JP2018071053A - 抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマット - Google Patents
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Abstract
【課題】抗菌性に優れ、かつ所定の強度及び弾性を有するものを安価に製造可能な抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットを提供する。【解決手段】抗菌ゴムチップ2をバインダ3で結合し、所定形状のマット状に成形した抗菌ゴムチップマット1において、抗菌ゴムチップ2に、抗菌剤として、2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン等の有機窒素硫黄系抗菌剤を添加する。バインダ3には、銀系無機抗菌剤を添加することができる。また、抗菌ゴムチップ2及びバインダ3には、着色用顔料等の添加剤を添加することもできる。【選択図】図4
Description
本発明は、ゴムチップに抗菌剤を添加してなる抗菌ゴムチップ及び当該抗菌ゴムチップを用いて形成される抗菌ゴムチップマットに関する。
ゴムチップマットは、粒状のゴムチップをバインダで結合して所定形状のマット状に成形したものであり、舗装材又は床材等として広く利用されている。これらの各種用途に使用されるゴムチップマットのうち、特に校庭や病院等の舗装材又は畜舎等の床材として使用されるもののように人又は家畜が直接接する用途に使用されるものについては、衛生上の観点から抗菌性を有することが望まれる。
従来、このような要請に対応するものとして、ゴムチップ自体又はバインダ中に抗菌剤を添加してなる抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットが市販されている。ゴムチップ自体に抗菌剤を添加したものとしては、例えば特許文献1に記載のものが挙げられる。また、バインダに抗菌剤を添加したものとしては、例えば特許文献2に記載のものが挙げられる。
前記のように特許文献1には、ゴムチップ自体に抗菌剤を添加する技術が開示されているが、抗菌剤については、銀系抗菌性物質、無機系抗菌薬剤、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、アミノ酸金属石鹸、酸化チタンが挙げられているのみであって、ゴム配合物中にこれらの抗菌剤を添加した場合の悪影響については何も検討されていない。
即ち、ゴムチップマット用の一般的なゴム配合物に抗菌剤を添加すると、抗菌剤の種類によっては抗菌剤がゴム配合物の加硫阻害要因となり、所定の強度や弾力を有する抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットを製造できない場合がある。また、ゴムチップマット用の一般的なゴム配合物に抗菌剤を添加すると、抗菌剤を添加する分だけ抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットの製造コストが高価なものになる。
本発明は、このような従来技術の問題を解決するためになされたものであり、抗菌性に優れ、かつ所定の強度及び弾力を有するものを安価に製造可能な抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットを提供することを目的とする。
本発明は、前記の課題を解決するため、抗菌ゴムチップに関しては、抗菌剤として有機窒素硫黄系抗菌剤を添加したことを特徴とする。有機窒素硫黄系抗菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミンが好適に用いられる。また、抗菌ゴムチップには、着色用の顔料を更に添加することができる。
また本発明は、前記の課題を解決するため、抗菌ゴムチップマットに関しては、ゴムチップ中に、抗菌剤として有機窒素硫黄系抗菌剤を添加したことを特徴とする。また、ゴムチップを結合するバインダ中に、抗菌剤を添加することもできる。バインダ中に添加する抗菌剤としては、銀系抗菌剤が好適に用いられる。
本発明によれば、抗菌剤として2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン等の有機窒素硫黄系抗菌剤を添加したので、ゴム配合物の加硫が阻害されず、所定の強度及び弾性を有する抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットを製造できる。また、2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン等の有機窒素硫黄系抗菌剤は、ゴム配合物の加硫促進剤としても作用するので、他の加硫促進剤の添加量を抑制することができ、抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットの製造コストを抑制できる。
