JPH10297516A - 車両の自動操舵装置 - Google Patents

車両の自動操舵装置

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JPH10297516A
JPH10297516A JP9111278A JP11127897A JPH10297516A JP H10297516 A JPH10297516 A JP H10297516A JP 9111278 A JP9111278 A JP 9111278A JP 11127897 A JP11127897 A JP 11127897A JP H10297516 A JPH10297516 A JP H10297516A
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lateral displacement
vehicle
steering angle
lane
turn signal
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Hiroyuki Kosho
裕之 古性
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像情報から車線に対する車両の横変位を検出
する際、車線変更する先の車線を検出するまでのノイズ
によって車両挙動が不安定になるのを回避する。 【解決手段】車線変更を要求するためのターン信号STS
が出力されたら、画像情報から車線変更する先の車線に
対する自車の検出横変位yORG が定常的に安定するま
で、自動操舵する前輪舵角δf を、その直前の舵角δ
fd00に保持し、検出横変位yORG が安定したら、車線変
更する車線までの間で正弦関数の極値から極値まで変化
する参照横変位yREF を設定し、検出横変位yORG から
参照横変位yRE F を減じた制御用の横変位yを用いて、
これを零に収束するように前輪舵角δfをフィードバッ
ク制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両を車線に沿っ
て走行させるために当該車両の操舵を自動的に行う車両
の自動操舵装置に関するものであり、特に、運転者が操
作する,一般にウインカと呼ばれるターン信号に応じて
車両を車線変更させるのに好適なものである。
【0002】
【従来の技術】このような従来の車両の自動操舵装置と
しては、例えば特開平7−81604号公報に記載され
るものがある。この従来例に記載される車両の自動操舵
装置は、高速道路等のように複数の車線が存在する道路
環境において、他車を含む走行環境を認識して任意に車
線変更しながら、自動走行できるようにしている。
【0003】ちなみに、この従来例では、カメラ等で採
り込んだ画像情報から車線そのものの位置や曲率を検出
し、更にその車線に対する車両の横変位を検出し、この
横変位が目標とする横変位に一致するように、より具体
的には検出される横変位が零となるようにフィードバッ
ク制御しながら前輪又は後輪を自動操舵する。また、車
線変更は例えば運転者が操作するターン信号に従って行
われるように構成されており、当該ターン信号から車線
変更する先の車線を検出し、その車線に対する車両の横
変位が零となるようにフィードバック制御しながら前輪
又は後輪を自動操舵する。その際、画像情報から得た車
線変更する先の車線を、即座に、車両の対すべき車線に
設定してしまったのでは、当該車線変更する先の車線に
対して、現在の車両の横変位が即座に大きくなってしま
う。そこで、このような車線変更時には参照横変位とい
う仮想目標を設定する(従来公報では、目標横変位と記
述されている)。つまり、例えば車線変更時には車線変
更する先の車線のように、車両横変位の基準とする車線
に対して検出される横変位(以下、検出横変位とも記
す)と参照横変位との偏差が、目標とする横変位,即ち
零となるようにフィードバック制御するものとし、車線
変更開始時には、車線変更する先の車線に対する現在の
車両の横変位を参照横変位とし、これを次第に車線変更
する先の車線側に移行させる,つまり零に漸近させるこ
とで、車両が滑らかに車線変更するようにする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記車線変
更開始時の参照横変位には、前記画像情報から検出され
た現在の車両の横変位があてられる。ところが、一般に
画像情報には,所謂ノイズが多い。ここで、前記車線変
更時に得られる検出横変位について考察すると、例えば
それまで車線に沿って定常的に走行しているときには、
当該走行車線に対する車両の横変位を正確に又は略正確
に検出できる。しかしながら、車線変更開始時には、ま
ず車線変更する先の車線を検出しなければならず、それ
は画像情報を広範囲に亘って走査することでしか得られ
ないから、その間の車線変更する先の車線そのものの情
報や、当該車線変更する先の車線に対する検出横変位は
高精度のものを期待することはできない。つまり、画像
情報から得られる,車線変更する先の車線に対する検出
横変位が非定常な間は、自動操舵される車両の挙動制御
も限界があった。
【0005】本発明はこれらの諸問題に鑑みて開発され
たものであり、例えば画像情報から得られる,車線変更
する先の車線に対する検出横変位の精度が低下しても、
安定した車両の挙動が得られる車両の自動操舵装置を提
供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうち請求項1に係る車両の自動操舵装置
は、車両前方の画像情報から車両の横変位を検出する横
変位検出手段と、車線変更に伴って出力されるターン信
号を検出するターン信号検出手段と、このターン信号検
出手段で検出されたターン信号に基づいて、少なくとも
車線変更終了までの間で変化する車両の横変位の参照値
を参照横変位として設定する参照横変位設定手段と、前
輪又は後輪を操舵する操舵アクチュエータと、この操舵
アクチュエータによって操舵される前輪又は後輪の舵角
を検出する舵角検出手段と、車両の走行状態に関する情
報を検出する走行状態情報検出手段と、前記横変位検出
手段で検出された車両の検出横変位と、前記参照横変位
設定手段で設定された参照横変位との偏差から車両の制
御用横変位を算出し、この車両の制御用横変位が目標と
する横変位になるように前記操舵アクチュエータを制御
する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ターン信
号検出手段で車線変更のためのターン信号が検出されて
から、所定の時間、前記操舵アクチュエータによって操
舵される前輪又は後輪の舵角を、それ以前の舵角に保持
する舵角保持手段を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0007】また、本発明のうち請求項2に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項1に係る発明において、前
記所定の時間を、車両の横変位が定常状態となる時間以
上に設定したことを特徴とするものである。
【0008】また、本発明のうち請求項3に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項1又は2に係る発明におい
て、前記参照横変位設定手段は、前記所定の時間が経過
したとき又はその直前の検出値を参照横変位として設定
し、その後、零に漸近することを特徴とするものであ
る。
【0009】また、本発明のうち請求項4に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項3に係る発明において、前
記漸近する参照横変位を正弦関数で設定することを特徴
とするものである。
【0010】また、本発明のうち請求項5に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項4に係る発明において、前
