JP2001090592A - 筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置

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JP2001090592A
JP2001090592A JP27119499A JP27119499A JP2001090592A JP 2001090592 A JP2001090592 A JP 2001090592A JP 27119499 A JP27119499 A JP 27119499A JP 27119499 A JP27119499 A JP 27119499A JP 2001090592 A JP2001090592 A JP 2001090592A
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injection
fuel injection
engine
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Masayuki Tetsuno
雅之 鐵野
Kiyotaka Mamiya
清孝 間宮
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Mazda Motor Corp
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  • Electrical Control Of Ignition Timing (AREA)
  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料の分割噴射時における燃料噴射量のばら
つきを防止し、これによって燃料噴射制御の精度を向上
させる。 【解決手段】 燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェ
クタ18と、所定の運転領域で上記インジェクタ18か
ら必要量の燃料を複数回に分けて噴射させるように制御
する燃料噴射制御手段83とを備えた筒内噴射式エンジ
ンにおいて、上記燃料の分割噴射時に、前段の燃料噴射
終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔
を、噴射パルスに対する燃料噴射のばらつきを防止する
ために必要とされる基準時間以上に設定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃焼室内に直接燃
料を噴射するインジェクタを備えた筒内噴射式エンジン
の燃料噴射制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から燃焼室内に直接燃料を噴射する
筒内噴射式エンジンにおいて、特定運転状態の燃焼性向
上等のため、インジェクタが必要量の燃料を複数回に分
けて噴射させるようにした装置は種々知られている。例
えば特開平8−189405号公報に示された装置で
は、筒内噴射式エンジンにおいて成層燃焼領域から均一
燃焼領域への過渡期に分割噴射領域を設定し、この領域
で吸気行程の前期噴射と圧縮行程の後期噴射とに分けて
燃料の噴射を行うようにしている。
【0003】上記のような筒内噴射式エンジンでは、予
め設定されたマップ等から運転状態に応じて求められた
基本燃料噴射量に各種の補正値を加算することにより目
標燃料噴射量を演算し、この目標燃料噴射量に対応した
パルス幅を有する電気信号をインジェクタのソレノイド
コイルに出力することにより、当該パルス幅に相当する
時間だけインジェクタを開いて燃料を噴射させるといっ
た燃料噴射制御が行われるようになっている。そして、
燃料の分割噴射時には、上記目標燃料噴射量に基づいて
換算されたパルス幅を有する噴射パルスを複数に分割す
るとともに、予め設定されたマップ等から運転状態に対
応した最適な噴射時期を読み出すことにより行われるよ
うに構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにエンジン
の運転状態に応じて設定された噴射タイミングで燃料を
複数回に分割して噴射するように構成した場合には、前
段の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点まで
の時間間隔、例えば燃料を前期と後期との二回に分けて
噴射する際において、前期噴射の終了時点から後期噴射
の開始時点までの時間間隔が短いと、燃料噴射量にばら
つきが生じ易いという問題がある。
【0005】すなわち、上記筒内噴射式エンジンでは、
燃料の噴射圧力が高いために、高圧で燃料噴射を行って
いる状態から、インジェクタのニードル弁を閉止して燃
料噴射の停止状態に移行する際に、デリバリパイプから
インジェクタに至る燃料供給管内において燃料圧力が急