以下、本発明に係る抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットの実施形態を、図を用いて項目毎に説明する。なお、本発明の範囲は、以下に記載する実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で様々に設計変更を加えて実施するものを含むことは勿論である。
〈抗菌ゴムチップマットの構成〉
図1に示すように、実施形態に係る抗菌ゴムチップマット1は、粒状に成形された抗菌ゴムチップ2及び抗菌ゴムチップ2を結合するバインダ3から構成される。なお、路面等への施工に際しては、工場において所定形状及び所定サイズのマット状に成形された抗菌ゴムチップマット1を所定の施工面に敷設する敷設方式を採ることもできるし、施工現場で抗菌ゴムチップ2とバインダ3とを混合し、施工面上にその混合材料を流し込んでマット状に成形する現場施工方式を採ることもできる。
図1に示すように、実施形態に係る抗菌ゴムチップマット1は、粒状に成形された抗菌ゴムチップ2及び抗菌ゴムチップ2を結合するバインダ3から構成される。なお、路面等への施工に際しては、工場において所定形状及び所定サイズのマット状に成形された抗菌ゴムチップマット1を所定の施工面に敷設する敷設方式を採ることもできるし、施工現場で抗菌ゴムチップ2とバインダ3とを混合し、施工面上にその混合材料を流し込んでマット状に成形する現場施工方式を採ることもできる。
抗菌ゴムチップ2には、抗菌剤として有機窒素硫黄系抗菌剤又は有機窒素硫黄系抗菌剤と銀系無機抗菌剤との混合物が練り込まれる。
有機窒素硫黄系抗菌剤としては、2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミンが好適に用いられる。2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミンは、もともとゴムの加硫促進剤として開発されたものであるので、ゴム配合物中に添加してもゴム配合物の加硫を阻害することがなく、所定の強度及び弾性を有する抗菌ゴムチップ2を製造できる。また、2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミンは、加硫促進剤として機能するので、他の加硫促進剤の添加量を減らすことができ、抗菌ゴムチップ2の製造コストの上昇を抑えることができる。
銀系無機抗菌剤としては、銀−亜鉛、銀−ゼオライト、銀−リン酸ジルコニウム、銀−リン酸カルシウム、銀−カルシウムアパタイト、銀−シリカゲル、銀−ケイ酸カルシウム、銀−ケイ酸アルミン酸マグネシウム、銀−酸化チタン、銀−チタン酸カリウム、銀−シリカ、銀−アルミナ、銀−溶解性ガラス、銀−チオサルファイド等を挙げることができる。銀系無機抗菌剤は、広範囲の種類の細菌に対して高い抗菌効果を発揮し、しかも極めて安全性が高いことから、人や家畜が直接接する用途に使用される抗菌ゴムチップマット1用の抗菌剤として特に好適である。
バインダ3には、抗菌剤として銀系無機抗菌剤又は銀系無機抗菌剤と有機窒素硫黄系抗菌剤との混合物を練り込むことができる。銀系無機抗菌剤及び有機窒素硫黄系抗菌剤の具体例については、前記の通りである。
このように実施形態に係る抗菌ゴムチップマット1は、抗菌ゴムチップ2及びバインダ3の双方に抗菌剤を練り込んだので、高い抗菌効果を長期間に亘って発揮できる。但し、バインダ3中への抗菌剤の添加は、省略することもできる。
抗菌ゴムチップ2は、シート状又はブロック状に成形されたチップ素材を裁断することにより製造される。チップ素材の基材、即ち、抗菌ゴムチップ2の基材としては、天然ゴム又は合成ゴムのほか、熱可塑性樹脂を用いることができる。
抗菌ゴムチップ2の基材として用いられる合成ゴムには、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、イソブチレン−イソプレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム、エチレン酢酸ビニル、ニトリルゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム、多硫化ゴム、シリコンゴム、フッ素ゴム、アクリルニトリル−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、ニトリルゴム−塩化ビニル樹脂ブレンド等を挙げることができる。上掲の合成ゴム材料の中では、耐侯性に優れることから、EPDMが特に好適に用いられる。
抗菌ゴムチップ2の基材として用いられる熱可塑性樹脂には、ポリ塩化ビニル類、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、アジピン酸ヘキサメチレンジアミン等を挙げることができる。
抗菌ゴムチップ2の基材には、抗菌剤のほか、基材の種類に応じた各種の添加剤が配合される。即ち、抗菌ゴムチップ2の基材としてエラストマを用いる場合には、添加剤として増粘剤、補強剤、加工助剤、加硫主剤、加硫促進剤、顔料等が配合される。また、抗菌ゴムチップ2の基材として熱可塑性樹脂を用いる場合には、添加剤として補強剤、有機溶剤を含む油脂類、顔料等が配合される。
