JPH10247520A - 非水電解質電池 - Google Patents

非水電解質電池

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JPH10247520A
JPH10247520A JP9062226A JP6222697A JPH10247520A JP H10247520 A JPH10247520 A JP H10247520A JP 9062226 A JP9062226 A JP 9062226A JP 6222697 A JP6222697 A JP 6222697A JP H10247520 A JPH10247520 A JP H10247520A
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JP
Japan
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electrolyte
electrode
battery
polymer
porous
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JP9062226A
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Mikio Okada
幹雄 岡田
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Japan Storage Battery Co Ltd
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Publication date
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の固体電解質を使用した非水電解質電池
は、固体電解質中のイオンの拡散速度が有機電解液と比
較して非常に遅いために、電極反応に必要なリチウムイ
オンの供給が十分におこなわれず、高率での充放電及び
低温での充放電をおこなった場合に十分な電池性能が得
られないという問題点があった。本発明は、有機電解液
を使用した場合の電池性能を維持したまま電池の安全性
を向上させ、結果として、活物質の利用率の向上による
電池の高容量化及び安全化素子の省略による電池の低コ
スト化を可能とするものである。 【解決手段】 有孔性高分子電解質を備えた電極を備
え、孔体積の30%以上95%以下の体積の電解液を保
持させた、正極、負極あるいはセパレータを備えた非水
電解質電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質電池に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在市販されているリチウムイオン二次
電池は、正極にコバルト酸リチウム等の遷移金属の複合
酸化物活物質、負極にグラファイト等の炭素系活物質を
用い、ポリエチレン又はポリプロピレン等の多孔性セパ
レータを介在させてこれらの正・負極を対向させた構造
となっている。そして、エチレンカーボネート、エチル
メチルカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチル
カーボネート等の各種炭酸エステルにLiPF6 、Li
BF4 等のリチウム塩を溶解させた溶液を電解液として
用いている。
【0003】リチウムイオン二次電池の正・負極は、活
物質粒子、結着剤としての高分子、そして活物質の電子
伝導性が不十分である場合にはアセチレンブラック等の
導電剤を混練したものを集電体に塗布し、プレスして製
作している。このようにして製作した正・負極は、活物
質粒子の隙間が孔となっており、その孔に電解液を染み
込ませることによって、電極反応に必要なリチウムイオ
ンの移動経路を十分に確保し、十分な電池性能を得るこ
とができるようになっている。
【0004】上記のリチウムイオン電池及び負極に金属
リチウムを使用したリチウム電池等の非水電解質電池
は、電解質に水溶液を使用した鉛蓄電池、ニッケルカド
ミウム電池、ニッケル水素電池などと異なり、電解質に
可燃性の有機電解液を使用するため、その安全性上の問
題から、活物質の利用率を制限する必要があり電池の容
量が制限され、また、安全弁、保護回路、PTC素子等
の、様々な安全化素子を備える必要があり、コストが高
くなるという問題がある。
【0005】従って、有機電解液の代わりに、より化学
反応性に乏しい固体高分子電解質を用いることによって
電池の安全性を向上させ、上記の安全化素子を省略する
ことが試みられている。また、電池形状の柔軟性、製造
工程の簡易化、製造コストの削減等の目的においても固