変することに起因した燃料の脈動が発生する。したがっ
て、前段の燃料噴射終了後に、上記燃料脈動が十分に収
まらないうちに後段の燃料噴射を開始すると、この燃料
脈動の影響を受けて後段に噴射される燃料の噴射量にば
らつきが生じるのを避けられないという問題があった。
【0006】また、上記のように燃料を前段と後段とに
分割して噴射する際には、インジェクタの弁体、つまり
ニードル弁が、一回目に噴射される燃料により熱を奪わ
れて熱収縮する等により、二回目の燃料噴射時に燃料噴
射量が増大する傾向が生じるとともに、燃料密度が熱影
響を受けて変化することにより、燃料噴射制御の精度が
低下し易いという問題があった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、燃料の分割噴射時における燃料噴射量の
ばらつきを防止し、これによって燃料噴射制御の精度を
向上させることができる筒内噴射式エンジンの燃料制御
装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェクタと、所定の
運転領域で上記インジェクタから必要量の燃料を複数回
に分けて噴射させるように制御する燃料噴射制御手段と
を備えた筒内噴射式エンジンにおいて、上記燃料の分割
噴射時に、前段の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射
開始時点までの時間間隔を、噴射パルスに対する燃料噴
射のばらつきを防止するために必要とされる基準時間以
上に設定したものである。
【0009】上記構成によれば、所定の運転領域で燃料
を複数回に分けて噴射する際に、前段の燃料噴射終了時
点から後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔が一定値
以上に設定されることになる。これによって燃料の分割
噴射時に、噴射パルスに対する後段の燃料噴射にばらつ
きが生じるのを防止して燃料噴射制御の精度を向上させ
ることができる。
【0010】請求項2に係る発明は、上記請求項1記載
の筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置において、上
記基準時間を、インジェクタのニードル弁リフトに起因
して燃料供給管に生じる燃料脈動が収まる時間に対応さ
せて設定したものである。
【0011】上記構成によれば、所定の運転領域で燃料
を複数回に分けて噴射する際に、前段の燃料噴射終了時
点から、上記ニードル弁リフトに起因した燃料脈動が収
まった後に後段の燃料噴射が開始されることになる。こ
れによって噴射パルスに対する後段の燃料噴射にばらつ
きが生じるのを防止して燃料噴射制御の精度を向上させ
ることができる。
【0012】請求項3に係る発明は、上記請求項1また
は2記載の筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置にお
いて、エンジンの高回転領域に、吸気行程で燃料の分割
噴射を行う分割噴射領域を設けるとともに、この分割噴
射領域における前段の燃料噴射終了時点から後段の燃料
噴射開始時点までの時間間隔を、上記基準時間以上に設
定したものである。
【0013】上記構成によれば、エンジンの高回転領域
において、吸気行程で燃料の分割噴射を行う際に、前段
の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの
時間間隔が一定値以上に設定されることにより、エンジ
ン回転数が高いことに起因して上記分割噴射時の時間間
隔が極端に短くなることが防止され、噴射パルスに対す
る燃料噴射のばらつきが大きくなることが効果的に防止
される。
【0014】請求項4に係る発明は、上記請求項1〜3
のいずれかに記載の筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御
装置において、上記燃料の分割噴射領域を、空燃比が略
理論空燃比となる運転領域で、排気通路に設けられた空
燃比センサの検出値に基づいて燃料噴射量のフィードバ
ック制御を実行するフィードバック制御領域に設定した
ものである。
【0015】上記構成によれば、空燃比が略理論空燃比
となる運転領域で、排気通路に設けられた空燃比センサ
の検出値に基づいて燃料噴射量のフィードバック制御を
実行するフィードバック制御時に、燃料が複数回に分け
て噴射されるとともに、前段の燃料噴射終了時点から後
段の燃料噴射開始時点までの時間間隔が一定値以上に設
定されることになる。これによって後段の燃料噴射時
に、噴射パルスに対する燃料噴射のばらつきが生じるの
を防止して、燃料の総噴射量を目標燃料噴射量に一致さ
せるフィードバック制御を適正に実行することができ
る。
【0016】請求項5に係る発明は、燃焼室内に直接燃
料を噴射するインジェクタと、排気通路に設けられた空