記走行状態情報検出手段として車速検出手段を備え、前
記参照横変位設定手段は、車速が大きくなるほど、前記
正弦関数の時間に係る角速度を小さく設定することを特
徴とするものである。
【0011】また、本発明のうち請求項6に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項1乃至5の何れかに係る発
明において、前記制御手段は、前記走行状態情報検出手
段で検出された走行状態情報から少なくとも目標とする
車両の横変位を含む車両の状態量を推定する状態量推定
手段を備えると共に、前記所定時間が経過したとき又は
その直前に、当該状態量推定手段の非定常な状態量を初
期化することを特徴とするものである。
【0012】また、本発明のうち請求項7に係る車両の
自動操舵装置は、前記請求項6に係る発明において、前
記状態量推定手段がカルマンフィルタで構成されること
を特徴とするものである。
【0013】
【発明の効果】而して、本発明のうち請求項1に係る車
両の自動操舵装置によれば、車線変更を要求するターン
信号の検出から所定時間は操舵輪の舵角を保持するた
め、この間の自動操舵をキャンセルすることが可能とな
り、車両挙動を安定に制御することができる。
【0014】また、本発明のうち請求項2に係る車両の
自動操舵装置によれば、前記所定時間を車両の検出横変
位が定常状態となるまでの時間以上としたため、自動操
舵を確実にキャンセルすることができ、車両挙動を一層
安定にすることができる。
【0015】また、本発明のうち請求項3に係る車両の
自動操舵装置によれば、横変位を零に漸近させたため制
御用横変位を少しずつ変化させながら、先の車線への車
線変更を滑らかに行うことができる。
【0016】また、本発明のうち請求項4に係る車両の
自動操舵装置によれば、正弦関数に従って参照横変位を
設定する構成にしたために、例えばその極小値及び極大
値が車線変更する前後の車線に一致するようにすること
で、車線変更の開始時と終了時との車両の挙動を滑らか
にし、且つ車線変更中の車両挙動はきびきびとしたもの
とすることができる。
【0017】また、本発明のうち請求項5に係る車両の
自動操舵装置によれば、車速が大きくなるほど、前記正
弦関数の時間に係る角速度を小さく設定する構成とした
ため、車速が増大するほど車線変更時に描かれる軌跡の
曲率を小さくでき、車速の増大に伴って増大する車線変
更時の遠心力などの横方向への力を低減して乗心地や車
両挙動を向上することができる。
【0018】また、本発明のうち請求項6に係る車両の
自動操舵装置によれば、状態量推定手段の非定常な状態
量を初期化するため、例えば状態量推定手段が目標とす
る横変位を除く非定常な状態量を補正するように操舵角
の補正量を設定するものであったとき、車両の各状態量
を推定するためのモデルに誤差があると誤認識すること
がなく、車両挙動の制御を安定にすることができる。
【0019】また、本発明のうち請求項7に係る車両の
自動操舵装置によれば、前記状態量推定手段がカルマン
フィルタで構成されるとき、当該カルマンフィルタには
出力誤差からモデル又は状態量を補正する作用があるか
ら、非定常な状態量を初期化することで出力誤差をなく
し、その補正に伴うハンチングを回避して車両挙動の制
御を安定にすることができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。ここでは、前輪のみを操舵する自
動操舵装置について説明する。
【0021】図1は、本発明の第1実施形態の自動操舵
装置を示す概略構成図である。同図の符号12は前左右
輪、15は後左右輪を示し、前左右輪12にはごく一般
的なラックアンドピニオン式の操舵機構が付加されてい
る。この操舵機構は、前左右輪12の操舵軸(タイロッ
ド)に接続されるラック11と、これに噛合するピニオ
ン10と、このピニオン10をステアリングホイール1
4に与えられる操舵トルクで回転させるステアリングシ
ャフト9とを備えている。
【0022】また、前記ステアリングシャフト9には、
前左右輪12を自動操舵するための自動操舵機構も付加
されている。この自動操舵機構は、前記ステアリングシ
ャフト9に同軸に取付けられたドリブンギヤ8と、これ
に噛合するドライブギヤ7と、このドライブギヤ7を回
転駆動するモータ5である。なお、モータ5とドライブ
ギヤ7との間にはクラッチ機構6が介装されており、自
動操舵制御時にのみクラッチ機構6が接続され、そうで
ないときにはクラッチ機構6が離間してモータ5の回転
力がステアリングシャフト9に入力されないようにして
いる。そして、これらの機構で操舵アクチュエータを構
成し、前記モータ5を含む自動操舵機構は、制御手段た
る後述する自動操舵コントロールユニット13からの制
御信号で制御される。
【0023】また、この車両には走行状態情報検出手段
である種々のセンサ類が取付けられている。符号3は舵
角センサ(舵角検出手段)であり、ステアリングシャフ
ト9の回転角から前左右輪12の実前輪舵角δf を割出
して自動操舵コントロールユニット13に出力する。ま
た、図中の符号4は車速センサであり、例えば変速機の
出力軸の回転速度から車両の移動速度(車速v)を割出
して自動操舵コントロールユニット13に出力する。ま
た、図中の符号16は運転者によって操作され且つター
ン信号STSを前記自動操舵コントロールユニット13に
出力するターン信号スイッチである。なお、このターン
信号スイッチ16は、ここでは左右の隣接する車線への
車線変更を要求するときにのみ操作されるものとし、そ
のターン信号STSは、右車線への車線変更を要求すると
きに“1”,左車線への車線変更を要求するときに“−
1”,リセット状態で“0”となるように設定してあ
る。
【0024】一方、車両には、車両前方の情報を画像情
報として採り込むための撮像手段としてCCDカメラ等
の撮像器1が取付けられている。この撮像器1では、単
に自車の直前だけでなく、隣接する左右の車線を含む比
較的広範囲の前方情報が撮像され、その画像情報が、画
像処理装置2に出力される。
【0025】前記画像処理装置2は、横変位検出手段並
びに走行状態情報検出手段を構成する。より具体的に
は、前記撮像器1からの画像情報のうち、例えば車線の
両側の白線等を検出して、その中央を車線として認識
し、当該車線に対して自車が何れの方向に如何程ずれて
いるかを求めて検出横変位yORG を検出すると共に、当
該車線の前方への曲がり具合等から車線曲率ρも検出で
きるようにしてある。そして、この画像処理装置2で検
出された車両の検出横変位yORG や車線曲率ρは、制御
手段を構成し且つ自動操舵制御を司る自動操舵コントロ
ールユニット13に出力される。また、本実施形態で
は、前述したターン信号STSが出力されてから、そのタ
ーン信号STSに合わせて車線変更する先の車線を新たに
検出し、当該車線変更する先の車線を基準として自車の
検出横変位yORG を検出する。なお、この画像処理装置
2は、横変位検出についても、車線曲率検出について
も、内部に備えられたマイクロコンピュータ等の離散化
したディジタルシステムで構成されているため、前述し
たような横変位や車線曲率のサンプリングは、予め設定
されたサンプリングタイミングでしか行われない。
【0026】前記自動操舵コントロールユニット13
は、内部に備えられたマイクロコンピュータのような離
散化されたディジタルシステムで構成されている。この
ディジタルシステムは、既存のマイクロコンピュータと
同様に、前記各センサ類からの検出信号を読込むための
入力インタフェース回路や、必要なプログラムや演算結
果等を記憶するROM,RAM等の記憶装置や、実際に
演算処理を行うと共に或る程度のバッファ機構を備えた
マイクロプロセサユニット等の演算処理装置や、この演
算処理装置で設定した制御信号を前記自動操舵機構のモ
ータ5に出力するための出力インタフェース回路等を備
えている。
【0027】次に、前記コントロールユニット13内で
実行される本実施形態の演算処理について図2のフロー