体高分子電解質の適用が試みられている。
【0006】高分子電解質としては、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテルとアル
カリ金属塩との錯体が多く研究されている。しかし、ポ
リエーテルは十分な機械的強度を保ったまま高いイオン
導電性を得ることが困難であり、しかも導電率が温度に
大きく影響されるために室温で十分な導電率が得られな
いことから、ポリエーテルを側鎖に有するくし型高分
子、ポリエーテル鎖と他のモノマーの共重合体、ポリエ
ーテルを側鎖に有するポリシロキサンまたはポリフォス
ファゼン、ポリエーテルの架橋体などが試みられてい
る。
【0007】さらに、高分子に電解液を含浸させること
によってゲル状の固体電解質を製作し、非水電解質電池
に適用することも試みられている。このゲル状の固体電
解質において使用されている高分子には、ポリアクリロ
ニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポ
リビニルサルフォン、ポリビニルピロリジノン等があ
る。フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの
共重合体を用いることによって高分子の結晶化度を低下
させ、電解液を含浸し易くして導電率を向上させること
も試みられている。また、ニトリルゴム、スチレンブタ
ジエンゴム、ポリブタジエン、ポリビニルピロリドン等
のラテックスの乾燥によって高分子膜を製作し、これに
電解液を含浸させることによってリチウムイオン導電性
高分子膜を製作することも試みられている。
【0008】しかし、有機電解液の代わりに固体電解質
を用いた場合には、電解質中のイオンの拡散速度が遅く
なるために、充放電の際に正・負極で必要とされるリチ
ウムイオンの供給が十分におこなわれず、高率充放電、
低温充放電をおこなった場合に十分な電池性能が得られ
ないという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の、有機電解液を
使用した非水電解質電池は、電極が高分子電解質を備え
ていなかった。従って、電極が電解液を吸収して電極全
体に均一に電解液を行き渡らせることがないために、電
池への電解液の注液量が少ない場合には、電解液が電池
全体に均一に行き渡らないために、十分な電池性能が得
られなかった。従って、十分な電池性能を得るために
は、多量に電解液を注液する必要があり、その結果とし
て電極及びセパレータの孔中、及び電極とセパレータと
の隙間は、すべて電解液で占められていた。従って、釘
刺し等の安全性試験をおこなった場合、圧力上昇に対し
てクッションとなる気体が電極近傍に存在しないため
に、内部短絡箇所の発熱による、その近辺の電解液の気
化によって局所的に圧力が急激に増大し、発熱連鎖反応
の発端となる反応が生じ易くなり、その安全性が低下す
る。従って、電池の安全性を向上させるために、活物質
の利用率を制限する必要があり電池の容量が制限され、
また、様々な安全化素子を備える必要があるためにコス
トが高くなるといった問題点があった。
【0010】従来の固体電解質を使用した非水電解質電
池は、固体電解質中のイオンの拡散速度が有機電解液と
比較して非常に遅いために、電極反応に必要なリチウム
イオンの供給が十分におこなわれず、高率での充放電及
び低温での充放電をおこなった場合に十分な電池性能が
得られないという問題点があった。
【0011】本発明は、上記問題点に鑑みなされたもの
であり、有機電解液を使用した場合の電池性能を維持し
たまま電池の安全性を向上させ、結果として、活物質
沽用率の向上による電池の高容量化及び安全化素子の省
略による電池の低コス 化を可能とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、下記発明により
上記課題を解決するものである。
【0013】有孔性高分子電解質を備えた電極を備え、
孔体積の30%以上95%以下の体積の電解液を保持さ
せた、正極、負極あるいはセパレータを備えたこと、ま
た、ポリビニリデンフルオライド、ポリアクリロニトリ
ル、ポリ塩化ビニル、および前記有機高分子を構成する
各種モノマーを構造中に有する共重合体のうち少くとも
一つを備えたことを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明による非水電解質電池は、
電極の孔中又は電極の表面に、電解液で膨潤又は湿潤す
る有孔性高分子電解質を備える。その有孔性高分子電解
質は、電解液で膨潤又は湿潤する性質を有するために、
電池への注液量が少ない場合であっても、電解液を吸収
して電極全体に均一に行き渡らせることができる。従っ
