JPH10259843A - 減衰力調整式油圧緩衝器 - Google Patents

減衰力調整式油圧緩衝器

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JPH10259843A
JPH10259843A JP8451497A JP8451497A JPH10259843A JP H10259843 A JPH10259843 A JP H10259843A JP 8451497 A JP8451497 A JP 8451497A JP 8451497 A JP8451497 A JP 8451497A JP H10259843 A JPH10259843 A JP H10259843A
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damping force
orifice
passage
valve
cylinder
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JP8451497A
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Akira Kashiwagi
明 柏木
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Tokico Ltd
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 減衰力調整式油圧緩衝器において、減衰力特
性の調整範囲を広くするとともに、ソフト特性時に適切
な減衰力を得る。 【解決手段】 シリンダ内のピストンの移動によって、
接続孔34,35間および接続孔35,36間に生じる油液の流
動をパイロット型主減衰弁A1,A2および可変オリフィス
B1,B2によって制御して減衰力を発生させる。アクチュ
エータ29への通電電流に応じてスプール57を移動させ、
可変オリフィスB1,B2の流路面積を変化させてオリフィ
ス特性を直接調整するとともに、その圧力損失によって
パイロット圧力を変化させ、パイロット型主減衰弁A1
A2の開弁特性を変化させてバルブ特性を調整する。伸び
側および縮み側副通路に設けた減衰力補正オリフィス6
4,65によって、可変オリフィスB1,B2の全開時に、パ
イロット圧力および減衰力を適度に増大させて、ソフト
特性時に適切な減衰力を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等の車両の
懸架装置等に装着される減衰力調整式油圧緩衝器に関す
るものである。
【0002】自動車等の車両の懸架装置に装着される油
圧緩衝器には、路面状況、走行状況等に応じて乗り心地
や操縦安定性を向上させるために減衰力を適宜調整でき
るようにした減衰力調整式油圧緩衝器がある。
【0003】減衰力調整式油圧緩衝器は、一般に、油液
を封入したシリンダ内にピストンロッドを連結したピス
トンを摺動可能に嵌装してシリンダ内を2室に画成し、
ピストン部にシリンダ内の2室を連通させる主油液通路
およびバイパス通路を設け、主油液通路には、オリフィ
スおよびディスクバルブからなる減衰力発生機構を設
け、バイパス通路には、その通路面積を調整する減衰力
調整弁を設けた構成となっている。なお、シリンダ内の
一方の室には、ピストンロッドの伸縮にともなうシリン
ダ内の容積変化をガスの圧縮、膨張によって補償するリ
ザーバがベースバルブを介して接続されている。
【0004】この構成により、減衰力調整弁によって、
バイパス通路を開いて、シリンダ内の2室間の油液の流
通抵抗を小さくすることにより減衰力を小さくし、ま
た、バイパス通路を閉じて2室間の流通抵抗を大きくす
ることにより、減衰力を大きくすることができる。この
ように、減衰力調整弁の開閉により減衰力特性を適宜調
整することができる。
【0005】しかしながら、上記のようにバイパス通路
の通路面積によって減衰力を調整するものでは、ピスト
ン速度の低速域においては、減衰力は油液通路のオリフ
ィスに依存するので減衰力特性を大きく変化させること
