JPH10220265A - エンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射装置

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JPH10220265A
JPH10220265A JP9020724A JP2072497A JPH10220265A JP H10220265 A JPH10220265 A JP H10220265A JP 9020724 A JP9020724 A JP 9020724A JP 2072497 A JP2072497 A JP 2072497A JP H10220265 A JPH10220265 A JP H10220265A
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JP
Japan
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fuel
injection
fuel injection
pressure
timing
Prior art date
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Application number
JP9020724A
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English (en)
Inventor
Kiyotaka Mamiya
清孝 間宮
Michihiro Imada
道宏 今田
Masayuki Tetsuno
雅之 鐵野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP9020724A priority Critical patent/JPH10220265A/ja
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 要求噴射量にかかわらず高精度の燃料噴射制
御を可能にし、かつ、点火プラグへの噴射燃料の到達遅
れを防ぐ。 【解決手段】 インジェクタ22によりエンジンの燃焼
室16内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置。噴射時期
制御手段44及び噴射圧力制御手段46を備える。噴射
圧力制御手段46は、圧縮行程において基準噴射圧力で
燃料を噴射する場合に要求燃料噴射量に相当するパルス
幅が所定の境界値を下回る時に、実際の燃料噴射圧力を
上記基準噴射圧力よりも低下させてパルス幅を稼ぐ。噴
射時期制御手段44は、上記噴射圧力が下げられる場合
に点火時期に対する相対的な燃料噴射開始時期を進角さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの燃焼室
内に直接燃料を噴射する燃料噴射装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車等のエンジンに設けられ
るインジェクタは、ソレノイドを内蔵し、このソレノイ
ドに入力されるパルス信号によって、上記インジェクタ
からの燃料噴射量が制御される。詳しくは、上記パルス
信号がオンの期間では、インジェクタに装備されている
ニードル弁等が開いて燃料噴射が行われ、上記パルス信
号がオフの期間では、上記ニードル弁等が閉じて燃料噴
射が停止されるため、燃料噴射圧力が一定であるとする
と、基本的にパルス信号のパルス幅と燃料噴射量とが線
形関係となり、当該パルス幅の設定によって燃料噴射量
の調節をすることができる。
【0003】しかし、要求噴射量が低く、これに対応す
るパルス幅が非常に小さい場合には、上記ニードル弁の
慣性等に起因してパルス幅と実際の燃料噴射量との間の
線形特性が維持できなくなり、燃料噴射量を高精度で制
御することが困難となる。
【0004】このような不都合を解消する手段として、
特開平6−200813号公報には、要求噴射量が少な
い時、すなわち、高燃料噴射圧力で燃料噴射をすると仮
定した場合に要求噴射量に相当するパルス幅が予め定め
られた基準値を下回ってしまう時には、当該基準値にパ
ルス幅を固定してパルス幅の縮小を止め、その代わりに
燃料噴射圧力を下げることによって燃料噴射量を調節す
るようにした装置が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】燃焼室内に直接燃料を
