、図6(D)に示したように、光源情報と
模様情報との境界において最大値が得られる。この最大
値の位置が紙幣のエッジに対応する位置情報として得る
ことができる。したがって、視野11cの内側端から最
大値までの距離をLL、視野12cの内側端から最大値
までの距離をLRとするとき、紙幣の長手方向の長さL
は、
【0043】
【数2】L=LL+LC+LR ……(2) によって求められ、この紙幣長さ情報は紙幣判別部38
に送られる。
【0044】また、画像データ選定部35によって選択
された画像データは微分2乗和算出部37に送られる。
この微分2乗和算出部37では、図6(B)および
(C)に示したような濃淡情報として得られた画像デー
タを、まず、2乗し、この2乗したデータを微分して微
分2乗値を求め、さらに、その微分2乗値を積分して微
分2乗和を求める。この算出は紙幣の選択された4か所
の領域、たとえば図3(C)の領域A,B,C,Dにつ
いてそれぞれ行われる。この微分2乗和情報は紙幣判別
部38に送られる。
【0045】次に、紙幣長さ情報および微分2乗和情報
を受けて金種の判定を行う紙幣判別部38の詳細を説明
する。図7は紙幣判別部の構成を示す図である。紙幣判
別部38はエッジ抽出部36からの紙幣長さ情報を受け
て紙幣の金種を大まかに判定する仮金種決定部41と、
微分2乗和算出部37からの微分2乗和情報を受けて検
出領域のデータ間の比を求める微分2乗和パラメータ算
出部42と、仮金種決定部41および微分2乗和パラメ
ータ算出部42の出力を受けて紙幣の金種を決定してカ
ウンタに通知する金種決定部43とから構成されてい
る。仮金種決定部41では、紙幣の長手方向の長さが金
種により異なることを利用して、紙幣長さ情報から金種
を仮に決定する。微分2乗和パラメータ算出部42は紙
幣の4か所の領域の画像データから得られた四つの微分
2乗和情報を基に白紙やコピー券を判定したり、挿入さ
れた紙幣の模様が正立か倒立かで紙幣の挿入方向を判定
したり、四つの微分2乗和情報の相関比から金種に特有
な微分2乗和パラメータα、βを求める。そして、金種
決定部43では、微分2乗和パラメータα、βと仮金種
の情報とから金種を決定し、対応する金種のコードをカ
ウンタ39へ出力する。
【0046】次に、紙幣判別部38を構成する仮金種決
定部41、微分2乗和パラメータ算出部42、および金
種決定部43のそれぞれの処理の流れについて説明す
る。図8は仮金種決定部の処理の流れを示すフローチャ
ートである。仮金種決定部41では、エッジ抽出部36
から紙幣長さ情報を受けて、まず、紙幣長さLがある基
準値LR1より小さいかどうかを判定する(ステップS
1)。ここで、紙幣長さLが基準値LR1より小さけれ
ば、この紙幣は異常に短いとしてNGコードを出力する
(ステップS2)。次に、紙幣長さLは基準値LR1以上
であって基準値L R2(>LR1)より小さいかどうかを判
定する(ステップS3)。ここで、紙幣長さLが基準値
R1と基準値LR2との間にあれば、その紙幣は仮の千円
と判定し仮千円コードを出力する(ステップS4)。次
に、紙幣長さLは基準値LR2以上であって基準値L
R3(>LR2)より小さいかどうかを判定する(ステップ
S5)。ここで、紙幣長さLが基準値LR2と基準値LR3
との間にあれば、その紙幣は仮の五千円と判定し仮五千
円コードを出力する(ステップS6)。そして、紙幣長
さLは基準値LR4(>LR3)より小さいかどうかを判定
する(ステップS7)。ここで、紙幣長さLが基準値L
R4より小さければ、その紙幣は仮の壱万円と判定し仮壱
万円コードを出力する(ステップS8)。もし、紙幣長
さLが基準値LR4より小さくなければ、紙幣としてあま
りにも長すぎるとしてNGコードを出力する(ステップ
S2)。
【0047】図9は微分2乗和パラメータ算出部の処理
の流れを示すフローチャートである。微分2乗和パラメ
ータ算出部42は微分2乗和算出部37から微分2乗和
情報を受けて、イレギュラーパラメータALLを算出す
る(ステップS11)。ここで、紙幣が上から下に搬送
されてくるとして、その場合の紙幣の左上の検出領域の
画像データから得られた微分2乗和を微Aとし、紙幣の
右上の検出領域の画像データから得られた微分2乗和を
微Bとし、紙幣の左下の検出領域の画像データから得ら
れた微分2乗和を微Cとし、紙幣の右下の検出領域の画
像データから得られた微分2乗和を微Dとすると、
【0048】
【数3】ALL=微A+微B+微C+微D ……(3) の演算を行う。次に、そのALL値が所定の基準値RL
より小さいかどうかを判定する(ステップS12)。こ
こで、基準値RL はALL値がとり得る値よりも十分に
小さい値であり、ALL値が基準値RL より小さけれ
ば、白紙と判定し、NGコードを出力する(ステップS
13)。これは、白紙の場合はALL値が0に近い値を
とることによる。次に、ALL値が所定の基準値RH
り大きいかどうかを判定する(ステップS14)。ここ
で、基準値RH はALL値がとり得る値よりも十分に大
きい値であり、ALL値が基準値RH より大きければ、
コピー券と判定し、NGコードを出力する(ステップS
13)。これは、コピー券の場合は普通の紙幣よりも濃
淡の振幅がかなり大きく出てしまう現象があることから
ALL値が大きな値をとることによる。
【0049】次に、微A+微Bが微C+微Dより大きい
かどうかを判定する(ステップS15)。これにより、
紙幣の挿入方向を判定する。すなわち、千円、五千円、
壱万円は、正立状態で見て、その下側の画像検出位置よ
りも上側の画像検出位置に模様が多くあるので、微A+
微Bが微C+微Dよりも大きな値を取ることになり、こ
の場合はその紙幣は正立状態で挿入されてきたと判定
し、逆の場合には紙幣は倒立状態で挿入されてきたと判
定する。次に、正立状態の場合、微Aおよび微Bを比較
して紙幣の左右判定を行う(ステップS16)。ここ
で、微Aが微Bより大きければ、微分2乗和パラメータ
α、βを算出する(ステップS17)。すなわち、微分
2乗和パラメータα、βは、
【0050】
【数4】 α=(微A+微B)/(微C+微D) β=微A/微B ……(4) によって求められる。ステップS16の判定において、
微Aが微Bより大きくなければ、微分2乗和パラメータ
α、βは、
【0051】
【数5】 α=(微A+微B)/(微C+微D) β=微B/微A ……(5) によって求められる(ステップS18)。
【0052】ステップS15において、紙幣が倒立状態
