JPH10221201A - 流れ解析方法 - Google Patents

流れ解析方法

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JPH10221201A
JPH10221201A JP2301697A JP2301697A JPH10221201A JP H10221201 A JPH10221201 A JP H10221201A JP 2301697 A JP2301697 A JP 2301697A JP 2301697 A JP2301697 A JP 2301697A JP H10221201 A JPH10221201 A JP H10221201A
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image
flow
pattern
exposure
images
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JP2301697A
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Fumio Sato
文雄 佐藤
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Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Aerodynamic Tests, Hydrodynamic Tests, Wind Tunnels, And Water Tanks (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 流れに煙などのトレーサを注入してトレーサ
のパターンの変化を撮影し、所定間隔離れた時刻の2つ
の画像における対応部位をパターンマッチングにより求
めることにより、流れの各点での流速ベクトルを求める
方法において、パターンマッチング処理の精度を向上さ
せる。 【解決手段】 微小時間Δt0 だけ異なる2つの時点の
画像(a)と(b)が合成された画像(e)を生成し、
同様に画像(c)と(d)とが合成された画像(f)を
構成し、画像(e)と(f)との間でパターンマッチン
グ処理を行う。画像(e)、(f)は、それぞれ2つの
時点での煙の端縁の情報を含むので、パターンマッチン
グの際の識別特徴が多く、したがって両画像における対
応部位をより精度よく特定することができる。なお、画
像(e)、(f)は、二重露光処理などにより形成する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トレーサによって
可視化された流れの様子を撮影し、この撮影結果におけ
る所定間隔離れた時刻の画像同士のパターンの相関に基
づいて流れを解析する流れ解析方法に関する。
【0002】
【従来の技術】車体まわりの流れの解析や空調による車
内の空気の流れの解析など、流れの解析は自動車の設計
・開発においても欠かせないものとなっている。流れの
解析には、周知のごとく、計算機シミュレーションによ
る方法と実機又は模型を使った実験による方法とがあ
る。このうち実験により流れを解析する方法の一つに、
トレーサを流れに注入して流れを可視化し、このトレー
サの流れる様子を撮影して録画し、録画画像に対して相
関法と呼ばれるアルゴリズムを適用する方法がある。例
えば空気などの流れを解析する場合には、流れの中にト
レーサとして煙を送り込み、この煙の先端部分のパター
ンの変化の様子をビデオカメラで撮影し、この撮影結果
の録画画像に対して相関法を適用する。
【0003】相関法では、微小時間間隔離れた2つの画
像のパターンマッチングを行うことにより各点における
流れの方向や速さを決定する。図8は、相関法の概念を
説明するための図であり、(a)及び(b)は、それぞ
れ微小時間Δtだけ異なった2つの時刻における流れ領
域の画像を示している。ここで、各画像は、背景110
に対する煙100の様子を示す濃淡画像である。相関法
では、まず、1枚目の画像(a)において注目点Pを指
定し、その注目点Pを中心とした所定サイズの矩形領域
の画像を基準パターン120として設定する。そして、
2枚目の画像(b)において基準パターン120とパタ
ーンが整合する部分を検出し、この部分を基準パターン
120に対応する対応パターン130とする。そして、
注目点Pから対応パターン130の中心点Qに向かうベ
クトルPQを注目点Pに対する流速ベクトルとする。
【0004】ここで、パターンの整合は、基準パターン
120との相関係数に基づき定められる。すなわち、図
9に示すように、2枚目の画像(b)の注目点Pの近傍
に所定広さのサーチ領域140を設定し、このサーチ領
