JPH10254926A - 鍛造品の前工程での形状決定方法および鍛造用金型の設計方法 - Google Patents

鍛造品の前工程での形状決定方法および鍛造用金型の設計方法

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JPH10254926A
JPH10254926A JP9053733A JP5373397A JPH10254926A JP H10254926 A JPH10254926 A JP H10254926A JP 9053733 A JP9053733 A JP 9053733A JP 5373397 A JP5373397 A JP 5373397A JP H10254926 A JPH10254926 A JP H10254926A
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襄介 河内
Hideki Endo
英樹 遠藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】鍛造品の前工程での断面形状を、容易にかつ短
時間に求めることができ、かつ新鍛造品の形状の特徴を
活かし、位置決めや体積配分が新鍛造品に合致する形状
決定方法を提供する。 【解決手段】まず所定工程に対応する形状が既知である
既鍛造品の形状およびその前工程での形状を予め求めて
おき、次に上記新鍛造品、既鍛造品および既鍛造品の前
工程品の3形状の断面の輪郭を、凹凸などの形状の特徴
部に応じてそれぞれ同一数でもって分割し、これら分割
した各区間において、上記新鍛造品、既鍛造品および既
鍛造品の前工程品の輪郭形状の差に基づき、新鍛造品の
前工程形状の断面の輪郭を区間毎に合成し、この合成さ
れた各区間における輪郭をつなぐことにより、新鍛造品
の前工程形状を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鍛造品の最終形状
(または中間工程における途中形状)から、それ以前の
工程における中間形状を求める鍛造品の形状決定方法お
よび鍛造用金型の設計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、鍛造により製品を製作する場合、
その中間工程における中間形状を想定して、段階を追っ
て鍛造作業が行われている。そして、従来、中間形状
は、製品形状すなわち鍛造終了後の最終形状から、熟練
技術者の経験と勘に基づき想定されていた。勿論、中間
形状から、さらにその前工程における中間形状を想定す
る場合も同様である。
【0003】具体的に説明すれば、鍛造作業において
は、ビレットからの体積配分を容易にするための潰し鍛
造、荒地型を用いて予備的な成形を行う荒打ち鍛造およ
び仕上げ型を用いて最終的な成形を行う仕上げ鍛造、さ
らに抜打ち型を用いて外バリや内バリを打ち抜くバリ抜
き工程などが順番に行われる。したがって、前工程での
形状、例えば仕上げ形状(仕上げ打ち後の形状)から荒
地形状(荒打ち後の形状、すなわち仕上げ打ち前の形
状)を正しく求める必要がある。
【0004】そして、中間工程における各鍛造品の形状
を決定する場合、最終製品の最終形状を、所定の方向例
えば鍛造品の伸びる方向に沿って複数に分割した場合の
各分割部毎に、設計者が鍛造後の断面形状と鍛造前(前
工程)の断面形状との間に成立する関係から鍛造前の断
面形状を求め、この求められた各分割部毎の断面形状を
用いて鍛造前での全体形状が求められていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、鍛造品の各分
割部毎に、設計者が、鍛造後と鍛造前との断面の関係か
ら、鍛造前の形状を求める作業は非常に面倒であり熟練
を要するもので、かつ多くの時間を要し、設計能率を向
上させるにも限界があるという問題があった。
【0006】なお、これらの課題を解決するための手段
としては、複数の類似品の前工程での形状を合成する方
法が考えられるが、新鍛造品の形状が反映されず、した
がって鍛造時の位置決めや体積配分などが、新鍛造品に
合わない場合も生じるという問題がある。
