JPH10237016A - 光学活性化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性化合物の製造方法

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JPH10237016A
JPH10237016A JP9052548A JP5254897A JPH10237016A JP H10237016 A JPH10237016 A JP H10237016A JP 9052548 A JP9052548 A JP 9052548A JP 5254897 A JP5254897 A JP 5254897A JP H10237016 A JPH10237016 A JP H10237016A
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JP
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optically active
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mmol
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benzonitrile
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Shinichi Komatsu
伸一 小松
Akira Takagi
彰 高木
Yoshihiro Kobori
良浩 小堀
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Nippon Oil Corp
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C51/00Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides
    • C07C51/08Preparation of carboxylic acids or their salts, halides or anhydrides from nitriles
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/07Optical isomers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
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    • C07C2601/12Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学活性アルコキシベンゾニトリル誘導体の
製造法を提供する。 【解決手段】 ベンゾニトリルと光学活性アルコールと
を縮合反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は医薬品、液晶材料、
あるいはこれらの中間体として有用な光学活性アルコキ
シベンゾニトリル誘導体並びに光学活性アルコキシ安息
香酸誘導体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ベンゾニトリルの4位に、酸素原子を介
して光学活性あるアルキル基が結合した構造の光学活性
アルコキシベンゾニトリルは、液晶原料、医薬品原料等
として有用であるが、その合成に普遍的に利用できる簡
便な合成法は、現在のところ開発されていない。アルコ
キシベンゾニトリルと同様に、エーテル結合を有する化
合物の合成方法としては、アルキルハライド又はアルキ
ルトシレートなどと、アルコキサイドを反応させるWi
lliamson法が一般に知られている。しかし、こ
の方法を利用して光学活性アルコキシベンゾニトリルを
合成する場合には、次のような問題がある。その一つ
は、原料として必要な光学活性アルキルハライドまたは
光学活性アルキルトシレートが安価に量産できないこと
であり、特に光学活性アルキルハライドを製造する場合
には、光学純度の低下が起こり易い。問題点の他の一つ
は、Williamson法がSN2反応機構で進行す
る関係で、光学活性な第2アルキルハライドや第2アル
キルトシレートを原料とした場合には、不斉中心自体が
反応中心となるため、第2アルキル基の種類又は反応条
件の如何によって、光学純度が低下する虞があることで
ある。
【0003】一方、安息香酸の4位に、酸素原子を介し
て光学活性なアルキル基が結合した光学活性アルコキシ
安息香酸の合成方法としては、4−ヒドロキシ安息香酸
又はそのエステルと、光学活性アルキルハライド又は光
学活性アルキルトシレートとを、塩基性条件下で反応さ
せるいわゆるWilliamson法が知られている。
例えば、Liquid Crystls,16,299
(1994)には、種々の光学活性第2アルコールのト
シレートと、4−ヒドロキシ安息香酸メチルとを反応さ
せ、得られた光学活性アルコキシ安息香酸メチルエステ
ルを加水分解して、光学活性アルコキシ安息香酸を合成
する方法が記載されている。しかし、この方法は反応過
程で光学純度の低下が起こり易く、また原料として必要
な光学活性アルキルトシレートの調製に費用が掛かる問
題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、Willi
amson法によって光学活性アルコキシベンゾニトリ
ルや、光学活性アルコキシ安息香酸を合成する場合に指
摘される問題点の解消を目的とする。すなわち、本発明
