JPH10251865A - 耐白錆性、塗料密着性、耐アルカリ脱脂性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法 - Google Patents

耐白錆性、塗料密着性、耐アルカリ脱脂性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法

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JPH10251865A
JPH10251865A JP9061509A JP6150997A JPH10251865A JP H10251865 A JPH10251865 A JP H10251865A JP 9061509 A JP9061509 A JP 9061509A JP 6150997 A JP6150997 A JP 6150997A JP H10251865 A JPH10251865 A JP H10251865A
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造工程上さらに使用過程において安全
で無公害な化成処理皮膜を有し、かつ耐白錆性、塗料密
着性、耐アルカリ脱脂性に優れた亜鉛系めっき鋼板を製
造する方法を提供する 【解決手段】 上記課題は、ケイ酸エステルとアルミニ
ウムの無機塩とをAl/(Al+Si)のモル比で0.
01〜0.75の範囲になるように含有し、さらに、シ
ランカップリング剤をケイ酸エステルのモル数に対し
0.01倍から1.0倍の範囲で含有する溶液を、亜鉛
系めっきが施された鋼板上にAl換算の付着量とSi換
算の付着量の合計で5〜1000mg/m2の付着量に
なるように塗布し、その後加熱乾燥することを特徴とす
る耐白錆性、塗料密着性、耐アルカリ性に優れた亜鉛系
めっき鋼板の製造方法によって解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛系めっきの表
面に白錆発生を抑制し得る皮膜を施した亜鉛系めっき鋼
板の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板は、従来から電気めっ
きあるいは溶融めっきにより製造され、そのめっき皮膜
の犠牲防食性により地鉄の腐食を大きく抑制することが
できるため、広く使用されてきている。
【0003】しかしながら、亜鉛系めっき鋼板はその腐
食過程において白色の亜鉛錆が生成するため、外観品質
が大きく低下してしまう。
【0004】そこで、この白錆を抑制するための後処理
が広く行われている。この後処理の代表的な方法として
は、クロム酸、重クロム酸またはその塩類を主体とした
クロメート処理が挙げられる。
【0005】このクロメート処理は耐食性に優れ、かつ
比較的簡単に行うことができる経済的な処理方法であ
る。
【0006】しかし、クロメート処理は公害規制物質で
ある6価クロムを使用するものであり、処理工程ではク
ロム酸塩が人体へ悪影響を与えることや、廃水処理後の
クロムスラッジの廃棄処理が困難であること、またクロ
メート処理後の製品から6価クロムが溶出するおそれが
あるなど種々の問題を有している。従って、クロム酸類
の使用管理基準が厳しくなると同時に、クロメート処理
工場の管理、廃水処理およびクロメート処理物による二
次汚染などの問題が進んでいる。各工場では廃水関係を
クローズド化し、クロムイオンが外部に排出するのを極
力防止して公害対策を講じているが、これらは膨大な設
備と費用が必要である。また、クロメート処理鋼板の防
錆油、プレス油の脱脂工程において、アルカリ系の脱脂
液を用いる際には、特にクロムの溶出がかなり多く、そ
の脱脂液中の脱クロム処理が必要である。
【0007】このようなことから、亜鉛系めっき鋼板の
白錆の発生を防止するためにクロメート処理によらな
い、無公害な処理技術が数多く提案されている。例え
ば、無機化合物、有機化合物、有機高分子材料、あるい
はこれらを組み合わせた溶液を用い、浸漬、塗布、電解
処理などの方法により薄膜を生成させる方法がある。
【0008】具体的には、 (1) モリブデン、タングステンなどポリ金属の酸化物
を用いる方法(例えば特開昭57−5875号公報) (2) タンニン酸を用いた方法(例えば、特開昭51−
71233号公報) (3) 3価クロムで構成した6価クロムを含まない無公
害のクロメート処理方法(例えば特開昭61−587号
公報) などが知られている。
【0009】しかし、上記(1)の方法ではモリブデン、
タングステンなどのポリ金属の酸化物の腐食に対する安
定領域はクロムのそれよりも狭く、クロメートと同程度
の耐食性を得ることは不可能である。
【0010】また、上記(2)の方法では十分な耐食性を
