JPH10291561A - 易開封性容器 - Google Patents

易開封性容器

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JPH10291561A
JPH10291561A JP9099444A JP9944497A JPH10291561A JP H10291561 A JPH10291561 A JP H10291561A JP 9099444 A JP9099444 A JP 9099444A JP 9944497 A JP9944497 A JP 9944497A JP H10291561 A JPH10291561 A JP H10291561A
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泰宏 小田
Yasushi Hatano
靖 波多野
Koji Suzuki
浩司 鈴木
Kichiji Maruhashi
吉次 丸橋
Shigeru Ishii
成 石井
Keiji Fukue
啓司 福江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レトルト殺菌等の高温熱処理時にも優れた密
封性能が維持されると共に、熱処理の履歴にかかわら
ず、易剥離性が安定且つ確実に維持されるような易開封
性密封容器を提供するにある。 【解決手段】 プロピレン系重合体を内面材とする積層
体同士がヒートシールされてなる容器において、前記容
器の少なくとも開封開始部を構成する少なくとも一方の
積層体が、プロピレン系重合体の内面材層と隣接する位
置関係で、プロピレン系重合体とガラス転移点が70℃
以上の環状オレフィン系重合体とを90:10乃至4
0:60の重量比で含有するブレンド物の中間層を備え
ていることを特徴とする易開封性容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、易開封性密封容器
に関するもので、より詳細には、容器の中心側からの剥
離強度がレトルト或いはボイルなどの殺菌等による内圧
の増大及び落下衝撃などに耐える程大であり、且つ容器
の外側からの開封が手により確実に且つ安定に行い得る
易開封性密封容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒートシール包装体は、食品包装
等の多くの分野に広く使用されており、特にヒートシー
ル界面で剥離可能なものは、易開封性乃至ピーラブルな
ヒートシール容器としてやはり広く使用されている。
【0003】ピーラブルタイプの容器では、密封性能と
開封性能とは相反する関係にあり、レトルト殺菌時の内
圧の増大に耐えるほどの密封性能とした場合には開封性
能は損なわれてしまう。例えば日本では、ヒートシール
包装体の内、内容物にレトルト殺菌処理を施したもので
は、ヒートシール部のシール強度が2.3kg/15m
m巾以上であることが義務づけられており、容器本体と
蓋とのシール強度がこの値に達すると、もはや両者のヒ
ートシール界面で手による剥離を行うことは困難とな
る。
【0004】この問題を解決するものとして、プラスチ
ックス、第38巻第5号第65頁(1987年)には、
容器本体内面全体にヒートシール性内面材層を設け、そ
して、その内面材層とその内側の層との間を易剥離性シ
ール及び内面材層と蓋とをタイトシールとすると共に、
ヒートシール部よりも中心側にこの内面材層を切断する
スコアを設け、中心側から外方へのヒートシール強度を
2.3kg/15mm巾以上にしながら、外側からの開
封を容易に行えるようにしたヒートシール容器が既に提
案されている。
【0005】また、特開平8−142264号公報に
は、剥離機能を有する容器の内側シール層がポリプロピ
レン、中間層がポリプロピレン系樹脂とポリカーボネー
ト系樹脂とが95重量%:5重量%〜50重量%:50
重量%配合されている樹脂混合物層、外側基材層がポリ
プロピレン系樹脂である少なくとも3層から成る構成を
特徴としたい開封性、密封性良好である高温殺菌可能な
容器用多層シートが記載されている。
【0006】更に、特開平8−20120号公報には、
ポリプロピレン系樹脂より成る最内層(A)、ポリプロ
ピレン20〜90重量%と4−メチルペンテン1樹脂8
0〜10重量%から成る混合物より成る中間層(B)、
及びポリプロピレン系樹脂より成る基材層(C)が順に
積層されており、(A)(B)間の層間剥離強度が0.
2〜2.5kg/15mm(引っ張り速度 300mm
/分)であり、少なくとも3層以上から成ることを特徴
とする積層体が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記提案を見るまでも
なく、プロピレン系重合体に対して、ポリエチレン等の
相溶性の少ない熱可塑性重合体をブレンドして、このブ
レンド層に易剥離性を付与することは古くから知られて
いる。しかしながら、この場合には、両樹脂のブレンド
条件等によってシール強度が変動するだけではなく、温
度等のヒートシール条件によってシール強度が大きく変
動し、更にヒートシール後の容器をレトルト殺菌等の加
熱殺菌に付すると、易開封性能が屡々失われるという不
安定さがあった。即ち、従来公知のピーラブル層は、未
だ耐熱性と易開封性との組み合わせにおいて、未だ十分
満足しうるものではなかった。
【0008】したがって、本発明の目的は、レトルト殺
菌等の高温熱処理時にも優れた密封性能が維持されると
共に、熱処理の履歴にかかわらず、易剥離性が安定且つ
確実に維持されるような易開封性密封容器を提供するに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、プロピ
レン系重合体を内面材とする積層体同士がヒートシール
されてなる容器において、前記容器の少なくとも開封開
始部を構成する少なくとも一方の積層体が、プロピレン
系重合体の内面材層と隣接する位置関係で、プロピレン
系重合体とガラス転移点が70℃以上の環状オレフィン
系重合体とを90:10乃至40:60の重量比で含有
するブレンド物の中間層を備えていることを特徴とする
易開封性容器が提供される。本発明においては、(1)
前記ブレンド物が、プロピレン系重合体が連続相及び環
状オレフィン系重合体が分散相となった海−島状の分散
構造を有すること、(2)前記中間層がブレンド物10
0重量部当たり1乃至20重量部のエチレン・α−オレ
フィン共重合体乃至その酸変性物を相溶化剤として更に
含有するものであること、(3)前記環状オレフィン系
重合体がエチレンとノルボルネン系環状オレフィンを共
重合してなるものであること、(4)前記プロピレン系
重合体の内面材層が弾性率10000kg/cm2 以上
であること、(5)開封開始部を構成する一方の積層体
のプロピレン系重合体の内面材層が10乃至100μm
の厚みを有し、且つ中間層が2乃至50μmでしかも内
面材層の0.1乃至2倍の厚みを有すること、(6)前
記積層体の少なくとも一方がカップ状容器であり、前記
積層体の他方が可撓性蓋材であり、前記開封開始部がカ
ップ状容器のフランジ部に形成されており、該フランジ
部の外方端部乃至その近傍部分には、プロピレン系重合
体の内面材の弱化部乃至は切り取られた部分が存在する
こと、が好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
[作用]本発明の易開封性容器は、プロピレン系重合体
を内面材とする積層体同士がヒートシールされてなる
が、前記容器の少なくとも開封開始部を構成する少なく
とも一方の積層体が、プロピレン系重合体の内面材層と
隣接する位置関係で、プロピレン系重合体とガラス転移
点が70℃以上の環状オレフィン系重合体とを90:1
0乃至40:60の重量比で含有するブレンド物の中間
層を備えていることが特徴である。
【0011】この容器においては、対向する積層体のプ
ロピレン系重合体の内面層同士が互いに剥離力の大きな
タイトシールを形成する一方で、一方の積層体の中間層
を構成するプロピレン系重合体と環状オレフィン系重合
体とのブレンド物がピーラブル層となる。即ち、プロピ
レン系重合体内面層同士のシールにより、容器の中心側
からの剥離あるいは破壊強度が、例えば2.3kg/1
5mm巾以上のように大きくなっていて、レトルト殺菌
等による内圧の増大や落下衝撃などにも耐えることがで