増粘剤としては、カリオンクレーを挙げることができる。補強剤としては、炭酸カルシウム、カーボンブラック、ホワイトカーボンを挙げることができる。加工助剤としては、展開油としてのパラフィン系オイル及びナフテン系オイルを挙げることができる。加硫主剤としては、硫黄加硫や過酸化物加硫を挙げることができる。硫黄加硫の加硫促進剤には、無機加硫促進剤と有機加硫促進剤とがあり、無機加硫促進剤としては、亜鉛華(酸化亜鉛(ZnO))を挙げることができる。また、有機加硫促進剤としては、テトラメチルチウラムモノスルフィドを含有するチラウム系有機加硫促進剤、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドを含有するチアゾール系有機加硫促進剤、トリエタノールアミンを挙げることができる。顔料には、着色用顔料及び赤外線反射顔料等がある。
抗菌ゴムチップ2は、着色用顔料を加えることによって所望の色彩に着色でき、この着色された抗菌ゴムチップ2を用いることによって所望の色彩に着色された抗菌ゴムチップマット1を製造できる。なお、着色された抗菌ゴムチップマット1を製造する際には、バインダ3にも着色用顔料を加えて着色することができる。このように、着色された抗菌ゴムチップ2及びバインダ3を用いることにより、所望の色彩に着色された抗菌ゴムチップマット1を製造することができる。
また、抗菌ゴムチップ2は、有機窒素硫黄系抗菌剤と銀系無機抗菌剤を、廃タイヤ粉砕品ゴムチップとバインダに練り合わせることにより製造できる。廃ゴムを再利用することにより、資源の有効利用ができ、製品の低コスト化が図れる。
抗菌ゴムチップ2の形状は、粒状であれば良く、その外観形状については特に限定されない。また、使用する抗菌ゴムチップ2の粒径は、製品である抗菌ゴムチップマット1の用途によって各種のものが使い分けられる。抗菌ゴムチップ2の粒径は、例えば平均粒径で、2mm以下のグループ、2.0〜2.5mmのグループ、2.5〜3.0mmのグループ、3.0〜3.5mmのグループ、3.5〜4.0mmのグループ、4.0〜5.0mmのグループ、5.0〜6.0mmのグループ、6.0〜8.0mmのグループに分級できる。
抗菌ゴムチップマット1の製造には、平均粒径が異なる複数種類の抗菌ゴムチップ2の混合体を用いることもできる。平均粒径が異なる複数種類の抗菌ゴムチップ2を混合すると、粒径が大きな抗菌ゴムチップ2の間に粒径が小さい抗菌ゴムチップ2が入り込み、製品である抗菌ゴムチップマット1の粒子間が密になるため、成形性か良好になって厚みのバラつきが抑制されると共に、製品強度が高められる。
バインダ3としては、公知に属する熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂を用いることができる。
バインダ3として使用可能な熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリメタクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、EVA樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルファイド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、液晶ポリエステル樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。
また、バインダ3として使用可能な熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ビニルエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、フラン樹脂、ポリアミノビスマレイミド樹脂、カゼイン樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリウレア樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、オキセタン樹脂、キシレン樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂、エピスルフィド樹脂等を挙げることができる。
バインダ3には、硬化促進剤である触媒が添加される。触媒としては、アミン類、スズや鉛などの有機金属化合物が用いられる。硬化促進剤である触媒は、抗菌ゴムチップ2を混合する以前の液状のバインダ中に添加される。
抗菌ゴムチップマット1の空隙率は、透水性を確保するため、5%以上80%以下、より好ましくは、20%以上60%以下とする。これにより、抗菌ゴムチップマット1の透水性が確保され、歩行の安全を図ることができる。また、空隙を設けることで抗菌ゴムチップマット1の軽量化を図ることができる。
〈抗菌ゴムチップの製造方法の第1例〉
