JPH10233434A - 静電吸着体と静電吸着装置 - Google Patents

静電吸着体と静電吸着装置

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JPH10233434A
JPH10233434A JP3755997A JP3755997A JPH10233434A JP H10233434 A JPH10233434 A JP H10233434A JP 3755997 A JP3755997 A JP 3755997A JP 3755997 A JP3755997 A JP 3755997A JP H10233434 A JPH10233434 A JP H10233434A
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JP
Japan
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electrostatic
adsorbed
attraction
contact portion
dielectric
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Application number
JP3755997A
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English (en)
Inventor
Azusa Shimamura
あずさ 島村
Nobuo Tsumaki
伸夫 妻木
Tadashi Otaka
正 大高
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電吸着装置にて試料吸着を行う際の、試料
裏面への異物付着量を低減する。 【解決手段】 静電吸着体100の吸着部3の表面(吸
着面)を加工して被吸着物1との接触部4及び非接触部
5となる凹凸を形成し、被吸着物1と静電吸着体の吸着
面の接触面積を吸着部面積の10%未満とすると同時
に、被吸着物吸着時の被吸着物1と前記非接触部5の間
隔を0.35〜9.0μmとした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導体またはシリコ
ンウエハのような半導体等、微細加工に供される試料を
固定保持または搬送するために用いる静電吸着体及び静
電吸着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体ウエハ等の試料にエッチングを施
す場合、あるいはスパッタ、CVD(Chemical Vapo
r Deposition)等による成膜を施す場合には、試料を
装置の所定の位置に固定保持することが必要となる。特
に半導体ウエハ上に微細パターンを加工する場合には、
ウエハのパターン焼き付けのため、反りを矯正し平坦化
を行うので、ウエハを確実に所定の位置に密着固定する
ことが要求される。またエッチングや、スパッタ、CV
D等の装置では、エッチングや成膜時のウエハとウエハ
サセプタの熱伝導率を向上させるためにウエハ裏面にガ
スを導入するが、ウエハとウエハサセプタの隙間が均一
でなければ、熱伝導率を低下させる上に、ウエハ面内で
の温度の不均一ができてしまうために、ウエハを一様に
密着させることのできるウエハサセプタが必要となる。
従来から、このような用途の試料保持手段として、真空
中でも使用が可能であり、またウエハ裏面全面にて一様
に吸着力を発生させることができる静電吸着体を備えた
静電吸着装置が用いられている。静電吸着装置は、真空
中でウエハ保持ができるため、真空中高速搬送の保持装
置としても利用されている。この静電吸着体は、電極板
と誘電体を積層して構成され、電極板と被吸着物である
試料との間に電位差を生じさせることにより、クーロン
力を発生させ誘電体上に試料を吸着保持させるものであ
る。
【0003】静電吸着体は直接ウエハ裏面に接触するた
め、吸着する際にウエハ裏面に異物を付着させる原因と
なる。このような静電吸着装置に関して、例えば、特開
平5−6933号公報では静電吸着体の吸着面に凹部を
形成して、被吸着物との接触部と吸着面全体の面積比を
10〜30%とし、かつ該接触部の表面粗さ(Rmax)を
0.8S以下として異物の付着を防止することが提案さ
れていた。
【0004】最近の半導体製造プロセスではウエハ表面
