JPH10300189A - 風呂給湯複合燃焼装置 - Google Patents

風呂給湯複合燃焼装置

Info

Publication number
JPH10300189A
JPH10300189A JP9128016A JP12801697A JPH10300189A JP H10300189 A JPH10300189 A JP H10300189A JP 9128016 A JP9128016 A JP 9128016A JP 12801697 A JP12801697 A JP 12801697A JP H10300189 A JPH10300189 A JP H10300189A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
water supply
temperature
heat exchanger
flow rate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9128016A
Other languages
English (en)
Inventor
Hisayasu Watanabe
久恭 渡辺
Kikuo Okamoto
喜久雄 岡本
Toshihisa Saito
寿久 斉藤
Tetsuya Sato
徹哉 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Gastar Co Ltd
Original Assignee
Gastar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Gastar Co Ltd filed Critical Gastar Co Ltd
Priority to JP9128016A priority Critical patent/JPH10300189A/ja
Publication of JPH10300189A publication Critical patent/JPH10300189A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Control For Baths (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 給湯熱交換器1内に後沸きが生じている時に
浴槽25への注水又は注湯を後沸きの湯を解消し安全な
湯温にして行う。 【解決手段】 給湯熱交換器1内の湯に後沸き発生が判
断された時には第1の流量制御手段GM1と第2の流量
制御手段GM2を後沸き解消の弁開度でもって待機さ
せ、給湯熱交換器1から出る後沸きの高温の湯を第2の
流量制御手段GM2を通る水でうめて浴槽25へ落とし
込む。注水又は注湯の開始後、閉弁禁止時間が経過した
後に第1の流量制御手段GM1に入る湯の入力温度が第
2の流量制御手段GM2を閉めても危険な高温の湯が浴
槽25に落とし込まれることのない閉弁判断温度以下と
なったときに第2の流量制御手段GM2を閉止する。後
沸きによる高温の湯が浴槽25に落とし込まれて入浴者
にやけど等の危害を与えたり、水位検出センサ21が耐
熱温度を越えた高温の湯に触れて熱損傷を受けるという
問題を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、給湯機能と風呂の
追い焚き機能を備えた風呂給湯複合燃焼装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図7には出願人が以前に試作した風呂給
湯複合燃焼装置の模式構成が示されている。同図におい
て、給湯熱交換器1の入側には給水通路2が接続され、
給湯熱交換器1の出側には給湯通路3が接続されてい
る。前記給水通路2には給水流量を検出する流量センサ
FSと給水温度を検出する給水温度センサ6が設けられ
ている。給湯通路3には温度センサ8が設けられてい
る。
【0003】前記給湯熱交換器1はバーナ10の火炎に
よって加熱されるようになっており、このバーナ10に
はガス通路11が接続され、このガス通路11には通路
の開閉を行う電磁弁12,13と、バーナ10へのガス
供給量を開弁量によって制御する比例弁14が設けられ
ている。
【0004】これら、給水通路2と、給湯熱交換器1
と、給湯通路3と、流量センサFSと、給湯温度センサ
8とを含む構成部分は給湯側装置を構成している。
【0005】一方、浴槽25には追い焚き循環路24が
接続されており、この追い焚き循環路24には浴槽25
内の湯水を循環する循環ポンプ26と、循環湯水を追い
焚きする追い焚き熱交換器16が設けられて風呂側装置
が構成されている。
【0006】この図7に示す装置では、給湯熱交換器1
と追い焚き熱交換器16は一体的に形成され、この一体
化された給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器16とは共
通のバーナ10により燃焼加熱される、一缶二水路型の
風呂給湯複合燃焼装置として構成されているが、給湯熱
交換器1と追い焚き熱交換器16を別個独立に形成し、
それぞれの熱交換器1,16を別個のバーナで燃焼加熱
するように構成することで、二缶二水路型の風呂給湯燃
焼装置となる。
【0007】前記給湯通路3には湯張り通路23の入口
側が接続されており、湯張り通路23の出口側は追い焚
き循環路24に連通接続されている。そして、湯張り通
路23には注湯弁としての注湯電磁弁27が設けられ、
この注湯電磁弁27の下流側の湯張り通路23には浴槽
25内の水位を水圧によって検出する水位検出センサ
(圧力センサ)21が設けられている。
【0008】この給湯燃焼装置の運転は制御装置15に
より行われており、この制御装置15にはリモコン9が
信号接続されている。
【0009】リモコン9には電源スイッチ、自動運転ス
イッチ、注水スイッチ、注湯スイッチ、給湯(浴槽への
注湯を含む)の設定温度を設定する温度設定器や、その
給湯設定温度等の各種情報を表示する表示部等が設けら
れている。
【0010】制御装置15は、給湯通路3に接続される
外部配管の給湯出口側に設けられる給湯栓(図示せず)
が開けられて、流量センサFSにより作動流量以上の流
量が検出されたときに、燃焼ファン(図示せず)を回転
してバーナ10へ燃焼給気を供給し、電磁弁12,13
と比例弁14を開けて点火手段(図示せず)を駆動して
バーナ10の点着火を行い、給湯温度センサ8で検出さ
れる給湯温度がリモコン9で設定される給湯設定温度に
なるようにバーナ10の燃焼熱量が制御される。
【0011】この燃焼制御により、給水通路2から給湯
熱交換器1に入り込む流水は給湯熱交換器1を通るとき
に加熱されて湯になり、この湯は給湯通路3を通して所
望の給湯場所に導かれる。湯の使用が終了し、給湯栓が
閉められることにより、流量センサFSから流水オフ信
号が出力され、この信号を受けて制御装置15はガス通
路11を遮断してバーナ10の燃焼を停止し、次の給湯
使用に備える。また、制御装置15はリモコン9の自動
運転スイッチがオンされたときには、浴槽25への湯張
りから追い焚きを経て保温に至る一連の動作を制御す
る。
【0012】すなわち、自動運転スイッチがオンされた
ときには、注湯電磁弁27を開け、流量センサFSから
作動流量以上の流量が検出されたときに、前記給湯燃焼
と同様にバーナ10を燃焼させ、給湯熱交換器1の加熱
により給湯設定温度(風呂設定温度)に作り出された湯
を、湯張り通路23から追い焚き循環路24を介して浴
槽25に落とし込む。そして、水位検出センサ21で設
定水位が検出されたときに、バーナ燃焼を停止し追い焚
き動作に移る。
【0013】この追い焚き動作は、注湯電磁弁27が閉
じられている状態で、循環ポンプ26を起動することに
より行われる。すなわち、循環ポンプ26が起動されて
追い焚き循環路24の流水が例えば流水スイッチ(図示
せず)により検出されたときに、バーナ10を燃焼させ
て、追い焚き熱交換器16を通る浴槽湯水を追い焚き加
熱する。そして、追い焚き循環路24等に設けられる風
呂温度センサにより風呂設定温度の湯温が検出されたと
きに、循環ポンプ26を停止して追い焚きを終了する。
【0014】この追い焚き運転の終了後は保温動作に移
り、例えば、30分毎に追い焚き循環ポンプ26が起動
されて浴槽湯水の循環が行われ、そのときに検出される
風呂温度(浴槽水温度)が風呂設定温度よりも許容範囲
を越えて低下したときにはバーナ10を燃焼させて追い
焚きを行い、浴槽湯温を風呂設定温度に維持する。ま
た、風呂設定温度が例えば低温側に変更されたときに
は、注水動作を行い、バーナ10を燃焼させないで注湯
電磁弁27を開け、給水通路2から供給される水を湯張
り通路23、追い焚き循環路24を通して浴槽25に落
とし込み、浴槽湯温が風呂設定温度になるように注水の
制御が行われる。また、浴槽湯水が取られる等して、設
定水位よりも水位が低下したときには、注湯動作を行
い、バーナ10の燃焼により、給湯熱交換器1で作り出
した湯を湯張り通路23、追い焚き循環路24を通して
浴槽25に落とし込み、浴槽水位を設定水位に維持制御
する。なお、この注水、注湯の動作は、リモコン9に設
けられている注水スイッチや注湯スイッチをオン操作す
ることによっても行われるものである。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この種の風呂給湯複合
燃焼装置にあっては、給湯燃焼の停止後、給湯熱交換器
1の保有熱量が滞留している給湯熱交換器1内の湯に伝
搬し、給湯熱交換器1の湯温が高くなる後沸き現象が生
じ、給湯燃焼の停止直後に、浴槽25への注水や注湯動
作が行われたときに、この給湯熱交換器1内の高温のオ
ーバーシュートの湯が浴槽に落とし込まれるという問題
が生じる。
【0016】特に、図7に示す如く、風呂の追い焚きを
行う追い焚き熱交換器16を前記給湯熱交換器1と一体
的に形成し、この給湯熱交換器1と追い焚き熱交換器1
6を共通のバーナ10で燃焼加熱する、一缶二水路の風
呂給湯複合燃焼装置とした場合には、追い焚き単独運転
が行われると、バーナ10により、滞留している給湯熱
交換器1内の湯水が沸騰寸前にまで加熱される場合が生
じ、このような状態のときに、追い焚きの停止直後に注
水や注湯動作が行われると、この沸騰寸前の高温の湯が
給湯熱交換器1から出湯されることとなり、危険である
上に、浴槽25に落とし込まれる後沸きの温度が湯張り
通路23に設けられている水位検出センサの耐熱温度
(例えば60℃)を越えた高温の湯が落とし込まれる
と、水位検出センサが高温の熱により損傷し、水位検出
機能が損なわれてしまうという問題が生じる。
【0017】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、その目的は、給湯熱交換器内に高温の後
沸きが生じている状態で浴槽への注水や注湯の動作が開