で挿入されてきたと判定された場合には、微Cおよび微
Dを比較して紙幣の左右判定を行い(ステップS1
9)、微Cが微Dよりも大きい場合には、微分2乗和パ
ラメータα、βは、
【0053】
【数6】 α=(微C+微D)/(微A+微B) β=微C/微D ……(6) によって求められ(ステップS20)、微Cが微Dより
も大きくない場合には、微分2乗和パラメータα、β
は、
【0054】
【数7】 α=(微C+微D)/(微A+微B) β=微D/微C ……(7) によって求められる(ステップS21)。
【0055】ここで、紙幣の4か所ある画像データの上
下の検出領域の濃淡の比を表す微分2乗和パラメータα
および紙幣の上側の左右の検出領域の濃淡の比を表す微
分2乗和パラメータβについて説明すると、紙幣の移動
方向に対して紙幣が正立状態で挿入されると、金種を示
す数字や濃淡パターンの有無によって、千円札および壱
万円の場合、αが中程度、βは小さくなり、五千円札の
場合には、αが大きく、βが中程度になる特徴がある。
これら微分2乗和パラメータα、βの金種による特徴が
金種の判別に使用されるのである。
【0056】次に、仮金種決定部41で得られた仮金種
のコードおよび微分2乗和パラメータ算出部42で得ら
れた微分2乗和パラメータα、βを基に金種決定部43
で金種が決定されるが、その金種決定処理の例を図10
に示す。
【0057】図10は金種決定部の処理の流れを示すフ
ローチャートである。金種決定部43では、まず、αが
ある基準値R1 より小さいかどうかを判定する(ステッ
プS31)。ここでは、五千円札以外の紙幣かどうかを
判定している。五千円札以外の紙幣である場合には、仮
金種決定部41での結果が仮千円コードであるかどうか
が判定され(ステップS32)、仮千円コードであれ
ば、その紙幣は千円と判定し千円コードを出力する(ス
テップS33)。もし、仮千円コードでなければ、次
に、仮壱万円コードであるかどうかが判定され(ステッ
プS34)、仮壱万円コードであれば、その紙幣は壱万
円と判定し壱万円コードを出力する(ステップS3
5)。仮千円コードでも仮壱万円コードでもなければ、
次に、βがある基準値R2 より大きいかどうかが判定さ
れる(ステップS36)。ここで、βが基準値R2 より
大きければ、次に、仮五千円コードであるかどうかが判
定され(ステップS37)、仮五千円コードであれば、
その紙幣は五千円と判定し五千円コードを出力する(ス
テップS38)。ステップS36の判定において、βが
基準値R2 より大きくないとき、またはステップS37
の判定において、仮五千円コードでなければ、NGコー
ドを出力する(ステップS39)。
【0058】ステップS31の判定において、五千円札
以外の紙幣ではない、すなわち、五千円札ではないかと
判定された場合には、さらに、αがある基準値R3 より
小さいかどうかが判定される(ステップS40)。αが
基準値R3 より小さければ、次に、仮五千円コードであ
るかどうかが判定され(ステップS37)、ここで、仮
五千円コードであれば、その紙幣は五千円と判定して五
千円コードを出力し(ステップS38)、仮五千円コー
ドでなければ、NGコードを出力する(ステップS3
9)。ステップS40の判定にて、αが基準値R3 より
小さくなければ、その紙幣は五千円ではないとしてNG
コードを出力する(ステップS39)。このようにして
出力された千円コード、五千円コード、壱万円コード、
またはNGコードは、カウンタ39に送られる。
【0059】次に、本発明の第2の実施の形態における
紙幣判別装置について説明する。この第2の実施の形態
では、紙幣の所定の4か所の画像データに加えて、紙幣
の両側の中間位置における2か所の画像データをサンプ
リングし、この6か所の画像データを基にして紙幣を判
別するようにしている。したがって、画像データのサン
プリング回数が増えるだけで、紙幣センサ部の構成は第
1の実施の形態の場合と同じである。
【0060】図11はラインセンサモジュールによる画
像データのサンプリング位置を示した図、図12はフォ
トダイオードの検出タイミングによるセンサ制御部の動
作を示した図である。図11に示したように、画像デー
タとしては、紙幣18の領域A,B’,A’,B,C,
D’,C’,D,E,F’,E’,Fの模様が検出され
る。ここで、領域E,F’,E’,Fは、紙幣18の短
手方向の長さをLsとするとき、ほぼLs/2の位置に
ある。なお、紙幣18の短手方向の長さLsは千円札、
五千円札、壱万円札で同じである。
【0061】ここで、紙幣18が図11に示したように
左下がりで紙幣センサ部に挿入されてきたとする。ま
ず、斜めになった状態で搬送されてきた紙幣18の前縁
は第1のフォトダイオード21aが受けていた光を遮光
し、続いて、第2のフォトダイオード21b、第3のフ
ォトダイオード21cが受けていた光を順次遮る。この
ときのタイミングは図12において遮光タイミングt1
1,t12,t13で示してある。遮光タイミングt1
3のとき、紙幣判別演算部17のセンサ制御部30は光
源ユニット13,14への照明開始信号およびラインセ
ンサモジュール11,12へのセンサ露光開始信号をオ
ンにすると同時に、図示しない第1タイマ、および第2
タイマをセットする。その第1タイマおよび第2タイマ
にセットされる値はセンサ制御部30にて次のようにし
て計算される。すなわち、遮光タイミングt11,t1
2,t13の時間差より求めた紙幣の速度、紙幣の挿入
角と紙幣18の短手方向の長さLsとから、ラインセン
サモジュール11,12の視野を紙幣の短手方向の中心
が通過する時間を予測し、その予測時間を第1タイマお
よび第2タイマにセットする。
【0062】次に、センサ露光開始信号によりラインセ
ンサモジュール11,12は領域A,B’の模様を紙幣
画像データとして出力する。続いて、遮光タイミングt
14にて第4のフォトダイオード21dが遮光される
と、照明開始信号およびセンサ露光開始信号がオンにな
り、領域A’,Bにおける紙幣18の模様が紙幣画像デ
ータとして取り込まれる。
【0063】次に、タイミングt15にて第1タイマ
が、そしてタイミングt16にて第2タイマがタイムア
ウトすると、センサ制御部30は割り込みを発生し、そ
れぞれ照明開始信号およびセンサ露光開始信号がオンに
なり、領域E,F’および領域E’,Fにおける紙幣1
8の模様が紙幣画像データとして取り込まれる。
