JPH10288013A - 電磁駆動弁を搭載する内燃機関 - Google Patents

電磁駆動弁を搭載する内燃機関

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JPH10288013A
JPH10288013A JP9102066A JP10206697A JPH10288013A JP H10288013 A JPH10288013 A JP H10288013A JP 9102066 A JP9102066 A JP 9102066A JP 10206697 A JP10206697 A JP 10206697A JP H10288013 A JPH10288013 A JP H10288013A
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valve
electromagnetically driven
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exciting current
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JP9102066A
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Tatsuo Iida
達雄 飯田
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Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は吸気弁または排気弁として機能する
電磁駆動弁を複数搭載する内燃機関に関し、複数の電磁
駆動弁を少ない消費電力で、正確に開閉動作させること
を目的とする。 【解決手段】 内燃機関に複数搭載された電磁駆動弁
を、閉弁励磁電流を供給することで閉弁させ、かつ、閉
弁励磁電流の供給を停止した後に開弁励磁電流を供給す
ることで開弁させる。内燃機関の始動時に、複数の電磁
駆動弁を順次閉弁状態とする始動制御を実行する。この
際、電磁駆動弁に通常時の閉弁励磁電流IUNに比して大
きな閉弁励磁電流IULを供給する。始動制御の直後に開
弁要求が生じた場合は弁体の開弁を遅らせる残留電磁力
の影響を考慮して開弁励磁電流ILIを供給する。その後
更に開弁要求が生じた場合は開弁励磁電流ILNを供給す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁駆動弁を搭載
する内燃機関に係り、特に、吸気弁または排気弁として
機能する電磁駆動弁を複数搭載する内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、特開昭59−213
913号に開示される如く、電磁駆動弁を搭載する内燃
機関が知られている。従来の電磁駆動弁は、内燃機関の
吸気弁または排気弁として機能する弁体と、弁体に連結
されたアーマチャとを備えている。弁体およびアーマチ
ャは、弁体の軸方向に変位することができる。以下、弁
体およびアーマチャを可動部と称す。
【0003】アーマチャの上方には第1電磁石およびア
ッパスプリングが配設されている。また、アーマチャの
下方には第2電磁石およびロアスプリングが配設されて
いる。アーマチャは、アッパスプリングおよびロアスプ
リングにより中立位置に保持されている。第1電磁石お
よび第2電磁石は、それぞれ、励磁電流が供給されるこ
とによりアーマチャを引き寄せるための電磁力を発生す
る。
【0004】上記従来の電磁駆動弁によれば、第1電磁
石に励磁電流を供給することで、アッパスプリングおよ
びロアスプリングに保持された可動部を第1電磁石側に
変位させることができる。アーマチャが第1電磁石側に
変位した後に第1電磁石への励磁電流の供給が停止され
ると、可動部は、アッパスプリングおよびロアスプリン
グのバネ力により単振動を開始する。
【0005】単振動の周期Tは、可動部の質量Mと、ア
ッパスプリングおよびロアスプリングのバネ定数Kとで
定まる固有振動周期T0 =2π√(M/K)に一致す
る。従って、上記従来の装置においては、第1電磁石へ
の励磁電流の供給が停止された後、所定時間“T0
2”が経過した時点で、可動部が第2電磁石の近傍に到
達すると判断できる。
【0006】可動部が第2電磁石の近傍に到達した時点
で、第2電磁石に励磁電流を供給すると、アーマチャを
第2電磁石側に引き寄せる電磁力を発生させることがで
きる。上記の電磁力が発生すると、単振動時に生ずる摺
動損失分を補って、アーマチャを第2電磁石に到達する
まで変位させることができる。以後、繰り返し第1電磁
石および第2電磁石に、適当なタイミングで励磁電流を
供給すると、可動部の単振動を利用して、少ない消費電
力で弁体を開閉動作させることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来の電
磁駆動弁を非作動状態から作動状態に変化させるために
は、中立位置に保持されている弁体が閉弁位置に変位す
るように、アーマチャを第1電磁石に引きつけることが
必要である。中立位置に保持されている弁体を閉弁位置
まで変位させる際には、第1電磁石に対して、電磁駆動
弁が定常作動状態に移行した後に比して大きな励磁電流
を供給する必要がある。従って、電磁駆動弁の作動開始
時には、電磁駆動弁が定常作動状態に移行した後に比し
