JPH10245493A - 防黴抗菌性熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

防黴抗菌性熱可塑性樹脂組成物

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JPH10245493A
JPH10245493A JP5058997A JP5058997A JPH10245493A JP H10245493 A JPH10245493 A JP H10245493A JP 5058997 A JP5058997 A JP 5058997A JP 5058997 A JP5058997 A JP 5058997A JP H10245493 A JPH10245493 A JP H10245493A
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thermoplastic resin
resin
acid
molding
resin composition
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JP5058997A
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Keiichi Nakazawa
桂一 中沢
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防黴性、抗菌性を発現する熱可塑性樹
脂組成物、及びその成形体の提供。 【解決手段】(A)熱可塑性樹脂99.9〜80重量
%、(B)メルカプトベンゾチアゾール系化合物0.1
〜20重量%からなる熱可塑性樹脂組成物。特に(C)
アルカリ化合物添加によりさらに有効である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防黴性、抗菌性に
優れる熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂は電子・電気分野、家電分
野、自動車分野、便座・台所・風呂場まわり等のサニタ
リー分野、雑貨などの幅広い分野で使用されているが、
近年、これらに使われている製品において細菌や黴が繁
殖し、人体に悪影響を及ぼすことが指摘されている。
【0003】抗菌性を熱可塑性樹脂に付与する方法とし
ては、抗菌剤を熱可塑性樹脂に練り込むか、あるいは熱
可塑性樹脂製品の表面に抗菌剤を塗布する方法がある。
塗布する方法は有効であるが塗布する手間がかかり、生
産性の面で好ましくない。現状では、抗菌剤としては無
機系抗菌剤が主に練り込みに使用され、一方、有機系抗
菌剤が主に液状で製品に塗布して使用されている。無機
系抗菌剤の代表例は銀などの金属で置換されたゼオライ
トや合成鉱物などが挙げられ、有機抗菌剤としてはクロ
ロヘキシジン、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
これらの抗菌剤は、抗菌性能はあるものの、防黴性能は
ほとんど無く且つ高価である。
【0004】一方、防黴性を熱可塑性樹脂に付与する方
法として防黴剤を熱可塑性樹脂に練り込む方法がある。
代表的な防黴剤としては、チアゾリルベンズイミダゾー
ル(TBZ)、バイナジン(10,10’−オキシビス
フェノキシアルシン)があるが、チアゾリルベンズイミ
ダゾールは抗菌性が低く、バイナジンは抗菌性も併せ持
つものの砒素を含むため安全性に対する懸念が完全には
否定できない。
【0005】こうした状況下、防黴性、抗菌性を併せ持
ち且つ安全で安価な樹脂材料の出現が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、溶融
樹脂中に練り込み可能であり、防黴性、抗菌性を有する
熱可塑性樹脂組成物を安価に提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、熱可塑性樹
脂にメルカプトベンゾチアゾール系化合物を添加するこ
とにより、防黴性、抗菌性が得られることを発見し、本
発明に至った。すなわち、本発明は下記の通りである。 (1)(A)熱可塑性樹脂99.9〜80重量%、
(B)メルカプトベンゾチアゾール系化合物0.1〜2
0重量%からなる熱可塑性樹脂組成物。 (2)(A)熱可塑性樹脂99.8〜50重量%、
(B)メルカプトベンゾチアゾール系化合物0.1〜2
0重量%、及び(C)アルカリ化合物0.1〜30重量
%からなる熱可塑性樹脂組成物。 (3)防黴性、抗菌性を有する上記1または2記載の樹
脂組成物。 (4)上記3記載の樹脂組成物の成形体。
【0008】以下、詳細に本発明を説明する。本発明に
おいて(A)成分として使用される熱可塑性樹脂は、通
常の射出成形、押出成形、ブロー成形、シート成形、発
泡成形等の際に原料として用いられる熱可塑性樹脂の中
から任意に選ぶことができるが、一般に成形加工温度が
300℃以下である熱可塑性樹脂が好適である。
【0009】このようなものとしては、例えば、スチレ
ン系樹脂、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリ
塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリカ
ーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリフェニレン
エーテル樹脂、フッ素樹脂および各種の熱可塑性エラス
トマーなどが挙げられるが、これらの中でスチレン系樹
脂、オレフィン系樹脂、メタクリル系樹脂及びポリ塩化
ビニル系樹脂が好適である。特に、スチレン系樹脂が好
ましい。
【0010】上記のスチレン系樹脂としては、一般に成
形用として使用されているもの、例えば、スチレンの単
一重合体(PS)のほか、ハイインパクトポリスチレン
(HIPS)、メチルメタクリレート・スチレン共重合
体(MS)、メチルメタクリレート・ブタジエン・スチ
レン共重合体(MBS)、スチレン・無水マレイン酸共
重合体(SMA)、スチレン・メタクリル酸共重合体
(SMAA)、α−メチルスチレンまたはマレイミドを
共重合してなる耐熱性スチレン樹脂、さらには、スチレ
ン・アクリロニトリル系共重合樹脂、α−メチルスチレ
ン・アクリロニトリル系共重合樹脂などを挙げることが
できる。
【0011】ここで、スチレン・アクリロニトリル系共
重合樹脂としては、アクリロニトリル・スチレン共重合
体(AS)、アクリロニトリル・スチレン・ブタジエン
共重合体(ABS)、アクリロニトリル・スチレン・ア
クリルゴム共重合体(AAS)、アクリロニトリル・ス
チレン・塩素化ポリエチレン共重合体(ACS)、アク
リロニトリル・スチレン・エチレン−プロピレンゴム共
重合体(AES)、アクリロニトリル・スチレン・エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、α−メチルスチレンまたは
マレイミドを共重合してなる耐熱性ABS樹脂等を包含
し、また、α−メチルスチレン・アクリロニトリル系共
重合樹脂は、スチレン・アクリロニトリル系共重合樹脂
のスチレン部分がα−メチルスチレンに置き変わったα
−メチルスチレン・アクリロニトリル系共重合樹脂など
を挙げることができる。
【0012】上記のオレフィン系樹脂としては、一般に
成形用として使用されているもの、例えば、超低密度ポ
リエチレン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチ
レン、中低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなど
のポリエチレン樹脂、酢酸ビニル含有量が0.1〜25
重量%のエチレン・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸含
有量が0.1〜25重量%のエチレン・アクリル酸共重
合体、プロピレン単独重合体、エチレン含有量が2〜4
0モル%の結晶性プロピレン・エチレンブロック共重合
体、エチレン含有量が0.5〜10モル%の結晶性エチ
レン・プロピレンランダム共重合体、ポリブテン、エチ
レン・プロピレンラバー、エチレン・プロピレン・ジエ
ンラバーなどを挙げることができる。
【0013】上記のメタクリル系樹脂としては、例え
ば、メチルメタクリレート単独重合体の他、メチルメタ
クリレートにスチレン、α−メチルスチレン、アクリロ
ニトリル、各種のアクリル酸エステルやメタクリル酸エ
ステルなどの他のモノマーを共重合させて各種の性能を
改良したメタクリル樹脂、さらには、アクリル酸エステ
ルやメタクリル酸エステルを主成分とする重合体あるい
はブタジエンを主成分とする重合体にメチルメタクリレ
ート、スチレン、アクリロニトリル、各種のアクリル酸
エステルやメタクリル酸エステルなどをグラフト共重合
した耐衝撃性メタクリル樹脂などが挙げられる。
【0014】上記のポリ塩化ビニル系樹脂としては、例
えば、塩化ビニル単独重合体の他、塩化ビニルにエチレ
ン、プロピレン、アクリロニトリル、塩化ビニリデン、
酢酸ビニル等をコモノマーとして重合させて得られた共
重合体や、ポリ塩化ビニルにMBS樹脂、ABS樹脂、
ニトリルゴム、塩素化ポリエチレン、EVA−PVCグ
ラフト共重合体、さらには各種の可塑剤を添加した改質
ポリ塩化ビニル樹脂などを挙げることができる。
【0015】これらの熱可塑性樹脂は、重量平均分子量
(Mw)が1,000〜1,000,000、好ましく
は10,000〜1,000,000、さらに好ましく
は50,000〜800,000の範囲にあるものが好
ましい。また、これらの熱可塑性樹脂は単独で用いても
よいし、2種以上を組み合わせてポリマーアロイとして
用いてもよい。
【0016】本発明において用いられる(B)メルカプ
トベンゾチアゾール系化合物は、下記の化学式1で表さ
れる2−メルカプトベンゾチアゾールの骨格を持った化
合物で、このベンゼン環に置換基がついた化合物、−S
H基の水素が置換された化合物等を含む。
【0017】
【化1】
【0018】例えば、2−メルカプトベンゾチアゾー
ル、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩、2−メ
ルカプトベンゾチアゾールのナトリウム塩、N−ter
t−ブチル−2−メルカプトベンゾチアゾール、N−オ
キシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミ
ド、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリル
スルフェンアミド、2−メルカプトベンゾチアゾールの
シクロヘキシルアミン塩、N−シクロヘキシル−2−ベ
ンゾチアゾリルスルフェンアミド、2−メルカプトメチ
ルベンゾチアゾール等を挙げることができる。これらの
中でも2−メルカプトベンゾチアゾールが最も好まし
い。
【0019】2−メルカプトベンゾチアゾールは、一般
には、アニリンに二硫化炭素、硫黄を高圧釜中で反応さ
せて合成する。一般には「M」と呼ばれ、ゴムの硫黄加
硫用加硫促進剤として用いられている。メルカプトベン
ゾチアゾール系化合物は0.1〜20重量%、好ましく
は0.5〜10重量%、さらに好ましくは1〜8重量%
用いられる。添加量が少ないと抗菌性、防黴性の効果が
なく、添加量を多くすると成形時の種々の不具合の原因
となるため好ましくない。
【0020】本発明においては、さらに(C)アルカリ
化合物の使用が有効である。本発明において使用される
(C)アルカリ化合物とは、アルカリ性を示す化合物
で、0.1〜30重量%、好ましくは0.5〜15重量
%、さらに好ましくは1〜10重量%添加する。例え
ば、アルカリ金属、アルカリ土類金属、およびこれらの
化合物とアミン化合物、4級アンモニウム化合物を挙げ
ることができる。耐水性の点でアミン化合物がより好ま
しい。
【0021】アルカリ金属の例としては、Li、Na、
K、Rb、Cs等が挙げられ、アルカリ土類金属の例と
しては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba等が挙げられ
る。これらの化合物としては、水酸化物、炭酸塩、炭酸
水素塩、カルボン酸塩、シュウ酸塩、フェノールとの
塩、アルコキシド、等が挙げられる。特に、カルボン酸
塩が好ましい。強酸との塩はアルカリ性でなくなるため
好ましくない。具体的なカルボン酸の例としては、ステ
アリン酸、モンタン酸、ベヘン酸、ラウリン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、乳酸、酪酸、酢酸、マレイン
酸、オレイン酸、ステアロイル乳酸、パントテン酸、コ
ハク酸、12−ヒドロキシステアリン酸、フマル酸、酒
石酸、グルコン酸、シクロヘキシル酪酸、エチレンジア
ミン四酢酸等の脂肪族カルボン酸塩、安息香酸、サリチ
ル酸、脂肪族アルキル置換安息香酸、フタル酸、ニコチ
ン酸等の芳香族カルボン酸、アルキルエーテルカルボン
酸、N−アシルアミノ酸類、アシル化ペプチド等が挙げ
られる。この中でもアルキルカルボン酸が好ましく、さ
らに好ましくは炭素数が6以上の化合物である。
【0022】アミン化合物の具体例としては、メチルア
ミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、
プロピルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、ヘ
プチルアミン、オクチルアミン、デシルアミン、ラウリ
ルアミン、ミリスチルアミン、パルミチルアミン、ステ
アリルアミン、ココナットアミン、牛脂アミン等のアル
キル1級アミン類、ジメチルアミン、ジエチルアミン、
ジプロピルアミン、シブチルアミン、ジオクチルアミ
ン、ジデシルアミン、ジラウリルアミン、ジミリスチル
アミン、ジパルミチルアミン、メチルステアリルアミ
ン、ジステアリルアミン、オクチル化ジフェニルアミ
ン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、
N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジ
アミン等のアルキル2級アミン類、トリメチルアミン、
トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルア
ミン、ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミ
ン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミ
ン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリル、
ジラウリルモノメチルアミン、トリオクチルアミン等の
アルキル3級アミン、ステアリルプロピレンジアミン、
牛脂プロピレンジアミン、エチレンジアミン、プロピレ
ンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘキサメチレン
テトラミン等のポリアミン類、エタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノー
ルアミン類、ピリジン、ピコリン、エチルピリジン、プ
ロピルピリジン、ブチルピリジン、ルチジン、コルイジ
ン、メチルエチルピリジン、ジエチルピリジン、メチル
ブチルピリジン、ジプロピルピリジン、C8〜C20の
アルキルピリジン、メチルエチルプロピルピリジン、ピ
