JPH10231799A - 電気掃除機及び電動送風機 - Google Patents

電気掃除機及び電動送風機

Info

Publication number
JPH10231799A
JPH10231799A JP6496898A JP6496898A JPH10231799A JP H10231799 A JPH10231799 A JP H10231799A JP 6496898 A JP6496898 A JP 6496898A JP 6496898 A JP6496898 A JP 6496898A JP H10231799 A JPH10231799 A JP H10231799A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
impeller
electric blower
diffuser
case
vane
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6496898A
Other languages
English (en)
Inventor
Koji Iwase
幸司 岩瀬
Shigenori Sato
繁則 佐藤
Masaro Sunakawa
正郎 砂川
Hisanori Toyoshima
久則 豊島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP6496898A priority Critical patent/JPH10231799A/ja
Publication of JPH10231799A publication Critical patent/JPH10231799A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electric Suction Cleaners (AREA)
  • Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、小形で吸込仕事率の大きい電
気掃除機を提供することにある。 【解決手段】電動機に直結された羽根車90と、この羽
根車と前記電動機の間に設けたディフューザベーン94
とリターンガイドベーン95及び羽根車を覆うファンケ
ーシング92を備えた電動送風機によって、本体内の集
塵部に集塵する電気掃除機であって、前記ディフューザ
ベーンのスロート幅とディフューザベーンの入口内径と
の比を0.017から0.025とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は家庭用電気掃除機及
び掃除機に用いられる送風機に係り、特に吸込仕事率が
大きく、騒音を低減するのに好適な家庭用電気掃除機及
び送風機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電気掃除機の騒音を低減する装置
としては、特開昭58−169426号公報に記載のように、電
動送風機の排気流を整流筒内に通し、整流筒内に設けた
吸音材により、排気口からでる騒音を低減しようとする
ものがある。また、特開昭60−100928号公報に記載のよ
うに電動送風機を覆う電動送風機ケースを設けて、掃除
機本体と弾性支持したものがある。
【0003】一方、従来の家庭用電気掃除機に用いられ
る電動送風機では特開昭59−74396号公報に記載されて
いるように、羽根車の入口部では、側板を子午面から見
て側板外周側から連続した曲線で、しかも、羽根車の内
径に比して大きな半径を持つ曲線で構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開昭59−74396号公
報に記載のものでは排気騒音を低減することはできる
が、整流筒入口近傍での壁面からの透過音が相対的に大
きくなり易い。また、電動送風機から発生した騒音が、
集塵室の壁面から透過していく成分が相対的に大きくな
り易い。部分的には整流筒により、掃除機本体が2重の
壁面で構成されるが、掃除機として問題となり易い50
0から2000Hzの騒音を低減しようとすると、二つ
の壁の間隔を大きくとらねばならなかった。◆又、特開
昭60−100928号公報に記載のものでは、電動送風機から
発生する回転振動音を低減し、二つの壁の間隔を大きく
とることにより、騒音低減が図れるが、排気音の低減
と、集塵室からの透過音が相対的に大きくなるという問
題があった。◆又、特開昭59−74396号公報に記載のも
のでは、羽根車の入口部分ではファンケーシングの覆い
部と羽根車の側板はほぼ垂直に配置されていた。このた
め、軸方向から流入する流れが羽根車入口部で半径方向
に方向転換する際に、側板側で流れが剥離し大きな損失
を発生する。また、羽根車の入口部の流れ状態が悪いた
めに羽根車の羽根数と回転数の積に一致する騒音が増大
しやすかった。また、羽根車の入口とファンケーシング
との重なり長さが羽根車の側板の板厚で決定されるた
め、シール部の長さが1mm弱しかとれないので、漏れ流
量を低減することが困難であった。さらに、漏れ流れが
電動送風機の入口の主流とほぼ垂直になっているので、
流れの剥離が促進されていた。また、側板が子午面から
見て曲線状となっていたので、側板とベーンを取付けて
加締る際に、主板と側板が変形しやすく、羽根車の面振
れが大きくなりやすかった。また、羽根車内のベーンの
端面で隙間が生じて、漏れによる損失が増加しやすかっ
た。◆従来の電動送風機では特開昭59−74396号に示さ
れるように、遠心型送風機の一種でディフューザ翼、戻
り案内翼等の構成は、大型の送風機・圧縮機等のそれら
と似ているが、電気掃除機用の電動送風機では大きさ、
形状等に特に制約がある。通常の遠心送風機・圧縮機で
は、羽根車から吐出される流れが円周方向に対してなす
角度は10度から30度程度の値であり、従って、ディ
フューザ翼の入口角もこの値にあわせて設計される。し
かし、電気掃除機用の電動送風機は低比速度(対回転数
に対して圧力が高い割に流量が少ない)であり、一般に
羽根車の出口幅は小さく設計されるが、羽根車の出口幅
を小さくすると羽根車内の摩擦損失が大きくなるので、
羽根幅と羽根出口角を比較的大きくしている。このた
め、家庭用の電気掃除機に用いられる電動送風機では、
羽根車の出口絶対流れ角が6度程度で設計され、ディフ
ューザ入口角は5度程度までのものがある。◆この従来
技術では、電動送風機を小型で回転数を抑えるようにデ
ィフューザの入口角を小さくして、羽根車の圧力係数を