噴射するようにインジェクタが配置された、いわゆる直
噴型エンジンにおいて、圧縮行程時に燃料を噴射する場
合には、その燃料が点火時期に点火プラグの先端周辺へ
至るようにすることが好ましい。特に、点火プラグ周辺
領域を他の領域に比べて相対的に燃料リッチな状態にし
て点火を行う成層燃焼を行う場合には、点火時期までに
十分な量の燃料を点火プラグ周辺まで行き届かせる必要
がある。
【0006】ところが、前記公報のように燃料噴射圧力
を下げて燃料噴射量を調節するものにおいては、その燃
料噴射圧力の低下分だけ燃料噴射速度も低下してしまう
ため、点火プラグ周辺のリッチ化が点火時期に対して遅
れ、良好な燃焼(特に成層燃焼)ができなくなるおそれ
がある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、要求噴
射量が少ない場合にも高精度の燃料噴射制御ができ、し
かも、良好な燃焼状態を安定して維持することができる
エンジンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の手段として、本発明は、エンジンの燃焼室内に直接燃
料を噴射するようにインジェクタが配置されるととも
に、このインジェクタにパルス信号が入力されることに
より、そのパルス幅に応じた量の燃料が当該インジェク
タから噴射されるように構成されたエンジンの燃料噴射
装置において、予め定められた基準噴射圧力で圧縮行程
において燃料を噴射する場合に要求燃料噴射量に相当す
るパルス幅が所定の境界値を下回る時に実際の燃料噴射
圧力を上記基準噴射圧力よりも低下させてパルス幅を増
大させる噴射圧力制御手段と、この噴射圧力制御手段に
より噴射圧力が下げられる場合に点火時期に対する相対
的な燃料噴射開始時期を進角させる噴射時期制御手段と
を備えたものである。
【0009】この構成によれば、予め定められた基準噴
射圧力で圧縮行程において燃料を噴射する場合に要求燃
料噴射量に相当するパルス幅が所定の境界値を下回る
時、すなわち要求燃料噴射量が少ない時には、実際の燃
料噴射圧力を上記基準噴射圧力よりも低下させてパルス
幅を稼ぐことにより、精度の高い燃料噴射制御を実現で
きる。しかも、この時には、点火時期に対する相対的な
燃料噴射開始時期を進角させるので、噴射圧力の低下に
伴って燃料噴射速度が下がるにもかかわらず、点火時期
に対する点火プラグへの噴射燃料の到達時期の相対的な
遅れを防止でき、安定した燃焼を確保できる。
【0010】上記点火時期に対する上記燃料噴射開始時
期の相対的な進角の度合いは、点火プラグ周辺領域が他
の領域に比べて相対的に燃料リッチとなる状態で点火を
する成層燃焼が実現される程度が好ましい。
【0011】また、上記パルス幅の境界値としては、上
記パルス幅と実際の燃料噴射量との関係が線形特性を維
持できる範囲の最小値もしくはその近傍の値が好適であ
る。これにより、できる限りにおいて高圧燃料噴射を実
行しながら、この高圧燃料噴射では高精度の燃料噴射制
御が維持できない場合に例外的に低圧燃料噴射を行うと
いった、理想的な噴射圧力切換ができる。
【0012】また、上記噴射圧力制御手段により噴射圧
力が下げられる際、点火時期に対する相対的な燃料噴射
終了時期については、これを実質上変更せずもしくは進
角させるように上記噴射時期制御手段を構成すれば、よ
り十分な量の燃料を点火プラグに到達させることができ
る。ここで、「実質上変更せず」とは、「点火プラグ周
辺に到達できる燃料の量が減少する程度まで燃料噴射終
了時期を遅らせず」という意味である。
【0013】本発明は、少なくとも圧縮行程で燃料を噴
射する噴射モードを有するものであればよく、例えば吸
気行程と圧縮行程の双方で燃料を噴射する分割噴射を行
う装置についても適用が可能である。この分割噴射にお
いて、圧縮行程で予め定められた基準噴射圧力で噴射す
る場合に要求燃料噴射量に相当するパルス幅が所定の境
界値を下回る時には、この圧縮行程での点火時期に対す
る相対的な燃料噴射開始時期を進角させればよい。この
場合、吸気行程で十分なパルス幅を確保できるのであれ
ば、この吸気行程では高圧噴射を行い、圧縮行程では低
圧噴射を行うといったように噴射圧力を使い分けること
も理論上は差し支えないが、実際はこのような圧力切換
を行程ごとに頻繁に行うのは困難であるため、吸気行程
と圧縮行程の双方における噴射圧力を上記基準噴射圧力
よりも一律に低下させるようにすればよい。
【0014】また本発明は、エンジンの燃焼室内に直接