ができるが、ピストン速度の中高速域においては、減衰
力が主油液通路の減衰力発生機構(ディスクバルブ)に
依存するため、減衰力特性を大きく変化させることがで
きない。
【0006】そこで、従来、例えば実開昭62−155
242号公報に記載されているように、ピストン部に設
けられた主油液通路の減衰力発生機構であるディスクバ
ルブの背部に圧力室を形成し、この圧力室を固定オリフ
ィスを介してディスクバルブの上流側のシリンダ室に連
通させ、また、可変オリフィスを介してディスクバルブ
の下流側のシリンダ室に連通させるようにしたものが知
られている。
【0007】この減衰力調整式油圧緩衝器によれば、可
変オリフィスを開閉することにより、シリンダ内の2室
間の通路面積を調整するとともに、圧力室の圧力を変化
させてディスクバルブの開弁初期圧力を変化させること
ができる。このようにして、オリフィス特性(減衰力が
ピストン速度の2乗にほぼ比例する)およびバルブ特性
(減衰力がピストン速度にほぼ比例する)を調整するこ
とができ、減衰力特性の調整範囲を広くすることができ
る。このような減衰力調整式油圧緩衝器において、伸び
側および縮み側で独立した油液通路に、それぞれ圧力室
を有する減衰力発生機構を設けて、伸び側および縮み側
で減衰力を調整可能としたものの減衰力特性を図4に示
す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報記載の減衰力調整式油圧緩衝器では、次のような問題
がある。ソフト側の減衰力特性を選択した場合(図4中
の、参照)、すなわち、可変オリフィスを全開とし
た場合、ピストン速度の高速域(路面に対する車軸(タ
イヤ)の上下方向速度(振動速度)が約0.6m/s 以上)
で充分な減衰力が得られないため、悪路を高速で走行し
た場合等において、減衰力が不足して懸架装置のばね下
の振動を充分に減衰できないことがある。
【0009】また、走行状況に応じてリアルタイムで減
衰力を自動調整して、操縦安定性および乗り心地を向上
させるようにしたサスペンション制御装置に好適なもの
として、例えば図5に示すように、伸び側と縮み側とで
大小異なる種類の減衰力特性(伸び側がハードで縮み側
がソフトおよび伸び側がソフトで縮み側がハード)を設
定するようにした減衰力調整式油圧緩衝器では、減衰力
特性を切り換える際に、伸び側および縮み側共にソフト
となる領域(図5中のR参照)があるため、この領域に
おけるピストン速度の高速域での減衰力の不足が特に問
題となる。なお、図5中、横軸は、伸び側および縮み側
の可変オリフィスのオリフィス面積を同時に調整するた
めのソレノイドアクチュエータへの通電電流iを示して
いる。
【0010】本発明は、上記の点に鑑みてなされたもの
であり、減衰力の調整範囲が広く、しかも、適切な減衰
力特性を得ることができる減衰力調整式油圧緩衝器を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明の油圧緩衝器は、油液が封入されたシリン
ダと、該シリンダ内に摺動可能に嵌装され前記シリンダ
内を2つのシリンダ室に画成するピストンと、一端が前
記ピストンに連結され他端が前記シリンダの外部へ延出
されたピストンロッドと、前記ピストンロッドのストロ
ークにともなうピストンの移動によって油液を流通させ
る主通路と、該主通路の油液の流動を制御して減衰力を
発生させるとともにパイロット圧力に応じて減衰力を調
整するパイロット型減衰弁と、該パイロット型減衰弁を
バイパスする副通路と、該副通路に設けられた可変オリ
フィスとを備え、前記パイロット型減衰弁は、前記副通
路の前記可変オリフィスの上流側の圧力をパイロット圧
力とし、前記副通路には、前記可変オリフィスの全開時
に前記パイロット圧力を増大させるパイロット圧力補正
オリフィスが設けられていることを特徴とする。
【0012】このように構成したことにより、ピストン
ロッドのストロークにともなうピストンの移動によって
主通路および副通路に生じる油液の流動をパイロット型
主減衰弁および可変オリフィスによって制御して減衰力
を発生させる。ピストン速度が小さく、パイロット型主