燃比センサの検出値に基づいて空燃比が略理論空燃比と
なるように燃料噴射量をフィードバック制御するフィー
ドバック制御手段とを備えた筒内噴射式エンジンにおい
て、上記フィードバック制御が行われる特定運転時に、
インジェクタから燃料を複数回に分けて噴射させるよう
に制御する燃料噴射制御手段と、この分割された噴射燃
料の1回分に相当する噴射パルス幅と燃料噴射量との対
応関係を学習する噴射特性学習手段とを備え、この学習
制御の実行時に、前段の燃料噴射終了時点から後段の燃
料噴射開始時点までの時間間隔を、上記噴射パルスに対
する燃料噴射のばらつきを防止するために必要とされる
基準時間以上に設定したものである。
【0017】上記構成によれば、空燃比が略理論空燃比
となるように上記フィードバック制御が実行されている
ときに、インジェクタの噴射特性のばらつき等を是正す
るための学習が行われ、この場合に、成層燃焼によるリ
ーン運転時よりも熱効率が悪いことから上記リーン運転
時と比べて燃料噴射量は多くなるが、燃料噴射が吸気行
程で分割して行われることにより、その分割された一回
の噴射パルスに対応する噴射量が微少な噴射領域とな
る。そして、上記学習制御の実行時に、前段の燃料噴射
終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔が
一定値以上に設定されることにより、噴射パルスに対す
る後段の燃料噴射量にばらつきが生じることが防止され
て燃料の微少な噴射領域における噴射特性の学習が精度
良く行われることになる。
【0018】請求項6に係る発明は、上記請求項5記載
の筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置において、エ
ンジンのアイドル運転領域またはアイドル近傍の運転領
域で上記噴射特性学習手段による学習を行う際に、分割
された噴射燃料の1回分に相当する噴射パルス幅が成層
リーン運転時の最小噴射パルス幅と略同等になるように
設定された燃料噴射量に対応した吸入空気量を確保する
吸入空気量調節手段と、点火時期をリタードさせる点火
時期リタード手段とを備えたものである。
【0019】上記構成によれば、エンジンのアイドル運
転領域またはアイドル近傍の運転領域で、インジェクタ
の噴射特性のばらつき等を是正するための学習が行われ
るとともに、この学習制御の実行時に、空燃比を理論空
燃比としつつ、分割噴射の一回分の噴射パルス幅が成層
リーン運転時の最小パルス幅と略同等となるように燃料
噴射量およびこれに対応した吸入空気量の調節が行われ
るとともに、点火時期がリタードされることにより、エ
ンジン回転数の上昇が抑制された状態で、上記学習が精
度良く行われることになる。
【0020】請求項7に係る発明は、燃焼室内に直接燃
料を噴射するインジェクタと、所定の運転領域で上記イ
ンジェクタから必要量の燃料を複数回に分けて噴射させ
るように制御する燃料噴射制御手段とを備えた筒内噴射
式エンジンにおいて、上記燃料の分割噴射時に、前段の
燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの時
間間隔を、3msec以上に設定したものである。
【0021】上記構成によれば、所定の運転領域で燃料
を複数回に分けて噴射する際に、前段の燃料噴射終了時
点から後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔が3ms
ec以上に設定されることにより、噴射パルスに対する
後段の燃料噴射にばらつきが生じるのを防止して燃料噴
射制御の精度を向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1〜図5は、本発明に係る筒内
噴射式エンジンの制御装置の第1実施形態をしている。
図1および図2に示すように、エンジン本体1は、複数
の気筒2a〜2dを有し、その各気筒2a〜2dには、
シリンダボアに挿入されたピストン4の上方に燃料室5
が形成されている。この燃焼室5には吸気ポート7およ
び排気ポート8が開口し、これらの吸気ポート7および
排気ポート8は、吸気弁9および排気弁10によってそ
れぞれ開閉されるとともに、これらの吸気弁9および排
気弁10は、カムシャフト11,12等からなる動弁機
構により開閉作動されるように構成されている。
【0023】上記燃焼室5の中央部には点火プラグ15
が配設され、そのプラグ先端が燃焼室5に臨んでいる。
上記点火プラグ15は、点火コイル16に接続されてい
る。また、上記燃焼室5内には、その側方からインジェ
クタ18の先端部が臨み、このインジェクタ18から燃
焼室5内に直接燃料が噴射されるようになっている。上
記各気筒2a〜2dのインジェクタ18は、燃料回路2
0のデリバリパイプ21に接続されている。
【0024】上記燃料回路20は、デリバリパイプ21
に接続される燃料供給通路22およびリターン通路23