得ようとすると、タンニン酸による着色が生じてしま
う。
【0011】さらに、上記(3)の方法では、可溶性クロ
ムを使用している点から、クロムフリーのニーズには根
本的に応えられない。
【0012】そこで、本発明者らは、クロムを全く含有
せずにクロムと同等あるいはそれ以上の耐食性を有し、
しかも着色問題のない皮膜を開発するべく鋭意検討の結
果、ケイ酸エステルとアルミニウムの無機塩を含む液体
を塗布・乾燥する方法を開発した(特開平8−2320
76号公報)。この皮膜はクロメートと同等以上の耐白
錆性が得られるため、クロメート代替の無機系皮膜とし
て有害であった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩水噴
霧環境下およびアルカリ脱脂後の耐白錆性が劣る、また
塗料密着性が不充分であるなどの問題点があった。
【0014】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであって、製造工程上さらに使用過程において安全で
無公害な化成処理皮膜を有し、かつ耐白錆性、塗料密着
性、耐アルカリ脱脂性に優れた亜鉛系めっき鋼板を製造
する方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、下記の様な構成からなる。
【0016】(1) ケイ酸エステルとアルミニウムの無
機塩とをAl/(Al+Si)のモル比で0.01〜
0.75の範囲になるように含有し、さらに、ケイ酸エ
ステルのモル数に対し0.01倍から1.0倍の範囲で
含有する溶液を、亜鉛系めっきが施された鋼板上にAl
換算の付着量とSi換算の付着量の合計で5〜1000
mg/m2の付着量になるように塗布し、その後加熱乾
燥することを特徴とする耐白錆性、塗料密着性、耐アル
カリ性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0017】(2) 前記溶液が、さらに、コロイダルシ
リカまたはヒュームドシリカの少なくとも1種をケイ酸
エステルのモル数に対し0.01倍から2.0倍の範囲
で含有する溶液であることを特徴とする上記(1)の亜鉛
めっき鋼板の製造方法。
【0018】(3) 前記溶液が、さらに、シランカップ
リング剤をケイ酸エステルのモル数に対し0.01倍か
ら1.0倍の範囲で含有することを特徴とする上記(1)
または(2)記載の亜鉛めっき鋼板の製造方法
【0019】(4) アルミニウムの無機塩として硝酸ア
ルミニウム又は塩化アルミニウムの少なくとも1種を用
いることを特徴とする上記(1)ないし(3)に記載の亜鉛
系めっき鋼板の製造方法。
【0020】(5) 加熱乾燥の温度を300℃以下とす
ることを特徴とする上記(1)ないし(4)のいずれか1項
に記載の亜鉛系めっき鋼板の製造方法。
【0021】本発明者らが開発した、ケイ酸エステルと
アルミニウムの無機塩を混合した溶液を塗布することに
より得られる皮膜が耐食性に優れている理由は必ずしも
明確ではないが、ケイ酸エステルを用いることで、その
加水分解・縮合過程において、シロキサン結合が形成さ
れ、それが薄膜化し、白錆抑制能が得られ、さらにアル
ミニウムの添加により膜の均一性および緻密性が向上
し、もって耐食性が向上するものと考えられる。
【0022】本発明では、ケイ酸エステルとアルミニウ
ム無機塩を含む溶液に、平均分子量4,000,000
以下のポリエチレングリコールをさらに含有させること
によって塗料密着性を向上させ、アルカリ脱脂後の耐白
錆性を向上させることが判明した。このような複数の効
果を付与できるメカニズムとしては、かならずしも明確
でないが、以下のように考えられる。
【0023】 ポリエチレングリコールの末端の水酸
基(R−OH)の一部が、ケイ酸エステルの加水分解物
であるシラノール基(Si−OH)と脱水縮合して(R
−OH+Si−OH→R−O−Si)するとともに、直
鎖状のポリエチレングリコール分子同志の絡み合いによ
り、より緻密な三次元ネットワークを形成し、腐食因子
であるCIなどを遮蔽する。 一般に強アルカリ環境下ではSi−O−Si結合が
切断され易いが、R−O−Si結合を導入することによ
り、耐アルカリ性を向上できる。 ポリエチレングリコールの水酸基のうち、未反応で
皮膜中に残存している水酸基が、上塗り塗料との結合に
寄与し、優れた塗料密着性を付与できる。
【0024】
【発明の実施の形態】ケイ酸エステルとしては、Si
(OCn2n+14で表される構造の化合物を使用するこ
とができる。エステルを形成するアルキル基の炭素数は
好ましくは1〜4程度であり、例えば、メチルシリケー
ト、エチルシリケート、n−ブチルシリケート等が挙げ
られる。コスト面から考慮すると、比較的安価であるエ