て、セパレータの孔及び、電極の孔などの孔のすべてを
占めるのに十分な電解液量よりも少量の電解液を電池に
保持させることによって、セパレータの孔中又は、電極
の孔中などに気体の部分が残るようにした場合であって
も、電解液を電極全体に行き渡らせて十分な電池性能を
得ることができる。従って、釘刺し等の安全性試験をお
こなった場合、圧力上昇に対してクッションとなる気体
が電極近傍に存在するために、内部短絡箇所の発熱によ
ってその近辺の電解液が気化した場合であっても、局所
的な圧力上昇が大幅に緩和され、発熱連鎖反応の発端と
な 愎応が生じ難くなり、その安全性が向上する。従っ
て、電池の安全性を向上させるために、制限されていた
活物質の利用率を向上させることが可能となるために高
容量の電池とすることができ、また、様々な安全化素子
を省略することが可能になるためにコストを低くするこ
とができる。
【0015】本発明においては、従来の固体電解質電池
と異なり、電極の備える高分子が気体と遊離の電解液と
を保持した孔を有するために、遊離の電解液中をイオン
が高速で拡散して十分な電池性能が得られる。
【0016】本発明において使用する、電解液で膨潤又
は湿潤する有孔性高分子は、電池中で高分子電解質とし
て作用するために、高分子の孔中の電解液中のみでな
く、電解液で膨潤又は湿潤した高分子の部分をもイオン
が移動可能となる。従って、電極の高分子によって覆わ
れた部分へも十分にイオンの供給が行われる。本発明に
よる高分子電解質は孔を有しているために、イオンは高
分子電解質の孔中の電解液中を高速に移動することがで
き、また、電極の高分子電解質に覆われた部分から高分
子電解質の孔までの距離は非常に短い。従って、高分子
電解質中のイオンの拡散 数が電解液と比較して小さい
場合であっても、速やかに電極へのイオンの供給が行わ
れ、十分な電池性能が得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を用いて説明す
る。
【0018】(実施例1)下記の手順にしたがって、実
施例1の本発明による非水電解質電池を製作した。
【0019】グラファイト81Wt%、ポリビニリデン
フルオライド(PVDF)9Wt%、N−メチル−2−
ピロリドン(NMP)10Wt%を混合した活物質ペー
ストを幅22mm、長さ500mm、厚さ14μmの銅
箔上に塗布し、150℃で乾燥してNMPを蒸発させ
た。この作業を銅箔の両面に対しておこない、両面に活
物質層を備えた負極を製作した。
【0020】上記の負極の両面に、PVDF20Wt%
をN 覚80Wt%に溶解した高分子ペーストを、ドク
ターブレード法を用いて塗布した。その際、ドクターブ
レードの刃の隙間を100μmに設定した。この負極
を、2時間放置して、高分子ペーストを浸透圧によって
活物質層の孔中に浸透させた後に水中に浸漬させて、N
MPを水で置換するという湿式法を用いて、PVDFに
対して連通多孔化処理を施してPVDFを固化した。有
孔性PVDFは、負極の孔中及び表面の両方に配置さ
れ、負極表面のPVDF層の厚さは10μmであった。
以上の方法によって、有孔性PVDFを備えた負極を製
作した。
【0021】コバルト酸リチウム70Wt%、アセチレ
ンブラック6Wt%、PVDF9Wt%、NMP15W
t%を混合したものを幅20mm、長さ480mm、厚
さ20μmのアルミニウム箔上に塗布し、150℃で乾
燥してNMPを蒸発させた。この作業をアルミニウム箔
の両面に対しておこない、両面に活物質層を備えた正極
を製作した。
【0022】このようにして準備した正極及び負極を多
孔度40%のポリエチレン性セパレータと重ねて巻き、
高さ47.0mm、幅22.2mm、厚さ6.4mmの
ステンレスケース中に挿入して、角形電池を組み立て
た。この電池の内部に、エチレンカーボネート(EC)
とジエチルカーボネート(DEC)とを体積比率1:1
で混合し、1mol/lのLiPF4 を加えた電解液を
真空注液によって加え、負極が備える有孔性PVDFを
電解液で膨潤させて、有孔性の高分子電解質とした。電
解液の注液量を変化させることによって、8種類の本発
明による電池(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)、(F)、(G)及び(H)を各2個製作した。
【0023】(実施例2)負極への高分子の塗布をおこ
なわず、正極への高分子の塗布をおこなったこと以外
は、実施例1の本発明による電池(A)、(B)、
(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び(H)と
同様にして、実施例2の本発明による電池(I)、
