JPH10265424A - (ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤およびその製造方法 - Google Patents

(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤およびその製造方法

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JPH10265424A
JPH10265424A JP9202872A JP20287297A JPH10265424A JP H10265424 A JPH10265424 A JP H10265424A JP 9202872 A JP9202872 A JP 9202872A JP 20287297 A JP20287297 A JP 20287297A JP H10265424 A JPH10265424 A JP H10265424A
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poly
ethylene glycol
weight
reaction
mixture
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Pending
Application number
JP9202872A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Inoue
佳尚 井上
Atsushi Utsunomiya
淳 宇都宮
Kyoko Ono
恭子 小野
Yasuyoshi Watabe
恭吉 渡部
Takashi Okawa
尚 大川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 溶剤、熱媒体等に有用な低凝固点で広温度範
囲で液体状態を保つ(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテル系高沸点溶剤を提供する。 【解決手段】 一般式1 R1 −(OCH2 CH2 n −OH (1) の(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテルの
次の割合(wt%)の混合物; R1 がメチル基でn
=1のもの0〜0.2wt%、n=1〜2のもの0〜1
8、n=1〜3のもの20〜80、n=4〜6のもの1
5〜65、n=7〜9のもの0〜20、n=10〜20
のもの0〜1であり、 R1 がモノイソプロピル基で
n=1のもの0〜3、n=1〜2のもの0〜28、n=
1〜3のもの32〜58、n=4〜6のもの35〜5
5、n=7〜9のもの0〜15、n=10〜20のもの
0〜1であり、または R1 がモノn−ブチル基で
n=1のもの0〜5、n=1〜2のもの2〜50、n=
1〜3のもの50〜80、n=4〜6のもの20〜4
5、n=7〜9のもの0〜10、n=10〜20のもの
0〜1である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、(ポリ)エチレン
グリコールモノアルキルエーテル系溶剤に関するもので
ある。更に詳しくは、幅広い温度範囲において液体状態
を保てる(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエー
テル系溶剤およびその製造方法に関するものである。
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤は各種溶剤や熱媒体等として有用である。
【0002】
【従来の技術】高沸点でかつ低凝固点であり、幅広い温
度範囲において液体状態を保てる性質を持つ化合物は熱
媒体やブレーキ液組成物の構成物また各種溶剤として工
業的に重要である。例えば、自動車用非鉱油系ブレーキ
液の場合、日本工業規格(JIS)K2233に定める
ところによると、例えば3種(DOT3)のブレーキ液
では沸点(平衡還流沸点)が205℃以上でかつ−50
℃で6時間凝固しないことが必要とされており、さらに
4種(DOT4)のブレーキ液では−50℃以下の低凝
固点性は保持しつつ、さらに280℃以上の沸点を要求
されている。従ってブレーキ液の構成物にも当然高沸点
でかつ低凝固点である性質が求められ、そのような高沸
点でかつ低凝固点を有する化合物の一つとして従来、特
定の(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル
が用いられてきた。(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテルは分子内に水酸基とエーテル基を有した
化合物であり、優れた特性を生かして工業的に広く用い
られている。
【0003】一般に(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテルにおいてアルキル基が同一である場合、
分子内のオキシエチレン単位(−OCH2 CH2 −単
位)が多くなるに従ってその沸点と凝固点は共に高くな
る。例えば、(ポリ)エチレングリコールモノメチルエ
ーテルの場合、「溶剤ポケットブック」(有機合成化学
協会編、オーム社、昭和42年)によると、沸点はモノ
エチレングリコール体124.4℃、ジエチレングリコ
ール体194.2℃、トリエチレングリコール体249
℃であり、また凝固点はモノエチレングリコール体−8
5.1℃、ジエチレングリコール体<−84℃、トリエ
チレングリコール体−44℃であって分子内のオキシエ
チレン単位が多くなるに従って沸点、凝固点共に高くな
っている。つまり従来の単一の(ポリ)エチレングリコ
ールモノアルキルエーテルでは、沸点が高くなると凝固
点が高くなってしまい、また凝固点が低くなると沸点も
低くなってしまって、ある特定の温度幅でしか液体状態
を保つことができない。すなわち、高沸点性と低凝固点
性は相反する性質なのである。200℃を越える高沸点
でなおかつ−40℃以下の低凝固点を有し、幅広い温度
範囲において液体状態を保つことのできる(ポリ)エチ
レングリコールモノアルキルエーテルは、例えばトリエ
チレングリコールモノメチルエーテルのような、特定の
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテルに限
られていた。また、さらなる高沸点性および低凝固点性
を要求されると、これを満足しえる(ポリ)エチレング
リコールモノアルキルエーテルはさらにごく一部の化合
物に限られてくる。
【0004】また、(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテルは通常アルコールとエチレンオキサイド
とを触媒の存在下に反応させることにより得られるが、
都合の悪いことに、得られた(ポリ)エチレングリコー
ルモノアルキルエーテルの混合物はエチレンオキサイド
の付加数がまちまちで広い分子量分布を持っている。上
記のような高沸点でなおかつ低凝固点を有し、幅広い温
度範囲において液体状態を保てる特定の(ポリ)エチレ
ングリコールモノアルキルエーテルはその混合物のうち
の一部に含まれるのであって、その収率はさほど高くな
い。また目的の(ポリ)エチレングリコールモノアルキ
ルエーテルを得ようとすればそれ以外の不要な生成物を
分離しなければならず、多大なエネルギーを消費するこ
とになる。これらは、上記の特定の(ポリ)エチレング
リコールモノアルキルエーテルの製造原価を引き上げる
原因となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、20
0℃以上の高沸点を有しかつ−40℃より低い低凝固点
を有して、幅広い温度範囲において液体状態を保てる
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤を提供することであり、さらにはこのような(ポリ)
エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の簡便
でしかも効率のよい製造方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために鋭意検討を行った結果、特定のアルキル
基と特定の組成比を有する(ポリ)エチレングリコール
モノアルキルエーテル混合物が、幅広い温度範囲におい
て液体状態を保てる(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテル系の高沸点低凝固点溶剤であることを見
いだし本発明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明の(ポリ)エチレングリ
コールモノアルキルエーテル系溶剤は一般式(1) R1 −(OCH2 CH2 n −OH (1) (式中、R1 はメチル基、イソプロピル基またはノルマ
ルブチル基を表わし、nは1ないし20の整数であ
る。)で表される(ポリ)エチレングリコールモノアル
キルエーテルの混合物であって、次の規定を満たす(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤で
ある。
【0008】一般式(2) CH3 −(OCH2 CH2 n −OH (2) (式中、nは1ないし20の整数である。)で表される
(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテルの混合
物であって、nが1である(ポリ)エチレングリコール
モノメチルエーテルの含有量が0〜0.2重量%、かつ
nが1〜2である(ポリ)エチレングリコールモノメチ
ルエーテルの含有量の和が0〜18重量%、さらにnが
1〜3である(ポリ)エチレングリコールモノメチルエ
ーテルの含有量の和が20〜80重量%、nが4〜6で
ある(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテルの
含有量の和が15〜65重量%、nが7〜9である(ポ
リ)エチレングリコールモノメチルエーテルの含有量の
和が0〜20重量%、およびnが10〜20である(ポ
リ)エチレングリコールモノメチルエーテルの含有量の
和が0〜1重量%からなるものであり、
【0009】また、一般式(3) (CH3 2 CH−(OCH2 CH2 n −OH (3) (式中、nは1ないし20の整数である。)で表される
(ポリ)エチレングリコ−ルモノイソプロピルエーテル
の混合物であって、nが1である(ポリ)エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテルの含有量が0〜3重量
%、かつnが1〜2である(ポリ)エチレングリコール
モノイソプロピルエーテルの含有量の和が0〜28重量
%、さらにnが1〜3である(ポリ)エチレングリコー
ルモノイソプロピルエーテルの含有量の和が32〜58
重量%、nが4〜6である(ポリ)エチレングリコール
モノイソプロピルエーテルの含有量の和が35〜55重
量%、nが7〜9である(ポリ)エチレングリコールモ
ノイソプロピルエーテルの含有量の和が0〜15重量
%、およびnが10〜20である(ポリ)エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテルの含有量の和が0〜1
重量%からなるものであり、
【0010】さらに、一般式(4) CH3 (CH2 3 −(OCH2 CH2 n −OH (4) (式中、nは1ないし20の整数である。)で表される
(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
ルの混合物であって、nが1である(ポリ)エチレング
リコールモノノルマルブチルエーテルの含有量が0〜5
重量%、かつnが1〜2である(ポリ)エチレングリコ
ールモノノルマルブチルエーテルの含有量の和が2〜5
0重量%、さらにnが1〜3である(ポリ)エチレング
リコールモノノルマルブチルエーテルの含有量の和が5
0〜80重量%、nが4〜6である(ポリ)エチレング
リコールモノノルマルブチルエーテルの含有量の和が2
0〜45重量%、nが7〜9である(ポリ)エチレング
リコールモノノルマルブチルエーテルの含有量の和が0
〜10重量%、およびnが10〜20である(ポリ)エ
チレングリコールモノノルマルブチルエーテルの含有量
の和が0〜1重量%であるものである。
【0011】また本発明によれば、メタノール、イソプ
ロパノール及びノルマルブタノールから選ばれる1種の
アルコール又は該アルコールのエチレンオキサイド1な
いし2モル付加体を単独又は混合物としてアルコール系
原料に用い、酸または塩基を触媒として、アルコール系
原料1モルに対して反応後のオキシエチレン基(−CH
2 CH2 O−)の総数が1ないし4モルとなる比でエチ
レンオキサイドと反応させた後、アルコールの含有量が