域140内に基準パターン120と同じサイズの候補パ
ターン150を設定し、これら両パターンの相関係数R
を計算する。基準パターン120及び候補パターン15
0が図10に示すようにn×n画素からなるパターンと
し、基準パターン120及び候補パターン150の各画
素の濃度値をそれぞれfi ,gi (i=0,1・・・n
2−1 )とすると、相関係数Rは次式より求められる。
【0005】
【数1】 この式で、「 ̄(アッパー・バー)」付きのfi ,gi
は、それぞれfi ,giの平均値を示す。
【0006】そして、図9に示すように、この候補パタ
ーン150をサーチ領域140内で1画素ずつずらして
走査し、各位置における候補パターン150について上
記相関係数Rを算出する。そして、相関係数Rが所定の
しきい値以上となる場合を抽出し、この時の候補パター
ン150を対応パターン130に選ぶ。
【0007】このような処理により、基準パターン12
0に対応する対応パターン130が決定され、これに基
づき注目点Pについての流速ベクトルが求められる。こ
れを画像内に設定された各注目点ごとについて行うこと
により、各注目点における流れの方向や速さを求めるこ
とができ、流れの場を解析することができる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】煙のパターンには相互
の識別の際の特徴となる部分がほとんどなく、言い換え
れば煙の画像には類似したパターンとなる箇所が多い。
したがって、図11に示すように、基準パターン120
と濃度分布が類似した候補パターン160がΔt秒後の
画像(b)の中に複数存在することも少なくない。この
ような場合、上記従来方法では、相関係数Rがしきい値
以上という条件を満たす候補パターンが複数となってし
まうため、基準パターン120に整合する対応パターン
を一意的に特定することができない。このため、従来方
法では、流速ベクトルが決定できなくなったり、あるい
は誤ったパターンを対応パターンとして検出してしまっ
たりするという問題があった、以上、煙をトレーサとし
た空気の流れに関して説明したが、上述の問題は、染料
などをトレーサとして用いた液体(例えば水)の流れの
解析についても共通する問題である。
【0009】本発明は、このような問題を解決するため
になされたものであり、煙や染料などのトレーサのパタ
ーンの変化を時系列的に撮影し、その撮影結果における
異なる時刻の画像同士のパターンマッチングにより流れ
の場を解析する方法において、トレーサのパターンの特
に端縁部分について、マッチング対象の両画像における
対応部位の一意的な特定の可能性を増大させ、対応部位
の誤検出を低減することを目的とする
【0010】
【課題を解決する手段】前述の目的を達成するために、
本発明では、パターンマッチングの対象画像において、
トレーサの端縁部分の各箇所のパターンに特徴を持たせ
ることにより、対応部位の特定能力を向上させることを
考えた。
【0011】このため、本発明では、流れ領域内に流れ
に追従するトレーサを注入し、この流れ領域の撮影結果
に基づき流れを解析する方法において、所定時間間隔ご
との所定数の前記流れ領域の画像に基づき、トレーサの
パターンの端縁部分に前記所定数の段階の濃度値変化を
有する端縁特徴化画像を形成し、前記端縁特徴化画像同
士のパターンマッチングに基づき、流れを解析する。
【0012】煙などのトレーサの端縁部分(すなわち、
画像でいえば、トレーサのパターンにおいて背景と接し
た部分及びその近傍)の位置や形状は、流れに従って時
々刻々変化していく。したがって、所定の微小な時間間
隔ごとの流れ領域の画像を組み合わせることにより、複
数の時点でのトレーサの端縁部分の位置や形状などの情
報を含んだ画像を得ることができる。単一の時点では端
縁部分のパターンに特徴がない場合でも、微小時間異な
る複数の時点の画像を組み合わせれば、組み合わせ効果
により端縁部分におけるパターンの特徴を増加させるこ
とができる。端縁特徴化画像とは、このようにして生成
した画像のことである。この端縁特徴化画像同士のパタ
ーンマッチングを行った場合、これらの画像では端縁部
分のパターンに特徴が増えているので対応部位の一意的
な特定がより容易となり、対応部位の検出精度が向上す
る。
【0013】また、本発明は、流れ領域内に流れに追従
するトレーサを注入して撮影することにより各時刻にお
ける流れの可視化画像を時系列的に形成し、所定間隔離
れた時刻の画像同士のパターンマッチングにより流れを
解析する流れ解析方法において、各時刻の画像を形成す
るにあたり、それぞれ撮像媒体に対して前記所定間隔よ
りも短い時間間隔ごとに所定回数の露光を行うことを特
徴とする。
【0014】この構成では、パターンマッチングの対象
となる個々の画像を多重露光により形成する。すなわ