【0007】そこで、本発明は、鍛造品の前工程での断
面形状を、容易にかつ短時間に求めることができ、か
つ、新鍛造品の形状の特徴を活かし、位置決めや体積配
分が新鍛造品に合致する前工程での形状決定方法および
鍛造用金型の設計方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の第1の手段は、所定工程での形状が新規な
新鍛造品における前工程での形状を決定する方法であっ
て、まず所定工程に対応する形状が既知である既鍛造品
の形状およびその前工程での形状を予め求めておき、次
に上記新鍛造品、既鍛造品および既鍛造品の前工程品の
3形状の断面の輪郭を、凹凸などの形状の特徴部に応じ
てそれぞれ同一数でもって分割し、これら分割した各区
間において、上記新鍛造品、既鍛造品および既鍛造品の
前工程品の輪郭形状の差に基づき、新鍛造品の前工程形
状の断面の輪郭を区間毎に合成し、この合成された各区
間における輪郭をつなぐことにより、新鍛造品の前工程
形状を求める鍛造品の前工程での形状決定方法である。
【0009】また、本発明の第2の手段は、上記第1の
手段の構成において、新鍛造品の前工程形状の断面の輪
郭を区間毎に合成する際に、新鍛造品、既鍛造品および
既鍛造品の前工程品の3形状の断面の輪郭をそれぞれ点
列座標データに変換し、各形状の各区間ごとに対応する
上記各座標データの差に基づき、新鍛造品の前工程形状
に対応する各区間毎における各座標データを求め、これ
ら各座標データに基づき合成を行う鍛造品の前工程での
形状決定方法である。
【0010】また、本発明の第3の手段は、上記第1の
手段の構成において、新鍛造品の前工程形状の断面の輪
郭を区間毎に合成する際に、新鍛造品、既鍛造品および
既鍛造品の前工程品の3形状の断面の輪郭をそれぞれ線
分と円弧とにかつ同一数でもって要素分割し、各形状の
対応する要素同士の曲率の差に基づき新鍛造品の前工程
形状における各要素の線分と円弧の曲率を求め、この曲
率に基づく線分または円弧を合成する鍛造品の前工程で
の形状決定方法である。
【0011】また、本発明の第4の手段は、上記第1な
いし第3の手段における鍛造品の前工程での形状決定法
により決定される断面の形状を複数断面について求め、
求められた断面をつなぎ合わせて3次元形状を合成する
ことにより、新鍛造品の3次元の前工程形状とする鍛造
品の前工程での形状決定方法である。
【0012】さらに、本発明の第5の手段は、上記第1
ないし第4のいずれかの手段における鍛造品の前工程で
の形状決定法により決定された形状データに基づき、鍛
造用金型の凹面形状を求める鍛造用金型の設計方法であ
る。
【0013】上記各手段における形状決定方法による
と、新鍛造品の形状が与えられると、予め記憶されてい
る既鍛造品の形状とが比較されて、類似度が高い既鍛造
品形状とその前工程での形状が選び出され、新鍛造品形
状を含めた3つの形状より新鍛造品の前工程での形状が
合成されるため、非常に容易にかつ短時間で、新鍛造品
の形状の特徴を活かした所定の新鍛造品の前工程での形
状を決定することができる。
【0014】また、上記鍛造用金型の設計方法による
と、上記各形状決定方法により求められた新鍛造品の前
工程での形状データを使用することにより、特にコンピ
ュータ装置および3次元CADソフトウェアを使用し
て、形状データを求めることにより、複雑な形状であっ
ても、非常に簡単に金型を設計することができる。
【0015】なお、上記第1ないし第3の手段による形
状決定方法は、鍛造品の形状が軸対称物品である場合に
適しており、また第4の手段による形状決定方法は、鍛
造品の形状が非軸対称物品である場合に適している。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態におけ
る鍛造品の前工程での形状決定方法を、図面に基づき説
明する。
【0017】本発明の要旨は、新鍛造品の前工程での形
状を、形状が既知である既鍛造品とその前工程での形状
との差に基づいて決定する方法であり、より具体的に
は、最終的な成形を行う仕上げ鍛造品(以下、最終鍛造
品と称す)の形状を入力して、その前工程すなわち中間