燃料を噴射するようにインジェクタが配置されるととも
に、このインジェクタにパルス信号が入力されることに
より、そのパルス幅に応じた量の燃料が当該インジェク
タから噴射されるように構成されたエンジンの燃料噴射
装置において、予め定められた基準噴射圧力で圧縮行程
において燃料を噴射する場合に要求燃料噴射量に相当す
るパルス幅が所定の境界値を下回る時に実際の燃料噴射
圧力を上記基準噴射圧力よりも低下させてパルス幅を増
大させる噴射圧力制御手段と、この噴射圧力制御手段に
より噴射圧力が下げられる場合にもその噴射された燃料
が点火時期に点火プラグ周辺に到達するように燃料噴射
開始時期を制御する噴射時期制御手段とを備えたもので
ある。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の好ましい実施の形態の一
例を、図面に基づいて説明する。
【0016】図1に示すエンジンの本体10は、複数の
気筒12を有し、各気筒12内にピストン14が装填さ
れており、各ピストン14の上方に燃焼室16が形成さ
れている。この実施の形態では、上記燃焼室16に対し
て2つの吸気ポートと排気ポートとが開口し、各吸気ポ
ート及び排気ポートがそれぞれ吸気弁17及び排気弁1
8によって開閉されるようになっている。
【0017】各燃焼室16の頂部には点火プラグ20が
配設され、そのプラグ先端が燃焼室16内に臨んでい
る。また、各燃焼室16内には側方からインジェクタ2
2の先端部(すなわち燃料噴射部)が臨み、このインジ
ェクタ22から燃焼室16内に直接燃料が噴射されるよ
うに構成されており、噴射された燃料が直接点火プラグ
周辺に向かうか、あるいは、一旦ピストン上面に噴射さ
れて反射した燃料が点火プラグ周辺に向かうように構成
されている。各インジェクタ22は、図略のニードル弁
及びソレノイドを内蔵し、このソレノイドに後述のパル
ス信号が入力されることにより、そのパルス入力時期に
相当する時期にパルス幅に応じた量だけ燃料を噴射する
ように構成されている。
【0018】上記吸気ポートには吸気通路24が接続さ
れている。この吸気通路24には、その上流側から順
に、エアクリーナー25、エアフローセンサ26、エレ
キスロットル28、サージタンク30が設けられてい
る。このサージタンク30の下流側通路は各吸気ポート
に対応して2つに分岐し、一方の分岐通路にスワールコ
ントロール弁32が設けられており、このスワールコン
トロール弁32によって当該分岐通路が開閉されるよう
になっている。また、排気ポートには排気通路34が設
けられ、この排気通路34の途中に適当な触媒35,3
6が設けられている。
【0019】このエンジンには、上記エアフローセンサ
26の他、エンジン回転数センサ37、アクセル開度セ
ンサ38等のセンサ類が装備され、これらセンサの出力
信号(検出信号)がECU(コントロールユニット)4
0に入力されるようになっている。
【0020】このECU40は、本発明に関連する機能
として、運転状態読込手段42、噴射時期制御手段4
4、及び噴射圧力制御手段46を備えている。
【0021】運転状態読込手段42は、前記各センサの
出力信号を取り込んで、現在のエンジンの運転状態を判
別するものである。
【0022】噴射時期制御手段44は、運転状態読込手
段42により読込まれた運転状態に基づいて燃料噴射量
及び燃料噴射時期を決定し、図1及び図2に示すような
インジェクタドライバ48に指令信号を出力して上記燃
料噴射時期にインジェクタ22へパルス信号を出力させ
るものである。この実施の形態では、噴射時期制御手段
44は、エンジン回転数及び負荷(アクセル開度)をパ
ラメータとする制御マップを記憶し、このマップに基づ
いて燃料噴射時期を決定するように構成されている。
【0023】例として、比較的低いエンジン回転数(例
えば1500rpm)について設定、記憶された、負荷
と燃料噴射開始時期との関係を図3に示す。図示のよう
に、この実施の形態では、負荷に応じて3つの噴射モー
ドが設定されている。具体的には、低負荷側から順にモ
ード1、モード2、及びモード3が設定されており、各
モード間の境界となる負荷の値については、負荷増加時
と負荷減少時との間でヒステリシスがもたされており、
負荷増加時の境界線は図3の縦実線、減少時の境界線は
同図縦破線となっている。
【0024】モード1は、燃料噴射量の少ない低負荷時
において、燃焼室16内全体についてはリーン状態にし
ながら点火プラグ20の近傍のみ局所的にリッチ状態に