始したときには、その後沸きの高温の湯が浴槽に落とし
込まれることによる危険を防止し、さらに、その高温の
湯が通水する位置に設けられている水位検出センサが熱
損傷を受けるということのない風呂給湯複合燃焼装置を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、次のような手段を講じている。すなわち、
第1の発明は、給水通路から供給される水をバーナの燃
焼火炎により加熱する給湯熱交換器と、この給湯熱交換
器から出る湯の給湯通路と前記給水通路間を前記給湯熱
交換器を迂回して連通する給水制御用バイパス通路と、
この給水制御用バイパス通路から出る水が合流する湯側
の流量を制御する第1の流量制御手段と、前記給水制御
用バイパス通路を通る水の流量を制御する第2の流量制
御手段とを備えた給湯側装置が形成され、また、浴槽湯
水を循環する循環ポンプ組み込みの追い焚き循環路と、
この追い焚き循環路を循環する浴槽湯水を追い焚きする
追い焚き熱交換器とを備えて風呂側装置が形成され、前
記給水制御用バイパス通路の出口側接続部よりも下流側
の給湯通路位置と前記追い焚き循環路は注湯弁を介して
湯張り通路によって連通接続されている風呂給湯複合燃
焼装置であって、給湯熱交換器内湯温の後沸きの発生を
判断する後沸き判断部を備え、給湯熱交換器内湯温に後
沸きが発生していると判断されているときには前記第1
の流量制御手段と第2の流量制御手段の弁を共に開いた
状態にして通水に備える後沸き解消待機動作部と、給湯
熱交換器内湯温に後沸きが発生していると判断されてい
るときに前記給湯熱交換器側から浴槽への注湯又は注水
が開始されたときにはその注湯又は注水の開始時からの
第2の流量制御手段の閉弁禁止時間を予め与えられるデ
ータに基づき設定する閉弁禁止時間設定部と、注湯又は
注水の開始時から前記閉弁禁止時間を経過したときに第
2の流量制御手段を強制閉止する閉弁制御部とが設けら
れている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0019】また、第2の発明は、給水通路から供給さ
れる水をバーナの燃焼火炎により加熱する給湯熱交換器
と、この給湯熱交換器から出る湯の給湯通路と前記給水
通路間を前記給湯熱交換器を迂回して連通する給水制御
用バイパス通路と、この給水制御用バイパス通路から出
る水が合流する湯側の流量を制御する第1の流量制御手
段と、前記給水制御用バイパス通路を通る水の流量を制
御する第2の流量制御手段と、前記第1の流量制御手段
に入る側の湯温を入力温度として検出する入力温度検出
部とを備えた給湯側装置が形成され、また、浴槽湯水を
循環する循環ポンプ組み込みの追い焚き循環路と、この
追い焚き循環路を循環する浴槽湯水を追い焚きする追い
焚き熱交換器とを備えて風呂側装置が形成され、前記給
水制御用バイパス通路の出口側接続部よりも下流側の給
湯通路位置と前記追い焚き循環路は注湯弁を介して湯張
り通路によって連通接続されている風呂給湯複合燃焼装
置であって、給湯熱交換器内湯温の後沸きの発生を判断
する後沸き判断部を備え、給湯熱交換器内湯温に後沸き
が発生していると判断されているときには前記第1の流
量制御手段と第2の流量制御手段の弁を共に開いた状態
にして通水に備える後沸き解消待機動作部と、給湯熱交
換器内湯温に後沸きが発生していると判断されていると
きに前記給湯熱交換器側から浴槽への注湯又は注水が開
始されたときにはその注湯又は注水の開始時からの第2
の流量制御手段の閉弁禁止時間を予め与えられるデータ
に基づき設定する閉弁禁止時間設定部と、前記入力温度
検出部によって検出される入力温度と予め設定されてい
る閉弁判断温度とを比較し入力温度が閉弁判断温度以下
となり、かつ、注湯又は注水の開始時から前記閉弁禁止
時間を経過しているときに第2の流量制御手段を強制閉
止する閉弁制御部とが設けられている構成をもって課題
を解決する手段としている。
【0020】また、第3の発明は、給水通路から供給さ
れる水をバーナの燃焼火炎により加熱する給湯熱交換器
と、この給湯熱交換器から出る湯の給湯通路と前記給水
通路間を前記給湯熱交換器を迂回して連通する給水制御
用バイパス通路と、この給水制御用バイパス通路から出
る水が合流する湯側の流量を制御する第1の流量制御手
段と、前記給水制御用バイパス通路を通る水の流量を制
御する第2の流量制御手段と、前記第1の流量制御手段
に入る側の湯温を入力温度として検出する入力温度検出
部とを備えた給湯側装置が形成され、また、浴槽湯水を
循環する循環ポンプ組み込みの追い焚き循環路と、この
追い焚き循環路を循環する浴槽湯水を追い焚きする追い
焚き熱交換器とを備えて風呂側装置が形成され、前記給
水制御用バイパス通路の出口側接続部よりも下流側の給
湯通路位置と前記追い焚き循環路は注湯弁を介して湯張
り通路によって連通接続されている風呂給湯複合燃焼装
置であって、給湯熱交換器内湯温の後沸きの発生を判断
する後沸き判断部を備え、給湯熱交換器内湯温に後沸き
が発生していると判断されているときには前記第1の流
量制御手段と第2の流量制御手段の弁を共に開いた状態
にして通水に備える後沸き解消待機動作部と、給湯熱交
換器内湯温に後沸きが発生していると判断されていると
きに前記給湯熱交換器側から浴槽への注湯又は注水が開
始されたときには前記入力温度検出部によって検出され
る入力温度の時間的変化を検出しその入力温度の時間的
変化が下り勾配となって入力温度が予め設定されている
閉弁判断温度以下となったときに第2の流量制御手段を
強制閉止する閉弁制御部とが設けられている構成をもっ
て課題を解決する手段としている。
【0021】さらに第4の発明は、前記第1又は第2又
は第3の発明の構成を備えたものにおいて、給湯熱交換
器と追い焚き熱交換器は一体的に形成され、この一体型
の給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は共通のバーナによ
り加熱される一缶二水路型の熱交換器として構成されて
いることをもって課題を解決する手段としている。
【0022】さらに第5の発明は、前記第4の発明の構
成を備えたものにおいて、湯熱交換器内湯温の後沸き発
生を判断する後沸き判断部は、風呂の追い焚き単独運転
の停止を検出したときに給湯熱交換器内湯温に後沸きが
生じているものと判断する構成としたことをもって課題
を解決する手段としている。
【0023】上記本発明において、給湯熱交換器内に後
沸きが生じている状態で注水や給湯の動作が開始される
ときに、前記給湯熱交換器内の後沸きの発生が後沸き判
断部により判断され、第1の流量制御手段と第2の流量
制御手段は弁を開状態に制御されて注水や注湯の開始に
備えて待機する。
【0024】この状態で、注水や注湯の動作が開始され
ると、給湯熱交換器から出る高温の後沸きの湯は例えば
絞り気味に開かれている第1の流量制御手段によって後
沸きの湯の流量が減少方向に制御され、第2の流量制御
手段は例えば大きめの弁開度で開かれ、該第2の流量制
御手段を通る多量の水によって後沸きの湯が埋められる
結果、後沸きの湯は危険のない温度に下げられ、注水や
注湯の通水通路に設けられる水位検出センサに熱損傷を
与えることのない湯温にして浴槽へ落とし込まれる。
【0025】この注水又は注湯の開始後、閉弁禁止時間
を経過したとき、又は、入力温度検出部で検出される前
記第1の流量制御手段に入る側の入力温度と、予め与え
られる閉弁判断温度とが比較され、前記注水又は注湯の
開始後、閉弁禁止時間が経過している状態で入力温度が
前記閉弁判断温度以下となったときには第2の流量制御
手段を閉めても危険性を伴う高温とはならず、水位検出
センサには熱損傷を起こさせることもないものと判断し
て、第2の流量制御手段を閉止し、定常の運転状態にて
注水又は注湯の動作が引き続き行われる。
【0026】また、前記注水又は注湯の動作が開始され
た後、入力温度の時間的変化を検出する構成とした発明
にあっては、入力温度の時間的変化が下り勾配となっ
て、入力温度が閉弁判断温度以下となったときに同様に
第2の流量制御手段を閉めても落とし込みの湯温は危険
性を伴う高温とはならず、水位検出センサの熱損傷を生
じることもないものと判断して第2の流量制御手段を閉
止し、定常の運転状態で注水又は注湯の動作を行う。
【0027】このように、本発明においては、給湯熱交
換器内に後沸きが生じているものと判断されたときに
は、第1の流量制御手段と第2の流量制御手段の弁開度
は、高温の後沸きの湯が浴槽に落とし込まれない後沸き
解消の弁開度にして待機され、この待機状態で注水や注
湯の動作が開始するので、給湯熱交換器から出る後沸き
の高温の湯は第2の流量制御手段を通る水により埋めら
れて危険性のない湯温となり、水位検出センサに熱損傷
を及ぼすことも防止できるものである。そして、入力温
度が閉弁判断温度以下となったとき、すなわち、第2の
流量制御手段を完全に閉止しても危険となる高温の湯の
落とし込みが解消される温度となったときには第2の流
量制御手段が強制的に閉止されて定常の動作状態とな
り、注水および注湯を安定な定常運転によって行うこと
ができるものとなる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態例を図面
に基づき説明する。図3は本発明に係る風呂給湯複合燃
焼装置のモデル例を模式構成によって示すものである。
本発明の風呂給湯複合燃焼装置は二缶二水路タイプの風
呂給湯複合燃焼装置(給湯熱交換器と追い焚き熱交換器
が別個独立に設けられて、各熱交換器がそれぞれ別個の
バーナにより燃焼加熱されるタイプの風呂と給湯の複合
給湯器)や、一缶二水路タイプの風呂給湯複合燃焼装置
(給湯熱交換器と追い焚き熱交換器が一体的に形成さ
れ、この一体の給湯熱交換器と追い焚き熱交換器を共通
のバーナにより燃焼加熱するタイプの風呂と給湯の複合
給湯器)のいずれにも適用されるものである。
【0029】図3の(a)において、給湯熱交換器1の
入口側に給水通路2が連通接続され、給湯熱交換器1の
出側には給湯通路3が連通接続されている。給水通路2
と給湯通路3間には前記給湯熱交換器1を迂回する常時
バイパス通路17が連通接続されており、さらに、給水
通路2には前記常時バイパス通路17との接続位置Aよ
りも上流側のB位置に給水制御用バイパス通路18の一
端側(入口側)が連通接続されており、前記給湯通路3
には、前記常時バイパス通路17との接続部Cよりも下
流側のD位置に前記給水制御用バイパス通路18の他端
側(出口側)が連通接続されている。
【0030】そして、給湯通路3のCD間には給湯熱交
換器1を出る湯と常時バイパス通路17を通る水とを混
合した湯側の流量Qを可変制御する第1の流量制御手段
GM1が設けられており、また、前記給水制御用バイパ
ス通路18には、バイパス制御流量QBPの可変制御が可
能な閉止機能を備えた第2の流量制御手段GM2が設け