0重量%、かつ該アルコールのエチレンオキサイド1モ
ル付加体の含有量、エチレンオキサイド1〜2モル付加
体の含有量の和およびエチレンオキサイド1〜3モル付
加体の含有量の和が上記に規定された重量範囲となるま
で、低沸点成分を蒸留により除去して濃縮することを特
徴とする(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエー
テル系溶剤の製造方法が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における(ポリ)エチレン
グリコールモノメチルエーテルの混合物からなる(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の
組成は、一般式(2)においてnが1である(ポリ)エ
チレングリコールモノメチルエーテルの含有量が0〜
0.2重量%であり、かつnが1〜2である(ポリ)エ
チレングリコールモノメチルエーテルの含有量の和が0
〜18重量%、さらにnが1〜3である(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテルの含有量の和が20〜
80重量%、nが4〜6である(ポリ)エチレングリコ
ールモノメチルエーテルの含有量の和が15〜65重量
%、nが7〜9である(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテルの含有量の和が0〜20重量%、および
nが10〜20である(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテルの含有量の和が0〜1重量%である。該
溶剤中にはnが1〜20のすべての(ポリ)エチレング
リコールモノメチルエーテルが含有される必要はなく、
上記の規定を満たす範囲であれば、その一部が含有され
ているだけでもよいし、全部が含有されていてもよい。
【0013】また本発明における(ポリ)エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテルの混合物からなる(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の
組成は一般式(3)において、nが1である(ポリ)エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテルの含有量が
0〜3重量%、かつnが1〜2である(ポリ)エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテルの含有量の和が0
〜28重量%、さらにnが1〜3である(ポリ)エチレ
ングリコールモノイソプロピルエーテルの含有量の和が
32〜58重量%、nが4〜6である(ポリ)エチレン
グリコールモノイソプロピルエーテルの含有量の和が3
5〜55重量%、nが7〜9である(ポリ)エチレング
リコールモノイソプロピルエーテルの含有量の和が0〜
15重量%、およびnが10〜20である(ポリ)エチ
レングリコールモノイソプロピルエーテルの含有量の和
が0〜1重量%である。該溶剤中にはnが1〜20のす
べての(ポリ)エチレングリコールモノイソプロピルエ
ーテルが含有される必要はなく、上記の規定を満たす範
囲であれば、その一部が含有されているだけでもよい
し、全部が含有されていてもよい。
【0014】さらに本発明における(ポリ)エチレング
リコールモノノルマルブチルエーテルの混合物からなる
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤の組成は一般式(4)において、nが1である(ポ
リ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテルの
含有量が0〜5重量%、かつnが1〜2である(ポリ)
エチレングリコールモノノルマルブチルエーテルの含有
量の和が20〜50重量%、さらにnが1〜3である
(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
ルの含有量の和が50〜80重量%、nが4〜6である
(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
ルの含有量の和が2〜45重量%、nが7〜9である
(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
ルの含有量の和が0〜10重量%、およびnが10〜2
0である(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチ
ルエーテルの含有量の和が0〜1重量%である。該溶剤
中にはnが1〜20のすべての(ポリ)エチレングリコ
ールモノイソプロピルエーテルが含有される必要はな
く、上記の規定を満たす範囲であれば、その一部が含有
されているだけでもよいし、全部が含有されていてもよ
い。
【0015】本願発明の(ポリ)エチレングリコールモ
ノアルキルエーテル系溶剤は、アルキル基の種類により
組成は異なるが、いずれの溶剤においても低分子量の
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテルを含
有することにより低凝固点性を付与し、高分子量の(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテルを含有す
ることにより高沸点性を付与するものである。さらに低
分子量化合物の含有量が増えすぎると沸点が下がりす
ぎ、また高分子量化合物の含有量が増えすぎると凝固点
が上がり過ぎるので、各々の(ポリ)エチレングリコー
ルモノアルキルエーテルの組成を一定の範囲に制御する
ことにより低凝固点性と高沸点性両方を該溶剤に付与で
きるのである。本願発明の溶剤は(ポリ)エチレングリ
コールモノアルキルエーテルの混合物からなるものであ
るが、(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテ
ルの合成時に生成する可能性のある、例えば(ポリ)エ
チレングリコール等を、不純物として含んでいても差し
支えない。本発明の(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテル系溶剤は、沸点が200℃以上で、凝固
点は−40℃より低い。更には、沸点を230℃以上に
とりながら、凝固点を−40℃より低くし、またさらに
沸点を250℃以上にとりながら、凝固点を−50℃よ
り低くすることもできる。
【0016】本発明の(ポリ)エチレングリコールモノ
アルキルエーテル系溶剤の製造方法には特に限定はな
く、例えば蒸留等によりいったん分別された単一の(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテルを混合す
る方法等どのような方法であってもよい。しかしなが
ら、本発明の方法においては、メタノール、イソプロパ
ノール及びノルマルブタノールから選ばれる1種のアル
コール又は該アルコールのエチレンオキサイド1ないし
2モル付加体を単独又は混合物としてアルコール系原料
に用い、酸または塩基を触媒として、アルコール系原料
1モルに対して反応後のオキシエチレン基(−CH2
2 O−)の総数が1ないし4モルとなる比でエチレン
オキサイドと反応させた後、アルコールの含有量が0重
量%、かつ該アルコールのエチレンオキサイド1モル付
加体の含有量、エチレンオキサイド1〜2モル付加体の
含有量の和およびエチレンオキサイド1〜3モル付加体
の含有量の和が、前記の一般式(2)、(3)および
(4)においてそれぞれ示す濃度範囲となるまで、低沸
点成分を蒸留により除去して濃縮する(ポリ)エチレン
グリコールモノアルキルエーテル系溶剤の製造方法が好
ましい。
【0017】本発明の方法における一方の原料であるア
ルコール系原料とはメタノール、イソプロパノール及び
ノルマルブタノールから選ばれる1種のアルコール又は
該アルコールのエチレンオキサイド1ないし2モル付加
体である。該アルコールのエチレンオキサイド1ないし
2モル付加体とは具体的には、2−メトキシエタノー
ル、2−(2−メトキシエトキシ)エタノール、2−イ
ソプロポキシエタノール、2−(2−イソプロポキシエ
トキシ)エタノール、2−ノルマルブトキシエタノール
および2−(2−ノルマルブトキシエトキシ)エタノー
ルである。これらの化合物は、単独で原料とすることも
可能であるが、混合物として用いることも可能である。
【0018】本発明の方法においては、アルコール系原
料ともう一方の原料であるエチレンオキサイドとを反応
させるが、生成する(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテルの分子量分布を一定の範囲に制御するた
め、該アルコール系原料1モルに対して反応後のオキシ
エチレン基(−CH2 CH2 O−)の総数が1ないし4
モルとなる比でエチレンオキサイドと反応させる。アル
コール系原料1モルに対して反応後のオキシエチレン基
の総数が4を越える比でエチレンオキサイドと反応させ
ると、エチレンオキサイドの高モル付加体が低モル付加
体に比べ多く生成しすぎ、このため濃縮後に得られる
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル混合
物の凝固点が高くなってしまい好ましくない。またアル
コール系原料1モルに対して反応後のオキシエチレン基
の総数が1未満の比でエチレンオキサイドと反応させる
と、エチレンオキサイドの高モル付加体が十分生成しな
いため、得られる(ポリ)エチレングリコールモノアル
キルエーテル混合物の沸点が高くならなかったり、また
高沸点で低凝固点の(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテル混合物が得られても、反応後得られる反
応混合物からかなりの量の低沸点成分を蒸留操作により
留去しなければならず収率が極端に低くなったりして好
ましくない。
【0019】本発明の方法においては、アルコール系原
料とエチレンオキサイドとを酸または塩基を触媒として
反応させる。酸としては、具体的には例えば硫酸、塩
酸、燐酸などの鉱酸類、例えばメタンスルホン酸、ベン
ゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレン
−β−スルホン酸などのスルホン酸類、例えば蓚酸、酢
酸、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸などのカルボン酸類、
例えば塩化アルミニウム、塩化亜鉛、塩化ジルコニウ
ム、塩化鉄などの金属ハロゲン化物類、例えばシリカ−
アルミナ、酸性白土、活性白土などの酸性を有する金属
酸化物類、プロトン型ゼオライト、アルカリ土類金属置
換ゼオライトなどの酸性ゼオライト類、例えば燐酸など
の鉱酸をセライト、シリカゲル、アルミナなどに担持さ
せた鉱酸担持型固体酸類などが挙げられ、塩基として
は、具体的には、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物や、
例えばナトリウムエトキシド、カリウムメトキシド、リ
チウムイソプロポキシドなどのアルカリ金属アルコキシ
ドなどの塩基性アルカリ金属化合物類、例えば水酸化カ
ルシウム、水酸化バリウム、水酸化ストロンチウムなど
のアルカリ土類金属水酸化物や、例えばカルシウムメト
キシド、バリウムエトキシドなどのアルカリ土類金属ア
ルコキシドや酸化マグネシウム、酸化バリウムなどのア
ルカリ土類金属酸化物などの塩基性アルカリ土類金属化
合物類、例えばジエチルアミン、トリエチルアミンなど
のアミン類などが挙げられる。
【0020】触媒の選択は様々な条件に左右されるが、
特に原料に用いるアルコールの種類により大きく左右さ
れる。メタノール、ノルマルブタノールまたはこれらの
アルコールにエチレンオキサイドが1ないし2モル付加
した化合物を原料に用いる場合は、塩基を触媒として反
応させることが好ましく、イソプロパノールまたはイソ
プロパノールにエチレンオキサイドが1ないし2モル付
加した化合物を原料に用いる場合は、酸を触媒として反
応させることが好ましい。さらに塩基を触媒として用い
る場合は、塩基が塩基性アルカリ金属化合物類、塩基性
アルカリ土類金属化合物類またはアミン類であることが
好ましく、塩基がアルカリ金属水酸化物またはアルカリ
土類金属水酸化物であることがより好ましい。触媒の使
用量は使用する触媒やアルコール系原料の種類、アルコ
ール系原料とエチレンオキサイドとのモル比およびその
他の条件により一様ではないが、通常使用する原料のア
ルコール系原料とエチレンオキサイドとの総重量に対し
0.001〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.