【0064】さらに、紙幣18が移動してその後縁が第
1のフォトダイオード21aをタイミングt17で通光
すると、照明開始信号およびセンサ露光開始信号がオン
になり、領域C,D’における紙幣18の模様が紙幣画
像データとして取り込まれ、第2のフォトダイオード2
1bがタイミングt18で通光することにより、照明開
始信号およびセンサ露光開始信号がオンになり、領域
C’,Dにおける紙幣18の模様が紙幣画像データとし
て取り込まれる。
【0065】このようにして領域A,A’,B,B’,
E,E’,F,F’,C,C’,D,D’にてサンプリ
ングされた12個の紙幣画像データは紙幣判別演算部1
7のランダムアクセスメモリ31に保存され、さらに、
挿入角算出部34で算出された挿入角に応じて画像デー
タ選定部35が六つの紙幣画像データを選択する。たと
えば、図11のように紙幣18が左下がりで挿入された
ときに、紙幣18の挿入角が3度以上の場合は、領域
A,B,E,F,C,Dの紙幣画像データが選択され
る。紙幣18の挿入角が3度より小さい場合は、領域
A,B’,E,F’,C,D’でサンプリングした紙幣
画像データが選択される。なお、紙幣18が右下がりで
挿入された場合は、領域A,B,E,F,C,Dまたは
領域A’,B,E’,F,C’,Dでサンプリングした
紙幣画像データが選択される。
【0066】選択された紙幣画像データは紙幣判別演算
部17のエッジ抽出部36および微分2乗和算出部37
にそれぞれ入力され、紙幣長さ情報および微分2乗和情
報が算出される。これら紙幣長さ情報および微分2乗和
情報は図13に示す紙幣判別部50に入力される。
【0067】図13は第2の実施の形態における紙幣判
別部の構成を示す図である。紙幣判別部50はエッジ抽
出部36からの紙幣長さ情報を受けて紙幣の金種を確率
の大きさを表すレベルを付けて判定する仮金種決定部5
1と、微分2乗和算出部37からの微分2乗和情報を受
けて検出領域のデータ間の比を求める微分2乗和パラメ
ータ算出部52と、仮金種決定部51および微分2乗和
パラメータ算出部52の出力を受けて紙幣の金種を決定
してカウンタに通知する金種決定部53とから構成され
ている。
【0068】仮金種決定部51では、紙幣の長手方向の
長さが金種により異なることを利用して、紙幣長さ情報
から金種を仮に決定する。また、紙幣の長さによりレベ
ル付けを行う。微分2乗和パラメータ算出部52は紙幣
の挿入側および搬出側の4か所の領域の画像データから
得られた四つの微分2乗和情報を基に白紙やコピー券を
判定したり、挿入された紙幣の模様が正立か倒立かで紙
幣の挿入方向を判定したり、四つの微分2乗和情報の相
関比から金種に特有な微分2乗和パラメータα、βを求
める。金種決定部53では、微分2乗和パラメータα、
βと仮金種の情報(レベルに依存しない情報)とから仮
の金種を決定する。そして、第2金種決定部54では、
特にレベルの低い金種のコードについて再チェックを行
い、対応する金種のコードをカウンタ39へ出力する。
【0069】次に、紙幣判別部50を構成する部分の処
理について説明するが、微分2乗和パラメータ算出部5
2はその動作が図9に示した微分2乗和パラメータ算出
処理と同じであり、金種決定部53においても決定され
た金種が仮の金種コードであることを除いて図10に示
した金種決定処理と同じ動作であるので、ここでは、仮
金種決定部51および第2金種決定部54のそれぞれの
処理の流れについて説明する。
【0070】図14は仮金種決定部の処理の流れを示す
フローチャートである。仮金種決定部51では、エッジ
抽出部36から紙幣長さ情報を受けて、まず、紙幣長さ
Lがある基準値LR11 より小さいかどうかを判定する
(ステップS41)。ここで、紙幣長さLが基準値L
R11 より小さければ、この紙幣は異常に短いとしてNG
コードを出力する(ステップS42)。次に、紙幣長さ
Lは基準値LR11 以上であって基準値LR12 (>
R11 )より小さいかどうかを判定する(ステップS4
3)。ここで、紙幣長さLが基準値LR11 と基準値L
R12 との間にあれば、その紙幣はレベルの高い仮の千円
と判定し仮千円高レベルコードを出力する(ステップS
44)。次に、紙幣長さLは基準値LR12 以上であって
基準値LR13 (>LR1 2 )より小さいかどうかを判定す
る(ステップS45)。ここで、紙幣長さLが基準値L
R12 と基準値LR13 との間にあれば、その紙幣はレベル
の低い仮の千円と判定し仮千円低レベルコードを出力す
る(ステップS46)。次に、紙幣長さLは基準値L
R13 以上であって基準値LR14 (>LR13 )より小さい
かどうかを判定する(ステップS47)。ここで、紙幣
長さLが基準値LR13 と基準値LR1 4 との間にあれば、
その紙幣はレベルの低い仮の五千円と判定し仮五千円低
レベルコードを出力する(ステップS48)。次に、紙
幣長さLは基準値LR14 以上であって基準値LR15 (>
R14 )より小さいかどうかを判定する(ステップS4
9)。ここで、紙幣長さLが基準値LR14 と基準値L
R15 との間にあれば、その紙幣はレベルの高い仮の五千
円と判定し仮五千円高レベルコードを出力する(ステッ
プS50)。次に、紙幣長さLは基準値LR15 以上であ
って基準値LR16(>LR15 )より小さいかどうかを判
定する(ステップS51)。ここで、紙幣長さLが基準
値LR15 と基準値LR16 との間にあれば、その紙幣はレ
ベルの低い仮の五千円と判定し仮五千円低レベルコード
を出力する(ステップS52)。次に、紙幣長さLは基
準値LR16 以上であって基準値LR17 (>LR16 )より
小さいかどうかを判定する(ステップS53)。ここ
で、紙幣長さLが基準値LR16と基準値LR17 との間に
あれば、その紙幣はレベルの低い仮の壱万円と判定し仮
壱万円低ベルコードを出力する(ステップS54)。そ
して、紙幣長さLは基準値LR17 以上であって基準値L
R18 (>LR17 )より小さいかどうかを判定する(ステ
ップS55)。ここで、紙幣長さLが基準値LR17 と基
準値LR18 との間にあれば、その紙幣はレベルの高い仮
の壱万円と判定し仮壱万円高レベルコードを出力する
(ステップS56)。もし、紙幣長さLが基準値LR18
以上であれば、紙幣としてあまりにも長すぎるとしてN
Gコードを出力する(ステップS42)。
【0071】図15は第2金種決定部の処理の流れを示
すフローチャートである。第2金種決定部54では、ま