大きくするように設計がなされていた。この圧力係数を
さらに大きくするためには羽根車の出口絶対流速を上げ
る必要がある。これには、2つの方法がある。例えば、
羽根幅を大きく、羽根出口角を同じにして出口絶対流速
を上げる方法、もう1つは、羽根幅を薄くして羽根出口
角を大きくする方法がある。前者の方法は、羽根車の相
対速度が低下するので羽根車内の摩擦損失が低下するが
羽根車出口の絶対流れ角が小さくなり、従来の6度程度
のディフューザ入口角では設計風量点において、羽根車
出口の絶対流れ角と合わなくなり、ディフューザの効率
は設計点の風量より大風量で最大となり効果率を維持す
ることは難しい。さらに、小風量側では効率が著しく低
下すると共にサージングが発生し易くなるという問題が
あった。後者の方法は、翼間流路の幅が小さくなるので
羽根車内の流速が大きくなり摩擦損失が増え、羽根車の
効率が低下するという問題があった。また、圧力係数を
同一にして高出力化を図るには羽根車径を大きくする、
又は、回転数を高くする方法があるが電動送風機が大き
くなるとか、回転数の増加に伴う騒音の増大や電動機の
寿命など信頼性の低下をきたすという問題があった。
【0005】本発明の第一の目的は、小形で吸込仕事率
の大きい電気掃除機を提供することにある。
【0006】本発明の第二の目的は、電気掃除機の吸込
仕事率を大きくできる電動送風機を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的は、電動
機に直結された羽根車と、この羽根車と前記電動機の間
に設けたディフューザベーンとリターンガイドベーン及
び羽根車を覆うファンケーシングを備えた電動送風機に
よって、本体内の集塵部に集塵する電気掃除機であっ
て、前記ディフューザベーンのスロート幅とディフュー
ザベーンの入口内径との比を0.017から0.025
とすることによって達成される。◆また上記第二の目的
は、電動機に直結された羽根車と、この羽根車と前記電
動機の間に設けたディフューザベーンとリターンガイド
ベーン及び羽根車を覆うファンケーシングを備えた電動
送風機であって、前記ディフューザベーンのスロート幅
とディフューザベーンの入口内径との比を0.017か
ら0.025としたことを特徴とする電動送風機。◆上
記のスロート幅はディフューザのベーンの先端から隣あ
うベーンまでの最短距離である。
【0008】ディフューザのスロート幅をディフューザ
ベーンの入口内径に比して0.017から0.025と
したことにより、ディフューザ内に入った流れがスロー
ト部分で急激に加速されることがなく、損失の増加が抑
えられる。また、サージング発生領域が低風量側へ移行
して、掃除機としての作動範囲が広がる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を第1図
から第10図により説明する。
【0010】第1図は、本発明の一実施例を示す電気掃
除機の断面図、第2図は、第1図においてA方向から見
た横断面図、第3図は、第1図においてD方向から見た
縦断面図、第4図は第1図おいてB方向らみた横断面図
である。
【0011】掃除機本体1は、上ケース2,下ケース3
により構成され、下ケース3の下方には下ケース3と回
動自在に取付けた車輪台4、前方には集塵フィルター5
を交換するための開閉自在な集塵室蓋32、上ケース2
の上面には持ち運ぶためのハンドル70を有している。
掃除機本体1の内部には、電気掃除機の駆動源として、
機械的なブラシのない制御応答性の良いインバータ駆動
のブラシレス電動送風機7を内蔵する電動送風機室8,
集塵フィルター5を収納する集塵室9、電源を供給する
電源コード10を巻き取るコードリール11、および棚
用吸い口12を収納する付属部品収納室13が設けられ
ている。
【0012】電動送風機室8は、電動送風機ケース1
6,17で構成される第1のケースで形成される。電動
送風機ケース16の側面部15は略円筒状に構成され、
その反ファン側部の中心近くにブラシレス電動送風機7
を支持する支持部14aが形成されている。その支持部
14aの内周側は電動送風機ケース16の1部として凸
面状の曲面14で形成されている。その支持部14aの
外周側は、凹面状の曲面で形成され、側面部15の内周
とで第1のケースに内蔵する吸音材18を保持してい
る。一方、電動送風機ケース17の側面部も略円筒状に
構成され、ブラシレス電動送風機7の吸気側に環状の支
持部17bが形成されている。側面部から支持部17b
までを凸面状の曲面で構成し、その内側にブラシレス電
動送風機7を支持する環状のリブ17aが形成され、こ
のリブ17aの外周側凸面状の曲面の内周側とで吸音材
18を保持している。
【0013】ブラシレス電動送風機7は、両側を防振ゴ
ム36,防振ゴム37を介して電動送風機室8内で防振
支持し、回転振動音が電動送風機ケース17に直接伝わ
らないようにしている。電動送風機ケース16,17
は、それぞれ防振ゴム68,防振ゴム69を介して、排
気ダクトカバー22と仕切板63とに支持される。この
ような構成によりブラシレス電動送風機7で発生した回
転振動音を効果的に低減できる。また、ブラシレス電動
送風機7からの排気は2ヵ所の尾管38を通すことによ
り、ブラシレス電動送風機7自体の騒音レベルを低減で
きる。
【0014】電動送風機室8は、第2図で示すように、
下ケース3内にリング状に構成された排気ダクト室19
と滑かな曲面の排気管により接続されており、排気ダク
ト室19の底面側には電動送風機8と同様に、内側に吸
音材20が取り付けられている。また、電動送風機室8
の排気部には、排気風量を最適に調節して排気音を低減
するための、絞り部21が電動送風機ケース16と一体
に構成されている。排気ダクト室19は、下側を下ケー
ス3で、上側を排気ダクトカバー22で構成され、排気
空気を下ケース3に設けられた中間排気口24から下方
の車輪台4とは回動軸23を中心に回動自在に取付られ
ており、車輪台4には、4ヵ所のキャスター取付部25
が設けられ、キャスター軸26を回動中心としてキャス
ター27の回動が自在になるように構成されている。そ
の外周には家具等への傷付きを防ぐためのバンパー28
を取付けている。又、下ケース3の下方には、複数個
(通常は3から4個)の車輪29が設けられ、車輪台4
大の内面上をギャップをもって下ケース3が回動できる
ように構成している。また、この下ケース3と車輪台4
とのギャップ空間を、中間排気口24から排出された排
気流の分散排気室30として活用しており、排気口76
を通って排気空気が外部へ排出される。