られている。これら第1の流量制御手段GM1と第2の
流量制御手段GM2は例えばギヤモータによって開弁量
を制御する水量制御手段によって構成されるものであ
り、この第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手
段GM2にはそれぞれ弁の全開位置と全閉位置を検出す
るホールIC等の弁開度の検出センサ(図示せず)が設
けられている。
【0031】前記給水通路2のAB間には前記給湯熱交
換器1の湯と常時バイパス通路17から出る水との合流
流量を前記第1の流量制御手段GM1を通る湯側流量Q
として検出する第1の流量センサFS1が設けられてお
り、また、給湯通路3には前記給水制御用バイパス通路
18の出口側の接続部Dよりも下流側位置に給水通路2
に入水する総流量(全流量)QTを検出する第2の流量
センサFS2が設けられている。また、給水通路2には
給水温度を検出する給水温度センサ6が設けられ、給湯
熱交換器1の出側には給湯熱交換器1から出湯する湯温
を検出する熱交出側温度センサ7が設けられ、必要に応
じ、給湯熱交換器1の水管通路の途中位置(例えば中間
部)に熱交内の湯温を検出する熱交補助温度センサ22
が設けられる。また、給湯通路3には、第1の流量制御
手段GM1から出る湯と給水制御用バイパス通路18か
ら出る水との混合湯温(ミキシング湯温)を給湯温度
(注湯温度)TMIXとして検出する給湯温度センサ8が
設けられている。
【0032】そして、前記給水制御用バイパス通路18
との合流位置Dよりも下流側の給湯通路3から湯張り通
路23が分岐接続され、風呂側の追い焚き循環路24を
介して給湯の湯を浴槽25に落とし込む構成とし、この
湯張り通路23には電磁弁等によって構成される注湯弁
としての注湯電磁弁27が設けられ、この注湯電磁弁2
7の下流側に浴槽水位を水圧によって検出する水位検出
センサ21が設けられる。
【0033】前記給水通路2、給湯熱交換器1、給湯通
路3、常時バイパス通路17、給水制御用バイパス通路
18、流量センサFS1,FS2、流量制御手段GM1
GM2、および温度センサ6,7,8の構成部分は給湯
装置を構成するものであり、また、追い焚き循環路24
とこの追い焚き循環路24に組み込まれる循環ポンプ2
6および追い焚き熱交換器16は前記図7の場合と同様
に風呂側装置を構成するものであり、図7に示す構成部
分と同一部分には同一符号を付してある。
【0034】図3の(b)に示す風呂給湯複合燃焼装置
のモデル例は、前記図3の(a)に示す第2の流量セン
サFS2を省略した構成のものであり、それ以外の構成
は前記図3の(a)に示すモデル例と同様である。
【0035】また図3の(c)に示す風呂給湯複合燃焼
装置のモデル例は装置構成をより簡易化したタイプのも
ので、前記図3の(a),(b)のモデル例で設けられ
ている熱交出側温度センサ7と、熱交補助温度センサ2
2と、第1の流量センサFS1とを省略し、総給水流量
(総給湯流量)を検出する第2の流量センサFS2を給
水制御用バイパス通路18の接続部Bよりも上流側の給
水通路2に設けた構成としたものであり、それ以外は前
記図3の(a),(b)のモデル例と同様である。
【0036】これら図3に示すモデル例の装置は制御装
置15によって前記図7に示す装置と同様に、給湯運
転、湯張りから追い焚きを経て保温に至る自動運転、追
い焚き単独運転、注水運転、および注湯運転等の動作が
制御され、この制御装置15には前記図7に示した装置
と同様にリモコン9が信号接続される。
【0037】図4は本発明が適用されるさらに他のモデ
ル例(このモデル例では追い焚き熱交換器16側の図示
は省略されている)を示すもので、図4に示す給湯燃焼
装置においては、バイパス制御流量を直接検出する流量
センサFSBPが給水制御用バイパス通路18に直接設け
られているものである。
【0038】なお、図3、図4の各モデル例において
も、前記図7で示したものと同様にバーナ10へのガス
供給量を比例弁14の開弁量によって制御するバーナ1
0の燃焼系の機構が設けられるが、図3、図4ではこれ
らの図示を省略してあり、これらの燃焼系の機構を説明
する場合には図7に付した符号を用いて説明する。
【0039】本実施形態例の風呂給湯複合燃焼装置は給
湯熱交換器1に後沸きのオーバーシュートの湯が生じて
いる状態で、浴槽25への注水や注湯が行われたとき
に、その後沸きを解消し、危険のない温度に下げて浴槽
への落とし込みを行うように構成したことを特徴とする
ものであり、図1にはその特徴的な第1の制御構成が示
されている。この第1の制御構成は、入力温度検出部2
8と、注水・注湯開始検知部30と、閉弁制御部31
と、後沸き判断部32と、後沸き解消待機動作部33
と、閉弁禁止時間設定部34とを有して構成されてい
る。
【0040】前記入力温度検出部28は、熱交出側温度
センサ7で検出される給湯熱交換器1の出側の湯温T
OUTを取り込み、第1の流量制御手段GM1に入る湯側温
度(給湯熱交換器1を出る湯と常時バイパス通路17を
出る水とが混合した湯の温度)を入力温度TKとして直
接的又は間接的に検出する。この入力温度TKを直接的
に検出する場合には、例えば、図3の(a),(b)に
示すように、常時バイパス通路17の出側Cと第1の流
量制御手段GM1の入口との間の給湯通路3に入力温度
検出用の温度センサ19を設けて検出すればよいが、こ
の温度センサ19の部品点数を減らして装置コストの低
減を図るには、その入力温度TKを間接的に検出する。
【0041】この入力温度の間接的な検出は、給湯熱交
換器1の熱交出側温度温度センサ7で検出される給湯熱
交換器1の出側温度TOUTを取り込み、次の演算により
求める。
【0042】すなわち、入力温度検出部28には、給水
通路2を通って来る給水が常時バイパス通路17の接続
点Aの位置で給湯熱交換器1側に流れる量と常時バイパ
ス通路17側に流れる量との分配率が予め与えられてい
る。例えば、給湯熱交換器1側の分配率がm、常時バイ
パス通路17側の分配率をnとしたとき、入力温度検出
部28は、予め与えられている次の(1)式により入力
温度TKを演算により求める。
【0043】 TK=TOUT×m+TIN×n・・・・・(1)
【0044】この(1)式で、例えば給湯熱交換器1側
の分配率が70%で、常時バイパス通路側の分配率が3
0%のときにはmの値として0.7が与えられ、nの値
として0.3の値が与えられる。この入力温度検出部2
8で求められた入力温度TKの情報は閉弁制御部31に
加えられる。
【0045】後沸き判断部32は、給湯熱交換器1内に
後沸きの湯が発生しているか否かを判断する。すなわ
ち、後沸き判断部32には風呂給湯複合燃焼装置の動作
状態の情報として、風呂オン信号(追い焚きオン信
号)、風呂オフ信号(追い焚きオフ信号)、給湯オン信
号、給湯オフ信号、運転オン信号、運転オフ信号、流水
オン信号(流量センサや流水スイッチ等から加えられる
流水検出のオン信号)、流水オフ信号、熱交出側温度セ
ンサ7で検出される熱交出側温度TOUT、熱交補助温度
センサ22で検出される熱交湯温の検出温度TZ1等の信
号が加えられており、後沸き判断部32は、予め与えら
れている風呂給湯複合燃焼装置の後沸き状態となる動作
条件と、これら風呂給湯複合燃焼装置の動作状態の信号
を照らし合わせ、給湯熱交換器1内に後沸きが生じてい
るか否かを判断する。
【0046】本実施形態例では、後沸き判断部32に与
えられる後沸き発生を判断するための動作条件として、
少なくとも次ぎの3つの条件が与えられている。1つめ
の条件は、給湯運転が停止されたときである。給湯運転
が停止されると、給湯熱交換器1内にお保有されている
熱量が給湯熱交換器1内に滞留している湯に伝搬し、給
湯熱交換器1内の湯温が後沸きにより上昇するので、こ
の条件を満たすときに給湯熱交換器1内い後沸きが発生
したものと判断する。
【0047】2つめの条件は、一缶二水路の風呂給湯複
合燃焼装置の場合に、追い焚き単独運転が停止したとき
である。追い焚きの単独運転により、バーナ10により
加熱された熱量は、滞留している給湯熱交換器1内の湯
に加えられ、給湯熱交換器1内の湯は高温となるので、
この条件を満たす場合には後沸きが発生しているものと
判断する。
【0048】3つめの条件は、浴槽への注水又は注湯の
運転指令が出されたとき、熱交出側温度センサ7と熱交
補助温度センサ22の少なくとも一方が後沸き温度とし
て判断される温度(例えば60℃)以上となっていると
きである。この場合には、給湯熱交換器1内に後沸きが
発生しているものと判断する。
【0049】注水・注湯開始検知部30は、リモコン9
の注水運転スイッチや注湯運転スイッチがオン操作され
たときや、保温モードの動作状態で注水や注湯の指令が
出されたとき等に、注水や注湯の開始が指令されたもの
と検知し、その検知信号を後沸き解消待機動作部33へ
加える。
【0050】そして、この注水や注湯の開始指令の検知
状態で例えば第1の流量センサFS1から流水オンの信
号を受けたときに注水又は注湯が開始されたものと判断
し、その判断結果を閉弁禁止時間設定部34と閉弁制御
部31へそれぞれ加える。
【0051】後沸き解消待機動作部33は、前記後沸き
判断部32で給湯熱交換器1内の後沸きの発生が判断さ
れている状態で前記注水・注湯開始検知部30から注水
又は注湯の開始指令の検知信号が加えられたときには、
第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2
弁開度を後沸き解消の開度にセットして注水又は注湯の
開始に備える。本実施形態例では、給湯熱交換器1から
沸騰寸前の100℃に近い後沸きの湯が出た場合におい
ても、この湯を給水制御用バイパス通路18から出る水
とミキシングさせて危険のない湯温の湯が浴槽25側に
落とし込むことができるように第1の流量制御手段GM
1と第2の流量制御手段GM2を共に中間位置の弁開度
に、例えば、給湯熱交換器1を通る流量QHと、バイパ
ス通路17,18を通るトータル流量QWとの比QH:Q
W=3:7のように固定して待機させるようにしてい
る。
【0052】閉弁禁止時間設定部34は、前記注水・注
湯開始検知部30により注水又は注湯の開始の検知信号
(判断信号)を受けたときに、その注水又は注湯の開始
時から予め与えられるデータに基づき第2の流量制御手
段の閉弁禁止時間tGを設定する。この実施形態例では
例えば8秒という如く固定の時間が与えられており、閉
弁禁止時間設定部34は、注水又は注湯の開始時を起点
として、8秒間を閉弁禁止時間として設定する。
【0053】なお、この閉弁禁止時間は固定時間として
設定せずに、例えば、給水通路2に入水する総流量QT
の大きさに応じ、総流量QTが大きくなるにつれ閉弁禁
止時間tGを短くする方向に、その逆に総流量QTが小さ
くなるにつれ閉弁禁止時間tGを長めに設定する等、通
水流量に応じ閉弁禁止時間を可変設定するようにしても