ず、金種決定部53での処理にて出力されたコードがN
Gコードかどうかを判定し(ステップS61)、NGコ
ードであれば、そのままそのNGコードを出力する(ス
テップS62)。次に、金種決定部53での金種決定に
使用した仮金種コードのレベルは高レベルかどうかを判
定し(ステップS63)、高レベルならば、それぞれ決
定された金種のコードを出力する(ステップS64)。
このように、高レベルおよびNGコードで金種判定され
たものについては、そのままそのコードをカウンタ39
へ出力することになる。もし、判定された仮金種コード
のレベルが低レベルならば、低レベル評価パラメータγ
を算出する(ステップS65)。すなわち、紙幣の左側
中間部の検出領域の画像データから得られた微分2乗和
を微Eとし、紙幣の右側中間部の検出領域の画像データ
から得られた微分2乗和を微Fとすると、
【0072】
【数8】γ=微E+微F ……(8) により、低レベル評価パラメータγが求められる。
【0073】ここで、低レベル評価パラメータγについ
て説明すると、紙幣が移動方向に対して正像方向に挿入
されると、紙幣の左側中間部の検出領域における濃淡パ
ターンの有無や透かしの有無によって、千円および壱万
円の場合には、γが大きな値を示し、五千円の場合は小
さい値を示す特徴がある。このγの特徴から、γを所定
の基準値R4 と比較することにより、千円と五千円およ
び壱万円と五千円の判別が可能になる。
【0074】次に、低レベルコードの金種が千円である
かどうかが判定され(ステップS66)、仮千円コード
であれば、γがある基準値R4 より大きいかどうかを判
定する(ステップS67)。ここで、γがある基準値R
4 より大きければ、千円コードを出力し(ステップS6
8)、γがある基準値R4 より大きくなければ、NGコ
ードを出力する(ステップS62)。もし、ステップS
66の判定で低レベルコードの金種が千円でなければ、
次に、低レベルコードの金種が仮五千円であるかどうか
が判定される(ステップS69)。もし、仮五千円なら
ば、γがある基準値R4 より小さいかどうかが判定され
る(ステップS70)。ここで、γがある基準値R4
り小さければ、五千円コードを出力し(ステップS7
1)、γがある基準値R4 より小さくなければ、NGコ
ードを出力する(ステップS62)。もし、ステップS
69の判定で低レベルコードの金種が仮五千円でなけれ
ば、仮壱万円であると判断し、γがある基準値R4 より
大きいかどうかを判定する(ステップS72)。ここ
で、γがある基準値R4 より大きければ、壱万円コード
を出力し(ステップS73)、γがある基準値R4 より
大きくなければ、NGコードを出力する(ステップS6
2)。
【0075】次に、本発明の第3の実施の形態における
紙幣判別装置について説明する。この第3の実施の形態
では、第2の実施の形態の場合の金種決定に五千円のパ
ターンチェックを加えるようにしている。したがって、
紙幣センサ部の構成、および紙幣センサ部からエッジ抽
出部36および微分2乗和算出部37までの処理は第2
の実施の形態の場合と同じである。ここでは、第2の実
施の形態の場合と異なる紙幣判別部について説明する。
【0076】図16は第3の実施の形態における紙幣判
別部の構成を示す図である。紙幣判別部60はエッジ抽
出部36からの紙幣長さ情報を受けて紙幣の金種を確率
の大きさを表すレベルを付けて判定する仮金種決定部6
1と、微分2乗和算出部37からの微分2乗和情報を受
けて検出領域のデータ間の比を求める微分2乗和パラメ
ータ算出部62と、仮金種決定部61および微分2乗和
パラメータ算出部62の出力を受けて金種を決定する第
1金種決定部63と、レベルの低いコードについて再チ
ェックを行うことにより紙幣の金種を決定してカウンタ
に通知する第2金種決定部64と、五千円の判定を行っ
てカウンタに通知する第3金種決定部65とから構成さ
れている。
【0077】仮金種決定部61では、紙幣の長手方向の
長さが金種により異なることを利用して、紙幣長さ情報
から金種を仮に決定する。また、紙幣の長さによりレベ
ル付けを行う。微分2乗和パラメータ算出部62は紙幣
の挿入側および搬出側の4か所の領域の画像データから
得られた四つの微分2乗和情報を基に白紙やコピー券を
判定したり、挿入された紙幣の模様が正立か倒立かで紙
幣の挿入方向を判定したり、四つの微分2乗和情報の相
関比から金種に特有な微分2乗和パラメータα、βを求
める。第1金種決定部63では、微分2乗和パラメータ
α、βと仮金種の情報(レベルに依存しない紙幣の長さ
情報)とから仮の金種コード、NGコード、および第3
金種判定コードを決定する。第2金種決定部64では、
特にレベルの低い金種のコードについて再チェックを行
い、対応する金種のコードをカウンタ39へ出力する。
そして、第3金種決定部65では、特に五千円の持つ模
様の特徴を判断して五千円かどうかを決定してそのコー
ドをカウンタ39へ出力する。
【0078】次に、紙幣判別部60を構成する部分の処
理について説明するが、仮金種決定部61はその動作が
図14に示した仮金種決定処理と同じであり、微分2乗
和パラメータ算出部62はその動作が図9に示した微分
2乗和パラメータ算出処理と同じであり、そして、第2
金種決定部64はその動作が図15に示した第2金種決
定処理と同じであるので、ここでは、第1金種決定部6
3および第3金種決定部65のそれぞれの処理の流れに
ついて説明する。
【0079】図17は第3の実施の形態における第1金
種決定部の処理の流れを示すフローチャートである。第
1金種決定部63では、まず、αがある基準値R1 より
小さいかどうかを判定する(ステップS81)。ここで
は、五千円札以外の紙幣かどうかを判定している。五千
円札以外の紙幣である場合には、仮金種決定部61での
結果が仮千円コードであるかどうかが判定され(ステッ
プS82)、仮千円コードであれば、仮千円コードを出
力する(ステップS83)。もし、仮千円コードでなけ
れば、次に、仮壱万円コードであるかどうかが判定され
(ステップS84)、仮壱万円コードであれば、仮壱万
円コードを出力する(ステップS85)。仮千円コード
でも仮壱万円コードでもなければ、次に、βがある基準
値R2 より大きいかどうかが判定される(ステップS8
6)。ここで、βが基準値R2 より大きければ、次に、
仮五千円コードであるかどうかが判定され(ステップS