て大きな電力が消費される。
【0008】内燃機関には、電磁駆動弁が複数搭載され
ることがある。このような内燃機関においては、一時期
に多大な電力が消費されるのを防止すべく、電磁駆動弁
の作動を、順次1つずつ開始することが考えられる。こ
の場合、複数の電磁駆動弁のうち、早期に閉弁状態とさ
れた電磁駆動弁は、他の全ての電磁駆動弁が閉弁状態と
なるまで、閉弁状態を維持することが必要となる。以
下、上記の制御を始動制御と称す。
【0009】上述の如く、始動制御の実行中は、閉弁状
態に移行させようとする電磁駆動弁に対して、通常時に
比して多大な励磁電流を供給する必要がある。電磁駆動
弁に対してこのように多大な励磁電流が供給されると、
電磁駆動弁の弁体は、電磁駆動弁が定常作動状態に移行
した後に比して激しく弁座に衝突する。このため、始動
制御の実行中は、電磁駆動弁が定常作動状態に移行した
後に比して、弁体の閉弁に伴って内燃機関に大きな振動
が発生する。
【0010】内燃機関に上記の如き大きな振動が生ずる
場合に、その時点で既に閉弁状態とされている電磁駆動
弁を適正に閉弁状態のまま維持するためには、その電磁
駆動弁が、大きな電磁力で弁体を閉弁位置に保持してい
ることが必要である。このため、始動制御の実行中は、
弁体を閉弁位置に維持するために各電磁駆動弁に供給す
る励磁電流を、全ての電磁駆動弁が定常作動状態に移行
した後に比して大きくすることが適切である。
【0011】電磁駆動弁は、上述した始動制御が終了し
た後、適当なタイミングで開閉動作を開始する。この
際、閉弁位置に保持されている弁体は、上述の如く、第
1電磁石への励磁電流の供給を停止し、次いで、適当な
時期に第2電磁石への励磁電流を供給を開始することで
開弁位置に変位させることができる。ところで、第1電
磁石は、その励磁電流の供給が停止された後ある程度の
期間は残留磁界を発生する。電磁駆動弁の弁体は、その
残留磁界が速やかに消滅するほど、第1電磁石への励磁
電流の供給が停止された後早期に開弁方向へ変位する。
一方、上記の残留磁界は、供給停止が図られる前に第1
電磁石に供給されていた励磁電流が小さいほど早期に消
滅し易い。従って、電磁駆動弁は、その弁体を閉弁位置
から開弁位置に変位させる際に、第1電磁石に供給され
ていた励磁電流が小さいほど優れた応答性を示す。
【0012】このように、電磁駆動弁は、弁体を閉弁位
置に維持するための励磁電流の大きさに応じて、弁体を
閉弁位置から開弁位置に変位させる際に、異なる応答性
を示す。このため、始動制御の実行中と、全ての電磁駆
動弁が定常作動状態に移行した後とで、弁体を保持する
ための励磁電流を変化させると、始動制御中に実現され
る電磁駆動弁の開弁応答性が、通常時に実現される開弁
応答性に比して悪化する事態が生ずる。
【0013】上述の如く、電磁駆動弁を閉弁状態から開
弁状態に移行される場合は、第1電磁石への励磁電流の
供給が停止された後、適当な時期に第2電磁石への励磁
電流の供給が開始される。第2電磁石とアーマチャとの
間に作用する電磁力は、アーマチャと第2電磁石とが接
近するに連れて急激に増大する。このため、電磁駆動弁
の駆動に要する消費電力を低減するうえでは、電磁駆動
弁を開弁状態に移行させる過程で、アーマチャが充分に
第2電磁石に接近した段階で、第2電磁石に供給する励
磁電流の低減を図ることが有効である。
【0014】しかし、電磁駆動弁を閉弁状態から開弁状
態に移行させる過程でアーマチャが充分に第2電磁石に
接近するタイミングは、電磁駆動弁が優れた開弁応答性
を示すほど早期となる。このため、上述した始動制御の
直後は、第1電磁石への励磁電流の供給が停止された
後、アーマチャが充分に第2電磁石に接近する時期が、
電磁駆動弁が定常作動状態に移行した後に比して遅延す
る。従って、始動制御が終了した直後に電磁駆動弁の開
弁を図る場合に、通常時と同様にタイミングで第2電磁
石への励磁電流の低減が図られると、アーマチャが第2
電磁石に接近する以前にアーマチャを引き寄せる電磁力
が低下して、電磁駆動弁が適正に動作しない事態が生ず
る。
【0015】上記の不都合は、始動制御の直後であって
も電磁駆動弁が適正に動作することができるように、第
2電磁石に供給する励磁電流の低減を図る時期を遅延す
ることによっても回避することができる。しかしなが
ら、かかる措置によれば、電磁駆動弁が定常作動状態に
移行した後は、常に電力を無駄に消費する期間が発生す
ることとなる。この点、上記の措置は、電磁駆動弁の省
電力化を図るうえで適切でない。
【0016】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、複数の電磁駆動弁を少ない消費電力で、正確に
開閉動作させることのできる内燃機関を提供することを
目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、吸気弁または排気弁として機能する弁
体を電磁力で駆動する電磁駆動弁が複数搭載された内燃
機関において、前記電磁駆動弁が、閉弁励磁電流の供給
を受けて前記弁体を閉弁側へ付勢する電磁力を発生し、
かつ、開弁励磁電流の供給を受けて前記弁体を開弁側へ
付勢する電磁力と発生すると共に、内燃機関の始動時
に、複数の前記電磁駆動弁を順次閉弁状態とする始動制
御を実行する始動制御手段と、前記始動制御の実行中
は、通常時に比して前記電磁駆動弁に供給される閉弁励
磁電流を大きくする閉弁励磁電流変更手段と、前記電磁
駆動弁のそれぞれに対して開弁要求が生じた際に、該開