の目的は、光学純度の低下を招き易く、原料の調達に費
用が掛かり過ぎるWilliamson法を利用するこ
となく、工業的に入手が容易な光学活性アルコールを原
料とすることができ、しかも、反応中に光学純度の低下
を心配する必要がなく、光学活性アルコキシベンゾニト
リルや光学活性アルコキシ安息香酸を合成できる方法を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らが得た知見に
よれば、光学活性アルコールをベンゾニトリル誘導体と
塩基性条件下で縮合反応させることで光学活性アルコキ
シベンゾニトリル誘導体が得られ、得られた光学活性ア
ルコキシベンゾニトリル誘導体を、加水分解することで
光学活性アルコキシ安息香酸誘導体が得られることを見
出した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明によれば、光学活性アルコ
キシベンゾニトリル誘導体は、ベンゾニトリル誘導体と
光学活性アルコールとを塩基の存在下に縮合反応させる
ことによって得ることができる。ここで、光学活性アル
コキシベンゾニトリル誘導体とは、光学活性なアルキル
基が1分子又は2分子の各ベンゾニトリルの4位に、そ
れぞれ酸素原子を介して結合した構造の化合物を指し、
具体的には、4−光学活性アルキルオキシベンゾニトリ
ルおよび4,4’−光学活性アルキルジオキシビスベン
ゾニトリルなどが本発明で言う光学活性アルコキシベン
ゾニトリル誘導体である。
【0007】本発明の特徴の一つは、光学活性アルコー
ルを直接原料に使用できることである。William
son法では、光学活性アルコールから光学活性アルキ
ルハライド又は光学活性アルキルトシレートを調製しな
ければならないので、光学活性アルコールを直接原料に
使用する本発明は、Williamson法と際立って
対照的である。尚、光学活性アルコールとしてメントー
ルを使用した場合、本発明で得られる光学活性アルコキ
シベンゾニトリル誘導体の立体配置は、メントールのト
シル化物を原料としてWilliamson法で得られ
る光学活性アルコキシベンゾニトリル誘導体の立体配置
と相違する。
【0008】本発明に於いて原料として用いられるベン
ゾニトリル誘導体は、下記の一般式(1)で表される。
【化1】 但し、式中Xはフッ素原子、塩素原子、ニトロ基を示
し、Yは炭素数1〜10のアルキル基を示し、nは1〜
4の整数を示す。上記一般式で表される化合物として
は、4−フルオロベンゾニトリル、4−クロロベンゾニ
トリルおよび4−ニトロベンゾニトリルが特に好まし
く、これらを2種以上混合して原料に使用して差し支え
ない。
【0009】本発明に使用できる光学活性アルコール
は、炭素数4〜30、好ましくは4〜20、さらに好ま
しくは4〜10のモノアルコール、炭素数3〜30、好
ましくは3〜20、さらに好ましくは3〜10のジオー
ル、炭素数4〜30、好ましくは4〜20、さらに好ま
しくは4〜10のトリオールである。これらのアルコー
ルは、第一アルコール又は第二アルコールであるのが一
般的であるが、第三アルコールも使用可能である。ま
た、水酸基が結合した炭素が第3炭素原子であるジオー
ル又はトリオールを原料に使用することにより、当該第
3炭素原子を有する光学活性アルコキシベンゾニトリル
誘導体を合成することができる。本発明で原料として使
用可能な光学活性アルコールの具体例を例示すれば、モ
ノアルコールとして、2−ブタノール、2−ペンタノー
ル、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、2−オクタ
ノール、2−ノナノール、2−デカノール、2−ウンデ
カノール、2−ドデカノール、3−ヘキサノール、3−
ヘプタノール、3−オクタノール、3−ノナノール、3
−デカノール、3−ウンデカノール、3−ドデカノー
ル、2−メチルブタノール、2ーメチルペンタノール、
2−メチルヘキサノール、2−メチルヘプタノール、2
−メチルオクタノール、3ーメチルペンタノール、3−
メチルヘキサノール、3−メチルヘプタノール、3−メ
チルオクタノール、4−メチルヘキサノール、4−メチ
ルヘプタノール、4−メチルオクタノール、2−メチル
シクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、
ノルボルナン−2−オール、ボルネオール、メントー
ル、イソメントールなどが挙げられる。ジオールとして
は、プロパン−1,2−ジオール、ブタン−1,2−ジ
オール、ブタン−1,3−ジオール、ブタン−2,3−
ジオール、ペンタン−1,2−ジオール、ペンタン−
1,3−ジオール、ペンタン−1,4−ジオール、ペン
タン−2,4−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジ
オール、2−メチルブタン−1,4−ジオール、ノルボ
ルナン−2,3−ジオールなどが例示でき、トリオール
としては、ブタン−1,2,4−トリオールが例示でき
る。
【0010】一般式(1)のベンゾニトリル誘導体と光
学活性アルコールとを反応させるに際しては、ベンゾニ
トリル誘導体1モル当たり、モノアルコールが原料の場
合は、0.5〜2モル、好ましくは0.7〜1.3モル
の範囲で使用される。原料がジオールの場合及びトリオ
ールの場合は、モノアルコールについて上記した使用量
範囲のそれぞれ1/2量及び1/3量が使用される。一
般式(1)のベンゾニトリル誘導体と光学活性アルコー
ルとの反応は、ベンゾニトリルの4位に結合したフッ
素、塩素又はニトロ基と、光学活性アルコールの水酸基
との反応である。従って、本発明の方法によって、4−