チャートを用いて説明する。なお、このフローチャート
では、特に情報の授受のためのステップを設けていない
が、演算処理装置で読込まれた情報や物理量或いは演算
された演算結果は随時記憶装置に更新記憶されるし、演
算処理に必要はプログラムやマップ,テーブル等は随時
記憶装置から演算処理装置のバッファに読込まれる。
【0028】この演算処理は、例えば10msec. といっ
た予め設定されたサンプリング時間ΔT毎にタイマ割込
処理として実行され、まずステップS1で前記画像処理
装置2からの検出横変位yORG を読込む。
【0029】次にステップS2に移行して、前記画像処
理出装置2からの車線曲率ρを読込む。次にステップS
3に移行して、前記車速センサ4からの車速vを読込
む。
【0030】次にステップS4に移行して、前記舵角セ
ンサ3からの前輪舵角δf を読込む。次にステップS5
に移行して、前記ターン信号スイッチ16からのターン
信号STSを読込む。
【0031】次にステップS6に移行して、前記読込ま
れたターン信号STSが“0”のリセット状態でないか否
か,即ち何れかの方向に車線変更を要求するセット状態
であるか否かを判定し、当該ターン信号STSがリセット
状態でない場合にはステップS7に移行し、リセット状
態である場合にはステップS8に移行する。
【0032】前記ステップS7では、舵角保持制御フラ
グF1 が“0”のリセット状態であるか否かを判定し、
当該舵角保持制御フラグF1 がリセット状態である場合
にはステップS9に移行し、そうでない場合にはステッ
プS10に移行する。
【0033】前記ステップS9では、前記読込まれた車
線曲率ρを車線曲率保持値ρ00として更新記憶してから
ステップS11に移行する。前記ステップS11では、
前記読込まれたターン信号STSをターン信号保持値S
TS00として更新記憶してからステップS12に移行す
る。
【0034】前記ステップS12では、前記舵角保持制
御フラグF1 を“1”にセットしてから前記ステップS
10に移行する。前記ステップS10では、車線変更開
始カウンタqをインクリメントしてからステップS14
に移行する。
【0035】前記ステップS14では、前記車線変更開
始カウンタqが、予め設定された所定値,ここでは前記
画像処理装置2が車線変更する先の車線を検出し、当該
車線に対する車両の検出横変位yORG が定常状態になる
までの時間に相当する所定値q0 以上であるか否かを判
定し、当該車線変更開始カウンタqが所定値q0 以上で
ある場合にはステップS15に移行し、そうでない場合
にはステップS16に移行する。
【0036】前記ステップS16では、前記車線曲率保
持値ρ00を現在の車線曲率ρに設定し直してからステッ
プS17に移行する。前記ステップS17では、検出横
変位yORG を“0”に設定し直してからステップS18
に移行する。
【0037】前記ステップS18では、参照横変位y
REF を“0”に設定してからステップS19に移行す
る。一方、前記ステップS15では、車線変更制御フラ
グF2 が“1”のセット状態であるか否かを判定し、当
該車線変更制御フラグF2 がセット状態である場合には
ステップS20に移行し、そうでない場合にはステップ
S23に移行する。
【0038】前記ステップS20では、参照横変位設定
カウンタnをインクリメントしてからステップS22に
移行する。また、前記ステップS23では、参照横変位
設定カウンタnをクリアしてからステップS24に移行
する。
【0039】前記ステップS24では、そのときの検出
横変位yORG を横変位保持値y00に設定してからステッ
プS25に移行する。前記ステップS25では、車線変
更制御フラグF2 を“1”にセットしてから前記ステッ
プS22に移行する。
【0040】前記ステップS22では、舵角保持制御フ
ラグF1 を“0”にリセットしてからステップS27に
移行する。前記ステップS27では、前記参照横変位設
定カウンタnと前記所定サンプリング時間ΔTとの積値
を車線変更経過時間tとして算出してからステップS2
8に移行する。
【0041】前記ステップS28では、前記車線変更経
過時間tと予め設定された角速度ωとの積値に(π/
2)を和した値が(3π/2)以下であるか否か,つま
り車線変更経過時間tと角速度ωとの積値がπ,つまり
180°以下であるか否かを判定し、肯定の場合にはス
テップS29に移行し、そうでない場合には前記ステッ
プS8に移行する。
【0042】前記ステップS29では、下記1式に従っ
て参照横変位yREF を算出してからステップS30に移
行する。 yREF =y00/2・ sin(ω・t+π/2)+y00/2) ……… (1) 前記ステップS30では、ターン信号保持値STS00が左
車線変更を要求する“−1”であるか否かを判定し、当
該ターン信号保持値STS00が“−1”である場合にはス
テップS31に移行し、そうでない場合にはステップS
32に移行する。
【0043】前記ステップS31では、前記参照横変位
REF を負値に設定してから前記ステップS19に移行
する。また、前記ステップS32では、前記参照横変位
REF を正値に設定してから前記ステップS19に移行
する。
【0044】また、前記ステップS8では、ターン信号
TSを“0”にリセットしてからステップS33に移行
する。前記ステップS33では、車線変更開始カウンタ
qをクリアしてからステップS34に移行する。
【0045】前記ステップS34では、舵角保持制御フ
ラグF1 を“0”にリセットしてからステップS35に
移行する。前記ステップS35では、車線変更制御フラ
グF2 を“0”にリセットしてからステップS36に移
行する。
【0046】前記ステップS36では、参照横変位y
REF を“0”に設定してから前記ステップS19に移行
する。そして、前記ステップS19では、前記検出横変
位yORG から参照横変位yRE F を減じた偏差を制御用の
横変位yとして算出する。
【0047】次にステップS37に移行して、予め設定
された時定数τを用いて、前記制御用の横変位yに、下
記10式で表される一次遅れ伝達関数G(s) からなるロ
ーパスフィルタ処理を施して、その高周波成分,つまり
ノイズ成分が除去する。
【0048】 G(s) =1/(τS+1) ………(10) 但し、 S:ラプラス演算子 である。
【0049】次にステップS38に移行して、車速v,
車線曲率ρを用いて、下記3式に従って定常前輪舵角δ
f0を算出する。なお、この算出原理については後段に詳
述する。
【0050】δf0=(a+b)・ρ +(m・ρ・v2 ・(b・Cr −a・Cf ))/((a+b)・Cf ・Cr ) ……… (3) 但し、 a :前輪軸と車両重心点との平面視における距離 b :後輪軸と車両重心点との平面視における距離 m :車両質量 Cf :前左右二輪のコーナリングスティフネス Cr :後左右二輪のコーナリングスティフネス である。
【0051】次にステップS42に移行して、前記制御
用の横変位y,車速v,車線曲率ρを用いて、下記4式
に従って補正前輪舵角Δδfdを算出設定する。なお、こ
の算出原理についても後段に詳述する。また、4式中の
比例ゲインKp ,微分ゲインKd ,積分ゲインKi の夫
々は、何れも車速v及び車線曲率ρの関数であり、車速
vが大きくなるほど、また車線曲率ρが大きくなるほ
ど、算出される補正前輪舵角Δδfdが小さくなるように
設定されている。
【0052】 Δδfd=(Kp +Kd ・S+Ki /S)・y ……… (4) 次にステップS43に移行して、前記算出された定常前
輪舵角δf0,補正前輪舵角Δδfdを用い、下記2式に従
って、目標前輪舵角δfdを算出する。
【0053】 δfd=δf0+Δδfd ……… (2) 次にステップS44に移行して、前記舵角保持制御フラ
グF1 が“1”のセット状態であるか否かを判定し、当
該舵角保持制御フラグF1 がセット状態である場合には
ステップS45に移行し、そうでない場合にはステップ
S46に移行する。