弁要求の生じた電磁駆動弁に供給される閉弁励磁電流を
停止し、かつ、該開弁要求の生じた電磁駆動弁に対して
所定のパターンで開弁励磁電流を供給する開弁処理手段
と、前記始動制御の直後に前記開弁要求が生じた場合に
前記所定のパターンを第1のパターンとし、その後更に
前記開弁要求が生じた場合に前記所定のパターンを第2
のパターンとする開弁パターン変更手段と、を備える電
磁駆動弁を搭載する内燃機関により達成される。
【0018】本発明において、弁体は、電磁駆動弁に閉
弁励磁電流が供給されることにより閉弁方向の付勢さ
れ、一方、電磁駆動弁に開弁励磁電流が供給されること
により開弁方向に付勢される。内燃機関の始動時には、
始動制御によって、複数の電磁駆動弁が順次閉弁状態と
される。始動制御の実行中は、電磁駆動弁に対して、弁
体を閉弁位置に保持するめに大きな閉弁励磁電流が供給
される。このため、既に閉弁している弁体は、他の電磁
駆動弁の閉弁に伴う振動に関わらず適正に閉弁位置に保
持される。
【0019】始動制御が終了すると、以後、内燃機関の
運転状態に応じて、所定のタイミングで、各電磁駆動弁
に対する開弁要求が生ずる。電磁駆動弁に対して開弁要
求が生ずると、その電磁駆動弁への閉弁励磁電流の供給
が停止される。閉弁励磁電流の供給が停止されると、弁
体を閉弁方向に付勢する電磁力が消滅する。その後、開
弁励磁電流が発生すると、弁体を開弁方向に付勢する電
磁力が発生して、電磁駆動弁が開弁状態となる。
【0020】始動制御の実行中は電磁駆動弁に対して大
きな閉弁励磁電流が供給されているため、始動制御の終
了直後に電磁駆動弁の開弁が図られる場合には、励磁電
流の供給が停止された後、比較的長期に渡って弁体を閉
弁方向に付勢する電磁力が残留する。このため、始動制
御が終了した直後に開弁要求が生じた場合と、電磁駆動
弁が定常作動状態に移行した後に開弁要求が生じた場合
とで、開弁励磁電流が同様のパターンで供給されると、
電磁駆動弁が適正に作動しないことがある。本発明によ
れば、始動制御の直後に開弁要求が生じた際には、弁体
を閉弁方向に付勢する電磁力が比較的長期間残存するこ
とを考慮して、開弁励磁電流が第1のパターンで供給さ
れる。一方、電磁駆動弁が定常作動状態に移行した後に
開弁要求が生じた際には、弁体を閉弁方向に付勢する電
磁力が比較的早期に消滅することを考慮して、開弁励磁
電流が第2のパターンで供給される。この場合、電磁駆
動弁を、少ない消費電力で常に適正に作動させることが
できる。
【0021】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、上記請求項1記載の電磁駆動弁を搭載する内燃機
関において、前記第1のパターンおよび前記第2のパタ
ーンが、共に前記開弁励磁電流を大電流から小電流に変
化させるパターンであると共に、前記閉弁励磁電流が停
止された後、前記開弁励磁電流が小電流となるまでの期
間が、前記第1のパターンに従う方が前記第2のパター
ンに従う場合に比して長期である電磁駆動弁を搭載する
内燃機関によっても達成される。
【0022】本発明において、第1のパターンおよび第
2のパターンは、共に弁体が閉弁位置に近接する段階で
開弁励磁電流を大電流とし、かつ、弁体が開弁位置に接
近した段階で開弁励磁電流が小電流となるように設定さ
れている。開弁励磁電流が上記の如く変化すると、電磁
駆動弁は少ない消費電力で駆動される。第1のパターン
は、第2のパターンに比して、開弁励磁電流を小電流と
する時期が遅延されるように設定されている。第1のパ
ターンは、閉弁励磁電流の供給が停止された後、弁体を
閉弁方向に付勢する電磁力が残存し易い状況下で用いら
れるパターンである。開弁励磁電流が第1のパターンお
よび第2のパターンに従って変化する場合、電磁駆動弁
が状況に応じて異なる開弁応答性を示すにも関わらず、
電磁駆動弁を常に適正に開閉動作させることが可能とな
る。
【0023】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の一実施例である
電磁駆動弁10の全体構成図を示す。電磁駆動弁10
は、弁体12を備えている。弁体12は、内燃機関の吸
気弁を構成している。弁体12は、内燃機関の燃焼室内
に露出するようにシリンダヘッド13に配設されてい
る。内燃機関のシリンダヘッド13には、吸気吸気ポー
ト14が設けられている。吸気ポート14には、弁体1
2に対する弁座11が形成されている。吸気ポート14
は、弁体12が弁座11から離座することにより導通状
態となり、また、弁体12が弁座11に着座することに
より遮断状態となる。
【0024】弁体12には、弁軸15が固定されてい
る。弁軸15は、バルブガイド16により軸方向に摺動
可能に保持されている。バルブガイド16は、シリンダ
ヘッド13に支持されている。また、バルブガイド16
には、電磁駆動弁10のロアキャップ18が固定されて
いる。弁軸15の上部には、非磁性材料で構成されたプ
ランジャ20が配設されている。また、弁軸15の上端
部には、ロアリテーナ21が固定されている。ロアリテ
ーナ21とロアキャップ18との間にはロアスプリング
22が配設されている。ロアスプリング22は、ロアリ
テーナ21を、すなわち、プランジャ20および弁体1
2を、図1における上方へ向けて付勢している。
【0025】プランジャ20の上端部には、アッパーリ
テーナ24が固定されている。アッパーリテーナ24の