【0015】集塵室9は、第3図で示すように略円筒状
の映塵ケース(第2のケース)と集塵蓋カバー6の内側
にある集塵蓋32により構成されている。集塵ケース3
1の側面部は、第3図に示すように4個の大きな曲率半
径を持つ外周側に凸な曲面と、その曲面を連結する4個
の小さな曲率半径を持つ外周側に凸な曲面から形成され
ており、ブラシレス電動送風機7の方向には円錐状のテ
ーパ部と環状の突起部78を有している。また、集塵ケ
ース31の壁面は外周がアルミであり、内周側がプラス
チックの2層のもので形成されている。集塵蓋32に
は、集塵蓋32の中心より上方に吸気ホース取付口62
aが設けられ、その取付口62aの周囲は凸面状の曲面
で構成されている。
【0016】集塵室9は、その内側に、高性能フィルタ
ー、すなわち、0.3μm程度の塵埃を99%以上まで
捕集可能なミクロフィルター33と、一部をフィルター
とした箱状のフィルターケース58と、この内側に収納
される集塵フィルター5とを有している。フィルターケ
ース58の吸い込み側外周には機密パッキン34が設け
られており、集塵室蓋32と集塵ケース31に当接させ
ることにより吸気した空気を封止している。また、集塵
ケース31の突起部78には、突起部78を覆うように
形成した防振ゴム35を嵌着させて、電動送風機ケース
17の環状の支持部17bの内周に当接させ、集塵室9
の空気洩れを防ぐようにしている。
【0017】ブラシレス電動送風機7の端部には、回転
子39の回転数を検知するための位置検出部40を設け
ている。この部分に細塵が侵入すると位置検出の信頼性
が低下するため、本実施例の場合には、ブラシレス電動
送風機7の吸気側にミクロフィルター33を配置して、
位置検出部40への微細塵の侵入を防止している。集塵
蓋カバー6内には、ホース62を回転自在に取付支持す
るホース差込口41が設けられ、気密パッキン(吸込
口)42を介して集塵室蓋32と気密をとっている。ま
た、集塵蓋32に取付けた気密パッキン(フィルター)
43で集塵室蓋32と紙袋フィルター5の当板部44の
気密をとっている。
【0018】次に、電気部品関係について説明する。第
5図に本実施例において使用される全体回路図を示す。
第5図において、交流100v電源44からの交流電圧
は、コンデンサ45とリアクトル46で構成する力率改
善部47、ノズルフィルター48を通したのち、整流回
路49で整流され、平滑用コンデンサ50により平滑に
されてインバータ回路51に直流電圧200vが供給さ
れるようになっている。ブラシレス電動送風機7は、2
極の永久磁石から成る回転子39と、三相の固定子巻線
を有している。ブラシレス電動送風機7の速度制御は、
回転子39の回転数を検出する位置検出機40,インバ
ータ回路51のトランジスタを駆動するベースドライバ
ー52および、位置検出部40より得られた検出信号に
基づいてベースドライバー52を駆動するマイクロコン
ピュータ53とからなる主要構成要素によって行われ
る。マイクロコンピュータ53は制御部54に収納さ
れ、この制御部54は、実際の使用者が操作する起動ス
イッチ、吸口(図示せず)に設けた回転ブラシ(図示せ
ず)の起動を操作するスイッチ等を含む手元操作回路5
5とつながっている。ブラシレス電動送風機7は、固定
子巻線に流れる電流によって電動機の出力トルクが決ま
るので、印加電流を変えれば出力トルクを可変にでき
る。すなわち、印加電流を調整することにより、電動機
の出力トルクを連続的に任意に変えることができる。
又、インバータの駆動周波数を変えることにより回転速
度を自由にかえることができる。
【0019】次に、各電気部品の掃除機本体1への実装
について説明する。力率改善用のコンデンサ45と平滑
用コンデンサ50は、円筒形状のものが適用されてお
り、第2図に示す如く端子側を上向きにして、金属ケー
ス57内にテープ56で固定されて収納されている。イ
ンバータ回路51は、モジュール化し集塵ケース31に
直接固定している。ここで、集塵ケース31は、金属ケ
ースとして、内側(フィルターケース58側)をプラス
チック材で電気絶縁処理を施している。又、インバータ
回路51は、内部損失により発熱量を多く、冷却する必
要があるため、集塵ケース31自体を冷却フィンとして
使用している。しなわち、集塵ケース31は、常に吸気
により冷却されるのでこの冷却作用を利用している。ま
た、集塵ケース31内を電気絶縁処理するのは、フィル
ターケース58がミクロフィルター33のメンテナンス
等のために集塵ケース31と着脱自在に構成しているた
めで、インバータ回路51と集塵ケース31とは一次的
に電気絶縁しているものの、万一に備え、これを二重に
絶縁するためである。力率改善用のリアクトル46は、
単品での重量が重いため、下ケース3の回動軸23上
で、平面方向から見て掃除機本体1の略中央部の最も安
定して強固に支持できる箇所に配置している。ノイズフ
ィルター48及び整流回路49は、一つの基板にまとめ
電流基板59とし、ベースドライバー52(基板化して
いる)とを、第4図に示す如く、基板上の部品同志が相
対するように組み合わせて、金属ケース60内に収納し
ている。ここで、金属ケース60内に収納するのは、電
波障害となるノイズ発生を制御するためである。マイク
ロコンピュータ53を含む制御部54は、集塵室8上方
に配置している。尚、コードリール11及び制御部54
は、仕切板63に搭載し、上方をリールカバー64で保
護している。制御部54側のリールカバー64上には、
吸込力の程度を表示するLED点灯式のパワーインジケ
ータ67が設けられている。
【0020】次に、以上説明してきた電気掃除機内の空
気の流れについて説明する。各図に白抜きの矢印で空気
の流れを示した。吸込気流は、塵埃と共にホース差込口
より集塵室8に流入し、集塵フィルター5とフィルター
ケース58とで塵埃を濾過したあと、フィルターケース
58のミクロフィルター33を通過し、0.3μm程度
の微細塵が99%以上取り除かれた状態で第8図に示す
ように、電動送風機ケース17に安全保護のために設け
た保護リブ71間を通ってブラシレス電動送風機7内に
入る。ブラシレス電動送風機7から排出された空気は、
尾管38を通ったのち、電動送風機室8内に入り、内貼
した吸音材18により減音された後、排気ダクト室19
へ滑らかに導かれる。ここで、第2図に示すように、尾
管38はブラシレス電動送風機7に2ヵ所取付ており電
動送風機室8の排気出口72の近傍からは一部の排気が
排気ダクト室19へ直接導かれるが、その他の排気は電