光学活性アルキルオキシベンゾニトリルを得るために
は、化学量論的に、一般式(1)のベンゾニトリル誘導
体1モルに対し1モルの光学活性モノアルコールを必要
とし、4,4’−光学活性アルキルジオキシビスベンゾ
ニトリルを得るためには、一般式(1)のベンゾニトリ
ル誘導体1モルに対し1/2モルの光学活性ジオールを
必要とする。光学活性アルコールは一般に高価であるの
で、化学量論以上の光学活性アルコールを用いることは
経済的理由から推奨できないものの、4,4’−光学活
性アルキルジオキシビスベンゾニトリルの合成を目指す
場合には、4−光学活性アルキルオキシベンゾニトリル
の副生を抑えるために、光学活性ジオールの使用量を、
化学量論量の70〜100%、好ましくは90〜100
%とすることが望ましい。
【0011】一般式(1)のベンゾニトリル誘導体と光
学活性アルコールとを反応させるに際に使用する塩基と
しては、有機塩基、無機塩基のいずれもが使用可能であ
る。トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、キノリ
ン、イソキノリンなどの第3アミン類;カリウムt−ブ
チラートなどのアルカリ金属アルコラート類;金属リチ
ウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属カルシウム
などのアルカリ金属またはアルカリ土類金属類;水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化
カルシウムなどの水酸化アルカリ金属または水酸化アル
カリ土類金属類;水素化リチウム、水素化ナトリウム、
水素化カリウムなどの水素化アルカリ金属類:ブチルリ
チウム、フェニルリチウム、メチルリチウムなどのアル
キルリチウム類などは、いずれも本発明で使用できる塩
基であって、これら2種以上を併用することもできる。
上記した塩基のなかでも、水素化ナトリウム、金属ナト
リウム、カリウムt−ブチラートが好ましく、特に水素
化ナトリウムが好ましい。塩基の使用量は、使用する光
学活性アルコールがモノアルコールである場合には、ア
ルコール1モルに対して0.9〜100モル、好ましく
は1〜10モルの範囲で選択され、ジオールの場合及び
トリオールの場合は、モノアルコールである場合のそれ
ぞれ1/2量及び1/3量が選ばれる。
【0012】本発明の縮合反応を遂行させるに際しては
反応溶媒を使用することができ、その反応溶媒として
は、塩基としても機能する上記第3アミン、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;ジ
メチルスルホキサイド、スルホランなどのスルホキサイ
ド類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジグライムな
どのエーテル類などが使用可能である。なかでも、ジメ
チルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、テトラヒド
ロフラン、ピリジンが反応溶媒として好ましく、特にジ
メチルホルムアミドが好ましい。反応溶媒の使用量は、
一般式(1)のベンゾニトリル誘導体と光学活性アルコ
ールと塩基と反応溶媒からなる反応液が均一に攪袢でき
れば、任意に選ぶことができるが、一般的には、光学活
性アルコール1gに対し1g〜100g、好ましくは2
g〜10gが使用される。
【0013】一般式(1)のベンゾニトリル誘導体、光
学活性アルコール及び塩基の3成分を接触させる順序は
任意であって、例えば、上記3成分を同時に混合す
る、光学活性アルコールと塩基を混合させた後、ベン
ゾニトリル誘導体を添加する、ベンゾニトリル誘導体
と塩基を混合させた後、光学活性アルコールを添加す
る、ベンゾニトリル誘導体と光学活性アルコールとを
混合した後、塩基を添加する、の何れもが本発明では採
用できる。しかしながら、水素化リチウム、水素化ナト
リウム、水素化カリウム、金属リチウム、金属ナトリウ
ム、金属カリウムなどを塩基として用いる場合には、上
記で示すように、当該塩基を予め光学活性アルコール
と混合してアルコラートを生成させ、しかる後、一般式
(1)のベンゾニトリル誘導体を添加する手順を採用す
ることが望ましい。これによって、突沸などの危険を避
けることができる。尚、アルコラートの生成反応温度
は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃、
反応時間は通常10分〜48時間、好ましくは1時間〜
24時間である。上記した〜の何れの手順を採用し
た場合でも、一般式(1)のベンゾニトリル誘導体と光
学活性アルコール又は光学活性アルコキシドとを、通常
−50℃〜100℃、好ましくは−20℃〜50℃の温
度範囲で、通常5分〜48時間、好ましくは10分〜2
4時間反応させることにより、目的とする光学活性アル
コキシベンゾニトリル誘導体を高収率で得ることができ
る。こうして得られた光学活性アルコキシベンゾニトリ
ル誘導体は、蒸留、再結晶、抽出、クロマトグラフィー
などの公知の方法により反応混合物から回収、精製する
ことができる。例えば、反応混合物からこれに含まれる
反応溶媒を留去させることで目的生成物を回収すること
ができる。この場合、目的生成物の変性を抑制するため
に、反応混合物の留去に先立って、水、酢酸、希塩酸、
希硫酸などを反応混合物に添加し、塩基成分を不活性化
しておくこともできる。しかし、溶媒の留去は必ずしも
必要でなく、反応混合物を直接、反応混合物の体積で3
〜10倍量の水に投入し、目的生成物を析出させること
ができる。析出した目的生成物は濾過で回収することが