上部には、アッパースプリング26が配設されている。
アッパースプリング26は、アッパーリテーナ24を、
すなわち、プランジャ20および弁体12を、図1にお
ける下方へ向けて付勢している。アッパースプリング2
6の周囲には、円筒状のアッパーキャップ27が配設さ
れている。アッパーキャップ27の上端部には、アジャ
ストボルト28が配設されている。アッパスプリング2
6の上端は、アジャスタボルト28に当接している。
【0026】プランジャ20には、アーマチャ30が接
合されている。アーマチャ30は、磁性材料で構成され
た環状の部材である。アーマチャ30の上方には、第1
電磁石32が配設されている。第1電磁石32は、アッ
パコイル34およびアッパコア36を備えている。ま
た、アーマチャ30の下方には、第2電磁石38が配設
されている。第2電磁石38は、ロアコイル40および
ロアコア42を備えている。アッパコア36およびロア
コア42は磁性材料で構成された部材であり、その中央
部にプランジャ20を摺動可能に保持している。
【0027】第1電磁石32および第2電磁石38の外
周には、外筒44が配設されている。外筒44は、第1
電磁石32と第2電磁石38との間に所定の間隔が確保
されるようにそれらを保持している。上述したアッパー
キャップ27は、第1電磁石32の上端面に当接するよ
うに、取り付けブラケット46および取り付けボルト4
8によってシリンダヘッド13に固定されている。一
方、上述したロアキャップ18は、第2電磁石38の下
端部近傍に当接するように、シリンダヘッド13の内部
に固定されている。そして、上述したアジャスタボルト
28は、アーマチャ30の中立位置が、第1電磁石32
と第2電磁石38との中間点となるように調整されてい
る。
【0028】以下、電磁駆動弁10の動作について説明
する。アッパコイル34およびロアコイル40に励磁電
流が供給されていない場合は、アーマチャ30がその中
立位置、すなわち、第1電磁石32と第2電磁石38と
の中間に維持される。アーマチャ30が中立位置に維持
された状態で、アッパコイル34への励磁電流の供給が
開始されると、アーマチャ30と第1電磁石32との間
に、アーマチャ30を第1電磁石32側へ引き寄せる電
磁力が発生する。
【0029】このため、電磁駆動弁10によれば、アッ
パコイル34に適当な励磁電流を供給することで、アー
マチャ30、プランジャ20、および、弁体12等を第
1電磁石32側へ変位させることができる。以下、アー
マチャ30と共に変位する部分を可動部50と称す。電
磁駆動弁10において、可動部50の変位は、アーマチ
ャ30がアッパコア36と当接するまで継続させること
ができる。電磁駆動弁10は、アーマチャ30がアッパ
コア36と当接するまで変位した際に、弁体12が弁座
11に着座するように設計されている。従って、電磁駆
動弁10によれば、アッパコイル34に適当な励磁電流
を供給することで、弁体12を閉弁位置まで変位させる
ことができる。
【0030】弁体12が閉弁位置に維持されている場
合、アッパスプリング26およびロアスプリング22
は、可動部50を中立位置に向けて付勢する付勢力を発
生する。かかる状況下で、アッパコイル34への励磁電
流の供給が停止されると、可動部50は、以後、アッパ
スプリング26およびロアスプリング22のバネ力によ
り単振動を開始する。
【0031】単振動の周期Tは、可動部50の質量M
と、アッパスプリング26およびロアスプリング22の
バネ定数Kとで定まる固有振動周期T0 =2π√(M/
K)に一致する。従って、電磁駆動弁10においては、
アッパコイル34への励磁電流の供給が停止された後、
所定時間“T0 /2”が経過した時点で、アーマチャ3
0がロアコア42の近傍に到達すると判断できる。
【0032】アーマチャ30がロアコア42の近傍に到
達した時点で、ロアコイル40に励磁電流を供給する
と、アーマチャ30を第2電磁石38側に引き寄せる電
磁力を発生させることができる。上記の電磁力が発生す
ると、単振動時に生ずる摺動損失分を補って、アーマチ
ャ30がロアコア42に当接するまで可動部50の変位
を継続させることができる。
【0033】電磁駆動弁10は、アーマチャ30がロア
コア42に当接する際に、弁体12が全開位置に到達す
るように設計されている。従って、アッパコイル34へ
の励磁電流の供給が停止された後、上記の如く所定のタ
イミングでロアコイル40へ励磁電流を供給すれば、少
ない消費電力で弁体12を閉弁位置から全開位置まで変
位させることができる。
【0034】アーマチャ30がロアコア42に当接した
後、ロアコア42への励磁電流の供給が停止されると、
可動部50は、以後、固有振動周期T0 の振動周期で単
振動を開始する。その結果、アーマチャ30は、図1に
おける上方へ向かって変位する。以後、適当なタイミン
グで、繰り返しアッパコイル34およびロアコイル40
に励磁電流を供給すると、少ない消費電力で適切に弁体
12を開閉動作させることができる。
【0035】上述の如く、停止中の電磁駆動弁10を作
動させるためには、中立位置に保持されているアーマチ
ャ30を、一旦はアッパコア36(またはロアコア4
2)に当接するまで変位させる必要がある。上記の変位
は、例えば、アッパコイル34に対して、充分に大きな
励磁電流を連続的に供給することによっても発生させる
ことができる。しかしながら、上記の変位をかかる手法
で発生させようとすると、電磁駆動弁10の始動時に大
電流が消費される。