きる。一方、プロピレン系重合体と環状オレフィン系重
合体とのブレンド物中間層が、プロピレン系重合体内面
材層に隣接位置関係で設けられていることにより、開封
開始に際しては、この中間層の部分で剥離が容易に進行
して、手による開封が確実且つ安定に行われる。
【0012】本発明は、プロピレン系重合体とガラス転
移点が70℃以上の環状オレフィン系共重合体とを上記
の特定の量比で含有するブレンド物は、熱的に安定な分
散構造を示し、手による開封を可能にする凝集破壊力、
或いは界面破壊力を安定して示すという知見にも基づく
ものである。
【0013】複数の重合体の相溶性を示す尺度として、
溶解度指数(SP値)が知られている。このSP値は、
凝集エネルギー密度の1/2乗値であって、水素結合の
強さにも関連しており、水素結合の程度が低いほど小さ
い値をとり、水素結合の程度が高いほど大きな値をと
る。本発明でブレンド物中に使用するガラス転移点70
℃以上の環状オレフィン系重合体のSP値は8.0近傍
であり、ポリプロピレンのSP値が7.9であるのに対
して、非常に近接した値を示している。このため、本発
明に用いるプロピレン系重合体と環状オレフィン系重合
体とは、ブレンドが容易であると共に、分散構造も非常
に安定したものとなっている。
【0014】添付図面の図1は、ブレンド層における環
状オレフィン系重合体分散相の粒子構造を示す電子顕微
鏡写真であって、本発明に用いるブレンド物の中間層
は、プロピレン系重合体が連続相及び環状オレフィン系
重合体が分散相となった海−島状の分散構造を有するこ
とが明らかである。このような海−島状の分散構造は、
形態的にも安定なものであり、しかも分散相となった環
状オレフィン系重合体が高いガラス転移点を有するた
め、熱処理を受けた後にも、手による開封を可能にする
凝集破壊力、或いは界面破壊力が安定して得られるもの
である。
【0015】従来、プロピレン系重合体に相溶性の少な
い他の熱可塑性重合体をブレンドして、容器のシーラン
ト層を形成させることにより、易剥離性を付与する場
合、両樹脂のブレンド条件等によってシール強度が変動
するだけではなく、温度等のヒートシール条件によって
シール強度が大きく変動し、更にヒートシール後の容器
をレトルト殺菌等の加熱殺菌に付すると、易開封性能が
屡々失われるという不安定さがあったことは、既に指摘
したとおりであるが、本発明のブレンド物においては、
上記の分散構造及び分散相のガラス転移点が高いことが
易開封性の熱的安定性に寄与しているわけである。
【0016】本発明においては、プロピレン系重合体と
環状オレフィン系重合体とを前記量比で用いることも重
要である。即ち、環状オレフィン系重合体の量が上記範
囲よりも少ない場合には、中間層での手による剥離が困
難となる傾向があり、一方プロピレン系重合体の量が上
記範囲よりも少ない場合には、レトルト等の熱処理の際
の密封破壊を防止することが困難となる傾向がある。
【0017】本発明に用いる中間層には、ブレンド物1
00重量部当たり1乃至20重量部のエチレン・α−オ
レフィン共重合体乃至その酸変性物を相溶化剤として更
に含有させることが望ましい。この相溶化剤は、プロピ
レン系重合体と環状オレフィン系重合体との分散状態を
安定化させ、易開封性を一層安定化させ、開封感を改善
させるのに役立つ。
【0018】また、ブレンド物中間層に隣接するプロピ
レン系重合体の内面材層は弾性率10000kg/cm
2 以上であることが好ましく、このように伸びの少ない
プロピレン系重合体層は、開封終期におけるプロピレン
系重合体層の破断が容易で、やはり開封感の改善に役立
つ。
【0019】更に、密封信頼性と易開封性とのバランス
の点で、内面材層とブレンド物中間層との厚みには一定
の好適な範囲がある。即ち、開封開始部を構成する一方
の積層体のプロピレン系重合体の内面材層が10乃至1
00μmの厚みを有し、且つ中間層が2乃至50μmで
しかも内面材層の0.1乃至2倍の厚みを有することが
好ましい。即ち、内面材層の厚みが上記範囲を下回ると
密封信頼性が低下し、一方上記範囲を上回ると易開封性
が低下する傾向がある。また、中間層の厚みが上記範囲
を上回ると密封信頼性が低下し、一方上記範囲を下回る
と易開封性が低下する傾向がある。
【0020】本発明は、前記積層体の一方がカップ状容
器であり、前記積層体の他方が可撓性蓋材である場合に
特に有用である。この場合、前記開封開始部がカップ状
容器のフランジ部に形成されており、該フランジ部の外
方端部乃至その近傍部分には、プロピレン系重合体の内
面材の弱化部乃至は切り取られた部分が存在するのがよ
く、これにより、開封に際して、内面材の弱化部乃至は
切り取られた部分から中間層での剥離を容易に行うこと
ができる。
【0021】[容器の構造の概略]本発明の易開封性容
器の一例の剥離開始部近傍を示す図2において、この容
器は、第一の積層体1と第二の積層体2とから形成され
る。第一の積層体1はプロピレン系重合体の内面材層3
を備えており、第二の積層体2もプロピレン系重合体の
内面材層4を備えていて、これらのプロピレン系重合体
の内面材層同士がヒートシールされることにより、密封
容器を形成している。第一の積層体1では、プロピレン
系重合体内面材層3に近接して、プロピレン系重合体と
環状オレフィン系重合体とのブレンド物から成る中間層
5が設けられている。
【0022】容器のヒートシール部6においては、プロ
ピレン系重合体内面材層3、4がヒートシールにより一
体化しており、一方容器の内容物収容部7においては、
プロピレン系重合体内面材層3、4は互いに離隔してい
る。また、ヒートシール部6の外方端部に近接して開封
開始部8には、プロピレン系重合体内面材層3に切り欠
き或いは弱化部が形成されている。ヒートシール部乃至
その近傍に設ける弱化部としては、例えば、後述する段
差加工により形成される薄肉部の他に多数の傷痕または
凹凸を形成させたもの、レーザー加工部などがある。
【0023】レトルト殺菌等に際して、容器内部7で発
生する圧力は第一及び第二の積層体1、2を剥離させる
ように作用するが、この剥離力は結局のところプロピレ
ン系重合体内面材層同士のシール部エッジ9に加わるた
め、剥離は防止される。一方、開封に際しては、ヒート
シール部6の外方端部を把持して剥離力を加えることに
より、前述した切り欠き部乃至弱化部8を介して、中間
層5で引き剥がしが行われ、開封が進行する。開封の終
期の段階では、第一の積層体のプロピレン系重合体内面
材層3が破断して、開封操作が終了する。この内面材層
3の破断を確実とするために、ヒートシール部6より容
器内方部に切り欠き或いは弱化部を設けることもある。
【0024】本発明の易開封性容器の他の例の剥離開始
部近傍を示す図3において、この容器では、第一の積層
体1がフランジ付カップ容器であり、第二の積層体2が
可撓性蓋材であって、プロピレン系重合体内面材層3、
4及びブレンド物の中間層5を備えていることは、図2
の場合と同様である。
【0025】図3のカップ容器の断面層構成を示す図4
において、この容器1は、外面側から内面側に向けて、
耐湿性の外面保護樹脂層11、接着剤層12a、ガスバ
リアー層13、接着剤層12b、プロピレン系重合体中
間層14、プロピレン系重合体と環状オレフィン系重合
体とのブレンド物から成る中間層5及びプロピレン系重
合体内面材層3から成る積層体から成っている。
【0026】図3の可撓性蓋材の断面層構成を示す図5
において、この蓋材2は、耐湿性の外面保護樹脂層1
5、接着剤層16a、ガスバリアー層17、接着剤層1
6b及びプロピレン系重合体内面材層4から成る積層体
から成っている。
【0027】再び図3に戻って、カップ状容器1は、フ
ランジ20を有しており、このフランジ20の上面には
内側段差部21及び外側段差部22を介して高さの高い
ヒートシール面23が形成されている。上記の内側段差
部21は、その断面が涙滴型の外向き突起となるように
形成されている。カップ状容器のフランジ部ヒートシー
ル面23と可撓性蓋材2とのヒートシールは、前記内側
段差部21から距離dだけ外方に離れた位置24から、
涙滴型突起(外方段差部)22迄の間で行われるが、容
器本体1のプロピレン系重合体内面材層3は前記突起の
部分では薄肉化乃至は切り欠かれている(欠落してい
る)。また、可撓性蓋材2は前記突起部21よりも外方