を備え、燃料タンク24と燃料供給通路22との間に、
タンク内燃料ポンプ25、フィルタ26,27、高圧燃
料ポンプ28および高圧側プレッシャレギュレータ29
および低圧側プレッシャレギュレータ30が配設され、
かつ高圧側プレッシャレギュレータ29をバイパスする
通路(図示せず)が設けられるとともに、この通路を開
閉するバイパスバルブ31が設けられている。
【0025】そして、上記バイパスバルブ31の作動に
よって燃圧の変更が可能となっている。すなわち、高圧
燃料ポンプ28が作動している状態で、上記バイパスバ
ルブ31が閉じられたときには、高圧側プレッシャレギ
ュレータ29の調圧作用で燃圧が所定の高圧に調整さ
れ、上記バイパスバルブ31が開かれたときには、高圧
側プレッシャレギュレータ29が実質的に機能せずに低
圧側プレッシャレギュレータ30の調圧作用で燃圧が所
定の低圧に調整されるようになっている。
【0026】また、エンジン本体1には、吸気通路40
および排気通路41が接続されている。上記吸気通路4
0には、その上流側から順に、エアクリーナ43、エア
フローセンサ44、モータ46により駆動されるスロッ
トル弁45およびサージタンク47が設けられている。
さらに、上記スロットル弁45をバイパスするISC通
路50が設けられ、このISC通路50には、この通路
の空気流量をコントロールするISCバルブ51が設け
られている。
【0027】上記サージタンク47の下流には、各気筒
2a〜2dの吸気ポート7に連通する気筒別の独立吸気
通路53が設けられている。各独立吸気通路53には、
スワール制御弁54が設けられており、このスワール制
御弁54は、ステップモータ等からなるアクチュエータ
55により駆動されて開閉作動し、その開閉作用により
吸気スワールがコントロールされるようになっている。
【0028】一方、上記排気通路41には、排気ガス中
の酸素濃度を検出することにより空燃比を検出するO2
センサ57からなる空燃比センサが設けられている。当
実施形態では、上記O2センサ57として、理論空燃比
(λ=1)で出力が反転する所謂λO2センサが用いら
れており、このO2センサ57が排気マニホールドの集
合部近傍に配設されている。さらに、上記O2センサ5
7の下流には、排気ガス浄化用の触媒58が設けられて
いる。
【0029】図1において60は、エンジン制御用のコ
ントロールユニット(ECU)であり、このECU60
には、上記エアフローセンサ44、スロットル開度セン
サ48およびO2センサ57からの各検出信号a,b,
cが入力されるとともに、カムシャフト12に連動する
ディストリビュータ61からエンジン回転数検出用等の
クランク角信号dおよび気筒判別信号eが入力され、さ
らにアクセル開度(アクセルペダル踏み込み量)を検出
するアクセル開度センサ62、吸入空気の温度を検出す
る吸気温センサ63、エンジン冷却水の温度を検出する
水温センサ64等からの検出信号f,g,hも入力され
るようになっている。
【0030】また、上記ECU60は、インジェクタド
ライブユニット66を介してインジェクタ18に燃料噴
射を制御する信号jを出力するとともに、点火コイル1
6に対して点火時期を制御する信号kを出力し、またス
ロットル弁駆動用のモータ46に、スロットルドライブ
ユニット67を介してスロットル開度を制御する信号l
を出力し、さらにISCバルブ51を制御する信号m、
燃料回路20のバイパスバルブ31を制御する信号n等
を出力するように構成されている。
【0031】図3は、上記インジェクタ18の具体的構
造の一例を示している。このインジェクタ18は、先端
部に噴射口70aおよびバルブシート70bを有するハ
ウジング70と、その内部に配設されて噴射口70aを
開閉するニードル弁71と、このニードル弁71をスト
ロークさせるプランジャー72と、閉弁保持用のスプリ
ング73と、コイル74とを備え、インジェクタ18の
中心部に設けられた中空部に燃料が導入されるようにな
っている。
【0032】そして、上記ECU60から出力される噴
射パルス信号によりインジェクタドライブユニット66
を介してコイル74への通電が行われ、これに応じてニ
ードル弁71をリフトさせるようにプランジャー72が
駆動され、それに伴って噴射口70aから燃料が噴射さ
れるようになっている。
【0033】上記ECU60には、図4に示すように、
燃料の噴射量および噴射時期を演算する噴射量・噴射時
期演算手段80と、燃料噴射量に対応したパルス幅を有
する噴射パルス信号を出力する噴射パルス出力手段81
と、燃料噴射量をフィードバック制御するフィードバッ
ク制御手段82と、後述する分割噴射を実行する燃料噴
射制御手段83とが設けられている。
【0034】上記噴射量・噴射時期演算手段80は、エ
アフローセンサ44等の各センサから出力される検出信
号に基づいてエンジンの運転状態が、例えば図5に示す