できるが、酢酸エチル、エーテル、トルエン、クロロホ
ルム、塩化メチレン等の有機溶媒を用いて抽出し、有機
溶媒相に残存する水を必要に応じて除去した後、有機溶
媒を留去することで目的生成物を回収することができ
る。回収された目的生成物は、そのまま光学活性アルコ
キシ安息香酸誘導体の原料として使用可能であるが、メ
タノール、エタノール、イソプロパノール、アセトニト
リル、ジメチルホルムアミドなどを用い、上記の目的生
成物を再結晶させて蒸留するか、あるにはカラムクロマ
トグラフィー等の手段で精製することにより、高純度の
光学活性アルコキシベンゾニトリル誘導体を得ることが
できる。
【0014】進んで、光学活性アルコキシ安息香酸誘導
体の製造法を説明する。本発明に係る光学活性アルコキ
シ安息香酸誘導体の製造法は、一般式(1)のベンゾニ
トリル誘導体と光学活性アルコールとを塩基の存在下に
縮合反応させて光学活性アルコキシベンゾニトリル誘導
体を得る工程(第1工程)と、得られた光学活性アルコ
キシベンゾニトリル誘導体のニトリル基を加水分解し
て、これをカルボキシル基に転化させる工程(第2工
程)とからなる。第2工程には、第1工程で得られた反
応混合物をそのまま、供給することもできるが、第1工
程で任意に使用できる反応溶媒と、第2工程で任意に使
用できる反応溶媒とは種類が異なるため、第1工程で反
応溶媒を使用した場合には、少なくとも当該反応溶媒を
除去してから、第1工程で得られた反応混合物を第2工
程に供することが好ましい。第2工程の加水分解は、常
法通り進めることができる。例えば、酸あるいは塩基
性物質の存在下に光学活性アルコキシベンゾニトリル誘
導体を加水分解する、光学活性アルコキシベンゾニト
リル誘導体のニトリル基を、例えば、過酸化水素の存在
下にアミド基に一旦加水分解した後、そのアミド基を酸
あるいはアルカリの存在下又は亜硝酸塩の存在下にさら
に加水分解する、などの方法が採用することができる
が、通常は、の方法が工程数が少ない点で好ましい。
の方法で使用する塩基性物質としては、アルカリ金属
水酸化物が好ましく、具体的には、水酸化ナトリウム、
水酸化リチウム、水酸化カリウムなどを使用することが
好ましい。第1工程に必要な塩基として、水素化ナトリ
ウム、金属ナトリウム、金属カリウムなどを用いた場合
には、第1工程で得られる反応混合物中に残存する水素
化ナトリウム、金属ナトリウム、金属カリウムに水を反
応させて、アルカリ金属水酸化物を生成させ、これを第
2工程に必要な塩基性物質に充当させることもできる。
加水分解に必要な塩基性物質の量は、加水分解の対象と
なる光学活性アルコキシベンゾニトリル誘導体が1分子
当たり保持しているニトリル基の数に依存し、その数が
1個である場合は、光学活性アルコキシベンゾニトリル
誘導体1モル当たり1〜20モル、好ましくは2〜10
モルの塩基性物質を使用し、1分子当たり2個のニトリ
ル基を有している場合は、光学活性アルコキシベンゾニ
トリル誘導体1モル当たり2〜40モル、好ましくは4
〜20モルの塩基性物質を使用する。また、加水分解時
に使用する水の量は、化学量論量より過剰であるのが通
例であって、1分子当たり1個のニトリル基を有してい
る光学活性アルコキシベンゾニトリル誘導体を加水分解
する場合にあっては、光学活性アルコキシベンゾニトリ
ル誘導体1モル当たり、3〜100モル、好ましくは5
〜20モルの水が使用される。また、1分子当たり2個
のニトリル基を有している光学活性アルコキシベンゾニ
トリル誘導体を加水分解する場合にあっては、6〜20
0モル、好ましくは10〜40モルの水が使用される。
第2工程の加水分解には、通常、120〜300℃、好
ましくは150〜250℃の反応温度と、10分〜48
時間、好ましくは30分〜10時間程度の反応時間が採
用される。加水分解は有機溶媒の存在下に実施すること
もできる。この場合の有機溶媒としては、沸点が100
℃以上、好ましくは150℃以上である親水性有機溶媒
が使用され、具体的には、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、
2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ヘキサメチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコ
ールなどが使用される。有機溶媒の使用量は、光学活性
アルコキシベンゾニトリル1gに対し1〜100g、好
ましくは3〜20gの範囲で選ばれる。加水分解終了後
は、得られた反応混合物をを酸析した後、蒸留、再結
晶、抽出、カラムクロマトグラフィーなどの手段で分離
精製することによって光学活性アルコキシ安息香酸誘導
体を得ることができる。例えば、反応混合物に酸性物質
を加えて酸析し、析出物を濾過することで、光学活性ア
ルコキシ安息香酸誘導体を回収することができる。酸析
に用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸などが使用でき
るが、好ましくは塩酸が用いられる。酸析は通常pH
3.5以下で生起する。別法として、酢酸エチル、エー
テル、トルエン、クロロホルム、塩化メチレン等の有機
溶媒を用いて、反応混合物から目的生成物を抽出し、有
機溶媒相に残存する水を必要に応じて除去した後、有機
溶媒を留去することで目的生成物を回収することができ
る。回収後は、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミドなどを用
いて目的生成物を再結晶させて蒸留するか、あるにはこ
れをカラムクロマトグラフィー等の手段で精製すること
により、高純度の光学活性アルコキシ安息香酸誘導体を