に延びていて、剥離用タブ25となっている。
【0028】この構造では、ヒートシール部の内側段差
部21からヒートシール部の内側エッジ24迄の間で、
十分な距離にわたって、プロピレン系重合体内面材層3
がブレンド物中間層5によって保持されるので、ヒート
シール部の内側エッジ24に応力が作用した場合にも、
プロピレン系重合体内面材層3の剥離が防止される。一
方、蓋材1の剥離用タブ25を把持して上方に引き上げ
ると、突起部21の部分でブレンド物中間層5に切れ目
が入ると共に、ピールが進行し、前記内側段差部21の
部分で、プロピレン系重合体内面材層3が破断して、開
封操作が終了する。このような段差部すなわち弱化部は
ヒートシールフランジの全周に渡って設けてもよいし、
開封開始部だけであってもよい。
【0029】[ブレンド物]本発明では、プロピレン系
重合体と環状オレフィン系重合体とをブレンドして、プ
ロピレン系重合体内面材層に隣接する中間層として用い
る。以下このブレンド物の組成について説明する。
【0030】(I)環状オレフィン系重合体 本発明で用いる環状オレフィン系重合体としては、後で
例示するエチレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する
脂環族炭化水素化合物、いわゆるノルボルネン系モノマ
ーを、公知の開環重合法により重合し、水素添加して得
られる飽和重合体を挙げることができる。また、後述す
るようにオレフィンと環状オレフィンとの共重合体を用
いることができる。本発明で用いるこれらの重合体は、
70℃以上のガラス転移点を有する。オレフィンと環状
オレフィンとの非晶質乃至低結晶性共重合体(COC)
が誘導されるオレフィンとしては、エチレンが好適であ
るが、他にプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1
ーヘキセン、1−オクテン、3ーメチル1−ペンテン、
1−デセン等の炭素数3乃至20のα−オレフィンが、
単独或いはエチレンとの組み合わせで使用される。
【0031】環状オレフィンとしては、基本的には、エ
チレン系不飽和結合とビシクロ環とを有する脂環族炭化
水素化合物、特にビシクロ[2、2、1]ヘプト−2−
エン骨格を有する炭化水素化合物であり、具体的には次
のものが挙げられるが、勿論これに限定されるものでは
ない。
【0032】ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン
誘導体;特に、 ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5,6−ジメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン 1−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 6−n−ブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 6−イソブチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 7−メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン。
【0033】トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−
デセン誘導体;特に、 トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デセン 2−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン 5−メチルトリシクロ[4.3.0.12.5]−3−デ
セン。
【0034】トリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−
ウンデセン誘導体;特に、 トリシクロ[4.3.0.12.5]−3−ウンデセン 10−メチルトリシクロ[4.4.0.12.5 ]−3−
ウンデセン。
【0035】テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン誘導体。特に、 テトラシクロ[4.4.0.12.5 .17.10]−3−ド
デセン 8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−プロピルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−ブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−イソブチルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−ヘキシルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−シクロヘキシルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−ステアリルテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 5,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,10−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8,9−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−3−ドデセン 8−エチル−9−メチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 11,12−ジメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,7,9−トリメチルテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 2,7−ジメチル−9−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9−イソブチル−2,7−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 9,11,12−トリメチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 9−エチル−11,12−ジメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 9−イソブチル−11,12−ジメチルテトラシクロ
[4.4.0.12.5.17.10]−3−ドデセン 5,8,9,10−テトラメチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17. 10]−3−ドデセン 8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−メチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−エチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−イソプロピルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−エチリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ
[4.4.0.12. 5 .17.10]−3−ドデセン 8−n−プロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデンテトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−メチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−エチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−イソプロピルテトラシクロ
[4.4.0.12. 5 .17.10]−3−ドデセン 8−イソプロピリデン−9−ブチルテトラシクロ[4.