87)、仮五千円コードであれば、仮五千円コードを出
力する(ステップS88)。ステップS86の判定にお
いて、βが基準値R2 より大きくないときは、第3金種
判定コードを出力する(ステップS89)。また、ステ
ップS87の判定において、仮五千円コードでなけれ
ば、NGコードを出力する(ステップS90)。
【0080】ステップS81の判定において、五千円札
以外の紙幣ではない、すなわち、五千円札ではないかと
判定された場合には、さらに、αがある基準値R3 より
小さいかどうかが判定される(ステップS91)。αが
基準値R3 より小さければ、次に、仮五千円コードであ
るかどうかが判定され(ステップS92)、ここで、仮
五千円コードであれば、仮五千円コードを出力し(ステ
ップS93)、仮五千円コードでなければ、第3金種判
定コードを出力する(ステップS89)。ステップS9
1の判定にて、αが基準値R3 より小さくなければ、そ
の紙幣は五千円ではないとしてNGコードを出力する
(ステップS90)。このようにして出力された仮千円
コード、仮五千円コード、仮壱万円コード、またはNG
コードは第2金種判定部64に送られ、第3金種判定コ
ードは第3金種決定部65に送られる。
【0081】図18は第3の実施の形態における第3金
種決定部の構成を示す図である。第3金種決定部65は
五千円だけが持つ模様の特徴、すなわち、模様の等間隔
性を判断することによって五千円かどうかを判断するも
ので、挿入方向判定部71と、第3金種決定用パラメー
タ算出部72と、模様特徴判定部73と、等間隔判定部
74と、白紙間距離判定部75とから構成される。
【0082】第1金種決定部63で判断できなかったデ
ータを受けて、まず、挿入方向判定部71が紙幣の挿入
方向を判定し、第3金種決定用パラメータ算出部72で
第3金種決定用パラメータを算出する。第3金種決定用
パラメータは特定位置の模様として表れる濃淡情報のピ
ーク・ピーク間の間隔(極値間距離)がどの程度等間隔
性を持っているかを示すものである。この第3金種決定
用パラメータは模様特徴判定部73にて五千円の特定位
置の模様と一致するかを判定する。等間隔判定部74は
五千円の特定位置の模様のピーク・ピークの等間隔性と
一致するかを判定する。そして、白紙間距離判定部75
は五千円の特定位置の紙幣のエッジから模様が始まるま
での距離と一致するかどうかを判定する。
【0083】このように、特定位置の模様の画像データ
を微分し、その微分値の極値間の距離の等間隔性により
紙幣を判別する機能、および紙幣の搬送方向に直交する
方向のエッジから模様が始まるまでの白紙間距離により
紙幣を判別する機能を追加したことにより、判別精度が
一層向上する。
【0084】図19は第3金種決定部で処理される特定
金種のデータを示す説明図であって、(A)は紙幣とそ
の画像検出領域との位置関係を示し、(B)および
(C)はラインセンサモジュールが検出した特定金種の
紙幣の濃淡情報を示し、(D)は濃淡情報の微分値を示
している。
【0085】紙幣18は挿入時に搬送路中心に位置して
おらず、左右どちらかに寄っている。(A)に示すこの
例では、紙幣18は左側に寄っており、ラインセンサモ
ジュール11の視野11cは紙幣18の内側に寄った領
域を検出している。五千円の場合、検出領域における濃
淡情報は(B)および(C)に示すように、ピークが等
間隔に表れる特徴を有しており、その内、検出領域の長
い濃淡情報、すなわち、(B)に示した濃淡情報につい
て微分した(D)に示すデータが第3金種決定部65で
使用することになる。なお、(D)において、W1〜W
7はピークの間隔(極値間距離の絶対値)を示してい
る。
【0086】図20は第3の実施の形態における第3金
種決定部の処理の流れを示すフローチャートである。ま
ず、挿入方向判定部71では、挿入された紙幣18の上
側の二つの検出領域の画像データから得られた微分2乗
和の和(微A+微B)と下側の二つの検出領域の画像デ
ータから得られた微分2乗和の和(微C+微D)とを比
較して挿入方向を判定する(ステップS101)。紙幣
18が正立の方向に挿入された場合は、検出領域C,D
(図3参照)の画像データを選択し、さらに、ラインセ
ンサモジュール11,12が検出している検出領域C,
Dの内、紙幣18のエッジまでの距離が長い方の画像デ
ータを選択する(ステップS102)。これは紙幣18
が左右いずれかに大きく寄った場合に、反対側のライン
センサモジュールでは十分な画像データを取ることがで
きないので、模様情報の多いデータを選択し採用するよ
うにしている。一方、紙幣18が倒立の状態で挿入され
た場合は、検出領域A,Bの画像データを選択し、さら
に、その検出領域A,Bの内、紙幣18のエッジまでの
距離が長い方の画像データを選択する(ステップS10
3)。
【0087】このようにして決定された画像データを基
に第3金種決定用パラメータ算出部72では、ピークが
存在する番地を算出し、その番地からピークの間隔W1
〜W7を算出し(ステップS104)、それらの間隔W
1〜W7の平均値MEANを算出し(ステップS10
5)、そして間隔W1〜W7の中で最も大きい値で間隔
W1〜W7を規格化する(ステップS106)。模様が
等間隔に表れる五千円では、規格化した値はある一定の
値以上になる。これにより、第3金種決定用パラメータ
として、平均値MEANおよび各間隔の規格化値が出力
される。
【0088】次に、模様特徴判定部73では、平均値M
EANが所定の基準値P1 とP2 との間に入っているか
どうかで五千円の可能性があるかどうかを判定する(ス
テップS107)。次に、等間隔判定部74では規格化
値の最小のものが選択され、その最小の規格化値が所定
の基準値P3 以上かどうかを判定し、最小の規格化値が
基準値P3 以上ならば、五千円の可能性があると判定す
る(ステップS108)。そして、白紙間距離判定部7
5において、紙幣18のエッジから模様が始まるまでの
距離が所定の基準値P4 以上かどうかを判定する(ステ
ップS109)。これは五千円が白紙の部分の距離、す
なわち、エッジから最初に現れるピークまでの距離にお
いて他の金種の白紙の部分の距離と異なっている特徴を
利用するものである。模様特徴判定部73、等間隔判定
部74および白紙間距離判定部75でのそれぞれの判定
結果が肯定ならば、五千円コードを出力し(ステップS
110)、否定ならばNGコードを出力する(ステップ
S111)。これらの五千円コードまたはNGコードは
