JPH10227572A - 熱処理炉 - Google Patents

熱処理炉

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JPH10227572A
JPH10227572A JP4462297A JP4462297A JPH10227572A JP H10227572 A JPH10227572 A JP H10227572A JP 4462297 A JP4462297 A JP 4462297A JP 4462297 A JP4462297 A JP 4462297A JP H10227572 A JPH10227572 A JP H10227572A
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JP
Japan
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gas
heat treatment
furnace
gas supply
treatment zone
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JP4462297A
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Akiyoshi Onishi
明義 大西
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱処理ゾーンの雰囲気を均一に保つこと、及
び雰囲気の切換を確実に行うことが可能で、しかも、バ
インダー分解ガスなどのタール化に起因する悪臭の発生
や断熱材の機能低下、漏電などを防止することが可能な
熱処理炉を提供する熱処理ゾーンを雰囲気を均一に保つ
とともに、雰囲気の切換を確実に行うことが可能で、し
かも、バインダー分解ガスのタール化に起因する悪臭の
発生や断熱材の機能低下、漏電などを引き起こすことの
ない熱処理炉を提供する。 【解決手段】 ガス供給路から、炉床部と炉本体の隙間
に雰囲気ガスと同種のガスを供給する。また、ガス供給
路を、熱処理ゾーンの内部側に向かってガスを吹き出す
内部側ガス吹出口を有する第1ガス供給管と、熱処理ゾ
ーンの外部側に向かってガスを吹き出す外部側ガス吹出
口を有する第2ガス供給管とを備えてなる構成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱処理炉に関し、
詳しくは、セラミック電子部品の製造に用いられるセラ
ミック成形体などを熱処理するのに用いられる熱処理炉
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】セラミ
ック電子部品などを製造する工程において用いられる熱
処理炉の一つに、例えば、図5に示すような熱処理炉が
ある。この熱処理炉Cは、底面側が開口した炉本体51
と、炉本体51の底面側に、昇降可能に配設された炉床
部(テーブル)52と、炉本体51と炉床部52とから
形成された熱処理ゾーン54の内部に挿入、配設された
SiCなどからなるヒータ55と、炉本体51の周囲に
配設された雰囲気ガス供給路56と、熱処理ゾーン54
内で発生する燃焼ガスや未消費の雰囲気ガスなどを排気
するためのガス排気路57とを備えて構成されている。
なお、図5は、匣53に入れた被熱処理物を炉床部52
に載置して熱処理ゾーン54内に収容した状態を示して
いる。
【0003】そして、この熱処理炉Cを用いた熱処理
は、通常、次のような方法により行われている。
【0004】まず、降下させておいた炉床部52上に被
熱処理物を入れた匣53を載置し、炉床部52を上昇さ
せて匣53を熱処理ゾーン54内に収納する。それか
ら、雰囲気ガス供給路56から雰囲気ガスを供給し、ヒ
ータ55に通電して発熱させることにより熱処理ゾーン
54内を昇温させ、所定の雰囲気下で脱脂(脱バインダ
