JPH10235468A - ろう付方法およびそのろう付部品 - Google Patents

ろう付方法およびそのろう付部品

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JPH10235468A
JPH10235468A JP5852697A JP5852697A JPH10235468A JP H10235468 A JPH10235468 A JP H10235468A JP 5852697 A JP5852697 A JP 5852697A JP 5852697 A JP5852697 A JP 5852697A JP H10235468 A JPH10235468 A JP H10235468A
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fitting
brazing
flux
supply groove
end side
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JP5852697A
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Akira Hashimoto
晃 橋本
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Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の部品の嵌合部にフラックスを行き渡ら
せ、嵌合部を確実にろう付できるようにする。 【解決手段】 内側部品20の嵌合面の基端部位にろう
材供給溝27を周設するとともに、嵌合始端側部分にフ
ラックス供給溝28を形成する。また、内側部品20
は、フラックス供給溝28より嵌合始端側で外側部品1
0に圧入等によりきつく嵌合し、フラックス供給溝28
より嵌合終端側で緩く嵌合するものとする。そして、ろ
う材供給溝27にろう材29をセットし、フラックス供
給溝28にフラックス30を充填した状態で嵌合させ、
その後、浸炭処理することにより、まず、フラックス3
0が嵌合クリアランスおよび径方向ろう付部に充満し、
そのフラックス30と置換してろう材29が浸透し、嵌
合部および径方向ろう付部の両方でろう付されるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フラックスを必要
とするろう付方法およびそのろう付部品に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のマニュアル変速機に組み込まれ
るギヤ部材を鋼製のヘリカルギヤに鋼製のクラッチコー
ンを圧入し接合して製作する場合、従来は、そのヘリカ
ルギヤとクラッチコーンとの接合を電子ビーム溶接で行
っていた。しかし、電子ビーム溶接では、部分的な溶融
と凝固に起因するクラッチコーンの熱変形が問題となる
うえ、特殊な真空チャンバーが必要であり、消耗品も多
いため、コストが高くつくといった問題があった。
【0003】そこで、上記ヘリカルギヤとクラッチコー
ンとの接合をろう付によって行い、しかも、そのろう付
を、浸炭処理のための加熱を利用して浸炭と同時に行う
ようにすることが提案されている。そして、そのような
浸炭同時ろう付に適したろう材として、例えば、Cuと
Mnとを主成分とし20〜45重量%のMnと0〜15
重量%のNiを含む合金のろう材が開発されている。C
uとMnとを主成分とし20〜45重量%のMnと0〜
15重量%のNiを含む合金のろう材は、鋼部材の浸炭
処理温度(約930゜C)において液相状態を保持し、
鋼部材の焼入れ処理直前の温度(約850゜C)よりも
高い温度(約870゜C)において固相状態となるの
で、複数の鋼部材を浸炭処理するのと並行してろう付す
ることができ、また、焼入れ処理開始前にろう材を凝固