ち、この構成では、時間的に少しずつずれた時点の流れ
領域のイメージを撮像媒体に多重露光することにより、
トレーサの端縁部分に多段階の濃度分布のある画像を得
る。撮像媒体としては、例えばCCDなどの固体撮像デ
バイスや撮像管などが考えられる。多重露光により生成
された画像は、複数時点でのトレーサパターンの端縁部
分の情報を含んだものとなり、単一時点のみについての
画像に比べてトレーサパターン端縁部分の特徴が多い画
像となる。したがって、この多重露光結果の画像同士の
パターンマッチングにより対応部位を特定することが従
来より容易となり、この結果従来より広い範囲にわたっ
て流れを解析することができる。
【0015】本発明の好適な態様では、前記撮像媒体の
1回の露光量は、1画像を形成するための露光の回数と
前記撮像媒体の飽和露光量とに基づき定められる。撮像
媒体には飽和露光量があり、露光量の積分値がこの飽和
露光量を超えた部分(例えば画素)ではそれ以上露光を
繰り返しても画像の濃度値は変化しない。この点を鑑
み、この態様では、多重露光において、露光の回数と撮
像媒体の飽和露光量とに基づき一回の露光量を定めるこ
とにより、露光量の飽和によりトレーサの端縁部分の情
報が消えてしまうことを防ぎ、各時点でのトレーサの端
縁部分の情報が有効に画像情報として残るようにした。
【0016】また、本発明の別の好適な態様では、前記
撮像媒体の露光は、ストロボ光源により前記流れ領域を
間欠的に照明することにより行い、1画像を形成する間
の前記ストロボ光源の各回の発光量は、減少傾向に設定
される。この態様では、多重露光により1画像を形成す
る際に、各露光時点でのストロボ光源の発光量を次第に
減少させていく。例えば、二重露光により画像を形成す
る場合には、2回目の露光時のストロボ光源の発光量を
1回目の露光時よりも小さくする。このような処理によ
り、各露光時点でのトレーサ端縁部分に大きな画像濃度
値の差を持たせることができる。この結果、トレーサの
端縁部分の画像パターンに明確なコントラストが得られ
るので、パターンマッチングの精度を向上させることが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図面に基づいて説明する。
【0018】[原理説明]まず、図1を参照し、煙をト
レーサとして用いて流れを可視化した場合を例にとっ
て、本実施形態における流れ解析の原理を説明する。
【0019】本実施形態では、煙の先端部分の時系列的
な移動あるいは変化をビデオ撮影するに当たり、1サン
プリング時刻についての画像を二重露光によって形成す
る。すなわち、本実施形態では、微小時間Δt0 異なる
2つの時点でビデオカメラに露光を行うことにより、1
枚の画像を形成する。図1の例では、例えば1枚の画像
をt=t0 とt=t0 +Δt0 の2つの時点での露光で
生成することにより、それら2時点での流れの画像
(a)及び(b)が合成された画像(e)が生成され
る。1回目の露光から2回目の露光までの間に煙が移動
するため、この二重露光画像は、2つの煙のパターンが
少しずれて重なり合った画像となる。同様に、(a),
(b)の時点からそれぞれΔtずつ後の時点において二
重露光を行うことにより、画像(c),(d)が合成さ
れた二重露光画像(f)を得ることができる。二重露光
画像(e)と(f)は、時相がΔt異なっている。
【0020】これら二重露光画像は、図2に示すよう
に、画像の濃度値が低い(すなわち暗い)背景部分11
0に対し、2回の露光時点における煙パターンの重なり
部分100aでは濃度値が高く(すなわち明るく)、両
時点で煙パターンがずれた部分100bでは重なり部分
100aと背景部分110の中間的な濃度値となってい
る。このように、二重露光画像は、煙の端縁部分(すな
わち、煙パターンにおいて背景と接した部分とその近
傍)に濃度値の明確な段階的変化を有する。この二重露
光画像は、1回目の露光時点と2回目の露光時点の両時
点での煙の端縁(エッジ)の情報を有しているので、煙
の端縁部分について、1回の露光で形成した画像(例え
ば図8参照)よりも多くのパターン特徴を有していると
いえる。したがって、図1に示すように、画像(e)に
基準パターン120を設定し相関法アルゴリズムを適用
すれば、画像(f)における対応パターン130を、類
似の他のパターンと区別して従来方法よりも正確に特定
することができる。したがって、本実施形態によれば、
相関法のパターンマッチング処理における対応パターン
の特定の精度が向上し、対応パターンの誤検出を低減す
ることができる。
【0021】なお、上記方法において、二重露光処理は
例えばストロボ光源やシャッター機構などを利用して実
現することができる。二重露光処理のための機構の詳細
については後述する。
【0022】[システム構成例]次に、図3を参照し