05〜3重量%の範囲である。
【0021】本発明の方法の反応における反応温度、反
応時間および反応圧力は使用するアルコール系原料や触
媒の種類や量、アルコール系原料とエチレンオキサイド
とのモル比およびその他の条件により一様ではない。し
かしながら、反応温度は通常、60〜230℃の範囲で
あり、好ましくは100〜150℃の範囲である。また
反応時間は通常、0.1〜30時間の範囲であり、好ま
しくは0.3〜20時間の範囲である。さらに反応圧力
は通常、0〜20kg/cm2 Gの範囲であり、好まし
くは1〜7kg/cm2 Gの範囲である。反応の方式に
特に限定はなく回分式、半回分式、連続式のいずれの方
式によっても実施できる。
【0022】本発明の方法においては、アルコール系原
料とエチレンオキサイドとの反応終了後得られた反応混
合物から触媒を除去してもよいし除去しなくてもよい。
触媒を除去する場合はその方法に特に限定はない。その
方法としては、触媒が該反応混合物中に溶けていない場
合は、例えば濾過や遠心分離などの通常の固液分離の方
法により触媒を除去する方法が挙げられる。触媒が該反
応混合物中に溶けている場合は、例えば蒸留により留去
する方法、蒸留により蒸留残査として高沸点成分と共に
除去する方法、酸触媒なら塩基によりまた塩基触媒なら
酸により中和し析出した塩を濾過などの固液分離の方法
により除去する方法、イオン交換樹脂などの固体のイオ
ン交換体と反応させ除去する方法、これらのいくつかの
方法を組み合わせた方法などが挙げられる。また触媒が
該反応混合物中に溶けている場合、例えば水酸化カリウ
ム触媒と酢酸との組み合わせのような、該触媒と可溶性
の塩を形成する塩基または酸で中和し生成した中和塩を
除去せず該反応混合物中に溶解させておいてもよい。こ
れらの触媒の除去等の操作は低沸点成分を蒸留により除
去し濃縮する前に行ってもよいし、濃縮した後に行って
もよい。
【0023】本発明の方法においては、アルコール系原
料とエチレンオキサイドとを反応させた後、未反応のア
ルコールおよび該アルコールのエチレンオキサイド1な
いし3モル付加体の含有量が規定された濃度範囲となる
まで、低沸点成分を蒸留により除去して濃縮する。規定
される濃度範囲は使用するアルコール系原料の種類によ
り異なり、 アルコール系原料としてメタノール又はメタノールの
エチレンオキサイド1ないし2モル付加体の単独または
混合物を使用した場合は、メタノールの含有量が0重量
%、メタノールのエチレンオキサイド1モル付加体の含
有量が0〜0.2重量%、エチレンオキサイド1〜2モ
ル付加体の含有量の和が0〜18重量%、エチレンオキ
サイド1〜3モル付加体の含有量の和が20〜80重量
%となるまで、 アルコール系原料としてイソプロパノール又はイソプ
ロパノールのエチレンオキサイド1ないし2モル付加体
の単独または混合物を使用した場合は、イソプロパノー
ルの含有量が0重量%、イソプロパノールのエチレンオ
キサイド1モル付加体の含有量が0〜3重量%、エチレ
ンオキサイド1〜2モル付加体の含有量の和が0〜28
重量%、エチレンオキサイド1〜3モル付加体の含有量
の和が32〜58重量%となるまで、 アルコール系原料としてノルマルブタノール又はノル
マルブタノールのエチレンオキサイド1ないし2モル付
加体の単独または混合物を使用した場合は、ノルマルブ
タノールの含有量が0重量%、ノルマルブタノールのエ
チレンオキサイド1モル付加体の含有量が0〜5重量
%、エチレンオキサイド1〜2モル付加体の含有量の和
が2〜50重量%、エチレンオキサイド1〜3モル付加
体の含有量の和が50〜80重量%となるまで、濃縮す
る。濃縮しすぎるとエチレンオキサイド3モル付加体以
下の低沸点成分の含有量が少なくなり、得られる(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の
凝固点が高くなるので好ましくない。また濃縮が不十分
であると低沸点成分の含有量が多くなり、得られる(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の
沸点が低くなるので好ましくない。低沸点成分の含有量
を特定の含有量に調整することにより高沸点でかつ低凝
固点の(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテ
ル系溶剤が得られるのである。
【0024】蒸留は常圧下に行ってもよいし、減圧下に
行ってもよい。蒸留装置としては単蒸留装置、精密蒸留
装置、薄膜蒸発装置などから任意に選択できる。低沸点
成分は所定の除去量を一度に除去してもよいし、所定の
除去量以上をいったん除去し次いで除去した低沸点成分
の一部を戻して(ポリ)エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル系溶剤の組成の調節を行ってもよい。
【0025】本発明の方法においては、蒸留により高沸
点成分の一部を蒸留残査として除去することは、得られ
る(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系
溶剤の凝固点をより低くしたり該溶剤中に残存する触媒
成分を除去したりできるので、好ましい。高沸点成分の
一部の除去は、低沸点成分を蒸留により除去して濃縮す
る前でもよいし濃縮した後でもよい。高沸点成分の除去
量は、本発明の(ポリ)エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル系溶剤の有する高沸点性を損なわない範囲の
量でなくてはならない。その量は、アルコール系原料と
エチレンオキサイドとを反応させた時のモル比などによ
り異なり一様ではないが、通常反応後得られる反応混合
物に対し0.01〜15重量%の範囲であり、より好ま
しくは0.1〜5重量%の範囲である。蒸留は常圧下に
行ってもよいし、減圧下に行ってもよい。蒸留装置とし
ては単蒸留装置、精密蒸留装置、薄膜蒸発装置などから
任意に選択できる。
【0026】本発明の方法においては、除去した低沸点
成分の全量または一部をアルコール系原料として反応系
に循環することは好ましい。除去した低沸点成分の大部
分の成分はアルコールおよび該アルコールのエチレンオ
キサイド1ないし2モル付加体であり、これを循環再使
用することにより低沸点成分を有効に再利用することが
できて、(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエー
テル系溶剤の製造における経済性を向上させることがで
きる。
【0027】本発明の方法においては、アルコール系原
料とエチレンオキサイドを水の存在下に反応させること
は、水とエチレンオキサイドとの反応により生成する若
干の(ポリ)エチレングリコールのために、得られる
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤の凝固点がより低くなるので好ましい。水の添加量は
使用するアルコール系原料に対して好ましくは0.5〜
80重量%であり、より好ましくは3〜50重量%であ
る。
【0028】本発明の方法においては、原料として使用
したアルコール系原料に対応するアルキル基を有する
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤が得られる。具体的には、原料としてメタノール又は
メタノールのエチレンオキサイド1ないし2モル付加体
を使用した場合は(ポリ)エチレングリコールモノメチ
ルエーテルの混合物からなる溶剤が、イソプロパノール
又はイソプロパノールのエチレンオキサイド1ないし2
モル付加体を使用した場合は(ポリ)エチレングリコー
ルモノイソプロピルエーテルの混合物からなる溶剤が、
ノルマルブタノール又はノルマルブタノールのエチレン
オキサイド1ないし2モル付加体を使用した場合は(ポ
リ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテルの
混合物からなる溶剤が得られる。また水の存在下反応を
行った場合には、これら(ポリ)エチレングリコールモ
ノアルキル系溶剤中に若干の(ポリ)エチレングリコー
ルが含まれる。
【0029】本発明の(ポリ)エチレングリコールモノ
アルキルエーテル系溶剤の用途としては、塗料、イン
キ、染料等の溶剤、工業用洗浄剤、防錆剤、ブレーキ液
の構成物、熱媒や冷媒等の熱媒体、凍結防止剤組成物、
化学反応用溶媒などが挙げられるが、高沸点でかつ低凝
固点であって幅広い温度範囲において液体状態を保つ性
質を有するので、特にブレーキ液の構成物や熱媒体とし
て有用である。
【0030】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。沸点および凝固点は次の方法により測定した。 (1)沸点:日本工業規格(JIS)K2233に示さ
れる平衡還流沸点の測定方法に準拠して測定した。 (2)凝固点:試料5gを試験管にいれ、コルク栓で栓
をした後−40℃の恒温槽中に6時間放置した。6時間
後、試料が凝固していれば凝固点は−40℃より高いと
判定した。試料が凝固していなければ、更に−50℃の
恒温槽中で同様の試験を行った。6時間後、試料が凝固
していれば凝固点は−40〜−50℃の範囲にあり、凝
固していなければ−50℃より低いと判定した。
【0031】尚、本実施例中では、 モノ、ジ、トリ、テトラ、ペンタ、ヘキサ、ヘプタ、
オクタ、ノナ、デカおよびウンデカエチレングリコール
モノメチルエーテルをそれぞれMGM、DGM、TG
M、TeGM、PeGM、HeGM、HepGM、Oc
tGM、NonGM、DecGMおよびUndGMと略
記し、 モノ、ジ、トリ、テトラ、ぺンタ、ヘキサ、ヘプタ、
オクタ、ノナおよびデカエチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテルをそれぞれMGIP、DGIP、TGI
P、TeGIP、PeGIP、HeGIP、HepGI
P、OctGIP、NonGIPおよびDecGIPと
略記し、 モノ、ジ、トリ、テトラ、ぺンタ、ヘキサ、ヘプタお
よびオクタエチレングリコールモノノルマルブチルエー
テルをそれぞれMGB、DGB、TGB、TeGB、P
eGB、HeGB、HepGBおよびOctGBと略記
する。
【0032】実施例1〜4および比較例1〜3 1000 mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した
後、メタノール160g(5.0mol)および水酸化
カリウム0.68g(12mmol)を仕込んだ。11
0℃に昇温した後、この温度を保ちながらエチレンオキ
サイド550g(12.5mol)をゲージ圧力2〜5
Kg/cm2 の加圧下で3時間かけて送入し反応させ
(以下、エチレンオキサイドの送入に要した時間を反応
時間と略記する。)、さらにエチレンオキサイド送入終
了後、同温度で1時間熟成を行った。得られた反応混合
物に85重量%リン酸1.4g(12mmol)を加
え、析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除いた。得ら
れた濾液から蒸留により未反応のメタノール、MGM、
DGM、TGMを留去し、蒸留残を265.4g得た。
蒸留残の組成をガスクロマトグラフィーにより定量した
ところ、TeGM、PeGM、HeGM、HepGMお
よびOctGMがそれぞれ53.9重量%、27.8重
量%、12.5重量%、4.8重量%、1.0重量%含
まれていた(以下、この蒸留残をPGM(1)と略記す
る。)。市販のDGM、TGM、および得られたPGM
(1)を表1に示した割合で混合し、沸点および凝固点
を測定した。
【0033】実施例1〜4に示した通り、このようにし
て得られた(ポリ)エチレングリコールモノメチルエー
テルの混合物は沸点が200℃以上であり、凝固点が−
40℃より低く、幅広い温度範囲で液体状態を保てる
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤であることがわかる。また、比較例1および2に示し
た組成を持つ(ポリ)エチレングリコールモノメチルエ
ーテルの混合物は凝固点は−50℃以下であるが沸点が
200℃以下であり、比較例3に示した組成を持つ(ポ
リ)エチレングリコールモノメチルエーテルの混合物は
沸点は200℃以上であるが凝固点は−40℃以上であ
って、200℃以上の高沸点と−40℃より低い低凝固
点の両方を満足できなかった。
【0034】
【表1】
【0035】実施例5〜8 1000 mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した
後、メタノ−ル128g(4.0mol)および水酸化
カリウム0.80g(14mmol)を仕込んだ。11
0℃に昇温した後、この温度を保ちながらエチレンオキ
サイド669g(15.2mol)をゲージ圧力2〜5
Kg/cm2 の加圧下で4時間かけて送入し反応させ、
さらにエチレンオキサイド送入終了後、同温度で1時間
熟成を行った。得られた反応混合物に85重量%リン酸
1.64g(14mmol)を加え、析出したリン酸の
カリウム塩を濾過で除いた。得られた濾液から蒸留によ
り未反応のメタノール、MGM、DGM、TGMを留去
し、蒸留残を525.5g得た。蒸留残の組成をガスク
ロマトグラフィーにより定量したところ、TeGM、P
eGM、HeGM、HepGM、OctGM、NonG
MおよびDecGMがそれぞれ33.4重量%、27.