得ることができる。
【0015】
【発明の効果】本発明の方法によれば、光学活性アルコ
ールをトシレートやハライドに変換させなくても、これ
を直接原料に使用してベンゾニトリルと反応させること
ができるので、比較的簡便に光学活性アルコキシベンゾ
ニトリル誘導体を得ることができ、また、この光学活性
アルコキシベンゾニトリル誘導体を加水分解すること
で、光学活性アルコキシ安息香酸誘導体を得ることがで
きる。
【0016】
【実施例】本発明を実施例によりさらに詳しく説明する
が、本発明はこれらに制限されるものではない。各実施
例での合成反応は全て窒素雰囲気下に行った。水素化ナ
トリウムはペンタン洗浄後乾燥して用い、ジメチルホル
ムアミド(DMF)はモレキュラーシーブにより乾燥し
て使用した。 実施例1(S)−4−(1ーメチルヘプチロキシ)ベンゾニトリ
ルの合成 (S)−2−オクタノール(4.21g,32.3mm
ol)を15mlのDMFに溶解し、氷冷下水素化ナト
リウム(0.96g,40mmol)を添加した。室温
で5時間撹拌し、アルコキサイド化反応を完結させた
後、氷冷下pーフルオロベンゾニトリル(4.33g,
35.8mmol)を加えた。2時間氷冷下で、続いて
8時間室温で反応させた後、溶媒を減圧下留去した。残
査に50mlの1N希塩酸を注意深く添加した後、酢酸
エチルにより抽出した。飽和重曹水による洗浄、飽和食
塩水および無水硫酸マグネシウムによる乾燥を行った
後、溶媒を留去し目的物(7.40g,32.0mmo
l,99%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ7.56
(m,2H),6.90(m,2H),4.42(m,
1H),1.73(m,1H),1.58(m,1
H),1.31(d,J=5.9Hz,3H),1.2
9(m,8H),0.88(m,3H) 実施例2(S)−4−(1−メチルヘプチロキシ)安息香酸の合
実施例1で得た(S)−4−(1ーメチルヘプチロキ
シ)ベンゾニトリル(7.40g,32.0mmol)
と10gの水酸化カリウム、10mlの水、および50
mlのエチレングリコールの混合物を200℃のオイル
バス上で加熱し、3時間環流させた。冷却後100ml
の水に投入した。不溶物がある場合にはそれを濾別除去
した後3N塩酸により酸性化し、析出物を酢酸エチル抽
出した。飽和重曹水による洗浄、飽和食塩水および無水
硫酸マグネシウムによる乾燥を行った後、溶媒を留去し
た。残査をアセトニトリル(200ml)から再結晶し
目的物(5.87g,23.4mmol,73%)を得
た。 [α]D+10.2(c2.0,EtOH) 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ12.5
(br,1H),8.3(m,2H),6.89(m,
2),4.45(m,1H),1.75(m,1H),
1.59(m,1H),1.31(d,J=6.2H
z,3H),1.29(m,8H),0.88(m,3
H) 実施例3(R)−4−(1ーメチルヘプチロキシ)ベンゾニトリ
ルの合成 (S)−2−オクタノールの代わりに(R)−2−オク
タノールを用いた以外は実施例1と同様にして(R)−
4−(1ーメチルヘプチロキシ)ベンゾニトリルを7.
35g(31.8mmol,98%)得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ7.56
(m,2H),6.90(m,2H),4.42(m,
1H),1.73(m,1H),1.58(m,1
H),1.31(d,J=5.9Hz,3H),1.2
9(m,8H),0.88(m,3H) 実施例4(R)−4−(1−メチルヘプチロキシ)安息香酸の合
(S)−4−(1−メチルヘプチロキシ)ベンゾニトリ
ルの代わりに実施例3で得た(R)−4−(1−メチル
ヘプチロキシ)ベンゾニトリル(7.35g,31.8
mmol)を用いた以外は実施例2と同様にして(R)
−4−(1−メチルヘプチロキシ)安息香酸(5.64
g,22.5mmol,71%)を得た。 [α]D=ー10.9(c2.0,EtOH) 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ12.5
(br,1H),8.03(m,2H),6.89
(m,2),4.45(m,1H),1.75(m,1
H),1.59(m,1H),1.31(d,J=6.
2Hz,3H),1.29(m,8H),0.88
(m,3H) 実施例54−((1S,2R,5R)−メンチロキシ)ベンゾニ
トリルの合成 水素化ナトリウム(3.0g,125mml)を50m
lの乾燥DMFに分散させ、氷冷下撹拌しながら(−)
−メントール(15.6g,100mmol)を添加し
た。20分氷冷下、続いて3時間室温においてアルコキ
サイド化反応を進行させた後、再び氷冷下4−クロロベ
ンゾニトリル(15.1g,100mmol)を添加し
た。2時間アイスバスで冷却しながら撹拌の後、続いて
アイスバスをはずして10時間反応させた。この時アイ
スバスをはずした後2時間ぐらいの時点で反応液の発熱
が観察された。反応の後、DMFを減圧下留去、残査に
エーテルを加え希苛性ソーダ水溶液、希塩酸、重曹水、
水、飽和食塩水の順に洗浄し、溶媒留去の後クーゲルロ
ーア蒸留装置を用いて減圧蒸留(150℃/0.5mm
Hg)し、目的物(18.8g,73.0mmol,7
3%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ7.55
(m,J=8.8Hz,2H),6.92(m,J=
8.8Hz,2H),4.11(ddd,J=10.