動送風機室8内を時計回りに流れる形で吸音材18によ
って効果的に吸音される。排気出口72の近傍から一部
の排気空気を排気ダクト室19へ直接導く際の風量は、
ブラシレス電動送風機7の性能と電動送風機室8の容積
によって決まるので、ブラシレス電動送風機7の性能が
高く、排気風量が多い場合には、排気空気全体を時計回
りに流すと、排気風速が上がってしまい、吸音材18に
より吸音効果が減ってしまう場合がある。この場合は、
一部の排気を直接排気ダクト室19へ導くように構成
し、全体の排気空気の風速を下げて、吸音材18による
吸音効果を高めて全体の騒音レベルを下げるようにする
のが良い。また、ブラシレス電動送風機7の性能が高
く、排気風速が高い以合でも、電動送風機室8の容積を
大きくすれば、排気空気の風速を適当なものとできるの
で、排気空気全体を時計回りに流して吸音材18により
効果的に吸音できる。但し、この時は電動送風機室8の
容積を大きくする程、掃除機本体1の寸法が大きくなる
ため取扱性が低下することになるので、ブラシレス電動
送風機7の性能と電動送風機室8の容積のバランスを考
慮して一部の排気空気を直接排気ダクト室19へ導くよ
うにし、その風量を適切に決めるのが良い。このことを
実現するため排気出口72には、電動送風機ケース16
と一体に形成した絞り部21を設け、この高さを適切に
設定することにより、排気ダクト室19へ導かれる排気
空気の風速を最適に調節できる。電動送風機室8から排
気ダクト室19への流路は、第5図で2点鎖線で示すよ
うに、電動送風機ケース16,17に形成した比較的大
きな曲率半径をもった排気流路接続部73で滑らかな流
路となる様に構成されている。排気ダクト室19は下ケ
ース3と第6図に点線で示す排気ダクトカバー22で構
成されているが、これに流れ込んだ排気空気は、円環状
の案内リブ61に沿って下ケース3上を回り、吸音材
(底面)20によって充分吸音された後、第7図に示す
ように中間排気口24へ、排気ダクトカバー22と下ケ
ース3により構成した大きな曲率半径をもった案内部7
4により滑らかに排出され、中間排気口24より車輪台
4の分散排気室30へ流入する。ここで、中間排気口2
4には、金網などの素材の整流ネット75を設けてお
り、これによってスムーズに排気流を分散排気室30へ
導くことができる。分散排気室30からは下ケース3と
車輪台4との空間に沿って掃除機本体1の全周に設けた
排気口76より外部へ排気されるが、排気口76が全周
に設けられているため、低風速となり、床面の塵埃をま
き上げることは最小に抑えることができる。
【0021】以上のように、ケースを曲面で形成してい
るので、次のような作用・効果がある。
【0022】まず、壁面からの騒音の透過について説明
する。壁の透過損失をTL、壁への入射音圧をPi、壁
への透過音圧をPtとすると、壁の透過損失TLは、 TL=10log[|Pi|2/|Pt|2] …(1) で表わされる。
【0023】各周波数をω、空気の密度をρ、音速を
c、壁のインピーダンスをZ(ω)とすると、入射音圧
Piを透過音圧Ptの比は、 Pi/Pt=1+Z(ω)/(2ρc) …(2) で表される。
【0024】この壁のインピーダンスZ(ω)は、壁の
内圧に対する剛性Sp、壁の単位面積当りの密度(面密
度)をm、壁のダンピングを2rとすると、 Z(ω)=2r+jωm+Sp/jω …(3) で表される。この剛性Spは円筒形状と、球の場合には
解析的に解かれていて、材料のヤング率をE、重力加速
度をg、壁の板厚をt、壁の曲率半径をRとした時に
は、それぞれ(4),(5)式のようになる。
【0025】 Sp=Egt/R2 (円筒の場合) …(4) Sp=2Egt/R2 (球の場合) …(5) このように、壁からの騒音の透過量を低減するには、壁
の面密度を大きくするとか、壁を曲面で構成し、その曲
率半径を小さく、材料のヤング率を大きくすれば良いこ
とが分かる。低周波数域では上式で明らかなように、壁
を曲面で構成することが効果的である。電気掃除機で
は、騒音として大きいのは、500から200Hzの周
波数帯域であり、解くにこの周波数帯域を低減するには
壁面を曲面で構成することが効果的である。
【0026】電気掃除機では本発明の壁面はプラスチッ
クの板厚がたかだか2mmから3mmで構成される。このた
め、透過音の低減のために2重壁を用いるが、2つの壁
の間隔はたかだか20mm以下であるので、500から2
00Hzの周波数帯域が透過しやすくなってしまう。5
00から200Hzの周波数帯域では、壁面に平面部が
あるとその部分からの透過音が大きく、その部分によっ
て、全体の騒音が決定され易い。
【0027】このため、本実施例では、壁面の形状を曲
面形にして、500から200Hz帯域の掃除機で最も
騒音の高い周波数帯域を上記した作用で低減するもので
ある。また、電動送風機で発生した振動を防振ゴムとか
弾性体で防振することにより、2重防振の効果を得てい
る。
【0028】特に、本実施例の場合、反ファン側の支持
部の内側を球面状とし、側面側を略円筒面として、ファ
ン側を支持部の所まで外周側に凸面に構成しているの
で、それぞれのほとんどの曲率半径は100mm以下とな
っており、板厚2mmのプラスチック材で構成しているの
で、1500Hz以下の周波数では透過損失に剛性項の
影響が現われ、1500Hz以下の周波数での透過音が
大幅に低減する。
【0029】また、曲率半径の小さい部分ではその透過
音の低減効果も大きいので、本実施例では透過音が比較
的大きいのは側面部分に限られる。
【0030】又、本実施例では、集塵ケース31のほぼ
全面をブラスチックとアルミの2層の部材で構成し、外
周側に凸面とし、特に、0.5mmのアルミ板を用いたの
でその最大曲率半径を300mmと大きくしても、2kH
z以下の周波数では透過損失に剛性項の影響が現われ、
1500Hz以下に周波数での透過音を大幅に低減でき
る。また、アルミの部分の剛性が主であるので、集塵室
9内の圧力が−20kPa以下と低くなっても剛性を保
つことができ、従来に比して軽量に壁面を構成できる。
【0031】なお、本実施例では、アルミとプラスチッ
クで説明したが、他の金属部材とプラスチック複合材と
の2層の部材でも良い。
【0032】又、本実施例では、電動送風機ケースをプ
ラスチックで構成しているが、これをアルミ等の金属と
プラスチック複合体で構成してもよく、このようにする
とさらに透過音を低減する効果が得られる。
【0033】又、集塵室蓋32のホース取付口62aを
集塵室蓋32の上方に取付けているので、集塵フィルタ