させることができるため、ろう付の接合強度を確保する
ことができ、さらに、液相状態における鋼部材に対する
濡れ性を高めることができる。
【0004】上記提案された方法によれば、ヘリカルギ
ヤにクラッチコーンを、ヘリカルギヤ側を内側にしクラ
ッチコーン側を外側にして圧入し、浸炭同時ろう付する
場合、内側となるヘリカルギヤには、嵌合面の嵌合終端
部を基端として径方向に拡がるろう付面を設け、そのろ
う付面の基端部位に環状のろう材供給溝を設ける。そし
て、開リング状のろう材をろう材供給溝にセットし、フ
ラックスを塗布し、そのヘリカルギヤとクラッチコーン
とを圧入プレスにセットして、ヘリカルギヤにクラッチ
コーンを圧入し、圧入後、浸炭処理するとともに、浸炭
と同時にろう付を行う。そうすることにより、ヘリカル
ギヤとクラッチコーンとを一体化したギヤ部材が得られ
る。
【0005】また、それとは別に、特開平5−2777
21号公報には、ろう材が不必要な部分に流れ込まない
よう、ろう付箇所の縁端部に溝を周設し、この溝によ
り、ろう材を堰き止めて、ろう付箇所に均一に流し、強
固にろう付できるようにしたものが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】浸炭同時ろう付によっ
て接合する場合は、ろう材として、浸炭同時ろう付用
の、例えば上述のようなCuとMnとを主成分とし20
〜45重量%のMnと0〜15重量%のNiを含む合金
のろう材を用いるのが好ましいが、このような浸炭同時
ろう付用のろう材は、浸炭雰囲気で酸化しやすいため、
この場合の浸炭同時ろう付は、フラックスを塗布し、ろ
う材をフラックスで覆って空気から遮断した状態で行わ
なけれはならない。
【0007】フラックスは、元々、ろう材の融点を下げ
て酸化物の生成を防止し、また、表面の酸化物や付着物
を除去して表面を活性化させ、ろう材を濡れ性を高める
ために塗布するものであって、ろう付の際、接合すべき
部品の表面に塗布することが従来から行われているが、
浸炭同時ろう付用のろう材の場合は、ろう材が特に酸化
しやすいため、フラックスが不可欠で、フラックスによ
り完全に空気と遮断しないと、ろう材は溶融すらしな
い。この場合、開リング状にしたろう材を、接合すべき
部品表面の所定部位にセットし、浸炭処理の加熱を行っ
たときには、先にフラックスが溶融して、体積膨張し、
部品間の隙間を埋めた後、ろう材が溶融し、フラックス
と置換する形で広がっていく。そのため、フラックスが
流れ残留する箇所まではろう材が浸透し、フラックスが
切れたところでろう材は酸化して、流れが止まる。こう
してろう材が浸透した部分でろう付されるのである。
【0008】ところで、例えばヘリカルギヤとクラッチ
コーンを上述のように圧入により互いに嵌合し、浸炭同
時ろう付する場合、軸方向への嵌合動作により内側およ
び外側となって互いに嵌合されるそれら複数の部品(例
えばヘリカルギヤとクラッチコーン)の嵌合部は、フラ
ックスが塗布されていても圧入によって殆ど掻き落とさ
れるし、残留したフラックスが加熱により体積膨張して
嵌合部に流れたとしても、嵌合部の全域に均一にフラッ
クスを行き渡らせることはできない。そのため、例えば
このようにヘリカルギヤとクラッチコーンとを、圧入
後、浸炭同時ろう付する場合に、圧入する嵌合部にまで
ろう付面を広げて接合強度を高めるということはできな
かった。
【0009】このように、フラックスとの置換により流
動するろう材を用いる場合に、上記公報記載の方法を含
め従来の方法では、軸方向の嵌合部分をろう付すること
ができなかった。
【0010】したがって、軸方向への嵌合動作により内
側および外側となって互いに嵌合される複数の部品の嵌
合部にフラックスを行き渡らせ、フラックスと置換して
浸透するろう材により嵌合部を確実にろう付できるよう
にすることが課題である。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためのろう付方法およびそのろう付部品を提供す