減衰弁の開弁前は、副通路の可変オリフィスの流路面積
に応じて減衰力が発生し、ピストン速度が大きくなって
パイロット型主減衰弁が開弁すると、その開度に応じて
減衰力が発生する。可変オリフィスの流路面積を調整す
ることにより、副通路の流路面積を直接調整するととも
に、パイロット圧力を変化させてパイロット型主減衰弁
の開弁特性を調整する。副通路には、可変オリフィスの
全開時にパイロット圧力を増大させるパイロット圧力補
正オリフィスが設けられているので、可変オリフィスの
全開付近では、ピストン速度の高速域において、副通路
のパイロット圧力補正オリフィスの流通抵抗によって、
パイロット圧力が増大して減衰力が増大する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0014】図2に示すように、本実施形態の減衰力調
整式油圧緩衝器1は、シリンダ2の外側に外筒3が設け
られた二重筒構造になっており、シリンダ2と外筒3と
の間にリザーバ4が形成されている。シリンダ2内に
は、ピストン5が摺動可能に嵌装されており、このピス
トン5によってシリンダ2内がシリンダ上室2aとシリン
ダ下室2bとの2つのシリンダ室に画成されている。ピス
トン5には、ピストンロッド6の一端がナット7によっ
て連結されており、ピストンロッド6の他端側は、シリ
ンダ上室2aを通り、シリンダ2および外筒3の上端部に
装着されたロッドガイド6Aおよびオイルシール6Bに挿通
されてシリンダ2の外部へ延出されている。シリンダ2
の下端部には、シリンダ下室2bとリザーバ4とを区画す
るベースバルブ8が設けられている。そして、シリンダ
2内には油液が封入されており、リザーバ4内には油液
およびガスが封入されている。
【0015】ピストン5には、シリンダ上下室2a,2b間
を連通させる油路9およびこの油路9のシリンダ下室2b
側からシリンダ上室2a側への油液の流通を許容する逆止
弁10が設けられている。また、ベースバルブ8には、シ
リンダ下室2bとリザーバ4とを連通させる油路11および
この油路11のリザーバ4側からシリンダ下室2b側への油
液の流通を許容する逆止弁12が設けられている。
【0016】シリンダ2の中央部外周には、略円筒状の
通路部材13が嵌合されている。シリンダ2の上部外周に
は、アッパチューブ14が嵌合されて通路部材13に結合さ
れており、シリンダ2との間に環状油路15を形成してい
る。環状油路15は、シリンダ2の上端部付近の側壁に設
けられた油路16を介してシリンダ上室2aに連通されてい
る。また、シリンダ2の下部外周には、ロワチューブ17
が嵌合されて通路部材13に結合されており、シリンダ2
との間に環状油路18を形成している。環状油路18は、シ
リンダ2の下端部付近の側壁に設けられた油路19を介し
てシリンダ下室2bに連通されている。
【0017】外筒3には、通路部材13に対向させて接続
プレート20が取付けられている。接続プレート20および
通路部材13には、環状油路15,18にそれぞれ連通する接
続管21,22が挿通、嵌合されている。また、接続プレー
ト20には、リザーバ4に連通する接続孔23が設けられて
いる。そして、接続プレート20には、減衰力発生機構24
が取付けられている。
【0018】図1に示すように、減衰力発生機構24は、
略有底円筒状のケース25内に2つのバルブ部材26,27が
嵌合され、開口部にリテーナ28によって比例ソレノイド
アクチュエータ29(以下、アクチュエータ29という)が
螺着されており、ケース25内がバルブ部材26,27によっ
て3つの油室25a ,25b ,25c に区画されている。バル
ブ部材26,27は、油室25b ,25c 内にそれぞれ配置され
た環状の固定部材30,31と共に、一端部がアクチュエー
タ29に螺着された略円筒状のガイド部材32が挿通され、
その他端部にナット33を螺着して、これらと一体的にケ
ース25に固定されている。そして、3つの油室25a ,25
b ,25c は、それぞれ、ケース25の側壁に設けられた接
続孔34,35,36を介して、接続管21、接続管22および接
続孔23に接続されている。
