JPH10231379A - 発泡マスターバッチ及びその製造方法 - Google Patents

発泡マスターバッチ及びその製造方法

Info

Publication number
JPH10231379A
JPH10231379A JP4975497A JP4975497A JPH10231379A JP H10231379 A JPH10231379 A JP H10231379A JP 4975497 A JP4975497 A JP 4975497A JP 4975497 A JP4975497 A JP 4975497A JP H10231379 A JPH10231379 A JP H10231379A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carboxylic acid
foamed
temperature
microsphere
polyethylene
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP4975497A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruhiro Nakamura
彰宏 中村
Takeshi Moriwaki
毅 森脇
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kishimoto Sangyo Co Ltd
Original Assignee
Kishimoto Sangyo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kishimoto Sangyo Co Ltd filed Critical Kishimoto Sangyo Co Ltd
Priority to JP4975497A priority Critical patent/JPH10231379A/ja
Publication of JPH10231379A publication Critical patent/JPH10231379A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Processing And Handling Of Plastics And Other Materials For Molding In General (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低融点でベタツキ成分の少なく、かつ成形母
材に対する混合性・親和性に優れたベース材を開発し、
もって発泡成形性に優れた使い勝手のよい発泡マスター
バッチを提供する。 【解決手段】 シングルサイト触媒を用い合成したポリ
エチレン系熱可塑性ポリマーに対し、カルボン酸と有機
過酸化物とを加え加熱下で混練することにより、前記ポ
リエチレン系熱可塑性ポリマーにカルボン酸をグラフト
重合する第一のステップと、前記カルボン酸重合された
カルボン酸変性ポリマーに対し、熱可塑性樹脂からなる
殻とこの殻の内部に閉じ込められた熱膨張性物質とで構
成されるマイクロスフェアを加え、混練してPE-MS 混合
物となす第二のステップと、を備える発泡マスターバッ
チの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱膨張性のマイク
ロスフェアを主成分とする発泡マスターバッチ、及びそ
のような発泡マスターバッチの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、高温タイプの熱膨張性マイクロス
フェアが開発されたことから、熱膨張性マイクロスフェ
アを用いた発泡成形方法が広く利用されるようになっ
た。熱膨張性マイクロスフェアを用いた発泡成形方法
は、成形母材中に直接発泡空隙を形成するものではな
く、成形母材中に分散させたマイクロスフェアを加熱成
形時に膨張させ、一層粗な中空球体とすることにより、
結果として低密度の成形体を得ようとするものである。
【0003】したがって、この方法によれば、化学発泡
剤や高圧ガスを用いる従来法のように、気泡の飛散によ
る成形品表面の美観の劣化や、気泡サイズのバラツキや
気泡の連通に起因する断熱性能または機械強度の劣化と
いった問題を生じない。また、この方法では、好適な膨
張開始温度や膨張度を有するマイクロスフェアを選択
し、かつマイクロスフェアの粒径や添加量を適正に選択
することにより、成形品の密度や性状を任意に制御でき
るので、所望の物性を有する発泡成形品を得られ易い。
【0004】しかしながら、この方法においても次のよ
うな問題がある。すなわち、マイクロスフェアが母材中
に均一に分散混合されていないと、中空球体(発泡マイ
クロスフェア)の分布が偏るので、発泡成形品の機械的
強度や断熱性能等にバラツキが生じる。また、マイクロ
スフェアは膨張開始温度付近の温度に長く晒されると、
事前膨張(加熱成形前の膨張)すると共に中空球体同志
がくっつき易くなり、均一分散性が著しく低下する。更
に、膨張ピーク温度以上の温度に晒されると、殻が破れ
て体積が縮小してしまう。よって、中空球体としての機
能が失われる。
【0005】したがって、良質な発泡成形品を得るため
には、マイクロスフェアと母材との混合を充分に行なう
必要がある。また、混合時の温度管理を適正に行うと共
に、加熱成形に至るまでの一連の操作を速やかに完了さ
せる必要がある。然るに、マイクロスフェアは微小な球
状粒子(10〜80μm前後)であり、他方、母材樹脂
は通常2〜3mmの比較的大きいペレット状の粒である
ので、両者を個体状態で均一に混合することは困難であ
る。また、母材となる樹脂の融点は一般に高く溶融粘度
も大きいので、溶融状態の母材に事前膨張を伴うことな
しにマイクロスフェアを混合することは困難である。
【0006】このため、従来より、低融点のベース材に
予めマイクロスフェアを混合してマスターバッチとな
し、このマスターバッチを成形直前に母材に添加し混合
する方法が採用されている。この方法によると、直接マ
イクロスフェアを母材に混合する場合に比べて、母材に
対する混練効率が向上するので、事前膨張や混合不良に
起因する成形品の品質低下を緩和できる。
【0007】ところが、この種のマスターバッチのベー
ス材としては、従来よりエチレン・ビニル・アセテート
(EVA)が用いられている。然るに、EVAはベトツ
キが強いので、マスターバッチ作製時における混合特性
が十分でない。また、EVAは混合機等に粘着し易いた
め、機械の清掃等に多大な労力を必要とする。更に、こ
のようなEVAを用いたマスターバッチは、母材との混
合性が十分でないと共に、保存しておくとブロッキング
するので、製造作業性、取扱い性が悪いという問題があ
る。
【0008】しかしながら、EVAに代替しうる適当な
ベース材が見出されておらず、例えば従来タイプのポリ
エチレンやポリプロピレン等をベース材として用いて
も、良好な発泡マスターバッチが得られない。なぜな
ら、従来タイプのポリエチレン等は、融点が高いので溶
融状態で混合するとマイクロスフェアが事前膨張してし
まう。また、従来タイプのポリエチレン等は低融点化し
にくい。更に、仮に低融点化できたとしても、分子量分
布が広く、低分子量成分(ベタツキ成分)を含むものと
なるので、この低分子成分が発泡成形品の機械的強度等
を低下させる原因となるからである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記に鑑み
なされたものであり、低融点でベタツキ成分が少なく、
かつ成形母材に対する混合性・親和性のよいベース材を
案出し、もって発泡成形性に優れた使い勝手のよい発泡
マスターバッチを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題は、狭い分子
量分布と組成分布を持ち、かつ酸変性された特殊なポリ
マーをベース材とし、このベース材に熱膨張性のマイク
ロスフェアを混合することにより達成することができ