2重量%、19.2重量%、11.5重量%、5.8重
量%、2.3重量%、0.6重量%含まれていた(以
下、この蒸留残をPGM(2)と略記する。)。市販の
DGM、TGM、および得られたPGM(2)を表2に
示した割合で混合し、沸点および凝固点を測定した。
【0036】実施例5〜8に示した通り、このようにし
て得られた(ポリ)エチレングリコールモノメチルエー
テルの混合物は沸点が200℃以上であり、凝固点が−
40℃より低く、幅広い温度範囲で液体状態を保てる
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤であることがわかる。
【0037】
【表2】
【0038】実施例9〜11 1000mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した
後、イソプロパノール180g(3.0mol)および
活性白土3.5gを仕込んだ。125℃に昇温した後、
この温度を保ちながらエチレンオキサイド396g
(9.0mol)をゲージ圧力2〜5Kg/cm2 の加
圧下で5時間かけて送入し反応させ、さらにエチレンオ
キサイド送入終了後、同温度で1時間熟成を行った。得
られた反応混合物を濾過し活性白土を除いた後、得られ
た濾液から蒸留により未反応のイソプロパノール、MG
IP、DGIPおよびTGIPを留去し、蒸留残を26
1.9g得た。蒸留残の組成をガスクロマトグラフィー
により定量したところ、TeGIP、PeGIP、He
GIP、HepGIP、OctGIP、NonGIP、
およびDecGIPがそれぞれ35.8重量%、27.
4重量%、18.6重量%、10.6重量%、5.6重
量%、1.9重量%、0.1重量%含まれていた(以
下、この蒸留残をPGIPと略記する。)。市販のDG
IP、TGIPおよび得られたPGIPを表3に示した
割合で混合し、沸点および凝固点を測定した。
【0039】実施例9〜11に示した通り、このように
して得られた(ポリ)エチレングリコールモノイソプロ
ピルエーテルの混合物は沸点が200℃以上であり、凝
固点か−40℃より低く、幅広い温度範囲で液体状態を
保てる(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテ
ル系溶剤であることがわかる。
【0040】
【表3】
【0041】実施例12〜14 1000mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した
後、ノルマルブタノール296g(4.0mol)およ
び水酸化ナトリウム0.70g(18mmo1)を仕込
んだ。130℃に昇温した後、この温度を保ちながらエ
チレンオキサイド405g(9.2mol)をゲージ圧
力2〜5Kg/cm2 の加圧下で5時間かけて送入し反
応させ、さらにエチレンオキサイド送入終了後、同温度
で1時間熟成を行った。得られた反応混合物に85重量
%リン酸2.1g(18mmo1)を加え、析出したリ
ン酸のナトリウム塩を濾過で除いた。得られた濾液から
蒸留により未反応のノルマルブタノール、MGB、DG
BおよびTGBを留去し、蒸留残を164.6g得た。
蒸留残の組成をガスクロマトグラフィーにより定量した
ところ、TeGB、PeGB、HeGB、HepGBお
よびOctGBがそれぞれ60.0重量%、26.1重
量%、10.0重量%、3.5重量%、0.4重量%含
まれていた(以下、この蒸留残をPGBと略記す
る。)。得られたMGB、DGB、TGB、PGBを表
4に示した割合で混合し、沸点および凝固点を測定し
た。
【0042】実施例12〜14に示した通り、このよう
にして得られた(ポリ)エチレングリコールモノノルマ
ルブチルエーテルの混合物は沸点が200℃以上であ
り、凝固点が−40℃より低く、幅広い温度範囲で液体
状態を保てる(ポリ)エチレングリコールモノアルキル
エーテル系溶剤であることかわかる。
【0043】
【表4】
【0044】実施例15 1000mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した
後、メタノール128g(4.0mol)および水酸化
カリウム0.55g(9.8mmol)を仕込んだ。1
10℃に昇温した後、この温度を保ちながらエチレンオ
キサイド422g(9.6mol)を2〜5Kg/cm
2 Gの加圧下で2.5時間かけて送入し反応させ、さら
にエチレンオキサイド送入終了後、同温度で1時間熟成
を行った。アルコール系原料1モルに対して反応後のオ
キシエチレン基の総数が2.4モルとなる比でエチレン
オキサイドと反応させたことになる。得られた反応混合
物に85重量%リン酸1.13g(9.8mmol)を
加え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除い
た。得られた濾液のうち500.0gを精留塔を装着し
た蒸留装置により減圧濃縮し、203.0gの留分を留
出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノメ
チルエーテル混合物を297.0g得た。
【0045】尚、留分をガスクロマトグラフィーにより
分析したところ、メタノール、MGMおよびDGMが含
まれていた。濃縮後の得られた(ポリ)エチレングリコ
ールモノメチルエーテル混合物をガスクロマトグラフィ
ーで定量分析したところ、メタノールおよびMGMは検
出されず、DGMからOctGMまでの(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテルが表5に示した組成で
含まれていた。この(ポリ)エチレングリコールモノメ
チルエーテル混合物の沸点および凝固点を測定した。沸
点は258℃であり、凝固点は−50℃より低かった。
また(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混
合物の収率(収率=[(濃縮後得られた(ポリ)エチレ
ングリコールモノアルキルエーテルの重量)/(濃縮に
供した(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテ
ルの重量)]×100で計算した。以下、同様であ
る。)は59.4%であった。このようにして得られた
(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテルの混合
物は沸点が250℃以上で凝固点が−50℃より低く、
高沸点でかつ低凝固点を有する(ポリ)エチレングリコ
ールモノアルキルエーテル系溶剤であることがわかる。
また収率も高い。
【0046】実施例16〜17 実施例15において留出させた留分の量を表5に示した
量に変えた以外は、すべて実施例15と同様に反応、熟
成、中和、濾過および濃縮を行い、(ポリ)エチレング
リコールモノメチルエーテルの混合物を得た。得られた
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル混合
物の収率と組成、沸点および凝固点の測定結果を実施例
15〜24および比較例4および5の結果と共に表5に
示す。実施例16により得られた(ポリ)エチレングリ
コールモノメチルエーテル混合物は沸点が250℃以上
で凝固点が−50℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を
有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテ
ル系溶剤であることがわかる。また収率も高い。また実
施例17により得られた(ポリ)エチレングリコールモ
ノメチルエーテル混合物は沸点が240℃以上で凝固点
が−50℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を有する
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤であることがわかる。また収率も高い。
【0047】実施例18〜20 実施例15において水酸化カリウムの使用量を0.59
g(10.5mmo1)に、エチレンオキサイドの使用
量を458g(10.4mol)に代えた以外は実施例
15と同様に反応および熟成を行った。アルコール系原
料1モルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が
2.6モルとなる比でエチレンオキサイドと反応させた
ことになる。得られた反応混合物に85重量%リン酸
1.21g(10.5mmol)を加え中和し、析出し
たリン酸のカリウム塩を濾過で除いた。得られた濾液の
うち550.0gを精留塔を装着した蒸留装置により減
圧濃縮し、表5に示した量の留分を留出させ濃縮残とし
て(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合
物を得た。得られた(ポリ)エチレングリコールモノメ
チルエーテル混合物の収率、組成と沸点および凝固点の
測定結果を表5に示す。実施例18および19により得
られた(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル
混合物は沸点が250℃以上で凝固点が−50℃より低
く、高沸点でかつ低凝固点を有する(ポリ)エチレング
リコールモノアルキルエーテル系溶剤であることがわか
る。また収率も高い。また実施例20により得られた
(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合物
は沸点が240℃以上で凝固点が−50℃より低く、高
沸点でかつ低凝固点を有する(ポリ)エチレングリコー
ルモノアルキルエーテル系溶剤であることがわかる。ま
た収率も高い。
【0048】実施例21〜22 実施例15において水酸化カリウムの使用量を0.66
g(11.8mmo1)に、エチレンオキサイドの使用
量を528g(12.0mol)に、反応時間を3時間
に代えた以外は実施例15と同様に反応および熟成を行
った。アルコ−ル系原料1モルに対して反応後のオキシ
エチレン基の総数が3.0モルとなる比でエチレンオキ
サイドと反応させたことになる。得られた反応混合物に
85重量%リン酸1.36g(11.8mmol)を加
え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除い
た。得られた濾液のうち600.0gを精留塔を装着し
た蒸留装置により減圧濃縮し、表5に示した量の留分を
留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテル混合物を得た。得られた(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテル混合物の収率、組成と
沸点および凝固点の測定結果を表5に示す。
【0049】実施例21により得られた(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテル混合物は沸点が240
℃以上で凝固点が−40℃より低く、高沸点でかつ低凝
固点を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキル
エーテル系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
また実施例22により得られた(ポリ)エチレングリコ
ールモノメチルエーテル混合物は沸点が230℃以上で
凝固点が−50℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を有
する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル
系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
【0050】実施例23〜24 実施例15において水酸化カリウムの使用量を0.76
g(13.5mmo1)に、エチレンオキサイドの使用
量を634g(14.4mol)に、反応時間を3.5
時間に代えた以外は実施例15と同様に反応および熟成
を行った。アルコール系原料1モルに対して反応後のオ
キシエチレン基の総数が3.6モルとなる比でエチレン
オキサイドと反応させたことになる。得られた反応混合
物に85重量%リン酸1.56g(13.5mmol)
を加え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除
いた。得られた濾液のうち750.0gを精留塔を装着
した蒸留装置により減圧濃縮し、表5に示した量の留分
を留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモ
ノメチルエーテル混合物を得た。得られた(ポリ)エチ
レングリコールモノメチルエーテル混合物の収率、組成
と沸点および凝固点の測定結果を表5に示す。
【0051】実施例23により得られた(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテル混合物は沸点が250
℃以上で凝固点が−40℃より低く、高沸点でかつ低凝
固点を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキル
エーテル系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
また実施例24により得られた(ポリ)エチレングリコ
ールモノメチルエーテル混合物は沸点が240℃以上で
凝固点が−40℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を有