【0019】バルブ部材26,27には、それぞれ、油室25
a ,25b 間、油室25b ,25c 間を連通させる油路37,38
が設けられている。バルブ部材26,27の油路37,38の外
周側には、環状の弁座39,40が突設され、さらにその外
周側に弁座39,40よりも突出高さが大きい環状の弁座4
1,42が突設されている。そして、内側の弁座39,40に
は、副ディスクバルブ43,44が着座されている。副ディ
スクバルブ43,44は、その内周部がバルブ部材26,27に
固定され、油路37,38の油室25a ,25b 側の油液の圧力
を受けて外周部が撓んで開弁して、その開度に応じて減
衰力を発生させるようになっている。また、副ディスク
バルブ43,44の外周部には、油路37,38の流通を常時許
容するオリフィス43a ,44a (切欠)が設けられてい
る。
【0020】固定部材30,31の外周部には、それぞれ、
円筒状の可動部材45,46が摺動可能に嵌合されている。
可動部材45,46は、一端部がフローティングディスク4
7,48を介してバルブ部材26,27の外側の弁座41,42に
着座し、一端部の内側に形成されたフランジ部に、内周
部がバルブ部材26,27側に固定され複数積層された円板
状の板ばね49,50の外周部が液密的に当接されて、閉弁
方向すなわち弁座41,42側へ付勢されている。固定部材
30,31、可動部材45,46および板ばね49,50によって、
パイロット室51,52が形成されている。板ばね49,50の
外周部には、油路37,38とパイロット室51,52とを連通
させる固定オリフィス49a ,50a (切欠)が設けられて
いる。
【0021】そして、弁座41、フローティングディスク
47、固定部材30、可動部材45、板ばね49およびパイロッ
ト室51によって伸び側パイロット型主減衰弁A1(以下、
伸び側主減衰弁A1という)が構成されており、伸び側主
減衰弁A1は、油路37側からの油液の圧力を受けて開弁し
て、その開度に応じた減衰力を発生させ、パイロット室
51の内圧を閉弁方向に作用するパイロット圧力としてそ
の開弁圧力を調整するようになっている。また、弁座4
2、フローティングディスク48、固定部材31、可動部材4
6、板ばね50およびパイロット室52によって縮み側パイ
ロット型主減衰弁A2(以下、縮み側主減衰弁A2という)
が構成されており、縮み側主減衰弁A2は、油路38側から
の油液の圧力を受けて開弁して、その開度に応じた減衰
力を発生させ、パイロット室52の内圧を閉弁方向に作用
するパイロット圧力としてその開弁圧力を調整するよう
になっている。なお、副ディスクバルブ43,44の開弁圧
力は、それぞれ、伸び側主減衰弁A1および縮み側主減衰
弁A2の開弁圧力よりも充分低く設定されている。
【0022】ガイド部材32の側壁には、パイロット室5
1,52にそれぞれ連通するポート53,55および油室25b
,25c にそれぞれ連通するポート54,56が設けられて
いる。また、ガイド部材32内には、スプール57が摺動可
能に嵌装されている。スプール57の外周部には、ガイド
部材32のポート53,54およびポート55,56のそれぞれに
対向する2つの環状溝58,59が設けられている。環状溝
58は、ポート54に対しては、常時一定の流路面積で連通
し、ポート53に対しては、スプール57の軸方向位置に応
じた流路面積で連通することにより、ポート53,54間の
流路面積を調整するようになっている。また、環状溝59
は、パイロット室52側のポート55に対しては、常時一定
の流路面積で連通し、油室25c 側のポート56に対して
は、スプール57の軸方向位置に応じた流路面積で連通す
ることにより、ポート55,56間の流路面積を調整するよ
うになっている。
【0023】ガイド部材32の油室25a 側の端部には、プ
ラグ60が装着され、プラグ60とスプール57の一端部との
間に戻しばね61が介装されている。スプール57の他端部
には、アクチュエータ29のプランジャ62が当接されてい
る。そして、ガイド部材32のポート53とスプール57の環
状溝58とで伸び側可変オリフィスB1が構成され、ガイド