工程での鍛造品の形状から初期工程でのビレット(以
下、中間鍛造品と称し、これにはビレットをも含むもの
とする)までの形状を、コンピュータ装置を使用して、
演算により求める方法である。すなわち、ある鍛造品と
その前工程での中間鍛造品との間には、ある種の幾何学
的関係があり、この関係を利用することにより、前工程
での中間鍛造品の形状が求められることに基づくもので
ある。なお、この形状決定方法は、鍛造品の形状が軸対
称物品である場合に適している。
【0018】以下、第1の実施の形態における鍛造品の
前工程での形状決定方法を、図1に示すフローチャート
に基づき説明する。本第1の実施の形態においては、最
終鍛造品の形状からビレット形状までの途中の中間鍛造
品、すなわち荒打ち工程での形状(以下、荒打ち品と称
す)、潰し工程での形状(以下、潰し品と称す)および
初期工程での形状(ビレットの形状)のデータをそれぞ
れ求める場合について説明する。
【0019】まず、最終鍛造品形状である仕上げ形状を
読込み(ステップ1)、合成する断面の数Nを決定(こ
のNは、軸対称品の場合、N=1であり、非軸対称品の
場合は、全体形状を表すために必要な断面数である)
(ステップ2)した後、既鍛造品の中から新鍛造品に似
た類似品を探すための検索範囲を設定する(ステップ
3)。この検索範囲の設定は、検索時間の短縮を図る目
的で行うもので、範囲を設定せずデータベースD全体を
対象に検索を行うこともできる。
【0020】次に、M=1(このMは、各工程の段階を
示し、その具体的な値とそれに対応する工程を、図1の
データベースD内に記述しておく)として(ステップ
4)、新鍛造品の類似品を検索して形状合成に用いる類
似品の選択を行う(ステップ5)。
【0021】次に、K=1(このKは、合成する断面数
をカウントする変数でK=1からNまでの値である)と
して(ステップ6)、新鍛造品、選択されたその類似品
および類似品の前工程品の3形状(3種類)の断面の輪
郭形状を読込み(ステップ7)、3形状の断面の輪郭形
状に基づき新鍛造品の前工程での断面の輪郭形状の合成
処理を行う(ステップ8)。新鍛造品が非軸対称物品で
ある場合には、この合成処理を必要断面数に達するまで
繰り返す(ステップ10)。なお、この合成処理につい
ては、あとで詳しく説明する。
【0022】このようにして得られた断面の輪郭形状よ
り、新鍛造品の前工程での全体形状を作成する(新鍛造
品が軸対称物品の場合は、断面を回転して作成し、非軸
対称物品の場合には、複数の断面をつないで全体形状を
作成する)(ステップ11)。
【0023】さらに、M=M+1(ステップ12)とし
て、その前の工程での形状合成をビレットが得られるま
で繰り返す(ステップ13)。以上で、新鍛造品の中間
鍛造品の形状がすべて求まり、これを出力(ステップ1
4)するとともに、金型の型彫り形状へデータ変換する
(ステップ15)。また、ステップ16にて、これらの
形状データを新規なものとしてデータベースDに登録す
るかどうかが判断(自動的またはオペレーターが判断す
る)される。
【0024】次に、上記一連の中間鍛造品の形状合成処
理の中で、ステップ8の新鍛造品の前工程での断面の輪
郭形状の合成処理について、図2のフローチャートに基
づき、詳細に説明する。
【0025】まず、J=1(Jは、処理する輪郭形状の
番号でJ=1は新鍛造品、J=2は新鍛造品の類似品、
J=3は同類似品の前工程での形状とする)(ステップ
1)として、新鍛造品の輪郭形状の無次元化点列座標デ
ータおよび2値化データを読み込む(ステップ2)。
【0026】点列座標データとは、線分や曲線で表され
ている輪郭線上に所定の間隔で点を配置した時の各点の
座標値の集まりであり、点列座標データに変換すること
により、以下の形状合成処理をコンピュータが得意とす
る数値演算だけで行うことができるようになる。
【0027】無次元化点列座標データとは、各点の座標
値を断面の外半径と高さで割って、外半径を1.0、高
さを1.0とする座標系に置き換えた点列座標データの
ことである。
【0028】また、2値化データとは、断面を縦×横=
50×50程度のメッシュに分割し、このメッシュ部分
のオン・オフ状態(1,0)にて形状を表したもので、