よいものである。
【0054】閉弁制御部31は、注水・注湯開始検知部
30から注水又は注湯の開始検知信号を受けたときに、
前記入力温度検出部28で検出される入力温度TKを取
り込み、予め与えられている閉弁判断温度Tthと比較す
る。その一方で、前記閉弁禁止時間設定部34で設定さ
れた閉弁禁止時間の情報を取り込み、タイマを作動して
注水又は注湯の開始時からこの閉弁禁止時間が経過した
か否かを判断する。そして、注水又は注湯の開始時から
閉弁禁止時間tGが経過した以後に入力温度TKが閉弁判
断温度Tth以下となったときに第2の流量制御手段GM
2を閉止する。
【0055】図5は注湯又は注水の開始時からの入力温
度TKの経時変化を示すものである。入力温度TKは注水
又は注湯の開始時から給湯熱交換器1から出る後沸きの
湯温の経時変化とほぼ同様の時間的変化を示し、注水又
は注湯の開始時から徐々に湯温が上昇してピークに達
し、それ以降は徐々に低下するほぼ二次曲線状のパター
ンを示す。
【0056】閉弁判断温度Tthは入力温度TKがTth
下の場合には第2の流量制御手段GM2を閉じた状態に
おいても、浴槽25に落とし込まれる湯温が危険温度と
ならない温度領域となることを示し、入力温度TKが閉
弁判断温度Tthを越えると、第2の流量制御手段GM2
を閉じたままでは危険となる高温の湯が浴槽25側に落
とし込まれることを意味している。
【0057】図5において、注水又は注湯の開始後、入
力温度TKの経時変化のab区間は閉弁判断温度Tth
下となり、この状態で第2の流量制御手段GM2が閉じ
られてしまうと、次に入力温度TKは閉弁判断温度TK
越えてピークに向かうので、この高温の後沸きの入力温
度TKの湯が浴槽25側に落とし込まれる事態が生じ非
常に危険である。そこで、本実施形態例では、入力温度
Kがピーク温度を十分に越える時間を予め実験等によ
り求めてこれを閉弁禁止時間tGとして設定するように
し、注水又は注湯の開始時からこの閉弁禁止時間tG
経過しない間はたとえ入力温度TKが閉弁判断温度Tth
以下となっても第2の流量制御手段GM2を閉止させな
いようにしている。
【0058】閉弁禁止時間tGを経過した後に入力温度
Kが閉弁判断温度Tth以下になるときには、入力温度
Kの経時変化の曲線はcd区間であるので、第2の流
量制御手段GM2を閉じても安全上問題はないので、注
水又は注湯の開始後閉弁禁止時間tGを経過していると
きに入力温度TKが閉弁判断温度Tth以下となったとき
に初めて第2の流量制御手段GM2の閉弁を開始し、全
閉位置が検出されるまで弁の閉動作を行うようにしてい
る。
【0059】次に、給湯熱交換器1に後沸きが生じてい
る状態で浴槽25への注水又は注湯が開始されたときの
動作を図6のフローチャートに基づき簡単に説明する。
まず、ステップ101で第1の流量センサFS1が流量
を検出したか否かの判断が行われる。第1の流量センサ
FS1から流水オン信号が出力されていないときには注
水又は注湯の動作がまだ開始されないものと判断し、そ
の注水又は注湯の開始を待つ。
【0060】これに対し、第1の流量センサFS1から
流水オンの信号を受けたときには、次に、ステップ10
2で注湯電磁弁27が開けられたか否かを判断する。注
湯電磁弁27が開けられていないときには、浴槽25へ
の注水又は注湯ではなく、例えば、台所等での湯の使用
と判断し、給湯熱交換器1から出る後沸きの湯を解消し
て給湯設定温度の湯になるように第1の流量制御手段G
1と第2の流量制御手段GM2の開度を制御し、湯側の
流量Qと給水制御用バイパス通路18を通るバイパス制
御流量QBPの流量比を制御してミキシング動作を行い、
給湯設定温度の安定した湯を給湯する。
【0061】前記ステップ102で給湯電磁弁27がオ
ンされた(開かれた)ものと判断されたときには、浴槽
25への注水又は注湯の動作が開始したものと判断し、
次のステップ104で、その注水又は注湯の開始時から
閉弁禁止時間tGが経過したか否かを判断する。
【0062】そしてtGの時間が経過した時には、次の
ステップ105で第1の流量制御手段GM1に入り込む
湯側の流量Qの入力温度TKを求める。
【0063】ステップ106では入力温度TK が閉弁判
断温度Tth以下となったか否かを判断する。入力温度T
Kが閉弁判断温度Tthよりも高いときには、第2の流量
制御手段GM2を閉じてしまうと、後沸きが解消されな
い高温の湯が浴槽25に落とし込まれる危険性があるも
のと判断し、第2の流量制御手段GM2を開状態に維持
する。
【0064】これに対し、入力温度TKが閉弁判断温度
th以下となったことが判断されたときには、第2の流
量制御手段GM2を閉じても後沸きによる高温の影響が
解消され、その湯を浴槽25側に落とし込んでも高温に
よる危険性がないものと判断し、ステップ107で第2
の流量制御手段GM2の閉動作を開始する。そしてステ
ップ108で第2の流量制御手段GM2が全閉になった
か否かを全閉位置を検出するホールIC等のセンサによ
り検出し、全閉になったことを確認してその弁閉動作を
停止し、注水又は注湯動作時における給湯熱交換器1か
らの後沸きの高温の湯の解消動作を終了し、総水量制御
に移行する。
【0065】そして、注水動作の場合には、そのまま注
水が設定される水量だけ落とし込まれることとなり、ま
た、注湯動作の場合には、器具の最大能力を引き出すた
め(比例弁14が最大開度となるように)第1の流量制
御手段GM1を開方向に制御しながら注湯の湯温を注湯
設定温度に制御して設定水量だけ落とし込まれることと
なる。
【0066】この実施形態例によれば、給湯熱交換器1
内に後沸きが生じている状態で注水又は注湯の動作が開
始されるときには、第1の流量制御手段GM1と第2の
流量制御手段GM2はその後沸きを解消し得る湯と水の
ミキシング開度でもって待機させ、この状態で注水又は
注湯が開始されるので、給湯熱交換器1から出る後沸き
の高温の湯は給水制御用バイパス通路18を通るバイパ
ス制御流量の水とミキシングして例えば50℃以下の安
全な湯温にうめられて浴槽25側に落とし込まれること
となり、浴槽25内に入浴者がいたとしてもやけど等の
危害を及ぼすことがなく、また、湯の落とし込みの経路
に設けられている水位検出センサ21の耐熱温度よりも
低い湯温となるので、これら水位検出センサ21を熱損
傷させる不具合も効果的に防止されるものである。
【0067】また、注水又は注湯の開始時から閉弁禁止
時間tGを設けているで、注水又は注湯の開始後入力温
度TKがピーク温度に上昇する途中の閉弁判断温度Tth
よりも低い区間で誤って第2の流量制御手段GM2が閉
止されるのを防止でき、この第2の流量制御手段GM2
が閉止した後に後沸きのピークの湯温が給湯熱交換器1
から出てこれがバイパス制御流量QBPとミキシングされ
ないまま浴槽25に落とし込まれるという危険を確実に
防止することが可能となる。
【0068】さらに、前記閉弁禁止時間tGが経過した
後には、入力温度TKが閉弁判断温度Tth以下となった
ときには直ちに第2の流量制御手段GM2を閉止するよ
うにしているので、例えば注湯動作の場合においては、
給湯熱交換器1から出る後沸きの湯の解消を行うミキシ
ング動作時には給湯熱交換器1を湯側の流量Qに対する
フィードフォワード熱量のみを与えるようにし、第2の
流量制御手段GM2が閉止された後は総流量QTに対する
フィードフォワード熱量とフィードバック熱量とのトー
タル熱量を与えた定常の給湯(注湯)燃焼運転へ迅速に
移行できるという効果が得られるものである。
【0069】浴槽25への注湯を行う場合、給湯熱交換
器1から出る後沸きの湯が解消された後も第2の流量制
御手段GM2を開けたまま注湯を行うようにした場合に
は、総流量QTを入水温度TINから給湯設定温度TSP
高める総流量QTに対するフィードフォワード熱量より
も湯側の流量Qを入水温度TINから給湯設定温度TSP
高めるのに要する湯側の流量に対するフィードフォワー
ド熱量が小さいために、その分、フィードバック熱量が
大きくなる。
【0070】このフィードバック熱量は給湯設定温度T
SPに対する給湯温度TMIX(給湯温度センサ8で検出さ
れる湯温)のずれを解消するための熱量であり、このフ
ィードバック熱量は給湯温度センサ8で検出される湯温
変化に応じて変動し、湯温変化が検出されてからバーナ
10へ供給するガス量を制御してその制御の結果が給湯
熱交換器1から該給湯熱交換器1を流水する湯に伝わる
までに時間遅れがあり、この応答遅れがあるために、フ
ィードバック熱量が大きくなると、その分、給湯温度T
MIXの安定化制御の精度が低下するという問題が生じる
が、本実施形態例では、閉弁禁止時間tGを入力温度TK
が閉弁判断温度Tth以下となったときには直ちに第2の
流量制御手段GM2を閉止させているので、給湯熱交換
器1内の後沸きの湯の注湯による危険性が解消されたと
きには直ちに総流量QTに対するフィードフォワード熱
量とフィードバック熱量とのトータル熱量を与えた定常
運転へ移行できるという効果が得られるものである。
【0071】また、注湯動作においては、給湯熱交換器
1内の後沸きの湯が出湯するときに、バーナ10へ供給
するガス量の可変制御を例えば給湯検出温度TMIXに応
じて行ってしまうと、後沸きの温度はその出湯開始後、
時間の経過に伴って変化する不安定な過渡現象であるた
め、ガス量の可変制御を行うことによって、逆に、給湯
湯温が変動して高温の湯が出てしまうという問題が生じ
たり、あるいは、後沸きの湯温を解消するためにガス量
を絞ったために新たに給湯熱交換器1に入る水の加熱熱
量が不足し、後沸き湯温が出終わった後に、給湯設定温
度よりも低温のアンダーシュートの湯が注湯されてしま
うという問題が生じる虞があるが、この実施形態例の如
く、給湯熱交換器1内の後沸きの湯が出る際には、フィ
ードフォワードのみの熱量によって給湯熱交換器1の変
動のない安定した熱量で加熱し、給湯熱交換器1内に生
じていた後沸きの湯は、前述した制御手段GM1,GM2
の後沸き解消の弁開度でもって湯と水をミキシングする
ようにしたことで、給湯熱交換器1内の後沸きの湯を効
果的に解消して危険性のない湯温の湯を注湯できるとい
う効果が得られる。
【0072】なお、上記図1に示す構成において、閉弁
制御部31は、後沸き判断部32で給湯熱交換器1に後
沸きが発生しているものと判断されている状態で注水や
注湯が開始されたときには入力温度が閉弁判断温度以下
となり、かつ、注水又は注湯の開始時から閉弁禁止時間
を経過しているときに第2の流量制御手段GM2を閉止
するようにしたが、入力温度と閉弁判断温度の比較を省
略し(この場合は入力温度検出部28は省略できる)、
給湯熱交換器1に後沸きが生じている状態で注水又は注
湯が開始されたときは、注水又は注湯の開始時から閉弁
禁止時間が経過したときに第2の流量制御手段GM2
閉止するようにしてもよい。この場合は、注水又は注湯