次に、抗菌ゴムチップ2の基材として天然ゴム又は合成ゴムを用いた場合における実施形態に係る抗菌ゴムチップ2の製造方法を、図2を参照しながら説明する。
次に、抗菌ゴムチップ2の基材として天然ゴム又は合成ゴムを用いた場合における実施形態に係る抗菌ゴムチップ2の製造方法を、図2を参照しながら説明する。
図2に示すように、抗菌ゴムチップ2の基材として天然ゴム又は合成ゴムを用いる場合における抗菌ゴムチップ2の製造工程は、原料ゴムの受け入れ検査から始まる(ステップS1)。ステップS1の受け入れ検査では、台秤(KL−100 株式会社クボタ製)を用いた原料ゴムの質量計測と、目視による原料ゴムの外観確認とを行う。ステップS1の受け入れ検査で所定の基準に適合しないと判断した原料ゴムは廃棄処分とする。
ステップS2では、原料ゴムの性状検査を行う。ステップS2の性状検査では、テストロール機(6吋テストロール 株式会社東洋精機製作所製)を用いて原料ゴムを混練・圧延・シーティングし、スコーチの状態を確認する。また、ムーニー粘度計(MVM11 エムアンドケー株式会社製)を用いて原料ゴムのムーニー粘度を計測する。ステップS2の性状検査で所定の基準に適合しないと判断した原料ゴムは廃棄処分とする。
ステップS3では、原料ゴムの前処理を行う。ステップS3の前処理では、切断機(GCT−100 小野谷機工株式会社製)及び粉砕機(UO−3096F 株式会社ホーライ製)を用いて原料ゴムを切断及び粉砕し、所定サイズのチップ状にする。また、このチップ状にした原料ゴムの質量を、自動計量機(有限会社城北精機工業所製)を用いて計測する。
また、ステップS1からステップS3までの工程と並行して、ステップS4の各種添加剤の受け入れ検査と、ステップS5の各種添加剤の計量とを行う。ステップS4の受け入れ検査では、台秤(KL−100 株式会社クボタ製)を用いて各種添加剤の質量計測と、目視による各種添加剤の外観確認とを行う。ステップS4の受け入れ検査で所定の基準に適合しないと判断した添加剤は廃棄処分とする。ステップS5では、台秤(KL−100 株式会社クボタ製)、電子秤量器(KE−610 株式会社エーアンドデイ製)及び自動計量機(有限会社城北精機工業所製)を用いて、原料ゴムに配合する各種添加剤の配合量を計量する。ステップS5の計量は、ステップS4の受け入れ検査を通過した各種添加剤について行う。
ステップS6では、ステップS3で前処理が行われた原料ゴムにステップS5で配合量が計量された各種添加剤を配合し、これを混練温度が100℃〜110℃程度に設定された加圧型ニーダ(DX−75−150MWA−S 株式会社森山製作所製)を用いて混練する。これにより、チップ素材の基になるゴム配合物が得られる。
ステップS7では、ステップS6で得られたゴム配合物の分出しを行う。ステップS7の分出しは、ステップS6で得られたゴム配合物を、例えばスクリュ回転数が55rpm〜60rpm、寄席板幅が28〜30cm、ロール間隔が12mm〜15mmに設定された2軸テーパー押出機(PKC−75 株式会社森山製作所製)を用いてシート状に押し出すことにより行う。
ステップS8では、ステップS7で分出しされたシート状のゴム配合物のハンガー掛けを行う。ステップS8のハンガー掛けは、ステップS7で分出しされたシート状のゴム配合物を、例えば牛刀を用いて所定の長さに裁断し、裁断したゴム配合物をハンガーに掛けることにより行う。ハンガーは、ゴム配合物を加硫缶内に収容するためのものであって、ハンガー掛けしたゴム配合物は、加硫缶内に収容する前に、練り状態や色を目視にて確認する。
ステップS9では、ステップS8の目視検査で練り状態や色が良好であると判断したゴム配合物について中間検査を行う。ステップ9の中間検査では、例えばプレス圧が14MPa、プレス時間が20minに設定されたテストプレス機(50トンプレス 株式会社ショージ製)を用いて、裁断後のゴム配合物の弾力を計測する。また、裁断後のゴム配合物の硬度を、硬度計(デュローメータA 株式会社島津製作所製)を用いて計測する。ステップS9の中間検査で、所定の基準、例えば硬度が45〜75に適合しないと判断したゴム配合物は、その状態に応じて廃棄又は再加工する。
ステップS10では、ステップS9の中間検査を通過したゴム配合物について加硫処理を行う。ステップS10の加硫処理は、ゴム配合物を、例えば蒸気圧が0.5MPa、加硫時間が60mimに設定された加硫缶(11m3 オートクレープ 株式会社神垣鉄工所製)内にハンガーごと収容することにより行う。加硫条件の適否判断は、ゴム配合物が加硫されていること及び発泡していないことを目視で確認することにより行う。加硫されていること及び発泡していないこと確認した加硫後のチップ素材は、例えば牛刀にて所定の大きさに裁断して、シート状のチップ素材とする。