るものであり、そのろう付方法は、軸方向への嵌合動作
により内側および外側となって互いに嵌合される複数の
部品をそれら部品間の少なくとも嵌合部においてろう付
する方法であって、嵌合面の嵌合始端側部分に環状のフ
ラックス供給溝を設けた部品を準備し、該部品のフラッ
クス供給溝にフラックスを供給して、他の部品を嵌合
し、ろう付することを特徴とする。
【0012】上記ろう付方法によれは、ろう材がセット
され、フラックスがフラックス供給溝に充填された状態
で、軸方向への嵌合動作によって複数の部品が互いに嵌
合され、加熱される。この場合、フラックは加熱により
体積膨張して、フラックス供給溝から流れ出し、嵌合部
に行き渡る。その際、フラックス供給溝および嵌合クリ
アランス等の設定により、嵌合部の所定箇所の全域に均
一にフラックスを残留させることができる。そして、嵌
合部に残留したフラックスと置換してろう材が嵌合部に
浸透し、嵌合部で確実なろう付が行われる。
【0013】上記ろう付方法において、部品間の嵌合
は、フラックス供給溝より嵌合始端側がクリアランスを
設けない嵌合とされ、フラックス供給溝より嵌合終端側
が嵌合始端側より緩い嵌合とされるのがよい。この場
合、加熱により溶融し体積膨張したフラックスは、フラ
ックスが不要な嵌合始端側の部分へは流れず、嵌合の緩
い嵌合終端側へ流れる。
【0014】部品間の嵌合は、圧入による嵌合とするの
がよく、そうすることにより、内外部品の芯ずれを防止
できる。
【0015】そして、部品間の嵌合部には、フラックス
供給溝より嵌合終端側に所定の嵌合クリアランスが設け
られるのがよい。このような嵌合クリアランスが設けら
れると、加熱により体積膨張したフラックスが嵌合終端
側へ流れやすくなる。
【0016】上記ろう付方法において、フラックス供給
溝は、嵌合により内側となる部品に設ける方がよく、そ
の方が加工が容易である。
【0017】また、上記ろう付方法において、内側とな
る部品は、嵌合面の嵌合終端部を基端として径方向に拡
がるろう付面を有し、そのろう付面の基端部位に環状の
ろう材供給溝を有するものであってよい。この場合、加
熱により体積膨張したフラックスは、嵌合部を経て、内
側部品の上記ろう付面と該ろう付面に対する外側部品の
端面とで構成される径方向のろう付部に拡がる。そし
て、やはりフラックス供給溝および嵌合クリアランス等
の設定により、嵌合部と径方向のろう付部の両方に均一
にフラックスを残留させることができ、この残留したフ
ラックスと置換してろう材を浸透させ、嵌合部および径
方向のろう付部の両方で確実なろう付を行うようにでき
る。
【0018】上記ろう付方法は、例えば、互いに嵌合さ
れる複数の部品が、自動車用変速機に組み込まれるギヤ
部材を構成するヘリカルギヤとクラッチコーンである場
合に適用できるものである。
【0019】また、本発明に係るろう付部品は、軸方向
への嵌合動作により外側部品に対し嵌合されろう付けさ
れる内側部品を提供するものであって、該内側部品は、
嵌合面の嵌合終端部を基端として径方向に拡がるろう付
面を有し、該ろう付面の基端部位に環状のろう材供給溝
を有するととともに、嵌合面の嵌合始端側部分に環状の
フラックス供給溝を有することを特徴とする。これらろ
う材供給溝およびフラックス供給溝は、いずれも内側部
品の外周に設けることになり、内周を削る場合に比べて
加工が容易である。そして、この場合、予めフラックス
供給溝に充填されたフラックスは、嵌合後の加熱により
体積膨張して、嵌合部に拡がり、さらに、内側部品のろ
う付面と該ろう付面に対する外側部品の端面との部分で
径方向のろう付部に拡がる。そして、フラックス供給溝
および嵌合クリアランス等の設定により、嵌合部と径方
向のろう付部の両方に均一にフラックスを残留させるこ
とができ、この残留したフラックスと置換してろう材を
浸透させ、嵌合部および径方向のろう付部の両方で確実