4.0.12.5 .1 7.10]−3−ドデセン。
【0036】ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .0
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13
−4−ペンタデセン 1,3−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン 1,6−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.13.6
2.7 .09.13]−4−ペンタデセン 14,15−ジメチルペンタシクロ[6.5.1.1
3.6 .02.7 .09.13]−4−ペンタデセン。
【0037】ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ペンタデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[7.4.0.12.5 .19.12.08.13
−3−ペンタデセン メチル置換ペンタシクロ[7.4.0.12.5
9.12.08.13]−3−ペンタデセン。
【0038】ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .0
2.7 .09.13]−4,10−ペンタデカジエン誘導体。
特に、 ペンタシクロ[6.5.1.13.6 .02.7 .09.13
−4,10−ペンタデカジエン。
【0039】ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .19.12.08.13
−3−ヘキサデセン 11−メチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン 11−エチル−ペンタシクロ[8.4.0.12.5 .1
9.12.08.13]−3−ヘキサデセン 10,11−ジメチル−ペンタシクロ[8.4.0.1
2.5 .19.12.08. 13]−3−ヘキサデセン。
【0040】ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .0
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン誘導体。特に、 ペンタシクロ[6.6.1.13.6 .02.7 .09.14
−4−ヘキサデセン 1,3−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン 1,6−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.13.6
2.7 .09.14]−4−ヘキサデセン 15,16−ジメチルペンタシクロ[6.6.1.1
3.6 .02.7 .09.14]−4−ヘキサデセン。
【0041】ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン誘導体。
特に、 ヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .110.13
2.7 .09.14]−4−ヘプタデセン 12−メチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09. 14]−4−ヘプタデセン 12−エチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6 .1
10.13 .02.7 .09. 14]−4−ヘプタデセン 12−イソブチルヘキサシクロ[6.6.1.13.6
10.13 .02.7 .09.14]−4−ヘプタデセン 1,6,10−トリメチル−12−イソブチルヘキサシ
クロ[6.6.1.13.6 .110.13 .02.7
9.14]−4−ヘプタデセン。
【0042】ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .1
4.7 .111.17 .03.8 .012.16 ]−5−エイコセン
誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.7.0.12.9 .14.7
11.17 .03.8 .012.16]−5−エイコセン。
【0043】ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .02.7 .011.16]−4−エイコセ
ン誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .110.17 .1
12.15 .02.7 .011.1 6 ]−4−エイコセン ジメチル置換ヘプタシクロ[8.7.0.13.6 .1
10.17 .112.15 .0 2.7 .011.16 ]−4−エイコセ
ン。
【0044】ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイコ
セン誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7
11.18 .03.8 .012.17]−5−ヘンエイコセン。
【0045】ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17]−5−ヘンエイ
コセン誘導体。特に、 ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .111.18 .1
13.16 .03.8 .012.1 7 ]−5−ヘンエイコセン 15−メチル−ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン トリメチル置換ヘプタシクロ[8.8.0.14.7 .1
11.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−ヘンエイ
コセン。
【0046】オクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .113.16 .03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン誘導体。特に、 オクタシクロ[8.8.0.12.9 .14.7
11.18 .113.16 .03.8.012.17 ]−5−ドコセ
ン 15−メチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .113 .16 .03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン 15−エチルオクタシクロ[8.8.0.12.9 .1
4.7 .111.18 .013 .16 .03.8 .012.17 ]−5−
ドコセン。
【0047】ノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02.10 .03.8.012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン誘導体。特に、 ノナシクロ[10.9.1.14.7 .113.20 .1
15.18 .02.10 .03.8 .012.21 .014.19 ]−5−
ペンタコセン ドリメチル置換ノナシクロ[10.9.1.14.7 .1
13.20 .115.18 .02.10 .03.8 .012.21 .0
14.19 ]−5−ペンタコセン。
【0048】ノナシクロ[10.10.1.15.8 .1
14.21 .116.19 .02.11 .04.9 .013.22 .0
15.20 ]−6−ヘキサコセン誘導体。特に、 ノナシクロ[10.10.1.15.8 .114.21 .1
16.19 .02.11 .04 .9 .013.22 .015.20 ]−6
−ヘキサコセン。
【0049】環状オレフィンの他の例として、次のもの
を挙げることもできる。 5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 5−メチル−5−フェニル[2.2.1]ヘプト−2−
エン 5−ベンジル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エ
ン 5−トリル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン 5−(エチルフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン 5−(イソプロピルフェニル)−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン 5−(ビフェニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン 5−(β−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−(α−ナフチル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン 5−(アントラセニル)−ビシクロ[2.2.1]ヘプ
ト−2−エン 5,6−ジフェニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物 1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフ
ルオレン 1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘ
キサヒドロアントラセン 8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−メチル−8−フェニル−テトラシクロ[4.4.
0.12.5 .17.10]−3−ドデセン 8−ベンジル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−トリル−テトラシクロ[4.4.0.12.5 .1
7.10 ]−3−ドデセン 8−(エチルフェニル)−テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(イソプロピルフェニル)−テトラシクロ[4.
4.0.12.5 .17. 10 ]−3−ドデセン 8,9−ジフェニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(ビフェニル)テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(β−ナフチル)テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(αナフチル)−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン 8−(アントラセニル)−テトラシクロ[4.4.0.