る。具体的には、以下の構成により達成できる。
【0011】請求項1記載の発明は、シングルサイト触
媒を用い合成したポリエチレン系熱可塑性ポリマーに対
しカルボン酸変性処理を行う第一のステップと、前記カ
ルボン酸変性処理されたカルボン酸変性ポリマーに対
し、熱可塑性樹脂からなる殻とこの殻の内部に閉じ込め
られた熱膨張性物質とで構成されるマイクロスフェアを
加え混練して PE-MS混合物となす第二のステップと、を
備える発泡マスターバッチの製造方法であることを特徴
とする。
【0012】シングルサイト触媒を用いて合成したポリ
エチレン系熱可塑性ポリマーは、従来タイプの触媒であ
るマルチサイト触媒を用い合成したものに比べ、分子量
分布が狭く、またコモノマーが各分子鎖に均一に分布し
た組成分布の狭いものとなっている。したがって、組成
分布の狭い低融点の熱可塑性ポリマーが得られ、このも
のはベトツキ原因となる低分子量成分が少ないので、発
泡マスターバッチのベース材前駆体として好都合であ
る。
【0013】上記のようなポリエチレン系熱可塑性ポリ
マーに対し、カルボン酸変性処理を行うと、ポリエチレ
ン系熱可塑性ポリマーの弱点である他の樹脂に対する親
和性・相溶性を改善できる。これにより、次のような作
用効果が得られる。
【0014】ベース材とマイクロスフェアの外殻を構
成する樹脂との親和性が向上するので、結果としてマイ
クロスフェアが均一に混合された発泡マスターバッチが
得られる。 ベース材と成形母材との親和性、相溶性がよいので、
発泡成形品の品質が向上する。一般にポリエチレン系の
樹脂とナイロン樹脂やスチレン樹脂等とは相溶性が良く
ないが、カルボン酸変性処理によりポリマーの極性が高
まるので、これらの樹脂との相溶性もよくなる。よっ
て、特にこのらの樹脂を母材とする発泡成形品の品質が
向上する。 分子量分布や組成分布が狭いというシングルサイト触
媒を用い合成したポリエチレン系熱可塑性ポリマーを本
体としているので、EVA等の従来タイプの低融点ポリ
マーのようなベタツキ成分に起因する問題点、すなわち
攪拌混合器機への粘着、貯蔵時のブロッキング等の問題
が緩和できる。
【0015】なお、カルボン酸変性処理によりポリマー
のDSCピーク溶融温度が若干低温側にシフトするが、
これはマイクロスフェアの事前膨張を防止するという点
で、好都合な変化である。
【0016】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
泡マスターバッチの製造方法において、前記第一のステ
ップにおけるカルボン酸変性処理が、シングルサイト触
媒を用い合成したポリエチレン系熱可塑性ポリマーに対
し、カルボン酸と有機過酸化物とを加え加熱下で混練す
ることにより、前記ポリエチレン系熱可塑性ポリマーに
カルボン酸をグラフト重合することを内容とする。
【0017】この構成であると、ポリエチレン系熱可塑
性ポリマーに比較的簡単にカルボン酸を導入、付加する
ことができる。
【0018】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
泡マスターバッチの製造方法において、前記第一のステ
ップが、押出機の上流側に設けられた第1の原料供給口
から、シングルサイト触媒を用い合成されたポリエチレ
ン系熱可塑性ポリマーと、カルボン酸と、有機過酸化物
とを投入し加熱下で前記3成分を混練して、前記ポリエ
チレン系熱可塑性ポリマーにカルボン酸をグラフト重合
することを内容とし、前記第二のステップが、前記押出
機の下流側に設けられた第2の原料供給口から熱膨張性
マイクロスフェアを投入して、カルボン酸が重合された
カルボン酸変性ポリマーと前記マイクロスフェアとを混
練し PE-MS混合物となすことを内容とする。
【0019】この構成であると、先ず第1の原料供給口
から投入されたポリエチレン系熱可塑性ポリマーとカル
ボン酸と有機過酸化物の三者が押出機内で効率良く混練
され、この混練においてポリエチレン系熱可塑性ポリマ
ーに有機過酸化物とカルボン酸が作用し、グラフト重合
が生じてカルボン酸変性ポリマーが合成される。次い
で、このカルボン酸変性ポリマーが、第2の原料供給口
から投入されたマイクロスフェアと混練されて、 PE-MS
混合物が調製される。
【0020】つまり、上記構成では、少なくとも2つの
原料供給口を有する押出機を用い、それぞれの原料の投
入口及び投入時期を使い分ける方法により、化学反応工
程(カルボン酸の付加工程)と物理混合工程( PE-MS混
合物を作製工程)とを空間的、時間的に区別する。した
がって、先ず第1の原料供給口から投入されたポリマー
とカルボン酸と有機過酸化物の三者が混練され反応す
る。次に、この反応生成物に対し第2の原料供給口から
投入されたマイクロスフェアが加わり、混練される。
【0021】このように上記構成であると、一連の製造
工程を一体的・連続的に行うことができるので、極めて
効率がよい。また、マイクロスフェアに無用な熱履歴や
化学作用が加わることがないので、損傷や事前膨張のな
い高品質の発泡マイクロスフェアが得られる。
【0022】請求項4記載の発明は、請求項1ないし3
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記第
二のステップの後に、前記押出機の下流側に設けられた
押出口から押し出された PE-MS混合物をホットカットし
ペレット化する第三のステップが付加されたことを特徴
とする。
【0023】押出口から押し出された PE-MS混合物を直
ちにカット(ホットカット)する方法であると、生産性
よく発泡マスターバッチペレットを得ることができる。
そして、通常、母材樹脂はペレット状であるので、もう
一方の混合成分である発泡マスターバッチをペレット化
することにより、両者のドライブレンドが可能になる。
よって、この構成により、発泡マスターバッチの使い勝
手性を格段に向上させることができる。
【0024】請求項5記載の発明は、請求項2ないし4
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記カ
ルボン酸が、アクリル酸、メタアクリル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、、及びこれ
らの無水物からなる群より選択されたものであり、前記
有機過酸化物が、ラウロイルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、ジターシャリブチルパーオキサイ
ド、ターシャリブチルパーベンゾエート、ジクミルパー
オキサイド、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソプ
ロピル)ベンゼンからなる群より選択されたものである
ことを特徴とする。
【0025】上記した群から選択されるカルボン酸及び
有機酸化物であると、混練という簡便な方法により容易
にグラフト重合反応を起こさせることができる。
【0026】請求項6記載の発明は、請求項1ないし5
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記第
二のステップにおける混練温度を前記カルボン酸変性ポ
リマーのDSCピーク溶融温度以上とし、かつ前記マイ
クロスフェアの膨張開始温度以下としたことを特徴とす
【0027】この混練温度であると、カルボン酸変性ポ
リマーが溶融しており、しかもマイクロスフェアが膨張
を起こさない。したがって、マイクロスフェアの事前膨
張を伴うことなく、両者を均一混合しうるので、高品質
の発泡マスターバッチが得られる。
【0028】請求項7記載の発明は、請求項1ないし6
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記第
二のステップにおける混練に際し、予め流動パラフィン
で湿らせたマイクロスフェアを用いることを特徴とす
る。
【0029】マイクロスフェアは微小(数10μm〜数
百μm)かつ軽量であるので、混合時等において空気中
に舞い上がるなど取扱い性が悪い。流動パラフィンで湿