(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)及び
(P)を各2個製作した。正極への高分子の塗布は、つ
ぎのようにおこなった。
【0024】実施例1と同様にして製作した正極の両面
に、PVDF20Wt%をNMP80Wt%に溶解した
高分子ペーストを、ドクターブレード法を用いて塗布し
た。その際、ドクターブレードの刃の隙間を100μm
に設定した。この正極を、2時間放置して、高分子ペー
ストを浸透圧によって活物質層の孔中に浸透させた後に
水中に浸漬させて、NMPを水で置換するという湿式法
を用いて、PVDFに対して連通多孔化処理を施してP
VDFを固化した。有孔性PVDFは、正極の孔中及び
表面の両方に配置され、正極表面のPVDF層の厚さは
10μmであった。以上の方法によって、有孔性PVD
Fを備えた正極を製作した。
【0025】電解液の注液によって、正極が備える有孔
性PVDFは電解液で膨潤して、有孔性の高分子電解質
となった。
【0026】(実施例3)正極と負極との両方に高分子
の塗布をおこなったこと以外は、実施例1の本発明によ
る電池(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
(F)、(G)及び(H)と同様にして、実施例3の本
発明による電池(Q)、(R)、(S)、(T)、
(U)、(V)、(W)及び(X)を各2個製作した。
負極への高分子の塗布は実施例1と、正極への高分子の
塗布は実施例2と同様にしておこなった。
【0027】電解液の注液によって、正極及び負極が備
える有孔性PVDFは電解液で膨潤して、有孔性の高分
子電解質となった。
【0028】(比較例)比較例として、電極への高分子
の塗布をおこなわないこと及び、電解液の注液量以外
は、本発明による(A)と同様にして、公称容量400
mAh程度の従来から公知である電池(Y)を2個製作
した。この電池への電解液の注液量は、十分な電池性能
を示すのに必要な最小量とした。
【0029】これらの本発明による、実施例1の電池
(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、
(G)及び(H)、実施例2の電池(I)、(J)、
(K)、(L)、(M)、(N)、(O)及び(P)、
実施例3の電池(Q)、(R)、(S)、(T)、
(U)、(V)、(W)及び(X)、及び従来から公知
である電池(Y)の各2個を用いて、25℃において、
1CAの電流で4.1Vまで充電し、続いて4.1Vの
定電圧で2時間充電した後、2CAの電流で2.5Vま
で放電した。これらの試験の結果、本発明による、実施
例1の電池(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
(F)、(G)及び(H)、実施例2の電池(I)、
(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)及び
(P)、実施例3の電池(Q)、(R)、(S)、
(T)、(U)、(V)、(W)及び(X)、及び従来
から公知である電池(Y)は、すべて同程度の放電容量
を示し、その電池性能に差はみられなかった。
【0030】上記の充放電試験の後に、本発明による、
実施例1の電池(A)、(B)、(C)、(D)、
(E)、(F)、(G)及び(H)、実施例2の電池
(I)、(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、
(O)及び(P)、実施例3の電池(Q)、(R)、
(S)、(T)、(U)、(V)、(W)及び(X)、
及び従来から公知である電池(Y)の各1個を解体し、
正極、負極、及びセパレータが保持する電解液量の測定
をおこなった結果、各電池において正極、負極、及びセ
パレータの孔体積に占める電解液の体積比はすべて同じ
であった。これらの結果を表1、2、3及び4に示す。
【0031】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】 また、本発明による、実施例1の電池(A)、(B)、
(C)、(D)、(E)、(F)、(G)及び(H)、
実施例2の電池(I)、(J)、(K)、(L)、
(M)、(N)、(O)及び(P)、実施例3の電池
(Q)、(R)、(S)、(T)、(U)、(V)、
(W)及び(X)、及び従来から公知である電池(Y)
の各1個を用いてつぎのような安全性の比較試験をおこ
なった。これらの電池を用いて、室温において、1CA
の電流で4.5Vまで充電し、続いて4.5Vの定電圧
で2時間充電した後、3mm径の釘を電池に刺して貫通
させた。その結果を表1、2、3及び4に示す。
【0032】これらの結果から、本発明による、実施例