部材32のポート55と環状溝59とで縮み側可変オリフィス
B2が構成されており、アクチュエータ29のソレノイド63
への通電電流に応じて、スプール57が戻しばね61のばね
力に抗して移動して、伸び側可変オリフィスB1および縮
み側可変オリフィスB2、すなわち、ポート53,54間およ
びポート55,56間の流路面積を同時に調整するようにな
っている。
【0024】ここで、ガイド部材32の各ポート53,54,
55,56およびスプール57の環状溝58,59は、スプール57
の位置に応じて伸び側のポート53,54間と縮み側のポー
ト55,56間の流路面積が、一方が大のとき他方が小とな
り、一方が小のとき他方が大となるように配置されてい
る。
【0025】上記の構成において、油路16、環状油路1
5、接続管21、接続孔34、油室25a 、油路37、油室25b
、接続孔35、接続管22、環状油路18および油路19によ
って、シリンダ上下室2a,2b間を連通させる伸び側主通
路が形成されており、固定オリフィス49a 、パイロット
室51、ポート53、環状溝58およびポート54によって、伸
び側主減衰弁A1をバイパスする伸び側副通路が形成され
ている。また、油路19、環状油路18、接続管22、接続孔
35、油室25b 、油路38、油室25c 、接続孔36および接続
孔23によって、シリンダ下室2bとリザーバ4との間を連
通させる縮み側主通路が形成されており、固定オリフィ
ス50a 、パイロット室52、ポート55、環状溝59およびポ
ート56によって、縮み側主減衰弁A2をバイパスする縮み
側副通路が形成されている。
【0026】さらに、ガイド部材32の伸び側可変オリフ
ィスB1の下流側のポート54には、伸び側減衰力補正オリ
フィス64(パイロット圧力補正オリフィス)が設けられ
ている。この伸び側減衰力補正オリフィス64は、伸び側
可変オリフィスB1の全開時において、ポート53および環
状溝58の流路面積よりも小さく設定されている。そし
て、伸び側可変オリフィスB1の全開時におけるピストン
速度の高速域において、伸び側減衰力補正オリフィス64
によって、伸び側副通路の流通抵抗を増大させてパイロ
ット室51内のパイロット圧力が高くなるようになってい
る。
【0027】また、ガイド部材32の縮み側可変オリフィ
スB2の下流側のポート56には、縮み側減衰力補正オリフ
ィス65(パイロット圧力補正オリフィス)が設けられて
いる。この縮み側減衰力補正オリフィス65は、縮み側可
変オリフィスB2の全開時において、ポート55および環状
溝59の流路面積よりも小さく設定されている。そして、
縮み側可変オリフィスB2の全開時におけるピストン速度
の高速域において、縮み側減衰力補正オリフィス64によ
って、縮み側副通路の流通抵抗を増大させて、パイロッ
ト室52内のパイロット圧力が高くなるようになってい
る。
【0028】以上のように構成した本実施形態の作用に
ついて次に説明する。
【0029】ピストンロッド6の伸び行程時には、ピス
トン5の移動にともない、ピストン5の逆止弁10が閉
じ、シリンダ上室2a内の油液が加圧されて、伸び側主通
路(油路16、環状油路15、接続管21、接続孔34、油室25
a 、油路37、油室25b 、接続孔35、接続管22、環状油路
18および油路19)および伸び側副通路(固定オリフィス
49a 、パイロット室51、ポート53、環状溝58およびポー
ト54)を通ってシリンダ下室2bへ流れる。また、ピスト
ンロッド6がシリンダ2内から退出した分の油液がリザ
ーバ4から逆止弁12を開いてシリンダ下室2bへ流れる。
【0030】ピストン速度が小さく、伸び側主減衰弁A1
の開弁前は、油液が伸び側副通路を通って伸び側主減衰
弁A1をバイパスすることにより、副ディスクバルブ43、
オリフィス43a 、固定オリフィス49a 、伸び側可変オリ
フィスB1および伸び側減衰力補正オリフィス64によって
減衰力が発生する。このとき、副ディスクバルブ43の開
弁前は、オリフィス43a によってオリフィス特性の減衰
力が発生し、副ディスクバルブ43の開弁後は、その開度
に応じてバルブ特性の減衰力が発生することにより、ピ