ー)及び本焼成を行う。そして、所定の温度にまで冷却
した後、炉床部52を降下させ、匣53とともにその内
部に収容された被熱処理物を取り出す。
【0005】ところで、上記従来の熱処理炉Cにおいて
は、燃焼ガスなどをガス排気路57から排出するととも
に、炉本体51の周囲に配設された雰囲気ガス供給路5
6から雰囲気ガスを供給することにより熱処理ゾーン5
4内の雰囲気を所定の雰囲気に保つようにしているが、
熱処理ゾーン54の下部の炉床部52に近い位置まで炉
内雰囲気を均一にすることは困難で、雰囲気に偏りが生
じる場合がある。
【0006】また、焼成工程の途中で、炉内雰囲気を酸
化雰囲気から還元雰囲気に切り換えたり、還元雰囲気か
ら酸化雰囲気に切り換えたりすることが必要になる場合
があるが、そのような場合に、熱処理ゾーン54の下部
の炉床部52の近傍では、雰囲気ガスが十分に置換され
ず、所望の雰囲気に切り換えることができない場合があ
る。
【0007】また、上記従来の熱処理炉Cにおいては、
炉床部52の昇降を可能にするために、炉本体51と炉
床部52との間に所定の隙間58が形成されているた
め、隙間58に入り込んだガスやバインダー分解ガスな
どが冷却されて生じたタール分(すなわち残留炭素分)
が再び熱処理ゾーン54内に入り、雰囲気を乱すという
問題点がある。
【0008】なお、脱脂時に発生するバインダー分解ガ
スは、空気より比重が大きく、炉床部近傍に溜まるばか
りでなく、炉本体51と炉床部52との間の隙間58に
流れ込み、そこを通過する間に温度が下がってタール化
する。そして、このタール分の一部が再び気化して上述
のように熱処理ゾーン54に入り込むとともに、残りの
タール分が隙間58やその周囲に蓄積され、悪臭の発
生、断熱材の機能低下、漏電などの原因になるという問
題点がある。
【0009】なお、ここでは、従来の熱処理炉として、
炉床部の昇降を可能とした熱処理炉を例にとって説明し
たが、炉床部を昇降及び回転可能とした熱処理炉(炉床
回転式熱処理炉)も広く用いられており、上述の問題点
は、この炉床回転式熱処理炉にも当てはまるものであ
る。
【0010】本発明は、上記問題点を解決するものであ
り、熱処理ゾーンの雰囲気を均一に保つこと、雰囲気の
切換を確実に行うことが可能で、しかも、バインダー分
解ガスなどのタール化に起因する悪臭の発生や断熱材の
機能低下、漏電などを防止することが可能な熱処理炉を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱処理炉は、被熱処理物が載置される炉床
部と、前記炉床部とともに、被熱処理物の熱処理が行わ
れる熱処理ゾーンを形成する炉本体と、前記熱処理ゾー
ンを所定の温度に昇温させるためのヒータと、前記熱処
理ゾーン内に雰囲気ガスを供給するための雰囲気ガス供
給路と、前記炉床部と前記炉本体の隙間に雰囲気ガスと
同種のガスを供給して、前記熱処理ゾーンの内部側及び
外部側に向かって前記ガスを吹き出させるガス供給路と
を備えたことを特徴としている。
【0012】上記ガス供給路から、炉床部と炉本体の隙
間に雰囲気ガスと同種のガスを供給して熱処理ゾーンの
内部側及び外部側に向かって前記ガスを吹き出させるこ
とにより、炉床部近傍及び炉床部と炉本体の隙間に気流
が生じ、熱処理ゾーンの炉床部近傍にバインダー分解ガ
スなどが溜まって雰囲気が不均一になったり、炉床部で
の雰囲気ガスの切り換えが確実に行われなかったりする
ことを抑制、防止することができるようになる。また、
炉床部近傍及び炉床部と炉本体の隙間に雰囲気ガスと同
種のガスが供給され、隙間に入り込んだバインダー分解
ガスの一部が、熱処理ゾーンの内部側に吹き出されるガ
スにより熱処理ゾーンに戻されるとともに、隙間の奥に
まで入り込んだバインダー分解ガスが、熱処理ゾーンの
外部側に吹き出されるガスにより系外に追い出されるた
め、バインダー分解ガスがタール化して蓄積することを
防止して悪臭の発生や断熱材の機能低下、漏電などの発