【0054】前記ステップS45では、更新記憶されて
いる前回の目標前輪舵角保持値δfd 00を目標前輪舵角δ
fdに設定し直してから前記ステップS46に移行する。
前記ステップS46では、前記設定された目標前輪舵角
δfdに実前輪舵角δfを一致させるフィードバック制御
の制御信号を創成し出力する。
【0055】次にステップS47に移行して、設定され
た目標前輪舵角δfdを目標前輪舵角保持値δfd00として
更新記憶してからメインプログラムに復帰する。次に、
前記3式の算出原理について説明する。本実施形態のよ
うに後輪を操舵しない場合,つまり後輪舵角が常時零で
あるときの運動方程式は、二輪モデルを用いて下記5式
及び6式で表される。
【0056】 m・v・(ψ' +β' )=Cf ・(δf −(a・ψ' +v・β)/v) +Cr ・(−(v・β−b・ψ' )/v) ……… (5) I・ψ''=a・Cf ・(δf −(a・ψ' +v・β)/v) −b・Cr ・(−(v・β−b・ψ' )/v) ……… (6) 但し、 ψ' :ヨーレイト β' :車両重心点の横滑り角速度 β :車両重心点の横滑り角 I :車両の慣性モーメント ψ'':ヨー角加速度である。
【0057】また、旋回運動の定常状態におけるヨーレ
イトψ' は車線曲率ρと車速vとから下記7式で表され
る。 ψ' =ρ・v ……… (7) また、旋回運動の定常状態では車両重心点の横滑り角速
度β' もヨー角加速度ψ''も共に零であるから、それを
下記8式で表す。
【0058】 β' =ψ''=0 ……… (8) そして、本実施形態のように後輪を操舵しない場合,つ
まり後輪舵角が常時零である場合には、前記5式乃至8
式において、定常的な前輪舵角δf を定常前輪舵角δf0
として、この定常前輪舵角δf0について解けば前記3式
を得る。
【0059】また、前記補正前輪舵角Δδfdについて
は、前記定常前輪舵角δf0を与えたときの制御用の横変
位yのフィードバック制御による補正分と考えれば、古
典制御理論にいう所謂PID制御から前記4式が与えら
れる。
【0060】次に、本実施形態の作用について、前記図
3のタイミングチャートを併用しながら説明する。な
お、同図3bには、同図3aのタイミングチャートに合
わせた車線変更に伴う車両の挙動を簡潔に表示した。
【0061】まず、図3のタイミングチャートの時刻t
1 までのように、車両が車線に沿って走行しているとき
には、ターン信号STSは“0”にリセットされたままで
あるから、図2の演算処理ではステップS6からステッ
プS8に移行して、ターン信号STSをリセットし直し、
更にステップS33で車線変更開始カウンタqをクリア
する。次いでステップS34で舵角保持制御フラグF1
を、ステップS35で車線変更制御フラグF2 を夫々リ
セットし、更にステップS36で参照横変位y REF
“0”に設定する。ここで、車両が車線に沿って走行し
ていれば検出される検出横変位yORG も零又は略零であ
るから、結果的にステップS19で算出される制御用の
横変位yも零又は略零となり、これにローパスフィルタ
処理を行ってノイズを除去する。然る後、ステップS3
8で、例えば車線曲率ρに合わせて車線に沿って走行す
るために必要な定常的な前輪舵角,即ち前記定常前輪舵
角δ f0を求め、次いでステップS42で実際の制御用の
横変位yを補正して真に車線を追従するために必要な補
正前輪舵角Δδfdを算出し、次のステップS43で両者
の和からなる目標前輪舵角δfdを算出する。また、舵角
保持制御フラグF1 がリセットされたままであるから、
次のステップS44からステップS45をジャンプして
ステップS46に移行する。従って、このステップS4
6で前記目標前輪舵角δfdを追従するための制御信号が
創成・出力されれば、前記制御用の横変位y(このとき
は検出横変位yORG と等価)を零とするようにして、前
輪を自動操舵することで車両を車線に追従させ続ける。
【0062】一方、図3のタイミングチャートのよう
に、時刻t1 で例えば右車線への車線変更のために、符
号“1”のターン信号STSが読込まれると、図2の演算
処理ではステップS6からステップS7に移行して、未
だ舵角保持制御フラグF1 がリセット状態であるから、
ステップS9,ステップS11,ステップS12と移行
する。従って、このフローでは車線曲率ρを保持値ρ00
に、そのときのターン信号STSを保持値STS00に夫々更
新記憶すると共に、舵角保持制御フラグF1 をセットす
る。そして、これ以後のサンプリングタイミングでは、
例えばターン信号STSが運転手によってリセットされる
などして、この舵角保持制御フラグF1 が前記ステップ
S34でリセットされない限り、前記各保持値ρ00,S
TS00はターン信号入力時の値に固定される。次いで、ス
テップS10で車線変更開始カウンタqを各サンプリン
グタイミング毎にインクリメントし、次のステップS1
4で、このインクリメントされる車線変更開始カウンタ
qが所定値q0 以上となるまでステップS16以後のフ
ローに進む。従って、このステップS16で車線曲率ρ
を前記ターン信号入力時に固定された保持値ρ00とし、
次のステップS17で検出横変位yORG を強制的に
“0”とし、更に次のステップS18でも参照横変位y
REF を強制的に“0”とする。
【0063】従って、これ以後、前記車線変更開始カウ
ンタqが前記所定値q0 以上となるまで、即ち前記画像
処理装置2が、車線変更する先の車線を検出し、この車
線を基準とする自車の横変位を定常的に正確に検出する
まで、このフローが繰返されることになる。それ故に、
次のステップS19では制御用の横変位yは“0”とな
る。このため、続くステップS38では、ターン信号入
力時の車線曲率ρが用いられるから、車速vが変化しな
い限り、或いは何らかの外乱がない限り、定常前輪舵角
δf0はターン信号入力時の値と同じ値になり、次のステ
ップS42では補正前輪舵角Δδfdが“0”となる。従
って、次のステップS43では、前記ターン信号入力時
と同じ又はほぼ同じ値の定常前輪舵角δf0がそのまま目
標前輪舵角δfdに設定される。何れにしても、次のステ
ップS44では、前記舵角保持制御フラグF1 がセット
状態にあるために、次のステップS45で、目標前輪舵
角δfdは、前記ターン信号入力時に固定された保持値δ
fd00に強制的にすげ替えられる。而して、車線変更を指
示してから、車線変更する先の車線に対する車両の定常
的な検出横変位yORG が正確に検出されるまでの間、前
輪舵角δf は、その直前の舵角に保持される。なお、図
3のタイミングチャートからも、この時刻t 1 から後述
する時刻t2 までの間、前記検出横変位yORG が非定常
に揺れているのが分かる。
【0064】次いで、例えば図3のタイミングチャート
の時刻t2 で、前記車線変更開始カウンタqが前記所定
値q0 以上となると、即ち車線変更する先の車線に対す
る車両の定常的な検出横変位yORG が正確に検出される
ようになると、ステップS15に移行して、未だ車線変
更制御フラグF2 がリセット状態であるためにステップ
S23に移行し、参照横変位設定カウンタnをクリアす
る。次いでステップS24に移行して、そのときの検出
横変位yORG を保持値y00にセットし、次のステップS
25で前記車線変更制御フラグF2 をセットする。従っ
て、これ以後のサンプリングタイミングでは、例えばタ
ーン信号STSが運転手によってリセットされるなどし
て、この車線変更制御フラグF2 が前記ステップS35
でリセットされない限り、ステップS15からステップ
S20に移行して、参照横変位設定カウンタnをインク
リメントし続けることになる。
【0065】ところで、前記参照横変位設定カウンタn
がクリアされたとき、次のステップS22で舵角保持制
御フラグF1 がリセットされ、次のステップS27で
は、算出される車線変更経過時間tが“0”になる。勿
論、この車線変更経過時間tを代入したところで、(π
/2)が(3π/2)より小さいのは自明なので、ステ