する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル
系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
【0052】比較例4〜5 実施例15において水酸化カリウムの使用量を0.87
g(15.5mmo1)に、エチレンオキサイドの使用
量を739g(16.8mol)に、反応時間を4時間
に代えた以外は実施例15と同様に反応および熟成を行
った。アルコール系原料1モルに対して反応後のオキシ
エチレン基の総数が4.2モルとなる比でエチレンオキ
サイドと反応させたことになる。得られた反応混合物に
85重量%リン酸1.79g(15.5mmol)を加
え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除い
た。得られた濾液のうち800.0gを精留塔を装着し
た蒸留装置により減圧濃縮し、表5に示した量の留分を
留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテル混合物を得た。得られた(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテル混合物の収率、組成と
沸点および凝固点の測定結果を表5に示す。比較例4お
よび5により得られた(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテル混合物は沸点が250℃以上であるが凝
固点が−40℃より高くなった。
【0053】
【表5】
【0054】実施例25 実施例15において、水酸化カリウムの代わりに水酸化
バリウム八水和物2.88g(9.lmmol)を使用
し、エチレンオキサイドの使用量を352g(8.0m
ol)に、反応時間を2時間に代えた以外は実施例15
と同様に反応および熟成を行った。アルコール系原料1
モルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が2.0
モルとなる比でエチレンオキサイドと反応させたことに
なる。得られた反応混合物に50重量%硫酸1.78g
(9.lmmol)を加え中和し、析出した硫酸のバリ
ウム塩を濾過で除いた。得られた濾液のうち450.0
gを精留塔を装着した蒸留装置により減圧濃縮し、21
2.0gの留分を留出させ濃縮残として(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテル混合物を238.0g
得た。留分中にはメタノール、MGM、DGMか含まれ
ていた。得られた(ポリ)エチレングリコールモノメチ
ルエーテル混合物を定量分析したところ、メタノールお
よびMGMは検出されず、DGM、TGM、TeGM、
PeGM、HeGMおよびHepGMがそれぞれ4.3
重量%、49.5重量%、28.8重量%、13.3重
量%、3.7重量%および0.4重量%含まれていた。
(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合物
の沸点および凝固点を測定した。沸点は244℃であ
り、凝固点は−50℃より低かった。収率は52.9%
であった。このようにして得られた(ポリ)エチレング
リコールモノメチルエーテル混合物は沸点が240℃以
上で凝固点が−50℃より低く、高沸点でかつ低凝固点
を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエー
テル系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
【0055】比較例6 実施例25において、メタノールの使用量を256g
(8.0mol)に、水酸化バリウム八水和物の使用量
を2.59g(8.2mmol)に、エチレンオキサイ
ドの使用量を176g(4.0mol)に代えた以外は
実施例25と同様に反応および熟成を行った。アルコー
ル系原料1モルに対して反応後のオキシエチレン基の総
数が0.5モルとなる比でエチレンオキサイドと反応さ
せたことになる。得られた反応混合物に50重量%硫酸
1.61g(8.2mmol)を加え中和し、析出した
硫酸のバリウム塩を濾過で除いた。得られた濾液のうち
400.0gを精留塔を装着した蒸留装置により減圧濃
縮し、364.3gの留分を留出させ濃縮残として(ポ
リ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合物を3
5.7g得た。留分中にはメタノール、MGM、DGM
が含まれていた。得られた(ポリ)エチレングリコール
モノメチルエーテル混合物を定量分析したところ、メタ
ノールおよびMGMは検出されず、DGM、TGM、T
eGMおよびPeGMが5.9重量%、42.6重量
%、41.9重量%および9.6重量%含まれていた。
この(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混
合物の沸点および凝固点を測定した。沸点は231℃で
あり、凝固点は−50℃より低かった。収率は8.9%
であった。このようにして得られた(ポリ)エチレング
リコールモノメチルエーテル混合物は沸点が230℃以
上で凝固点が−50℃より低いが、収率は非常に低い。
【0056】実施例26〜28 原料導入管および反応液抜き出し管を備えた1000m
lオートクレーブの反応器内を窒素置換した後、DGM
480gおよび水酸化カリウム0.40g(7.lmm
ol)を仕込んだ。120℃に昇温した後、この温度を
保ちながらエチレンオキサイド、メタノール、MGM、
DGMおよび水酸化カリウムを370:122:23
7:430:1の重量比で混合した液を毎時120gの
速度で原料導入管より反応器内に連続的に送入し反応さ
せるとともに、反応液抜き出し管より導入した液量と同
量の反応液を反応器内より抜き出した。抜き出した反応
液はさらに別の1000mlオートクレーブ(熟成槽)
に連続的に供給し、120℃で2.5時間の滞留時間を
もたせて熟成した後、熟成槽の反応液抜き出し管より反
応混合液を抜き出した。1時間当たりの各原料の導入量
はエチレンオキサイド38.3g(0.87mol)、
メタノール12.6g(0.39mol)、MGM2
4.5g(0.32mol)およびDGM44.5g
(0.37mol)であるのでアルコール系原料の総モ
ル数は1.08モルであり、またアルコール系原料に含
まれるオキシエチレン基と反応に用いたエチレンオキサ
イドとの総モル数は1.93モルである。すなわち、ア
ルコール系原料1モルに対して反応後のオキシエチレン
基の総数が1.79モルとなる比でエチレンオキサイド
と反応させたことになる。反応開始12時間後以降、熟
成後の反応混合液中の(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテルの組成が一定し、反応が定常状態に達し
た。
【0057】さらに24時間反応を続けた。反応が定常
状態に達した以降に得られた反応混合液500gに85
%リン酸0.86g(7.5mmol)を加え中和し、
析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除いた。得られた
濾液のうち400.0gを精留塔を装着した蒸留装置に
より減圧濃縮し、表6に示した量の留分を留出させ濃縮
残として(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテ
ル混合物を得た。得られた(ポリ)エチレングリコール
モノメチルエーテル混合物の収率、組成と沸点および凝
固点の測定結果を表6に示した。実施例26〜28によ
り得られた(ポリ)エチレングリコールモノメチルエー
テル混合物はいずれも沸点が250℃以上で凝固点が−
50℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を有する(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤で
あることがわかる。また収率も高い。
【0058】実施例29〜31 実施例26において反応器に送入する液を、エチレンオ
キサイド、メタノール、MGM、DGMおよび水酸化カ
リウムを224:108:280:394:1の重量比
で混合した液に代えた以外はすべて実施例26と同様に
反応、熟成を行った。1時間当たりの各原料の導入量は
エチレンオキサイド26.7g(0.61mol)、メ
タノール12.9g(0.40mol)、MGM33.
4g(0.44mol)およびDGM47.0g(0.
39mol)であるのでアルコール系原料の総モル数は
1.23モルであり、またアルコール系原料に含まれる
オキシエチレン基と反応に用いたエチレンオキサイドと
の総モル数は1.83モルである。すなわち、アルコー
ル系原料1モルに対して反応後のオキシエチレン基の総
数が1.49モルとなる比でエチレンオキサイドと反応
させたことになる。反応開始12時間後以降、熟成後の
反応混合液中の(ポリ)エチレングリコールモノメチル
エーテルの組成が一定し、反応が定常状態に達した。
【0059】さらに24時間反応を続けた。反応が定常
状態に達した以降に得られた反応混合液500gに85
%リン酸1.02g(8.8mmol)を加え中和し、
析出したリン酸のカリウム塩を濾過で除いた。得られた
濾液のうち400.0gを精留塔を装着した蒸留装置に
より減圧濃縮し、表6に示した量の留分を留出させ濃縮
残として(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテ
ル混合物を得た。得られた(ポリ)エチレングリコール
モノメチルエーテル混合物の収率、組成と沸点および凝
固点の測定結果を表6に示した。実施例29〜31によ
り得られた(ポリ)エチレングリコールモノメチルエー
テル混合物はいずれも沸点が250℃以上で凝固点が−
50℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を有する(ポ
リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤で
あることがわかる。また収率も高い。
【0060】
【表6】
【0061】実施例32 実施例15においてメタノールの代わりにイソプロパノ
ール180g(3.0mol)を、水酸化カリウムの代
わりに活性白土4.2gを使用し、エチレンオキサイド
の使用量を290g(6.6mol)に、反応時間を3
時間に、反応温度を125℃に代えた以外は実施例15
と同様に反応および熟成を行った。アルコール系原料1
モルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が2.2
モルとなる比でエチレンオキサイドと反応させたことに
なる。得られた反応混合物を濾過し活性白土を除いた。
得られた濾液のうち400.0gを精留塔を装着した蒸
留装置により減圧濃縮し、204.1gの留分を留出さ
せ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノイソプ
ロピルエーテル混合物を195.9g得た。留分中には
イソプロパノール、MGIP、DGIPが含まれてい
た。得られた(ポリ)エチレングリコールモノイソプロ
ピルエーテル混合物を定量分析したところ、イソプロパ
ノールおよびMGIPは検出されず、DGIP、TGI
P、TeGIP、PeGIP、HeGIPおよびHep
GIPかそれぞれ2.7重量%、52.9重量%、2
7.4重量%、11.5重量%、5.0重量%および
0.5重量%含まれていた。この(ポリ)エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテル混合物の沸点および凝
固点を測定した。沸点は258℃であり、凝固点は−4
0〜−50℃の範囲にあった。収率は49.0%であっ
た。このようにして得られた(ポリ)エチレングリコー
ルモノイソプロピルエーテル混合物は沸点が250℃以
上で凝固点が−40℃より低く、高沸点でかつ低凝固点
を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエー
テル系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
【0062】実施例33 実施例15においてメタノールの代わりにノルマルブタ
ノール222g(3.0mol)を、水酸化カリウムの
代わりに水酸化ナトリウム0.46g(11.5mmo
l)を使用し、エチレンオキサイドの使用量を238g
(5.4mo1)に、反応時間を2時間に、反応温度を
130℃に代えた以外は実施例15と同様に反応および
熟成を行った。アルコール系原料1モルに対して反応後
のオキシエチレン基の総数が1.8モルとなる比でエチ
レンオキサイドと反応させたことになる。得られた反応
混合物に85重量%リン酸1.33g(11.5mmo
1)を加え中和し、析出したリン酸のナトリウム塩を濾
過で除いた。得られた濾液のうち400.0gを精留塔
を装着した蒸留装置により減圧濃縮し、213.7gの
留分を留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコー
ルモノノルマルブチルエーテル混合物を186.3g得
た。留分中にはノルマルブタノール、MGB、DGBが
含まれていた。
【0063】得られた(ポリ)エチレングリコールモノ
ノルマルブチルエーテル混合物を定量分析したところ、
ノルマルブタノールおよびMGBは検出されず、DG
B、TGB、TeGB、PeGB、HeGBおよびHe
pGBがそれぞれ3.1重量%、53.3重量%、3
2.3重量%、9.6重量%、1.4重量%および0.