して点火する成層燃焼を行うべく、圧縮行程で燃料を噴
射する後期噴射のみを行うモードである。
【0025】モード2は、低負荷時から高負荷時への過
渡期である中負荷時において、燃料の一部についてはこ
れを筒内で均一化してから点火をする均一燃焼を行い、
一部では上記成層燃焼を行うべく、吸気行程で燃料を噴
射する早期噴射と、圧縮行程で燃料を噴射する後期噴射
との双方を行うモードである。すなわち、要求噴射量を
早期噴射と後期噴射とに分割する分割噴射モードであ
る。
【0026】モード3は、燃料噴射量の多い高負荷時に
おいて、上記均一燃焼を行うべく、上記早期噴射のみを
行うモードである。
【0027】なお、本発明はこのように複数の噴射モー
ドが用意されたものに限らず、少なくとも後期噴射(圧
縮行程での噴射)を行うモードが含まれる装置について
広く適用が可能である。
【0028】噴射圧力制御手段46は、後に詳述するよ
うに、運転状態によって定められる要求噴射量に基づ
き、各インジェクタ22の燃料噴射圧力を制御するもの
である。具体的には、図2に示す燃料供給回路50の作
動を制御し、この燃料供給回路50により各インジェク
タ22に供給される燃料圧を高圧と低圧とに切換えるよ
うに構成されている。
【0029】同図の燃料供給回路50は、燃料タンク5
2を備え、この燃料タンク52内に電動モータ53で作
動する低圧ポンプ54が設けられている。この低圧ポン
プ54の下流側には、フィルタ56、高圧ポンプ58、
チェック弁60、コモンレール62、高圧レギュレータ
64、及び低圧レギュレータ66を順に通って燃料タン
ク52に戻る燃料循環通路が接続されている。高圧ポン
プ58は、エンジン本体のクランク軸に連結され、その
エンジン動力によって低圧弁54よりも高い圧力で燃料
を圧送する。高圧レギュレータ64及び低圧レギュレー
タ66は、その一次側圧力を設定圧に保つものであり、
高圧レギュレータ64の設定圧は高圧に、低圧レギュレ
ータ66の設定圧は低圧に、それぞれ定められている。
【0030】さらに、上記燃料循環通路には、上記高圧
レギュレータ64をバイパスするバイパス通路67が付
加され、このバイパス通路67の途中にバイパス弁68
が設けられている。このバイパス弁68は、電磁切換弁
からなり、そのソレノイドに前記噴射圧力制御手段46
からの制御信号が入力されることにより、開閉切換され
るようになっている。また、上記高圧レギュレータ64
の二次側と高圧ポンプ58の吸込側とは燃料戻り路69
によって接続されている。
【0031】この燃料供給装置50において、バイパス
弁68が閉じた状態、すなわちバイパス通路67が遮蔽
された状態では、高圧レギュレータ64が有効に作用し
てその一次側圧力を設定圧(高圧)に保つため、高圧ポ
ンプ58から吐出された燃料は上記高圧を維持しながら
コモンレール62を通じて各インジェクタ22に分配さ
れる。これに対し、バイパス弁68が開いた状態、すな
わちバイパス通路67が開通された状態では、高圧レギ
ュレータ64が有効に作用せず、低圧レギュレータ66
によってその一次側圧力が設定圧(低圧)に保たれるた
め、高圧ポンプ58から吐出された燃料は上記低圧で各
インジェクタ22に分配される。従って、噴射圧力制御
手段46の出力する制御信号によって、各インジェクタ
22の燃料噴射圧力が高圧と低圧とに切換えられること
になる。
【0032】なお、本発明では、燃料噴射圧力を操作す
るための具体的な手段は問わない。例えば、図2に示し
た燃料供給装置50のバイパス通路67において、バイ
パス弁68の上流側に絞り弁を設け、バイパス弁68が
開いた状態では上記絞り弁によってその一次側圧力(す
なわち燃料噴射圧力)を所定の低圧に維持するようにし
てもよい。
【0033】この燃料圧力制御手段46による圧力切換
の基準は次の通りである。原則としては、図4の実線で
示すパルスのように、燃料噴射圧力を高圧に保つ。しか
し、この高圧で燃料噴射を行うとした場合に要求噴射量
に相当するパルス幅tHが予め定めた境界値を下回る場
合には、同図二点鎖線に示すように燃料噴射圧力を低圧
に切換える。これにより、要求噴射量に相当するパルス
幅tLは上記パルス幅tHよりも拡張され、前記境界値を
上回ることになる。
【0034】この境界値は、インジェクタ22の特性に
応じて適宜設定すればよいが、一般には、パルス幅と実
際の燃料噴射量との関係が線形特性を維持できる範囲の
最小値もしくはその近傍の値であって実質上線形特性を
維持できる値に設定するのがよい。このような設定によ