の開始時から後沸きの影響が解消するに要する時間を実
験等により求め、その時間により閉弁禁止時間を設定す
るようにすればよい。また、この場合、閉弁禁止時間は
通水流量(QT,QH,Q等)によって可変するようにし
てもよい。
【0073】図2は本実施形態例における注水又は注湯
時の高温落とし込みの防止を図る第2の制御構成のブロ
ック図を示すものである。この制御構成が前記図1に示
す構成と異なる点は、閉弁禁止時間設定部34を省略
し、入力温度TKの変化形態に基づき、閉弁禁止時間tG
を与えた場合と同様に適切なタイミングで第2の流量制
御手段GM2を閉止する構成としたものであり、それ以
外は前記図1に示す第1の制御構成と同様であり、同一
の構成部分は同一符号そ付してその重複説明を省略す
る。
【0074】図2の制御構成において、閉弁制御部31
は、給湯熱交換器1内に後沸きが発生していることを後
沸き判断部32の後沸き判断結果により検知し、また、
注水・注湯開始検知部30から注水又は注湯の開始の検
知信号を受けた後、入力温度検出部28で検出される入
力温度TKと予め与えられている閉弁判断温度Tthとを
比較し、注水又は注湯の開始時からの入力温度TKの図
5に示すような経時変化、つまり、入力温度TKの時間
的変化を検出し、その入力温度TKの時間的変化が下り
勾配となって入力温度TKが前記閉弁判断温度Tth以下
となったときに第2の流量制御手段GM2を閉止する構
成としている。
【0075】この図2に示す構成においては、注水又は
注湯の開始後図5に示す如く、入力温度TKの経時変化
のab区間は入力温度TKが閉弁判断温度Tth以下の領
域となるが、このab区間は入力温度TKの時間的変化
が上り勾配となっているので入力温度TKが閉弁判断温
度Tth以下であっても第2の流量制御手段GM2の閉止
は行わない。
【0076】これにより、入力温度TKが上昇をたど
り、ピークになったときにおいても、第2の流量制御手
段GM2は閉止されていないので、湯側の流量Qとバイ
パス制御流量QBPの水とのミキシングが効果的に行わ
れ、危険のない温度にぬるめて浴槽25への落とし込み
が可能となる。
【0077】そして、入力温度TKの時間的変化が下り
勾配となって入力温度TKが閉弁判断温度Tth以下とな
るとき、つまり、図5のC位置になったときに第2の流
量制御手段GM2の閉弁動作を開始し、第2の流量制御
手段GM2を完全閉止させる。
【0078】このように、図2の制御構成では、入力温
度TKの時間的変化が下り勾配となって閉弁判断温度T
thを下側に横切るときに第2の流量制御手段GM2 を閉
止するようにしているので、第2の流量制御手段GM2
を閉止した後に入力温度TKが閉弁判断温度Tthを上回
ることはあり得ないので、安全上問題はない。
【0079】また、入力温度TKが下り勾配となって閉
弁判断温度Tthを下側に横切るときに第2の流量制御手
段GM2の閉弁動作が開始するので、注水や注湯の高温
落とし込み状態が解消されたにもかかわらず、必要以上
に第2の流量制御手段GM2を開けたままにしておく無
駄がなく、適切なタイミングでもって第2の流量制御手
段GM2を閉止させることができ、これにより、注湯の
動作においては、給湯熱交換器1の後沸きの湯温のミキ
シングによる解消から第2の流量制御手段GM2を閉止
させての定常注湯運転へ円滑に移行できるという前記図
1に示す構成のものと同様な効果を奏することが可能と
なる。
【0080】上記図1、図2に示す構成例では、給湯熱
交換器1に後沸きが生じている状態で注水又は注湯が開
始されたときには、第1の流量制御手段GM1と第2の
流量制御手段GM2を固定の弁開度でもって湯と水のミ
キシングを行うようにしているので、例えば、図3の
(b)に示すシステム構成の場合のように、注水や注湯
の通水径路に総流量を検出する流量センサFS2が設け
られていなくても、給湯熱交換器1を通る流量QHとバ
イパス通路17,18を通る流量QWとの比(比率)の
データを予め与えておくことにより、第1の流量センサ
FS1の検出流量によって注水又は注湯の総流量、つま
り、浴槽25への落とし込み水量を求めることが可能で
ある。
【0081】注水や注湯の際には浴槽25への落とし込
み量を算出し、その算出水量を落とし込む必要があり、
そのため、落とし込み水量(落とし込み流量)を流量セ
ンサ等により検出する必要がある。
【0082】ところが、給湯熱交換器1の後沸きを解消
する際に流量制御手段GM1,GM2の開度をめまぐるし
く可変させてしまうと、総流量を検出する流量センサF
2が設けられないために、落とし込みの総流量が分か
らなくなってしまい、例えば、余分の水量が浴槽に落と
し込まれるという問題が生じる。この点、上記実施形態
例では、流量制御手段GM1,GM2の開度を固定して落
とし込むため前記QHとQWの比を既知データとして与え
ておくことにより、落とし込み水量を第1の流量センサ
FS1の流量検出値に基づき、正確に求めることが可能
となる。例えば、QH:QW=3:7として流量比データ
が与えられている場合、注水又は注湯の落とし込む総流
量QZは次の式により求められる。
【0083】 QZ=Q×1/[{(3×3/7)+3}/10]
【0084】ただし、Qは第1の流量センサFS1の検
出流量である。
【0085】これまで説明した装置構成は、給湯熱交換
器1内に後沸きの湯が存在している状態で注水又は注湯
が開始されたときに、第2の流量制御手段GM1と第2
の流量制御手段GM2の弁開度を固定した状態で湯側の
流量Qとバイパス制御流量QBPの流量比を一定にした流
量比制御によりQとQBPをミキシングして、後沸きを解
消する構成のものであったが、次に浴槽への注湯(給
湯)が行われる場合に、より制度良く後沸き解消の制御
を行うための構成例について説明する。
【0086】図8にはその流量比制御を行う第1の制御
構成のブロック図が示されている。この第1の制御構成
は、入力温度検出部28と、目標流量比検知部としての
目標流量比演算部36と、検出流量比検知部としての検
出流量比演算部37と、バイパス制御流量検出部38
と、湯側流量検出部40と、ミキシング制御部39とを
有して構成されている。
【0087】この図8に示す第1の制御構成は前記図3
の(a),(b)のモデル例を対象としており、入力温
度検出不28は、熱交出側温度センサ7で検出される給
湯熱交換器1の出側の湯温TOUTを取り込み、第1の流
量制御手段GM1に入る湯側温度(給湯熱交換器1を出
る湯と常時バイパス通路17を出る水とが混合した湯の
温度)を入力温度TKとして直接的又は間接的に検出す
る。この入力温度TKの検出の構成は前記図1の入力温
度検出部28の構成と同じなので、その説明は省略す
る。
【0088】ところで、給湯熱交換器1内の後沸きによ
り、給湯設定温度(注湯設定温度)TSPよりも高温の入
力温度TKをもつの流量Qの熱量が給湯設定温度TSP
低下するための放出熱量は給水制御用バイパス通路18
を通る流量QBPが給水温度TINから給湯設定温度TSP
上昇するのに要する吸熱熱量と等しい。この熱平衡バラ
ンスの関係から、次の(2)式が導かれる。
【0089】 QBP/Q=(TK−TSP)/(TSP−TIN)・・・・・(2)
【0090】この(2)式は入力温度TKの湯側の流量
Qと給水温度TINのバイパス制御流量(給水制御用バイ
パス通路18を通る給水流量)とが混合して給湯設定温
度TSPの温度になるための熱量バランスの平衡式であ
り、左辺のQBP/Qはバイパス制御流量QBPと湯側流量
Qとの流量比を表している。また、(2)式の右辺の給
湯設定温度TSPと、給水温度TINは一定の値として見な
すことができ、右辺の値は給湯熱交換器1内の後沸きの
温度によって変化する入力温度TKの値によって変化す
る。
【0091】つまり、給湯熱交換器1の後沸きの温度に
よって入力温度TKが変化し、この入力温度TKに依存す
る(2)式の右辺の値に一致するように左辺の流量比を
調整することにより、湯側の流量Qとバイパス制御流量
BPとが混合した温度は給湯設定温度TSPに等しくなる
はずである。
【0092】この点に着目し、(2)式の右辺をバイパ
ス制御流量QBPと湯側流量Qとの目標流量比WSTとして
定義し、(2)式の左辺を検出流量比WDEとして定義し
ている。
【0093】 WST=(TK−TSP)/(TSP−TIN)・・・・・(3)
【0094】WDE=QBP/Q・・・・・(4)
【0095】目標流量比演算部36には前記(3)式の
目標流量比WSTの演算式が解法データとして予め与えら
れており、目標流量比演算部36は、入力温度検出部2
8から得られる入力温度TKと、給水温度センサ6から
得られる給水温度TINの情報と、リモコンで与えられる
給湯設定温度TSPの情報を取り込み、前記(3)式に従
い、目標流量比WSTを演算により求め、その演算値をミ
キシング制御部39に加える。
【0096】湯側流量検出部40は前記第1の流量制御
手段GM1を通る湯側流量Qを第1の流量センサFS1
センサ出力を取り込んで検出し、その検出結果を検出流
量比演算部37に加える。また、必要に応じ、その湯側
流量Qの検出値をバイパス制御流量検出部38に加え
る。
【0097】バイパス制御流量検出部38は図3の
(a)に示すモデルの場合には、第2の流量センサFS
2で検出されるトータル流量(総流量)QTから第1の流
量センサFS1で検出される流量Qを差し引き演算する
ことによりバイパス制御流量QBPを求める。
【0098】QBP=QT−Q・・・・・(5)
【0099】また、給湯燃焼装置が図3の(b)に示す
モデルの場合には、バイパス制御流量検出部38はバイ
パス制御流量QBPを解法データに従い求める。この解法
データは次の(6)式に示す演算式で与えられており、
バイパス制御流量検出部38は、入力温度検出部28か
ら加えられる入力温度TKと給湯温度センサ8で検出さ
れる給湯温度TMIXと給水温度センサ6で検出される給
水温度TINと前記湯側流量検出部40で検出された湯側
流量Qのデータをそれぞれ取り込み、次の(6)式に従
いバイパス制御流量QBPを演算により求め、その演算結
果を検出流量比演算部37に加える。
【0100】 QBP=(TK−TIN)・Q/(TMIX−TIN)・・・・・(6)
【0101】検出流量比演算部37は前記湯側流量検出
部40で求められた湯側流量Qとバイパス制御流量検出
部38で求められたバイパス制御流量QBPのデータを取
り込み、前記(4)式に従い、バイパス制御流量QBP
湯側流量Qとの検出流量比WDEを演算により求め、その
演算結果をミキシング制御部39へ加える。
【0102】ミキシング制御部39は前記目標流量比W
STと検出流量比WDEを比較し、検出流量比WDEが目標流
量比WSTに一致する方向に第1の流量制御手段GM1
第2の流量制御手段GM2を互いに流量の増減方向が逆
方向となるように流量制御を行う。より具体的には、目
標流量比WSTと検出流量比WDEとの差を求め、K1,K2