カウンタへ出力される。
【0089】次に、本発明の第4の実施の形態における
紙幣判別装置について説明する。この第4の実施の形態
では、紙幣の特定位置における検出領域をサンプリング
するのではなく、紙幣の左右両側の検出領域の画像デー
タを二つのラインセンサモジュール11,12で検出
し、その画像データを基に金種判定を行うようにしてい
る。したがって、紙幣センサ部の構成は第1ないし第3
の実施の形態の場合と同じである。
【0090】図21は第4の実施の形態における紙幣の
画像データの検出を説明する図であって、(A)は紙幣
の検出領域を示し、(B)はサンプリングタイミングを
示している。第4の実施の形態では、(A)に示したよ
うに、紙幣18の左右に配置された二つのラインセンサ
モジュール11,12が検出できる視野の幅を以て紙幣
18の前縁から後縁までの全面を検出領域81,82と
している。
【0091】紙幣18は図示のように左下がりで挿入さ
れてきたとする。まず、斜めになった状態で搬送されて
きた紙幣18の前縁は第1のフォトダイオード21aを
遮光し、続いて、第2のフォトダイオード21b、第3
のフォトダイオード21cが順次遮光される。このと
き、第1のフォトダイオード21aの遮光タイミングt
21で光源ユニット13,14への照明開始信号および
ラインセンサモジュール11,12へのセンサ露光開始
信号をオンにする。これによりラインセンサモジュール
11,12から紙幣画像データが出力される。この照明
開始信号および露光開始信号の出力と紙幣画像データの
出力は第2のフォトダイオード21bの通光タイミング
t28まで繰り返し行われ、紙幣18の検出領域81,
82の全面の画像データが得られる。
【0092】この検出領域81,82の全面の画像デー
タは、紙幣判別演算部17に送られる。紙幣判別演算部
17では、ラインセンサモジュール11,12からの紙
幣画像データを積分し、積分された画像データの比を演
算し、その比をあらかじめ記憶されたデータと比較して
金種を決定することになる。このように、紙幣の左右両
端部でサンプリング可能なすべての画像データを積分
し、左右両端部の積分値の相関関係により金種を判定す
るため、処理負荷が小さく、演算装置として安価なCP
U(中央処理装置)でも高速な金種判定が可能になる。
【0093】次に、本発明の第5の実施の形態における
紙幣判別装置について説明する。この第5の実施の形態
では、紙幣の特定位置における検出領域の画像データを
サンプリングする二つのラインセンサモジュール11,
12として、自動露光判定を行う素子を用いるようにし
ている。したがって、紙幣センサ部の構成およびその処
理方法は第2の実施の形態の場合と同じであり、紙幣判
別部38における紙幣判別の方法は第3の実施の形態の
場合と同じである。
【0094】自動露光判定を行う素子としては、たとえ
ば、自動焦点カメラなどで測距用に一般に用いられてい
るオートフォーカスIC(以下、AFICという)が使
用される。このAFICはラインセンサおよびその制御
回路、信号処理回路などが一体に形成されたものであ
り、通常のCCDセンサのように、駆動回路や信号伝送
回路などを別途用意する必要がなく、非常に安価にライ
ンセンサモジュールを構成することができる。ただし、
AFICは大きな露光レンジを要するために、非線形な
露光感度を有しており、実際に得られる画像データは検
出光量に比例した階調データになっていないという特性
を有している。このため、そのような画像データで紙幣
判別の処理を行うには、その画像データをCCDセンサ
などで得られる画像データと同じ特性のデータに変換す
る必要がある。そのため、紙幣判別演算部17は図22
に示す構成を有している。
【0095】図22は第5の実施の形態における紙幣判
別演算部の構成を示す図である。図示の紙幣判別演算部
17において、その構成は図5に示したものとほとんど
同じであるので、その相違点だけを説明する。図示の紙
幣判別演算部17によれば、画像データ選定部35の出
力側に新たに線形化処理部91が設けられている。
【0096】この線形化処理部91に入るまでのAFI
Cより出力された画像データは非線形の特性を有し、線
形化処理部91によりその画像データは線形化処理され
る。この線形化処理により、AFICより出力された画
像データはCCDセンサなどで得られた画像データと同
じ階調データを有するようになる。次に、線形化処理部
91による線形化処理について説明する。
【0097】図23は線形化処理部における線形化処理
の詳細を示す図であって、(A)はセンサ出力の濃淡情
報を示し、(B)は線形化処理のためのフィルタリング
特性を示し、(C)は線形化処理後のデータを示してい
る。
【0098】AFICで構成されたラインセンサモジュ
ールから出力された画像データは、(A)に示したよう
に、左端の光源情報から立ち上がって、紙幣の模様に対
応する濃淡情報が得られる。この濃淡情報は高くなるに
従って振幅の高さが圧縮されていって同じ階調の変化幅
でも低くなり、濃淡情報の値が大きいところではその変
化が小さくなっている。この特性を補正するため、線形
化処理部91は(B)に示したような指数関数フィルタ
によるフィルタリング処理を施す。この指数関数フィル
タの特性はたとえば、
【0099】
【数9】G(X)=A×2(F(X)/B) ……(9) で表される。ここで、G(X)はフィルタリング処理後
のデータ、F(X)は線形化処理部91に入力されるデ
ータ、AおよびBは係数を示している。このようなフィ
ルタリング処理によって、(C)に示すような画像デー
タを得ることができ、AFICで得られたデータも、C
CDセンサで得られた画像データと同じように光量に比
例した正しい濃淡の画像データとなる。その後の処理
は、第3の実施の形態と同じである。
【0100】このように、ラインセンサモジュールにA
FICを使用することにより、たとえ紙幣判別演算部1
7に線形化処理部91を追加するとしても、CCDセン
サで必要な駆動回路や信号伝送回路などが不要なため、
コストを大幅に低減させることが可能になる。
【0101】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、紙幣の
模様情報を得るセンサを二つに分けて紙幣の両側の画像
データを得るように構成した。これにより、搬送方向の
複数のライン情報から紙幣を判別する方法に比較し、検
出する模様の情報量が多く、より判別精度を上げること