チルシリケートを用いることが望ましいが、これに限定
されるものではない。
【0025】アルミニウムの無機塩としては、硝酸アル
ミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなど種
々のものを用いることができるが、中でも硝酸アルミニ
ウム又は塩化アルミニウムが望ましい。
【0026】ケイ酸エステルのアルミニウムの無機塩の
配合割合はAl/(Al+Si)のモル比で0.01〜
0.75程度、好ましくは0.1〜0.5程度が適当で
ある。モル比が0.01よりも低い場合および0.75
よりも高い場合には、上記範囲内の場合よりも耐食性が
大きく低下し、白錆抑制能力が不十分であることが確認
されたからである。ここで、このようにAl/(Al+
Si)によって耐食性が変化するメカニズムについては
現状では明らかではないが、得られたAl−Si系皮膜
の皮膜構造に依存するものと考えられる。
【0027】ポリエチレングリコールは平均分子量が
4,000,000以下、好ましくは200〜4,00
0,000、さらに好ましくは400〜2,000,00
0、特に好ましくは1,000〜500,000のものを
用いる。平均分子量200未満では、皮膜中での耐黒点
錆性などの向上効果が乏しい。一方、4,000,00
0超のものでは、皮膜の耐白錆性が低下するばかりでな
く、処理液の安定性を損なう。ポリエチレングリコール
の添加量としては、ケイ酸エステルの添加モル数に対し
0.01倍から1.0倍程度、好ましくは0.05〜
0.5倍程度が適当である。0.01倍未満では、塗料
密着性、耐アルカリ脱脂性の向上効果が不十分である。
一方、1.0倍超では、無機系皮膜の耐白錆性を低下さ
せる。
【0028】本発明では、ケイ酸エステルとアルミニウ
ム無機塩とポリエチレングリコールを含む溶液にシラン
カップリング剤をさらに含有させることによって、塗料
密着性を向上させ、さらにアルカリ脱脂等の耐白錆性を
向上させることが判明した。
【0029】このような複数の効果を付与できるメカニ
ズムとしては、 Si、Alからなる無機系皮膜の中に有機系成分を
導入することによって、より緻密なネットワークを形成
でき、腐食因子であるCl-などを遮蔽できる、 例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ランなどの
【化1】 で表される官能基が、上塗り塗料との反応によりより優
れた塗料密着性を付与できる、 一般に、無機物中の−Si−O−Si結合は強アル
カリ環境下で結合が切断され易いが、アルカリ環境下に
強い有機成分を導入することにより、あるいは上記の
ような官能基を導入することにより、耐アルカリ性に強
いSi系無機/有機皮膜を形成できる、 など考えられる。
【0030】シランカップリング剤としては、例えば、
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロ
ロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−アミノプピルトリエトキシシラン、γ
−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、N−(β−
アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、などを用いることができる。
【0031】これらのシランカップリング剤の添加量は
ケイ酸エステルのモル数に対し0.01〜1.0倍程
度、好ましくは0.05〜0.5倍程度が適当である。
添加量がケイ酸エステルのモル数に対し、0.01倍未
満では、塗料密着性、アルカリ脱脂後の耐白錆性向上に
効果が不充分である。また、1.0倍超では処理液の安
定性が劣るなどの問題がある。
【0032】さらに、シリカをシランカップリング剤と
併用添加することにより両者の相乗効果によって、より
優れたアルカリ脱脂後の耐白錆性を発揮することができ
る。
【0033】シリカは単独でも耐白錆性向上に効果があ
るが、シランカップリング剤との共存によりシランカッ
プリング剤とシリカとの間の結合、及びシリカとケイ酸
エステル又はAl塩との結合、シランカップリング剤と
ケイ酸エステル又はAl塩との結合により、より緻密で
強固な皮膜を形成し、皮膜欠陥を少なくすることによっ
てアルカリ脱脂後の耐白錆性を著しく向上する。
【0034】シリカとしては、コロイダルシリカ、ヒュ
ームドシリカいずれでもよい。コロイダルシリカとして
は、分散媒が有機溶媒である、オルガノシリカゾルMA
−ST−M、同IPA−ST、同EG−ST、同EG−
ST−ZL、同NPC−ST、同DMAC−ST、同D
MAC−ST−ZL、同XBA−ST、同MIBK−S