【0036】電磁駆動弁10の可動部50は、中立位置
から変位した位置でその拘束が解かれると、以後、上述
した固有振動周期T0 を伴う単振動を開始する。また、
可動部50の単振動に伴う振幅は、可動部50が第1電
磁石32に向かって変位している際に第1電磁石に電磁
力を発生させ、かつ、可動部50が第2電磁石38に向
かって変位している過程で第2電磁石38に電磁力を発
生させることにより成長させることができる。
【0037】図2は、弁体12が中立位置に保持されて
いる状況下で、上記の条件が満たされるように、第1電
磁石32および第2電磁石38に電磁力を発生させた場
合に弁体12に生ずる変位を示す。図2に示す如く、上
記の処理によれば、第1電磁石32および第2電磁石3
8に著しく大きな励磁電流を供給することなく、弁体1
2が閉弁位置に到達するまで、弁体12の振幅を徐々に
成長させることができる。
【0038】本実施例の電磁駆動弁10は、内燃機関の
始動が要求された後、上記の手法により弁体12を閉弁
位置まで変位させる。このため、本実施例によれば、第
1電磁石32に対して連続的に励磁電流を供給すること
で弁体12を閉弁位置まで変化させる手法が採られる場
合に比して、少ない消費電力で電磁駆動弁10を作動状
態とすることができる。
【0039】図3は、電磁駆動弁10が搭載されるシリ
ンダヘッド13を、図1に示すIII矢視で表した図を示
す。図3に示す如く、シリンダヘッド13は、4気筒式
の内燃機関に用いられるシリンダヘッドである。また、
シリンダヘッド13には、♯1気筒〜♯4気筒のそれぞ
れに対応して2つの吸気ポート14、および、2つの排
気ポート52が形成されている。
【0040】シリンダヘッド13に形成された全ての吸
気ポート14には、上述した電磁駆動弁10が配設され
る。また、シリンダヘッド13に形成された全ての排気
ポート52には、弁体の径を除いて上記図1に示す電磁
駆動弁10と同様の構成を有する電磁駆動弁が配設され
る。以下、排気ポート52に配設される電磁駆動弁と吸
気ポート14に配設される電磁駆動弁10とを総称し
て、電磁駆動弁10と称す。
【0041】上述の如く、電磁駆動弁10を作動状態と
するためには、第1電磁石32および第2電磁石38に
所定の周期で励磁電流を供給して、弁体12を閉弁位置
まで変位させる必要がある。電磁駆動弁10が定常作動
状態に移行した後は、第1電磁石32および第2電磁石
38に対して摺動損失を補うに足る電力を供給すること
で、電磁駆動弁10の作動状態を適正に維持することが
できる。これに対して、弁体12の振幅を成長させるた
めには、第1電磁石32および第2電磁石38に対し
て、より大きな電力を供給する必要がある。このため、
電磁駆動弁10の弁体12を中立位置から閉弁位置に変
位させる過程では、電磁駆動弁10が定常作動状態に移
行した後に比して、大きな電力消費が発生する。
【0042】車両の始動時に極めて多大な電力が電磁駆
動弁10によって消費されることは、内燃機関の始動性
やバッテリの能力および耐久性等、種々の観点より好ま
しいことではない。このため、本実施例においては、内
燃機関の始動が要求された後、シリンダヘッド13に配
設される電磁駆動弁10を、順次1つずつ、或いは、順
次2〜3個ずつ閉弁状態とすることとしている。上記の
制御手法によれば、内燃機関の始動時に、極めて多大な
電力が短時間の間に消費されるのを防止することができ
る。以下、上述の如く、複数の電磁駆動弁10を順次1
つずつ閉弁状態とする制御を始動制御と称す。
【0043】弁体12を中立位置から閉弁位置に変位さ
せる過程では、上記の如く、電磁駆動弁10に対して大
きな励磁電流が供給される。電磁駆動弁10がこのよう
な大きな励磁電流により駆動されると、弁体12は、電
磁駆動弁10が定常作動状態に移行した後に比して、大
きな変位速度を伴って閉弁位置に到達する。このため、
始動制御の実行中は、電磁駆動弁10が定常作動状態に
移行した後に比して、弁体12が閉弁位置に到達した際
に、シリンダヘッド13に大きな振動が生ずる。
【0044】始動制御が開始された後、他の電磁駆動弁
10に先立って閉弁状態とされた電磁駆動弁10は、他
の全ての電磁駆動弁10が閉弁状態となるまで閉弁状態
を維持しなければならない。シリンダヘッド13に上記
の如き大きな振動が生ずる場合に、適正に閉弁状態を維
持するためには、その電磁駆動弁10が発生する閉弁方
向の電磁力を、通常時に比して増大させておく必要があ
る。
【0045】図4(A)は、弁体12を閉弁状態に維持
すべき状況下で、アッパコイル34に供給される励磁電
流の波形を示す。図4(A)中に実線で示す波形は、始
動制御の実行中に供給される励磁電流IUIの波形であ
る。一方、図4(A)中に破線で示す波形は、電磁駆動
弁10が定常作動状態に移行した後に供給される励磁電
流IUNの波形である。
【0046】図4(A)に示す如く、本実施例において
は、電磁駆動弁10が定常作動状態に移行した後に供給
される励磁電流が比較的小さな電流IUNに設定されてい
るのに対して、始動制御の実行中に供給される励磁電流
が比較的大きな電流IUIに設定されている。励磁電流
が、始動制御中とその後とで上記の如く変化すると、電
磁駆動弁10が定常作動状態に移行した後に、アッパコ
イル34に供給される励磁電流が不必要に大きな値とな
るのを防止できると共に、始動制御の実行中に弁体12
を閉弁方向に付勢する向きに大きな電磁力を発生させる
ことができる。このため、本実施例のシステムによれ