ができる。また、紙幣の全面の画像データで紙幣を判別
する方法に比較し、ラインセンサモジュールおよび光源
ユニットを小型化することができ、光源ユニットを少な
い発光素子で紙幣のセンサ面を均一な光量で照明するこ
とが可能になる。
【0102】また、四つのフォトインタラプタからなる
紙幣状態センサユニットを備えたことにより、安定して
特定位置の紙幣の画像データを取得することができると
同時に、従来必要であった突入センサ、排出センサ、速
度センサ、角度センサが不要になり、紙幣センサの部分
を小型化、低コスト化することができる。
【0103】紙幣の特定位置(上下左右の4箇所)にお
ける画像データ列の微分2乗和の相関関係により紙幣判
別を行うようにしたので、紙幣の挿入状態の影響を受け
ることなく安定的に紙幣判別ができ、従来の紙幣全面の
パターン比較が必要ないので、高速なCPUや膨大な基
準データを保持するための電子回路を必要としないた
め、低コスト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】紙幣判別装置の原理的な構成を示す図である。
【図2】紙幣判別装置の紙幣センサ部の左半分を拡大し
て示した図である。
【図3】紙幣状態センサユニットでの紙幣の搬送状態検
出を説明するための図であって、(A)はフォトダイオ
ードの位置と紙幣の挿入状態との関係を示し、(B)は
フォトダイオードの検出タイミングを示し、(C)はサ
ンプリング位置を示している。
【図4】サンプリング動作時の制御の流れを説明する図
であって、(A)は紙幣センサ部およびこれの制御に関
連する紙幣判別演算部の一部を示し、(B)はサンプリ
ング動作時のタイミングチャートを示している。
【図5】紙幣判別演算部の構成例を示す図である。
【図6】紙幣の長手方向の長さを算出する手順を説明す
る図であって、(A)は紙幣とその画像検出領域との位
置関係を示し、(B)および(C)はラインセンサモジ
ュールが検出した紙幣の濃淡情報を示し、(D)は紙幣
のエッジ検出および長さ算出方法を示している。
【図7】紙幣判別部の構成を示す図である。
【図8】仮金種決定部の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図9】微分2乗和パラメータ算出部の処理の流れを示
すフローチャートである。
【図10】金種決定部の処理の流れを示すフローチャー
トである。
【図11】ラインセンサモジュールによる画像データの
サンプリング位置を示した図である。
【図12】フォトダイオードの検出タイミングによるセ
ンサ制御部の動作を示した図である。
【図13】第2の実施の形態における紙幣判別部の構成
を示す図である。
【図14】仮金種決定部の処理の流れを示すフローチャ
ートである。
【図15】第2金種決定部の処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図16】第3の実施の形態における紙幣判別部の構成
を示す図である。
【図17】第3の実施の形態における第1金種決定部の
処理の流れを示すフローチャートである。
【図18】第3の実施の形態における第3金種決定部の
構成を示す図である。
【図19】第3金種決定部で処理される特定金種のデー
タを示す説明図であって、(A)は紙幣とその画像検出
領域との位置関係を示し、(B)および(C)はライン
センサモジュールが検出した特定金種の紙幣の濃淡情報
を示し、(D)は濃淡情報の微分値を示している。
【図20】第3の実施の形態における第3金種決定部の
処理の流れを示すフローチャートである。
【図21】第4の実施の形態における紙幣の画像データ
の検出を説明する図であって、(A)は紙幣の検出領域
を示し、(B)はサンプリングタイミングを示してい
る。
【図22】第5の実施の形態における紙幣判別演算部の
構成を示す図である。
【図23】線形化処理部における線形化処理の詳細を示
す図であって、(A)はセンサ出力の濃淡情報を示し、
(B)は線形化処理のためのフィルタリング特性を示
し、(C)は線形化処理後のデータを示している。
【図24】従来の紙幣判別装置のセンサ部分を示す概略
図である。
【図25】従来の紙幣判別装置の別のセンサ部分を示す
概略図である。
【符号の説明】
11,12 ラインセンサモジュール 13,14 光源ユニット 15 発光素子搭載部 16 受光素子搭載部 17 紙幣判別演算部 18 紙幣 19 搬送方向 20a,20b,20c,20d 発光ダイオード 21a,21b,21c,21d フォトダイオード

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙幣の大きさおよび模様情報を基に紙幣
    の金種を判別する紙幣判別装置において、 紙幣の搬送方向と直交する同一のライン上に配置されて
    紙幣の両エッジを含む前記ライン上の所定の撮像領域の
    模様を結像レンズを介してラインセンサ上に結像させる
    ことで検出する二つのラインセンサ手段と、 紙幣の搬送路を挟んで前記二つのラインセンサ手段にそ
    れぞれ対向する位置に配置されて通過する紙幣に対して
    照明する二つの光源手段と、 前記二つのラインセンサ手段が配置されたラインに対し
    て前記搬送方向の前後の平行ライン上に前記紙幣の搬送
    路を挟んで発光部および受光部がそれぞれ対向して配置
    された4組のフォトインタラプタを含む紙幣状態センサ
    手段と、 前記紙幣状態センサ手段により検出された紙幣の通過タ
    イミングおよび前記二つのラインセンサ手段にて検出さ
    れた紙幣の両エッジ近傍の模様の画像データを基に紙幣
    の大きさおよび模様の特徴を抽出して金種の判別を行う
    紙幣判別演算手段と、 を備えていることを特徴とする紙幣判別装置。
  2. 【請求項2】 前記光源手段は、複数の発光ダイオード
    が中心部から前記ライン方向両端部へ向かって密になる
    ように配置された発光ダイオードアレイと、前記発光ダ
    イオードアレイを取り囲むように配置された光反射板
    と、前記発光ダイオードから直接入射された光および前
    記光反射板にて反射された光を均一化して前記紙幣を照
    明する光拡散板とを有すること特徴とする請求項1記載
    の紙幣判別装置。
  3. 【請求項3】 前記紙幣状態センサ手段は、前記ライン