て、本発明に係る方法を実施するためのシステム構成に
ついて説明する。図3は、空気流を対象とするシステム
構成を示したものである。
【0023】このシステムでは、煙発生装置10にて発
生させた煙60を、流れ領域50内に送り込み、この流
れ領域50に対してスリット光形成部12からシート状
に広がるスリット光70を照射する。そして、スリット
光70の面に垂直な方向にCCDカメラ14を配置し、
煙60の粒子がスリット光70の領域を通過する際に反
射・散乱した光をそのCCDカメラ14で撮影する。す
なわち、このシステムでは、暗い背景の中に白い(明る
い)煙が浮かんだ画像が撮影される。本実施形態では、
以上の構成により、スリット光70によって照明された
薄いシート状領域内の二次元流れを観察する。
【0024】このシステムにおいて、CCDカメラ14
は、カメラ・コントロール・ユニット(CCU)16に
よる制御に従い、NTSC方式に対応した画像信号を生
成する。すなわち、CCDカメラ14は、1/60秒で
1フィールド分の、1/30秒で1フレーム分の画像信
号を生成する。
【0025】一方、スリット光70は、ストロボ光源2
4a,24bから間欠的に出力されるストロボ光から形
成される。より詳しくは、このシステムでは、ストロボ
光源24a,24bを間隔を開けて1フィールド(1/
60秒)内で1回ずつ発光させることにより、流れ領域
50を1フィールドの間に2回照明する。したがってこ
のシステムでは、CCDカメラ14のCCD撮像素子に
対して1フィールド当たり2回の露光が行われる。この
ような二重露光処理は、以下の機構で実現される。
【0026】まず、タイミング信号抽出装置18が、C
CU16からCCDカメラ14制御用の1フレーム(す
なわち1/30秒)ごとの垂直同期信号を抽出し、これ
をストロボ光源24a,24b制御の基準となるタイミ
ング信号として信号遅延装置20に出力する。信号遅延
装置20は、このタイミング信号を遅延させることによ
り、ストロボ光源24a,24bの発光タイミングを指
定する駆動パルスとして、図4に示すように1フレーム
内で4つのパルス信号P11,P12,P21,P22
を生成する。P11及びP12は奇数フィールド(すな
わちフレームの前半)内のパルスであり、P21及びP
22は偶数フィールド(すなわちフレームの後半)内の
パルスである。タイミング信号に関する各パルスP1
1,P12,P21,P22の遅延時間はそれぞれΔt
1 ,Δt2 ,Δt3 ,Δt4 であり、
【数2】Δt2 −Δt1 =Δt4 −Δt3 =Δt0
【数3】Δt=Δt3 −Δt1 =Δt4 −Δt2 を満足する。この式において、Δt0 は1フィールド内
でのストロボ光源24aと24bの発光間隔であり、Δ
tは同一ストロボ光源の1フレーム内での発光間隔であ
る。この時間差Δtは、奇数フィールドで生成される二
重露光画像と、偶数フィールドで生成される二重露光画
像の時相の差となる。本実施形態では、この時間差Δt
は必ずしも1フィールドの間隔である1/60秒には限
らない。本実施形態では、両画像の時間差は露光タイミ
ング(すなわちストロボの発光タイミング)の設定によ
って変更することができるとともに、各フィールドにお
けるストロボ発光タイミングを1フレームごとのタイミ
ング信号を基準にして定めているので、前記時間差Δt
は、解析対象の流れの速さに応じて1フレームの範囲内
で適宜調節することができる。なお、相関法が適用でき
るのは、比較する2時刻で煙の形状が大きく変わらない
という仮定が成り立つ場合なので、時間差Δtは、この
仮定が成り立つような範囲内で設定される。例えば、流
れが早いほど、この間隔Δtは小さく設定される。そし
て、1フィールド内におけるストロボ発光間隔Δt0
は、このΔtより小さい値に設定される。
【0027】信号遅延装置20で生成された1フレーム
当たり4個の駆動パルスのうち、P11及びP21はス
トロボ制御部22aに供給され、P12及びP22はス
トロボ制御部22bに供給される。ストロボ制御部22
aは、信号遅延装置20から供給された駆動パルスP1
1及びP21に従ってストロボ光源24aを発光させ
る。同様に、ストロボ制御部22bは、駆動パルスP1
2及びP22に従ってストロボ光源24bを発光させ
る。これにより、各ストロボ光源24a,24bは、互
いにΔt0 秒ずつずれて、それぞれΔt秒間隔で間欠的
に発光する。ここで、ストロボ光源24bには減光フィ
ルタ26が装着されているので、ストロボ光源24bか
ら出力される光の量は、ストロボ光源24aからの光の
量よりも小さくなる。
【0028】各ストロボ光源24a,24bから出力さ
れた光は、2分岐光ファイバー28によってスリット光
形成部12に導かれる。スリット光形成部12は、供給