ップS29に移行し、前記1式に従って参照横変位y
REF が設定される。このとき、参照横変位yREF は、振
幅が(y00/2),つまり前記保持値y00となった、車
線変更する先の車線に対する検出横変位yORG の半分
で、且つ位相が(π/2),つまり90°ずれ、且つ全
体に前記(y00/2)だけ正方向にオフセットした正弦
関数で与えられる。なお、本実施形態では、前記車線変
更経過時間tに係る角速度ωは、車両特性に合わせて、
適切な値に予め設定したままである。この車線変更経過
時間tが“0”のときの参照横変位yREF は、正弦関数
の極大値に相当し、勿論、接線の傾きは“0”であり、
値そのものは前記保持値y00となった、車線変更する先
の車線に対する検出横変位yORG の絶対値に等しくな
る。また、次のステップS30でターン信号STSの方向
が判定され、今回は右車線への車線変更であるから、タ
ーン信号STSは“1”であり、従ってステップS32で
前記正値の参照横変位yREF がそのまま参照横変位y
REF に設定される。若し、ターン信号STSが、左車線へ
の車線変更を意味する“−1”である場合には、ステッ
プS31で負値の参照横変位yREF が設定されるから、
何れにしてもこの段階で、参照横変位yREF は検出横変
位yORG に等しくなる。
【0066】従って、このときにステップS19で算出
される制御用の横変位yは“0”であるから、そのとき
の補正前輪舵角Δδfdも“0”となり、一方、定常前輪
舵角δf0は、車速vや車線曲率ρが変わらなければ前記
ターン信号入力時と同等又は略同等であるから、目標前
輪舵角δfdも同等の値となり、結果的に車両は横移動し
ない,つまり車線変更は未だ開始されない。しかしなが
ら、次のサンプリングタイミングでは、前記ステップS
20で車線変更経過カウンタnがインクリメントされる
から、前記車線変更経過時間tは所定サンプリング時間
ΔTだけ大きくなり、その結果、前記ステップS29で
算出される参照横変位yREF は少しだけ小さな値になる
(左車線変更の場合は絶対値で考えればよい)。する
と、ステップS19で算出される制御用の横変位yが小
さな正値となり、これに応じた補正前輪舵角Δδfdが前
記ステップS42で算出される。一方、前記前輪舵角保
持状態のような車線曲率ρのすげ替えは行われないか
ら、車線変更する先の車線を大まかに追従するための定
常前輪舵角δf0は、その目的通りに正確に算出される。
また、舵角保持制御フラグF1 がリセットされている現
段階では、前記ステップS45における目標前輪舵角δ
fdのすげ替えは行われないから、両者の和からなる目標
前輪舵角δfdをフィードバック制御すれば、車両は、車
線変更する先の車線曲率ρを追従しながら、僅かに次の
車線側に移動して車線変更が開始されることになる。そ
して、図3のタイミングチャートの時刻t3 以前のよう
に、前記ステップS20で車線変更経過カウンタnがイ
ンクリメントされて、前記車線変更経過時間tが前記所
定サンプリング時間ΔTずつ大きくなると、前記1式内
の位相(ω・t+π/2)がπ,つまり180°以下で
あるうちは、当該1式に従って設定される参照横変位y
REF の今回値と前回値との差分値は、次第に大きくな
る。これに対して、車両に発生する横変位,つまり検出
される検出横変位yORG には、必ず位相遅れが発生する
から、ステップS19で算出される制御用の横変位yは
少しずつ大きくなり、これを“0”とするように前記目
標前輪舵角δfdが設定されて、前輪が自動操舵される。
つまり、この間、車両は次第に大きく且つ次第に速く車
線変更してゆくことになる。なお、この間、制御用の横
変位yは少しずつ大きくなるとしたが、実際のサンプリ
ングタイミングは非常に短く、また操舵入力に対する車
両横変位の応答性がさほど遅いわけではないから、実際
に算出される制御用の横変位yがさほど大きな値になる
ことはない。
【0067】次いで、図3のタイミングチャートの時刻
3 以後のように、前記1式内の位相(ω・t+π/
2)がπ,つまり180°より大きくなると、参照横変
位yRE F の今回値と前回値との差分値は次第に小さくな
り、従ってステップS19で算出される制御用の横変位
yは少しずつ大きくなり、これを“0”とするように前
記目標前輪舵角δfdが設定されて、前輪が自動操舵され
る。この間、車両の車線変更速度は次第に小さくなり、
車線変更する先の車線に漸近するような挙動を示す。や
がて、時刻t4 で前記1式内の位相(ω・t+π/2)
が(3π/2),つまり270°に近づくと、当該1式
で設定される参照横変位yREF が“0”に漸近する。勿
論、正弦関数は極小値に近づき、接線の傾きも“0”に
なる。若し、車両が、この参照横変位yREF 通りに追従
していれば、この時点で隣合う車線間の距離を移動しき
ったことになり、車線変更が終了する。実際には、車両
挙動の応答遅れによって、完全に車線変更が終了するわ
けではないが、参照横変位y REF が“0”に漸近するこ
とによって、車線変更する先の車線を基準とする車両の
検出横変位yORG も“0”に漸近する,つまり車両は車
線変更する先の車線に漸近するように横移動する。この
状態を、実質的に車線変更が完了したことと等価である
と見なせば、そのときの制御用の横変位y,即ち検出横
変位yORG に応じた車線追従制御に移行しても差し支え
ない。
【0068】そこで、1式内の位相(ω・t+π/2)
が(3π/2)より大きくなると、ステップS8に移行
し、ここでターン信号STSをリセットし、次いでステッ
プS33で車線変更開始カウンタqをクリアし、次いで
ステップS34で舵角保持制御フラグを、続くステップ
S35で車線変更制御フラグF2 を夫々リセットし、次
いでステップS36で参照横変位yREF を“0”に設定
する。従って、これ以後は、前述した走行中の車線追従
制御が継続され、その結果、前記時刻t4 で残存してい
た検出横変位yORG を“0”とするような前輪の自動操
舵が行われることになる。
【0069】以上より、本実施形態は、本発明のうち請
求項1又2又は3又は4に係る車両の自動操舵装置を実
施化したものであり、前記画像処理装置2及び図2の演
算処理のステップS1が本発明の横変位検出手段を構成
し、以下同様に、前記ターン信号スイッチ16及び図2
の演算処理のステップS5がターン信号検出手段を構成
し、前記図2の演算処理のステップS15,ステップS
18,ステップS20乃至ステップS32及びステップ
S36が参照横変位設定手段を構成し、前記自動操舵機
構が操舵アクチュエータを構成し、舵角センサ3及び図
2の演算処理のステップS4が舵角検出手段を構成し、
画像処理装置2及び図2の演算処理のステップS2及び
ステップS3が走行状態情報検出手段を構成し、図2の
演算処理全体及び自動操舵コントロールユニット13が
制御手段を構成し、図2の演算処理のステップS7乃至
12,ステップS14,ステップS44及びステップS
45が舵角保持手段を構成する。
【0070】なお、前述したローパスフィルタとして
は、サンプリングされる横変位の移動平均を算出する手
段で構成してもよい。この移動平均手段からなるローパ
スフィルタでは、移動平均に用いられるサンプリング横
変位の数が多ければ多いほど、目標値への追従性が低下
するから、このローパスフィルタの特性を強める場合に
は、サンプリング横変位の数を多くしてやればよい。
【0071】次に、本発明の第2実施形態の自動操舵装
置について説明する。まず、車両に設けられた自動操舵
装置としての概要は、前記第1実施形態の図1に示すも
のと同様である。
【0072】本実施形態の第1実施形態に対する最も大
きな差異は、前記自動操舵コントロールユニット13内
のマイクロコンピュータ等のディジタルシステム中に、
状態推定器としてのカルマンフィルタが構築されている
点にある。ここで、カルマンフィルタについて説明して
おく。カルマンフィルタは、現代制御理論に基づいた状
態量を、予め設定されたモデルに従って幾つか推定し、