その例を図3に示す。
【0029】次に、輪郭形状を形状の凹凸に応じて区間
に分割する(ステップ3)。形状の凹凸および分割位置
は、2値化データを用いて判定する。分割位置の例を図
3に示している。図3の例では、輪郭形状1を黒い丸印
(分割位置)2で示すように8区間に分割している。こ
の処理をJ=3まで繰り返し(ステップ4)、3形状の
分割数を合わせるように分割数(分割数の多い方に合わ
せる)と分割位置2とを調整する(ステップ6)。
【0030】以上で、3形状のそれぞれ対応する区間が
決まり、各区間毎に以下の処理を行う。まず、i=1
(このiは、区間の番号を表す変数で、i=1〜Lであ
る)とし(ステップ7)、3形状の区間[図4(a)の
線分3(新鍛造品の輪郭形状),4(類似品の輪郭形
状),5(類似品の前工程での輪郭形状)にて表す]の
左端を図4(a)の点6[座標値は(ξi-1 ,η
i-1 )]の位置に、右端を点7[座標値は(ξi ,η
i )]の位置に合わせ、区間の両端を一致させるように
区間内の点列の座標変換を行う(ステップ8)。この座
標変換を新鍛造品の場合について式で表すと下記(1) 式
となる。
【0031】
【数1】
【0032】但し、(1) 式中、 (x,y):新鍛造品の輪郭線上の任意の点の座標 (x′,y′):座標変換後の同上の座標 (xi-1 ,yi-1 ):座標変換前の区間の左端の座標 (xi ,yi ):座標変換前の区間の右端の座標 (ξi-1 ,ηi-1 ):左端を合わせる点の座標 (ξi ,ηi ):右端を合わせる点の座標 である。
【0033】類似品および類似品の前工程品も同様の式
になる[類似品の座標は座標変換前(u,v)、変換後
(u′,v′)類似品の前工程品の座標は座標変換前
(U,V)、変換後(U′,V′)で表す]。
【0034】この座標変換後の状態は、図4(b)に示
すようになる。図4(b)中、3′〜7′は、図4
(a)における3〜7の座標変換後のものを示す。な
お、端点を合わせる位置の点6(ξi-1 ,ηi-1 )、点
7(ξi ,ηi )は、形状合成後の新鍛造品の前工程で
の形状の各区間がつながる条件を満足すれば、他に特に
制限はない。本実施の形態では、3形状の端点の座標値
と係数a,b,cを用いて下記の(2) 式で、点7の座標
値(ξi ,ηi )を決定した。
【0035】
【数2】
【0036】点6の座標値(ξi-1 ,ηi-1 )について
も、同様に決定する。次に、座標変換後の点列データ
を、下記の(3) 式を用いて、極座標に変換する(ステッ
プ9)。
【0037】
【数3】
【0038】但し、(3) 式中、 (r,θ):新鍛造品の輪郭線上の任意の点(x′,
y′)を極座標変換した時の極座標値 また、類似品の極座標値(ρ,φ)、類似品の前工程品
の極座標値(Ρ,Φ)も同様にして求める(ステップ
9)。
【0039】以上で得られた半径r、ρ、Ρ(θ=φ=
Φの時の値を用いる)により新鍛造品の前工程での半径
R(この時の角度は、Θ=θとする)を、下記の(4) 式
により求める(ステップ10)。
【0040】
【数4】
【0041】但し、(4) 式中、 a:新鍛造品の係数 b:類似品の係数 c:類似品の前工程品の係数 である。
【0042】このRを所定のΘの間隔で求めることによ
り、この区間の新鍛造品の前工程での極座標表示による
点列データが求まる。この点列データをこれまで行って
きた座標変換と逆の変換、すなわち、下記の(5) 式に示
す直交座標への変換[変換後の座標値を(X′,Y′)
とする](ステップ11)、下記の(6) 式に示す区間の
端点を元に戻す変換[変換後の座標値を(X,Y)とす
る](ステップ12)を行うことにより、元の座標系で
の点列データが求まる。
【0043】
【数5】
【0044】但し、区間の右の端点の元の位置にあたる
(Xi ,Yi )は、各区間がつながる条件を満たすた
め、下記の(7) 式により求める。
【0045】
【数6】
【0046】左の端点(Xi-1 ,Yi-1 )も同様の式で
求める。以上の形状合成を全分割区間で行う(ステップ
13)。ここで、本実施の形態における形状の決定方法
を、荒工程品の形状合成に適用した場合を、図5に示