のみならず、ウエハ裏面への塵埃の付着が問題となって
いる。これは、洗浄工程でのウエハ裏面から表面への異
物の乗り移りや裏面異物の存在によるフォトリソグラフ
ィー工程でのデフォーカスがあるためである。このため
ウエハ裏面をクリーンな状態に保つことが重要視されて
きている。
【0005】上述の技術については、他に特公平7−1
9831号公報に開示の例がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】静電吸着装置で試料、
例えば半導体ウエハを吸着した場合、ウエハ裏面に異物
が付着する理由として次のことが考えられる。第1に、
静電吸着体とウエハの間の接触面での微小滑りによる摩
耗紛が異物としてウエハ裏面に付着する場合がある。静
電吸着体を構成する誘電体は硬質材料であるセラミック
スで作られている場合が多く、焼結によって作られてい
るために、表面の微小な突起がウエハと接触する際の微
小滑りによりウエハを削ってしまい、その摩耗紛がウエ
ハ側に付着することがある。
【0007】第2に、静電吸着装置の製造、加工中、あ
るいは使用中に付着しその後の洗浄でとりきれない異物
や、裏面が汚染されたウエハを吸着した際に静電吸着装
置側に付着堆積してしまった異物が、ウエハ裏面に接触
することや電界の作用によりウエハに転写される場合が
ある。静電吸着体の吸着面とウエハは実際には完全に密
着しているわけではなく、両者の間には表面粗さやうね
りによる微小な隙間が所々に存在した状態となってい
る。その隙間に塵埃が存在した状態で、吸着力を発生さ
せるために電圧を印加すると、塵埃も電界の影響を受け
てウエハ裏面に付着する場合がある。また逆に、裏面が
汚染されたウエハを吸着した際にウエハから静電吸着体
側に異物が転写されることも起こりうるが、吸着面のウ
エハとの接触部面積が大きい場合、そういった転写の確
率は高くなる。よってウエハとの接触面積を小さくした
方が、結果的にウエハは汚染されにくい。
【0008】上記従来例では、ウエハ裏面への異物付着
を減少させるために、静電吸着体とウエハとの接触面積
を低減し、非接触部分は異物が付着できないようすき間
をあけるといった方法により対策されているものの、非
接触部とウエハとのすき間(10〜50μm)が大きす
ぎて非接触部での吸着力を得ることが不可能である。従
って所望の吸着力を得るためには一定の接触面積が必要
で、静電吸着体とウエハとの接触面積の低減化が不足し
ており、ウエハ裏面異物の付着を低減する手段としては
まだ不十分であった。
【0009】本発明の目的は、静電吸着装置にて試料吸
着を行う際に、試料裏面の異物付着を低減することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、電極板に誘電体を積層してなり、電極板と被吸着物
間に電位差を生じさせることによって前記誘電体の吸着
面に被吸着物を吸着させる静電吸着体において、静電吸
着体の吸着面表面に被吸着物との接触部及び非接触部と
なる凹凸を形成し、この凹部である非接触部の吸着力を
も利用して被吸着物を吸着させる構成とする。さらに、
前記凹凸形成の際、接触部である凸部の面積が吸着面の
面積の10%未満となるように凹凸を形成する。静電吸
着体は、誘電体に電極を装着して形成してもよい。
【0011】非接触部の吸着力を利用するために、吸着
状態での、非接触部である凹部の底部と被吸着物とのす
き間を0.35〜9.0μmとする。非接触部の吸着力
を利用することにより、必要吸着力を保ったままの状態
で、吸着面に対する接触面積を従来と比較して飛躍的に
小さくすることが可能となる。
【0012】静電吸着体の吸着面における接触部の面積
が小さければ小さいほど、静電吸着装置と被吸着物との
摩擦は起こりにくく、被吸着物への異物の転写確率が低
くくなるため、異物付着低減化効果が大きくなる。非接
触部の被吸着物とのすき間を0.35〜9.0μmとし
た場合、非接触であっても吸着力が十分得られるため、
接触部の面積を大幅に低減した場合でも全体として必要
とする吸着力を容易に得ることができる。
【0013】また、被吸着物との接触部及び非接触部と
なる吸着面表面の凹凸は、エッチングにより形成した構
成とする。吸着面表面の凹凸は、スパッタやCVDで部
分的に成膜を行うことにより形成したものとしてもよ
い。この場合、接触部(凸部)は、静電吸着体を構成す