T(日産化学工業(株)製)、OSCAL 1132、同
1232、1332、1432、1532、1632、
1722(触媒化成工業(株)製)などと用いることが望
ましいが水性シリカゾル、例えばスノーテックスO、
N、20、30、40、C、S、などを少量添加しても
よい。
【0035】また、ヒュームドシリカとしては、表面を
疎水化したシリカ、例えばAEROSIL R 972、
R812、R811、R974、R282、R805
(以上、日産化学工業(株)製)の他、親水性のままのシ
リカ、AEROSIL 130、200、200V、2
00CF、300、300CF(同)を用いてもよい。
【0036】これらシリカの添加量は、ケイ酸エステル
のモル数に対し0.01倍〜2.0倍程度、好ましくは
0.025〜2.0倍程度が適当である。0.01倍未
満では、耐黒点錆性、アルカリ脱脂後の耐白錆性向上効
果が少なく、一方、2.0倍超では、塗料密着性が低下
するため好ましくない。
【0037】上記溶液に用いる有機溶媒は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、プロパノール、メチルセルソルブ、エ
チルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソル
ブ、エチレングリコール、ジホルムアルデヒドメトキシ
エタノールなど、ケイ酸エステル、アルミニウム塩を溶
解させ得るものを使用することができ、また、1,4ジ
オキサンのような非極性の溶媒でも、アルコールのよう
な極性溶媒との組み合わせにより使用することができ
る。また、水もアルコール等の組み合わせにより使用す
ることができる。
【0038】溶媒の使用量は、加熱乾燥後の皮膜の付着
量に応じて任意に決める。
【0039】溶液の塗布量は、加熱乾燥して形成される
皮膜の付着量がAl換算の付着量とSi換算の付着量の
合計で5〜1000mg/m2程度、好ましくは50〜
1000mg/m2程度、特に好ましくは100〜10
00ms/m2程度となるようにする。
【0040】溶液を塗布する方法としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ロールコーターを用いる
方法、処理液に浸漬する方法、スプレーする方法などを
挙げることができる。
【0041】上記のようにして溶液を塗布した後、加熱
乾燥を行って皮膜を形成するが、この際の加熱温度は、
Al−Si系皮膜の耐食性に影響を与える。加熱温度は
板温で300℃以下、好ましくは60〜200℃程度、
特に好ましくは70〜150℃程度が適当である。この
温度が300℃以上でも白錆抑制能は十分に高いが、こ
の温度以上に加熱温度を上げることにより耐食性が低下
する傾向にあるため、加熱温度は300℃以下が好まし
い。このように加熱温度を上げると耐食性が低下するの
は、有機溶媒の急激な蒸発に伴い生じるピンホール数の
増加や皮膜の硬質化に伴う加工部での皮膜剥離面積の増
加によるものと推測される。いずれにせよ、本発明の処
理は亜鉛系めっき上の化成処理であるから、その処理温
度の上限は、亜鉛めっきおよびその基板である鋼板の熱
拡散が急速に生じる温度により規定され、約350℃が
その上限となると考えられる。
【0042】本発明の亜鉛系めっき鋼板としては、電気
めっき法による亜鉛めっき鋼板、亜鉛−ニッケル合金め
っき鋼板、溶融めっき法による亜鉛めっき鋼板、合金化
亜鉛めっき鋼板、アルミニウム−亜鉛系めっき鋼板など
を挙げることができるが、これに限定されるものではな
い。
【0043】
【実施例】表1に示す、いずれも板厚0.7mmの各種
亜鉛系めっき鋼板を用いた。
【0044】
【表1】
【0045】化成処理溶液には、ケイ酸エステルとして
はエチルシリケート(テトラエトキシシラン)、アルミ
ニウム無機塩としては塩化アルミニウムまたは硝酸アル
ミニウム、ポリエチレングリコールとしては表4〜8に
記載のもの、シランカップリング剤としては表2に記載
のもの、シリカとしては表3に記載のものをそれぞれ用
い、いずれもエチルセロソルブを溶媒として表4〜8に
示す組成の溶液を調製した。
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】各めっき鋼板の表面をアルカリ脱脂し、上
記の化成処理溶液を表4〜8に示す付着量になるように
ロールコーターで塗布した。次いで、各鋼板を表4〜8
に示す条件で熱風乾燥炉で乾燥した。
【0049】こうして得られた各化成処理鋼板の耐白錆
性、アルカリ脱脂後の耐白錆性および塗料密着性を測定
した結果を表4〜8に示す。
【0050】尚、各品質性能の評価は、以下に示す方法
で行なった。 (1) 耐白錆性 各サンプルについて、塩水噴霧試験(JIS−Z−23
71)を施し、所定時間後の白錆面積率で評価した。