ステップS11では、ステップS10で作製されたチップ素材を一時保管する。ステップS12では、ステップS11で一時保管されたシート状のチップ素材を、ギロチンカッター(GCT−100 小野谷機工株式会社製)を用いて小口に裁断する。ステップS13では、ステップS12で小口に裁断したチップ素材を、カッター粉砕機(UO−3096F 株式会社ホーライ製)を用いて粉砕し、抗菌ゴムチップ2を得る。ステップS13の粉砕は、カッター粉砕機内に所定量、例えばチップ素材に対して0.1質量%〜0.2質量%のタルクを供給しながら行う。カッター粉砕機内にタルクを供給する紛体定量供給機としては、大阪精密機械株式会社製のOSD25−M1Sを用いることができる。
ステップS14では、ステップS13で得られた抗菌ゴムチップ2を、振動篩(2.5m2 20メッシュ鋼目 自社製)を用いて篩分けし、指定サイズの抗菌ゴムチップ2を得る。
ステップS15では、ステップS14で篩分けされた抗菌ゴムチップ2の中間検査を行う。ステップS15の中間検査は、抗菌ゴムチップ2中への異物混入の有無及び抗菌ゴムチップ2の色目等を目視で確認することにより行う。
ステップS16では、ステップS15の中間検査を通過した抗菌ゴムチップ2を、台秤(KL−100 株式会社クボタ製)及び自動計量機(有限会社城北精機工業所製)を用いて計量し、所定量の抗菌ゴムチップ2を包装材に袋詰めする。また、ステップS16では、包装材の汚れ及び破損を目視にて確認する。
ステップS17では、ステップS16で袋詰めされた抗菌ゴムチップ2の製品検査を行う。ステップS17の製品検査では、目視による異物確認、標準篩(JIS規格)及び篩震盪機(ロータップ型 株式会社東洋精機製作所製)を用いた粒度分布計測、嵩密度測定装置(JIS−K−6316)を用いた嵩密度測定、色差計(CR41 コニカミノルタ株式会社製)を用いた色度計測を行う。
ステップS18では、ステップS17の製品検査を通過した抗菌ゴムチップ2の袋詰め品を倉庫に保管する。
〈抗菌ゴムチップの製造方法の第2例〉
次に、抗菌ゴムチップ2の基材として熱可塑性樹脂を用いた場合における実施形態に係る抗菌ゴムチップ2の製造方法を、図3を参照しながら説明する。
次に、抗菌ゴムチップ2の基材として熱可塑性樹脂を用いた場合における実施形態に係る抗菌ゴムチップ2の製造方法を、図3を参照しながら説明する。
図3に示すように、抗菌ゴムチップ2の基材として熱可塑性樹脂を用いた場合における抗菌ゴムチップ2の製造工程は、原料樹脂の受け入れ検査から始まる(ステップS21)。ステップS21の受け入れ検査では、台秤(KL−100 株式会社クボタ製)を用いた原料ゴムの質量計測と、目視による原料ゴムの外観確認とを行う。ステップS21の受け入れ検査で所定の基準に適合しないと判断した原料樹脂は廃棄処分とする。
ステップS22では、原料樹脂の性状検査を行う。ステップS22の性状検査では、B型粘度計(BL2型 東機産業株式会社製)を用いた粘度検査及び嵩密度測定装置(JIS−K−6316)を用いた原料樹脂の嵩密度測定を行う。
ステップS23では、原料樹脂の前処理を行う。ステップS23の前処理では、切断機(GCT−100 小野谷機工株式会社製)及び粉砕機(UO−3096F 株式会社ホーライ製)を用いて原料樹脂を切断及び粉砕し、所定サイズのチップ状にする。また、このチップ状にした原料樹脂の質量を、自動計量機(有限会社城北精機工業所製)を用いて計量する。
また、ステップS21からステップS23までの工程と並行して、ステップS24の各種添加剤の受け入れ検査と、ステップS25の計量とを行う。ステップS24の受け入れ検査では、台秤(KL−100 株式会社クボタ製)を用いて各種添加剤の質量計測を行うと共に、目視による各種添加剤の外観確認を行う。ステップS24の受け入れ検査で所定の基準に達しないと判断した添加剤は廃棄処分とする。ステップS25では、台秤(KL−100 株式会社クボタ製)、電子秤量器(KE−610 株式会社エーアンドデイ製)及び自動計量機(有限会社城北精機工業所製)を用いて、原料樹脂に配合する各種添加剤の配合量を計量する。ステップS25の計量は、ステップS24の受け入れ検査を通過した各種添加剤について行う。
ステップS26では、ステップS23で前処理が行われた原料樹脂にステップS25で配合量が計量された各種添加剤を配合し、これを撹拌ミキサー(50L仕様 自社製)を用いて混練する。これにより、チップ素材の基になる樹脂配合物が得られる。
ステップS27では、ステップS26で得られた樹脂配合物の型注入を行う。ステップS27の型注入は、ステップS26で得られた樹脂配合物を皿金型(0.5m3仕様 自社製)に注入することにより行う。皿金型内に注入された樹脂配合物は、皿金型内で加熱及び乾燥された後、皿金型から取り出されて所定形状のチップ素材となる。
しかる後に、チップ素材の一時保管(ステップS28)、チップ素材の裁断する(ステップS29)、チップ素材の粉砕(ステップS29)、抗菌ゴムチップ2の篩分け(ステップ31)、抗菌ゴムチップ2の中間検査(ステップS32)、抗菌ゴムチップ2の計量・袋詰め(ステップS33)、抗菌ゴムチップ2の製品検査(ステップS34)及び袋詰め品の保管(ステップS35)をこの順に行い、抗菌ゴムチップ2の製造工程を終了する。ステップS28からステップS35までの工程は、先に説明したステップS11からステップS18までの工程と同じであるので、重複を避けるために説明を省略する。