ー交換時に集塵フィルター内部に収集された塵埃がこぼ
れにくい。また、これによって、ホース62からの吐出
噴流と壁面との距離が短くなり、壁面への噴流の衝突速
度が大きくなり、ダニの死滅率を高めることができる。
集塵ケース31のファン側に突起部をもうけ、電動送
風機ケース16の突起部の内側で弾性体を介して第1の
ケースと第2のケースを弾性的に支持したので、支持部
の周長を短くでき、空気の漏れ量の低減に効果がある。
さらに、電動送風機7からの振動は2つの弾性体を介し
て伝搬するので、回転振動音が低減される。 又、集塵
ケース31のファン側の突起部を覆うように防振ゴムを
構成したので、電動送風機ケース16部への集塵ケース
31の押し込み時に防振ゴムが位置ずれを起こすことも
なく、空気の流れが異常に増えたり、振動が伝わり易く
なるのを防止できる。
【0034】また、電動送風機ケース16から、排気ダ
クトを長く、かつ、その断面をほぼ一様に構成し、内部
に吸音材を配置したので、排気口からの騒音も十分に低
減でき、上述の透過音,振動音の低減効果と合わせ、電
気掃除機の騒音を著しく低減できる。
【0035】電動送風機ケース16内の吸音材を電動送
風機ケース16の側面部と反ファン側は支持部外周の凹
面部と、ファン側は電動送風機7を支持する環状リブと
凸面とで保持したので、吸音材をケースに貼付る必要が
無く、製作が極めて簡便となる。
【0036】電動送風機7を防振ゴムを介して電動送風
機ケース16に支持し、その電動送風機ケース16を防
振ゴムを介して掃除機本体に支持したので、電動送風機
から掃除機本体への振動伝達率を著しく小さくでき、回
転振動音を大幅に低減できる。 次に、電動送風機7に
ついて第9図および第10図により説明する。第9図は
電動送風機の一部断面を含む正面図である。電動送風機
は送風機80と電動機79とから構成されている。電動
機79のハウジング81の内部には、回転軸82に固定
されたロータ83と、両側にコイル84a,84bを有
するステータ85とが配設されている。ハウジング81
の端面中央には軸受保持部81aが形成され、この軸受
保持部81aに回転軸82の一端を軸支する軸受86a
が設けられている。また、ハウジング81の端面に排気
口81bが形成されている。ハウジング81の端面の反
対側にエンドブラケット87が設けられ、このエンドブ
ラケット87を介して送風機80と電動機79が接続さ
れている。
【0037】エンドブラケット87は、その中央の軸受
保持部87aと外周の平面部87bとから構成され、平
面部87bには、送風機80からの空気を電動機79内
へ導入するための吸気口88が形成されている。軸受保
持部87aに回転軸82の他端を軸支する軸受86bが
設けられている。またエンドブラケット87にはディフ
ューザ89が配置され、その上流側に遠心型羽根車90
がナット91により回転軸82に固定されている。そし
て、遠心型羽根車90およびディフューザ89は、エン
ドブラケット87の外周に圧入固定されたファンケーシ
ング92の中央部には吸込口93が形成されている。
【0038】ディフューザ89は、遠心型羽根車90の
外周延長上に形成された複数のディフューザベーン96
と、その背面側に形成された戻り案内羽根95とから構
成され、戻り案内羽根95はエンドブラケット87とと
もに空気流を吸気口88まで導く戻り案内通路を形成し
ている。
【0039】次に、本実施例に示した電動送風機につい
てその動作を説明する。電動機79を駆動して羽根車9
0を回転させると図中の矢印で示すように、吸込口93
からファンケーシング92内へ空気が流入し、空気流は
羽根車90から吐出されてディフューザベーン96間を
通過し、その外周部で流れ方向が変換され、更に戻り案
内通路を通過した後、吸気口88を介してハウジング8
1内へ導入される。ハウジング81内へ導入された空気
流は、ロータ83を冷却するとともにステータ85とハ
ウジング81内面とで形成される空気通路を通り、コイ
ル84a,84bを冷却してハウジング81外周上の排
気口81bから外気へと排出される。
【0040】第10図に遠心型羽根車90の形状を示
す。羽根車90は複数のベーン96と側板97,主板9
8で構成され、ベーン96に3つの突起が設けられてい
て、側板97と主板98に設けられた穴に嵌合し加締ら
れて、それぞれが固定される。側板97の外径側の子午
面形状は直線状になっており、加締99より内側は丸み
部97bを有するように形成されており、この丸み部9
7aの曲率半径はベーン入口径の0.7となっている。
また、ファンケーシング92の内径側には折り曲げ部9
2aが設けられ、羽根車90の丸み部97aとの間に隙
間100が形成される。
【0041】吸込口93から入った気流は羽根車90で
昇圧されるが、羽根車90より出た空気流の一部は羽根
車90の入口と出口の圧力差により、羽根車90とファ
ンケーシング92との間を通って再び羽根車90に流入
する。このため、羽根車90はこの漏れ流れに対しても
仕事をするので、漏れ流量が大きいと電動送風機の大幅
な性能低下を引き起こすが、隙間100の長さを側板9
7の板厚より大きくしているので、漏れ流れに対しての
摩擦損失を大きくすることができ、漏れ流量を低減でき
る。
【0042】また、漏れ流れの方向は軸と平行になって
いて、この部分では主流も軸と平行であるので、漏れ流
れが主流に対して悪影響を与えずに、さらに、丸み部の
曲率半径も大きいので、主流が側板97からの剥離も小
さい。
【0043】本実施例と同じ形状で、流れのレイノルズ
数を合わせて、水流にて可視化実験した結果では、従来
例として第11図に示した形状では羽根車の側板側では
流れが剥離しているが、第12図に示すように、本実施
例の如く丸みの半径とベーン入口幅との比を0.5とし
たものでは流れが側板に付着していることが分った。
【0044】これによって、回転数と羽根数の積の周波
数で発生する騒音を小さく抑えることができる。また、
羽根車の入射損失も増大することが無い。
【0045】側板97は外周より加締99までは子午面
で見て直線に構成し、ベーン96の高さは入口,出口で
はほとんど差が無い。このため、ベーン96は円周方向
では曲線となっているものの、ベーン96の突起を加締
る際に、それぞれの加締部に均一の力が加わる。このた
め、加締部に加えられた力による側板97と主板98の
変形が押さえられる。このため、ベーン96と側板97
と主板98との隙間が生じにくくなり、ベーン96の圧
力面と負圧面との漏れ流れが抑制される。又、側板97
と主板98の面振れが少なくなるので、アンバランスを