を係数(ゲイン)として、第1の流量制御手段GM1
はV1=K1(WSP−WDE)の式によって求められる電圧
1を印加し、第2の流量制御手段GM2にはV2=K
2(WSP−WDE)の演算により求められる電圧V2を印加
して流量制御を行う。つまり、目標流量比WSPと検出流
量比WDEとの差に応じた電圧をそれぞれ第1の流量制御
手段GM1と第2の流量制御手段GM2に加え、湯側流量
Qとバイパス制御流量QBPとの流量の増減方向が逆方向
となるようにQBPとQとの流量が制御される。
【0103】さらに詳説すると、例えば、給湯熱交換器
1内の後沸きが大きい場合、すなわち、入力温度TK
高いときには前記(3)式から明らかな如く、目標流量
比WSTの値は大きな値となり、この目標流量比WSTに一
致させるために検出流量比WDEを大きくする方向に、つ
まり、(4)式から明らかな如く、QBPを大の方向に、
Qを小方向に、すなわち、第1の流量制御手段GM1
閉方向に、第2の制御手段GM2は開方向に制御され
る。
【0104】そして、給湯熱交換器1内の後沸きの湯温
が下がるにつれ、入力温度TKの温度が低下して行き、
目標流量比WSTは徐々に小さくなり、これに伴い、この
目標流量比WSTに一致させるために、検出流量比も徐々
に小さくなる方向に、つまり(4)式から明らかな如
く、バイパス制御流量QBPを小さくする方向に、湯側流
量Qを大きくする方向に、すなわち、第1の流量制御手
段GM1は開方向に、第2の流量制御手段GM2は閉方向
にそれぞれ制御されるのである。
【0105】図9はこのミキシング制御部39による第
1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の弁
開度の様子を給湯熱交換器1側の熱交出口温度(後沸き
温度)の高低の関係で示したものであり、この図からも
明らかな如く、第1の流量制御手段GM1に加える電圧
1と第2の流量制御手段GM2に加える電圧V2とはそ
の増減方向が互いに逆方向となっており、給湯熱交換器
1内の後沸きの温度が高くなるにつれ第2の流量制御手
段の弁開度は徐々に大きくなり、その逆に、第1の流量
制御手段GM1の弁開度は徐々に小さく制御されること
が示されている。
【0106】図10は給湯熱交換器1内に後沸きの温度
が生じている状態で、給湯(注湯)運転が開始されたと
きの後沸き温度TOUTと給湯温度TMIXと流量制御手段G
1,GM2の状態を示すもので、給湯運転が開始される
と、給湯熱交換器1内の後沸きの湯が出湯し、その温度
は徐々に大きくなりピークPに達した後後沸きの温度は
徐々に低くなる。このとき、第1の流量制御手段GM1
は、後沸きの出湯温度がピークに向かうに従い閉方向に
制御され、第2の流量制御手段GM2は開方向に制御さ
れ、湯側流量Qを絞りバイパス制御流量QBPを大きくし
て後沸きを解消し、後沸き温度がピークを過ぎて後沸き
の温度が低くなるにつれ、湯側の流量Qを徐々に増加す
る方向に、バイパス制御流量QBPを徐々に絞る方向に制
御して後沸き温度の変化に殆ど影響を受けずに給湯設定
温度TSPに近いの給湯温度TMIXの湯温を安定に給湯す
る。
【0107】図11は本実施形態例における注湯運転開
始時の後沸き解消の動作を示すフローチャートで、ま
ず、給湯運転がスタートしたときに、ステップ101で
目標流量比WSTを演算により求め、次にステップ102
で検出流量比WDEを演算により求める。
【0108】次にステップ103で目標流量比WSTと検
出流量比WDEとの差を求め、その差が正か負かを検出す
る。検出流量比が目標流量比よりも大のときには、ステ
ップ104で第1の流量制御手段GM1を開方向に、第
2の流量制御手段GM2を閉方向に制御する。その逆
に、検出流量比WDEが目標流量比WSTよりも小のときに
は、ステップ105で第1の流量制御手段GM1を閉方
向に、第2の流量制御手段GM2を開方向に制御する。
そして、ステップ106で後沸き解消の湯側流量Qとバ
イパス制御流量QBPとのミキシングの動作が予め与えら
れる解除条件になったか否かが判断され、解除条件に達
しない場合、つまり、後沸きの湯が給湯熱交換器1内に
まだ残っている状態のときにはステップ101以降の動
作を繰り返し行い、ミキシング動作の解除条件になった
とき、つまり、給湯熱交換器1内の後沸きの湯がほぼ出
終わったときには第2の流量制御手段GM2を完全に閉
止し、バーナ10へはフィードフォワード熱量とフィー
ドバック熱量を加算したトータル熱量による比例制御に
よって、給湯開始時の前記流量比制御から総流量制御に
移行し、定常運転の燃焼制御動作にて燃焼運転を制御す
る。
【0109】なお、ミキシング動作の解除条件として
は、入力温度TKが閉弁禁止時間tGを経過した後に閉弁
判断温度Tth以下になったときや、入力温度TKが下り
勾配の温度変化のときに閉弁判断温度Tth以下となった
ときをその解除条件として設定されるが、これとは異な
り、例えば、総流量QTとバイパス制御流量QBPとの差
が所定の流量(例えば0.5リットル/分)以下となっ
たときをミキシング動作の解除条件と設定してもよい。
【0110】前記総水量制御では、前記の如く第2の流
量制御手段GM2は閉止状態に維持されるので、第1の
流量センサFS1で検出される湯側流量Qは総流量QT
等しくなり(QT=Q)、フィードフォワード熱量PF/F
は流量Qが給水温度TINから給湯設定温度TSPに加熱さ
れるのに要する理論熱量として、PF/F=Q(TSP−T
IN)の演算により、あるいは熱効率ηを考慮し、PF/F
=Q(TSP−TIN)/ηの演算により求められるもので
あり、また、フィードバック熱量PF/Bは、給湯設定温
度TSPに対する給湯温度センサ8で検出される給湯温度
MIXのずれを解消(相殺)するのに要する熱量であ
り、PF/B=Q・λ(TSP−TMIX)の演算により、ある
いは熱効率ηを考慮し、PF/B=Q・λ(TSP−TMIX
/ηの演算により求められるものである。これらの式に
おけるλは係数(ゲイン)である。
【0111】上記流量比制御の第1の制御構成によれ
ば、給湯熱交換器1内の後沸きの湯を解消する注湯運転
の開始時には、給水流量Qの給水温度を給湯設定温度T
SPに高めるフィードフォワード熱量のみによって給湯熱
交換器1を加熱するので、給水通路2から給湯熱交換器
1へ新たに入る水は給湯設定温度TSPの湯に加熱される
こととなり、また、給湯熱交換器1内に生じている後沸
きの湯は給湯熱交換器1から出るときにその温度が熱交
出側温度センサ7によりいち早く検出されて第1の流量
制御手段GM1に入る入力温度TKが検出され、その入力
温度が給湯設定温度になるための湯側流量Qとバイパス
制御流量QBPとの目標流量比WSTに一致する方向に湯側
流量Qとバイパス制御流量QBPとの検出流量比WDEが制
御されるので、給湯熱交換器1内の後沸き温度の如何に
拘わらず、湯側の流量Qが給湯設定温度TSPとなるよう
に湯と水の混合割合が制御され、給湯熱交換器1内の後
沸きの影響を解消し、給湯設定温度に近い湯を安定に浴
槽25へ注湯できるという画期的な効果を奏することが
できる。
【0112】このように、本実施形態例においては、給
湯熱交換器1から出る後沸き湯温を解消するミキシング
動作時には、湯側流量Qに対するフィードフォワード熱
量(流量Qを給水温度TINから給湯設定温度TSPに高め
るのに要する理論熱量)を与えるようにしており、この
流量Qに対するフィードフォワード熱量は総流量QT
対するフィードフォワード熱量(総流量QTを給水温度
INから給湯設定温度に高めるのに要する理論熱量)よ
りも小さいので、給湯熱交換器1から後沸きの湯が出終
わった後には総流量QTを給湯設定温度にする必要熱量
よりも少ない不足の熱量となり、このため、第2の流量
制御手段GM2は閉方向の動作となって給水制御用バイ
パス通路18を閉止する結果、給湯熱交換器1内の後沸
き湯温が解消されたときには迅速にミキシングによる流
量比制御から総流量制御へ移行することができる。
【0113】しかも、第2の流量制御手段GM2が閉止
されたときには湯側の流量Qは総流量QTに一致するの
で、流量Qに対するフィードフォワード熱量と総流量Q
Tに対するフィードフォワード熱量が等しくなり、第2
の流量制御手段GM2が開から閉に切り換わるときのフ
ィードフォワード熱量の変動が殆どなく、これにより給
湯(注湯)湯温の変動を起こさせることなく、ミキシン
グによる流量比制御から定常運転の総流量制御へ湯温の
安定を保って円滑に移行することが可能となる。
【0114】これに対して、後沸き解消のミキシング動
作時に総流量QTに対するフィードフォワード熱量を与
えた場合には、与える熱量が大きいために、給湯熱交換
器1から後沸きの湯が出終わっても、第2の流量制御手
段GM2が閉方向の動作にならず、流量比制御から総流
量制御へ迅速に移行できないという問題が生じ、また、
給湯熱交換器1を通る流量が少ないときにはこの少ない
流量が大きなフィードフォワード熱量によって加熱され
るので、沸騰の危険がある等の問題が生じるが、本実施
形態例では前記の如くミキシング動作時には湯側流量Q
に対するフィードフォワード熱量によって(より少ない
熱量によって)燃焼加熱するので、このような問題の発
生を効果的に解消することができる。
【0115】さらに、前記流量比制御においては、第1
の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2を流量
の増減方向が逆方向に制御しているので、流量比可変の
応答性が極めて優れたものとなり、後沸き湯温の変化に
迅速に追従した流量比制御が達成でき、これにより、後
沸き湯温の給湯時における湯温安定化の制御精度が格段
にアップし、信頼性の高い湯温安定化制御が可能となる
ものであり、特に、一缶二水路タイプの風呂給湯複合燃
焼装置の場合には、例えば、風呂の追い焚き単独運転が
行われているとき等には、滞留している給湯熱交換器1
内の湯水がバーナ10の加熱によって、極端な場合には
沸騰寸前の高温に加熱される事態となるが、この場合に
おいても、給湯運転が開始されたときには、前記応答性
の速い流量比制御が行われて、高温の湯が通る第1の流
量制御手段GM1の弁が絞られ、第2の流量制御手段G
2は全開方向へ制御されることで、給湯熱交換器1か
ら沸騰寸前の高温の湯が出湯しても、流量比制御により
給湯設定温度の湯にして浴槽25へ注湯することが可能
となるので、安全性においても優れた性能を発揮するこ
とが可能となる。
【0116】図12は本実施形態例における流量比制御
の第2の制御構成を示すものである。この第2の制御構
成は、入力温度TKの湯がバイパス制御流量QBPとミキ
シングされたときに、そのミキシングの温度を湯側流量
Qと総流量QTの情報により演算により検出温度TMIX
して求め、この検出給湯温度TMIXが給湯設定温度TSP
に一致する方向に湯側流量Qとバイパス制御流量QBP