次に、前記のようにして製造された抗菌ゴムチップ2を用いた抗菌ゴムチップマットの製造方法について説明する。
〈抗菌ゴムチップマットの製造方法の第1例〉
第1例に係る抗菌ゴムチップマットの製造方法は、工場内で抗菌ゴムチップマットを製造する方法である。本例においては、工場内において、モルタルミキサ、ヘンシェルミキサ、バンバリーミキサ、インターミックスミキサ、ニーダ、オープンロール等のミキサを用いて、抗菌ゴムチップ2とバインダ3と所定の添加剤とを混合する。なお、バインダ3とその添加剤である触媒、顔料及び抗菌剤等については、抗菌ゴムチップ2と混合する前に、別のミキサを用いてプレミックスしてもよい。
第1例に係る抗菌ゴムチップマットの製造方法は、工場内で抗菌ゴムチップマットを製造する方法である。本例においては、工場内において、モルタルミキサ、ヘンシェルミキサ、バンバリーミキサ、インターミックスミキサ、ニーダ、オープンロール等のミキサを用いて、抗菌ゴムチップ2とバインダ3と所定の添加剤とを混合する。なお、バインダ3とその添加剤である触媒、顔料及び抗菌剤等については、抗菌ゴムチップ2と混合する前に、別のミキサを用いてプレミックスしてもよい。
次いで、抗菌ゴムチップマット1の成形工程に移行する。成形工程では、抗菌ゴムチップ2とバインダ3と添加剤の混合物を金型に注入し、コテを用いてその表面を均一に均した後、プレス機を用いて所定時間に亘って加圧及び加熱する。これにより、所定サイズの抗菌ゴムチップマット1が得られる。なお、製造された抗菌ゴムチップマット1は、目的に合致した形状及びサイズに裁断して使用することもできる。
製造された抗菌ゴムチップマット1は、接着剤を用いて所定の施工面に敷設できる。抗菌ゴムチップマット1の敷設に際しては、施工面をきれいに清掃しておく。
〈抗菌ゴムチップマットの製造方法の第2例〉
第2例に係る抗菌ゴムチップマットの製造方法は、施工現場において抗菌ゴムチップマットを製造する方法である。本例においては、作業現場において、現場施工用のミキサを用いて、抗菌ゴムチップ2とバインダ3と必要な添加剤とを混合する。なお、現場施工の場合においては、通常、養生期間を24時間以上設けることが多い。そのような場合は、バインダ3の硬化を促進する必要がないので、触媒の添加を省略する。
第2例に係る抗菌ゴムチップマットの製造方法は、施工現場において抗菌ゴムチップマットを製造する方法である。本例においては、作業現場において、現場施工用のミキサを用いて、抗菌ゴムチップ2とバインダ3と必要な添加剤とを混合する。なお、現場施工の場合においては、通常、養生期間を24時間以上設けることが多い。そのような場合は、バインダ3の硬化を促進する必要がないので、触媒の添加を省略する。
抗菌ゴムチップマット1の施工面は、きれいに清掃した後、刷毛等を用いてプライマを均一に塗布する。プライマは、バインダ3と同一成分をシンナ等の溶剤を用いて2倍から4倍に希釈したものを用いる。しかる後に、プライマが塗布された施工面上に、抗菌ゴムチップ2とバインダ3と添加剤の混合物を流し込み、その表面をコテやローラで均一に均す。次いで、施工面に舗設された混合物の表面を電熱ローラで加圧し、混合物を均一な密度及び厚さに成形する。成形後は、そのまま放置し、1日以上養生する。これによってバインダ3及びプライマが硬化し、固形化した抗菌ゴムチップマット1が得られる。
以下、実施形態に係る抗菌ゴムチップマット1の実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果を明らかにする。
〈抗菌性試験〉
実施形態に係る抗菌ゴムチップマット1の抗菌性を確認するため、加硫前のゴム配合物中に抗菌剤として2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン(MZ)を練り込んだ実施例1、2、3に係る抗菌ゴムチップマットと、ゴムコンパウンド中に抗菌剤として銀−亜鉛化合物を練り込んだ比較例1、2、3に係る抗菌ゴムチップマットと、ゴムコンパウンド中に抗菌剤が練り込まれていない比較例4に係る抗菌ゴムチップマットと、を作製した。
実施形態に係る抗菌ゴムチップマット1の抗菌性を確認するため、加硫前のゴム配合物中に抗菌剤として2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン(MZ)を練り込んだ実施例1、2、3に係る抗菌ゴムチップマットと、ゴムコンパウンド中に抗菌剤として銀−亜鉛化合物を練り込んだ比較例1、2、3に係る抗菌ゴムチップマットと、ゴムコンパウンド中に抗菌剤が練り込まれていない比較例4に係る抗菌ゴムチップマットと、を作製した。
図4に、実施例1〜3及び比較例1〜4に係る抗菌ゴムチップマットの組成を示す。表中の数値は、加硫前のゴム配合物200g(グラム)中に添加した各成分の添加量であり、単位はg(グラム)である。