生じにくくなり、回転数の周波数の騒音が低下する。
【0046】本発明の他の実施例を第13図に示した送
風機の部分断面図によって説明する。
【0047】側板97の外径側は子午面形状では直線状
になっていて、加締99より内側から丸み部97aを有
し、更に丸みの先端から軸方向に円筒状の突出し部97
bが設けられている。また、ファンケーシング101の
内径側には折り曲げ部101aが設けられ、羽根車90
の丸み部97aとの間に隙間100が形成される。隙間
100の長さを側板97の板厚より大幅に大きくしてい
るので、漏れ流れに対しての摩擦損失をより一層大きく
することができ、漏れ流量を大幅に低減でき、電動送風
機の効率を改善できる。
【0048】第14図及び第15図はベーン付きディフ
ューザ89を電動送風機の吸込口93の方向から見た図
を示している。第14図に示されるディフューザ入口角
β3は3度で、スロート幅swは2.2mmあり、ディフュ
ーザ内径に比して0.02である。ベーン94の先端の
丸みの半径は0.5mmである。羽根車90から吐出した
気流はベーン付きディフューザ89の半開部で減速され
た後に、さらにベーンとベーンに挟まれた流路で減速さ
れる。本実施例では上記のように構成されているので、
羽根車の吐出速度を大きくでき、羽根車の周速の0.8
倍程度と大きくしている。これによって、羽根車を小型
化している。本実施例と同じ羽根車を用いて、ディフュ
ーザ入口角β3を変えたときの電動送風機の効率差を第
16図に示す。ディフューザ入口角β3が5度の場合の
効率を基準に図示したものである。ディフューザ入口角
β3が2度より小さいときに、半開部の長さが長くなり
すぎ摩擦損失が増大し、効率が低下している。ディフュ
ーザ入口角β3が3度以上では吐出流れの角度と合わな
くなり性能が低下している。以上のように、ディフュー
ザ入口角β3が2度から3度では従来の5度に比して約
2%効率が高く、また、この周辺の角度1度〜2度及び
3度〜4度の範囲でも1%効率が高い。
【0049】このように、ベーン付きディフューザの入
口角を1度から4度としたことにより、羽根車の出口流
れ角を1度から4度の小さな値に設定できるので、羽根
車の羽根幅を大きくすることができ、羽根車の出口の絶
対速度を大きくすることにより高出力化を図ることがで
きる。また、低比速度型の羽根車で損失の多くを占める
摩擦損失を低減することができる。また、ディフューザ
の最大効率点を設計点の風量において維持することがで
きる。さらには、羽根車の出口流れ速度を大きくするこ
とができるので、羽根車を小さく、送風機を小さく(コ
ンパクトに)することができる。
【0050】また、ディフューザのベーンの先端から隣
合うベーンまでの最短距離(スロート幅sw)を変えた
ときの電動送風機の効率を第17図に示す。スロート幅
wsがディフューザ入口内径に比して0.017以下で
は半開部での減速が十分ではなく、ベーンとベーンに挟
まれた流路での減速が大きくなり、この部分での流れが
剥離して効率が低下している。また、スロート幅swが
ディフューザ内径に比して0.025以上では半開部で
の減速が大き過ぎて流れが著しく偏ってベーンとベーン
に挟まれた流路に流入するので、効率が低下している。
本実施例のようにスロート幅swがディフューザ内径に
比して0.02では効率が高い。
【0051】このように、ディフューザのベーンの先端
から隣あうベーンまでの最短距離をディフューザ入口内
径に比して0.017から0.025とすることにより、
ディフューザ内に入った流れがスロート部分で急激に加
速されることが無く、損失の増加が抑えられる。また、
サージング発生領域が低風量側へ移行して、掃除機とし
ての作動範囲が広がる。
【0052】また、羽根車18より吐出された気流の流
れ角度が小さいので、羽根車90より吐出された気流の
流れ角度が小さいので、羽根車90より吐出された気流
がディフューザ89に入るまでに長い距離を通過するの
で、ディフューザの内径を第14図のように小さくで
き、羽根なしディフューザの損失を低減できる。また、
羽根車の出口での相対速度を小さくできるので、騒音を
低減できる。
【0053】第18図にスロート幅の全面積とディフュ
ーザ入口の実面積との比(Zvd・b3・sw/π・D3
3・sinβ3)を変えたときの電動送風機の効率差を示
す。
【0054】スロート幅の全面積とディフューザ入口の
実面積との比が1.75以下では、ディフューザのベー
ン枚数が多くなるためスロート幅が狭くなり小風量にお
いてはサージングを生じ、大風量においては圧力損失の
増大を生じて作動範囲が狭くなる傾向があった。また、
スロート幅の全面積とディフューザ入口の実面積との比
が3.5以上では、ディフューザ89のベーン枚数が少
なくなるなどして羽根車のブレード枚数との干渉を生じ
易くなってピーク音を発生し、騒音レベルが増大する欠
点があった。本実施例のようにスロート幅の全面積とデ
ィフューザ入口の実面積との比が2.1では効率が高
い。
【0055】このように、スロート幅の全面積とディジ
ューザ入口の実面積との比を1.75から3.5としたこ
とにより、ベーン枚数とスロート幅の最適化が図られる
とともに、ディフューザのベーン枚数と羽根車のブレー
ド枚数との干渉によって発生するピーク音を避けること
ができる。
【0056】第19図に本発明の他の実施例を示す。デ
ィフューザは互いにその一部が重なるようにして通路を
形成している。ベーン94の先端に丸みを付け、先端部
にはテーパが設けてあり、このテーパ形状によりスロー
ト幅swを最適範囲に確保することができる。また、設
定風量付近では羽根車90より吐出された流れがベーン
94に沿って流れるが、低風量側では図の矢線の如く半
開部においてディフューザベーンの負圧面側で剥離が生
じるが、隣接するベーンの圧力面側のテーパ部により流
れが強制的に方向修正されるので剥離した流れを緩和で
きるのでサージング発生領域がより一層低風量側へ移行
できる。
【0057】第20図は、本実施例の電動送風機の風量
と圧力(静圧)との関係を示す実験結果で実線が本実施
例のディフューザを用いた場合である。破線が従来のデ
ィフューザ入口角5度のディフューザを用いた場合を示
すもので、設計点の近傍にサージング発生領域があった
が、本実施例の3度ではサージング発生領域がかなり小
風量域に移行させることができる。
【0058】上述の各実施例によれば、第1に電動送風
機を包むケースあるいは集塵室を包むケースとを曲面で
構成しているので、特に1500Hz以下の周波数帯域