り、上記線形特性を常時維持して燃料噴射制御の精度を
高く保つことができ、しかも、理想的な圧力(高圧)で
燃料噴射を行う領域を最大限広げることができる。
【0035】さらに、この装置の特徴として、上記燃料
圧力制御手段46により噴射圧力が下げられる時には、
その噴射開始時期を基本噴射開始時期よりも所定値α
(図4)だけ進角させるように、上記噴射時期制御手段
44が構成されている。
【0036】次に、このECU40により行われる具体
的な制御動作を、図5及び図6のフローチャートに基づ
いて説明する。
【0037】まず、運転状態を読込み(ステップS
1)、この運転状態と、記憶しているマップとに基づい
て基本燃料噴射量を演算し、これに水温補正等を施して
最終的な要求噴射量fを演算する(ステップS2)。さ
らに、モード1,2,3の中から現在の運転状態に対応
した燃料噴射モードを決定し、そのモードに応じて、早
期噴射に関する基本噴射開始時期Tb1、後期噴射に関す
る基本噴射開始時期Tb2のいずれか一方もしくは双方を
演算する(ステップS3)。
【0038】現在のモードがモード2(すなわち分割モ
ード)でない場合、すなわち、モード1もしくはモード
3である場合には(ステップS4でNO)、上記要求噴
射量fが一定値fo未満であるか否か、すなわち、高圧
で燃料を噴射すると仮定した場合に要求噴射量fに相当
するパルス幅tHが境界値を下回るか否かを判別する
(ステップS5)。
【0039】要求噴射量fが一定値fo以上である場
合、すなわち、高圧用噴射パルスで十分に燃料噴射量の
制御ができる場合には(ステップS5でNO)、図2の
バイパス弁68を閉状態に保って燃料供給装置50を高
圧噴射状態に維持し(ステップS6)、上記要求噴射量
fに見合う高圧用噴射パルス幅tHを演算する(ステッ
プS7)。また、モード1の場合には、後期噴射の基本
噴射開始時期Tb2をそのまま実際の噴射開始時期T2
設定し、モード3の場合には、早期噴射の基本噴射開始
時期Tb1をそのまま実際の噴射開始時期T1に設定する
(ステップS8)。
【0040】これに対し、要求噴射量fが一定値fo未
満である場合、すなわち、高圧用噴射パルスではパルス
幅が小さくなり過ぎて燃料噴射量の高精度制御が困難と
なる場合には(ステップS5でYES)、上記バイパス
弁68を開いて燃料供給装置50を低圧噴射状態に切換
え(ステップS9)、この低圧噴射を前提として上記要
求噴射量fに見合う低圧用噴射パルス幅tLを演算する
(ステップS10)。このように全要求噴射量fが一定
値foを下回るのはモード1しかあり得ず、この場合に
は、後期噴射の基本噴射開始時期Tb2から一定値αを進
角させた時期を実際の噴射開始時期T2に設定する(ス
テップS11)。
【0041】一方、前記ステップS4で噴射モードがモ
ード2(分割モード)である場合には(ステップS4で
YES)、全要求噴射量fを早期噴射量f1と後期噴射
量f2とに割り振り(ステップS12)、その上で、成
層燃焼に関与する後期噴射量f2と前記一定値foとを比
較する(ステップS13)。後期噴射量f2が一定値fo
以上である場合には(ステップS13でNO)、前記と
同様に高圧噴射設定を行い(ステップS6〜S8)、後
期噴射量f2が一定値foを下回る場合には(ステップS
13でYES)、低圧噴射設定を行う(ステップS9〜
S11)。
【0042】このような設定後、実際の噴射を行う(図
6)。具体的に、決定された噴射モードがモード1であ
る場合には(ステップS14でYESかつステップS1
5でNO)、前記ステップS8もしくはステップS11
で設定された後期噴射時期T2が到来した時点で(ステ
ップS16でYES)後期噴射を行う(ステップS1
7)。噴射モードがモード2である場合には(ステップ
S14,S15でともにNO)、早期噴射時期T1が到
来した時点で(ステップS18でYES)早期噴射を行
い(ステップS19)、かつ、後期噴射時期T2が到達
した時点で(ステップS16でYES)後期噴射を行う
(ステップS17)。噴射モードがモード3である場合
には(ステップS14でNOかつステップS15でYE
S)、早期噴射時期T1で早期噴射のみを行う(ステッ
プS18でYES、ステップS19)。
【0043】以上のように、この実施の形態にかかる燃
料噴射装置では、要求噴射量が少ない時に燃料噴射圧力
を下げることにより、当該要求噴射量に見合うパルス幅
を十分大きく確保することができ、常に適正な燃料噴射