る誘電体と異なった材質で成膜を行うことにより形成さ
れたものとしてもよい。
【0014】また、静電吸着装置を含んでなる半導体製
造装置及び半導体検査装置においては、前記の構成の静
電吸着体を用いた静電吸着装置を備えることで上記の目
的が達成される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を参
照して説明する。図1は本発明の第1の実施例を示す正
面図、図2はその横断面図である。図1、図2に示す静
電吸着装置は、ウエハ搬送を行うための搬送ロボットに
取り付ける搬送アームに適用した例で、被吸着物(例え
ば半導体ウエハ)1を吸着する静電吸着体100と、静
電吸着体100にリード線9を介して電圧を供給する電
源7と、リード線7に介装されて静電吸着体100に印
加される電圧を断接するスイッチ8と、を含んで構成さ
れている。
【0016】静電吸着体100は、誘電体からなり一方
の端部を吸着部3としたアーム本体2と、吸着部3の反
吸着面側に取付けられ、前記リード線9が接続されてい
る電極板6,6’と、を含んで構成されている。吸着部
3の吸着面側には、被吸着物1との接触部4が凸状に形
成されている。図示の例では、アーム本体2を誘電体で
構成し、その端部を拡大して吸着部3としたものである
が、吸着部3のみを誘電体としてもよい。吸着部3の吸
着面には、被吸着物1との接触部(以下、凸部ともい
う)4が形成され、凸部4以外の部分は非接触部(凹
部)5である。
【0017】なお、この実施例では双極型の静電吸着装
置を示したが、被吸着物(半導体ウエハ)1からアース
をとる手段を設けて、あるいは複数の接触部4のうち一
ヶ所以上の部分に導電性材料を用いることにより、単極
型の静電吸着装置とすることもできる。また、図1、図
2では搬送アームの例を挙げたが、本発明はこのような
搬送アームを用いる装置、例えば測長用走査型電子顕微
鏡などの検査装置に限定されるものではなく、エッチン
グ装置やスパッタ装置、CVD装置、イオン打ち込み装
置、EB描画装置など静電吸着装置を用いて半導体ウエ
ハ等を保持固定する装置すべてに有効である。これらウ
エハの平坦化のために大きな面積をもつ静電吸着装置に
本発明を適用する場合には、接触部となる凸部の形状及
び分布は、ウエハの反りを防止できる範囲となるよう配
置、形成しなければならない。これらの装置における静
電吸着装置は吸着面積が大きいため、特に本発明の効果
は高い。
【0018】このように構成された静電吸着装置におい
てスイッチ8をオンとして電圧を印加すると、被吸着物
(以下ウエハという)1と静電吸着体の電極板6との間
の電位差によって生じる静電気の作用により、ウエハ1
は吸着部3の吸着面側に吸着され、前記凸部4に当接し
て固定保持される。これにより、ウエハ1の高速での回
転運動や直線運動、上下動などの動作に対してもずれを
生じさせずに搬送が可能となる。
【0019】通常、静電吸着装置の吸着面は絶縁性誘電
体で作られるが、その誘電体の材質は硬質材料であるS
iC、Al23、Si34、AlN、Cr23等、焼結で作
られるセラミックスである。それらの誘電体の表面には
微小な突起、および加工の際に残された微小なバリ等が
存在しており、吸着面とウエハが接触する際に微小滑
り、すなわち摩擦が起き、その摩耗紛が付着異物となっ
てウエハ裏面を汚染する。あるいは、単に吸着面とウエ
ハが接触するだけであっても、異物が電界の影響を受け
てウエハ側に転写するといった現象が起こり、ウエハ裏
面が汚染される。
【0020】本実施例のように吸着面に凹凸を形成し、
ウエハとの接触部である凸部4の総面積を小さくすれ
ば、上記のような異物発生の原因となる摩擦や、異物の
転写が起こる確率が小さくなり、結果としてウエハ裏面
に付着する異物を低減することができる。接触面積を小
さくすればするほど異物付着低減化の効果が高くなる
が、通常では接触面積を小さくすると吸着力が低下し、
ウエハを固定保持できなくなるといった問題が起こる。
しかし、非接触部のウエハとの隙間の大きさを小さく限
定することで、非接触部分であっても吸着力を持つこと
ができるので、この吸着力も利用することにより静電吸
着装置全体として必要な吸着力を得ることが可能とな
る。
【0021】ここで、図3に被吸着物と吸着面非接触部
(以下誘電体膜という)間の隙間a=0の時の吸着力F
0を100%とした場合の隙間aと吸着力Fの関係を計算し