1の電池(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、
(F)、(G)及び(H)、実施例2の電池(I)、
(J)、(K)、(L)、(M)、(N)、(O)及び
(P)、実施例3の電池(Q)、(R)、(S)、
(T)、(U)、(V)、(W)及び(X)は、従来か
ら公知である電池(Y)よりも安全性に優れた電池であ
るということができ、また本発明による電池において
は、正極、負極、及びセパレータが保持する電解液量が
少ないほど安全性に優れた電池であるということができ
る。
【0033】前記実施例では、有機高分子電解質の高分
子としてポリビニリデンフルオライドを使用している
が、これ以外にもポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニ
ル及びビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピ
レンとの共重合体を用いて同様の電池製作、充放電試験
及び安全性試験をおこなったが、すべてポリビニリデン
フルオライドを用いた場合と同様の結果を示した。
【0034】前記実施例では、有機高分子電解質の高分
子としてポリビニリデンフルオライドを使用している
が、これに限定されるものではなく、ポリエチレンオキ
シド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル、ポリ
アクリロニトリル、ポリビニリデンフルオライド、ポリ
塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチ
ルアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリメタクリ
ロニトリル、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリ
ドン、ポリエチレンイミン、ポリブタジエン、ポリスチ
レン、ポリイソプレン、もしくはこれらの誘導体を、単
独で、あるいは混合して用いてもよい。また、上記有機
高分子を構成する各種モノマーを共重合させた高分子を
用いてもよい。
【0035】また、前記実施例における電池において
は、セパレータとしてポリエチレンの多孔膜を用いた
が、これに限定されるものではなく、ポリプロピレンで
あってもよく、ポリエチレンとポリプロピレンの積層体
であってもよい。また、セパレータの多孔化法は、延伸
法、湿式法、発泡剤を用いる方法、粉末を接着する方
法、膜中に固体を析出させる方法のいずれであってもよ
い。
【0036】また、前記実施例における電池において
は、正・負極間の短絡防止膜としてポリエチレンのセパ
レータを用いたが、正極又は負極の少なくとも一方に塗
布した高分子によって正・負極間の短絡が防止される場
合には、セパレータを用いなくともよい。
【0037】また、前記実施例における電池において
は、正極又は負極の孔中及び表面の両方に高分子電解質
を配置したが、孔中又は表面の一方だけに高分子電解質
を配置させてもよい。
【0038】また、前記実施例における電池において
は、有孔性高分子電解質として湿式法によって多孔化し
たPVDFを用いたが、高分子の多孔化法はこれに限定
されるものではなく、発泡剤を用いる方法、又は、粉末
を接着する方法などであってもよい。
【0039】また、前記実施例における電池において
は、非水電解液としてECとDECとの混合溶液を用い
ているが、これに限定されるものではなく、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボ
ネート、ジエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、
スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、1,2
−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、テト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオ
キソラン、メチルアセテート等の極性溶媒、もしくはこ
れらの混合物を使用してもよい。
【0040】さらに、前記実施例においては、非水電解
液に含有させる塩としてLiPF6を使用しているが、
その他に、LiBF4 、LiAsF6 、LiClO4
LiSCN、LiI、LiCF3 SO3 、LiCl、L
iBr、LiCF3 CO2 等のリチウム塩、もしくはこ
れらの混合物を用いてもよい。
【0041】さらに、前記実施例においては、正極材料
たるアルカリ金属を吸蔵放出可能な化合物としてLiC