の流量比を制御する構成としたもので、入力温度検出部
28と、給湯温度検知部としての給湯温度演算部41
と、ミキシング制御部39とを有して構成されている。
【0117】前記入力温度検出部28は前記図8に示す
第1の制御構成の入力温度検出部と同一の構成のもので
あり、入力温度TKを直接的あるいは間接的に検出し、
その検出値を給湯温度演算部41に加える。
【0118】給湯温度演算部41には解法データとし
て、次の(7)式に示す演算式が与えられている。この
演算式も、熱量の平衡バランスの関係によって得られる
ものである。
【0119】 TMIX={(TK−TIN)・Q/QT}+TIN・・・・・(7)
【0120】給湯温度演算部41は前記入力温度検出部
28から加えられる入力温度TKと給水温度センサ6で
検出される給水温度TINと、第1の流量センサFS1
検出される湯側流量Qと、第2の流量センサFS2で検
出される総流量QTとのデータを取り込み、前記(7)
式に従い給湯温度TMIXを演算により求め、その求めた
給湯温度TMIXをミキシング制御部39に供給する。
【0121】ミキシング制御部39は、リモコン等から
加えられる給湯設定温度TSPを目標温度とし、演算によ
り求めた給湯温度TMIXを目標温度TSPに一致する方向
に第1の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2
を互いに流量の増減方向が逆向きとなるように制御す
る。
【0122】より具体的には、給湯設定温度TSPと演算
により求めた給湯温度TMIXとの差を求め、第1の流量
制御手段GM1にはV1=K1エ(TSP−TMIX)の演算に
より求まる電圧V1を印加し、また、第2の流量制御手
段GM2にはV2=K2エ(TSP−TMIX)の演算により求
まる電圧V2を印加し、第1の流量制御手段GM1と第2
の流量制御手段GM2を互いにその開閉方向を逆向きに
制御する。なお、K1エ,K2エは実験等により予め求めら
れる係数(ゲイン)である。
【0123】この第2の制御構成の場合も、前記第1の
制御構成と同様に、給湯熱交換器1内の後沸きの湯温を
解消するミキシング動作時には、給湯熱交換器1へはフ
ィードフォワード熱量PF/Fのみを与えて行う。
【0124】前記ミキシング制御部39により、給湯熱
交換器1内の後沸きの温度が高い場合、すなわち、入力
温度TKが高いときには、第1の流量制御手段GM1は閉
方向に、第2の流量制御手段GM2は開方向にそれぞれ
制御され、後沸きの温度が小さくなるにつれ、第1の流
量制御手段GM1は開方向に、第2の流量制御手段GM2
は閉方向にそれぞれ制御されて後沸きが解消される。こ
のように、給湯検出温度TMIXを目標温度の給湯設定温
度TSPに一致する方向に第1の流量制御手段GM1と第
2の流量制御手段GM2を互いに流量の増減方向を逆方
向となるように湯側の流量Qとバイパス制御流量QBP
流量比が制御されるので、前記図8に示す第1の制御構
成の場合と同様に高精度、かつ、高信頼性のもとで、後
沸き解消のための湯と水のミキシング制御が達成され、
後沸き温度の如何に拘わらず給湯設定温度の安定した湯
を浴槽25へ注湯することができるという効果を奏する
ことができる。
【0125】図13には本実施形態例における流量比制
御の第3の制御構成が示されている。この制御構成は、
前記図3の(c)に示すモデル例に対応する簡易型の構
成のもので、給湯温度センサ8により給湯温度TMIX
実測し、この実測給湯温度TMIXとリモコン等により設
定される給湯設定温度TSPとをミキシング制御部39で
比較し、目標温度の給湯設定温度TSPに実測給湯温度T
MIXを一致させる方向に第1の流量制御手段GM1と第2
の流量制御手段GM2を流量の増減方向が互いに逆向き
となる方向に制御するものである。この第3の制御構成
におけるミキシング制御部39の制御動作は前記図12
に示すミキシング制御部39の動作と同様である。この
第3の制御構成は、給湯温度TMIXを演算により求めず
に実測したことが前記図12に示す第2の制御構成と異
なり、それ以外は前記第2の制御構成の動作と同様であ
る。
【0126】この第3の制御構成は、実測給湯温度T
MIXと給湯設定温度TSPとを比較する簡易な構成で第1
の流量制御手段GM1と第2の流量制御手段GM2の制御
を行うものであり、前記第2の制御構成の入力温度検出
部28や第1の流量センサFS1や、熱交出側温度セン
サ7を省略できるので、装置構成を簡易化することがで
きる。このように、装置構成を簡易化するにも拘わら
ず、実測給湯温度TMIXを目標温度である給湯設定温度
SPに一致する方向に湯側流量Qとバイパス制御流量Q
BPとの流量比制御を第1の流量制御手段GM1と第2の
流量制御手段GM2の流量の増減方向が逆向きとなるよ
うに制御して行うので、給湯熱交換器1内に沸騰寸前の
高温の湯が後沸きにより生じたとしても、第1の流量制
御手段GM1が閉方向(絞り方向)に、第2の流量制御
手段GM2が全開方向に制御されることで、湯側の流量
Qとバイパス制御流量QBPとを混合してほぼ給湯設定温
度TSPの温度の温度の湯を作り出し、これを安定に浴槽
25へ注湯することができることとなり、高温注湯に対
する安全性が高く、給湯(注湯)湯温の安定化精度の高
い優れた性能を有する給湯燃焼装置を安価に提供できる
という効果が得られるものである。
【0127】なお、図4に示す風呂給湯複合燃焼装置に
おいては、バイパス制御流量を直接検出する流量センサ
FSBPが給水制御用バイパス通路18に直接設けられて
いるので、この流量センサFSBPにより直接バイパス制
御流量QBPを検出し、湯側流量Qは総流量QTを検出す
る第2の流量センサFS2の検出流量QTから前記流量セ
ンサFSBPで検出されるバイパス制御流量QBPを差し引
き演算することにより求めて前記第1、第2の制御構成
による流量比制御動作が可能となるものである。
【0128】なお、本発明は上記実施形態例に限定され
ることはなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、
上記実施形態例では、給湯熱交換器1を迂回する常時バ
イパス通路17を設けたが、この常時バイパス通路17
は省略することも可能である。この場合には、第1の流
量制御手段GM1に入る流量Qの入力温度TKは熱交出側
温度センサ7の検出温度TOUTと一致するので、TKの代
わりにTOUTの値を用いて注水又は注湯時の高温落とし
混み防止の制御動作を同様に行わせることが可能とな
る。
【0129】また、上記の各モデルの給湯燃焼装置の例
では常時バイパス通路17を1個設けたもので示した
が、この常時バイパス通路17は複数設けてもよいもの
である。
【0130】さらに、上記実施形態例では、第2の流量
制御手段GM2をギアモータにより流量を連続的に変化
可能な流量制御弁を例として説明したが、この第2の流
量制御手段GM2は流路の開閉を行う電磁弁により構成
することも可能である。この場合は、給湯熱交換器1内
に後沸きの発生が判断されたときには開状態で待機し、
閉弁禁止時間tGが経過した後、あるいは入力温度TK
温度変化が下り勾配になってから入力温度TKが閉弁判
断温度Tth以下となったときには閉動作を行うこととな
る。
【0131】
【発明の効果】本発明は給湯熱交換器内に後沸きが発生
している状態で浴槽への注水又は注湯が開始されるとき
には、第1の流量制御手段と第2の流量制御手段を後沸
きを解消して危険な高温の湯が浴槽に落とし込まれるの
を防止することが可能な弁開度でもって待機して注水又
は注湯の開始に備えるようにしたので、給湯熱交換器内
に高温の後沸きが生じている状態で浴槽への注水又は注
湯が開始されたときには、その高温の後沸きの湯は給水
制御用バイパス通路を通る水とミキシングされて危険の
ない温度に低下させて浴槽への落とし込みが行われるの
で、たとえ浴槽に人が入浴していたとしても、やけど等
の危害を受けることがなく、注水や注湯の落とし込みの
通路に浴槽の水位を検出する水位検出センサが設けられ
ていたとしても、その水位検出センサの耐熱温度以下の
温度にして注水又は注湯の落とし込みが行われるので、
水位検出センサが熱損傷を受けて水位検出の機能が低下
してしまうという問題を確実に防止することが可能とな
る。
【0132】特に、一缶二水路タイプの風呂給湯複合燃
焼装置においては、例えば、追い焚きの単独運転の停止
直後に注水や注湯の動作が行われると、追い焚き単独運
転時に滞留している給湯熱交換器内の湯が沸騰寸前の高
温に加熱される事態となる場合があるが、このような場
合においても、前記の如く、注水又は注湯が開始される
ときには、その高温の後沸きを安全な温度に低下させて
落とし込みができるので、その高温落とし込みに対する
安全は万全となる。
【0133】さらに本発明では注水又は注湯の開始時か
ら閉弁禁止時間を設けて、この閉弁禁止時間内に入力温
度が閉弁判断温度以下となっても第2の流量制御手段を
閉止しないように構成したり、入力温度の時間的変化が
上り勾配のときに入力温度が閉弁判断温度以下となって
も第2の流量制御手段を閉止するのを防止して、その後
に閉弁判断温度よりも高い入力温度となる後沸きの湯が
出てこの湯が給水制御用バイパス通路を通る水によって
うめられないまま高温の落とし込み水流となって浴槽へ
落とし込まれるという事態を確実に防止することが可能
となる。
【0134】しかも、前記閉弁禁止時間が経過した後、
あるいは入力温度が下り勾配となった状態で入力温度が
閉弁判断温度以下となったときに、つまり、第2の流量
制御手段を閉じても高温の危険な湯が浴槽に落とし込ま
れなくなる状態となったときにタイミングよく第2の流
量制御手段を閉止できるので、例えば注湯の動作におい
ては後沸き解消のミキシング動作から第2の流量制御手
段を閉じての定常運転の給湯(注湯)制御へ効率的に移
行することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態例における注水又は注湯の動作時に
おける高温の湯の落とし込み防止を図るための要部構成
のブロック図である。
【図2】本実施形態例における注水又は注湯の動作時に
おける高温の湯の落とし込みを防止する他の構成例のブ
ロック図である。
【図3】本発明が適用される風呂給湯複合燃焼装置の各
種モデル例の説明図である。
【図4】本発明が適用されるさらに他のモデル例の説明
図である。
【図5】バイパス制御流量の水が混合する湯側の流量の
入力温度の経時変化の説明図である。
【図6】本実施形態例における注水又は注湯の後沸き解
消の動作を示すフローチャートである。
【図7】出願人が先に試作した風呂給湯複合燃焼装置の
模式説明図である。
【図8】検出流量比を目標流量比に一致するように湯側
の流量とバイパス制御流量との流量比制御を行う要部構
成のブロック図である。
【図9】本実施形態例における第1の流量制御手段と第