グラフのいずれの運転領域に属するのか判定し、この運
転領域に対応した燃料の噴射量および噴射時期を演算す
るものである。
【0035】上記マップにおいて、燃料噴射量の少ない
低回転低負荷運転領域は、圧縮行程でのみ燃料を噴射す
ることにより、燃焼室5内の全体は燃料リーンの状態に
しながら点火プラグ15の近傍のみを、他の領域と比較
して相対的かつ局所的にリッチ状態にして点火する成層
燃焼領域とし、この領域では、図6(a)に示すように
圧縮行程の一括噴射を行うように噴射パルスTdを設定
する。
【0036】この成層燃焼領域よりも高回転側あるいは
高負荷側の領域は、吸気行程で燃料を噴射して筒内に十
分拡散させてから点火を行う均一燃焼領域とされる。こ
の均一燃焼領域の中でも、比較的拡散速度の高い高回転
領域では、図6(b)に示すように吸気行程の一括噴射
を行うように噴射パルスTaを設定する一方、比較的拡
散速度の低い中・低回転領域αでは、燃料の拡散不良に
よるスモークの発生を避けるため、同図(c)に示すよ
うに吸気行程中に必要燃料を2回に分けて噴射する吸気
行程の分割噴射を行うように噴射パルスTb,Tcを設
定する。。
【0037】上記噴射パルス出力手段81は、噴射量・
噴射時期演算手段80により演算された燃料噴射量をパ
ルス幅に換算し、このパルス幅を有する噴射パルスを上
記燃料の噴射時期に応じたタイミングで、ドライブユニ
ット51を介してインジェクタ18に出力することによ
り、このインジェクタ18を駆動するように構成されて
いる。
【0038】また、上記フィードバック制御手段82
は、所定のフィードバック条件が成立したときに、排気
通路41に設けられたO2センサ57による空燃比の検
出値に応じて、空燃比を理論空燃比とするように燃料噴
射量をフィードバック制御するように構成されている。
すなわち、上記O2センサ57の出力に基づいてPI制
御等により燃料噴射量のフィードバック補正項が上記フ
ィードバック制御手段82において求められ、このフィ
ードバック補正項と、吸入空気量等に基づいて求められ
る基本燃料噴射量とに基づいて最終的な燃料噴射量が算
出されることにより、上記フィードバック制御が実行さ
れる。
【0039】このフィードバック制御は、上記均一燃焼
領域のうちで理論空燃比とされる運転領域(全負荷付近
のエンリッチ領域を除く均一燃焼領域)で実行される
が、このほかにエンジン暖機前の半暖機時においても、
暖機促進のために理論空燃比で実行される。したがっ
て、エンジンの低負荷時においてエンジン温度が所定温
度に昇温したエンジンの暖機時点から混合気が成層化さ
れることにより空燃比が理論空燃比よりもリーンとさ
れ、上記所定温度よりも低い設定温度に昇温したエンジ
ンの半暖機時には、空燃比を理論空燃比とするようにイ
ンジェクタ18からの燃料噴射量がフィードバック制御
される。
【0040】上記燃料噴射制御手段83は、上記フィー
ドバック制御が行われる特定運転時、例えば上記比較的
高負荷高回転の均一燃焼領域αにあるとき、およびエン
ジンの半暖機状態において後述の学習制御が行われてい
るときに、燃料噴射を吸気行程で複数回に分けて行わせ
るものである。この燃料の分割噴射は、上記噴射パルス
出力手段81において燃料噴射量を換算することにより
求められた噴射パルスを複数に分割することにより行わ
れるものであり、当実施形態では、図6(c)に示すよ
うに、目標燃料噴射量の1/2ずつの分割比で二つの噴
射パルスTb,Tcに分割している。
【0041】また、上記燃料噴射制御手段83は、燃料
の分割噴射時に、前段の燃料噴射終了時点から後段の燃
料噴射開始時点までの時間間隔、例えば燃料を前期と後
期との二回に分けて燃料を噴射する場合において、前期
噴射の終了時点から後期噴射の開始時点までの時間間隔
を、噴射パルスに対する燃料噴射のばらつきを防止する
ために必要とされる基準時間、例えば3msec以上に
設定するように構成されている。
【0042】上記ECU60において実行される制御動
作を、図8に示すフローチャートに基づいて説明する。
上記制御動作がスタートすると、まずエンジンの運転領
域が図5の分割噴射領域αであるか否かを判定し(ステ
ップS1)、YESと判定された場合には、上記噴射量
・噴射時期演算手段80において求めた前期側の燃料噴
射量と、前後期の燃料噴射時期と、エンジン回転数とに
基づいて前期の燃料噴射終了時点から後期の燃料噴射開
始時点までの時間間隔Tを算出する(ステップS2)。
【0043】次いで、上記ステップS2で算出された時
間間隔Tが3msec以上であるか否かを判定し(ステ
ップS3)、YESと判定された場合には、上記噴射量
・噴射時期演算手段80で求めた燃料の噴射量および噴
射時期に対応させて燃料を噴射するためのタイマーを設
定する(ステップS4)。
【0044】一方、上記ステップS3でNOと判定され
て上記時間間隔Tが3msec未満であることが確認さ