なろう付を行うようにできる。
【0020】
【発明の実施の形態】図1および図2は、本発明の実施
の形態の一例を示している。
【0021】この例は、本発明を、自動車のマニュアル
変速機に組み込まれるギヤ部材を鋼製のヘリカルギヤに
鋼製のクラッチコーンを圧入し接合して製作する場合に
適用したものである。
【0022】図1において、10はクラッチコーンであ
り、20はヘリカルギヤである。これらクラッチコーン
10およびヘリカルギヤ20は、別部品として予め製作
されるものである。
【0023】クラッチコーン10は、外周面がテーパー
状のコーン面とされた筒部11と、外周にギヤ歯12を
有するギヤ部13とが一体形成されたものもので、これ
ら筒部11およびギヤ部13を軸芯方向に貫通する軸孔
14が設けられている。この軸孔14は、筒部11内の
大径孔部14aと、ギヤ部13内の小径孔部13bとか
らなっている。
【0024】ヘリカルギヤ20は、外周に嵌合面21を
有し、圧入によりクラッチコーン10の軸孔14の小径
孔部14bに嵌合される嵌合軸部22と、外周にギヤ歯
23を有するギヤ本体部24とが一体形成されたもの
で、これら嵌合軸部21およびギヤ本体部24を貫通す
る軸孔25が設けられている。この場合の軸孔25は、
嵌合軸部21とギヤ本体部24に亙って同一径である。
【0025】ギヤ本体部24には、嵌合軸部22外周の
嵌合面の嵌合終端部を基端として径方向に拡がるろう付
面26が形成され、嵌合軸部22には、上記ろう付面2
6の基端部位に環状のろう材供給溝27が周設されてい
る。また、嵌合軸部22には、嵌合面の嵌合始端側部分
に環状のフラックス供給溝28が形成されている。
【0026】嵌合軸部22外周の嵌合面21は、フラッ
クス供給溝28より嵌合始端側の部分21aが、クラッ
チコーン10の軸孔14の小径孔部14bに対し所定の
圧入代を有する径寸法とされ、フラックス供給溝28よ
り嵌合終端側の部分21bが、クラッチコーン10の軸
孔14の小径孔部14bに対し所定の嵌合クリアランス
を形成する径寸法とされている。嵌合軸部22外周の嵌
合面21の嵌合終端側の部分21bと、クラッチコーン
10の軸孔14の小径孔部14bとの嵌合クリアランス
は、圧入後の状態において20〜50μとされ、より好
ましくは、40〜50μとされる。
【0027】クラッチコーン10とヘリカルギヤ20と
は、図1に示される同軸配置で圧入プレスにセットされ
て、軸方向にプレスされ、ヘリカルギヤ20の嵌合軸部
22にクラッチコーン10の軸孔14の小径孔部14b
が圧入される。そして、圧入されたクラッチコーン10
とヘリカルギヤ20は、その後、浸炭炉で浸炭処理さ
れ、また、浸炭と同時にろう付が行われる。
【0028】図2の(a),(b)および(c)は、ク
ラッチコーン10をヘリカルギヤ20に圧入し浸炭同時
ろう付する方法の工程を示す模式図である。
【0029】図2の(a)は圧入工程を示す。この工程
では、矢印で示すように、クラッチコーン10をヘリカ
ルギヤ20に圧入する。その際、ヘリカルギヤ20に
は、ろう材供給溝27に開リング状のろう材29をセッ
トし、その上からフラックス30を塗布するとともにフ
ラックス供給溝28にフラックス30を充填しておく。
ろう材29には、浸炭同時ろう付に適したろう材、例え
ば、CuとMnとを主成分とし20〜45重量%のMn
と0〜15重量%のNiを含む合金のろう材を用いる。
【0030】図2の(b)は、圧入後の状態を示す。こ
の状態で、嵌合部はフラックス供給溝28より嵌合終端
側に20〜50μmの嵌合クリアランス、より好ましく
は40〜50μmの微小は嵌合クリアランスが形成され
る。また、この圧入後の状態において、ヘリカルギヤ2
0のろう付面26とクラッチコーン10の端面とが当接
するろう付部は、40〜80μmの微小間隙を以て当接
した状態となる。この状態で、クラッチコーン10とヘ
リカルギヤ20を浸炭炉に入れて、浸炭処理し、また、
浸炭と同時にろう付する。