生を確実に抑制、防止することができるようになる。な
お、本発明において、雰囲気ガスと同種のガスとは、雰
囲気ガスと同じガス及び実質的に同じ組成を有するガス
を含む広い概念である。
【0013】また、本発明の熱処理炉は、前記ガス供給
路が、前記隙間から前記熱処理ゾーンの内部側に向かっ
てガスを吹き出す内部側ガス吹出口を有する第1ガス供
給管と、熱処理ゾーンの外部側に向かってガスを吹き出
す外部側ガス吹出口を有する第2ガス供給管とを備えて
構成されていることを特徴としている。ガス供給路を、
内部側ガス吹出口を有する第1ガス供給管と、外部側ガ
ス吹出口を有する第2ガス供給管とを備えてなる構成と
した場合、第1ガス供給管及び第2ガス供給管から熱処
理ゾーンの内部側及び外部側に向かってガスを確実に吹
き出すことが可能になり、炉床部近傍及び炉本体と炉床
部との隙間にバインダー分解ガスや置換前のガスなどが
溜まって雰囲気に偏りが生じることを効率よく防止でき
るようになる。したがって、熱処理ゾーンの雰囲気を均
一にすることが可能になるとともに、熱処理ゾーンの雰
囲気を確実に切り換えることが可能になり、かつ、バイ
ンダー分解ガスなどのタール化(液化)に起因する悪臭
の発生や断熱材の機能低下、漏電の発生などを抑制、防
止することが可能になる。
【0014】また、本発明の熱処理炉は、前記ガス供給
路が、一本のガス供給管に、熱処理ゾーンの内部側に向
かって前記ガスを吹き出す内部側ガス吹出口と、熱処理
ゾーンの外部側に向かって前記ガスを吹き出す外部側ガ
ス吹出口とを配設してなるものであることを特徴として
いる。一本のガス供給管に、内部側ガス吹出口と外部側
ガス吹出口の両方を配設することにより、ガス供給路の
構成を簡略化して設備の小型化を図ることが可能になる
とともに、設備コストを低減することが可能になる。
【0015】また、本発明の熱処理炉は、前記外部側ガ
ス吹出口及び内部側ガス吹出口の大きさが、直径0.2
〜1.0mmの範囲にあることを特徴としている。外部側
ガス吹出口及び内部側ガス吹出口の大きさを、直径0.
2〜1.0mmの範囲とすることにより、タール分などに
よる目詰りを防止しつつ、炉本体と炉床部との隙間から
ガスを所定の勢いで吹き出させることが可能になり、本
発明をより実効あらしめることができる。
【0016】また、本発明の熱処理炉は、前記炉床部が
回転駆動されるものであることを特徴としている。炉床
部が回転駆動されるタイプの熱処理炉においては、炉本
体と炉床部の間に十分な隙間を形成することが必要で、
特に上述の種々の問題を生じやすいが、回転炉床式の熱
処理炉に本発明を適用することにより、熱処理ゾーンを
確実に所望の雰囲気にすることが可能になるとともに、
バインダー分解ガスなどのタール化に起因する悪臭の発
生や断熱材の機能低下、漏電などの発生を抑制、防止す
ることができるようになる。
【0017】また、本発明の熱処理炉は、前記ガス供給
路を、炉本体内を蛇行・貫通させて前記隙間まで導くこ
とにより、その経路を長くして内部を通過するガスの予
熱時間を増大させたことを特徴としている。ガス供給路
を、炉本体内を蛇行・貫通させて前記隙間まで導くこと
により、その経路が長くなり、内部を通過するガスが十
分に予熱されるため、熱処理ゾーンの温度低下を招いた
りすることなく、上述の本発明の効果を確実に奏させる
ことが可能になる。
【0018】また、本発明の熱処理炉は、前記ガス供給
路から熱処理ゾーンの外部側に向かって吹き出されるガ
スを所定の割合で系外に排出させるための排出機構を設
けたことを特徴としている。ガス供給路から熱処理ゾー
ンの外部側に向かって吹き出されるガスを所定の割合で
系外に排出するための排出機構を設けることにより、第
1ガス供給管から吹き出されるガスによって熱処理ゾー
ンに戻せなかったバインダー分解ガスや、置換前の炉床
部滞留ガスを確実に系外に排出して炉内に滞留させない
ようにすることが可能になり、本発明をより実効あらし
めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
基づいて説明する。
【0020】[実施形態1]図1は本発明の一実施形態
にかかる熱処理炉を示す正面図、図2は図1のII−II線
断面図である。この実施形態の熱処理炉(炉床回転式熱
処理炉)Aは、底面側が開口した炉本体1と、炉本体1
の底面側に、昇降及び回転可能に配設された炉床部(テ
ーブル)2と、炉本体1と炉床部2とから形成された熱
処理ゾーン4の内部に挿入、配設されたSiCなどから
なるヒータ5と、炉本体1の上部から熱処理ゾーン4内
に挿入された雰囲気ガス供給管6と、熱処理ゾーン4内
で発生する燃焼ガスや未消費の雰囲気ガスなどを排気す
るためのガス排気路7と、炉床部2を回転駆動させる回
転駆動手段(電動モータ)9とを備えて構成されてい
る。なお、図1は、匣3に入れた被熱処理物を炉床部2
に載置して熱処理ゾーン4内に収容した状態を示してい
る。
【0021】また、この熱処理炉Aにおいては、炉床部
2の昇降及び回転を可能にするために、炉本体1と炉床
部2との間に所定の隙間8が形成されているとともに、
この隙間8に、雰囲気ガスと同種のガスを供給するため
のガス供給路10が配設されている。なお、この実施形
態では、ガス供給路10は第1ガス供給管11及び第2
ガス供給管12から形成されている。
【0022】そして、第1ガス供給管11及び第2ガス
供給管12は、それぞれ、その経路が長くなるように、
炉本体1の下部を蛇行して貫通するとともに、隙間8を
周回するように配設されている。
【0023】そして、第1ガス供給管11の隙間8を周
回する環状部分11aの上面側には、上記隙間8から熱
処理ゾーン4の内部側に向かってガスを吹き出す複数の
内部側ガス吹出口13が形成されており、また、第2ガ
ス供給管12の隙間8を周回する環状部分12aの下面
側には、隙間8から熱処理ゾーン4の外部側に向かって
ガスを吹き出す複数の外部側ガス吹出口14が形成され
ている。
【0024】なお、第1ガス供給管11及び第2ガス供
給管12には、外径6〜10mmで、炉の使用温度で軟
化、変形することのないインコネルやステンレスなどの
材料からなるパイプが用いられており、また、内部側ガ
ス吹出口13及び外部側ガス吹出口14は環状部分11
aの周方向に所定のピッチで形成されており、その口径
は0.2〜1.0mmとされている。また、第1ガス供給
管11には、ガス供給量の調節及び第1ガス供給管11
の開閉を行うための電磁弁15及び流量計16が配設さ
れており、第2ガス供給管12には、ガス供給量の調節
及び第2ガス供給管12の開閉を行うための電磁弁17
及び流量計18が配設されている。
【0025】また、炉本体1及び炉床部2などから形成
される熱処理炉Aの下部外周には、第2ガス供給管12
から熱処理ゾーン4の外部側に向かって吹き出されるガ
スを所定の割合で系外に排出させるための排出機構(排
気ダンパー)19が配設されている。
【0026】次に、この熱処理炉Aを用いて熱処理を行
う方法について説明する。 まず、降下させておいた炉床部2上に被熱処理物を入
れた匣3を載置し、炉床部2を上昇させて匣3を熱処理
ゾーン4内に収納する。 そして、炉床部2を回転させ、雰囲気ガス供給管6か
ら雰囲気ガスを供給するとともに、第1ガス供給管11
及び第2ガス供給管12から炉本体1と炉床部2との隙
間8に雰囲気ガスと同じガスを供給しながらヒータ5に
通電して発熱させることにより熱処理ゾーン4内を昇温
させ、所定の温度プロファイルで脱脂(脱バインダー)
及び本焼成を行う。なお、第1ガス供給管11及び第2
ガス供給管12は、炉本体1の内部を蛇行して炉本体1
と炉床部2との隙間8に至っており、その経路が長く、
十分に予熱されて隙間8に供給されるため、所定の温度
プロファイルに従って確実に脱脂及び本焼成が行われ
る。 そして、所定の温度にまで冷却した後、炉床部2を降
下させ、匣3とともにその内部に収容された被熱処理物