8,10.8,4.0Hz,1H),2.10(m,2
H),1.73(m,2H),1.54(m,2H)
1.15−0.93(m,3H),0.93(d,J=
6.6Hz,3H),0.92(d,J=6.8Hz,
3H),0.74(d,J=6.8Hz,3H) 実施例64−((1S,2R,5R)ーメンチロキシ)安息香酸
の合成 実施例5で得た4−((1S,2R,5R)−メンチロ
キシ)ベンゾニトリル(8.24g,32mmol)と
10gの水酸化カリウム、10mlの水、および50m
lのエチレングリコールの混合物を200℃のオイルバ
ス上で加熱し、3時間環流させた。冷却後100mlの
水に投入した。この液を3N塩酸により酸性化し、析出
物を酢酸エチル抽出した。飽和重曹水による洗浄、飽和
食塩水および無水硫酸マグネシウムによる乾燥を行った
後、溶媒を留去した。残査をアセトニトリル(200m
l)から再結晶し目的物(6.72g,24.3mmo
l,76%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ12.3
(br,1H),8.03(d,J=8.8Hz,2
H),6.93(d,J=8.8Hz,2H),4.1
5(ddd,J=10.4,10.4,4.0Hz,1
H),2.15(m,2H),1.74(m,2H),
1.55(m,2H),1.15−0.90(m,3
H),0.93(m,6H),0.75(d,J=6.
8Hz,3H) 実施例74−((1R,2S,5S)−メンチロキシ)ベンゾニ
トリルの合成 (−)−メントールの代わりに(+)−メントールを用
いた以外は実施例5と同様にして目的物(21.6g,
84.0mmol,84%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ7.55
(m,J=8.8Hz,2H),6.92(m,J=
8.8Hz,2H),4.11(ddd,J=10.
8,10.8,4.0Hz,1H),2.10(m,2
H),1.73(m,2H),1.54(m,2H)
1.15−0.93(m,3H),0.93(d,J=
6.6Hz,3H),0.92(d,J=6.8Hz,
3H),0.74(d,J=6.8Hz,3H) 実施例84−((1R,2S,5S)−メンチロキシ)安息香酸
の合成 4−((1S,2R,5R)ーメンチロキシ)ベンゾニ
トリルの代わりに4−((1R,2S,5S)−メンチ
ロキシ)ベンゾニトリルを用いた以外は実施例6と同様
にして目的物(7.16g,25.9mmol,81
%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ12.3
(br,1H),8.03(d,J=8.8Hz,2
H),6.93(d,J=8.8Hz,2H),4.1
5(ddd,J=10.4,10.4,4.0Hz,1
H),2.15(m,2H),1.74(m,2H),
1.55(m,2H),1.15−0.90(m,2
H),0.93(m,6H),0.75(d,J=6.
8Hz,3H) 実施例94−((S)−1−メチルペンチロキシ)安息香酸の合
水素化ナトリウム(1.86g,78mmol)を30
mlのDMFに分散させ、氷冷下撹拌しながら(S)ー
2ーヘキサノール(6.81g,66.6mmol)を
添加した。1時間氷冷下、続いて9時間室温で撹拌の
後、再び氷冷し4ーフルオロベンゾニトリル(8.88
g,73.3mmol)を少量ずつ添加した。一晩室温
で反応後、氷冷下で水1mlを添加することで余分な水
素化ナトリウムを不活性化した後、DMFを減圧下留去
した。次に残査に水酸化カリウム(10g)、水(10
ml)、およびエチレングリコール(50ml)を加
え、200℃のオイルバス上9時間環流した後室温に冷
却した。200mlの水を加えて結晶を分散させた後3
N塩酸で酸性化しカルボン酸を遊離させた。これを酢酸
エチル抽出、飽和食塩水洗浄し、溶媒留去の後得られた
粗結晶をアセトニトリルから再結晶して目的物(16.
1g,64.8mmol,97%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ13.0
(br,1H),8.04(d,J=8.8Hz,2
H),6.91(d,J=8.8Hz,2H),4.4
6(m,1H),1.75(m,1H),1.59
(m,1H),1.5−1.2(m,4H),1.32
(d,J=6.2Hz,3H),0.88(t,J=
5.1Hz,3H) 実施例104−((S)−1−メチルヘキシロキシ)安息香酸の合
(S)−2−ヘキサノールの代わりに同モルの(S)−
2−ヘブタノールを用いた以外は実施例9と同様にして
目的物(16.1g,61.3mol,92%)を得
た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ12.2
(br,1H),8.04(d,J=8.8Hz,2
H),6.91(d,J=8.8Hz,2H),4.4
6(m,1H),1.75(m,1H),1.59
(m,1H),1.5−1.2(m,6H),1.33
(d,J=5.9Hz,3H),0.90(J=7.0
Hz,3H) 実施例114ー((S)−4−メチルペンチロキシ)安息香酸の合
pーフルオロベンゾニトリルの代わりに同モルのpーク
ロロベンゾニトリルを用い、加水分解時の溶媒としてエ