2.5 .17.10 ]−3−ドデセン (シクロペンタジエン−アセナフチレン付加物)にシク
ロペンタジエンをさらに付加した化合物 11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.5.1.1
3.6 .02.7 .09.13 ]−4−ペンタデセン 11,12−ベンゾ−ペンタシクロ[6.6.1.1
3.6 .02.7 .09.14 ]−4−ヘキサデセン 11−フェニル−ヘキサシクロ[6.6.1.13.6
10.13 .02.7 .09.14 ]−4−ヘプタデセン 14,15−ベンゾ−ヘプタシクロ[8.7.0.1
2.9 .14.7 .111.1 7 .03.8 .012.16 −5−エイ
コセン]。
【0050】この共重合体(COC)は、50乃至22
モル%、特に40乃至22モル%の環状オレフィンと残
余のエチレンとから誘導され且つ70℃以上で、200
℃以下、特に100℃以上、150℃以下のガラス転移
点(Tg)を有するのがよい。
【0051】この共重合体の分子量は、特に制限はない
が、デカリン中135℃で測定して、0.1乃至5dl
/gの極限粘度[η]を有するのがよく、また、その結
晶化度は、X線回折法で測定して、一般に10%以下、
特に5%以下である。
【0052】上記共重合体(COC)は、オレフィンと
環状オレフィンとを、それ自体公知のバナジウム系触媒
或いはメタロセン系触媒の存在下にランダム重合させる
ことにより得られる。
【0053】好適な共重合体(COC)は、三井石油化
学株式会社から、APELの商品名で入手しうる。エチ
レンとノルボルネンとの共重合体が特に好適なものであ
る。
【0054】(II)プロピレン系重合体 プロピレン系重合体としては、プロピレンを主体とし且
つ結晶性のものである限り、プロピレンの単独重合体で
も共重合体でも使用することができ、これらは、アイソ
タクティック構造のものでも、シンジオタクティック構
造のものでもよい。
【0055】プロピレン共重合体としては、プロピレン
を主体とし、且つ他のオレフィン類、例えばエチレン
や、1−ブテン、1−ペンテン、1ーヘキセン、1−オ
クテン、3ーメチル1−ペンテン、1−デセン等の炭素
数4乃至20のα−オレフィンを含む共重合体が使用さ
れる。共重合体中のプロピレン単位の含有量は、85乃
至99重量%、特に90乃至98重量%が適当である。
これらのプロピレン共重合体は、ランダム共重合体で
も、ブロック共重合体でもよい。
【0056】本発明に用いる結晶性プロピレン系重合体
は、一般に140乃至165℃の融点(示差熱分析によ
るピーク融点)を有するのがヒートシール強度と耐熱性
や機械的性質更には加工性の点でよく、一方成形性や機
械的性質の点では、メルト・フロー・レート(JIS
K7210)は230℃下において0.3乃至10g/
10minの範囲にあるのがよい。
【0057】本発明において、用いるプロピレン系重合
体の具体的な種類は、要求される特性によって、種々選
択し或いは更に組み合わせることができる。例えば、高
度の機械的特性や耐熱性が要求される場合には、ホモポ
リプロピレンが使用され、また、低温シール性が要求さ
れるときには、ランダムのプロピレン共重合体や、ブロ
ックのプロピレン共重合体を使用するのが推奨される。
勿論、これらのプロピレン系重合体は、単独で使用する
場合に限定されず、2種以上のプロピレン系重合体をブ
レンド物の形で使用できることも了解されるべきであ
る。
【0058】(III) エチレン・α−オレフィン共重合
体 本発明において、中間層に用いるブレンド物には、エチ
レン・α−オレフィン共重合体乃至はその酸変性物を相
溶化剤として含有させることができる。エチレン系重合
体としては、密度が0.86乃至0.96g/cm3
エチレンの単独重合体でも、エチレンの共重合体でも使
用することができる。具体的には、低−或いは中−密度
のポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDP
E)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテ
ン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共
重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、イオン架橋オ
レフィン共重合体(アイオノマー)、エチレン−アクリ
ル酸エステル共重合体或いはこれらのブレンド物等が挙
げられる。
【0059】好適なエチレン系重合体として、低密度ポ
リエチレンや線状低密度ポリエチレンを挙げることがで
き、機械的特性及び相溶化剤としての効果の点では、後
者、即ちエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂が最も
好ましい。
【0060】上記共重合体樹脂において、エチレンと共
重合されるα−オレフィンとしては、特にC数が3乃至
8のα−オレフィン、具体的にはプロピレン、ブテン−
1、ペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、4−
メチル−1−ペンテン等が使用され、エチレン含有量は
5乃至99重量%、特に10乃至96重量%の範囲にあ
る。このエチレン含有量が上記範囲よりも多くなると、
相溶性の増大効果が望めなく、また少ない場合には耐熱
性や作業性が低下し、更にコストの面でも不利となる。
【0061】またこの共重合体樹脂は、エチレン含有量
が上記範囲にあることに関連して、密度(JIS K6
760)が0.86乃至0.95g/cm3 、特に0.
87乃至0.92g/cm3 の範囲にある。更に、上述
したエチレン・α−オレフィン共重合体樹脂の内でも、
作業性等の見地からメルトフローレート(ASTM D
1238)が0.5乃至20g/cm3 の範囲にある
ものが好適に使用される。
【0062】このエチレン・α−オレフィン共重合体
は、所謂線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、線状
超低密度ポリエチレン(LVLDPE)でもよく、また
非晶質乃至低結晶性のエチレン・α−オレフィン共重合
体、例えばエチレン・ブテン−1共重合体であってもよ
い。
【0063】本発明で相溶化剤として使用するエチレン
・α−オレフィン共重合体は、エチレン系不飽和カルボ
ン酸乃至その無水物で酸変成されていてもよい。不飽和
カルボン酸またはこれらの誘導体としては、具体的に
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸
等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ〔2,2,
1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽
和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水
シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β不
飽和カルボン酸無水物、ビシクロ〔2,2,1〕ヘプト
−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カ