れた場合には、上記前期の燃料噴射終了時点から後期の
燃料噴射開始時点までの時間間隔Tが3msecとなる
ように、前後期の噴射時期を再計算した後(ステップS
5)、上記ステップS4に移行する。
【0045】このように燃焼室内に直接燃料を噴射する
インジェクタ18と、所定の運転領域で上記インジェク
タ18から必要量の燃料を複数回に分けて噴射させるよ
うに制御する燃料噴射制御手段83とを備えた筒内噴射
式エンジンにおいて、上記燃料の分割噴射時に、前段
(前期)の燃料噴射終了時点から後段(後期)の燃料噴
射開始時点までの時間間隔を、噴射パルスに対する燃料
噴射のばらつきを防止するために必要とされる基準時間
以上に設定したため、この燃料噴射のばらつきに起因し
て後段の燃料噴射量が不正確になるという事態の発生を
防止し、燃料の総噴射量を目標燃料噴射量に一致させる
制御を適正に実行することができる。
【0046】すなわち、上記燃料の分割噴射を実行する
際に、噴射パルスのパルス幅を0.3〜0.75mse
cの範囲内で種々の値に設定するとともに、エンジン回
転数を3000rpmまたは1500rpmに設定し、
かつエンジンの冷却水温度を50〜90#の範囲内で種
々の値に設定するとともに、基本点火時期に対する点火
リタード量を0〜25degの範囲内で種々の値に設定
した条件下で、前段の燃料噴射終了時点から後段の燃料
噴射開始時点までの時間間隔を、種々に変化させた場
合、図7に示すように、上記分割噴射の時間間隔が3m
sec未満の領域では、後段の燃料噴射量が顕著に変動
する傾向がある。
【0047】これは、燃料の噴射圧力が高い筒内噴射式
エンジンにおいて、前段の燃料噴射終了後に、デリバリ
ーパイプ21からインジェクタ18に至る燃料供給管内
において燃料圧力が急変することに起因した燃料の脈動
が発生し、この燃料脈動が十分に収まらないうちに後段
の燃料噴射を開始すると、上記脈動の影響を受けて後段
に噴射される燃料噴射量にばらつきが生じるためである
と考えられる。
【0048】したがって、上記前段の燃料噴射終了時点
から後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔を、3ms
ec程度に設定された基準時間よりも短くした場合に
は、噴射パルスに対する後段の燃料噴射量にばらつきが
生じるために燃料噴射量の制御が困難であるのに対し、
上記のように分割噴射の時間間隔を、3msec程度の
基準時間以上に設定した場合には、上記燃料噴射のばら
つきに起因した制御不良の発生を防止して、燃料の総噴
射量を目標燃料噴射量に一致させる制御を適正に実行す
ることができる。
【0049】図7において、線βは、上記各条件下で、
前段の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点ま
での時間間隔を、種々に変化させた場合における燃料の
平均噴射量を示すものである。この線βで示す燃料の平
均噴射量は、上記時間間隔が短くなるのに応じ、多くな
る傾向がある。これは、上記時間間隔が短いほど、前段
に噴射される燃料によりニードル弁71が熱を奪われて
熱収縮すること等に起因して、単位時間当たりの燃料噴
射量が増大するためであると考えられる。
【0050】そして、前段の燃料噴射終了時点から後段
の燃料噴射開始時点までの時間間隔が3msec未満の
領域では、上記のようにニードル弁71の熱収縮に起因
して燃料噴射量が増大するとともに、燃料脈動の影響を
受けて後段に噴射される燃料噴射量にばらつきが生じる
ことにより、エンジンの運転状態に応じて演算された燃
料の目標燃料噴射量と、実際の燃料噴射量とのずれが著
しく大きくなることが避けられない。これに対して分割
噴射時の上記時間間隔が3msec以上となる領域で
は、上記線βで示す燃料の平均噴射量に対して実際の燃
料噴射量のばらつきが小さいため、演算により求めた目
標燃料噴射量を上記燃料の平均噴射量に基づいて補正す
ることにより、燃料の総噴射量を目標燃料噴射量の制御
を正確に実行することができる。
【0051】上記実施形態では、図7に示すように、各
種の運転状態で、燃料の噴射パルスに対する燃料噴射の
ばらつきを実験的に求め、この実験データに基づいて上
記ばらつきを防止するために必要とされる基準時間を3
msecに設定し、燃料の分割噴射時に、前段の燃料噴
射終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔
を、一律に3msec以上に設定するようにしたため、
簡単な構成を有する制御装置により、噴射パルスに対す
る後段の燃料噴射のばらつきが生じるのを防止して、燃
料の総噴射量を目標燃料噴射量に一致させる制御を迅速
かつ適正に実行することができる。
【0052】なお、上記構成に代えて、噴射パルスに対
する燃料噴射のばらつきを防止するための基準時間を、
インジェクタ18の個体差または各運転状態等に対応さ