チレングリコールの代わりに同体積のプロピレングリコ
ールを用いた以外は実施例9と同様にして目的物(1
4.5g,58.4mmol,77%)を得た。生成物
の1H−NMRは実施例9と同一であった。 実施例124−((S)−1−メチルヘプチロキシ)ベンゾニトリ
ルの合成 pーフルオロベンゾニトリルの代わりに同モルのpーニ
トロベンゾニトリルを用いた以外は実施例1と同様にし
て目的物(7.33g,31.7mmol,98%)を
得た。生成物の1H−NMRは実施例1と同一であっ
た。 実施例134,4’−((1S,2S)−シクロヘキサン−1,2
−ジオキシ)ビスベンゾニトリルの合成 水素化ナトリウム(7.1g,0.30mol)をDM
F200mlに分散させた液に(1S,2S)−シクロ
ヘキサン−1,2−ジオール(11.42g,98.3
mmol)を氷冷下添加した。1時間氷冷下、続いて2
時間室温で反応させた後、再び氷冷した後pーフルオロ
ベンゾニトリル(25g,206mmol)を加えた。
一晩反応させた後注意深く水5mlを添加して余分な水
素化ナトリウムを不活性化した液から、DMFを減圧下
留去した。残査に水200mlを加え、酢酸エチル抽出
し、それを飽和食塩水で洗浄後溶媒留去したところ残査
として粗結晶が得られた。これをイソプロパノール(2
00ml)から再結晶し目的物(26.2g,82.3
mmol,84%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ7.53
(m,J=8.8Hz,4H),6.92(m,J=
8.8Hz,4H),4.44(m,2H),2.21
(m,2H),1.83(m,2H),1.60(m,
2H),1.42(m,2H) 実施例144,4’−((1S,2S)−シクロヘキサン−1,2
−ジオキシ)ビス安息香酸の合成 実施例13で得られた4,4’−((1S,2S)−シ
クロヘキサン−1,2−ジオキシ)ビスベンゾニトリル
(26.2g,82.3mmol)を25gの水酸化カ
リウム、25gの水および200mlのエチレングリコ
ールと混合し、2時間200℃のオイルバス上で加温、
環流した。冷却後、水1リットルを加え、続いて40m
lの濃塩酸を添加して酸性とした。生じた沈殿を濾別
し、再び1リットルの温水に分散し1時間撹拌した後ろ
過した。これを真空乾燥して目的物(24.9g,6
9.9mmol,85%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ12.6
(br,2H),7.83(m,J=8.8Hz,4
H),7.01(m,J=8.8Hz,4H),4.6
1(m,2H),2.13(m,2H),1.70
(m,2H),1.47(m,4H) 実施例154,4’−((S)−メチルエタンジオキシ)ビスベン
ゾニトリルの合成 水素化ナトリウム(4.32g,180mmol)をD
MF(80ml)に分散した後氷冷下1,2ー(S)ー
プロパンジオール(5.29g,69.5mmol)を
添加した。1時間氷冷下、続いて2時間室温で撹拌し
た。この液に室温で4ークロロベンゾニトリル(17.
6g,128mmol)を加え、そのまま5時間、続い
て70℃で3時間反応させた。反応後水5mlを注意深
く添加して余剰の水素化ナトリウムを不活性化した後D
MFを減圧下留去した。水200mlを添加した時に生
じた沈殿を濾別し、100mlのエタノールから再結晶
し目的物(14.5g,52.1mmol,75%)を
得た。 1H−NMR(CDCl3,270MHz)δ7.59
(m,4H),6.99(m,J=9.2Hz,2
H),6.94(m,J=9.2Hz,2H),4.8
6(dddd,J=12.7,6.2,6.2,4.3
Hz,1H),4.20(d,J=6.2Hz,AB,
J=10.0Hz,△n=25.2Hz,1H),4.
11(d,J=4.3Hz,AB,J=10.0Hz,
△n=25.2Hz,1H),1.47(d,J=6.
5Hz,3H) 実施例164,4’−((S)−メチルエタンジオキシ)ビス安息
香酸の合成 実施例15で得た4,4’−((S)−メチルエタンジ
オキシ)ビスベンゾニトリル(10g,35.9mmo
l)を5gの水酸化カリウム、5gの水、および40m
lのエチレングリコールと混合し、200℃のオイルバ
ス上3時間加熱環流した。反応液を冷却後反応液には結
晶が析出していたので100mlのメタノールを加えた
後、結晶を濾別した。得られた結晶を水150mlに溶
解した後3N塩酸を加えて酸性化した。生じた沈殿をろ
過し、十分に水洗した後真空乾燥し目的物(7.83
g,24.8mmol,69%)を得た。 1H−NMR(DMSO,400MHz)δ12.6
(br,2H),7.88(d,J=8.8Hz,.4
H),7.06(d,J=8.8Hz,2H),7.0
4(d,J=8.8Hz,2H),4.99(m,1
H),4.24(m,2H),1.37(d,J=6.
4Hz,3H) 実施例174,4’−((R)−1−メチルプロパンジオキシ)ビ
スベンゾニトリルの合成 水素化ナトリウム(3.18g,133mmol)をD
MF(100ml)に分散した後氷冷下1,3−(R)
−ブタンジオール(5.03g,55.8mmol)を
添加した。1時間氷冷下、続いて2時間室温で撹拌し
た。この液に室温で4−クロロベンゾニトリル(16.