ルボン酸の無水物、アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フ
マール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸
ジエチル、テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシク
ロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボ
ン酸ジメチル等の不飽和カルボン酸のエステル等を例示
することができるが、これらの中でも、マレイン酸、ビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプト−2−エン−5,6−ジカ
ルボン酸また合体は、エチレン系不飽和カルボン酸乃至
その無水物で酸変成されていてもよい。グラフトとされ
たエチレン系不飽和カルボン酸乃至その無水物の量は、
0.1乃至20重量%の範囲が適当である。
【0064】(IV)ブレンド物 本発明では、プロピレン系重合体と環状オレフィン系共
重合体とを90:10乃至40:60、特に80:20
乃至40:60の重量比でブレンドする。また、エチレ
ン・α−オレフィン共重合体乃至その酸変性物から成る
相溶化剤を使用する場合には、ブレンド物100重量部
当たり、1乃至20重量部の量で配合する。
【0065】プロピレン系重合体と環状オレフィン系重
合体とは、溶融粘度が近接したものを用いることが、ブ
レンドを容易に行い、安定した分散構造を形成させるた
めに好適である。下記式(1) RV =ηC /ηP ‥(1) 式中、ηC は温度245℃及び剪断速度100sec-1
で測定した環状オレフィン系重合体の溶融粘度であり、
ηP は上記条件で測定したプロピレン系重合体の溶融粘
度である、で定義される溶融粘度比(RV )が3乃至
0.3、特に2乃至0.5の範囲にあるのがよい。
【0066】プロピレン系重合体、環状オレフィン系重
合体、或いは更にエチレン・α−オレフィン共重合体の
ブレンドは、所謂ドライブレンドで行っても、メルトブ
レンドで行ってもよい。即ち、この組み合わせでは、樹
脂同士の相互分散性に優れているので、ドライブレンド
でもかなり良好な分散状態とすることができる。ドライ
ブレンドでは、配合する樹脂を、ヘンシェルミキサー、
ホモミキサー、コニカルブレンダー等のミキサーで混合
し、押出機のホッパーに供給すればよい。一方、ドライ
ブレンドでは、一軸或いは二軸の押出機、バンバリーミ
キサー、ニーダー等で上記樹脂を溶融混練する。溶融混
練の温度は220乃至270℃の範囲が適当である。
【0067】[容器の構成及び製造]本発明において、
易剥離性容器は、前述したプロピレン系重合体の内面材
層及びプロピレン系重合体と環状オレフィン系重合体と
のブレンド物から成る中間層を備えているという条件を
満足する限り、任意の素材で形成されていてもよい。
【0068】例えば、図3に示す容器の場合、容器本体
及び蓋はそれ自体公知の任意の容器形成素材、例えば樹
脂、金属、紙、ガラス、セラミック等の積層体から形成
されていることができる。
【0069】好適な容器形成用の積層体は、少なくとも
ガスバリアー性の中間層を含むものであり、ガスバリア
ー性の中間層としては、金属箔やガスバリアー性樹脂が
使用される。
【0070】ガスバリヤー性樹脂としては、20℃及び
0%RHでの酸素透過係数が10-6cc・cm/cm2 ・sec・cmH
g 以下で且つ熱成形可能な熱可塑性樹脂が使用される。
ガスバリヤー性樹脂の最も適当な例としては、エチレン
−ビニルアルコール共重合体を挙げることができ、例え
ば、エチレン含有量が20乃至60モル%、特に25乃
至50モル%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体を、
ケン化度が96モル%以上、特に99モル%以上となる
ようにケン化して得られる共重合体ケン化物が使用され
る。このエチレンビニルアルコール共重合体ケン化物
は、フイルムを形成し得るに足る分子量を有するべきで
あり、一般に、フエノール:水の重量比で85:15の
混合溶媒中30℃で測定して0.01dL/g以上、特
に0.050.05dL/g以上の粘度を有することが望ま
しい。また、前記特性を有するガスバリヤー性樹脂の他
の例としては、炭素数100個当りのアミド基の数が5
乃至50個、特に6乃至20個の範囲にあるポリアミド
類;例えばナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6/
6,6共重合体、メタキシリレンアジパミド、ナイロン
6,10、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン13
等が使用される。これらのポリアミドもフイルムを形成
するに足る分子量を有するべきであり、濃硫酸中1.0g/d
L の濃度で且つ30℃の温度で測定した相対粘度〔ηre
l 〕が1.1 以上、特に1.5 以上であることが望ましい。
また塩化ビニリデン系共重合樹脂、ハイニトリル樹脂、
ガスバリヤー性ポリエステル樹脂のようなガスバリヤー
性樹脂を用いることもできる。ガスバリヤー性樹脂層
は、容器内に許容される酸素量によっても相違するが、
一般に5乃至200μm、特に10乃至120μmの厚
みを有することが望ましい。
【0071】金属箔としては、各種表面処理鋼箔或いは
アルミニウム等の軽金属箔が使用される。表面処理鋼箔
としては、冷圧延鋼板を焼鈍後二次冷間圧延し、錫メッ
キ、ニッケルメッキ、電解クロム酸処理、クロム酸処理
等の表面処理の一種叉は二種以上行なったものを用いる
ことができる。
【0072】好適な表面処理鋼箔の一例は、電解クロム
酸処理鋼箔であり、特に10乃至200mg/m2 の金
属クロム層と1乃至50mg/m2 (金属クロム換算)
のクロム酸化物層とを備えたものであり、このものは樹
脂密着性と耐腐食性との組み合わせに優れている。表面
処理鋼板乃至箔の他の例は、0.5乃至11.2g/m
2 の錫メッキ量を有する軟質或いは硬質のブリキ板乃至
箔である。このブリキ板乃至箔は金属クロム換算で0.
5乃至100mg/m2 のクロム酸叉はクロム酸/リン
酸処理が行われていることが望ましい。
【0073】軽金属箔としては、所謂純アルミニウム板
乃至箔の他にアルミニウム合金板乃至箔が使用される。
耐腐食性と加工性との点で優れたアルミニウム合金は、
Mn:0.2乃至1.5重量%、Mg:0.8乃至5重
量%、Zn:0.25乃至0.3重量%、Cu:0.1
5乃至0.25重量%、残部がAlの組成を有するもの
である。これらの軽金属箔も、金属クロム換算で、クロ
ム量が3乃至300mg/m2 となるようなクロム酸処
理或いはクロム酸/リン酸処理が行われていることが望
ましい。
【0074】金属箔の場合、その厚みは5乃至150μ
mの範囲にあるのがよい。
【0075】ガスバリアー性中間層の外面側には、外面
保護樹脂層を施すのがよく、この保護樹脂層の形成は、
保護塗料を設けることにより、或いは熱可塑性樹脂フィ
ルムをラミネートすることにより行われる。
【0076】金属箔に施す保護塗料としては、熱硬化性
及び熱可塑性樹脂からなる任意の保護塗料:例えばフェ
ノール−エポキシ塗料、アミノ−エポキシ塗料等の変性