oO2 を使用したが、これに限定されるものではない。
これ以外にも、無機化合物としては、組成式LixMO
2 、又はLiyM2 4 (ただし、Mは遷移金属、0≦
x≦1、0≦y≦2)で表される、複合酸化物、トンネ
ル状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン
化物を用いることができる。その具体例としては、Li
CoO2 、LiNiO2 、LiMn2 4 、Li2 Mn
2 4 、MnO2 、FeO2 、V2 5 、V6 13、T
iO2 、TiS2 等が挙げられる。また、有機化合物と
しては、例えばポリアニリン等の導電性有機高分子等が
挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わ
ず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
【0042】さらに、前記実施例においては、負極材料
たる化合物としてグラファイトを使用しているが、その
他に、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cd等とリチウ
ムとの合金、LiFe2 3 等の遷移金属複合酸化物、
MoO2 、スズ酸化物等の遷移金属酸化物、グラファイ
ト、カーボン等の炭素質材料、Li5 (Li3 N)等の
窒化リチウム、もしくは金属リチウム箔、又はこれらの
混合物を用いてもよい。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、本発明にかかる非水
電解質電池は、つぎのことを特徴とする。
【0044】本発明による非水電解質電池は、電極の孔
中又は電極の表面に、電解液で膨潤又は湿潤する有孔性
高分子電解質を備える。その有孔性高分子電解質は、電
解液で膨潤又は湿潤する性質を有するために、電池への
注液量が少ない場合であっても、電解液を吸収して電極
全体に均一に行き渡らせることができる。従って、セパ
レータの孔及び、電極の孔などの孔のすべてを占めるの
に十分な電解液量よりも少量の電解液を電池に保持させ
ることによって、セパレータの孔中又は、電極の孔中な
どに気体の部分が残るようにした場合であっても、電解
液を電極全体に行き渡らせて十分な電池性能を得ること
ができる。従って、釘刺し等の安全性試験をおこなった
場合、圧力上昇に対してクッションとなる気体が電極近
傍に存在するために、内部短絡箇所の発熱によってその
近辺の電解液が気化した場合であっても、局所的な圧力
上昇が大幅に緩和され、発熱連鎖反応の発端となる反応
が生じ難くなり、その安全性が向上する。従って、電池
の安全性を向上させるために、制限されていた活物質の
利用率を向上させることが可能となるために高容量の電
池とすることができ、また、様々な安全化素子を省略す
ることが可能になるためにコストを低くすることができ
る。
【0045】本発明においては、従来の固体電解質電池
と異なり、電極の備える高分子が気体と遊離の電解液と
を保持した孔を有するために、遊離の電解液中をイオン
が高速で拡散して十分な電池性能が得られる。
【0046】本発明において使用する、電解液で膨潤又
は湿潤する有孔性高分子は、電池中で高分子電解質とし
て作用するために、高分子の孔中の電解液中のみでな
く、電解液で膨潤又は湿潤した高分子の部分をもイオン
が移動可能となる。従って、電極の高分子によって覆わ
れた部分へも十分にイオンの供給が行われる。本発明に
よる高分子電解質は孔を有しているために、イオンは高
分子電解質の孔中の電解液中を高速に移動することがで
き、また、電極の高分子電解質に覆われた部分から高分
子電解質の孔までの距離は非常に短い。従って、高分子
電解質中のイオンの拡散係数が電解液と比較して小さい
場合であっても、速やかに電極へのイオンの供給が行わ
れ、十分な電池性能が得られる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有孔性高分子電解質を備えた電極を備
    え、孔体積の30%以上95%以下の体積の電解液を保
    持させた、正極、負極あるいはセパレータを備えたこと
    を特徴とする非水電解質電池。
  2. 【請求項2】 ポリビニリデンフルオライド、ポリアク
    リロニトリル、ポリ塩化ビニル、および前記有機高分子
    を構成する各種モノマーを構造中に有する共重合体のう
    ち少くとも一つを備えたことを特徴とする、請求項1記
    載の非水電解質電池。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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