す。
【0047】図5(a)は、新鍛造品の仕上げ形状を、
図5(b)は、類似品の仕上げ形状を、図5(c)は、
類似品の前工程形状である荒打ち形状をそれぞれ表し、
図5(d)〜(f)は、合成した新鍛造品の荒打ち形状
を表す。
【0048】なお、この形状の合成方法によると、係数
a,b,cの値を変えることにより、バラエティーに富
んだ形状を出力することができる。この係数は、通常は
予め設定しておくものであるが、出力された結果を見て
係数を変更して、形状合成だけをやり直すことができ
る。
【0049】また、本実施の形態における形状の合成方
法では、新鍛造品形状を用いているため、新鍛造品の形
状の特徴を反映していることは勿論であるが、類似品と
類似品の前工程品との形状差も用いているため、類似品
の位置決め、体積配分、欠陥防止などのノウハウも受け
継いでいることになる。
【0050】なお、選択する類似品は、1種類だけでな
く複数の類似品を選択して複数の形状合成結果を同時に
出力できるようになっており、設計者は、これらの中か
ら自社に合った形状を選ぶことができる。
【0051】この第1の実施の形態では、まず断面の輪
郭形状を区間に分け、各区間を新鍛造品、類似品および
類似品の前工程品で1:1:1に対応させ、最終的に
は、輪郭線上の点列をも1:1:1に対応させるように
したものである。
【0052】次に、本発明の第2の実施の形態における
形状決定方法について説明するが、第1の実施の形態と
異なる箇所は、新鍛造品の前工程形状の断面の輪郭の合
成の方法であるため、本第2の実施の形態においては、
この部分に着目して説明する。
【0053】すなわち、上記第1の実施の形態では、上
述したように、まず断面の輪郭形状を区間に分け、各区
間を新鍛造品、類似品および類似品の前工程品で1:
1:1に対応させ、最終的には、輪郭線上の点列をも
1:1:1に対応させるようにしたが、本第2の実施の
形態の形状決定方法は、その原理を拡張して、断面形状
の輪郭線を線分と円弧とからなる要素で表し、各要素を
新鍛造品、類似品および類似品の前工程品で1:1:1
に対応させることで、(4) 式の半径の代わりに各要素の
曲率を用いた下記に示す(8) 式に基づき新鍛造品の前工
程での形状を求める方法である。
【0054】
【数7】
【0055】但し、(8) 式中、 1/R:新鍛造品の前工程での形状の断面輪郭形状の要
素の曲率 1/r:新鍛造品の断面輪郭形状の要素の曲率 1/ρ:類似品の断面輪郭形状の要素の曲率 1/Ρ:類似品の前工程での形状の断面輪郭形状の要素
の曲率 である。
【0056】新鍛造品が軸対称物品である場合には、以
上で得られた前工程での無次元化断面の輪郭形状を元の
寸法に戻した後(外半径を基準に戻し、高さ方向で断面
積を合わせる)、断面を回転スイープさせて全体形状を
求める。
【0057】新鍛造品が非軸対称物品である場合には、
断面の水平方向の寸法を基準に高さ方向で断面積を合わ
せる様にして元の寸法に戻し、この断面をつないで全体
形状を求める。このように断面の外半径あるいは水平方
向で寸法を合わせるのは、次の工程(例えば、荒打ち品
の次の工程においては仕上げ工程となる)での位置決め
を容易にするためである。
【0058】これらの新鍛造品に対する前工程における
形状合成処理は、コンピュータ装置を用いて行い、最終
的に求められた全体形状データを用いると、新鍛造品に
対する前工程での形状を得るための金型の凹部形状の形
状データを容易に得ることができる。
【0059】
【発明の効果】上記本発明の鍛造品の前工程での形状決
定方法によると、新鍛造品の形状が与えられると、予め
記憶されている既鍛造品の形状とが比較されて、類似度
が高い既鍛造品とその前工程での形状が選択され、そし
て新鍛造品の形状を含めた3形状を用いて新鍛造品の前
工程での形状を合成するため、新鍛造品の形状の特徴を
反映することができ、したがって位置決め、体積配分、
欠陥等の問題が少なく、出力された形状の修正も少なく
なる。
【0060】また、複数の類似品について同時に新鍛造
品の前工程での形状が出力されるため、自社に合った前
工程形状を選択し、決定することができる。さらに、上