実施例1に係る抗菌ゴムチップマットは、加硫前のゴム配合物200g中に、加硫剤である微粉硫黄を0.94g、有機加硫促進剤であるステアリン酸を0.68g、同じく有機加硫促進剤であるDM(ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド)を0.28g、同じく有機加硫促進剤であるTS(テトラメチルチウラムモノスルフィド)を0.34g、抗菌剤であるMZ(2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン)を0.4g、無機着色用顔料である弁柄を0.2g添加してなる。
実施例2に係る抗菌ゴムチップマットは、有機加硫促進剤であるDMを添加せず、抗菌剤であるMZの添加量を1.0gに増量し、無機着色用顔料である弁柄の添加量も0.4gに増量した。その他の成分については、実施例1に係る抗菌ゴムチップマットと同じにした。上述したように、MZはゴム配合物の加硫促進剤としても作用するので、これを200gのゴム配合物中に1.0g以上添加することにより、有機加硫促進剤であるDMの添加を省略できる。よって、抗菌ゴムチップマットの製造コストの低減を図ることができる。
実施例3に係る抗菌ゴムチップマットは、有機加硫促進剤であるDMを添加せず、抗菌剤であるMZの添加量を1.4gに増量し、無機着色用顔料である弁柄の添加量も0.6gに増量した。その他の成分については、実施例1に係る抗菌ゴムチップマットと同じにした。実施例3に係る抗菌ゴムチップマットについても、実施例2に係る抗菌ゴムチップマットと同様の効果を有する。
比較例1に係る抗菌ゴムチップマットは、加硫前のゴム配合物200g中に、加硫剤である微粉硫黄を0.94g、有機加硫促進剤であるステアリン酸を0.68g、同じく有機加硫促進剤であるDMを0.68g、同じく有機加硫促進剤であるTSを0.34g、抗菌剤である銀−亜鉛化合物を0.4g、有機着色用顔料であるシアニングリーンを0.2g添加してなる。比較例1に係る抗菌ゴムチップマットを実施例1に係る抗菌ゴムチップマットと比較すると、比較例1に係る抗菌ゴムチップマットは、実施例1に係る抗菌ゴムチップマットに比べて、有機加硫促進剤であるDMが0.28gから0.68gに増量されている。これは、抗菌剤である銀−亜鉛化合物は加硫促進剤として作用しないので、DMを増量してゴム配合物の加硫を安定的に行うためである。また、比較例1に係る抗菌ゴムチップマットは、無機着色用顔料である弁柄に代えて、有機着色用顔料であるシアニングリーンが添加されている。
比較例2に係る抗菌ゴムチップマットは、抗菌剤である銀−亜鉛化合物の添加量を1.0gに増量し、有機着色用顔料であるシアニングリーンの添加量も0.4gに増量した。その他の成分については、比較例1に係る抗菌ゴムチップマットと同じにした。
比較例3に係る抗菌ゴムチップマット1は、抗菌剤である銀−亜鉛化合物の添加量を1.4gまで増量し、有機着色用顔料であるシアニングリーンの添加量も0.6gまで増量した。その他の成分については、比較例1に係る抗菌ゴムチップマットと同じにした。
比較例4に係る抗菌ゴムチップマットは、抗菌剤及び着色用顔料が添加されていない。その他の成分については、比較例1に係る抗菌ゴムチップマットと同じにした。
加硫前のゴム配合物の組成は、図5に示す通りである。即ち、ゴム基材であるEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)を60.0Kg、補強剤である炭酸カルシウムを40.0Kg、増粘剤であるカリオンクレーを46.0Kg、プロセスオイルであるパラフィンオイルを28.0Kg含む構成とした。
実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマット及び比較例1〜4に係るゴムチップマットの製造に用いる各材料のメーカと商品名は、図7に示す通りである。
実施例に係る抗菌ゴムチップマット及び比較例に係る抗菌ゴムチップマットの抗菌性能を、群馬県立産業技術センターに依頼して試験した。その結果を図7に示す。図7は、群馬県立産業技術センター試験等結果通知書 群技セ第2312‐100号(2016年10月11日、開示承認済み)であり、これに記載されているように、試験は、大腸菌(NBRC3972)について、JIS Z 2801の抗菌性試験方法に準拠して行った。
図7に記載されているように、実施例に係る抗菌ゴムチップマット及び比較例に係る抗菌ゴムチップマットは、大腸菌(NBRC3972)について、同一の抗菌活性値が得られている。このことから、抗菌剤としてMZ(2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン)を用いても、抗菌剤として銀−亜鉛化合物を用いた従来の抗菌ゴムチップマットと同等の抗菌性能が発揮されることが明らかになった。なお、JIS Z 2801では、抗菌加工製品の抗菌性効果の判断基準が、「抗菌剤添加製品と未添加ブランク品の表面に滴下した菌の残菌数が、24時間経過後の比較で1/100以下に減少すること(抗菌活性値が2以上)」と定義されており、実施例1に係る抗菌ゴムチップマットは、比較例1に係る抗菌ゴムチップマットと同等の高い抗菌性効果を有することが分かる。