ば、始動制御の実行中に弁体12が不当に開弁するのを
防止することができると共に、優れた省電力特性を実現
することができる。
【0047】図4(B)中に実線で示す波形は、時刻t
0 に励磁電流IUIが消滅した場合に実現される弁体12
の変位を示す。また、図4(B)中に破線で示す波形
は、時刻t0 に励磁電流IUNが消滅した場合に実現され
る弁体12の変位を示す。第1電磁石32は、アッパコ
イル34に励磁電流IUIまたはIUNが流通している間、
その励磁電流IUIまたはIUNに応じて電磁力を発生す
る。また、第1電磁石32は、励磁電流IUIまたはIUN
が消滅した後、ある程度の期間は残留磁界に起因する電
磁力(以下、残留電磁力と称す)を発生する。弁体12
は、その残留電磁力が消滅した後に開弁方向へ変位し始
める。
【0048】第1電磁石32の残留電磁力は、第1電磁
石に供給されていた励磁電流が小さいほど早期に消滅す
る。このため、第1電磁石32の残留電磁力は、アッパ
コイル34に供給されていた励磁電流がIUIであった場
合は、その励磁電流がIUNであった場合に比して長期間
残存する。従って、弁体12は、図4(B)に示す如
く、時刻t0 に消滅した励磁電流がIUNである場合はそ
の後速やかに開弁方向へ変位する。また、時刻t0 に消
滅した励磁電流がIUNである場合は、その後ある程度の
時間が経過した時点で開弁方向へ変位する。
【0049】図4(C)中に実線で示す波形は、始動制
御が終了した直後に電磁駆動弁10の開弁が要求された
場合に、その電磁駆動弁10のロアコイル40に対して
供給される励磁電流ILIの波形を示す。また、図4
(C)中に破線で示す波形は、定常作動状態い移行した
後の電磁駆動弁10に対して開弁要求が生じた場合に、
その電磁駆動弁10のロアコイル40に供給される励磁
電流ILNの波形を示す。
【0050】上述の如く、電磁駆動弁10によれば、第
1電磁石32への励磁電流の供給を停止した後、適当な
時期に第2電磁石38へ励磁電流を供給し始めること
で、可動部50の摺動に伴って生ずる摺動損失を補って
弁体12を開弁位置まで変位させることができる。とこ
ろで、第2電磁石38とアーマチャ30との間に作用す
る電磁力は、両者の間隔が小さくなるに連れて急増す
る。このため、アーマチャー30が充分に第2電磁石3
8に接近した後は、第2電磁石38に供給する励磁電流
を充分に小さな値としても、電磁駆動弁10の作動に必
要な電磁力を得ることができる。
【0051】図4(C)に示す如く、定常作動状態に移
行した後の電磁コイル10に供給される励磁電流I
LNは、時刻t1 に第1の電流I1 とされ、その後、時刻
3 に第2の電流I2 (<I1 )となるように制御され
る。時刻t1 および時刻t3 は、アッパコイル34への
励磁電流IUNの供給が停止される時刻t0 を基準とし
て、それぞれ、弁体12が中立位置の近傍に到達する時
刻、および、弁体12が開弁位置に到達する時刻として
定められている。
【0052】同様に、始動制御の終了直後に電磁コイル
10に供給される励磁電流ILIは、時刻t2 に第1の電
流I1 とされ、その後、時刻t4 に第2の電流I2 (<
1)となるように制御される。時刻t2 および時刻t
4 は、アッパコイル34への励磁電流IUIの供給が停止
される時刻t0 を基準として、かつ、残留電磁力の影響
で弁体12が開弁方向に変位し始める時期が遅延するこ
とを考慮したうえで、それぞれ、弁体12が中立位置の
近傍に到達する時刻、および、弁体12が開弁位置に到
達する時刻として定められている。
【0053】始動制御が終了した直後の電磁駆動弁1
0、および、定常作動状態に移行した後の電磁駆動弁1
0に、上記のパターンで電流値を変化させる励磁電流I
LIおよびILNが供給されると、何れの状況下でもアーマ
チャ30と第2電磁石38とが離間している間は励磁電
流が第1の電流I1 に制御される。また、何れの状況下
でも、アーマチャ30と第2電磁石38とが接近するに
従って励磁電流が第1の電流I1 から第2に電流I2
低減される。このため、本実施例のシステムによれば、
始動制御が終了した直後、および、電磁駆動弁10が定
常作動状態に移行した後の何れの状況下でも、弁体12
を、少ない消費電力で確実に閉弁位置まで変位させるこ
とができる。
【0054】図5は、ロアコイル40に供給される励磁
電流のパターンを、状況に応じて励磁電流ILIのパター
ンまたは励磁電流ILNのパターンの何れかに設定すべく
電磁駆動弁10において実行される制御ルーチンの一例
のフローチャートを示す。図5に示すルーチンは、所定
時間毎に起動される定時割り込みルーチンである。本ル
ーチンが起動されると、先ずステップ100の処理が実
行される。
【0055】ステップ100では、電磁駆動弁10が定
常作動状態に移行しているか否かが判別される。本ステ
ップ100では、具体的には、フラグXNORMALが
オン状態であるか否かが判別される。フラグXNORM
ALは、後述の如く、電磁駆動弁10が定常作動状態に
移行した後にオン状態とされるフラグである。上記の判
別の結果、既に電磁駆動弁10が定常作動状態に移行し
ていると判別される場合は、以後、何ら処理が進められ
ることなく今回のルーチンが終了される。一方、未だ電
磁駆動弁10が定常作動状態に移行していないと判別さ
れる場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0056】ステップ102では、電磁駆動弁10の開