その夫々にフィードバック制御を行うことを前提とし
て、結果的に種々の連鎖的な応答をなくして、単独の状
態量のフィードバック制御を容易化,正確化する場合
に、出力される推定状態量と検出された状態量との出力
誤差に応じてモデル,即ち推定される状態量を補正可能
としたものである。具体的には図4aに示す構成とな
る。
【0073】ここで、本実施形態のカルマンフィルタ中
のモデルは、車両の二輪モデルであるから、これを状態
空間表現を用いて下記12式に示す。但し、この12式
に示す二輪モデルは、後輪を操舵可能とし、更に後輪の
トラクションによってヨーモーメントを制御可能とした
ものであるから、本実施形態のように前輪を操舵するだ
けで車両の横変位を制御するものの場合には後輪舵角δ
r 及びヨーモーメントTr を共に零に設定すればよい。
【0074】 但し、 a11=−(Cr +Cf )/(m・v) ………(12-1) a12=(−1+(Cr ・b−Cf ・a))/(m・v2 ) ………(12-2) a21=(Cr ・b−Cf ・a)/I ………(12-3) a22=−(Cr ・b2 +Cf ・a2 )/(I・v) ………(12-4) b11=Cf /(m・v) ………(12-5) b12=Cr /(m・v) ………(12-6) b21=Cf ・a/I ………(12-7) b22=−Cr ・b/I ………(12-8) b23=1/I ………(12-9) である。なお、本実施形態では、rはヨーレイト、Δψ
は車線を基準とするヨー角として用いており、また、L
s は撮像器1,即ち車両横変位の検出位置と車両重心点
との平面視における距離である。その他の符号について
は第1実施形態と同じである。
【0075】そして、前記12式で、定常的な走行状態
では左辺,つまり車両重心点の横滑り角速度β' も、ヨ
ー角加速度r' も、ヨーレイトΔψ' も、横変位速度
y' も全て零になると考えられるから、このときの各物
理量,或いは状態量に添字“0”を付けて下記14式を
得る。なお、このような定常走行状態における各状態量
を平衡点周りの状態量と定義する。
【0076】 すると、前記第1実施形態と同様に、実際に必要な舵角
やヨーモーメントは、この平衡点周りの定常的な舵角や
ヨーモーメントを与えたときに、更にモデル誤差等によ
って発生する補正分をフィードバックした値になるか
ら、下記15−1〜3式が与えられ、更に同様のことが
他の各状態量にも言えることから、ヨー角や横変位等の
状態量についても下記16−1〜4式が成立する。
【0077】 δf =δf0+Δδf ………(15-1) δr =δr0+Δδr ………(15-2) Tr =Tr0+ΔTr ………(15-3) β=β0 +Δβ ………(16-1) r=r0 +Δr ………(16-2) Δψ=Δψ0 +Δ2 ψ ………(16-3) y=y0 +Δy ………(16-4) 次に、車線曲率ρには補正分がないことから、Δρが実
質的に零であること(即ち、ρ0 =ρ)を考慮して以上
を総合して解くと、下記17式を得る。つまり、ここで
得られる状態量のベクトルx(補正横滑り角Δβ,補正
ヨーレイトΔr,補正ヨー角Δ2 ψ、補正横変位Δy)
が正確なものであるとすると、このベクトルから補正す
べき前輪舵角,つまり補正前輪舵角Δδfdや、補正後輪
舵角Δδ rdや補正ヨーモーメントΔTrd等を算出可能と
なる。なお、前述と同様に、後輪舵角やヨーモーメント
を補正しない本実施形態のような場合には、前記定常後
輪舵角δr0や定常ヨーモーメントTr0、或いは補正Δδ
rdや補正ヨーモーメントΔTrd等を全て“0”に設定す
ればよいだけである。
【0078】 この17式を、前記図4aのカルマンフィルタの構成図
に合わせて略記すると下記11式のように表れる。
【0079】 dx/dt=Ax+Bu ………(11) つまり、前記11式で用いられる各ベクトル,x,A,
B,uは夫々、以下のように纏められる。
【0080】 ここで、一旦、カルマンフィルタの構成の説明から離れ
て、前記状態量のベクトルxから車線追従,つまり補正
横変位Δy=0を実現するための補正前輪舵角Δδ
fdや、補正後輪舵角Δδrdや補正ヨーモーメントΔTrd
を設定するために、最適レギュレータを用いた最適化制
御を考える。ここで、拘束条件は前記11式であり、評
価関数Jは下記18式で与えられる。
【0081】 J=∫(xT Qx+uT Ru)dt ………(18) なお、xT はベクトルxの転置ベクトルを、uT はベク
トルuの転置ベクトルを示す。また、Qは対称非負定行
列、Rは対称正定行列で、一般に重みと呼ばれる。ベク
トルxにおける補正横変位Δyは4行目であるので、当
該補正横変位Δyを小さくするためには、前記対称非負
定行列Qの4行4列要素を大きくすればよい。但し、ゲ
インを上げれば、その分だけノイズを拾い易くなるとい
うトレードオフを考慮しなければならないことは言うま
でもない。
【0082】結論として得られるフィードバック則は、
図4bに示すブロック図に合わせて下記19式で表さ
れ、各要素を列記すると20式が得られる。なお、KR
は定数行列である。
【0083】 u=−KR ・x ………(19) つまり、本実施形態では、推定される補正横滑り角Δ
β、補正ヨーレイトΔr、補正ヨー角Δ2 ψ、補正横変
位Δyに対して、補正前輪舵角Δδfdは下記21式で端
的に与えられることになる。
【0084】 Δδfd=k11・Δβ+k12・Δr+k13・Δ2 ψ+k14・(Δy−yrpf ) ………(21) 但し、yrpf は参照横変位を示す。
【0085】なお、前述の状態推定器で補正横変位Δy
を除く補正横滑り角Δβ、補正ヨーレイトΔr、補正ヨ
ー角Δ2 ψが検出できない場合には、逆に補正横変位Δ
yと補正前輪舵角Δδf を用いて状態推定器を構成すれ
ば、それらの状態量を推定することができる。
【0086】一方、再びカルマンフィルタの説明に戻っ
て、前述のようにして推定した推定横変位y^(^は推
定値であることを示す)は、前述したモデルに前記補正
前輪舵角Δδfdを代入(直線走行状態から見れば目標前
輪舵角δfdを代入すべきであるように考えられるが、既
にそれ以前のモデル,つまりそれまでの定常旋回走行状
態に相当する平衡点周りのモデルは後述のように補正さ
れているので、実質的に代入されるのは補正前輪舵角Δ
δfdになる)してみた結果、車両が達成すべき推定値で
あるから、これを推定横変位ye とする。しかしなが
ら、前述したモデルと実際の車両とは、必ず誤差があ
る。そこで、図4aに示すように、この推定横変位ye
と前記第1実施形態のようにして算出された制御用の横
変位yとの偏差(以下、単に出力誤差とも記す)εを求
め、この出力誤差εに出力誤差フィードバックゲインベ
クトルKe をかけて、前記状態推定器内のモデルを補正
する。ここでは、理解を容易化するために、モデルを補
正するという表記を用いるが、実質的には各状態量を直
接補正しても何ら問題がないことから、広義には状態量
を補正するとして取扱う。
【0087】前記出力誤差フィードバックゲインベクト
ルKe は、ベクトルの特性上、単純に大小の比較ができ
ないが、以上の説明から明瞭なように、そのゲイン特性
が大きければ状態量の補正を速やかにして制御の応答性
を高めることができるが、その反面、ノイズ成分の影響
を受け易いことが分かる。逆に、出力誤差フィードバッ
クゲインベクトルKe のゲイン特性が小さければ、状態
量の補正効果は低下するが、ノイズ成分の影響を抑制防
止して制御の正確性が向上可能であることが分かる。
【0088】次に、前記コントロールユニット13内で
実行される本実施形態の演算処理について図5のフロー
チャートを用いて説明する。なお、このフローチャート
でも、特に情報の授受のためのステップを設けていない
が、第1実施形態と同様に、情報の授受は随時実行され
る。また、この演算処理も、例えば10msec. といった
予め設定されたサンプリング時間ΔT毎にタイマ割込処
理として実行されるが、その処理内容は、前記図2に示
す第1実施形態のものに類似している。両者の相違につ