コリンアミド、イソニコチンアミド、アミノピリジン、
ジアミノピリジン、トリアミノピリジン、アミノメチル
ピリジン、アミノエチルピリジン、アミノプロピルピリ
ジン、アミノジメチルピリジン、ジアミノメチルピリジ
ン、ジピリジル、2,2’−ジピリジルアミン、4−ジ
メチルアミノピリジン、4−ピロリジノピリジン、4−
ピペリジノピリジン、ヒドロキシピリジン、ジヒドロキ
シピリジン、ヒドロキシメチルピリジン、クロロピリジ
ン、シアノピリジン、ピリジンメタノール、ピリジンジ
メタノール、ピリジンエタノール、メチルピリジンエタ
ノール、2−(2−ピリジル)−1,3−プロパンジオ
ール、2−ヒドロキシメチル−2−(4−ピリジル)−
1,3−プロパンジオール、メトキシエチルピリジン、
アミノメチルピリジン、ピリジルアセトン、ビス−2−
ピコリルアミン、アルキルアミノメチルピリジン、フェ
ニルピリジン、ベンジルピリジン、キノリン、シクロペ
ンテノピリジン1,3−ジ−(4−ピリジル)プロパ
ン、2,4,6−トリ−(4−ピリジル)−s−トリア
ジン等のピリジン類、ビニルピリジンポリマー、ポリヘ
キサメチレンピクアナイド、ポリアリルアミン、ポリジ
メチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基を有す
るポリマー等を挙げることができる。その他、アニリン
類、モルホリン類、グアニジン類、ピグアニド類等も用
いることができる。これらの中でも炭素数が6以上のア
ミンが耐水性の面から好ましい。さらに塩基性の強い第
3級アミンが最も好ましく、第2級アミン、第1級アミ
ンの順に好ましい。
【0023】本発明における成形体とは、射出成形、押
出成形、圧縮成型、インフレーション成形、ブロー成
形、シート成形、発泡成形、粉末成形、真空成形、焼結
成形、カレンダー成形、ロール圧延成形、キャスト成形
等の成形法により成形された物体である。この際、直接
最終成形体を得ても良く、またフィルムや二軸延伸フイ
ルム、シート、発泡シート、発泡ビーズなどに成形され
た後再度形状付与して、所望の成形体に成形しても良
い。
【0024】本発明の熱可塑性樹脂組成物の製造方法に
ついては特に制限はなく、例えば、上記(A)、
(B)、さらに(C)成分を所定の配合比でヘンシェル
ミキサーやタンブラーで混合した後、単軸あるいは二軸
以上の多軸の押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、
ロールなどの公知の混練装置を用いて溶融混練すること
により得ることができる。また、ヘンシェルミキサーや
タンブラーなどによる原料の混合を省略して、各種原料
を別々のフィーダー及び供給装置を用いて溶融混練装置
に供給し、混練して得ることもできる。
【0025】また、本発明においては、必要に応じて各
種添加剤成分、例えば、可塑剤、滑剤、安定剤、酸化防
止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、離型剤、などをポリマー
成分の重合時やポリマー成形体の成形加工時に配合する
こともできる。さらに、本発明の目的に反しない限り、
他の防黴剤や抗菌剤と併用しても良い。このようにして
得られた本発明の熱可塑性ポリマー組成物は、一般に熱
可塑性ポリマーの成形に用いられている公知の方法、例
えば射出成形、押出成形、ブロー成形、インフレーショ
ン成形、真空成形などの方法によって各種成形体に成形
される。また、フィルムや二軸延伸フイルム、シート、
発泡シート、発泡ビーズなどに成形された後、所望の成
形体に成形される。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明をさら
に詳しく説明するが、本発明はこれらの例によってなん
ら限定されるものではない。なお、各項目の測定は以下
に示す方法に従って行う。 <黴評価>試験菌株にはペニシリウム フェニキローザ
ム(P.フェニキローザム;IFO 6345)および
トリコデルマ ビルデ(T.ビリデ;IFO 3113
7)を用い、試験検体は、樹脂組成物の平板成形体(厚
さ2mm)を50mm×50mmに切り出し、エタノー
ルをしみ込ませたガーゼで成形体表面をワイプして清浄
にしたものを試験用検体とする。
【0027】一方、ポリスチレン製の無菌シャーレにポ
テトデキストロース寒天培地に試験菌液を塗布し、さら
に試験検体上に黴の胞子の入った液0.1mlを20〜
25滴に分けて試験検体表面上に載せる。シャーレの蓋
を載せシャーレ全体と水を含ませたガーゼをチャック付
きのポリエチレン袋に入れ28℃、湿度99%で1週間
放置後の黴の発生状況を観察する。全く黴の発生の観察
されなかった物を○、一部発生が観察されたが発生の抑
えられた物を△、ブランクと同様発生した物を×で表
す。 <菌評価>樹脂組成物の平板成形体(厚さ2mm)を5
0mm×50mmに切り出し、エタノールをしみ込ませ
たガーゼで成形体表面をワイプして清浄にし、23℃、
60%相対湿度雰囲気下で24時間放置し、抗菌力試験
用検体とした。試験検体に菌液を0.5ml接種し、4
5mm×45mmのポリエチレンフィルムを密着させた
後、37℃で保存し、保存開始時及び24時間後にSC