記の形状決定方法により求められた新鍛造品の前工程で
の形状データを使用することにより、特にコンピュータ
装置等を使用して、形状データを求めることにより、複
雑な形状であっても、非常に簡単に金型形状を設計する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における鍛造品の前
工程での形状を求めるフローチャートである。
【図2】同第1の実施の形態における鍛造品の前工程で
の形状を求める処理中の断面の輪郭形状を求めるフロー
チャートである。
【図3】同第1の実施の形態における鍛造品の形状処理
の状態を示す図である。
【図4】同第1の実施の形態における鍛造品の形状処理
のための座標変換を説明する図である。
【図5】同第1の実施の形態における各種形状とその合
成形状を示す図である。
【符号の説明】
1 鍛造品の断面の輪郭形状 2 断面の輪郭を分割する点(分割点) 3 新鍛造品の輪郭形状(区間分割後) 4 類似品の輪郭形状(区間分割後) 5 類似品の前工程での輪郭形状(区間分割後) 6 区間の左端点を合わせる位置 7 区間の右端点を合わせる位置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定工程での形状が新規な新鍛造品におけ
    る前工程での形状を決定する方法であって、まず所定工
    程に対応する形状が既知である既鍛造品の形状およびそ
    の前工程での形状を予め求めておき、次に上記新鍛造
    品、既鍛造品および既鍛造品の前工程品の3形状の断面
    の輪郭を、凹凸などの形状の特徴部に応じてそれぞれ同
    一数でもって分割し、これら分割した各区間において、
    上記新鍛造品、既鍛造品および既鍛造品の前工程品の輪
    郭形状の差に基づき、新鍛造品の前工程形状の断面の輪
    郭を区間毎に合成し、この合成された各区間における輪
    郭をつなぐことにより、新鍛造品の前工程形状を求める
    ことを特徴とする鍛造品の前工程での形状決定方法。
  2. 【請求項2】新鍛造品の前工程形状の断面の輪郭を区間
    毎に合成する際に、新鍛造品、既鍛造品および既鍛造品
    の前工程品の3形状の断面の輪郭をそれぞれ点列座標デ
    ータに変換し、各形状の各区間ごとに対応する上記各座
    標データの差に基づき、新鍛造品の前工程形状に対応す
    る各区間毎における各座標データを求め、これら各座標
    データに基づき合成を行うことを特徴とする請求項1記
    載の鍛造品の前工程での形状決定方法。
  3. 【請求項3】新鍛造品の前工程形状の断面の輪郭を区間
    毎に合成する際に、新鍛造品、既鍛造品および既鍛造品
    の前工程品の3形状の断面の輪郭をそれぞれ線分と円弧
    とにかつ同一数でもって要素分割し、各形状の対応する
    要素同士の曲率の差に基づき新鍛造品の前工程形状にお
    ける各要素の線分と円弧の曲率を求め、この曲率に基づ
    く線分または円弧を合成することを特徴とする請求項1
    記載の鍛造品の前工程での形状決定方法。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載の鍛造
    品の前工程での形状決定法により決定される断面の形状
    を複数断面について求め、求められた断面をつなぎ合わ
    せて3次元形状を合成することにより、新鍛造品の3次
    元の前工程形状を決定することを特徴とする鍛造品の前
    工程での形状決定方法。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載の鍛造
    品の前工程での形状決定法により決定された形状に基づ
    き、新鍛造品における前工程での鍛造用金型の凹面形状
    を求めることを特徴とする鍛造用金型の設計方法。
JP05373397A 1997-03-10 1997-03-10 鍛造品の前工程での形状演算方法 Expired - Fee Related JP3148144B2 (ja)

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