エポキシ塗料:例えば塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、塩
化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エポ
キシ変性−、エポキシアミノ変性或はエポキシフェノー
ル変性−ビニル塗料等のビニルまたは変性ビニル塗料:
アクリル樹脂系塗料:スチレン−ブタジエン系共重合体
等の合成ゴム系塗料等の単独または2種以上の組合せが
使用される。 これらの塗料は、エナメル或はラッカー
等の有機溶媒溶液の形で、或は水性分散液または水溶液
の形で、ローラ塗装、スプレー塗装、浸漬塗装、静電塗
装、電気泳動塗装等の形で金属素材に施す。勿論、前記
樹脂塗料が熱硬化性の場合には、必要により塗料を焼付
ける。保護塗膜は、耐腐食性と加工性との見地から、一
般に2乃至30μm、特に3乃至20μmの厚み(乾燥
状態)を有することが望ましい。また、加工性を向上さ
せるために、塗膜中に、各種滑剤を含有させておくこと
ができる。
【0077】また、金属箔やガスバリアー性樹脂とのラ
ミネートに用いる熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重
合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アク
リルエステル共重合体、アイオノマー等のオレフィン系
樹脂フィルム:ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート、エチレンテレフタレート/イソフ
タレート共重合体等のポリエステルフィルム:ナイロン
6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等の
ポリアミドフィルム:ポリ塩化ビニルフィルム:ポリ塩
化ビニリデンフィルム等を挙げることができる。これら
のフィルムは未延伸のものでも、一軸或いは二軸延伸の
ものでもよい。その厚みは、一般に3乃至50μm、特
に5乃至40μmの範囲にあることが望ましい。
【0078】フィルムの金属箔或いはガスバリアー性樹
脂への積層は、熱融着法、ドライラミネーション、押出
コート法、共押出法等により行われ、フィルムと金属箔
或いはガスバリアー性樹脂との間に接着性(熱融着性)
が乏しい場合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ
系接着剤、酸変性オレフィン樹脂系接着剤、コポリアミ
ド系接着剤、コポリエステル系接着剤を介在させること
ができる。
【0079】プロピレン系重合体の内面材層としては、
ブレンド物について述べたのと同様なプロピレン系重合
体が単独或いは2種類以上の組み合わせで使用される。
勿論、内面材層用のプロピレン系重合体は、ブレンド物
に用いるプロピレン系重合体と同一のものであってもよ
いし、異なるものであってもよい。
【0080】プロピレン系重合体内面材層とブレンド物
層とを有する積層体を製造するには、(A)プロピレン
系重合体内面材層/(B)ブレンド物中間層/(C)貼
り合わせのためのプロピレン系重合体層から成る2種3
層の積層体(イ)を、例えば共押出法で予め積層して製
造しておくと、積層操作が便利である。一方、(D)貼
り合わせのためのプロピレン系重合体層/(E)接着剤
層/(F)ガスバリアー層/(G)接着剤層/(H)外
面保護樹脂の積層体(ロ)を、前述した方法で製造し、
積層体(イ)のプロピレン系重合体層(C)と積層体
(ロ)のプロピレン系重合体層(D)との間に、プロピ
レン系重合体を溶融押出して、サンドイッチラミネーシ
ョンを行うことにより、容器形成用の積層体が得られ
る。
【0081】勿論、ガスバリアー層がガスバリアー性樹
脂である場合には、共押出法で、(A)プロピレン系重
合体内面材層/(B)ブレンド物中間層/(C)プロピ
レン系重合体層/(E)接着剤層/(F)ガスバリアー
樹脂層/(G)接着剤層/(H)外面保護熱可塑性樹脂
層の積層体を一挙に製造することもできる。
【0082】カップ状容器の製造は、ダイスとポンチと
を使用する絞り成形や、積層体が全て樹脂からなる場合
には、真空成形、圧空成形、プラグアシスト成形、コン
プレッション成形等で成形することができる。
【0083】以上、本発明をカップ状容器と蓋とからな
る密封容器について説明したが、本発明は、二片のパウ
チ構成素材をその周囲においてヒートシールによって密
封してなる容器にも適用することができる。
【0084】
【実施例】本発明を次の例で説明する。
【0085】以下の実施例及び比較例で、ブレンド物か
らなる中間層に用いたプロピレン系重合体、環状オレフ
ィン系重合体及びエチレン・α−オレフィン共重合体を
表1に示す。また、環状オレフィン系重合体の示差走査
熱量測定(DSC)によるガラス転移点(Tg)を表1
に併せて示した。なお、これらの樹脂はあらかじめ所定
の重量比でドライブレンドしたものを二軸押出機で溶融
混練してペレット化し、中間層形成用の原料として用い
た。
【0086】
【表1】
【0087】また、実施例及び比較例で内面材層に用い
たプロピレン系重合体を表2に示す。
【0088】
【表2】
【0089】更に、実施例及び比較例における評価は下
記の方法で行った。
【0090】[開封感] 水を充填した密封容器に13
0℃−30分のレトルト殺菌を施した後、常温における
容器の開封感を10人のパネラーにより2段階で評価
し、10点満点として合計点を評価した。評価基準は以
下のようにした。 0点: 開封できなかった。または、固く開けづらかっ
た。 1点: 内面材層がヒートシール部の周縁に沿ってきれ
いに引き裂け、容易になめらかに開封できた。
【0091】[高温加圧試験] 空の密封容器を130
℃に加熱した乾熱オーブンに入れ、容器のフランジ部が
130℃になった段階で、容器内に100ml/分の流
速で空気を注入して0.1kg/cm2 まで加圧し、3
分間保持して密封が損なわれたかどうかを評価した。各
条件のサンプルは10個づつ評価し、10点満点として
破損しなかったものの個数を評価した。
【0092】実施例1〜15および比較例1、2 多層フィルム製膜機を用い、表1および表2に示した樹
脂を用いて、内面材層/中間層(ブレンド物)/PP1
層からなる3種3層フィルムを、25μm/5μm/2
5μmの厚み構成で17種類作製した。これらフィルム
を、ポリプロピレン(PP)/接着剤/エチレン・ビニ
ルアルコール共重合体(EVOH)/接着剤/PPの層
構成からなる3種5層の多層シートに、PP1層をラミ
ネート面としてサンドイッチラミネーション法によりラ
ミネートした。このようにして得られた多層シートを、
内面材層が内面となるように、圧空真空成形機でヒート
シール用フランジを有し、かつ、図1に示す開封開始部
を有する、口径75mm、高さ35mm、内容量95m
lのカップ状容器を成形した。また、外面より15μm
の二軸延伸ナイロンフィルム、15μmの二軸延伸EV
OHフィルム、70μmのキャストPPフィルムからな
る蓋材をウレタン系の接着剤でドライラミネートして作
製した。この蓋材を用いて前記したカップ状容器をヒー
トシールして密封した。このようにして作製した容器の
熱処理後の開封感と高温加圧試験の結果を表3に示す。
【0093】
【表3】
【0094】実施例16、17 多層シート成形機を用い、内面材層/中間層(ブレンド