せてそれぞれ個別に求め、この基準時間に応じて上記前
段の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点まで
の時間間隔を個別に設定して燃料の噴射タイミングを制
御するように構成してもよい。
【0053】また、上記インジェクタ18のニードル弁
リフトに起因して燃料供給管に生じる燃料脈動が収まる
時間を実験的または演算等により求め、この値に基づい
て上記基準時間を設定してもよい。このように構成した
場合には、燃料の分割噴射時に、前段の燃料噴射終了時
点から、上記ニードル弁リフトに起因した燃料脈動が収
まった後に、後段の燃料噴射が開始されることになるた
め、上記燃料脈動に起因した制御誤差が発生するのを防
止して、後段の燃料噴射量にばらつきが生じるのを効果
的に防止することができる。
【0054】また、上記実施形態では、成層燃焼領域よ
りも高回転側の領域に設けられた均一燃焼領域に、吸気
行程で燃料の分割噴射を行う分割噴射領域αを設けると
ともに、この分割噴射領域αにおける前段の燃料噴射終
了時点から後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔を、
上記基準時間以上に設定したため、エンジン回転数が高
いことに起因して上記分割噴射時の時間間隔が極端に短
くなるのを防止することができる。したがって、エンジ
ンの高回転領域で、上記燃料脈動等に起因した制御誤差
の発生を確実に防止し、後段の燃料噴射量にばらつきが
生じるのを防止することができる。
【0055】さらに、上記燃料の分割噴射領域を、空燃
比が理論空燃比となる運転領域で、排気通路41に設け
られたO2センサ57からなる空燃比センサの検出値に
基づいて燃料噴射量のフィードバック制御を実行するフ
ィードバック制御領域に設定した場合には、このフィー
ドバック制御時に、燃料を複数回に分けて噴射するとと
もに、前段の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始
時点までの時間間隔を上記基準時間以上に設定すること
により、後段の燃料噴射量のばらつきを防止することが
できるため、上記フィードバック制御を適正に実行でき
るという利点がある。
【0056】なお、図9に示すように、上記ECU60
に、燃料の噴射パルス幅と燃料噴射量との対応関係を学
習して学習補正値を求める噴射特性学習手段84と、こ
の学習の実行時に上記ISCバルブ51を制御して吸入
空気量を調節するISC制御手段85および吸入空気量
調節手段86と、基本点火時期演算手段91によりエン
ジンの運転状態に応じて算出された点火時期を、上記学
習制御の実行時にリタードさせるように制御する点火時
期リタード手段92とを設けた構造としてもよい。
【0057】上記噴射特性学習手段84は、フィードバ
ック制御手段82による上記燃料噴射量のフィードバッ
ク制御が実行される特定運転時に、吸気行程で燃料を複
数回に分割して噴射させつつ、フィードバック補正項
(フィードバック制御による制御量)に基づき、分割さ
れた燃料噴射の一回分に相当する噴射パルス幅と、燃料
噴射量との対応関係を学習して学習補正値を求めるもの
である。
【0058】また、上記ISC制御手段85は、エンジ
ンのアイドル運転時に上記ISCバルブ51を制御して
吸気流量を調節することにより、アイドル回転数を目標
値に一致させるように制御するものである。さらに、上
記吸入空気量調節手段86は、吸気行程で上記燃料噴射
制御手段83による燃料の分割噴射および上記噴射特性
学習手段84による学習が、エンジンのアイドル運転領
域またはアイドル近傍の運転領域において行われている
ときに、上記ISC制御手段85による吸気流量の制御
を規制するものである。
【0059】具体的には、アイドル運転領域等の無負荷
低回転領域において、分割噴射の一回分に相当する噴射
パルス幅が、成層リーン運転時の最小噴射パルス幅と略
同等になるように設定された燃料噴射量に応じ、吸入空
気量が調節されるようになっている。すなわち、上記学
習のために吸気行程で分割噴射を行うときに、通常のア
イドル運転時よりも基本燃料噴射量を多くするように設
定された場合に、これに対応させて通常時よりも多い所
定の吸入空気量を確保するように、上記吸入空気量調節
手段86によりISCバルブ51の制御量を設定するよ
うにしている。この結果、空燃比が理論空燃比とされつ
つ、分割噴射の一回分に相当するパルス幅が成層リーン
運転時の最小パルス幅と略同等となるように、燃料噴射
量およびこれに応じた吸入空気量の調節が行われること
になる。
【0060】また、上記点火時期リタード手段92は、
エンジンのアイドル運転領域またはアイドル近傍の運転
領域で、上記のように吸入空気量および燃料噴射量の調
節が行われることに伴うエンジン回転数の上昇を抑制す
るために、点火時期をリタードさせてトルクを抑えるも