らせたマイクロスフェアであると、舞い上がりがなく、
また流動パラフィンがマイクロスフェアとカルボン酸変
性ポリマーとの濡れ性を高める。よって、この構成によ
ると、マイクロスフェアの取扱い性と均一混合性を向上
させることができる。
【0030】請求項8記載の発明は、請求項1ないし7
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記第
二のステップにおける混練に際し、冷却用の水を添加す
ることを特徴とする。
【0031】ベース材としてのカルボン酸変性ポリマー
の溶融温度がマイクロスフェアの膨張開始温度に近い場
合には、マイクロスフェアの事前膨張を回避するため
に、両者の混練時間を極短時間(1〜5分前後)とし、
マイクロスフェアの熱履歴を少なくする必要がある。こ
のためには、混練後、速やかに混合物の温度を下げる必
要がある。ここで、混合物に少量の水を投入すると、水
そのものが冷却剤として機能すると共に、混合物の熱で
蒸発しその際気化熱を奪う。よって、適量の水の添加に
より、混合物の温度を急速に低下させることができ、同
時に添加した水を蒸発気化により除去できる。
【0032】この構成においては、混合物に添加する水
の量を蒸発気化してしまう量とするのが好ましい。な
お、上記「水」は、熱水であってもよい。熱水であって
も、気化熱により冷却効果が得られる。また、冷水をい
きなり投入すると、混合物が急激に固化し内部に水を取
り込んでしまう恐れがあり、内部に取り込まれた水は蒸
発し難いので、残留する恐れがある。
【0033】請求項9記載の発明は、請求項1ないし8
記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記マ
イクロスフェアが、常圧において90℃以上の温度で膨
張を開始し、220℃以上の温度に加熱されると5分以
内に殻が破れる性質を有するものであることを特徴とす
る。
【0034】マイクロスフェアの膨張開始温度が低すぎ
ると、混練時の攪拌熱により容易に膨張してしまうので
好ましくない。よって、通常、90℃以上がよい。他
方、高温に加熱されても外殻が破れないマイクロスフェ
アであれば、ベース材や母材の融点温度に特段の注意を
要しないことになるが、現実にはそのようなマイクロス
フェアは存在しない。また、膨張完了温度をあまりに高
温に設定した場合、母材の加熱成形と同時に膨張を完了
させる使い方ができなくなる。
【0035】以上の理由から、現状の高温膨張タイプの
マイクロスフェアは、膨張開始温度を90℃以上とし、
220℃前後に膨張完了温度が設定されている。そし
て、このタイプのマイクロスフェアは、220℃以上の
温度に加熱されると5分以内に外殻が破れて体積が縮小
してしまう。本発明は、現実に存在し得る熱膨張性マイ
クロスフェアの使い勝手性を向上させることを目的とし
て、ベース材(カルボン酸変性ポリマー)の条件を規定
している。つまり、本発明は、90℃以上の温度で膨張
を開始し、220℃以上の温度に加熱されると5分以内
に殻が破れるマイクロスフェアを用いた場合において、
特に顕著な効果を奏する。
【0036】請求項10記載の発明は、請求項1ないし
9記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前記
シングルサイト触媒が、4族遷移金属のメタロセン化合
物とメチルアルミノキサンとを含む複合触媒であること
を特徴とする。
【0037】上記複合触媒を用いると、分子量分布及び
組成分布が狭いポリエチレン系熱可塑性ポリマーが得ら
れる。このようなポリエチレン系熱可塑性ポリマーをカ
ルボン酸変性したものは、発泡マスターバッチのベース
材として特に好適である。
【0038】請求項11記載の発明は、請求項1ないし
10記載の発泡マスターバッチの製造方法において、前
記ポリエチレン系熱可塑性ポリマーがポリエチレンであ
ることを特徴とする。
【0039】シングルサイト触媒を用いたポリエチレン
は、従来のものに比較し低融点で、かつ低分子量成分
(ベタツキ成分)が少なく、強度、柔軟性等にも優れ
る。また、このポリエチレンをカルボン酸変性したポリ
マーは、他のポリマーに対する相溶性に優れる。よっ
て、発泡マスターバッチのベース材として好適であり、
このような発泡マスターバッチを用いると、従来の発泡
成形品に比べ機械的強度に優れ且つ断熱性、軽量性等に
も優れた発泡成形品が得られる。
【0040】上記請求項1〜11記載の発泡マスターバ
ッチの製造方法により、製造された発泡マスターバッチ
は、物の発明としても規定できる。
【0041】即ち、請求項12記載の発明は、熱可塑性
樹脂からなる殻とこの殻の内部に閉じ込められる熱膨張
性物質とで構成されるマイクロスフェアと、シングルサ
イト触媒を用い合成したポリエチレン系熱可塑性ポリマ
ーに対し、カルボン酸変性処理を施したカルボン酸変性
ポリマーを主材とするベース材とで組成された発泡マス
ターバッチである。
【0042】請求項13記載の発明は、請求項12記載
の発泡マスターバッチにおいて、前記マイクロスフェア
が、常圧において90℃以上の温度で膨張を開始し、か
つ220℃以上の温度においては5分以内に熱膨張性物
質を閉じ込める殻が破れる性質を有する。
【0043】請求項14記載の発明は、請求項12また
は13記載の発泡マスターバッチにおいて、前記カルボ
ン酸変性ポリマーが、前記マイクロスフェアの膨張開始
温度よりも低温側にDSCピーク溶融温度を有する。
【0044】請求項15記載の発明は、請求項12ない
し14記載の発泡マスターバッチにおいて、前記マイク
ロスフェアの殻が、アクリロニトリルを含むコポリマー
からなる。この構成であると、マイクロカプセル化手段
において熱膨張性物質を殻内部に閉じ込めた状態で製膜
化でき、かつ常圧において90℃以上の温度で膨張を開
始し、220℃付近の温度まで安定な被膜とできる。
【0045】請求項16記載の発明は、請求項12ない
し15記載の発泡マスターバッチにおいて、前記マイク
ロスフェアの熱膨張性物質が、イソペンタン又はイソブ
タンである。熱膨張性物質としてイソペンタン又はイソ
ブタンが用いられたマイクロスフェアは、90℃〜22
0℃前後の温度において膨張圧力が大きいので、優れた
発泡マスターバッチが得られる。
【0046】請求項17記載の発明は、請求項12ない
し16記載の発泡マスターバッチにおいて、前記カルボ
ン酸変性ポリマーが、シングルサイト触媒を用い合成し
たポリエチレンにカルボン酸がグラフト重合されたもの
である。
【0047】請求項18記載の発明は、請求項12ない
し17記載の発泡マスターバッチにおいて、前記発泡マ
スターバッチは、直径1mm〜5mm、長さ1mm〜5
mmのペレット状のものである。
【0048】
【実施の形態】以下、本発明の実施の形態について説明
する。
【0049】先ず、本明細書でいうシングルサイト触媒
とは、共存する活性点の性質が均一であるものをいう。
シングルサイト触媒としては、例えば化1(メタロセン
錯体)が挙げられる。また、化1のメタロセン錯体に化
2に示す化合物(アルミノキサン)を組み合わせた複合
触媒(以下メタロセン触媒というときにはこの複合触媒
を含める)が挙げられる。このようなメタロセン触媒は
公知であり、例えば特開平5−140227号、特開平
5−140228号、特開平5−209019号、特開
平5−209019号等の公報に記載されており、これ
らのメタロセン触媒を用いて合成したポリエチレン系熱
可塑性ポリマーは、分子量分布や組成分布が狭い等の特
徴を有することが知られている。
【0050】
【化1】
【0051】
【化2】
【0052】化1において、M1 はチタン、ジルコニウ
ム、ハフニウム、バナヂウム、ニオブまたはタンタルで
あり、R1 及びR2 は互いに同じでも異なっていてもよ
く、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のア
ルキル基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原
子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のアリ
ールオキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭
素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数7
〜40のアルキルアリール基または炭素原子数8〜40
のアリールアルケニル基であり、R3 およびR4 は互い
に同一か、または異なっていて、中央金属原子M1 とサ
ンドイッチ構造の錯体を形成することができる単核また
は多核炭化水素残基である。
【0053】R5 は=BR6 、=AlR6 、−Ge−、
−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2 、=NR
6 、=CO、=PR6 またはP(O)R6 (但し、R6
は水素原子、ハロゲン原子)である。また、R9 は互い
に同じでも異なっていてもよく、炭素原子数1〜6のア
ルキル基、炭素原子数1〜6のフルオロアルキル基、炭
素原子数6〜18のアリール基、炭素原子数6〜18の
フルオロアリール基または水素原子であり、nは0〜5
0の整数である。
【0054】化1、化2の化合物からなる複合触媒の例
を化3に示す。化3の左に示すシクロペンタジエンを配
位子とした化合物(二塩化ジルコノセン)と、化3の右
に示すアルミノキサン化合物を組み合わせた複合触媒を
用いて合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマーが、
本発明にかかるカルボン酸変性ポリマーを作製するため
の前駆体ポリマーとして好適である。なぜなら、この複
合触媒を用い合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマ
ーは、分子量分布が狭く、かつコモノマーが各分子鎖に
均一に分布した(組成分布が狭い)ものとなり、低分子
量成分やベタツキ成分の含有量が少ない。また、柔軟性
や強度に優れるという特徴を有するからである。
【0055】他方、従来から重合反応触媒として広く用
いられているチーグラー系触媒などのマルチサイト触媒
は、多様な構造の活性点を有する。よって、このような
触媒を用い合成したポリマーは、分子量分布や組成分布
が広いものとなるので、本発明にかかるカルボン酸変性
ポリマーの前駆体としては適当でない。
【0056】
【化3】
【0057】上記したシングルサイト触媒を用いて合成
されたポリエチレン系熱可塑性ポリマーとしては、具体
的には例えばダウ・ケミカル日本 (株) 社製の商品名A
FFINITYやENGAGE(エチレン・オクテン・
コポリマー)が挙げられるが、これらのポリエチレン系
熱可塑性ポリマーは、一般に極性基を有さないか、又は
極性基が少ないので、他の樹脂に対する親和性・相溶性
が良くない。本発明では、このようなポリマーに対しカ
ルボン酸変性処理(極性基の導入)を施して、親和性・
相溶性を改善する。これにより、ポリオレフィン系樹脂
はともより、ポリオレフィン系樹脂以外の樹脂に対する
相溶性も改善できる。
【0058】ここで、カルボン酸変性処理とは、前記ポ
リエチレン系熱可塑性ポリマーに対しグラフト重合反応
を起こさせることをいう。カルボン酸変性処理方法とし
ては、公知の各種の方法が使用でき、例えばポリエチレ
ン系熱可塑性ポリマーにカルボン酸を加え、紫外線やガ
ンマ線などを照射する方法、ラジカル重合反応剤を添加
する方法などが例示できる。
【0059】但し、操作が簡便であることから、好まし
くはラジカル重合反応剤、例えば有機過酸化物を添加し
混練する方法を用いる。具体的には、押出機を用いて、
ポリエチレン系熱可塑性ポリマーとカルボン酸と有機過
酸化物とを混練し反応させる。このうち、より好ましく
は次のようにしてカルボン酸変性処理を行うのがよい。
なお、説明の都合上、以下ではカルボン酸変性処理方法
を含め、発泡マスターバッチの作製方法の全般について
説明する。
【0060】先ず、上流側と下流側に少なくとも1個づ
つの原料供給口を有し、かつ最下流側に押出口を有する
する2段混合型の2軸押出機を用意する。この押出機の
シリンダー内をポリマーが溶融しかつ有機過酸化物が作
用し得る温度に加温し、上流側の原料投入口(第1の原
料投入口)からポリエチレン系熱可塑性ポリマーとカル
ボン酸及び有機過酸化物を投入し、混練する(第一のス
テップ)。これにより、ポリエチレン系熱可塑性ポリマ
ーにカルボン酸がグラフト重合する。
【0061】次に、下流側に設けられた原料供給口(第
2の原料投入口)から熱膨張性のマイクロスフェアを投
入し、上流側で混練し反応させたカルボン酸変性ポリマ
ーに対しマイクロスフェアを加える。そして、好ましく
はマイクロスフェアの膨張開始温度以下で且つカルボン
酸変性ポリマーの溶融温度以上の温度で、両者を混練す
る(第二のステップ)。これにより、発泡マスターバッ
チであるPE-MS 混合物が調製される。
【0062】更に、上記第二のステップの後に、好まし
くは PE-MS混合物をホットカットしペレット化する第三
のステップを設ける。この第三のステップでは、押出機
の最下流側に設けられた押出口から押し出された PE-MS
混合物を直ちに(冷却前に)ホットカッターでペレット
化する。この方法であると、生産性よく PE-MS混合物を
ペレット化できる。また、ペレット化した発泡マスター
バッチ(発泡マスターバッチペレット)であると使い勝
手がよいと共に、母材ペレットとのドライブレンド性が
向上するという効果が得られる。
【0063】上記製造方法においては、ポリエチレン系
熱可塑性ポリマーとして、例えばダウ・ケミカル日本
(株) 社製の商品名AFFINITYやENGAGE
(エチレン・オクテン・コポリマー)を使用できる。よ
り詳細には、例えばAFFINITY SM1250や
ENGAGE SM8400が好適に使用できる。これ
らは、熱膨張性マイクロスフェアの膨張開始温度に対し
十分に低い融点を有しているからである。
【0064】なお、AFFINITY SM1250
は、密度0.885gm/cc、コモノマー重合度19
%、メルトインデックス30g/10分、DSC融点温
度85.3℃という諸物性値を有するものであり、EN
GAGE SM8400は、密度0.870gm/c
c、コモノマー重合度24%、メルトインデックス30
g/10分、DSC融点温度63.3℃という諸物性値
を有する。
【0065】上記カルボン酸としては、例えばアクリル
酸、メタアクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、及びこれらの無水物からなる群より
1又は2以上選択されるものが使用できる。このうち好
ましくは2官能性である点で、無水マレイン酸を使用す
るのがよい。他方、有機過酸化物としては、例えばラウ
ロイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジ
ターシャリブチルパーオキサイド、ターシャリブチルパ
ーベンゾエート、ジクミルパーオキサイド、1,3ビス
(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンからな
る群より1又は2以上選択されるものが使用できる。こ
のうち好ましくは分解温度の点で、ベンゾイルパーオキ
サイドを使用するのがよい。
【0066】更に、上記マイクロスフェアとしては、各
種の熱膨張性マイクロスフェアが使用できるが、殻がア
クリロニトリルを含むコポリマーで構成され、その内部
にイソペンタン又はイソブタンを閉じ込めたマイクロカ
プセルタイプのものを使用する。殻がアクリロニトリル
を含むコポリマーで構成されたものは、マイクロカプセ
ル化手段により製膜でき、この膜(外殻)は熱可塑性、
強度、伸度の面で優れる。また、イソペンタンやイソブ
タンは、膨張率及び膨張圧力の面で優れるからである。
【0067】また、既に述べたが、第二のステップにお
ける混練温度としては、カルボン酸変性ポリマーの溶融
温度(DSC(differential scanning calorimetry)の