DLP培地(日本製薬(株)製)で生存菌を洗い出す。
この洗い出し液について菌数測定用標準寒天培地(ニッ
スイ(株)製)を用いた寒天平板培養法(37℃、24
時間)により、生存菌数を測定し、検体1枚当たりの生
存菌数に換算する。試験結果は、ブランクとの生存菌数
の差の対数値で表す。すなわち値が大きいほどその効果
が大きい。
【0028】なお、試験菌は大腸菌(IFO3301)
を使用する。試験菌液は大腸菌を、肉エキス5mg、ペ
プトン10mg、及び塩化ナトリウム5mgを1リット
ルの蒸留水に溶かした溶液に懸濁させ、1mlあたりの
菌数が106個となるように調製する。 <使用原料>ゴム補強ポリスチレン(HIPS)として
旭化成工業株式会社製スタイロン403、ポリスチレン
(GPPS)として旭化成工業株式会社製スタイロン6
80、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS樹脂)として旭化成工業株式会社製 スタイ
ラック−ABS200、変性ポリフェニレンエーテルは
二軸押出機でポリフェニレンエーテルとゴム補強ポリス
チレンを3:7の割合で混練りしたもの、ポリアセター
ル樹脂(POM)として旭化成工業株式会社製テナック
−C5520、ポリプロピレン(PP)として昭和電工
株式会社製ショウアロマーMK211、高密度ポリエチ
レン(HDPE)として旭化成工業株式会社製サンテッ
ク−HD J310を各々用いる。2−メルカプトベン
ゾチアゾールは大内新興化学工業株式会社製ノクセラー
M−Pをもちいる。ジメチルラウリルアミンは花王株
式会社製の物を用いる。炭酸ナトリウム(Na2
3)、ステアリン酸ナトリウムは和光純薬株式会社製
試薬特級を用いる。
【0029】
【実施例1〜12、比較例1〜3】表1、2に示す組成
をドライブレンド後、二軸押出機(ZSK−25、WE
RNER & PFLEIDERER社製、ドイツ国)
を用いて溶融混練、ペレタイズを行ってポリマー組成物
を得る。得られたポリマー組成物のペレットを射出成形
機(オートショット50C ファナック(株)製)で試
験用平板(100mm×100mm×2mm(t))に
成形する。
【0030】得られた樹脂成形体の黴、菌評価の結果を
表1、2に示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表1、2より、実施例の樹脂成形体はいず
れも優れた防黴性能を示すことが解る。また、実施例
4、5、6と比較例1、3、実施例2によりアルカリ化
合物(ジメチルラウリルアミン、炭酸ナトリウム、ステ
アリン酸ナトリウム)の添加による防黴性、抗菌性の相
乗効果が発現していることが解る。
【0034】
【発明の効果】本発明の抗菌性熱可塑性樹脂組成物は、
優れた抗菌力を発現すると共に防黴性にも優れる。この
ため、本熱可塑性ポリマー組成物は広範囲の用途、例え
ば、各種のOA機器や冷蔵庫等を始めとする家電製品、
あるいは便座、洗面台用部品などの各種サニタリー用
品、アウターハンドルベゼル、ドアハンドル、シフトレ
バーヘッド、方向指示器、ハンドル等の自動車内外装部
品、壁紙床材等の建材、その他車両部品、日用品、玩
具、雑貨などの幅広い用途に好適である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)熱可塑性樹脂99.9〜80重量
    %、(B)メルカプトベンゾチアゾール系化合物0.1
    〜20重量%からなる熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)熱可塑性樹脂99.8〜50重量
    %、(B)メルカプトベンゾチアゾール系化合物0.1
    〜20重量%、及び(C)アルカリ化合物0.1〜30
    重量%からなる熱可塑性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 防黴性、抗菌性を有する請求項1または
    2記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の樹脂組成物の成形体。
JP5058997A 1997-03-05 1997-03-05 防黴抗菌性熱可塑性樹脂組成物 Pending JPH10245493A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7017125B1 (en) 1999-10-06 2006-03-21 Nec Corporation Portable terminal system, portable terminal, method of controlling portable terminal, and storage medium storing program for controlling portable terminal
JP2018071053A (ja) * 2016-10-24 2018-05-10 株式会社東洋ゴムチップ 抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマット

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