8g,122mmol)を加え、20時間反応させた。
反応後水5mlを注意深く添加して余剰の水素化ナトリ
ウムを不活性化した後DMFを減圧下留去した。水20
0mlを添加し、有機物を酢酸エチル抽出、飽和食塩水
洗浄、溶媒留去を経て得られたオイル状残査をクーゲル
ローア蒸留装置を用いて減圧蒸留(275℃,0.5m
mHg)し、目的物(13.3g,45.4mmol,
81%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,270MHz)δ7.56
(m,4H),6.93(m,4H),4.74(m,
1H),4.14(m,2H),2.18(m,2
H),1.40(d,J=5.9Hz,3H) 実施例184,4’−((R)−1−メチルプロパンジオキシ)ビ
ス安息香酸の合成 実施例17で得た4,4’−((R)−1−メチルプロ
パンジオキシ)ビスベンゾニトリル(11.6g,3
9.6mmol)を6gの水酸化カリウム、6gの水、
および60mlのエチレングリコールと混合し、200
℃のオイルバス上8時間加熱環流した。反応液を冷却
後、300mlのイソプロパノールを加えて析出した沈
殿を遠心分離した。沈殿を150mlの水に溶解後3N
塩酸で酸性化した。生じた沈殿を遠心分離、水洗の後真
空乾燥し目的物(11.0g,33.3mmol,84
%)を得た。 1H−NMR(DMSO,400MHz)δ12.6
(br,2H),7.86(m,4H),7.02
(m,4H),4.78(m,1H),4.17(m,
2H),2.11(m,2H),1.34(d,J=
6.4Hz,3H) 実施例194,4’−((S)−2−メチルブタンジオキシ)ビス
ベンゾニトリルの合成 水素化ナトリウム(2.88g,120mmol)をD
MF(50ml)に分散した後氷冷下(S)ー2−メチ
ル−1,4−ブタンジオール(5.21g,50.0m
mol)を添加した。1時間氷冷下、続いて2時間室温
で撹拌した。この液に室温で4ークロロベンゾニトリル
(15.3g,120mmol)を加え、20時間反応
させた。反応後水5mlを注意深く添加して余剰の水素
化ナトリウムを不活性化した後DMFを減圧下留去し
た。水200mlを添加し、生じた沈殿を濾別し、10
0mlのエタノールから再結晶して目的物(12.5
g,40.8mmol,82%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,400MHz)δ7.58
(m,J=8.4Hz,4H),6.93(m,4
H),4.12(m,2H),3.91(d,J=6.
0Hz,2H),2.27(m,1H),2.08
(m,1H),1.79(m,1H),1.12(d,
J=6.8Hz,3H) 実施例204,4’−((S)−2−メチルブタンジオキシ)ビス
安息香酸の合成 実施例19で得た4,4’−((S)−2−メチルブタ
ンジオキシ)ビスベンゾニトリル(12.1g,39.
5mmol)を7.5gの水酸化カリウム、7.5gの
水、および75mlのエチレングリコールと混合し、2
00℃のオイルバス上3時間加熱環流した。反応液を冷
却し、500mlの水を加えた後3N塩酸を用いて酸性
化した。生じた沈殿を濾別した後エタノールから再結晶
し、目的物(13.2g,38.4mmol,97%)
を得た。 1H−NMR(DMSO,270MHz)δ12.6
(br,2H),7.88(d,J=8.8Hz,4
H),7.01(d,J=9.1Hz,4H),4.1
6(m,2H),3.99(d,J=5.9Hz,A
B,J=9.5Hz,△n=17.1Hz,1H),
3.93(d,J=6.2Hz,AB,J=9.5H
z,△n=17.1Hz,1H),2.16(m,1
H),1.96(m,1H),1.72(m,1H),
1.06(d,J=6.6Hz,3H) 実施例214−((S)−4−メチルヘキシロキシ)安息香酸の合
(S)−2−ヘキサノールの代わりに同モルの(S)−
4−メチルヘキサノールを用いた以外は実施例9と同様
にして目的物(14.8g,62.6mmol,94
%)を得た。 1H−NMR(CDCl3,270MHz)δ11.8
(br,1H),8.05(m,J=8.8Hz,2
H),6.93(m,J=8.8Hz,2H),4.0
1(t,J=6.4Hz,2H),1.81(m,2
H),1.51−1.15(m,5H),0.91
(d,J=6.1Hz,3H),0.89(t,J=
7.3Hz,3H) 実施例224−((S)−1ーメチルペンチロキシ)安息香酸の合
水酸化カリウムの代わりに同重量の水酸化ナトリウムを
用いた以外は実施例9と同様にして目的物(15.6
g,62.8mmol,94%)を得た。生成物の1H
−NMRは実施例9と同一であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベンゾニトリル誘導体と光学活性アルコ
    ールとを塩基の存在下に縮合反応させることを特徴とす
    る光学活性アルコキシベンゾニトリル誘導体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 ベンゾニトリル誘導体と光学活性アルコ
    ールとを塩基の存在下に縮合反応させ、得られた反応生
    成物を加水分解することを特徴とする光学活性アルコキ
    シ安息香酸誘導体の製造方法。
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