ピーク温度)と同等以上の温度とし、かつ熱膨張性マイ
クロスフェアの膨張開始温度よりも低い温度とする。こ
の温度範囲での混練であると、カルボン酸変性ポリマー
が溶融しているので、マイクロスフェアの混合が容易で
ある。その一方、熱膨張性マイクロスフェアの膨張開始
温度よりも低い温度であるので、マイクロスフェアが事
前膨張することがない。よって、カルボン酸変性ポリマ
ー(ベース材)にマイクロスフェアが均一分散された良
好な発泡マスターバッチが得られる。
【0068】上記した温度条件を充足するためには、マ
イクロスフェアの膨張開始温度よりも、カルボン酸変性
ポリマーの溶融温度が低温でなければならない。しか
し、シングルサイト触媒を用い合成したポリエチレン系
熱可塑性ポリマーを前駆体とし、この前駆体をカルボン
酸変性処理したカルボン酸変性ポリマーであると、容易
にこのような低融点ポリマーが得られる。
【0069】ところで、熱膨張性マイクロスフェアの膨
張開始温度が低すぎると、ベース材の選択幅が著しく限
定されると共に、混合時の熱によってマイクロスフェア
が事前膨張する恐れが高まる。その一方、膨張開始温度
を高く設定すると、膨張完了温度も高くなるので、必ず
しも製造作業性が向上するとは限らない。このため、現
状の高温タイプのマイクロスフェアは、90℃以上の温
度で膨張を開始するように設定されており、このタイプ
のマイクロスフェアは膨張完了温度(膨張ピーク温度)
が220℃前後に設定されている。そして、このタイプ
のマイクロスフェアは、膨張完了温度付近の温度に加熱
されると5分以内に殻が破れて中空球体としての機能を
失う性質を有する。
【0070】本発明は、主に上記高温タイプのマイクロ
スフェアを用いて高品質かつ使い勝手のよい発泡マスタ
ーバッチを提供することを目的としている。したがっ
て、このようなマイクロスフェアを分散混合するベース
材(カルボン酸変性ポリマー)の温度特性は、次のよう
なものが好ましい。すなわち、DSCピーク溶融温度は
220℃以下、より好ましくは90℃以下のものとす
る。ベース材にマイクロスフェアを均一混合するために
は、ベース材を溶融する必要があり、かつ溶融時の温度
でマイクロスフェアが膨張、破壊されないことが要件と
なるからである。
【0071】他方、ベース材の融点が低すぎると、夏期
などにおいてマスターバッチが軟化し、ブロッキングが
生じるなどする。よって、取扱性の面、事前膨張の防止
の面から、ベース材(カルボン酸変性ポリマー)の融点
温度としては、50℃以上で220℃以下、好ましくは
50℃以上で120℃以下、より好ましくは50℃以上
で90℃以下とする。なお、上記で120℃を例示した
のは、120℃付近に膨張開始温度を有するマイクロス
フェアが市販されており、その入手が容易だからであ
る。但し、ベース材の融点とマイクロスフェアの膨張開
始温度が接近している場合には、混練を極めて短時間
(1〜3分程度)に行う必要がある。
【0072】本発明にかかる発泡マスターバッチの製造
方法について更に説明する。
【0073】押出機を用いて、ポリマーに対するグラフ
重合反応と、グラフ重合されたポリマーに対するマイク
ロスフェアの混練とを一体的・連続的に行う上記製造方
法においては、好ましくは次のような2段混合型の二軸
押出機を使用する。
【0074】すなわち、押出機のシリンダー全長がL
で、シリンダー直径がDであるとき、全体のL/Dが3
0以上であり、かつ第1段(第一のステップで使用する
混練領域)のL/Dが20以上であり、更に第1段のシ
リンダー長の1/4以上がニーディングブロックで構成
されるものが好ましい。これに加えて、第2段(第二の
ステップで使用する領域)のL/Dが10以上であり、
かつ第2段(第二のステップで使用する混練領域)のシ
リンダー長の1/2以上がディスク型の分散型ブロック
で構成されたものが好ましい。
【0075】なお、生産効率の点から、上記の製造方法
が好ましいが、本発明の製造方法はこれに限定されるも
のではなく、各ステップを別個独立的に行う製造方法を
用いてもよい。すなわち、ポリエチレン系熱可塑性ポリ
マーに対するカルボン酸変性処理と、マイクロスフェア
の混練操作を別個の装置で行うこともできる。但し、何
れの製法を採用する場合であっても、カルボン酸変性処
理操作においては、グラフト重合反応を安定的に行うた
めに、装置内を不活性ガスで置換しておくのがよい。
【0076】また、予め流動パラフィンで湿らせたマイ
クロスフェアを用いるのもよい。マイクロスフェアは微
小粒子であるので、攪拌時に空気中に舞い上がり易い
が、適量の流動パラフィンで湿らせると、舞い上がりが
防止でき、同時に流動パラフィンがマイクロスフェアの
外殻に作用して外殻のポリマーに対する親和性を高める
ことができるからである。
【0077】流動パラフィンでマイクロスフェアを湿ら
せたる方法としては、例えば回転羽タイプの攪拌機にマ
イクロスフェアと適量の流動パラフィンとを入れ、攪拌
すればよい。また、カルボン酸変性処理とマイクロスフ
ェアの混練操作を別個独立的に行う方法においては、例
えば予め変性処理したカルボン酸変性ポリマーとマイク
ロスフェアと流動パラフィンとをスパーミキサー等の攪
拌機に入れて、攪拌混合する。なお、流動パラフィンが
存在すると濡れ性が高まるので、極短時間の混合(1分
程度)でマイクロスフェアが均一に分散混合されるの
で、後に押出機を用いて発泡マスターバッチを製造する
のに有利である。
【0078】更に、ベース材とマイクロスフェアの混練
工程において、適量の水を投入するのもよい。これによ
って次の効果が得られる。混練温度がマイクロスフェア
の膨張開始温度に近い場合には、極短時間で混練し冷却
しないと、マイクロスフェアの事前膨張が生じるが、混
練操作中に適量の水を混練物に添加すると、この水によ
り混練物の温度を低下させることができる。更に、添加
された水は混合物の温度により蒸発し、この際気化熱を
奪うので、混練物の温度を低下させることができる。し
かも、この蒸発により、添加された水が除去されるの
で、混練物中に水が残留しない。よって、マイクロスフ
ェアの熱履歴を少なくできるので、高品質の発泡マスタ
ーバッチが得られる。
【0079】本発明においては、カルボン酸変性ポリマ
ーに対するマイクロスフェアの配合割合としては、通常
10〜70重量%とする。10重量%未満であると、マ
イクロスフェアの濃度が薄すぎ、母材に対し多量の発泡
マスターバッチを使用しなけらばならなくなる。よっ
て、使い勝手が悪い発泡マスターバッチとなる。その一
方、マイクロスフェアの割合が70重量%を越えると、
ベース材が過少になるので、母材に対する均一分散性が
低下する。
【0080】押出機やミキサーでの混練強度としては、
マイクロスフェアが剪断力で破壊されない程度とし、可
能な限り混練時間を短くするのがよい。攪拌時間が長く
なると、マイクロスフェアの外殻の損傷が大きくなり、
また攪拌混合熱により事前膨張の恐れが高まるからであ
る。
【0081】更に、ペレット化を行う第三のステップを
設けた場合における発泡マスターバッチペレットのサイ
ズとしては、直径1mm〜5mm、長さ1mm〜5mm
とするのがよい。一般に母材ペレットのサイズがこの大
きさであるので、このサイズであれば、母材ペレットと
ドライブレンドが向上する。なお、ホットカット直後の
ペレットはブロッキングし易いので、例えば回転体に入
れ回転させながら冷却する等の方法で冷却する。
【0082】本発明の主要構成要素について更に説明す
る。
【0083】図1及び図2は、シングルサイト触媒(メ
タロセン触媒系)を用い合成した線状低密度ポリエチレ
ン(LLDPE)と、マルチサイト触媒(従来触媒)を
用いた線状低密度ポリエチレンにおける分子量分布、及
び密度とDSCピーク溶融温度を模式的に示したもので
ある。
【0084】図1から明らかなごとく、シングルサイト
触媒を用いたポリマーは、従来触媒を用いた場合に比較
し分子量分布が狭い。また、図2から明らかなごとく、
従来触媒を用いた場合では、密度が下がっても融点が殆
ど低下しない傾向があるのに対し、シングルサイト触媒
を用いたポリマーでは、密度の低下に従ってDSCピー