た結果を示す。この吸着力Fは、隙間a=0のとき以外
では、接触面積はないと仮に考えた場合の力である。こ
こでは、吸着部誘電体の厚さ2mmで、比誘電率600と
300のSiC製の静電吸着体を用いた場合を例として
示している。静電吸着装置の吸着力Fは、次式(1)で
表される。
【0022】
【数1】
【0023】ε0:真空の誘電率、V:電極間電位差、
a:被吸着物−誘電体膜間の空隙間隔、b:誘電体膜の
厚さ、κ:比誘電率を表す。
【0024】図3からわかるように、隙間aが大きくな
るほど吸着力Fは小さくなっているが、隙間aが9.0
μm以下の範囲では、比誘電率300の静電吸着体で
は、吸着力は隙間aが大きくなるにつれて次第に低下す
るもののF0の約20%を保持している。この吸着力低
下は、例えば前記の比誘電率κ=300の静電吸着装置
の例では、印加電圧を2倍程度に上げるといった対策を
行うことで十分補うことができる。このことは、静電力
の大きさが電位差の2乗に比例し、かつ吸着部誘電体の
厚さの2乗に反比例する、すなわち電界強度(電位差/
吸着部誘電体厚)の2乗に比例することを示す式(1)
からも明らかである。吸着部誘電体厚については、静電
吸着体自体の強度面や絶縁耐圧の点で問題となるが、可
能な範囲で厚みを変更し、吸着力を確保しても良い。
【0025】ところで、被吸着物と誘電体膜との隙間が
小さい方が大きな吸着力を得られるが、図4に示したよ
うに、ウエハ1と静電吸着体の吸着部3の誘電体との隙
間aより大きな異物がウエハ1と静電吸着体の吸着部3
の間に存在した場合には、異物がウエハ裏面に付着して
しまうので、付着異物低減に対して効果がない。現在、
半導体製造における異物の管理基準が対象にしている粒
子は、径が0.2〜0.3μm程度以上のものであり、
また、半導体製造プロセスの微細化によりクリーン化技
術が進んできているため、粒子径の大きな異物は少なく
なってきている。つまり、静電吸着体にウエハに吸着さ
せる際に、最も多く存在している0.2〜0.3μm程
度の粒子径を持つ異物の付着を防止することにより、ウ
エハへの異物付着は大幅に低減できる。そこで、本実施
例では、図5に示すように0.2〜0.3μm程度の径
を持つ異物が静電吸着体の吸着面凹部の中に入り込み、
ウエハに付着できない程度にウエハと誘電体膜との隙間
を空けた。さらに、表面に凹凸を形成する際の加工精度
や、表面粗さ等との関係をも考慮すると、現実的には、
被吸着物吸着時の非接触部における被吸着物と誘電体膜
との隙間aは、0.35μm以上とするのが望ましい。
【0026】また、式(1)による計算の上では、吸着
面と被吸着物の間全体に隙間がある状態、すなわち接触
面積が0であっても良いことになるが、実際には接触面
積を0とすることは不可能であるため、限りなく0に近
く、かつ被吸着物を保持できる程度の接触面積が必要と
なる。図6に接触面積を低減したときの、被吸着物−誘
電体膜間の隙間aと吸着力Fとの関係を示す。図3と同
じ条件の静電吸着装置を例とし、同様に被吸着物と誘電
体膜間の隙間a=0で、接触面積を100%とした時の
吸着力F0を100%とした。例えば隙間a=2.0μm
のとき、接触面積なしと仮定した場合に得られる吸着力
はもとの隙間a=0のときの吸着力Fの59.2%
(図3)であるが、図6に示したように、接触面積比を
10%とした場合の吸着力は、隙間なし全面接触時の6
3.3%となる。また、接触面積比を更に小さくした1
%の場合には、59.6%となる。このように、接触面
積を低減すると吸着力は小さくはなっているが、その減
少はわずかである。これはウエハと誘電体膜の隙間を狭
く限定することにより非接触部の吸着力を確保している
ためである。
【0027】図6によれば、被吸着物と誘電体膜間の隙
間a=9μmとし、かつ接触面積比を1%としたときで
も、比誘電率κ=300の誘電体を用いれば、全面接触
の場合の吸着力の約20%を発生できることがわかる。
全面接触の場合の吸着力の約20%を発生できれば、ウ
エハの吸着に支障はない。言い替えると、誘電体の比誘
電率、印加する電圧等を適切に選定することにより、被
吸着物と誘電体膜間の隙間a=9μmとし、かつ接触面
積比を1%としたときでも、十分な吸着力を発生できる
ことがわかる。
【0028】ウエハへの異物付着数は、ウエハと吸着部
の接触面積に比例する傾向にあるため、吸着部の接触部
(凸部)の面積はウエハを保持できる範囲で、0.1%