3重量%含まれていた。この(ポリ)エチレングリコー
ルモノノルマルブチルエーテル混合物の沸点および凝固
点を測定した。沸点は278℃であり、凝固点は−40
〜−50℃の範囲にあった。収率は46.6%であっ
た。このようにして得られた(ポリ)エチレングリコー
ルモノノルマルブチルエーテル混合物は沸点が270℃
以上で凝固点が−40℃より低く、高沸点でかつ低凝固
点を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエ
ーテル系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
【0064】実施例34(メチル系、低沸点成分の循環
再使用) 1000mlオートクレーブの反応器内を窒素置換した
後、メタノール128g(4.0mol)および水酸化
カリウム0.53g(9.4mmol)を仕込んだ。1
10℃に昇温した後、この温度を保ちながらエチレンオ
キサイド404.8g(9.2mol)を2〜5Kg/
cm2 Gの加圧下で2.5時間かけて送入し反応させ、
さらにエチレンオキサイド送入終了後、同温度で1時間
熟成を行った。アルコール系原料1モルに対して反応後
のオキシエチレン基の総数が2.3モルとなる比でエチ
レンオキサイドと反応させたことになる。得られた反応
混合物に85重量%リン酸1.08g(9.4mmo
l)を加え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾過
で除いた。得られた濾液のうち500.0gを精留塔を
装着した蒸留装置により減圧濃縮し、197.5gの留
分を留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコール
モノメチルエーテル混合物を302.5g得た。
【0065】尚、留分にはガスクロマトグラフィーによ
る分析の結果、メタノール、MGMおよびDGMが含ま
れていた(以下、この留分を留分(1)と略記す
る。)。また濃縮後の得られた(ポリ)エチレングリコ
ールモノメチルエーテル混合物をガスクロマトグラフィ
ーで定量分析したところ、メタノールおよびMGMは検
出されず、DGM、TGM、TeGM、PeGM、He
GM、HepGMおよびOctGMがそれぞれ5.0重
量%、43.8重量%、28.9重量%、13.9重量
%、5.8重量%、2.1重量%および0.5重量%含
まれていた。この(ポリ)エチレングリコールモノメチ
ルエーテル混合物の沸点および凝固点を測定したところ
沸点は256℃であり、凝固点は−50℃より低かっ
た。また(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテ
ル混合物の収率は60.5%であった。
【0066】次に留分(1)を定量分析した結果、メタ
ノールが3.8重量%、MGMが35.7重量%および
DGMが60.5重量%含まれていた。この留分(1)
197.5gとメタノール58.9g(1.84mo
l)とをアルコール系原料として用い、エチレンオキサ
イドの使用量を275.9g(6.27mol)に、反
応時間を2時間に変えた以外は、すべて上記の前反応と
同様に反応および熟成を行った。留分(1)に含まれて
いるメタノールは7.5g(0.23mol)、MGM
は70.5g(0.93mo1)、DGMは119.5
g(1.00mo1)であるので、アルコール系原料の
総モル数は4.0モルであり、またアルコール系原料中
のMGMとDGMに含まれるオキシエチレン基と反応に
用いたエチレンオキサイドとの総モル数は9.2モルで
ある。すなわち、アルコール系原料1モルに対して反応
後のオキシエチレン基の総数が2.3モルとなる比でエ
チレンオキサイドと反応させたことになる。前反応と同
様に中和、濾過を行った後、得られた濾液のうち50
0.0gを精留塔を装着した蒸留装置により減圧濃縮
し、198.5gの留分を留出させ濃縮残として(ポ
リ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合物を3
01.5g得た。
【0067】尚、留分にはガスクロマトグラフィーによ
る分析の結果、メタノール、MGMおよびDGMが含ま
れていた(以下この留分を留分(2)と略記する。)。
また濃縮後の得られた(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテル混合物をガスクロマトグラフィーで定量
分析したところ、メタノールおよびMGMは検出され
ず、DGM、TGM、TeGM、PeGM、HeGM、
HepGMおよびOctGMがそれぞれ4.8重量%、
42.8重量%、30.3重量%、14.3重量%、
5.6重量%、1.8重量%および0.4重量%含まれ
ていた。この(ポリ)エチレングリコールモノメチルエ
ーテル混合物の沸点および凝固点を測定したところ沸点
は256℃であり、凝固点は−50℃より低かった。ま
た(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合
物の収率は60.3%であった。このようにして得られ
た(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合
物は沸点が250℃以上で凝固点が−50℃より低く、
高沸点でかつ低凝固点を有する(ポリ)エチレングリコ
ールモノアルキルエーテル系溶剤であることがわかる。
また収率も高い。さらには前反応における濃縮蒸留で得
られた低沸点成分が有効に次の反応で循環再使用するこ
とができた。
【0068】実施例35(メチル系、低沸点成分の循環
再使用) 実施例34において得られた留分(2)を定量分析した
結果、メタノールが4.3重量%、MGMが35.8重
量%およびDGMが59.9重量%含まれていた。この
留分(2)198.5gとメタノール57.6g(1.
80mol)とをアルコール系原料として用い、エチレ
ンオキサイドの使用量を276.3g(6.28mo
l)に、反応時間を2時間に変えた以外は、すべて実施
例34の前反応と同様に反応および熟成を行った。留分
(2)に含まれているメタノールは8.5g(0.27
mol)、MGMは71.1g(0.94mol)、D
GMは118.9g(0.99mol)であるので、ア
ルコール系原料の総モル数は4.0モルであり、またア
ルコール系原料中のMGMとDGMに含まれるオキシエ
チレン基と反応に用いたエチレンオキサイドとの総モル
数は9.2モルである。すなわち、アルコール系原料1
モルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が2.3
モルとなる比でエチレンオキサイドと反応させたことに
なる。実施例34の前反応と同様に中和、濾過を行った
後、得られた濾液のうち500.0gを精留塔を装着し
た蒸留装置により減圧濃縮し、195.5gの留分を留
出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノメ
チルエーテル混合物を304.5g得た。
【0069】尚、留分にはガスクロマトグラフィーによ
る分析の結果、メタノール、MGMおよびDGMが含ま
れていた。また濃縮後の得られた(ポリ)エチレングリ
コールモノメチルエーテル混合物をガスクロマトグラフ
ィーで定量分析したところ、メタノールおよびMGMは
検出されず、DGM、TGM、TeGM、PeGM、H
eGM、HepGMおよびOctGMがそれぞれ5.3
重量%、43.8重量%、28.9重量%、14.1重
量%、5.7重量%、1.8重量%および0.4重量%
含まれていた。この(ポリ)エチレングリコールモノメ
チルエーテル混合物の沸点および凝固点を測定したとこ
ろ沸点は255℃であり、凝固点は−50℃より低かっ
た。また(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテ
ル混合物の収率は60.9%であった。このようにして
得られた(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテ
ル混合物は沸点が250℃以上で凝固点が−50℃より
低く、高沸点でかつ低凝固点を有する(ポリ)エチレン
グリコールモノアルキルエーテル系溶剤であることかわ
かる。また収率も高い。さらには前反応の蒸留濃縮で得
られた低沸点成分が有効に次の反応で循環再使用するこ
とができた。
【0070】実施例36(メチル系、低沸点成分の循環
再使用) 実施例34においてメタノール128.0gの代わりに
メタノール41.6g(1.3mol)、MGM91.
2g(1.2mol)およびDGM180.0g(1.
5mol)をアルコール系原料として用い、水酸化カリ
ウムの使用量を0.59g(10.5mmol)に、エ
チレンオキサイドの使用量を272.8g(6.2mo
l)に、反応時間を2時間に代えた以外は実施例34と
同様に反応および熟成を行った。アルコール系原料の総
モル数は4.0モルであり、また、アルコール系原料中
にMGMとDGMに含まれるオキシエチレン基と反応に
用いたエチレンオキサイドの総モル数は10.4モルで
ある。すなわち、アルコール系原料1モルに対して反応
後のオキシエチレン基の総数が2.6モルとなる比でエ
チレンオキサイドと反応させたことになる。得られた反
応混合物に85重量%リン酸1.21g(10.5mm
ol)を加え中和し、析出したリン酸のカリウム塩を濾
過で除いた。得られた濾液のうち580.0gを精留塔
を装着した蒸留装置により減圧濃縮し、174.0gの
留分を留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコー
ルモノメチルエーテル混合物を406.0g得た。
【0071】尚、留分にはガスクロマトグラフィーによ
る分析の結果、メタノール、MGMおよびDGMが含ま
れていた(以下、この留分を留分(3)と略記す
る。)。また濃縮後の得られた(ポリ)エチレングリコ
ールモノメチルエーテル混合物をガスクロマトグラフィ
ーで定量分析したところ、メタノールおよびMGMは検
出されず、DGM、TGM、TeGM、PeGM、He
GM、HepGM、OctGMおよびNonGMがそれ
ぞれ7.6重量%、35.7重量%、27.1重量%、
16.4重量%、8.3重量%、3.5重量%、1.2
重量%および0.2重量%含まれていた。この(ポリ)
エチレングリコールモノメチルエーテル混合物の沸点お
よび凝固点を測定したところ沸点は253℃であり、凝
固点は−50℃より低かった。また(ポリ)エチレング
リコールモノメチルエーテル混合物の収率は70.0%
であった。
【0072】得られた留分(3)を定量分析した結果、
メタノールが3.0重量%、MGMが37.3重量%お
よびDGMが59.7重量%含まれていた。この留分
(3)174.0gとメタノール67.8g(2.12
mol)とをアルコール系原料として用い、エチレンオ
キサイドの使用量を343.6g(7.81mol)
に、反応時間を2.5時間に変えた以外は、すべて上記
の前反応と同様に反応および熟成を行った。留分(3)
に含まれているメタノールは5.2g(0.16mo
1)、MGMは64.9g(0.85mo1)、DGM
は103.9g(0.87mol)であるので、アルコ
ール系原料の総モル数は4.0モルであり、またアルコ
ール系原料中のMGMとDGMに含まれるオキシエチレ
ン基と反応に用いたエチレンオキサイドとの総モル数は
10.4モルである。すなわち、アルコール系原料1モ
ルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が2.6モ
ルとなる比でエチレンオキサイドと反応させたことにな
る。前反応と同様に中和、濾過を行った後、得られた濾
液のうち580.0gを精留塔を装着した蒸留装置によ
り減圧濃縮し、178.6gの留分を留出させ濃縮残と
して(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混
合物を401.4g得た。尚、留分にはガスクロマトグ
ラフィーによる分析の結果、メタノール、MGMおよび
DGMが含まれていた。
【0073】また濃縮後の得られた(ポリ)エチレング
リコールモノメチルエーテル混合物をガスクロマトグラ
フィーで定量分析したところ、メタノールおよびMGM
は検出されず、DGM、TGM、TeGM、PeGM、
HeGM、HepGM、OctGMおよびNonGMが
それぞれ7.1重量%、36.0重量%、27.3重量
%、16.3重量%、8.3重量%、3.7重量%、
1.1重量%および0.2重量%含まれていた。この
(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合物
の沸点および凝固点を測定したところ沸点は253℃で
あり、凝固点は−50℃より低かった。また(ポリ)エ
チレングリコールモノメチルエーテル混合物の収率は6
9.2%であった。このようにして得られた(ポリ)エ
チレングリコールモノメチルエーテル混合物は沸点が2
50℃以上で凝固点が−50℃より低く、高沸点でかつ
低凝固点を有する(ポリ)エチレングリコールモノアル
キルエーテル系溶剤であることがわかる。また収率も高
い。さらには前反応の蒸留濃縮で得られた低沸点成分が
有効に次の反応で循環再使用できた。
【0074】実施例37(イソプロピル系、低沸点成分
の循環再使用) イソプロパノール120.0g(2.0mol)および
MGIP104.0g(1.0mol)をアルコール系
原料として用い、水酸化カリウムの代わりに活性白土
4.2gを使用し、エチレンオキサイドの使用量を24
6.4g(5.6mol)に、反応温度を125℃に変
えた以外は実施例34の前反応と同様に反応および熟成
を行った。アルコール系原料の総モル数は3.0モルで
あり、またアルコール系原料中のMGIPに含まれるオ
キシエチレン基と反応に用いたエチレンオキサイドとの
総モル数は6.6モルである。すなわち、アルコール系
原料1モルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が
2.2モルとなる比でエチレンオキサイドと反応させた
ことになる。得られた反応混合物を濾過し活性白土を除
いた。得られた濾液のうち400.0gを精留塔を装着
した蒸留装置により減圧濃縮し、198.6gの留分を
留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノ
イソプロピルエーテル混合物を201.4g得た。
【0075】尚、ガスクロマトグラフィーによる分析の
結果、留分中にはイソプロパノール、MGIPおよびD
GIPが含まれていた(以下、この留分を留分(4)と
略記する。)。得られた(ポリ)エチレングリコールモ
ノイソプロピルエーテル混合物を定量分析したところ、
イソプロパノールおよびMGIPは検出されず、DGI
P、TGIP、TeGIP、PeGIP、HeGIPお
よびHepGIPがそれぞれ3.1重量%、53.6重
量%、27.1重量%、11.1重量%、4.8重量%
および0.3重量%含まれていた。この(ポリ)エチレ
ングリコールモノイソプロピルエーテル混合物の沸点お
よび凝固点を測定した。沸点は256℃であり、凝固点
は−40〜−50℃の範囲にあった。収率は50.4%
であった。得られた留分(4)を定量分析した結果、イ
ソプロパノールが11.6重量%、MGIPが29.4
重量%およびDGIPが59.0重量%含まれていた。
この留分(4)190.0gとイソプロパノール79.