を取り出す。
【0027】なお、上記の脱脂及び本焼成の工程で
は、炉本体1と炉床部2との隙間8に第1ガス供給管1
1及び第2ガス供給管12から雰囲気ガスと同じガスが
供給されるため、脱脂工程で発生するバインダー分解ガ
ス(冷却されると液化してタール化する成分を含むガ
ス)が隙間8に流れ込んでも、タール化する前に第1ガ
ス供給管11の内部側ガス吹出口13から上方に吹き出
されるガスにより熱処理ゾーン4に戻されるとともに、
隙間8から炉床部2の下方にまで流れ込んだバインダー
分解ガスの残りの部分は、第2ガス供給管12の外部側
ガス吹出口14から下方に、隙間8内のバインダー分解
ガスを巻き込まない程度の割合で吹き出されるガスによ
り、排気ダンパー19を経て所定の割合で系外に排出さ
れるため、炉床部2の下方に溜まるガスが確実に置換さ
れ、タール分の析出が防止される。したがって、熱処理
ゾーン4の雰囲気を均一にすることが可能になるととも
に、雰囲気切換時に炉床部に滞留しやすい切換前(置換
前)のガスを置換して、熱処理ゾーン4の雰囲気を確実
に切り換えることが可能になり、かつ、バインダー分解
ガスなどのタール化(液化)に起因する悪臭の発生や断
熱材の機能低下、漏電などの発生を抑制、防止すること
が可能になる。
【0028】[実施形態2]図3は本発明の他の実施形
態にかかる熱処理炉(炉床回転式熱処理炉)Bを示す正
面断面図、図4は図3のIV−IV線断面図である。この実
施形態の熱処理炉Bは、インコネルやステンレスなどの
耐熱性を有する一本のガス供給管21からなるガス供給
路20を備えている。そして、このガス供給路20の、
炉本体1と炉床部2との間の隙間8に配設された環状部
分21aの上面側に、熱処理ゾーン4の内部側に向かっ
てガスを吹き出す内部側ガス吹出口23を形成し、下面
側に、熱処理ゾーン4の外部側に向かってガスを吹き出
す外部側ガス吹出口24を形成することにより、一本の
ガス供給管21で、ガスを熱処理ゾーン4の内部側及び
外部側に吹き出すことができるように形成されている。
【0029】なお、内部側ガス吹出口23から吹き出さ
れるガス量が外部側ガス吹出口24から吹き出されるガ
ス量より多くなるように、内部側ガス吹出口23の配設
ピッチを、外部側ガス吹出口24の配設ピッチより小さ
くしている。また、ガス供給路20には、ガス供給量の
調節及びガス供給路20の開閉を行うための電磁弁25
及び流量計26が配設されている。また、電磁弁25及
び流量計26が配設された方と逆側には、環状部分21
aを保持するための端部支持継手27(図4)及び支持
端部28(図4)が配設されており、支持端部28は封
止されている。
【0030】なお、その他の構成は、上記実施形態1と
同様であるため説明を省略する。なお、図3及び図4に
おいては、図1及び図2に示した熱処理炉Aと同一又は
相当する部分に同一符号を付している。
【0031】この実施形態の熱処理炉Bにおいても、ガ
ス供給路20の上面側の内部側ガス吹出口23及び下面
側の外部側ガス吹出口24から、炉本体1と炉床部2と
の間の隙間8に、所定の割合で雰囲気ガスと同一のガス
を供給するようにしているので、上記実施形態1の場合
と同様の効果を得ることができる。
【0032】さらに、この実施形態の熱処理炉Bにおい
ては、ガス供給路20が一本のガス供給管21から形成
されているため、装置構成を簡略化して設備の小型化及
び製造コストの低減を図ることが可能になる。
【0033】なお、上記実施形態1,2では、ガス供給
路を構成するガス供給管の一部(炉本体と炉床部の隙間
に配設された部分)を環状とした場合について説明した
が、ガス供給路を構成するガス供給管の形状については
特別の制約はなく、炉本体と炉床部の隙間にガスを供給
することが可能な種々の形状とすることが可能である。
また、ガス供給路に配設された内部側ガス及び外部側の
ガス吹出口の形状や配設位置、配設ピッチなどに関して
も上記実施形態に限定されるものではなく、種々の構成