ク溶融温度が低下し、全体的により低い融点を有する。
これらのことから、シングルサイト触媒を用い合成した
ポリマーは、カルボン酸変性ポリマーの前駆体として好
適であることが判る。
【0085】図3は、本発明で使用する熱膨張性マイク
ロスフェアの温度−膨張曲線の一例示である。図3に示
すように熱膨張性マイクロスフェアの温度−膨張曲線は
放物線を描いている。即ち、熱膨張性マイクロスフェア
は、所定温度以上に加熱されるとマイクロスフェアの殻
が破壊されるので、却って体積が縮小する。このことか
らして、発泡マスターバッチを組成するベース材の融点
は、マイクロスフェアの膨張開始温度及び膨張ピーク温
度(破裂温度)との関係において適正に選択される必要
があり、また成形母材の加熱成形時の温度を考慮して好
適な発泡マスターバッチ組成を決定するのがよいことが
判る。
【0086】本発明の発泡マスターバッチは、ベース材
に他の樹脂との親和性・相溶性に優れたカルボン酸変性
ポリマーを使用しているので、種々の母材と良好に混練
でき、軽量性、断熱性等は勿論、機械的強度にも優れた
発泡成形品が得られる。具体的には、例えば従来タイプ
のポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビニルアセ
テートなどのプラストマーや、ポリプロピレンとEPR
を混合したオレフィン系熱可塑性エラストマー、更には
SEBSタイプやSEPSタイプのスチレン系熱可塑性
エラストマーなどが使用でき、ナイロンなども使用でき
る。
【0087】本発明発泡マスターバッチは、通常、溶融
した成形母材に成形直前に添加する方法で使用し、発泡
マスターバッチを添加した後の母材は、可及的速やかに
例えば金型内に押し出し、又は射出成形する。これによ
り、母材内でマイクロスフェアが膨張して、いわゆる発
泡成形品が形成される。ここで、マイクロスフェアは膨
張開始温度以上に加熱されると30秒から2分位の極短
時間内で膨張を終了するので、母材との混練・成形時間
や温度の管理を十分に行う必要がある。なお、、例えば
混練時間を短くするために攪拌強度を強め過ぎると、余
分な摩擦熱が発生し却ってマイクロスフェアを破壊する
ことがあるので注意する。
【0088】
【実施例】以下実施例に基づいて本発明を具体的に説明
する。
【0089】〔実施例1〕熱膨張性マイクロスフェアと
しては、エクスパンセル社製のエクスパンセル092D
U−120(粒度3−50μm、相対密度1.2g/c
c、膨張開始温度118−126℃、破壊温度188−
195℃)を使用した。シングルサイト触媒を用い合成
したポリエチレン系ポリマーとしては、ダウ・ケミカル
日本 (株)社製のENGAGE SM8400(密度
0.870g/cc、コモノマー重度24%、DSCピ
ーク融点63.3℃)を使用した。
【0090】混練用の押出機としては、フリージアマク
ロス社製NRII−46mmSG二軸押出機を使用した。
この押出機は上流側と下流側に2つの原料供給口を備え
る2段階混練型であり、シリンダー長とシリンダー直径
の関係は下記の通りである。但し、実施例1では、この
押出機でカルボン酸変性処理のみを行ったので、下流側
の原料供給口は使用しなかった。
【0091】押出機全体 シリンダー全長L/シリンダー直径D=40 第1段目の混練領域 シリンダー長L1 /シリンダー直径D1 =24 当該部分のニーディングブロックの占める割合=6.5
/24 第2段目の混練領域 シリンダー長L2 /シリンダー直径D2 =16 当該部分のニーディングブロックの占める割合=4.0
/16
【0092】製造方法としては、先ず、ENGAGE
SM8400を100Kg、無水マレイン酸を500
g、過酸化ベンゾイルを200gをドラムブレンダーに
入れ予備混合した。次いでこの混合物を押出機の上流側
原料供給口から投入し、シリンダー温度80℃、スクリ
ュー回転数50rpmで混練し、下流側に位置する押出
口から押し出し速度50Kg/hrで押し出した。その
後、ペレッタイザーでペレット化しカルボン酸変性ポリ
マーペレットを得た。
【0093】次に、このカルボン酸変性ポリマーペレッ
ト70Kgと、流動パラフィン0.2Kgで湿らせたエ
クスパンセル092DU−120(30Kg)とを容量
500Lのスーパーミキサー( (株) カタワ製)に入
れ、60℃以上に温度上昇しない攪拌速度(約360r
pm)で約1分間の混合を行った。
【0094】更に、上記で混合したものを2軸スクリュ
ー押出機(池貝 (株) 社製;GT−110)に入れ、ス
クリュー回転数30rpm、ダイス部の温度90℃の条
件で混練し直径3〜3.5mmに押し出し、これを押出
口前方に取り付けた回転ハンマーで直ちにホットカット
した。ホットカットしたペレットは、6角形の回転体を
備えたペレットクーラーに入れ、回転しながら50℃以
下の温度になるまで冷却した。ホットカット直後のペレ
ットの温度は溶融温度に近く、そのままでは相互にくっ
ついてしまうからである。
【0095】以上のようにして、直径3〜3.5mm、
長さ2mm〜4mmの本発明にかかる発泡マスターバッ
チペレットを作製した。
【0096】なお、発泡マスターバッチペレットのサイ
ズは、発泡成形を行う相手樹脂(母材)のペレットサイ
ズに合わせるのがよい。ペレットサイズが同様である
と、ドライブレンドが容易になるからである。
【0097】上記製法で作製した発泡マスターバッチペ
レット中のマイクロスフェア粒子を顕微鏡観察した。そ
の結果、マイクロスフェアの膨張は確認されなかった。
また、マイクロスフェアの分散混合状態が良好であるこ
とが確認された。更に、触覚的観察によって、常温(2
0〜27℃前後)でのベタツキがないことが確認され
た。
【0098】更にまた、上記で作製した発泡マスターバ
ッチペレット1Kgを、マルチサイト触媒を用い合成さ
れた従来型のポリプロピレン樹脂( (株) トクヤマ M
S670)10Kgとをドライブレンドした後、射出成
形(ノズル温度約165℃、金型温度40〜80℃)し
発泡成形品を作製し、その性状を観察した。その結果、
外観状態は良好であり、また破断面のルーペ観察により
均一かつ良好な発泡状態が観察された。
【0099】〔実施例2〕実施例1においては、カルボ
ン酸変性処理工程とマイクロスフェアの混練工程とを別
個独立的に行ったが、実施例2では、上記の2段階混練
型の2軸押出機を用い、カルボン酸変性処理工程と混練
工程とを連続一体的に行った。以下、実施例1と相違す
る点を中心にして、実施例2における製造方法を説明す
る。
【0100】熱膨張性のマイクロスフェアとしては、実
施例1と同様のエクスパンセル092DU−120を使
用した。他方、シングルサイト触媒を用い合成したポリ
エチレン系ポリマーとしては、前記ENGAGE SM
8400に代えて、ダウ・ケミカル日本 (株) 社製のA
FFINITY SM1250(密度0.885g/c
c、コモノマー重度19%、DSCピーク融点85.3
℃)を使用した。また、カルボン酸変性処理のための予
備混合は、実施例1と同様にして行った。
【0101】押出機については、前記と同様のフリージ
アマクロス社製NRII−46mmSG二軸押出機を用い
たが、カルボン酸変性処理工程とマイクロスフェアの混
練工程とを一体的連続的に行った。具体的には、押出機
の上流側の原料供給口から上記予備混合物を70Kg/
hrの速度で供給し、シリンダー温度90℃、スクリュ
ー回転数100rpmで混練した。これによりポリマー
(AFFINITYSM1250)にカルボン酸がグラ
フト重合する。
【0102】他方、上記予備混合物が押出機の下流側の
原料供給口に達した後、当該供給口からからエクスパン
セル092DU−120を30Kg/hrの速度で供給
し、同時に冷却用の水を約400g/hrで供給し混練
した。これにより、カルボン酸変性ポリマーとエクスパ
ンセル092DU−120とが混合されたPE-MS 混合物
が作製される。このPE-MS 混合物は、押出機の最下流側
に設けられた押出口から押し出されるので、これをホッ
トカットしペレット状とした。これにより、発泡マスタ