2の流量制御手段の弁開度の制御形態を示す説明図であ
る。
【図10】本実施形態例における給湯熱交換器の後沸き
解消の流量比制御動作を説明するための後沸き温度と給
湯温度と流量制御手段GM1,GM2の動作タイムチャー
トである。
【図11】検出流量比を目標流量比に一致するように後
沸き解消の制御を行う動作のフローチャートである。
【図12】後沸きを考慮した給湯温度を演算により求
め、この演算により求めた給湯温度を給湯設定温度に一
致するように流量比制御を行う本実施形態例の制御構成
のブロック図である。
【図13】給湯温度を給湯温度センサにより直接検出
し、給湯温度を給湯設定温度に一致する方向に湯側の流
量とバイパス制御流量との流量比制御を行う本実施形態
例の制御構成のブロック図である。
【符号の説明】 1 給湯熱交換器 18 給水制御用バイパス通路 28 入力温度検出部 30 注水・注湯開始検知部 31 閉弁制御部 32 後沸き判断部 33 後沸き解消待機動作部 34 閉弁禁止時間設定部 GM1 第1の流量制御手段 GM2 第2の流量制御手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 徹哉 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株式 会社ガスター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給水通路から供給される水をバーナの燃
    焼火炎により加熱する給湯熱交換器と、この給湯熱交換
    器から出る湯の給湯通路と前記給水通路間を前記給湯熱
    交換器を迂回して連通する給水制御用バイパス通路と、
    この給水制御用バイパス通路から出る水が合流する湯側
    の流量を制御する第1の流量制御手段と、前記給水制御
    用バイパス通路を通る水の流量を制御する第2の流量制
    御手段とを備えた給湯側装置が形成され、また、浴槽湯
    水を循環する循環ポンプ組み込みの追い焚き循環路と、
    この追い焚き循環路を循環する浴槽湯水を追い焚きする
    追い焚き熱交換器とを備えて風呂側装置が形成され、前
    記給水制御用バイパス通路の出口側接続部よりも下流側
    の給湯通路位置と前記追い焚き循環路は注湯弁を介して
    湯張り通路によって連通接続されている風呂給湯複合燃
    焼装置であって、給湯熱交換器内湯温の後沸きの発生を
    判断する後沸き判断部を備え、給湯熱交換器内湯温に後
    沸きが発生していると判断されているときには前記第1
    の流量制御手段と第2の流量制御手段の弁を共に開いた
    状態にして通水に備える後沸き解消待機動作部と、給湯
    熱交換器内湯温に後沸きが発生していると判断されてい
    るときに前記給湯熱交換器側から浴槽への注湯又は注水
    が開始されたときにはその注湯又は注水の開始時からの
    第2の流量制御手段の閉弁禁止時間を予め与えられるデ
    ータに基づき設定する閉弁禁止時間設定部と、注湯又は
    注水の開始時から前記閉弁禁止時間を経過したときに第
    2の流量制御手段を強制閉止する閉弁制御部とが設けら
    れている風呂給湯複合燃焼装置。
  2. 【請求項2】 給水通路から供給される水をバーナの燃
    焼火炎により加熱する給湯熱交換器と、この給湯熱交換
    器から出る湯の給湯通路と前記給水通路間を前記給湯熱
    交換器を迂回して連通する給水制御用バイパス通路と、
    この給水制御用バイパス通路から出る水が合流する湯側
    の流量を制御する第1の流量制御手段と、前記給水制御
    用バイパス通路を通る水の流量を制御する第2の流量制
    御手段と、前記第1の流量制御手段に入る側の湯温を入
    力温度として検出する入力温度検出部とを備えた給湯側
    装置が形成され、また、浴槽湯水を循環する循環ポンプ
    組み込みの追い焚き循環路と、この追い焚き循環路を循
    環する浴槽湯水を追い焚きする追い焚き熱交換器とを備
    えて風呂側装置が形成され、前記給水制御用バイパス通
    路の出口側接続部よりも下流側の給湯通路位置と前記追
    い焚き循環路は注湯弁を介して湯張り通路によって連通
    接続されている風呂給湯複合燃焼装置であって、給湯熱
    交換器内湯温の後沸きの発生を判断する後沸き判断部を
    備え、給湯熱交換器内湯温に後沸きが発生していると判
    断されているときには前記第1の流量制御手段と第2の
    流量制御手段の弁を共に開いた状態にして通水に備える
    後沸き解消待機動作部と、給湯熱交換器内湯温に後沸き
    が発生していると判断されているときに前記給湯熱交換
    器側から浴槽への注湯又は注水が開始されたときにはそ
    の注湯又は注水の開始時からの第2の流量制御手段の閉
    弁禁止時間を予め与えられるデータに基づき設定する閉
    弁禁止時間設定部と、前記入力温度検出部によって検出
    される入力温度と予め設定されている閉弁判断温度とを
    比較し入力温度が閉弁判断温度以下となり、かつ、注湯
    又は注水の開始時から前記閉弁禁止時間を経過している
    ときに第2の流量制御手段を強制閉止する閉弁制御部と
    が設けられている風呂給湯複合燃焼装置。
  3. 【請求項3】 給水通路から供給される水をバーナの燃
    焼火炎により加熱する給湯熱交換器と、この給湯熱交換
    器から出る湯の給湯通路と前記給水通路間を前記給湯熱
    交換器を迂回して連通する給水制御用バイパス通路と、
    この給水制御用バイパス通路から出る水が合流する湯側
    の流量を制御する第1の流量制御手段と、前記給水制御
    用バイパス通路を通る水の流量を制御する第2の流量制
    御手段と、前記第1の流量制御手段に入る側の湯温を入
    力温度として検出する入力温度検出部とを備えた給湯側
    装置が形成され、また、浴槽湯水を循環する循環ポンプ
    組み込みの追い焚き循環路と、この追い焚き循環路を循
    環する浴槽湯水を追い焚きする追い焚き熱交換器とを備
    えて風呂側装置が形成され、前記給水制御用バイパス通
    路の出口側接続部よりも下流側の給湯通路位置と前記追
    い焚き循環路は注湯弁を介して湯張り通路によって連通
    接続されている風呂給湯複合燃焼装置であって、給湯熱
    交換器内湯温の後沸きの発生を判断する後沸き判断部を
    備え、給湯熱交換器内湯温に後沸きが発生していると判
    断されているときには前記第1の流量制御手段と第2の
    流量制御手段の弁を共に開いた状態にして通水に備える
    後沸き解消待機動作部と、給湯熱交換器内湯温に後沸き
    が発生していると判断されているときに前記給湯熱交換
    器側から浴槽への注湯又は注水が開始されたときには前
    記入力温度検出部によって検出される入力温度の時間的
    変化を検出しその入力温度の時間的変化が下り勾配とな
    って入力温度が予め設定されている閉弁判断温度以下と
    なったときに第2の流量制御手段を強制閉止する閉弁制
    御部とが設けられている風呂給湯複合燃焼装置。
  4. 【請求項4】 給湯熱交換器と追い焚き熱交換器は一体
    的に形成され、この一体型の給湯熱交換器と追い焚き熱
    交換器は共通のバーナにより加熱される一缶二水路型の
    熱交換器として構成されている請求項1又は請求項2又
    は請求項3載の風呂給湯複合燃焼装置。
  5. 【請求項5】 給湯熱交換器内湯温の後沸き発生を判断
    する後沸き判断部は、風呂の追い焚き単独運転の停止を
    検出したときに給湯熱交換器内湯温に後沸きが生じてい
    るものと判断する構成とした請求項4記載の風呂給湯複
    合燃焼装置。
JP9128016A 1997-04-30 1997-04-30 風呂給湯複合燃焼装置 Pending JPH10300189A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9128016A JPH10300189A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 風呂給湯複合燃焼装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9128016A JPH10300189A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 風呂給湯複合燃焼装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10300189A true JPH10300189A (ja) 1998-11-13

Family

ID=14974408

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9128016A Pending JPH10300189A (ja) 1997-04-30 1997-04-30 風呂給湯複合燃焼装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10300189A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5755532B2 (ja) 貯湯システム
JP5814643B2 (ja) 貯湯システム
JPH10300189A (ja) 風呂給湯複合燃焼装置
JP4050722B2 (ja) 1ファン式複合熱源機
JP3463455B2 (ja) 給湯機能付風呂装置の浴槽残湯量の計測方法
JP3922795B2 (ja) 湯張り機能付き給湯器
JP3161165B2 (ja) 給湯装置
JP3859811B2 (ja) 給湯燃焼装置
JP3872864B2 (ja) 給湯燃焼装置
JPH10300220A (ja) 給湯燃焼装置
JP3908330B2 (ja) 給湯燃焼装置
JPH10300221A (ja) 給湯燃焼装置
JP3714068B2 (ja) 給湯機能付風呂釜装置
JP3091808B2 (ja) 給湯器付風呂釜
JPH10300222A (ja) 給湯燃焼装置
JPH08247547A (ja) 給湯装置
JP3569121B2 (ja) 給湯装置
JPH10300212A (ja) 給湯燃焼装置
JPH10300215A (ja) 給湯燃焼装置
JP2921198B2 (ja) 給湯器付風呂釜の運転制御方法
JPH10300218A (ja) 給湯燃焼装置
JP3091809B2 (ja) 給湯器付風呂釜
JP3101508B2 (ja) 自動給湯風呂装置
JP3273000B2 (ja) 給湯装置
JPH0762530B2 (ja) 給湯装置