〈各種物性試験〉
実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマット及び比較例1〜4に係る抗菌ゴムチップマットについて、引張強度、伸び、硬度、比重、ムーニースコーチタイム(tΔ30)を測定した。その結果を図8に示す。
実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマット及び比較例1〜4に係る抗菌ゴムチップマットについて、引張強度、伸び、硬度、比重、ムーニースコーチタイム(tΔ30)を測定した。その結果を図8に示す。
図8に示すように、実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマットの引張強度は15.98MPa〜17.44MPaであり、平均的には比較例3、4に係るゴムチップマットの引張強度16.13MPa、16.94MPaとほぼ同程度であると言える。実施例1、実施例2、実施例3の順で引張強度が大きくなっているのは、実施例1、実施例2、実施例3の順にMZ(2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミン)の添加量が増加していることによるものと考えられる。
図8に示すように、実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマットの伸びは720%〜765%であり、比較例3に係る抗菌ゴムチップマットの伸び710%及び比較例4に係る抗菌ゴムチップマットの伸び720%よりも若干高くなっているが、平均的には比較例3、4に係るゴムチップマットの伸びとほぼ同程度であると言える。
図8に示すように、実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマットのJIS A硬度は58〜60であり、比較例3に係る抗菌ゴムチップマットのJIS A硬度56及び比較例4に係る抗菌ゴムチップマットのJIS A硬度58とほぼ同程度である。
図8に示すように、実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマットのヤング率/比重はいずれも1.3であり、比較例3、4に係る抗菌ゴムチップマットのヤング率/比重1.31とほぼ等価である。
図8に示すように、実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマットのムーニースコーチタイムtΔ13は1.9〜2.12であり、比較例3に係る抗菌ゴムチップマットのムーニースコーチタイムtΔ13:2.18及び比較例4に係る抗菌ゴムチップマットのムーニースコーチタイムtΔ13:2.45よりもやや短縮している。このことから、実施例1〜3に係る抗菌ゴムチップマットは、比較例3、4に係る抗菌ゴムチップマットに比べて、ゴム配合物の加硫が迅速に行われることが分かる。なお、ムーニースコーチタイムの測定条件は、測定温度が131℃、予熱時間が60秒、ロータサイズはL形とした。
図7及び図8に示した試験結果より、本発明に係る抗菌ゴムチップ及び抗菌ゴムチップマットは、抗菌性に優れ、かつ所定の強度及び弾力を有するものを安価に製造できることが明らかである。
1 抗菌ゴムチップマット
2 抗菌ゴムチップ
3 バインダ
2 抗菌ゴムチップ
3 バインダ
Claims (8)
- 有機窒素硫黄系抗菌剤を添加したことを特徴とする抗菌ゴムチップ。
- 前記有機窒素硫黄系抗菌剤が、2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミンであることを特徴とする請求項1に記載の抗菌ゴムチップ。
- 着色用顔料を更に添加したことを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれか1項に記載の抗菌ゴムチップ。
- 抗菌ゴムチップをバインダで結合し、所定形状のマット状に成形した抗菌ゴムチップマットにおいて、
前記抗菌ゴムチップ中に、有機窒素硫黄系抗菌剤を添加したことを特徴とする抗菌ゴムチップマット。 - 前記有機窒素硫黄系抗菌剤が、2−メルカプトベンゾチアゾルシクロヘキシルアミンであることを特徴とする請求項4に記載の抗菌ゴムチップマット。
- 前記バインダ中に抗菌剤を添加したことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の抗菌ゴムチップマット。
- 前記バインダ中に添加した抗菌剤が、銀系抗菌剤であることを特徴とする請求項6に記載の抗菌ゴムチップマット。
- 前記抗菌ゴムチップ及びバインダは、着色用顔料によって着色されていることを特徴とする請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の抗菌ゴムチップマット。
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