弁要求が生じているか否かが判別される。その結果、電
磁駆動弁10の開弁要求が生じていないと判別される場
合は、以後、何ら処理が進められることなく今回のルー
チンが終了される。一方、電磁駆動弁10の開弁要求が
生じていると判別される場合は、次にステップ104の
処理が実行される。
【0057】ステップ104では、今回の処理サイクル
で検出された開弁要求が、始動制御が終了した後始めて
の要求であるか否かが判別される。本ステップ104で
は、具体的には、フラグXINITがオフ状態であるか
否かが判別される。フラグINITは、始動制御が終了
した後、初回の開弁要求が生じた際にオン状態とされる
フラグである。従って、上記の判別の結果、未だXIN
IT=OFFが成立すると判別される場合は、今回の開
弁要求が始動制御が終了した後始めて生じた要求である
と判断できる。この場合、次にステップ106の処理が
実行される。
【0058】ステップ106では、ロアコイル40に供
給する励磁電流のパターンを上記図4(C)に示す励磁
電流ILIのパターンとする処理が実行される。本ステッ
プ106の処理が実行されると、以後、ロアコイル40
には、励磁電流ILIのパターンで、すなわち、第1電磁
石32に残存する残留電磁力の影響を考慮したパターン
で励磁電流が供給される。本ステップ106の処理が終
了すると、次にステップ108の処理が実行される。
【0059】ステップ108では、フラグXINITを
オン状態とする処理が実行される。本ステップ108の
処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。上記
ステップ108の処理が実行された後、再び電磁駆動弁
10の開弁要求が発生すると、今度は、上記ステップ1
04で、XINIT=OFFが成立しない、すなわち、
今回の開弁要求が始動制御が終了した後初回の要求では
ないと判別される。この場合、ステップ108に次い
で、ステップ110の処理が実行される。
【0060】ステップ110では、ロアコイル40に供
給する励磁電流のパターンを上記図4(C)に示す励磁
電流ILNのパターンとする処理が実行される。本ステッ
プ110の処理が実行されると、以後、ロアコイル40
には、励磁電流ILNのパターンで、すなわち、第1電磁
石32への励磁電流の供給が停止された後、弁体12が
速やかに開弁方向へ変位し始めることを前提としたパタ
ーンで励磁電流が供給される。本ステップ110の処理
が終了すると、次にステップ112の処理が実行され
る。
【0061】ステップ112では、フラグXNORMA
Lをオン状態とする処理が実行される。本ステップ11
2の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
上記ステップ112の処理が実行されると、以後、本ル
ーチンが起動される毎に、上記ステップ100で、XN
ORMAL=ONが成立する、すなわち、電磁駆動弁1
0が既に定常作動状態に移行していると判別される。従
って、ロアコイル40に供給される励磁電流のパターン
は、以後、励磁電流ILNのまま維持される。
【0062】上記の処理によれば、始動制御が終了した
直後に電磁駆動弁10の開弁が要求される場合、およ
び、電磁駆動弁10が定常作動状態に移行した後に、そ
の開弁が要求される場合に、ロアコイル40に供給され
る励磁電流を、それぞれ、優れた省電力特性を実現する
うえで、また、電磁駆動弁10を適正に開閉動作させる
うえで適切なパターンに制御することができる。従っ
て、本実施例のシステムによれば、小さな消費電力で全
ての電磁駆動弁10を適正に開閉作動させることができ
る。
【0063】ところで、上記の実施例においては、始動
制御の終了直後は、第1電磁石32に残留電磁力が残存
し易いことを考慮して、始動制御直後の励磁電流ILI
第1の電流I1 または第2の電流I2 に変化する時期
を、通常時の励磁電流ILNに同様の変化が生ずる時期に
対して遅延させることとしているが、励磁電流ILIのパ
ターンはこれに限定されるものではない。
【0064】すなわち、始動制御の終了直後の励磁電流
LIのパターンは、励磁電流ILIが通常時の励磁電流I
LNに比して第1の電流I1 を長期間維持するように設定
してもよい。また、始動制御の終了直後の励磁電流ILI
のパターンは、励磁電流ILIが通常時の励磁電流ILN
比してより大きなピーク電流を発生するように設定して
もよい。励磁電流ILIを上記の如く設定すれば、始動制
御の終了直後に電磁駆動弁10の開弁が要求される場合
に、弁体12を開弁方向に付勢する電磁力を大きな値と
することができ、残留電磁力の存在に関わらず、電磁駆
動弁10に優れた開弁応答性を付与することが可能とな
る。
【0065】尚、上記の実施例においては、アッパコイ
ル34に供給される励磁電流IUIおよびIUNが前記請求
項1記載の「閉弁励磁電流」に、ロアコイル40に供給
される励磁電流ILIおよびILNが前記請求項1記載の
「開弁励磁電流」に、それぞれ相当していると共に、全
ての電磁駆動弁10の弁体12を、順次1つずつ中立位
置から閉弁位置に変位させることにより前記請求項1記
載の「始動制御手段」が、電磁駆動弁10が第1電磁石
32に対して励磁電流IUIおよびIUNの何れかを供給
し、かつ、第2電磁石38に対して励磁電流ILIおよび
LNの何れかを供給することにより前記請求項1記載の