とすることが可能である。
【0034】また、上記実施形態1,2では、ヒータと
してSiCヒータを用いた場合について説明したが、ヒ
ータの種類については特に制約はなく、その他の種々の
ヒータを用いることが可能である。
【0035】本発明はさらにその他の点においても上記
実施形態に限定されるものではなく、脱バインダー用か
本焼成用か、あるいは連続炉かバッチ炉かなどの熱処理
炉の種類、炉本体や炉床部の具体的な形状及び構造、雰
囲気ガス供給路やガス排気路の配設位置、炉床部を昇降
及び回転駆動させるための機構などに関し、発明の要旨
の範囲内において種々の応用、変形を加えることが可能
である。
【0036】
【発明の効果】上述のように、本発明の熱処理炉は、ガ
ス供給路から、炉床部と炉本体の隙間に雰囲気ガスと同
種のガスを供給するようにしているので、炉床部近傍及
び炉床部と炉本体の隙間にバインダー分解ガスなどが溜
まって雰囲気が不均一になったり、雰囲気ガスの切り換
えを行うことが困難になったりすることを確実に抑制、
防止することができる。
【0037】また、炉床部近傍及び炉床部と炉本体の隙
間に雰囲気ガスと同種のガスが供給され、隙間に入り込
んだバインダー分解ガスの一部が、熱処理ゾーンの内部
側に吹き出されるガスにより熱処理ゾーンに戻されると
ともに、隙間の奥にまで入り込んだバインダー分解ガス
が、熱処理ゾーンの外部側に吹き出されるガスにより系
外に追い出されるため、バインダー分解ガスがタール化
して蓄積することを防止して悪臭の発生や断熱材の機能
低下、漏電の発生などを確実に抑制、防止することがで
きる。
【0038】また、ガス供給路を、熱処理ゾーンの内部
側に向かってガスを吹き出す内部側ガス吹出口を有する
第1ガス供給管と、熱処理ゾーンの外部側に向かってガ
スを吹き出す外部側ガス吹出口を有する第2ガス供給管
とを備えてなる構成とした場合、ガス供給路を、内部側
ガス吹出口を有する第1ガス供給管と、外部側ガス吹出
口を有する第2ガス供給管とを備えてなる構成とした場
合、第1ガス供給管及び第2ガス供給管から熱処理ゾー
ンの内部側及び外部側に向かってガスを確実に吹き出し
て、炉床部近傍や炉本体と炉床部との隙間にバインダー
分解ガスなどが溜まって雰囲気に偏りが生じること効率
よく防止できるようになる。したがって、熱処理ゾーン
の雰囲気を均一にすることが可能になるとともに、熱処
理ゾーンの雰囲気を確実に切り換えることが可能にな
り、かつ、バインダー分解ガスなどのタール化に起因す
る悪臭の発生や断熱材の機能低下、漏電の発生などを抑
制、防止することが可能になる。
【0039】また、一本のガス供給管に、内部側ガス吹
出口と外部側ガス吹出口を配設するようにした場合、ガ
ス供給路の構成を簡略化して、設備の小型化を図ること
が可能になるとともに、設備コストを低減することが可
能になる。
【0040】また、外部側ガス吹出口及び内部側ガス吹
出口の大きさを、直径0.2〜1.0mmの範囲とした場
合、タール分などによる目詰りを防止しつつ、ガスを所
定の勢いで吹き出させることが可能になり、本発明をよ
り実効あらしめることができる。
【0041】また、炉床部が回転駆動されるタイプの熱
処理炉においては、その構造から、雰囲気ガスの偏りや
タール分の溜まりなどの問題点が生じやすいが、本発明
を適用することにより、これらの問題点を解決して、熱
処理ゾーンを確実に所望の雰囲気にすることが可能にな
るとともに、バインダー分解ガスなどのタール化に起因
する悪臭の発生や断熱材の機能低下、漏電の発生などを
抑制、防止することができるようになる。
【0042】また、ガス供給路を、炉本体内を蛇行・貫
通させて、炉本体と炉床部との隙間まで導くようにした
場合、その経路が長くなり、内部を通過するガスが十分
に予熱されるため、熱処理ゾーンの温度低下を招いたり
することなく、上述の効果を確実に得ることが可能にな
り、本発明をより実効あらしめることができる。