いてのみ詳述すると、図2の演算処理のステップS1
0,ステップS14,ステップS33,ステップS3
8,ステップS42が、夫々ステップS10’,ステッ
プS14’,ステップS33’,ステップS38’,ス
テップS42’に変更になっている。また、前記変更に
なったステップS10’とステップS14’との間には
新たにステップS13’が追加され、また、変更されな
いステップS15とステップS23との間には新たにス
テップS21’が追加され、同じく変更されないステッ
プS25とステップS22との間には新たにステップS
26’が追加されている。また、前記図2の演算処理の
ステップS37は削除されている。また、前記変更とな
ったステップS38’とステップS42’との間には、
新たにステップS39’,ステップS40’,ステップ
S41’が追加されている。また、演算処理中には明確
に表れないが、前記検出横変位yORG は、シフトレジス
タのような順送り記憶装置に、新しいものから、予め設
定されたm個分だけ、順送りに更新記憶される。その他
の各ステップは共通する。
【0089】これらの変更又は追加された各ステップに
ついてのみ、その演算処理の内容を詳述すると、まず前
記ステップS10’では、前記シフトレジスタのような
順送り記憶装置に記憶されているm個の検出横変位y
ORG(i)を用いて、検出横変位の移動平均値yAVE(p)を算
出してから前記ステップS13’に移行する。
【0090】また、前記ステップS13’では、前記検
出横変位の移動平均値の今回値yAV E(p)から前回値y
AVE(p-1)を減じて、検出横変位の移動平均値誤差yDIF
を算出してから前記ステップS14’に移行する。
【0091】また、前記ステップS14’では、前記検
出横変位の移動平均値誤差の絶対値|yDIF |が、予め
設定された所定値yDIF-0 以下であるか否かを判定し、
当該検出横変位の移動平均値誤差の絶対値|yDIF |が
所定値yDIF-0 以下である場合には前記ステップS15
に移行し、そうでない場合には前記ステップS16に移
行する。
【0092】また、前記ステップS21’では、車速v
の増加と共に減少する角速度ωを設定してから前記ステ
ップS23に移行する。また、前記ステップS26’で
は、前記カルマンフィルタの非定常な状態量,即ち前記
補正横滑り角Δβ、補正ヨーレイトΔr、補正ヨー角Δ
2 ψ、補正横変位Δyを全て“0”とする、カルマンフ
ィルタリセットを行ってから前記ステップS22に移行
する。
【0093】また、前記ステップS33’では、前記検
出横変位の移動平均値誤差yDIF をクリアしてから前記
ステップS34に移行する。また、前記ステップS3
8’では、前記14式に従って、車速v,車線曲率ρか
ら、少なくとも前記平衡点周りに相当する定常前輪舵角
δf0,定常横変位y0を算出してから前記ステップS3
9’に移行する。
【0094】また、前記ステップS39’では、下記2
2式に従って、実前輪舵角δf ,定常前輪舵角δf0から
前輪舵角偏差Δδf を算出してから前記ステップS4
0’に移行する。
【0095】 Δδf =δf −δf0 ………(22) また、前記ステップS40’では、下記23式に従っ
て、前記算出された制御用の横変位y,定常横変位y0
から横変位偏差Δyを算出してから前記ステップS4
1’に移行する。なお、既に状態推定による前輪自動操
舵が開始されている場合には算出される定常横変位y0
は略零であり、検出される制御用の横変位yは、前述し
たモデル誤差を補正すべきフィードバック分でしかない
ことから、検出される制御用の横変位yをそのまま横変
位偏差Δyに直接設定してもよい。
【0096】 Δy=y−y0 ………(23) また、前記ステップS41’では、前記17式から構成
されるカルマンフィルタによって各状態量の推定を行
い、前記状態推定ベクトルxを算出してから、前記ステ
ップS42’に移行する。
【0097】また、前記ステップS42’では、前記1
9式乃至21式から補正前輪舵角Δδfdを算出してから
前記ステップS43に移行する。次に、本実施形態の作
用について説明する。
【0098】まず、本実施形態における車線変更制御
は、前記第1実施形態に比して、後段に詳述するよう
に、例えば車線変更を開始するタイミングや車線変更す
る際の参照横変位yREF ,つまり前述した車両の車線変
更軌跡が若干異なるだけで、例えば参照横変位yREF
正弦関数で設定されるし、車線変更が開始されるまで
は、それ以前の舵角が保持されているなどの点でも一致
を見る。即ち、車線変更に係る概要は、前記第1実施形
態のそれと同様又はほぼ同様である。
【0099】次に、本実施形態が第1実施形態と異にす
る車線変更開始タイミングについて説明する。前記第1
実施形態では、車線変更する先の車線に対する車両の横
変位が定常的になる時間を予め設定しておき、この時間
に相当する時間が経過したときから車線変更を開始、即
ち検出横変位yORG から参照横変位yREF を減じた制御
用の横変位yに対して、車線変更を行うための前輪舵角
δf のフィードバック制御が開始される。これに対し
て、本実施形態では、図5の演算処理のステップS10
で検出横変位yORG の移動平均を求め、同ステップS1
1で算出される検出横変位の移動平均値yAVE の前回値
との誤差yDIF (正確にはその絶対値)が所定値y
DIF-0 以下となったとき、検出横変位yORG が定常的な
状態になったと判断して、同ステップS14からステッ
プS15以降に移行して前記第1実施形態と同様な、車
線変更制御を開始する。この実施形態の利点は、車線変
更制御を開始するまでの時間を短縮することが可能であ
るという点にある。即ち、前記第1実施形態のように時
間を設定する手法では、検出横変位yORG が定常的にな
るまでの時間の個々の個体差を考慮して、その最も長い
時間を所定時間に設定しなければならない。しかしなが
ら、本実施形態のように検出横変位の移動平均値y AVE
の前回値との誤差yDIF をもって、定常か非定常かとい
う判定を行えば、定常的と判定される最短時間から車線
変更制御を開始することができる。
【0100】次に、本実施形態が第1実施形態と異にす
る車線変更する際の参照横変位yRE F ,つまり前述した
車両の車線変更軌跡について説明する。前記図3のタイ
ミングチャートからも明らかなように、本発明の自動操
舵装置は、車線変更する先の車線を基準とする参照横変
位yREF に沿って車両が車線変更され、当該参照横変位
REF は時間に関する正弦関数で表れる。当然ながら、
車速vが大きくなれば、描かれる軌跡の曲率も小さくな
るが、前記第1実施形態では参照横変位yREFの時間t
に係る角速度ωを一定としていたので、実際に車両が描
く軌跡の角速度も一定となる。ところが、車速vが大き
くなれば車線変更時に発生する遠心力などの横方向への
力も大きくなるので、前記角速度ω一定では、車速vが
大きくなるほど横方向への力も大きくなる。そこで、本
実施形態では、車速vが大きくなるにつれて角速度ωを
小さく設定し、これにより高速走行時の車線変更に伴っ
て車両が描く軌跡の曲率をより一層小さくし、これによ
り横方向に作用する力を小さくして乗心地や車両挙動を
向上することができる。
【0101】しかしながら、本実施形態と第1実施形態
との最も大きな差異は、やはり状態推定器としてカルマ
ンフィルタを用いている点にある。前述のようにカルマ
ンフィルタは、その出力誤差,つまり推定横変位と検出
される制御用の横変位との誤差に応じて、例えばモデル
を補正するなどして各状態量を補正する。しかしなが
ら、これには、最初にモデルが正しいものであるという
仮定がある。つまり、例えば直進状態を継続中にあって
は、前輪舵角が操作されなければ、より厳密には前記平
衡点周りの定常前輪舵角が達成されている状態では、補
正前輪舵角分だけ前輪舵角が操舵されなければ、横変位
は変化しないはずであり、逆に操舵していないのに横変
位が変化するのは、何らかのノイズのせいであると認識