【0031】浸炭処理すると、フラックス30は加熱に
よって溶融し、体積膨張する。フラックス30は、フラ
ックス供給溝28に必要量が予め充填されていて、体積
膨張すると、嵌合部はフラックス供給溝28より嵌合始
端側が圧入代を以たきつい嵌合であり嵌合終端側が嵌合
クリアランスを以た緩い嵌合であるため、フラックス3
0は嵌合終端側に流れて、上記嵌合クリアランスに充満
し、さらに、上記ろう付部の微小間隙に充満し、余分は
流出する。フラックス供給溝28は、例えば深さ0.5
mm程度のアール溝でよく、それにより、フラックス3
0を予め必要量充填しておくことができる。
【0032】こうしてフラックス30が嵌合クリアラン
スの全域およびろう付部の全域に均一に行き渡り、残留
する状態で、ろう材29が溶融する。そして、溶融した
ろう材29がフラックスと置換し、上記嵌合クリアラン
スおよび上記ろう付部に浸透して、充満し、凝固する。
こうして、クラッチコーン10とヘリカルギヤ20は、
浸炭処理されるとともに、嵌合部およびろう付部の両方
で確実にろう付され、強固に接合されたギヤ部材とな
る。図2の(c)は、この浸炭同時ろう付後の状態を示
す。
【0033】上記ギヤ部材は、浸炭炉から取り出した
後、焼入れ処理する。
【0034】図3は、本発明の実施の形態の他の例を示
している。
【0035】この例は、外側部品210と内側部品22
0とを圧入により単に筒状に嵌合させ、浸炭と同時に嵌
合部でのみろう付する場合に本発明を適用したものであ
る。この例では、内側部品220の嵌合面の嵌合始端側
部分に、ろう材・フラックス供給溝31を設け、そのろ
う材・フラックス供給溝31より嵌合始端側の部分が、
外側部品220に対し所定の圧入代を有する径寸法とさ
れ、ろう材・フラックス供給溝31より嵌合終端側の部
分が、外側部品220に対し所定の嵌合クリアランスを
形成する径寸法とされている。この場合も嵌合クリアラ
ンスはやはり、圧入後の状態において20〜50μとさ
れ、より好ましくは、40〜50μとされる。
【0036】図3の(a)は圧入工程を示す。この工程
では、矢印で示すように、外側部品210を内側部品2
20に圧入する。その際、内側部品220には、ろう材
・フラックス供給溝31に開リング状のろう材29をセ
ットするとともに、その上からフラックス30を塗布充
填しておく。この場合も、ろう材29には、浸炭同時ろ
う付に適したろう材、例えば、CuとMnとを主成分と
し20〜45重量%のMnと0〜15重量%のNiを含
む合金のろう材を用いる。
【0037】図3の(b)は、圧入後の状態を示す。こ
の状態で、嵌合部はろう材・フラックス供給溝31より
嵌合終端側に20〜50μmの嵌合クリアランス、より
好ましくは40〜50μmの微小は嵌合クリアランスが
形成される。そして、ろう材・フラックス供給溝31か
ら押し出されたフラックス30がこの嵌合クリアランス
に流れる。この状態で、外側部品210と内側部品22
0を浸炭炉に入れて、浸炭処理し、また、浸炭と同時に
ろう付する。
【0038】浸炭処理すると、フラックス30は加熱に
よって溶融し、体積膨張する。そして、嵌合部のろう材
・フラックス供給溝31より嵌合始端側は圧入代を以た
きつい嵌合であり嵌合終端側が嵌合クリアランスを以た
緩い嵌合であるため、フラックス30は嵌合終端側に流
れて上記嵌合クリアランスに充満し、余分は流出する。
この場合のろう材・フラックス供給溝31は、通常のろ
う付供給溝に対し深さを例えば0.5mm程度の深くし
た溝でよく、それにより、フラックス30を予め必要量
充填しておくことができる。
【0039】この例でも、上述のようにフラックス30
が嵌合クリアランスの全域に均一に行き渡り、残留する
状態で、ろう材29が溶融する。そして、溶融したろう
材29がフラックスと置換し、上記嵌合クリアランスに
浸透して、充満し、凝固する。こうして、外側部品21
0と内側部品220は浸炭処理されるとともに、嵌合部