されたストロボ光を、例えばシリンドリカル・レンズな
どによりスリット光の形に整形し、流れ領域50に出力
する。
【0029】このような構成により、流れ領域50は、
1フィールドの間に、最初は明るく次は少し暗めという
明るさの異なる2回のフラッシュ光により照明される。
この結果、CCDカメラ14のCCD撮像素子は1フィ
ールドの間に二重露光され、各フィールドごとに図1の
(e)のような画像が得られる。このように、このシス
テムでは、奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像
として、互いにΔtだけ時相が異なった二重露光画像が
得られる。
【0030】CCDカメラ14にて生成された各フィー
ルドの画像信号は、CCU16を介して録画装置30に
入力され、ビデオテープなどに記録される。本実施形態
では、この録画画像をデジタル化して流れ解析用の計算
機(図示しない)のフレームメモリ上にロードし、公知
の相関法アルゴリズムを適用して流れ解析を行う。より
詳しく説明すると、計算機は、録画画像のフレーム単位
の画像情報をフィールド単位の画像情報に変換し、各フ
レームごとに奇数フィールド画像と偶数フィールド画像
との間で前述の相関法によるパターンマッチングを行
い、各点の流速ベクトルを求める。本実施形態では、こ
れら奇数フィールド画像及び偶数フィールド画像が二重
露光画像なので、煙の端縁部分にパターン特徴が多く、
したがって両画像間の対応部位を精度よく特定すること
ができる。
【0031】なお、このシステムでは、明暗2種類のス
トロボ光源を用い、1回目の露光は明るい照明で行い2
回目の露光は暗い照明で行っているが、これは次のよう
な理由からである。
【0032】CCD撮像素子の各セルには電荷容量があ
り、いくら多くの光を受光したとしても受光により生成
された電子がこの電荷容量を超えると、その超えた部分
については画像信号に反映されない。この電荷容量が画
像濃度値の最大値を規定している。したがって、図5に
示すように、2回の露光を、共に煙パターンの部分が最
大濃度値近くになるような明るい照明のもとで行うと
((g),(h))、二重露光画像(i)では両露光時
点での煙パターンの重なり部分100aで濃度値が飽和
(この例では濃度値の最大値は255となっている)し
てしまい、重なり部分100aとずれの部分100bと
の間のコントラスト(濃度の差)が小さくなってしま
う。こうなると、1回目の露光時点での煙の端縁が画像
上で明確でなくなってしまい、煙の端縁部分のパターン
特徴が少なくなってしまう。すなわち、このような画像
(i)は従来の単一露光の画像とほとんど差がなく、し
たがって相関法における対応パターンの検出精度の従来
方法に対する向上の度合いも少ない。
【0033】これに対し、上記システムでは、二重露光
処理における2回目のストロボ発光量を小さくしたの
で、このような問題は解決される。すなわち、上記シス
テムでは、図6に示すように、2回目の露光時点でのス
トロボ発光量を小さくして、2回目の露光での煙パター
ンの濃度値が、1回目の露光時の煙パターン100の濃
度値と背景110の濃度値とのほぼ中間の値となる
((k)参照)ようにすることにより、二重露光画像
(l)において、重なり部分100a、ずれ部分100
b、及び背景110の三者に十分なコントラストを得る
ことができる。したがって、このような二重露光画像
(l)によれば、相関法における対応パターンの検出
(特定)を精度よく行うことができる。
【0034】以上説明したように、図3のシステムによ
れば、煙の端縁部分のパターン特徴が多い画像を形成す
ることができるので、相関法によるパターンマッチング
において両画像間の対応部位の特定の精度が向上する。
【0035】以上、本発明の好適な実施形態について説
明した。
【0036】上記実施形態では、流速ベクトルを求める
ためのパターンマッチング処理の対象となる画像を、二
重露光処理により生成したが、その対象画像を三重露
光、あるいはそれ以上の多重露光によって生成すること
もできる。図7は、三重露光によって生成した煙の流れ
の画像を示すものである。原理的には、1画像を形成す
る際の露光の回数が増えれば、煙パターンの端縁(エッ
ジ)の組み合わせが多くなるので、パターンの特徴も増
大する。なお、このような多重露光を行う構成において
も、二重露光の場合と同様の理由で、各回のストロボ発
光量が次第に減少するように構成するとよい。
【0037】また、上記実施形態では、二重露光の際の
2回目のストロボ発光量を1回目よりも小さくすること
により、煙の端縁部分に十分なコントラストの段階的な
濃度分布を持つ画像を生成したが、CCDの各セルが飽
和する光量の半分程度に発光量を設定した一つのストロ
ボ光源で2回の露光を行う構成でも同様の画像を得るこ