ーバッチペレットが得られる。
【0103】なお、冷却用の水の供給量は、発泡マスタ
ーバッチペレットの作製が完了するまでに蒸発してしま
う量としてある。
【0104】このようにして作製した実施例2にかかる
発泡マスターバッチペレットを実施例1と同様にして顕
微鏡観察したところ、事前膨張がなく、分散混合状態も
良好であった。また、ベタツキもなかった。
【0105】
【発明の効果】本発明では、発泡マスターバッチのベー
ス材としてカルボン酸変性ポリマーを用い、このカルボ
ン酸変性ポリマーの前駆体として、シングルサイト触媒
を用い合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマーを使
用した。
【0106】シングルサイト触媒を用い合成されたポリ
エチレン系熱可塑性ポリマーは、分子量分布及び組成分
布が狭い。よって、低融点のものであってもベタツキ成
分が少ないので、これをカルボン酸変性したカルボン酸
変性ポリマーも、低融点でベタツキ成分の少ないものと
なる。また、カルボン酸変性ポリマーは、極性基が導入
されている分、前駆体ポリマーに比べ他のポリマーに対
する親和性・相溶性が良い。
【0107】よって、カルボン酸変性ポリマーは、微細
なマイクロスフェアとの混合性がよいと共に、成形母材
に対する混合性がよい。更に、ベトツキがないことか
ら、ペレット化してもペレット相互のブロッキングを生
じない。
【0108】以上から、本発明によれば、発泡成形性
(体積膨張性)に優れ、かつ成形母材とドライブレンド
できる使い勝手のよい発泡マスターバッチが得られる。
そして、この発泡マスターバッチを用いることにより、
発泡成形品の生産性の改善、品質の向上を図ることがで
きるという顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】分子量分布の及ぼす触媒の影響を説明するため
の説明図である。
【図2】シングルサイト触媒を用い合成したポリマーお
よびマルチサイト触媒を用い合成したポリマーの密度
と、DSCピーク溶融温度(融点)の関係を示すグラフ
である。
【図3】熱膨張性マイクロスフェアの膨張率と温度との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/04 C08L 23/04

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シングルサイト触媒を用い合成したポリ
    エチレン系熱可塑性ポリマーに対しカルボン酸変性処理
    を行う第一のステップと、 前記カルボン酸変性処理されたカルボン酸変性ポリマー
    に対し、熱可塑性樹脂からなる殻とこの殻の内部に閉じ
    込められた熱膨張性物質とで構成されるマイクロスフェ
    アを加え、混練してPE-MS 混合物となす第二のステップ
    と、 を備える発泡マスターバッチの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第一のステップにおけるカルボン酸
    変性処理が、シングルサイト触媒を用い合成したポリエ
    チレン系熱可塑性ポリマーに対し、カルボン酸と有機過
    酸化物とを加え加熱下で混練することにより、前記ポリ
    エチレン系熱可塑性ポリマーにカルボン酸をグラフト重
    合することを内容とする、請求項1記載の発泡マスター
    バッチの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第一のステップが、押出機の上流側
    に設けられた第1の原料供給口から、シングルサイト触
    媒を用い合成されたポリエチレン系熱可塑性ポリマー
    と、カルボン酸と、有機過酸化物とを投入し、加熱下で
    前記3成分を混練して、前記ポリエチレン系熱可塑性ポ
    リマーにカルボン酸をグラフト重合することを内容と
    し、 前記第二のステップが、前記押出機の下流側に設けられ
    た第2の原料供給口から熱膨張性マイクロスフェアを投
    入し、前記第1のステップでグラフト重合されたカルボ
    ン酸変性ポリマーとマイクロスフェアとを混練して PE-
    MS混合物となすことを内容とする、請求項1記載の発泡
    マスターバッチの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第二のステップの後に、前記押出機
    の下流側に設けられた押出口から押し出された PE-MS混
    合物をホットカットしペレット化する第三のステップを
    付加したことを特徴とする、請求項1ないし3記載の発
    泡マスターバッチの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記カルボン酸が、アクリル酸、メタア
    クリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラ
    コン酸、、及びこれらの無水物からなる群より選択され
    たものであり、 前記有機過酸化物が、ラウロイルパーオキサイド、ベン
    ゾイルパーオキサイド、ジターシャリブチルパーオキサ
    イド、ターシャリブチルパーベンゾエート、ジクミルパ
    ーオキサイド、1,3ビス(t−ブチルパーオキシイソ
    プロピル)ベンゼンからなる群より選択されたものであ
    る、請求項2ないし4記載の発泡マスターバッチの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記第二のステップにおける混練温度
    が、前記カルボン酸変性ポリマーのDSCピーク溶融温
    度以上であり、かつ前記マイクロスフェアの膨張開始温
    度以下であることを特徴とする、請求項1ないし5記載
    の発泡マスターバッチの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第二のステップにおける混練に際
    し、予め流動パラフィンで湿らせたマイクロスフェアを
    用いることを特徴とする、請求項1ないし6記載の発泡
    マスターバッチの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第二のステップにおける混練に際
    し、冷却用の水を添加することを特徴とする、請求項1
    ないし7記載の発泡マスターバッチの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記マイクロスフェアが、常圧において
    90℃以上の温度で膨張を開始し、220℃以上の温度
    に加熱されると5分以内に殻が破れる性質を有するもの
    である、請求項1ないし8記載の発泡マスターバッチの
    製造方法。
  10. 【請求項10】 前記シングルサイト触媒が、4族遷移
    金属のメタロセン化合物とメチルアルミノキサンとを含
    む複合触媒である、請求項1乃至9記載の発泡マスター
    バッチの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記ポリエチレン系熱可塑性ポリマー
    が、ポリエチレンである、請求項1乃至10記載の発泡
    マスターバッチの製造方法。
  12. 【請求項12】 熱可塑性樹脂からなる殻とこの殻の内
    部に閉じ込められる熱膨張性物質とで構成されるマイク
    ロスフェアと、 シングルサイト触媒を用い合成したポリエチレン系熱可
    塑性ポリマーに対し、カルボン酸変性処理を施してなる
    カルボン酸変性ポリマーを主材とするベース材とで組成
    された発泡マスターバッチ。
  13. 【請求項13】 前記マイクロスフェアは、常圧におい
    て90℃以上の温度で膨張を開始し、かつ220℃以上
    の温度においては5分以内に熱膨張性物質を閉じ込める
    殻が破れる性質を有するものである、請求項12記載の
    発泡マスターバッチ。