〜0.01%程度まで、できる限り小さくすることによ
りウエハ裏面付着異物を低減することができる。また、
静電吸着によりウエハ裏面に付着する大量の異物を効果
的に減少させるためには、ウエハとの接触部の面積は吸
着面の面積の10%未満であることが望ましい。
【0029】そこで、本実施例では、接触部4の総面積
を吸着面3の面積の10%未満とし、同時に、非接触部
5のウエハ1との隙間を0.35〜9.0μmとした。
接触部4の面積を小さくしても、非接触部5の持つ吸着
力を用いてウエハ1を吸着することにより、必要な吸着
力を発生させ、かつ、ウエハ裏面付着異物を大幅に減少
することができた。
【0030】なお、静電吸着体の吸着力、吸着面の面
積、ウエハの種類等に応じて、ウエハがたわまない範囲
で、上記吸着面の接触部4の形状は図1のような円形の
島状の他に、多角形の島状や、互いに平行あるいは格子
状、放射状である直線形等、様々な形状とすることがで
きる。
【0031】図7は、本発明の第2の実施例を表す横断
面図である。図7は静電吸着体の吸着面の凹凸の形成手
順の例を示すもので、吸着面の凹凸をエッチングにより
形成する場合の図である。まず、吸着部3の吸着面上に
凸部のパターンであるマスク10を形成し、エッチング
を行う。マスクのない部分のみエッチングされて凹部と
なるので、マスクを取り除くと、マスク10があった部
分を凸部とする凹凸が形成される。誘電体の材質により
エッチング条件を選べば良いため、ドライエッチングで
もウェットエッチングでも加工は可能である。
【0032】図8は、本発明の第3の実施例を表す横断
面図である。図8は静電吸着体の吸着面の凹凸の形成手
順の他の例を示すもので、この場合は静電吸着装置の吸
着面の凹凸をスパッタまたはCVDにより形成する。ま
ず、吸着面上に凸部のパターンであるマスク10’を付
け、スパッタまたはCVDにより成膜処理を行うと、マ
スクのない部分にウエハ1との接触部となる凸部が形成
される。成膜処理に用いる材料としては、静電吸着装置
の吸着部を構成する誘電体であるSiC、Al23、Si3
4、AlN、Cr23等のセラミックスと同じ材質であ
っても、また違った材質のものでも可能である。高純度
で熱的に安定な薄膜であれば、半導体膜または絶縁膜の
いずれでもよく、ウエハへの汚染の影響が少ない材料と
して、非晶質シリコンあるいは多晶質シリコンなどのシ
リコン薄膜やSiO2などのシリコン化合物薄膜などがよ
い。また、比誘電率の大きい強誘電体を接触部の形成に
用いれば、大きい吸着力が得られるが、逆に、吸着力を
持たない材質で接触部を形成してもよい。ウエハとの摩
擦に対して低発塵である材料、例えば非晶質ダイヤモン
ド、多結晶ダイヤモンドなどの材料を用いれば、接触時
の発塵を抑えることができるため、ウエハの汚染を低減
することができる。
【0033】上記実施例は、誘電体に電極を装着した構
成であるが、逆に電極板に誘電体膜を積層成膜し、成膜
段階で誘電体表面に非接触部、接触部となる凹凸を形成
するようにしてもよい。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、静
電吸着装置の吸着面表面の被吸着物との接触面積を大幅
に小さくしたため、静電吸着装置の被吸着物(試料)吸
着による被吸着物裏面付着異物を低減し、最終的に被吸
着物の汚染を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す正面図である。
【図2】本発明の第1の実施例を示す横断面図である。
【図3】本発明の実施例における、被吸着物−誘電体膜
間の隙間aと吸着力Fの関係を示すグラフである。
【図4】従来技術の例をを示す断面拡大図である。
【図5】本発明の第1の実施例の部分を示す拡大図であ
る。
【図6】被吸着物−誘電体膜間の隙間aと吸着力Fの関
係を、接触面積比をパラメータにして示すグラフであ
る。
【図7】本発明の第2の実施例を示す横断面図である。
【図8】本発明の第3の実施例を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 半導体ウエハ 2 静電吸着装置 3 吸着面 4 接触部(凸
部) 5 非接触部(凹部) 6・6’ 電極板 7 電源 8 スイッチ 9 リード線 10・10’ マ
スク 100 静電吸着体