8g(1.33mol)とをアルコール系原料として用
い、エチレンオキサイドの使用量を199.8g(4.
54mol)に変えた以外は、すべて上記の前反応と同
様に反応および熟成を行った。留分(4)に含まれてい
るイソプロパノールは22.0g(0.37mo1)、
MGIPは55.9g(0.54mo1)、DGIPは
112.1g(0.76mol)であるので、アルコー
ル系原料の総モル数は3.0モルであり、またアルコー
ル系原料中のMGIPとDGIPに含まれるオキシエチ
レン基と反応に用いたエチレンオキサイドとの総モル数
は6.6モルである。すなわち、アルコール系原料1モ
ルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が2.2モ
ルとなる比でエチレンオキサイドと反応させたことにな
る。反応液を濾過し活性白土を除いた後、得られた濾液
のうち400.0gを精留塔を装着した蒸留装置により
減圧濃縮し、196.9gの留分を留出させ濃縮残とし
て(ポリ)エチレングリコールモノイソプロピルエーテ
ル混合物を203.1g得た。
【0076】尚、留分にはガスクロマトグラフィーによ
る分析の結果、イソプロパノール、MGIPおよびDG
IPが含まれていた。また濃縮後の得られた(ポリ)エ
チレングリコールモノイソプロピルエーテル混合物をガ
スクロマトグラフィーで定量分析したところ、イソプロ
パノールおよびMGIPは検出されず、DGIP、TG
IP、TeGIP、PeGIP、HeGIPおよびHe
pGIPがそれぞれ3.3重量%、52.9重量%、2
7.4重量%、11.2重量%、4.9重量%および
0.3重量%含まれていた。この(ポリ)エチレングリ
コールモノイソプロピルエーテル混合物の沸点および凝
固点を測定した。沸点は253℃であり、凝固点は−4
0〜−50℃の範囲にあった。収率は50.8%であっ
た。このようにして得られた(ポリ)エチレングリコー
ルモノイソプロピルエーテル混合物は沸点が250℃以
上で凝固点が−40℃より低く、高沸点でかつ低凝固点
を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエー
テル系溶剤であることがわかる。また収率も高く、さら
には前反応の濃縮蒸留で得られた低沸点成分が有効に次
の反応で循環再使用出来た。
【0077】実施例38(ノルマルブチル系、低沸点成
分の循環再使用) ノルマルブタノール74.0g(1.0mol)、MG
B118.0g(1.0mol)およびDGB162.
0g(1.0mol)をアルコール系原料として用い、
水酸化カリウムの代わりに水酸化ナトリウム0.46g
(11.5mmol)を使用し、エチレンオキサイドの
使用量を105.6g(2.4mol)に、反応時間を
2時間に、反応温度を130℃に変えた以外は実施例3
4の前反応と同様に反応および熟成を行った。アルコー
ル系原料の総モル数は3.0モルであり、またアルコー
ル系原料中のMGB、DGBに含まれるオキシエチレン
基と反応に用いたエチレンオキサイドとの総モル数は
5.4モルである。すなわち、アルコール系原料1モル
に対して反応後のオキシエチレン基の総数が1.8モル
となる比でエチレンオキサイドと反応させたことにな
る。得られた反応混合物に85重量%リン酸1.33g
(11.5mmol)を加え中和し、析出したリン酸の
ナトリウム塩を濾過で除いた。得られた濾液のうち40
0.0gを精留塔を装着した蒸留装置により減圧濃縮
し、206.7gの留分を留出させ濃縮残として(ポ
リ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテル混
合物を193.3g得た。
【0078】尚、留分にはガスクロマトグラフィーによ
る分析の結果、ノルマルブタノール、MGBおよびDG
Bが含まれていた(以下、この留分を留分(5)と略記
する)。また濃縮後の得られた(ポリ)エチレングリコ
ールモノノルマルブチルエーテル混合物をガスクロマト
グラフィーで定量分析したところ、ノルマルブタノール
およびMGBは検出されず、DGB、TGB、TeG
B、PeGB、HeGBおよびHepGBかそれぞれ
4.1重量%、51.6重量%、33.2重量%、9.
6重量%、1.3重量%および0.2重量%含まれてい
た。この(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチ
ルエーテル混合物の沸点および凝固点を測定した。沸点
は275℃であり、凝固点は−40〜−50℃の範囲に
あった。収率は48.3%であった。得られた留分
(5)を定量分析した結果、ノルマルブタノールが7.
4重量%、MGBが32.2重量%およびDGBが6
0.4重量%含まれていた。この留分(5)200.0
gとノルマルブタノール111.0g(1.50mo
l)とをアルコール系原料として用い、エチレンオキサ
イドの使用量を147.4g(3.35mol)に、反
応時間を3時間に変えた以外は、すべて上記の前反応と
同様に反応および熟成を行った。留分(5)に含まれて
いるノルマルブタノールは14.8g(0.20mo
1)、MGBは64.4g(0.55mo1)、DGB
は120.8g(0.75mol)であるので、アルコ
ール系原料の総モル数は3.0モルであり、またアルコ
ール系原料中のMGBとDGBに含まれるオキシエチレ
ン基と反応に用いたエチレンオキサイドとの総モル数は
5.4モルである。すなわち、アルコール系原料1モル
に対して反応後のオキシエチレン基の総数が1.8モル
となる比でエチレンオキサイドと反応させたことにな
る。反応液の中和、濾過を行った後、得られた濾液のう
ち400.0gを精留塔を装着した蒸留装置により減圧
濃縮し、211.9gの留分を留出させ濃縮残として
(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
ル混合物を188.1g得た。
【0079】尚、留分にはガスクロマトグラフィーによ
る分析の結果、ノルマルブタノール、MGBおよびDG
Bが含まれていた。また濃縮後の得られた(ポリ)エチ
レングリコールモノノルマルブチルエーテル混合物をガ
スクロマトグラフィーで定量分析したところ、ノルマル
ブタノールおよびMGBは検出されず、DGB、TG
B、TeGB、PeGB、HeGBおよびHepGBが
それぞれ5.6重量%、53.1重量%、30.9重量
%、8.9重量%、1.2重量%および0.3重量%含
まれていた。この(ポリ)エチレングリコールモノノル
マルブチルエーテル混合物の沸点および凝固点を測定し
た。沸点は274℃であり、凝固点は−40〜−50℃
の範囲にあった。収率は47.0%であった。このよう
にして得られた(ポリ)エチレングリコールモノノルマ
ルブチルエーテル混合物は沸点が270℃以上で凝固点
が−40℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を有する
(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶
剤であることがわかる。また収率も高く、さらには前反
応の濃縮蒸留で得られた低沸点成分が有効に次の反応で
循環再使用出来た。
【0080】実施例39〜41(メチル系、水存在下の
反応) 実施例21において水14.2g(0.79mol)の
存在下に反応させた以外はすべて実施例21と同様に反
応、熟成、中和、濾過を行った。アルコール系原料1モ
ルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が3.0モ
ルとなる比でエチレンオキサイドと反応させたことにな
る。得られた濾液のうち500.0gを精留塔を装着し
た蒸留装置により減圧濃縮し、表7に示した量の留分を
留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノ
メチルエーテル混合物を得た。得られた(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテル混合物の収率、組成と
沸点および凝固点の測定結果を表7に示した。尚、ガス
クロマトグラフィーによる分析の結果、得られた(ポ
リ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合物中に
は(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテルの他
に(ポリ)エチレングリコールが含まれていた。
【0081】実施例39〜41により得られた(ポリ)
エチレングリコールモノメチルエーテル混合物は沸点が
240℃以上で凝固点が−50℃より低く、高沸点でか
つ低凝固点を有する(ポリ)エチレングリコールモノア
ルキルエーテル系溶剤であることがわかる。また水の非
存在下に反応させた場合と比べ、組成の似た(ポリ)エ
チレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤を比べた
場合、凝固点がより下がっていることがわかる。さらに
は収率も高い。
【0082】実施例42〜43(メチル系、水存在下の
反応) 実施例39において水酸化カリウムの使用量を0.60
g(10.7mmo1)に、エチレンオキサイドの使用
量を475g(10.8mol)に代えた以外は実施例
39と同様に反応および熱成を行った。アルコール系原
料1モルに対して反応後のオキシエチレン基の総数が
2.7モルとなる比でエチレンオキサイドと反応させた
ことになる。得られた反応混合物に85重量%リン酸
1.23g(10.7mmol)を加え中和し、析出し
たリン酸のカリウム塩を濾過で除いた。得られた濾液の
うち500.0gを精留塔を装着した蒸留装置により減
圧濃縮し、表7に示した量の留分を留出させ濃縮残とし
て(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテル混合
物を得た。得られた(ポリ)エチレングリコールモノメ
チルエーテル混合物の収率、組成と沸点および凝固点の
測定結果を表7に示した。尚、ガスクロマトグラフィー
による分析の結果、得られた(ポリ)エチレングリコー
ルモノメチルエーテル混合物中には(ポリ)エチレング
リコールモノアルキルエーテルの他に(ポリ)エチレン
グリコールが含まれていた。
【0083】実施例42により得られた(ポリ)エチレ
ングリコールモノメチルエーテル混合物は沸点が250
℃以上で凝固点が−50℃より低く、高沸点でかつ低凝
固点を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキル
エーテル系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
また実施例43により得られた(ポリ)エチレングリコ
ールモノメチルエーテル混合物は沸点が240℃以上で
凝固点が−50℃より低く、高沸点でかつ低凝固点を有
する(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル
系溶剤であることがわかる。また収率も高い。
【0084】
【表7】
【0085】実施例44(イソプロピル系、水存在下の
反応) 実施例39においてメタノールの代わりにイソプロパノ
ール180g(3.0mol)を、添加する水の量を
1.8g(0.lmol)に、水酸化カリウムの代わり
に活性白土4.2gを使用し、エチレンオキサイドの使
用量を290g(6.6mol)、反応時間を3時間
に、反応温度を125℃に代えた以外は実施例39と同
様に反応および熟成を行った。アルコール系原料1モル
に対して反応後のオキシエチレン基の総数が2.2モル
となる比でエチレンオキサイドと反応させたことにな
る。得られた反応混合物を濾過し活性白土を除いた。得
られた濾液のうち400.0gを精留塔を装着した蒸留
装置により減圧濃縮し、189.6gの留分を留出させ
濃縮残として(ポリ)エチレングリコールモノイソプロ
ピルエーテル混合物を210.4g得た。留分中にはイ
ソプロパノール、MGIP、DGIPが含まれていた。
【0086】得られた(ポリ)エチレングリコールモノ
イソプロピルエーテル混合物を定量分析したところ、イ
ソプロパノールおよびMGIPは検出されず、DGI
P、TGIP、TeGIP、PeGIP、HeIPおよ
びHepIPがそれぞれ3.0重量%、49.9重量
%、26.2重量%、10.8重量%、4.5重量%お
よび0.3重量%含まれており、さらに(ポリ)エチレ
ングリコールが5.3重量%含まれていた。この(ポ
リ)エチレングリコールモノイソプロピルエーテル混合
物の沸点および凝固点を測定した。沸点は258℃であ
り、凝固点は−40〜−50℃の範囲にあった。収率は
52.6%であった。このようにして得られた(ポリ)
エチレングリコールモノイソプロピルエーテル混合物は
沸点が250℃以上で凝固点が−40℃より低く、高沸
点でかつ低凝固点を有する(ポリ)エチレングリコール
モノアルキルエーテル系溶剤であることがわかる。また
収率も高い。
【0087】実施例45(ノルマルブチル系、水存在下
の反応) 実施例39においてメタノールの代わりにノルマルブタ
ノール222g(3.0mol)を、添加する水の量を
11.5g(0.6mol)に、水酸化カリウムの代わ
りに水酸化ナトリウム0.46g(11.5mmol)
を使用し、エチレンオキサイドの使用量を238g
(5.4mol)に、反応時間を2時間に、反応温度を
130℃に代えた以外は実施例39と同様に反応および
熟成を行った。アルコール系原料1モルに対して反応後
のオキシエチレン基の総数が1.8モルとなる比でエチ
レンオキサイドと反応させたことになる。得られた反応
混合物に85重量%リン酸1.33g(11.5mmo
l)を加え中和し、析出したリン酸のナトリウム塩を濾
過で除いた。得られた濾液のうち400.0gを精留塔
を装着した蒸留装置により減圧濃縮し、207.6gの
留分を留出させ濃縮残として(ポリ)エチレングリコー
ルモノノルマルブチルエーテル混合物を192.4g得
た。留分中にはノルマルブタノール、MGBおよびDG
Bが含まれていた。
【0088】得られた(ポリ)エチレングリコールモノ
ノルマルブチルエーテル混合物を定量分析したところ、
ノルマルブタノールおよびMGBは検出されず、DG
B、TGB、TeGB、PeGB、HeGBおよびHe
pGBがそれぞれ5.2重量%、48.9重量%、3
0.0重量%、8.7重量%、1.1重量%および0.