するのである。すると、例えば前述のように車線変更の
指示と共に、画像処理装置が、車線変更する先の車線に
対する車両の横変位を検出し始めたとき、その検出横変
位y ORG がノイズ成分の多い,非定常なものであるとす
ると、この検出横変位yORGから参照横変位yREF を減
じた制御用の横変位yもノイズ成分の多いものとなり得
る。従って、カルマンフィルタはモデル誤差が発生した
と誤認識して、本来は正常なモデルやその他の状態量を
補正してしまう。
【0102】本実施形態では、これらの諸問題に配慮し
て、前記時刻t1 〜時刻t2 のように検出横変位yORG
が非定常で、その間の不安定な操舵を回避するために前
輪舵角を保持する間、図5の演算処理のステップS18
で前記参照横変位yREF を“0”とし、合わせて同ステ
ップS17では検出横変位yORG も“0”にすげ替えて
いる。従って、この間、同ステップS19で算出される
制御用の横変位yも“0”となり、舵角保持に伴って定
常横変位y0 も“0”となるはずだから、カルマンフィ
ルタ中の補正横変位Δyも“0”となる。従って、この
間にカルマンフィルタが出力誤差を認識することはな
い。
【0103】一方、前記時刻t2 以後において、検出横
変位yORG から参照用横変位yREFを減じた制御用の横
変位yに応じて、前輪舵角δf がフィードバック制御さ
れるようになると、検出横変位yORG のすげ替えは行わ
れなくなる。このとき、検出される各状態量,即ち横滑
り角β、ヨーレイトr、ヨー角Δψ、横変位yは全て前
記平衡点周りの定常値に一致していると仮定する,つま
り各補正値を“0”にリセットすることで、カルマンフ
ィルタがノイズ成分を誤認識しないようにする。
【0104】以上より、本実施形態は、本発明のうち請
求項1又は2又は3又は4又5又は6又は7に係る車両
の自動操舵装置を実施化したものであり、前記画像処理
装置2及び図5の演算処理のステップS1が本発明の横
変位検出手段を構成し、以下同様に、前記ターン信号ス
イッチ16及び図5の演算処理のステップS5がターン
信号検出手段を構成し、前記図5の演算処理のステップ
S15,ステップS18,ステップS20乃至ステップ
S32及びステップS36が参照横変位設定手段を構成
し、前記自動操舵機構が操舵アクチュエータを構成し、
舵角センサ3及び図5の演算処理のステップS4が舵角
検出手段を構成し、画像処理装置2及び図2の演算処理
のステップS2及びステップS3が走行状態情報検出手
段を構成し、図5の演算処理全体及び自動操舵コントロ
ールユニット13が制御手段を構成し、図2の演算処理
のステップS7乃至12,ステップS14’,ステップ
S44及びステップS45が舵角保持手段を構成し、図
5の演算処理のステップS41’が状態推定手段を構成
する。
【0105】なお、前記第1及び第2実施形態では、共
に車線曲率ρを、画像処理情報として読込む場合につい
てのみ詳述したが、この車線曲率ρは、前述した横変位
やヨーレート,ヨー角,車速等の運動方程式で表れるこ
とを用いて推定することも可能である。
【0106】また、前記第1及び第2実施形態では、共
に前輪を操舵することだけで、車線追従,つまり検出さ
れる横変位を目標とする横変位に一致させることとした
が、これに代えて又はこれに加えて後輪を操舵するよう
にしてもよいし、或いはヨーイング運動に着目しながら
横変位を制御するならば、それらに加えて前後各輪のト
ラクション,つまり駆動力を制御してステアリング特性
を制御するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両の自動操舵装置の一例を示す車両
概略構成図であり、(a)は側面図、(b)は平面図で
ある。
【図2】本発明の車両の自動操舵装置の第1実施形態の
演算処理を示すフローチャートである。
【図3】図2の演算処理で行われる車線変更制御のタイ
ミングチャートである。
【図4】(a)はカルマンフィルタの一例を示すブロッ
ク図、(b)は推定された状態量から制御量を出力する
演算装置の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の車両の自動操舵装置の第2実施形態の
演算処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1は撮像器 2は画像処理装置(横変位検出手段,走行状態情報検出
手段) 3は舵角センサ(舵角検出手段) 4は車速センサ(走行状態情報検出手段) 5はモータ 6はクラッチ機構 7はドライブギヤ 8はドリブンギヤ 9はステアリングシャフト 10はピニオン 11はラック 12は前左右輪 13は自動操舵コントロールユニット(制御手段) 14はステアリングホイール 15は後左右輪 16はターン信号スイッチ(ターン信号検出手段)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両前方の画像情報から車両の横変位を
    検出する横変位検出手段と、車線変更に伴って出力され
    るターン信号を検出するターン信号検出手段と、このタ
    ーン信号検出手段で検出されたターン信号に基づいて、
    少なくとも車線変更終了までの間で変化する車両の横変
    位の参照値を参照横変位として設定する参照横変位設定
    手段と、前輪又は後輪を操舵する操舵アクチュエータ
    と、この操舵アクチュエータによって操舵される前輪又
    は後輪の舵角を検出する舵角検出手段と、車両の走行状
    態に関する情報を検出する走行状態情報検出手段と、前
    記横変位検出手段で検出された車両の検出横変位と、前
    記参照横変位設定手段で設定された参照横変位との偏差
    から車両の制御用横変位を算出し、この車両の制御用横
    変位が目標とする横変位になるように前記操舵アクチュ
    エータを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、
    前記ターン信号検出手段で車線変更のためのターン信号
    が検出されてから、所定の時間、前記操舵アクチュエー
    タによって操舵される前輪又は後輪の舵角を、それ以前
    の舵角に保持する舵角保持手段を備えたことを特徴とす
    る車両の自動操舵装置。
  2. 【請求項2】 前記所定の時間を、車両の横変位が定常
    状態となる時間以上に設定したことを特徴とする請求項
    1に記載の車両の自動操舵装置。
  3. 【請求項3】 前記参照横変位設定手段は、前記所定の
    時間が経過したとき又はその直前の検出値を参照横変位
    として設定し、その後、零に漸近することを特徴とする
    請求項1又2に記載の車両の自動操舵装置。
  4. 【請求項4】 前記漸近する参照横変位を正弦関数で設
    定することを特徴とする請求項3に記載の車両の自動操
    舵装置。
  5. 【請求項5】 前記走行状態情報検出手段として車速検
    出手段を備え、前記参照横変位設定手段は、車速が大き
    くなるほど、前記正弦関数の時間に係る角速度を小さく
    設定することを特徴とする請求項4に記載の車両の自動
    操舵装置。
  6. 【請求項6】 前記制御手段は、前記走行状態情報検出
    手段で検出された走行状態情報から少なくとも目標とす
    る車両の横変位を含む車両の状態量を推定する状態量推
    定手段を備えると共に、前記所定時間が経過したとき又
    はその直前に、当該状態量推定手段の非定常な状態量を
    初期化することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに
    記載の車両の自動操舵装置。
  7. 【請求項7】 前記状態量推定手段がカルマンフィルタ
    で構成されることを特徴とする請求項6に記載の車両の
    自動操舵装置。
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