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電極板に誘電体を積層してなり、電極板
    と被吸着物間に電位差を生じさせることによって前記誘
    電体の吸着面に被吸着物を吸着させる静電吸着体におい
    て、誘電体の吸着面表面に、被吸着物吸着時に被吸着物
    との接触部となる凸部および非接触部となる凹部を形成
    し、前記接触部の被吸着物との接触面積を吸着面面積の
    10%未満としたことを特徴とする静電吸着体。
  2. 【請求項2】 誘電体に電極板を装着してなり、電極板
    と被吸着物間に電位差を生じさせることによって前記誘
    電体の吸着面に被吸着物を吸着させる静電吸着体におい
    て、誘電体の吸着面表面に、被吸着物吸着時に被吸着物
    との接触部となる凸部および非接触部となる凹部を形成
    し、前記接触部の被吸着物との接触面積を吸着面面積の
    10%未満としたことを特徴とする静電吸着体。
  3. 【請求項3】 電極板に誘電体を積層してなり、電極板
    と被吸着物間に電位差を生じさせることによって前記誘
    電体の吸着面に被吸着物を吸着させる静電吸着体におい
    て、誘電体の吸着面表面に、被吸着物吸着時に被吸着物
    との接触部となる凸部および非接触部となる凹部を形成
    し、被吸着物吸着時に、被吸着物と前記非接触部の底部
    の間の間隔が0.35〜9.0μmであることを特徴と
    する静電吸着体。
  4. 【請求項4】 誘電体に電極板に装着してなり、電極板
    と被吸着物間に電位差を生じさせることによって前記誘
    電体の吸着面に被吸着物を吸着させる静電吸着体におい
    て、誘電体の吸着面表面に、被吸着物吸着時に被吸着物
    との接触部となる凸部および非接触部となる凹部を形成
    し、被吸着物吸着時に、被吸着物と前記非接触部の底部
    の間の間隔が0.35〜9.0μmであることを特徴と
    する静電吸着体。
  5. 【請求項5】請求項1または2に記載の静電吸着体にお
    いて、被吸着物吸着時に被吸着物と前記非接触部の底部
    の間の間隔が0.35〜9.0μmであることを特徴と
    する静電吸着体。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかに記載の静電
    吸着体において、被吸着物との接触部及び非接触部とな
    る吸着面表面の凹凸は、エッチングにより誘電体に形成
    されたものであることを特徴とする静電吸着体。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至5のいずれかに記載の静電
    吸着体において、被吸着物との接触部及び非接触部とな
    る吸着面表面の凹凸は、スパッタもしくはCVDで誘電
    体表面に部分的に成膜を行うことにより形成されたもの
    であることを特徴とする静電吸着体。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の静電吸着体において、吸
    着面表面の被吸着物との接触部となる凸部は、該凸部が
    形成される誘電体と異なった材質であることを特徴とす
    る静電吸着体。
  9. 【請求項9】 電極板が装着された誘電体を含んで形成
    され前記電極板を介して印加される電圧により前記誘電
    体に生じる電位差によって被吸着物を前記誘電体に吸着
    する静電吸着体と、前記電極板にリード線を介して接続
    された電源と、前記リード線に介装されたスイッチと、
    を含んでなる静電吸着装置において、前記静電吸着体が
    請求項1乃至8のいずれかに記載の静電吸着体であるこ
    とを特徴とする静電吸着装置。
  10. 【請求項10】 半導体ウエハを吸着保持する静電吸着
    装置を含んでなる半導体製造装置において、前記静電吸
    着装置が、請求項9記載の静電吸着装置であることを特
    徴とする半導体製造装置。
  11. 【請求項11】 半導体ウエハを吸着保持する静電吸着
    装置を含んでなる半導体検査装置において、前記静電吸
    着装置が、請求項9記載の静電吸着装置であることを特
    徴とする半導体検査装置。
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