2重量%含まれており、さらに(ポリ)エチレングリコ
ールが5.9重量%含まれていた。この(ポリ)エチレ
ングリコールノルマルブチルエーテル混合物の沸点およ
び凝固点を測定した。沸点は279℃であり、凝固点は
−40〜−50℃の範囲にあった。収率は48.1%で
あった。このようにして得られた(ポリ)エチレングリ
コールモノノルマルブチルエーテル混合物は沸点が27
0℃以上で凝固点が−40℃より低く、高沸点でかつ低
凝固点を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル系溶剤であることがわかる。また収率も高
い。
【0089】実施例46(メチル系、高沸点成分の除
去) 実施例15により得られた(ポリ)エチレングリコール
モノアルキルエーテル系溶剤200.0gを薄膜蒸発装
置により減圧蒸留し、蒸留残査として3.4gの高沸点
成分を除去した。高沸点成分中にはPeGMからOct
GMまで(ポリ)エチレングリコールモノメチルエーテ
ルが含まれていた。得られた溶剤をガスクロマトグラフ
ィーにより定量分析したところ、メタノールおよびMG
Mは検出されず、DGM、TGM、TeGM、PeG
M、HeGM、HepGBおよびOctGMがそれぞれ
3.1重量%、41.0重量%、31.1重量%、1
5.8重量%、6.8重量%、2.1重量%および0.
1重量%含まれいた。この溶剤の沸点は256℃、凝固
点は−50℃以下であった。また、溶剤中のカリウムイ
オン濃度を原子吸光法によって定量したところ、高沸点
成分を除去する前の溶剤にはカリウムイオンが3.6重
量ppm溶存していたが、高沸点成分除去後はカリウム
イオンの溶存量は0.1重量ppm以下であった。
【0090】
【発明の効果】本発明によれば、200℃以上の高沸点
を有しかつ−40℃より低い低凝固点を有して、幅広い
温度範囲において液体状態を保てる(ポリ)エチレング
リコールモノアルキルエーテル系溶剤を提供することが
でき、さらには(ポリ)エチレングリコールモノアルキ
ルエーテル系溶剤を簡便でしかも効率よく製造すること
ができる。
フロントページの続き (31)優先権主張番号 特願平8−325401 (32)優先日 平8(1996)12月5日 (33)優先権主張国 日本(JP) (31)優先権主張番号 特願平9−11494 (32)優先日 平9(1997)1月24日 (33)優先権主張国 日本(JP) (72)発明者 渡部 恭吉 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内 (72)発明者 大川 尚 大阪府高石市高砂1丁目6番地 三井東圧 化学株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) R1 −(OCH2 CH2 n −OH (1) (式中、R1 はメチル基、イソプロピル基またはノルマ
    ルブチル基を表わし、nは1ないし20の整数であ
    る。)で表される(ポリ)エチレングリコールモノアル
    キルエーテルの混合物であって、次の規定を満たす(ポ
    リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤。 (1)R1 がメチル基であり、nが1である(ポリ)エ
    チレングリコールモノメチルエーテルの含有量が0〜
    0.2重量%、かつnが1〜2である(ポリ)エチレン
    グリコールモノメチルエーテルの含有量の和が0〜18
    重量%、さらにnが1〜3である(ポリ)エチレングリ
    コールモノメチルエーテルの含有量の和が20〜80重
    量%、nが4〜6である(ポリ)エチレングリコールモ
    ノメチルエーテルの含有量の和が15〜65重量%、n
    が7〜9である(ポリ)エチレングリコールモノメチル
    エーテルの含有量の和が0〜20重量%、およびnが1
    0〜20である(ポリ)エチレングリコールモノメチル
    エーテルの含有量の和が0〜1重量%からなる混合物、
    (2)R1 がイソプロピル基であり、nが1である(ポ
    リ)エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの含
    有量が0〜3重量%、かつnが1〜2である(ポリ)エ
    チレングリコールモノイソプロピルエーテルの含有量の
    和が0〜28重量%、さらにnが1〜3である(ポリ)
    エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの含有量
    の和が32〜58重量%、nが4〜6である(ポリ)エ
    チレングリコールモノイソプロピルエーテルの含有量の
    和が35〜55重量%、nが7〜9である(ポリ)エチ
    レングリコールモノイソプロピルエーテルの含有量の和
    が0〜15重量%、およびnが10〜20である(ポ
    リ)エチレングリコールモノイソプロピルエーテルの含
    有量の和が0〜1重量%からなる混合物、または、
    (3)R1 がノルマルブチル基であり、nが1である
    (ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
    ルの含有量が0〜5重量%、かつnが1〜2である(ポ
    リ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテルの
    含有量の和が2〜50重量%、さらにnが1〜3である
    (ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
    ルの含有量の和が50〜80重量%、nが4〜6である
    (ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
    ルの含有量の和が20〜45重量%、nが7〜9である
    (ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチルエーテ
    ルの含有量の和が0〜10重量%、およびnが10〜2
    0である(ポリ)エチレングリコールモノノルマルブチ
    ルエーテルの含有量の和が0〜1重量%からなる混合
    物。
  2. 【請求項2】 メタノール、イソプロパノール及びノル
    マルブタノールから選ばれる1種のアルコール又は該ア
    ルコールのエチレンオキサイド1ないし2モル付加体を
    単独又は混合物としてアルコール系原料に用い、酸また
    は塩基を触媒として、アルコール系原料1モルに対して
    反応後のオキシエチレン基(−CH2CH2O−)の総数
    が1ないし4モルとなる比でエチレンオキサイドと反応
    させた後、アルコールの含有量が0重量%、かつ該アル
    コールのエチレンオキサイド1モル付加体の含有量、エ
    チレンオキサイド1〜2モル付加体の含有量の和および
    エチレンオキサイド1〜3モル付加体の含有量の和が請
    求項1記載の濃度範囲となるまで、低沸点成分を蒸留に
    より除去して濃縮することを特徴とする請求項1記載の
    組成を有する(ポリ)エチレングリコールモノアルキル
    エーテル系溶剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 蒸留により高沸点成分の一部を蒸留残査
    として除去することを特徴とする請求項2記載の(ポ
    リ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の
    製造方法。
  4. 【請求項4】 除去した低沸点成分の全量または一部を
    アルコール系原料として反応系に循環することを特徴と
    する請求項2または3記載の(ポリ)エチレングリコー
    ルモノアルキルエーテル系溶剤の製造方法。
  5. 【請求項5】 水の存在下に反応させることを特徴とす
    る請求項2ないし4記載の(ポリ)エチレングリコール
    モノアルキルエーテル系溶剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 水の添加量がアルコール系原料に対し
    て、0.5〜80重量%である請求項5記載の(ポリ)
    エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 アルコール系原料がメタノール又はメタ
    ノールのエチレンオキサイド1ないし2モル付加体の単
    独または混合物であり、塩基を触媒として反応させる請
    求項2ないし6記載の(ポリ)エチレングリコールモノ
    アルキルエーテル系溶剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 アルコール系原料がイソプロパノール又
    はイソプロパノールのエチレンオキサイド1ないし2モ
    ル付加体の単独または混合物であり、酸を触媒として反
    応させる請求項2ないし6記載の(ポリ)エチレングリ
    コールモノアルキルエーテル系溶剤の製造方法。
  9. 【請求項9】 アルコール系原料がノルマルブタノール
    又はノルマルブタノールのエチレンオキサイド1ないし
    2モル付加体の単独または混合物であり、塩基を触媒と
    して反応させる請求項2ないし6記載の(ポリ)エチレ
    ングリコールモノアルキルエーテル系溶剤の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11199534A (ja) * 1998-01-09 1999-07-27 Mitsui Chem Inc アルキレンオキシド付加体組成物
JP2001064221A (ja) * 1999-08-30 2001-03-13 Lion Corp 匂いの改良された(ポリ)エチレングリコールモノアルキルエーテル系溶剤及びその製造方法

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