ストン速度の低速域において適切な減衰力を得ることが
できる。
【0031】ピストン速度が大きくなり、シリンダ上室
2a側の圧力が上昇して伸び側主減衰弁A1が開弁すると、
その開度に応じて減衰力が発生する。そして、伸び側可
変オリフィスB1の流量面積が小さいほど、圧力損失が大
きく、その上流側のパイロット室51内のパイロット圧力
が高くなり、伸び側主減衰弁A1の開弁圧力が高くなる。
よって、アクチュエータ29のソレノイド63への通電電流
によって、伸び側可変オリフィスB1の流路面積を調整す
ることにより、直接オリフィス特性を調整するととも
に、伸び側主減衰弁A1のパイロット圧力を変化させてバ
ルブ特性を調整することができ、減衰力特性の調整範囲
を広くすることができる。
【0032】ピストンロッド6の縮み行程時には、ピス
トン5の移動にともない、ピストン5の逆止弁10が開い
てシリンダ下室2bの油液が油路9を通ってシリンダ上室
2aに直接流入することによってシリンダ上下室2a,2bが
ほぼ同圧力となるので、減衰力発生機構24の接続孔34,
35間では油液の流れが生じない。一方、ピストンロッド
6のシリンダ2内への侵入によってベースバルブ17の逆
止弁21が閉じ、ピストンロッド6がシリンダ2内に侵入
した分の油液が加圧されて、シリンダ下室2bから縮み側
主通路(油路19、環状油路18、接続管22、接続孔35、油
室25b 、油路38、油室25c 、接続孔36および接続孔23)
および縮み側副通路(固定オリフィス50a 、パイロット
室52、ポート55、環状溝59およびポート56)を通ってリ
ザーバ4へ流れる。
【0033】ピストン速度が小さく、縮み側主減衰弁A2
の開弁前は、油液が縮み側副通路を通って縮み側主減衰
弁A2をバイパスすることにより、副ディスクバルブ44、
オリフィス44a 、固定オリフィス50a 、縮み側可変オリ
フィスB2および縮み側減衰力補正オリフィス65によって
減衰力が発生する。このとき、副ディスクバルブ44の開
弁前は、オリフィス44a によってオリフィス特性の減衰
力が発生し、副ディスクバルブ44の開弁後は、その開度
に応じてバルブ特性の減衰力が発生することにより、ピ
ストン速度の低速域において適切な減衰力を得ることが
できる。
【0034】ピストン速度が大きくなり、シリンダ2側
の圧力が上昇して縮み側主減衰弁A2が開弁すると、その
開度に応じて減衰力が発生する。そして、縮み側可変オ
リフィスB2の流量面積が小さいほど、圧力損失が大き
く、その上流側のパイロット室52内のパイロット圧力が
高くなり、縮み側主減衰弁A2の開弁圧力が高くなる。よ
って、アクチュエータ29のソレノイド63への通電電流に
よって縮み側可変オリフィスB2の流路面積を調整するこ
とにより、直接オリフィス特性を調整するとともに、縮
み側主減衰弁A2のパイロット圧力を変化させてバルブ特
性を調整することができ、減衰力特性の調整範囲を広く
することができる。
【0035】このように、アクチュエータ29のソレノイ
ド63への通電電流に応じて、スプール57を移動させるこ
とよって、ポート53,54間(伸び側可変オリフィスB1
およびポート55,56間(縮み側可変オリフィスB2)の流
路面積をそれぞれ変化させることにより、伸び側と縮み
側とでそれぞれ減衰力特性を調整することができる。こ
のとき、伸び側可変オリフィスB1と縮み側可変オリフィ
スB2の流路面積が、一方が大のとき他方が小となり、一
方が小のとき他方が大となるように各ポート53,54,5
5,56およびスプール57の環状溝58,59が配置されてい
るので、伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力特
性の組合せ(例えば、伸び側がハードで縮み側がソフト
または伸び側がソフトで縮み側がハードの組合せ)を同
時に選択することができ、ソレノイド63への通電電流i
に対して、図5に示すような減衰力特性を得ることがで
きる。
【0036】また、伸び側がソフト特性時、すなわち、
伸び側可変オリフィスB1が全開または全開付近のとき、
伸び側可変オリフィスB1を通過した油液の流れは、伸び