尚、シランカップリング剤とシリカを含まない皮膜(N
o.1−43)については48時間後の耐白錆性で評価
し、シランカップリング剤もしくはシリカを含む皮膜
(No.44−121)については48時間で有意差が
現れないため、より厳しく72時間後で評価した。さら
に、シランカップリング剤とシリカを両方含む皮膜(N
o.122−164)については両者の効果により72
時間で有意差が現われないため、より厳しく120時間
後で評価した。
【0051】判定方法は、以下の通りである。 ◎:白錆面積率5%未満 ○:白錆面積率5%以上、25%未満 △:白錆面積率25%以上、50%未満 ×:白錆面積率50%以上、100%以下
【0052】(2) アルカリ脱脂後の耐白錆性 各サンプルについて、アルカリ脱脂(日本パーカライジ
ング製「CLN364S」)を行った後、塩水噴霧試験
(JIS−Z−2371)を施し、所定時間後の白錆面
積率で評価した。尚、シランカップリング剤とシリカと
を含まない皮膜(No.1−43)については48時間
後の耐白錆性で評価し、シランカップリング剤もしくは
シリカを含む皮膜(No.44−121)については4
8時間で有意差が現れないため、より厳しく72時間後
で評価した。さらに、シランカップリング剤とシリカを
両方含む皮膜(No.122−172)については両者
の効果により72時間で有意差が現れないため、より厳
しく120時間後で評価した。
【0053】判定基準は、以下の通りである。 ◎:白錆面積率5%未満 ○:白錆面積率5%以上、25%未満 △:白錆面積率25%以上、50%未満 ×:白錆面積率50%以上、100%以下
【0054】(3) 塗料密着性 各サンプルについて、メラミン系の焼き付け塗料(28
0℃、60秒)を塗装した後、沸水中に2時間浸せき
し、直ちに、碁盤目(10×10)のカットを入れてセ
ロテープによる剥離を行った。判定基準は以下の通り。
【0055】 ◎:剥離なし ○:剥離面積率5%未満 △:剥離面積率5%以上、20%未満 ×:剥離面積率20%以上
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ケイ酸エステルとアルミニウムの無機塩とを一定範
囲で含有し、さらにポリエチレングリコールを一定範囲
で含有する溶液を亜鉛系めっきが施された鋼板上に塗布
し、その後加熱乾燥するという方法により、耐白錆性に
優れるばかりでなく塩水噴霧環境下およびアルカリ脱脂
後の耐白錆性にも優れさらには塗料密着性も良好な亜鉛
系めっき鋼板が得られ、しかもこのようにして形成され
た化成処理皮膜は工業上安全で無公害であるという産業
上極めて有意義な効果をもたらすものである。
フロントページの続き (72)発明者 鷺山 勝 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケイ酸エステルとアルミニウムの無機塩
    とをAl/(Al+Si)のモル比で0.01〜0.75
    の範囲になるように含有し、さらに、平均分子量4,0
    00,000以下のポリエチレングリコールをケイ酸エ
    ステルのモル数に対し0.01倍から1.0倍の範囲で含
    有する溶液を、亜鉛系めっきが施された鋼板上にAl換
    算の付着量とSi換算の付着量の合計で5〜1000m
    g/m2の付着量になるように塗布し、その後加熱乾燥
    することを特徴とする耐白錆性、塗料密着性、耐アルカ
    リ性に優れた亜鉛系めっき鋼板の製造方法
  2. 【請求項2】 前記溶液が、さらに、コロイダルシリカ
    またはヒュームドシリカの少なくとも1種をケイ酸エス
    テルのモル数に対し0.01倍から2.0倍の範囲で含
    有する溶液であることを特徴とする請求項1に記載の亜
    鉛系めっき鋼板の製造方法
  3. 【請求項3】 前記溶液が、さらに、シランカップリン
    グ剤をケイ酸エステルのモル数に対し0.01倍から
    1.0倍の範囲で含有することを特徴とする請求項1ま
    たは請求項2記載の亜鉛めっき鋼板の製造方法
  4. 【請求項4】 アルミニウムの無機塩として硝酸アルミ
    ニウム又は塩酸アルミニウムの少なくとも1種を用いる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1
    項に記載の亜鉛系めっき鋼板の製造方法
  5. 【請求項5】 加熱乾燥の温度を300℃以下とするこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    に記載の亜鉛系めっき鋼板の製造方法
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