「閉弁励磁電流変更手段」および「開弁処理手段」が、
また、電磁駆動弁10が上記ステップ100〜112の
処理を実行することにより前記請求項1記載の「開弁パ
ターン変更手段」が、それぞれ実現されている。
【0066】更に、上記の実施例においては、第1の電
流I1 が前記請求項2記載の「大電流」に、第2の電流
2 が前記請求項2記載の「小電流」に、また、図4中
に示す時刻t0 〜t3 の期間、および、時刻t0 〜t4
の期間が、前記請求項2記載の「前記閉弁励磁電流が停
止された後、前記開弁励磁電流が小電流となるまでの期
間」に、それぞれ相当している。
【0067】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明および
請求項2記載の発明によれば、始動制御の終了直後に開
弁要求が発生した場合、および、電磁駆動弁が定常作動
状態に移行した後に開弁要求が生じた場合に、それぞ
れ、適切なパターンで、電磁駆動弁に対して開弁励磁電
流を供給することができる。このため、本発明によれ
ば、複数の電磁駆動弁を、少ない消費電力で、常に適正
に開閉動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電磁駆動弁の全体構成
図である。
【図2】本実施例のシステムで始動制御が実行される過
程で図1に示す電磁駆動弁の弁体に生ずる変位を表す図
である。
【図3】本実施例の電磁駆動弁を搭載するシリンダヘッ
ドを図1に示すIII 矢視で表した図である。
【図4】図4(A)は、始動制御の実行中または終了直
後に第1電磁石に供給される励磁電流IUI、および、電
磁駆動弁が定常作動状態に移行した後に第1電磁石に供
給される励磁電流IUNの波形である。図4(B)は、始
動制御の直後に供給される励磁電流IUIが時刻t0 に消
滅した場合に実現される弁体の変位、および、電磁駆動
弁が定常作動状態に移行した後に供給される励磁電流I
UNが時刻t0 に消滅した場合に実現される弁体の変位を
示す図である。図4(C)は、始動制御の実行中または
終了直後に第2電磁石に供給される励磁電流ILI、およ
び、電磁駆動弁が定常作動状態に移行した後に第2電磁
石に供給される励磁電流ILNの波形である。
【図5】本実施例の電磁駆動弁において実行される制御
ルーチンの一例のフローチャートである。
【符号の説明】
10 電磁駆動弁 12 弁体 13 シリンダヘッド 14 吸気ポート 32 第1電磁石 34 アッパコイル 36 アッパコア 38 第2電磁石 40 ロアコイル 42 ロアコア 52 排気ポート IUL,IUN,ILI,ILN 励磁電流 I1 第1の電流 I2 第2の電流

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吸気弁または排気弁として機能する弁体
    を電磁力で駆動する電磁駆動弁が複数搭載された内燃機
    関において、 前記電磁駆動弁が、閉弁励磁電流の供給を受けて前記弁
    体を閉弁側へ付勢する電磁力を発生し、かつ、開弁励磁
    電流の供給を受けて前記弁体を開弁側へ付勢する電磁力
    と発生すると共に、 内燃機関の始動時に、複数の前記電磁駆動弁を順次閉弁
    状態とする始動制御を実行する始動制御手段と、 前記始動制御の実行中は、通常時に比して前記電磁駆動
    弁に供給される閉弁励磁電流を大きくする閉弁励磁電流
    変更手段と、 前記電磁駆動弁のそれぞれに対して開弁要求が生じた際
    に、該開弁要求の生じた電磁駆動弁に供給される閉弁励
    磁電流を停止し、かつ、該開弁要求の生じた電磁駆動弁
    に対して所定のパターンで開弁励磁電流を供給する開弁
    処理手段と、 前記始動制御の直後に前記開弁要求が生じた場合に前記
    所定のパターンを第1のパターンとし、その後更に前記
    開弁要求が生じた場合に前記所定のパターンを第2のパ
    ターンとする開弁パターン変更手段と、 を備えることを特徴とする電磁駆動弁を搭載する内燃機
    関。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁駆動弁を搭載する内
    燃機関において、 前記第1のパターンおよび前記第2のパターンが、共に
    前記開弁励磁電流を大電流から小電流に変化させるパタ
    ーンであると共に、 前記閉弁励磁電流が停止された後、前記開弁励磁電流が
    小電流となるまでの期間が、前記第1のパターンに従う
    方が前記第2のパターンに従う場合に比して長期である
    ことを特徴とする電磁駆動弁を搭載する内燃機関。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1231360A2 (de) * 2001-02-10 2002-08-14 Bayerische Motoren Werke Aktiengesellschaft Verfahren zum Starten einer Brennkraftmaschine mit elektromagnetischen Ventiltrieben
DE10009320C2 (de) * 1999-03-04 2003-04-24 Honda Motor Co Ltd Steuersystem für einen Verbrennungsmotor

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