制御ができる。しかも、このような燃料噴射圧力の降下
時には、後期噴射における燃料噴射開始時期T2を所定
値αだけ進角させるようにしているので、燃料噴射圧力
の降下により燃料噴射速度が低くなっても、その燃料噴
射開始後、点火時期までに、噴射燃料を点火プラグ20
の周辺に至らせることができ、安定した燃焼を行うこと
ができる。
【0044】なお、この進角値αは適宜設定すればよい
が、インジェクタ22から供給された燃料が点火プラグ
20の周辺領域で他の領域に比べて相対的にリッチとな
る状態で点火をする成層燃焼を実現できる程度の値に設
定すれば、燃費を節約しながら安定した燃焼をすること
ができる利点が得られる。
【0045】本発明では、噴射圧力を下げることにより
当然噴射期間は長くなるが、これにかかわらず燃料噴射
終了時期は実質上変更しないのが好ましい。さらに好ま
しくは、前記図4に示したように、噴射開始時期だけで
なく、噴射終了時期についても基本噴射終了時期よりも
進角させるのがよい。これにより、さらに確実に十分な
量の燃料を点火時期までに点火プラグ20へ到達させる
ことが可能になる。
【0046】なお、本発明では、噴射圧力降下時に噴射
開始時期を点火時期に対して相対的に進角させれば良
く、実際に噴射開始時期を進角させる代わりに点火時期
を遅らせても良いし、噴射開始時期の進角と点火時期の
遅延との双方を行うようにしてもよい。
【0047】また、前記実施形態では、要求噴射量f
(または後期噴射量f2)を一定値foと比較し(図5の
ステップS5,S13)、前者が後者を下回る場合に低
圧噴射を行うとして噴射開始時期を基本時期よりも進角
させる補正を行うものを示したが、予め要求噴射量f
(または後期噴射量f2)と噴射開始時期との関係をマ
ップとしてECU40に記憶させておき、要求噴射量f
等が少なくて低圧噴射を行う場合には早めに噴射を開始
するように(すなわち要求噴射量fが少ない場合にも噴
射された燃料が点火時期に点火プラグ20の周辺に到達
するように)上記マップを設定するようにしてもよい。
【0048】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、基準噴
射圧力で圧縮行程において燃料を噴射する場合に要求燃
料噴射量に相当するパルス幅が所定の境界値を下回る
時、すなわち要求燃料噴射量が少ない時には、実際の燃
料噴射圧力を上記基準噴射圧力よりも低下させてパルス
幅を稼ぐことにより、精度の高い燃料噴射制御を実現で
きるとともに、その際、点火時期に対する相対的な燃料
噴射開始時期を進角させることにより、点火時期に対す
る点火プラグへの噴射燃料の到達時期の相対的な遅れを
防止して安定した燃焼を確保できる効果がある。
【0049】ここで、上記進角の度合いを、点火プラグ
周辺領域が他の領域に比べて相対的に燃料リッチとなる
状態で点火をする成層燃焼が実現される程度に設定すれ
ば、燃費を節減しながら安定した燃焼を行うことができ
る。
【0050】また、上記パルス幅の境界値を、上記パル
ス幅と実際の燃料噴射量との関係が線形特性を維持でき
る範囲の最小値もしくはその近傍の値とすれば、高圧燃
料噴射を行う領域を最大限確保しながら、この高圧燃料
噴射では高精度の燃料噴射制御が維持できない場合にの
み低圧燃料噴射を行うことにより、常に上記線形特性を
維持して燃料噴射制御の精度を高く保持できる効果が得
られる。
【0051】また、上記噴射圧力制御手段により噴射圧
力が下げられる際、点火時期に対する相対的な燃料噴射
終了時期は実質上変更せずもしくはこれを進角させるよ
うに上記噴射時期制御手段を構成することにより、さら
に十分な量の燃料を点火プラグに到達させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる燃料噴射装置を備えたエンジン
の全体構成図である。
【図2】上記エンジンに設けられた燃料供給装置を示す
回路図である。
【図3】上記燃料噴射装置において設定されたエンジン
負荷と噴射開始時期との関係を示すグラフである。
【図4】上記燃料噴射装置において要求噴射量が少ない
場合に設定されるパルス信号を示す図である。
【図5】上記燃料噴射装置を構成するECUの制御動作
を示すフローチャートである。
【図6】上記燃料噴射装置を構成するECUの制御動作
を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 エンジン本体 16 燃焼室 20 点火プラグ 22 インジェクタ 40 ECU 42 運転状態読込手段 44 噴射時期制御手段 46 噴射圧力制御手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンの燃焼室内に直接燃料を噴射す