  14. 【請求項14】 前記カルボン酸変性ポリマーは、前記
    マイクロスフェアの膨張開始温度よりも低温側にDSC
    ピーク溶融温度を有するものである、請求項12または
    13記載の発泡マスターバッチ。
  15. 【請求項15】 前記マイクロスフェアの殻が、アクリ
    ロニトリルを含むコポリマーからなる、請求項12ない
    し14記載の発泡マスターバッチ。
  16. 【請求項16】 前記マイクロスフェアの熱膨張性物質
    が、イソペンタン又はイソブタンである、請求項12な
    いし15記載の発泡マスターバッチ。
  17. 【請求項17】 前記カルボン酸変性ポリマーが、シン
    グルサイト触媒を用い合成したポリエチレンにカルボン
    酸がグラフト重合されたものである、請求項12ないし
    16記載の発泡マスターバッチ。
  18. 【請求項18】 前記発泡マスターバッチは、直径1m
    m〜5mm、長さ1mm〜5mmのペレット状のもので
    ある、請求項12ないし17記載の発泡マスターバッ
    チ。
JP4975497A 1997-02-17 1997-02-17 発泡マスターバッチ及びその製造方法 Pending JPH10231379A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4975497A JPH10231379A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 発泡マスターバッチ及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4975497A JPH10231379A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 発泡マスターバッチ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10231379A true JPH10231379A (ja) 1998-09-02

Family

ID=12839981

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4975497A Pending JPH10231379A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 発泡マスターバッチ及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10231379A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100387735B1 (ko) * 1999-02-03 2003-06-18 삼성종합화학주식회사 유기과산화물 마스터뱃치 및 그 제조방법
JP2004509793A (ja) * 2000-10-10 2004-04-02 ビユーラー・アクチエンゲゼルシヤフト 多軸押出機と充填材と混合したエラストマ−を再生及び/又は加工する方法
JPWO2005000958A1 (ja) * 2003-06-27 2006-08-03 三井化学株式会社 発泡体用樹脂組成物及びその用途
JP2012516770A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 リスト ホールディング アーゲー 混合物の連続処理方法及び装置
US8460590B2 (en) 2001-07-25 2013-06-11 Pirelli Pneumatici S.P.A. Process for continuously producing an elastomeric composition
JP2017101189A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 東洋スチレン株式会社 熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100387735B1 (ko) * 1999-02-03 2003-06-18 삼성종합화학주식회사 유기과산화물 마스터뱃치 및 그 제조방법
JP2004509793A (ja) * 2000-10-10 2004-04-02 ビユーラー・アクチエンゲゼルシヤフト 多軸押出機と充填材と混合したエラストマ−を再生及び/又は加工する方法
US8460590B2 (en) 2001-07-25 2013-06-11 Pirelli Pneumatici S.P.A. Process for continuously producing an elastomeric composition
JPWO2005000958A1 (ja) * 2003-06-27 2006-08-03 三井化学株式会社 発泡体用樹脂組成物及びその用途
JP4786343B2 (ja) * 2003-06-27 2011-10-05 三井化学株式会社 発泡体用樹脂組成物及びその用途
JP2012516770A (ja) * 2009-02-05 2012-07-26 リスト ホールディング アーゲー 混合物の連続処理方法及び装置
JP2017101189A (ja) * 2015-12-04 2017-06-08 東洋スチレン株式会社 熱可塑性樹脂組成物の製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2554154B2 (ja) シランで架橋されたポリオレフィンの成形可能な泡ビーズ
JP5993108B1 (ja) 発泡用樹脂組成物及び発泡成形体
JPH10212372A (ja) 発泡マスターバッチ及びその製造方法
CN107177117A (zh) 一种可发性聚烯烃、聚苯乙烯共混物的粒子及其制备方法
EP1656419A1 (en) Compositions for heat-recoverable foam tubing
JP2510647B2 (ja) 化学的反応性作用剤の合成樹脂粒子表面への固定方法
JP5412284B2 (ja) プラスチックにおける密度を低下させるための温度感受性作用物質組成物
JPH0358376B2 (ja)
JPH10231379A (ja) 発泡マスターバッチ及びその製造方法
EP0805009A1 (en) Method of manufacturing olefin resin particles and pre-expanded particles
JPH1024436A (ja) 熱可塑性樹脂発泡体およびその製造方法
JPH06298983A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造法
JPH06509125A (ja) 微小球体の乾燥方法
US3632532A (en) Production of expanded ethylene copolymers
JPH06136176A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造法
JPH0569068B2 (ja)
JPH07304895A (ja) ポリプロピレン系樹脂発泡粒子及びその製造方法
JPH07314438A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法
JPH07316335A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製造方法
JPS6270429A (ja) 発泡成形用マスタ−バツチ
JP5568350B2 (ja) ポリプロピレン系改質樹脂の製造方法
JPH07330935A (ja) 結晶性ポリオレフィン発泡体
JPH0632932A (ja) 発泡性熱可塑性樹脂粒子の製法
JPH0647273B2 (ja) 積層発泡成形体の製造方法
JPH0328240A (ja) 発泡用直鎖状低密度ポリエチレン樹脂着色粒子及び直鎖状低密度ポリエチレン樹脂予備発泡着色粒子