の透過音を低減でき、騒音を小さくできる効果がある。
【0059】又、部分的に壁面の材質をアルミ等の金属
とプラスチック複合材で構成することによって、剛性を
保つことができるとともに、低周波数帯域での透過音を
さらに低減できる効果がある。又、2重のケースと2重
の防振の効果でもって、電気掃除機の本体からの透過音
と、振動音をバランス良く低減できるので、排気音の低
減策と組み合わせて、小型で、軽量で、しかも、極めて
低騒音の電気掃除機を得ることができる。
【0060】第2に電動送風機を覆う第1のケースと塵
埃室を覆う第2のケースとの接続部を弾性体を介して弾
性的に支持することにより電動送風機の振動が第2のケ
ースへ伝播するのを軽減できるため、第2のケースから
の放射音を小さくできる。
【0061】又、吸音材をケース内に排気流路に安定に
保持できるので、吸音効果を有効に作用させることがで
きる。
【0062】又、送風機ケースに形成した絞り部の高さ
を適切に設定することにより風量分布が適切に行え、風
速を低下できるので吸音材の効果を有効に作用させるこ
とができる。
【0063】また、第4にディフューザ入口角β3を1
度から4度と従来に比して小さくできるので、羽根車の
出口流れ角を小さく、かつ、出口速度を大きくすること
ができる。また、羽根車の大きさが同じで出力を大きく
することができる。これによって、送風機外径の大きさ
が同一となり、従来の電動送風機と互換性が保たれ、コ
スト的に有利であるとともに電動送風機のコンパクト化
がはかれる。
【0064】また、同じ出力を得るのに、小型で回転数
を低く抑えることができる。これによって、騒音を低減
することができる。さらに、スロート幅wsをディフュ
ーザ入口内径に比して0.017から0.025に設定す
ることにより、掃除機の仕様点での効率を高いまま維持
できる。また、スロート幅の全面積とディフューザ入口
の実面積との比を1.75から3.5としたことにより、
ディフューザベーン枚数と羽根車のブレード枚数との干
渉が避けられる。
【0065】第5に電動送風機の羽根車の入口流れの剥
離を無くし、かつ、漏れ流量を少なくすることができる
ので、電動送風機の高効率化が図れ、かつ、羽根車の羽
根数と回転数の積の周波数の騒音を低減できる。また、
羽根車の側板と主板の面振れが低下するので、アンバラ
ンスを生じにくく、回転数の周波数の騒音を低減でき
る。また、羽根車のベーンの圧力面と負圧面との隙間が
小さくなるので、ベーンの端からの漏れ流れを防止で
き、電動送風機の効率が上昇する効果がある。
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、ディフューザ内に入っ
た流れがスロート部分で急激に加速されることがなく、
損失の増加が抑えられるので、小形で吸込仕事率の大き
い電気掃除機、及び電気掃除機の吸込仕事率を大きくで
きる電動送風機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す電気掃除機の断面図で
ある。
【図2】図1においてA方向から見た断面図である。
【図3】図1においてD方向の集塵ケースから見た縦断
面図である。
【図4】図1においてB方向から見た横断面図である。
【図5】本実施例で使用しているブラシレス電動送風機
を駆動するための駆動回路図である。
【図6】図1において車輪台4を取り外して、C方向よ
り見た下面図である。
【図7】図6におけるE−E線断面図である。
【図8】図1においてF方向から見た電動送風機ケース
の正面図である。
【図9】電動送風機の一部断面を含む正面図である。
【図10】送風機の縦断面図である。
【図11】送風機の形状を模擬して可視化実験した結果
の空気の流れを示す図である。
【図12】送風機の形状を模擬して可視化実験した結果
の空気の流れを示す図である。
【図13】本発明の他の実施例を示す送風機の縦断面図
である。
【図14】図9で示した電動送風機の送風機の平面図で
ある。
【図15】図9で示した電動送風機の送風機の平面図で
ある。
【図16】ディフューザ入口角を変えたときの電動送風
機の性能結果を示す図である。
【図17】スロート幅とディフューザ内径との比を変え
たときの電動送風機の性能結果を示す図である。
【図18】スロート幅の前面積とディフューザ入口面積
との比を変えたときの電動送風機の性能結果を示す図で
ある。
【図19】本発明の他の実施例を示す送風機平面図であ
る。
【図20】本実施例の空力性能結果を示す図である。
【符号の説明】
3…下ケース、4…車輪台、7…ブラシレス電動送風
機、8…電動送風機室、15…側面部、16,17…電
動送風機ケース、18…吸音材、19…排気ダクト室、
20…吸音材(底面)、21…絞り部、22…排気ダク
トカバー、24…中間排気口、30…分散排気室、61
…案内リブ、72…排気出口、73…排気流路接続部、
74…案内部、76…排気口、79…電動機、80…送
風機、89…ディフューザ、90…遠心型他羽根車、9
2…ファンケーシング、92a…折り曲げ部、94…デ
ィフューザベーン、95…戻り案内羽根、97…側板、
97a…側板の丸み部、98…主板、99…加締め部、
100…隙間、β3…入口角、sw…スロート幅。
フロントページの続き (72)発明者 豊島 久則 茨城県日立市東多賀町一丁目1番1号 株 式会社日立製作所多賀工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動機に直結された羽根車と、この羽根車
    と前記電動機の間に設けたディフューザベーンとリター
    ンガイドベーン及び羽根車を覆うファンケーシングを備
    えた電動送風機によって、本体内の集塵部に集塵する電
    気掃除機であって、前記ディフューザベーンのスロート
    幅とディフューザベーンの入口内径との比を0.017
    から0.025としたことを特徴とする電気掃除機。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の電気掃除機において、前
    記ディフューザベーンの入口角を1度から4度に設定し
    たことを特徴とする電気掃除機。
  3. 【請求項3】電動機に直結された羽根車と、この羽根車
    と前記電動機の間に設けたディフューザベーンとリター
    ンガイドベーン及び羽根車を覆うファンケーシングを備
    えた電動送風機であって、前記ディフューザベーンのス
    ロート幅とディフューザベーンの入口内径との比を0.