    るようにインジェクタが配置されるとともに、このイン
    ジェクタにパルス信号が入力されることにより、そのパ
    ルス幅に応じた量の燃料が当該インジェクタから噴射さ
    れるように構成されたエンジンの燃料噴射装置におい
    て、予め定められた基準噴射圧力で圧縮行程において燃
    料を噴射する場合に要求燃料噴射量に相当するパルス幅
    が所定の境界値を下回る時に実際の燃料噴射圧力を上記
    基準噴射圧力よりも低下させてパルス幅を増大させる噴
    射圧力制御手段と、この噴射圧力制御手段により噴射圧
    力が下げられる場合に点火時期に対する相対的な燃料噴
    射開始時期を進角させる噴射時期制御手段とを備えたこ
    とを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のエンジンの燃料噴射装置
    において、点火プラグ周辺領域が他の領域に比べて相対
    的にリッチとなる状態で点火をする成層燃焼が実現され
    るように上記燃料噴射開始時期の進角の度合いを設定し
    たことを特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のエンジンの燃料
    噴射装置において、上記パルス幅の境界値はこのパルス
    幅と実際の燃料噴射量との関係が線形特性を維持できる
    範囲の最小値もしくはその近傍の値であることを特徴と
    するエンジンの燃料噴射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のエンジ
    ンの燃料噴射装置において、上記噴射圧力制御手段によ
    り噴射圧力が下げられる場合に点火時期に対する相対的
    な燃料噴射終了時期は実質上変更せずもしくはこれを進
    角させるように上記噴射時期制御手段を構成したことを
    特徴とするエンジンの燃料噴射装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のエンジ
    ンの燃料噴射装置において、吸気行程と圧縮行程の双方
    で燃料を噴射する分割噴射において圧縮行程で予め定め
    られた基準噴射圧力で噴射する場合に要求燃料噴射量に
    相当するパルス幅が所定の境界値を下回る時に、吸気行
    程と圧縮行程の双方における噴射圧力を上記基準噴射圧
    力よりも一律に低下させるように上記噴射圧力制御手段
    を構成し、かつ、圧縮行程での点火時期に対する相対的
    な燃料噴射開始時期を進角させるように上記噴射時期制
    御手段を構成したことを特徴とするエンジンの燃料噴射
    装置。
  6. 【請求項6】 エンジンの燃焼室内に直接燃料を噴射す
    るようにインジェクタが配置されるとともに、このイン
    ジェクタにパルス信号が入力されることにより、そのパ
    ルス幅に応じた量の燃料が当該インジェクタから噴射さ
    れるように構成されたエンジンの燃料噴射装置におい
    て、予め定められた基準噴射圧力で圧縮行程において燃
    料を噴射する場合に要求燃料噴射量に相当するパルス幅
    が所定の境界値を下回る時に実際の燃料噴射圧力を上記
    基準噴射圧力よりも低下させてパルス幅を増大させる噴
    射圧力制御手段と、この噴射圧力制御手段により噴射圧
    力が下げられる場合にもその噴射された燃料が点火時期
    に点火プラグ周辺に到達するように燃料噴射開始時期を
    制御する噴射時期制御手段とを備えたことを特徴とする
    エンジンの燃料噴射装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11117746A (ja) * 1997-10-20 1999-04-27 Agency Of Ind Science & Technol エンジンの低圧筒内噴射による希薄燃焼方法
JP2002038994A (ja) * 2000-07-25 2002-02-06 Nissan Motor Co Ltd 直噴火花点火式内燃機関の制御装置

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