側減衰力補正オリフィス64によって絞られるので、ピス
トン速度の高速域において、伸び側減衰力補正オリフィ
ス64の上流側の圧力が上昇し、これにより、パイロット
圧力が上昇して伸び側主減衰弁A1の開弁圧力(減衰力)
も上昇する。同様に、縮み側がソフト特性時、すなわ
ち、縮み側可変オリフィスB2が全開または全開付近のと
き、縮み側可変オリフィスB2を通過した油液の流れは、
縮み側減衰力補正オリフィス65によって絞られるので、
ピストン速度の高速域において、伸び側減衰力補正オリ
フィス65の上流側の圧力が上昇し、これにより、パイロ
ット圧力が上昇して縮み側主減衰弁A2の開弁圧力(減衰
力)も上昇する。
【0037】これにより、伸び側および縮み側可変オリ
フィスB1,B2を全開とした場合でも、ピストン速度の高
速域において、充分な減衰力を得ることができるので、
伸び側および縮み側共にソフトとなる領域(図5中のR
参照)でも、ピストン速度の高速域において充分な減衰
力を得ることができ、悪路を高速で走行した場合等にお
いても、懸架装置のばね下の振動を充分に減衰すること
ができる。
【0038】伸び側および縮み側のハード特性時には、
それぞれ伸び側および縮み側可変オリフィスB1,B2が全
閉となり、伸び側および縮み側副通路には、油液の流れ
が生じないので、伸び側および縮み側減衰力補正オリフ
ィス64,65による減衰力の増大は生じない。そして、伸
び側および縮み側可変オリフィスB1,B2の開度が大きく
なり、伸び側および縮み側副通路の油液の流量が大きく
なるほど、伸び側および縮み側減衰力補正オリフィス6
4,65による減衰力の増加傾向が大きくなるので、ミデ
ィアムおよびハード特性時の減衰力が過度に大きくなる
ことがない。減衰力調整式油圧緩衝器1の減衰力特性を
図3に示す。図3中のおよびは、それぞれ伸び側お
よび縮み側可変オリフィスB1,B2が全開のときの減衰力
特性を示している。
【0039】ここで、図3中破線で示す部分Aは、伸び
側および縮み側補正オリフィス64,65によって、バルブ
特性がオリフィス特性に近似するが減衰力(ピストン速
度の2乗にほぼ比例する)に切り換わるポイントであ
り、路面に対する車軸(タイヤ)の上下方向速度が(振
動速度)が 0.6〜0.9 m/s に対応するピストン速度を
示す。なお、伸び側および縮み側補正オリフィス64,65
は、減衰力調整式油圧緩衝器1の車体への取付け構造
(ストラット式、ダブルウィッシュボーン式等の取付レ
バー比の相違)により設定され、路面に対する車軸の上
下方向速度が 0.6〜0.9 m/s に対応するピストン速度
の時に、バルブ特性からオリフィス特性に近似する減衰
力に切り換えるようになっている。
【0040】なお、本発明によるパイロット圧力補正オ
リフィスは、上述のように路面に対する車軸の上下方向
速度が 0.6〜0.9 m/s に対応するピストン速度におい
て、バルブ特性をオリフィス特性に近似する減衰力に切
り換えるものである。したがって、上記実施形態では、
伸び側および縮み側副通路のポート54およびポート56
に、伸び側および縮み側補正オリフィスを設けたものを
示しているが、本発明は、これに限らず、ポート53およ
びポート55あるいは環状溝58,59をオリフィスとした
り、環状溝58,59の深さを浅くしたり、伸び側および縮
み側可変オリフィスB1,B2自体で各副通路に流通抵抗を
与えるようにしてもよい。
【0041】また、上記実施形態では、伸び側と縮み側
とで大小異なる種類の減衰力特性を設定するようにした
減衰力調整式油圧緩衝器の伸び側および縮み側副通路の
双方に減衰力補正オリフィスを設けた場合について説明
しているが、本発明は、これに限らず、伸び側または縮
み側副通路のいずれか一方(小さい減衰力を発生させる
ほう)のみに減衰力補正オリフィスを設けるようにする
こともできる。また、伸び側および縮み側とで同様の種
類の減衰力特性を設定するようにしたもの、あるいは、
伸び側または縮み側のいずれか一方のみの減衰力を調整
可能としたものの副通路に減衰力補正オリフィスを設け
るようにすることもできる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の減衰力調