    017から0.025としたことを特徴とする電動送風
    機。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の電動送風機において、前
    記ディフューザベーンの入口角を1度から4度に設定し
    たことを特徴とする電動送風機。
JP6496898A 1998-03-16 1998-03-16 電気掃除機及び電動送風機 Pending JPH10231799A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6496898A JPH10231799A (ja) 1998-03-16 1998-03-16 電気掃除機及び電動送風機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6496898A JPH10231799A (ja) 1998-03-16 1998-03-16 電気掃除機及び電動送風機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2190540A Division JP2852106B2 (ja) 1990-04-18 1990-07-20 電気掃除機及び電動送風機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10231799A true JPH10231799A (ja) 1998-09-02

Family

ID=13273365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6496898A Pending JPH10231799A (ja) 1998-03-16 1998-03-16 電気掃除機及び電動送風機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10231799A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1297772A2 (en) * 2001-09-26 2003-04-02 Lg Electronics Inc. Centrifugal blower for vacuum cleaner
JP2011064096A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Mitsubishi Electric Corp 電動送風機及びこれを用いた電気掃除機
WO2017003134A1 (ko) * 2015-06-30 2017-01-05 삼성전자주식회사 청소기
CN107708513A (zh) * 2015-06-30 2018-02-16 三星电子株式会社 清洁器
JPWO2017154151A1 (ja) * 2016-03-09 2018-10-18 三菱電機株式会社 電動送風機および電気掃除機

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1297772A2 (en) * 2001-09-26 2003-04-02 Lg Electronics Inc. Centrifugal blower for vacuum cleaner
EP1297772A3 (en) * 2001-09-26 2003-08-13 Lg Electronics Inc. Centrifugal blower for vacuum cleaner
JP2011064096A (ja) * 2009-09-16 2011-03-31 Mitsubishi Electric Corp 電動送風機及びこれを用いた電気掃除機
WO2017003134A1 (ko) * 2015-06-30 2017-01-05 삼성전자주식회사 청소기
CN107708513A (zh) * 2015-06-30 2018-02-16 三星电子株式会社 清洁器
US10716440B2 (en) 2015-06-30 2020-07-21 Samsung Electronics Co., Ltd. Cleaner
JPWO2017154151A1 (ja) * 2016-03-09 2018-10-18 三菱電機株式会社 電動送風機および電気掃除機

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2852106B2 (ja) 電気掃除機及び電動送風機
JP3047984B2 (ja) 電気掃除機
US4120616A (en) Vacuum cleaner-blower assembly with sound absorbing arrangement
JP3211826B2 (ja) 車両駆動用開放型電動機
JP3216988B2 (ja) 電気掃除機及び電気掃除機用電動送風機
JP2013032749A (ja) 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機
JPH1119006A (ja) 電気掃除機
JPH11336696A (ja) 電動送風機
JPH10231799A (ja) 電気掃除機及び電動送風機
WO2021084875A1 (ja) 電動送風機及びそれを備えた電気掃除機
JP4356245B2 (ja) 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機
JP4625722B2 (ja) 電動送風機及びこれを備えた電気掃除機
JP3331878B2 (ja) 電気掃除機
JP3240368B2 (ja) 電気掃除機
JP3211823B2 (ja) 車両駆動用開放型電動機
US3366316A (en) Vacuum cleaner having a divergent diffuser
JP2950920B2 (ja) 電気掃除機
WO2023286293A1 (ja) 電動送風機、及び、それを備えた電気掃除機
JPWO2019176625A1 (ja) 電動送風機、電気掃除機およびエアタオル
JP2015040541A (ja) 電動送風機及びこれを備えた電気掃除機
JP3257306B2 (ja) 電気掃除機
JP2000120599A (ja) 電動送風機及びそれを搭載した電気掃除機
JP7428630B2 (ja) 電動送風機及びそれを備えた電気掃除機
JP2001224150A (ja) 車両駆動用開放型電動機
JPH11294390A (ja) 電動送風機及び電気掃除機