物)/PP/接着剤/EVOH/接着剤/PPからなる
5種7層の多層シートを、30μm/10μm/450
μm/10μm/50μm/10μm/440μmの厚
み構成比で共押出成形して、カップ状容器成形用のシー
トを作製した他は、実施例3および実施例8と同様にし
て密封容器を得た。この容器の熱処理後の開封感と高温
加圧試験の結果を表4に示す。
【0095】
【表4】
【0096】実施例18 実施例3で製膜した3種3層の多層フィルムの厚み構成
を、内面材層より20μm/5μm/50μmとしたフ
ィルムを作製した。このとき、内面材層と反対の面にコ
ロナ放電処理を施した。このフィルムを内面材として、
コロナ処理面側に、外面より15μmの二軸延伸ナイロ
ンフィルム、15μmのEVOHフィルムをウレタン系
の接着剤でドライラミネートして蓋材を得た。次に、こ
の蓋材の内面の開封開始部となる部分に深さ20μm程
の微小傷痕を多数刻切した。この後、PP/接着剤/E
VOH/接着剤/PPからなる3種5層シートから実施
例2と同様のカップ状容器を成形し、前記した蓋材を用
いてヒートシールにより密封した。この容器の熱処理後
の開封感と高温加圧試験の結果を表5に示す。
【0097】実施例19 実施例18で作製した3種3層の多層フィルムを内面材
として、コロナ処理面側に、外面より12μmの二軸延
伸ポリエチレンテレフタレートフィルム、15μmの二
軸延伸ナイロンフィルム、7μmのアルミニューム箔を
ウレタン系の接着剤でドライラミネートして積層フィル
ムを得た。次に、この積層フィルムの内面の開封開始部
となる部分に深さ20μm程の微小傷痕を多数刻切し
た。また、60μmのキャストPPフィルムを内面材と
して同様な積層フィルムを作製し、前記した積層フィル
ムとヒートシールして、密封した4方ヒートシールパウ
チを作製した。このパウチの熱処理後の開封感と高温加
圧試験の結果を表5に示す。
【0098】
【表5】
【0099】中間層の組成がPP1/COC3(40/
60)の実施例7と、PP1/COC3(30/70)
の比較例1とでは、高温耐圧試験で大きな差が見られ
た。そこで、中間層の相構造を走査型電子顕微鏡で調べ
た。その結果、中間層は海島構造を形成しており、実施
例7ではプロピレン系重合体(PP1)相が海、環状オ
レフィン系共重合体(COC3)相が島となっており、
比較例1では逆に環状オレフィン系共重合体相が海、プ
ロピレン系重合体相が島となっていた。また、他の実施
例についても同様に中間層の相構造を調べたところ、海
島の関係は実施例7と同じとなっていた。なお、相構造
の観察は、サンプルをミクロトームを用いて凍結切削し
た後、環状ポリオレフィン相を溶剤によりエッチングし
て、断面を観察した。
【0100】
【発明の効果】本発明によれば、プロピレン系重合体を
内面材とする積層体同士がヒートシールされてなる容器
において、前記容器の少なくとも開封開始部を構成する
少なくとも一方の積層体を、プロピレン系重合体の内面
材層と隣接する位置関係で、プロピレン系重合体とガラ
ス転移点が70℃以上の環状オレフィン系重合体とを9
0:10乃至40:60の重量比で含有するブレンド物
の中間層を備えたものとしたことにより、レトルト殺菌
等の高温熱処理時にも優れた密封性能が維持されると共
に、熱処理の履歴にかかわらず、易剥離性が安定且つ確
実に維持されるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブレンド層における環状オレフィン系重合体分
散相の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】本発明の易開封性容器の一例の剥離開始部近傍
を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の易開封性容器の他の例の剥離開始部近
傍を示す断面図である。
【図4】図3のカップ状容器の拡大断面図である。
【図5】図3の可撓性蓋の拡大断面図である。
【符号の説明】
1 第一の積層体 2 第二の積層体 3 内面材層 4 内面材層 5 中間層 6 ヒートシール部 7 容器内部 8 弱化部 9 シール部エッジ 11 外面保護樹脂層 12a、12b 接着剤層 13 ガスバリアー層 14 プロピレン系重合体中間層 15 外面保護樹脂層 16a、16b 接着剤層 17 ガスバリアー層 20 フランジ 21 内側段差部 22 外側段差部 23 ヒートシール面 24 内側エッジ 25 剥離用タブ
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B65D 81/24 B65D 81/24 M (72)発明者 石井 成 神奈川県平塚市御殿4−8−8−202 ラ イオンズマンション平塚第7 (72)発明者 福江 啓司 神奈川県川崎市中原区下小田中6−7−27 東洋製罐武蔵中原寮304号

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系重合体を内面材とする積層
    体同士がヒートシールされてなる容器において、前記容
    器の少なくとも開封開始部を構成する少なくとも一方の
    積層体が、プロピレン系重合体の内面材層と隣接する位
    置関係で、プロピレン系重合体とガラス転移点が70℃
    以上の環状オレフィン系重合体とを90:10乃至4
    0:60の重量比で含有するブレンド物の中間層を備え
    ていることを特徴とする易開封性容器。
  2. 【請求項2】 前記ブレンド物が、プロピレン系重合体
    が連続相及び環状オレフィン系共重合体が分散相となっ
    た海−島状の分散構造を有する請求項1記載の易開封性
    容器。
  3. 【請求項3】 前記中間層がブレンド物100重量部当
    たり1乃至20重量部のエチレン・α−オレフィン共重
    合体乃至その酸変性物を相溶化剤として更に含有するも
    のであることを特徴とする請求項1または2記載の易開
    封性容器。
  4. 【請求項4】 前記環状オレフィン系重合体がエチレン
    とノルボルネン系環状オレフィンを重合してなる共重合
    体である請求項1乃至3の何れかに記載の易開封性容
    器。
  5. 【請求項5】 前記プロピレン系重合体の内面材層が10
    000 kg/cm2 以上の弾性率を有することを特徴とす
    る請求項1乃至4の何れかに記載の易開封性容器。
  6. 【請求項6】 開封開始部を構成する一方の積層体のプ
    ロピレン系重合体の内面材層が10乃至100μmの厚
    みを有し、且つ中間層が2乃至50μmでしかも内面材
    層の0.1乃至2倍の厚みを有することを特徴とする請
    求項1乃至5の何れかに記載の易開封性容器。
  7. 【請求項7】 前記積層体の一方がカップ状容器であ
    り、前記積層体の他方が可撓性蓋材であり、前記開封開
    始部がカップ状容器のフランジ部に形成されており、該
    フランジ部の外方端部乃至その近傍部分には、プロピレ
    ン系重合体の内面材の弱化部乃至は切り取られた部分が
    存在する請求項1乃至6の何れかに記載の易開封性容
    器。
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