    センサ手段が配置されたラインに平行な二つの前記平行
    ライン上に2組ずつの前記フォトインタラプタを所定の
    間隔を置いて配置してあることを特徴とする請求項1記
    載の紙幣判別装置。
  4. 【請求項4】 二つの平行ライン上の前記フォトインタ
    ラプタは、紙幣の搬送中心に対称で、左右方向に紙幣の
    長さより短い間隔を置いて配置されていることを特徴と
    する請求項3記載の紙幣判別装置。
  5. 【請求項5】 前記紙幣状態センサ手段は、前記ライン
    センサ手段が配置されたラインと2組のフォトインタラ
    プタが配置された挿入方向側の前記平行ラインとの間隔
    を、前記ラインセンサ手段が配置されたラインと2組の
    フォトインタラプタが配置された排出方向側の前記平行
    ラインとの間隔よりも前記ラインセンサ手段が1画像デ
    ータのサンプリングに要する時間の間に紙幣が移動する
    距離だけ大きくしたことを特徴とする請求項1記載の紙
    幣判別装置。
  6. 【請求項6】 前記紙幣判別演算手段は、前記紙幣状態
    センサ手段の4組のフォトインタラプタの遮光、通光の
    タイミング信号を受けて紙幣の移動速度および紙幣の傾
    斜を表す情報を算出する手段と、排出側の前記フォトイ
    ンタラプタの遮光のタイミング信号を受けて前記ライン
    センサ手段により得られた紙幣の排出側の所定位置の画
    像データおよび挿入側の前記フォトインタラプタの通光
    のタイミング信号を受けて前記ラインセンサ手段により
    得られた紙幣の挿入側の所定位置の画像データとを保持
    するデータ保持手段と、前記画像データから紙幣の金種
    を判別する金種判別手段とを有することを特徴とする請
    求項1記載の紙幣判別装置。
  7. 【請求項7】 前記紙幣判別演算手段は、前記二つのラ
    インセンサ手段を同期して取得した複数の画像データか
    ら前記金種判別手段での紙幣の金種判別に用いる画像デ
    ータを前記紙幣の傾斜を表す情報に基づいて選択する手
    段を有することを特徴とする請求項6記載の紙幣判別装
    置。
  8. 【請求項8】 前記金種判別手段は、前記画像データか
    ら紙幣の長さを算出する紙幣長さ算出手段と、前記画像
    データの微分2乗和を算出する微分2乗和算出手段と、
    前記紙幣長さ算出手段により算出された紙幣の長さ情報
    と前記微分2乗和算出手段により算出された微分2乗和
    情報とから最終的に金種を決定する金種決定手段とを有
    することを特徴とする請求項6記載の紙幣判別装置。
  9. 【請求項9】 前記紙幣長さ算出手段は、紙幣の左右両
    端部の1対の画像データを微分することによって得られ
    た最大値の位置と前記ラインセンサ手段の視野と前記ラ
    インセンサ手段が設置された間隔とから紙幣の搬送方向
    に直交する方向の紙幣の長さを算出することを特徴とす
    る請求項8記載の紙幣判別装置。
  10. 【請求項10】 前記金種決定手段は、前記紙幣長さ算
    出手段により算出された紙幣の長さで仮の金種を決定す
    る仮金種決定部と、前記微分2乗和算出手段により算出
    された微分2乗和の相関比の特徴を表すパラメータを算
    出する微分2乗和パラメータ算出部と、前記仮金種決定
    部より出力された仮金種の情報と前記微分2乗和パラメ
    ータ算出部より出力されたパラメータとを基に金種を決
    定する金種決定部とを有することを特徴とする請求項8
    記載の紙幣判別装置。
  11. 【請求項11】 前記紙幣判別演算手段は、前記紙幣状
    態センサ手段の挿入側の2組のフォトインタラプタの遮
    光のタイミング信号と紙幣の搬送方向の長さとから前記
    ラインセンサ手段の視野を紙幣の搬送方向の中心が通過
    する時間を予測し、その予測時間における紙幣の画像デ
    ータを取得して前記データ保持手段へ保持する紙幣両端
    中央部データ取得手段を有することを特徴とする請求項
    6記載の紙幣判別装置。
  12. 【請求項12】 前記仮金種決定部は、決定した仮の金
    種の情報に金種の確率の高さに応じたレベルを付与する
    ことを特徴とする請求項10記載の紙幣判別装置。
  13. 【請求項13】 前記金種決定手段は、前記仮金種決定
    部で決定したレベルの低い仮の金種に対して紙幣両端中
    央部における画像データから得られる紙幣の模様の特徴
    から紙幣の金種を決定する第2金種決定部を有すること
    を特徴とする請求項10記載の紙幣判別装置。
  14. 【請求項14】 前記金種決定手段は、前記ラインセン
    サ手段により得られた紙幣の排出側または挿入側の所定
    位置の画像データを微分し、得られた微分値の極値間隔
    の平均値により紙幣の金種を決定する第3金種決定部を
    有することを特徴とする請求項10記載の紙幣判別装
    置。
  15. 【請求項15】 前記第3金種決定部は、前記画像デー
    タの微分値から得られた極値間隔の等間隔性により紙幣
    の金種を決定する手段を有することを特徴とする請求項
    14記載の紙幣判別装置。
  16. 【請求項16】 前記第3金種決定部は、前記画像デー
    タの微分値から得られた紙幣のエッジと模様が始まる位
    置との距離により紙幣の金種を決定する手段を有するこ
    とを特徴とする請求項14記載の紙幣判別装置。
  17. 【請求項17】 前記ラインセンサ手段は露光感度が非
    線形なセンサとし、前記紙幣判別演算手段は前記センサ
    から得られた画像データを線形化処理する手段を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の紙幣判別装置。
  18. 【請求項18】 前記ラインセンサ手段は紙幣の左右両
    端部でサンプリング可能なすべての画像データをサンプ
    リングし、前記紙幣判別演算手段はサンプリングしたす
    べての画像データを積分し、前記紙幣の左右両端部の積
    分値の相関関係により紙幣を判別する手段を有すること
    を特徴とする請求項1記載の紙幣判別装置。
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