でろう付され、強固に接合された一体の部材となる。図
3の(c)は、浸炭同時ろう付後の状態を示す。
【0040】なお、上の各例は、内外二つの部品を圧入
により嵌合する場合であるが、本発明は、このように二
つの部品を圧入によろ嵌合する場合に限るものではな
く、複数の部品を互いに嵌合するものに広く適用できる
ものである。
【0041】また、上の各例は、浸炭処理と同時にろう
付する場合であるが、本発明は、他の工程でろう付する
ものにも適用できるものである。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、軸方向への嵌合動作に
より内側および外側となって互いに嵌合される複数の部
品の嵌合部にフラックスを行き渡らせることができ、し
たがって、フラックスと置換して浸透するろう材を用い
たろう付により嵌合部を確実に接合することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態の一例に係るギヤ部材の嵌合前の断
面図である。
【図2】図1の例における圧入および浸炭同時ろう付の
工程を示す模式図である。
【図3】他の例における圧入および浸炭同時ろう付の工
程を示す模式図である。
【符号の説明】
10 クラッチコーン 14 軸孔 14b 小径孔部 20 ヘリカルギヤ 21 嵌合面 26 ろう付面 27 ろう材供給溝 28 フラックス供給溝 29 ろう材 30 フラックス 31 ろう材・フラックス供給溝 210 外側部品 220 内側部品

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向への嵌合動作により内側および外
    側となって互いに嵌合される複数の部品をそれら部品間
    の少なくとも嵌合部においてろう付する方法であって、 嵌合面の嵌合始端側部分に環状のフラックス供給溝を設
    けた部品を準備し、 該部品の前記フラックス供給溝にフラックスを供給し
    て、他の部品を嵌合し、ろう付することを特徴とするろ
    う付方法。
  2. 【請求項2】 前記部品間の嵌合は、前記フラックス供
    給溝より嵌合始端側がクリアランスを設けない嵌合とさ
    れ、前記フラックス供給溝より嵌合終端側が前記嵌合始
    端側よりも緩い嵌合とされた請求項1記載のろう付方
    法。
  3. 【請求項3】 前記部品間の嵌合は、圧入による嵌合で
    ある請求項1記載のろう付方法。
  4. 【請求項4】 前記部品間の嵌合部には、前記フラック
    ス供給溝より嵌合終端側に所定の嵌合クリアランスが設
    けられた請求項1,2または3記載のろう付方法。
  5. 【請求項5】 内側となる部品に前記フラックス供給溝
    が設けられた請求項1記載のろう付方法。
  6. 【請求項6】 内側となる部品は、前記嵌合面の嵌合終
    端部を基端として径方向に拡がるろう付面を有し、該ろ
    う付面の基端部位に環状のろう材供給溝を有する請求項
    1記載のろう付方法。
  7. 【請求項7】 前記複数の部品が、自動車用変速機のギ
    ヤ部材を構成するヘリカルギヤとクラッチコーンである
    請求項1記載のろう付方法。
  8. 【請求項8】 軸方向への嵌合動作により外側部品に対
    し嵌合されろう付けされる内側部品であって、嵌合面の
    嵌合終端部を基端として径方向に拡がるろう付面を有
    し、該ろう付面の基端部位に環状のろう材供給溝を有す
    るととともに、前記嵌合面の嵌合始端側部分に環状のフ
    ラックス供給溝を有することを特徴とするろう付部品。
JP5852697A 1997-02-25 1997-02-25 ろう付方法およびそのろう付部品 Pending JPH10235468A (ja)

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