【0043】また、ガス供給路から熱処理ゾーンの外部
側に向かって吹き出されるガスを所定の割合で系外に排
出するための排出機構を設けた場合、タール分などを含
むガスを確実に系外に排出して炉内に滞留させないよう
にすることが可能になり、本発明をより実効あらしめる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかる熱処理炉を示す正
面断面図である。
【図2】図1の熱処理炉のII−II線断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態にかかる熱処理炉を示す
正面断面図である。
【図4】図3の熱処理炉のIV−IV線断面図である。
【図5】従来の熱処理炉を示す正面断面図である。
【符号の説明】
1 炉本体 2 炉床部(テーブル) 3 匣 4 熱処理ゾーン 5 ヒータ 6 雰囲気ガス供給管 7 ガス排気路 8 隙間 9 回転駆動手段(電動モータ) 10 ガス供給路 11 第1ガス供給管 11a 環状部分 12 第2ガス供給管 12a 環状部分 13 内部側ガス吹出口 14 外部側ガス吹出口 15,17 電磁弁 16,18 流量計 19 排出機構(排気ダンパー) 20 ガス供給路 21 ガス供給管 21a 環状部分 23 内部側ガス吹出口 24 外部側ガス吹出口 25 電磁弁 26 流量計 27 端部支持継手 28 支持端部 A,B 熱処理炉

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被熱処理物が載置される炉床部と、 前記炉床部とともに、被熱処理物の熱処理が行われる熱
    処理ゾーンを形成する炉本体と、 前記熱処理ゾーンを所定の温度に昇温させるためのヒー
    タと、 前記熱処理ゾーン内に雰囲気ガスを供給するための雰囲
    気ガス供給路と、 前記炉床部と前記炉本体の隙間に雰囲気ガスと同種のガ
    スを供給して、前記熱処理ゾーンの内部側及び外部側に
    向かって前記ガスを吹き出させるガス供給路とを備えた
    ことを特徴とする熱処理炉。
  2. 【請求項2】前記ガス供給路が、前記隙間から前記熱処
    理ゾーンの内部側に向かってガスを吹き出す内部側ガス
    吹出口を有する第1ガス供給管と、熱処理ゾーンの外部
    側に向かってガスを吹き出す外部側ガス吹出口を有する
    第2ガス供給管とを備えて構成されていることを特徴と
    する請求項1記載の熱処理炉。
  3. 【請求項3】前記ガス供給路が、一本のガス供給管に、
    熱処理ゾーンの内部側に向かって前記ガスを吹き出す内
    部側ガス吹出口と、熱処理ゾーンの外部側に向かって前
    記ガスを吹き出す外部側ガス吹出口とを配設してなるも
    のであることを特徴とする請求項1記載の熱処理炉。
  4. 【請求項4】前記外部側ガス吹出口及び内部側ガス吹出
    口の大きさが、直径0.2〜1.0mmの範囲にあること
    を特徴とする請求項2又は3記載の熱処理炉。
  5. 【請求項5】前記炉床部が回転駆動されるものであるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の熱処理
    炉。
  6. 【請求項6】前記ガス供給路を、炉本体内を蛇行・貫通
    させて前記隙間まで導くことにより、その経路を長くし
    て内部を通過するガスの予熱時間を増大させたことを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の熱処理炉。
  7. 【請求項7】前記ガス供給路から熱処理ゾーンの外部側
    に向かって吹き出されるガスを所定の割合で系外に排出
    させるための排出機構を設けたことを特徴とする請求項
    1〜5のいずれかに記載の熱処理炉。
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