整式油圧緩衝器によれば、可変オリフィスの流路面積を
調整することにより、オリフィス特性を直接調整すると
ともに、パイロット圧力を変化させてパイロット型主減
衰弁の開弁特性を変化させてバルブ特性を調整すること
ができるので、減衰力特性の調整範囲を広くすることが
できる。また、副通路の可変オリフィスの全開付近で
は、ピストン速度の高速域において、副通路のパイロッ
ト圧力補正オリフィスの流通抵抗によって、パイロット
圧力および減衰力が増大するので、可変オリフィスを全
開および全開付近とした場合でも、ピストン速度の高速
域において、充分な減衰力を得ることができ、懸架装置
のばね下の振動を充分に減衰することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る減衰力調整式油圧緩
衝器の減衰力発生機構の拡大縦断面図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る減衰力調整式油圧緩
衝器の縦断面図である。
【図3】図2の装置の減衰力特性を示す図である。
【図4】従来の減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力特性を
示す図である。
【図5】伸び側と縮み側とで大小異なる種類の減衰力特
性を設定した減衰力調整式油圧緩衝器の減衰力特性を示
す図である。
【符号の説明】
1 減衰力調整式油圧緩衝器 2 シリンダ 2a シリンダ上室 2b シリンダ下室 5 ピストン 6 ピストンロッド 49a 固定オリフィス 50a 固定オリフィス A1 伸び側パイロット型主減衰弁(パイロット型主減衰
弁) A2 縮み側パイロット型主減衰弁(パイロット型主減衰
弁) B1 伸び側可変オリフィス(可変オリフィス) B2 縮み側可変オリフィス(可変オリフィス)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油液が封入されたシリンダと、該シリン
    ダ内に摺動可能に嵌装され前記シリンダ内を2つのシリ
    ンダ室に画成するピストンと、一端が前記ピストンに連
    結され他端が前記シリンダの外部へ延出されたピストン
    ロッドと、前記ピストンロッドのストロークにともなう
    ピストンの移動によって油液を流通させる主通路と、該
    主通路の油液の流動を制御して減衰力を発生させるとと
    もにパイロット圧力に応じて減衰力を調整するパイロッ
    ト型減衰弁と、該パイロット型減衰弁をバイパスする副
    通路と、該副通路に設けられた可変オリフィスとを備
    え、前記パイロット型減衰弁は、前記副通路の前記可変
    オリフィスの上流側の圧力をパイロット圧力とし、前記
    副通路には、前記可変オリフィスの全開時に前記パイロ
    ット圧力を増大させるパイロット圧力補正オリフィスが
    設けられていることを特徴とする減衰力調整式油圧緩衝
    器。
JP8451497A 1997-03-18 1997-03-18 減衰力調整式油圧緩衝器 Pending JPH10259843A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20000055852A (ko) * 1999-02-10 2000-09-15 밍 루 차량 현가시스템의 연속가변 리버스형 감쇠밸브
CN100402882C (zh) * 2004-02-03 2008-07-16 株式会社万都 阻尼力可变的阀以及利用该阻尼力可变的阀的减震器
JP2016516957A (ja) * 2013-04-16 2016-06-09 オーリンス・レイシング・エービーOehlins Racing Ab バルブ装置
JP2016517940A (ja) * 2013-04-16 2016-06-20 オーリンス・レイシング・エービーOehlins Racing Ab バルブ装置

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