とができる。三重以上の多重露光により画像を形成する
場合も、これと同様に、CCDが飽和する光量を1画像
を形成する際の露光の回数で割ることによりストロボ光
源の1回の発光量を定め、この発光量のストロボ光源に
て流れ領域を照明すればよい。
【0038】また、ストロボ光源を用いず、シャッター
機構を利用して多重露光を実現するような構成も本発明
の範囲内に含まれる。
【0039】また、以上では、実施形態として撮影装置
としてCCDカメラを用いる構成を示したが、本発明
は、このような撮影装置自体の構成に依拠したものでは
なく、CCD以外の他の撮像デバイス(例えば撮像管)
などを用いたシステムにも適用可能である。
【0040】また、上記実施形態は、多重露光処理を行
うことにより、複数の時点での煙パターン端縁部分のパ
ターン特徴を含んだ画像をいわばリアルタイムで生成す
るものであったが、本発明は、このような構成だけでな
く、単一露光で生成した画像を計算機上で複数個合成す
ることにより1つの画像を形成するような構成をも含む
ものである。
【0041】その他、煙をトレーサとして用いる点やフ
ィールド単位で相関法を適用する点などは設計事項であ
り、解析対象とする流体の種類や流れの速さの程度によ
り適宜変更可能である。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
微小な時間間隔ごとの流れ領域の画像を組み合わせて形
成することにより、トレーサパターンの端縁部分の特徴
が多い画像を形成することができるので、パターンマッ
チング処理における対応部位の特定が容易となり、対応
部位の検出精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る流れ解析方法の原理説明図であ
る。
【図2】 二重露光画像の濃度値分布を示す図である。
【図3】 本発明に係る流れ解析方法を実現するための
システム構成を示す図である。
【図4】 ストロボ光源24a,24bの発光間隔を示
す図である。
【図5】 ストロボ光源の発光量の制御の必要性を説明
するための図である。
【図6】 ストロボ光源の発光量の制御の効果を説明す
るための図である。
【図7】 三重露光により形成された流れ領域の画像の
一例を示す図である。
【図8】 相関法を利用した従来の流れ解析方法の原理
説明図である。
【図9】 相関法によるパターンマッチングの処理を説
明するための図である。
【図10】 基準パターンと候補パターンとの間の相関
係数を説明するための図である。
【図11】 従来の流れ解析方法の問題点を説明するた
めの図である。
【符号の説明】
10 煙発生装置、12 スリット光形成部、14 C
CDカメラ、16 CCU(カメラコントロールユニッ
ト)、18 タイミング信号抽出装置、20信号遅延装
置、22a,22b ストロボ制御部、24a,24b
ストロボ光源、26 減光フィルタ、28 2分岐光
ファイバー、30 録画装置。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流れ領域内に流れに追従するトレーサを
    注入し、この流れ領域の撮影結果に基づき流れを解析す
    る方法において、 所定時間間隔ごとの所定数の前記流れ領域の画像に基づ
    き、トレーサのパターンの端縁部分に前記所定数の段階
    の濃度値変化を有する端縁特徴化画像を形成し、 前記端縁特徴化画像同士のパターンマッチングに基づき
    流れを解析することを特徴とする流れ解析方法。
  2. 【請求項2】 流れ領域内に流れに追従するトレーサを
    注入して撮影することにより各時刻における流れの可視
    化画像を時系列的に形成し、所定間隔離れた時刻の画像
    同士のパターンマッチングにより流れを解析する流れ解
    析方法において、 各時刻の画像を形成するにあたり、それぞれ撮像媒体に
    対して前記所定間隔よりも短い時間間隔ごとに所定回数
    の露光を行うことを特徴とする流れ解析方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の方法において、 前記撮像媒体の1回の露光量は、1画像を形成する際の
    露光の回数と前記撮像媒体の飽和露光量とに基づき定め
    られることを特徴とする方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の方法において、 前記撮像媒体の露光は、ストロボ光源により前記流れ領
    域を間欠的に照明することにより行い、1画像を形成す
    る間の前記ストロボ光源の各回の発光量は減少傾向に設
    定されることを特徴とする方法。
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