のであり、これによって上記噴射特性学習手段84によ
る学習の実行時に、エンジン回転数をアイドル運転時等
の目標値とする制御を実行するように構成されている。
【0061】上記ECU60において実行される制御動
作を、図10に示すフローチャートに基づいて説明す
る。上記制御動作がスタートすると、まずエンジンの運
転領域が図5の分割噴射領域αであるか否かを判定し
(ステップS11)、NOと判定された場合には、上記
噴射特性学習手段84による学習が行われる運転領域で
あるか否かが判別される(ステップS12)。
【0062】すなわち、エンジン暖機前の半暖機状態
で、上記フィードバック制御手段82によるフィードバ
ック制御の実行時に分割噴射を行うと、燃料噴射量が図
11中の特異領域Bに入るような低負荷域である場合
に、上記噴射特性の学習が行われる運転領域であると判
定される。上記図11は、インジェクタ18の特性を示
すものであり、燃料噴射可変範囲における大部分の一般
領域Aでは、噴射パルス幅と燃料噴射量とが比例的な一
定の対応関係を有している。これに対して燃料の噴射量
少ない上記特異領域Bでは、閉弁期間に対する弁リフト
途中期間の割合が大きくなること等に起因して、上記一
般領域Aとは異なる特性を有している。
【0063】上記ステップS12でYESと判定されて
学習が行われる領域であることが確認された場合、また
は上記ステップS11でYESと判定されて分割噴射領
域αであることが確認された場合には、上記噴射量・噴
射時期演算手段80において求めた前期側の燃料噴射量
と、前後期の燃料噴射時期と、エンジン回転数とに基づ
いて前期の燃料噴射終了時点から後期の燃料噴射開始時
点までの時間間隔Tを算出する(ステップS13)。
【0064】次いで、上記時間間隔Tが3msec程度
に設定された基準時間以上であるか否かを判定し(ステ
ップS14)、YESと判定された場合には、上記噴射
量・噴射時期演算手段80で求めた燃料の噴射量および
噴射時期に対応させて燃料を噴射するためのタイマーを
設定する(ステップS15)。
【0065】一方、上記ステップS14でNOと判定さ
れた場合には、上記前期の燃料噴射終了時点から後期の
燃料噴射開始時点までの時間間隔Tが、3msec程度
に設定された基準時間となるように、前後期の噴射時期
を再計算した後(ステップS16)、上記ステップS1
5に移行する。
【0066】上記のような実施形態によれば、図11に
示すインジェクタ18の噴射特性のうちで、上記微少噴
射量となる特異領域Bにおける噴射パルス幅と、燃料噴
射量との対応関係を適正に把握して、上記フィートバッ
ク制御時の学習補正値を精度よく求めることができる。
すなわち、インジェクタ18の個体差等による噴射パル
ス幅と燃料噴射量との対応関係のずれにより噴射パルス
幅の換算に誤差が生じると、その分が上記空燃比フィー
ドバック制御におけるフィードバック補正項に現れるの
で、このフィードバック補正項から上記対応関係のずれ
に応じた学習補正値を求めることができる。
【0067】上記分割噴射時の学習補正が行われた後
は、暖機後における低速低回転領域で圧縮行程噴射によ
り成層燃焼が行われる場合の燃料噴射制御に反映され
る。つまり、低速低回転領域で圧縮行程噴射により成層
燃焼が行われて空燃比がリーンとされるときには、熱効
率が高められることに伴い噴射量が少なくされて上記特
異領域B内の噴射量ポイントbとなることがあるが、こ
の場合にアクセル開度、エンジン回転数等に基づいて燃
料噴射量が求められ、これを噴射パルス幅に換算する際
に、上記学習補正値が読み出されて、これを加味した制
御が実行されることにより、燃料噴射制御の精度を向上
させることができる。
【0068】また、上記実施形態では、燃料噴射特性の
学習時に上記ISCバルブ51を制御して吸入空気量を
調節するISC制御手段85および吸入空気量調節手段
86と、基本点火時期演算手段91において算出された
点火時期をリタードさせる点火時期リタード手段92と
を設けたため、半暖機中における上記空燃比フィードバ
ック制御中で、特にアイドリング運転領域またはその近
傍の運転領域における燃料噴射特性の学習精度が低下す
るのを防止することができる。
【0069】すなわち、O2センサ57の検出値に基づ
くフィードバック制御中に吸気行程の分割噴射を行って
特異領域Bの学習補正値を求める場合に、アイドル運転
領域等における通常の制御状態では、成層リーン運転の
場合と比べて熱効率が悪いために燃料噴射量が多くなる
ものの、2倍にまではならないので、その燃料噴射量に
応じた噴射パルス幅を分割すると、分割後の噴射パルス
幅は成層リーン運転領域等の最小パルス幅よりも小さく
なってしまう。
【0070】そこで、当実施形態では、空燃比フィード
バック制御中のアイドル運転領域等に吸気行程の分割噴
射を行う場合に、吸入空気量および基本燃料噴射量を通
常時よりも多くすることにより、分割後の噴射パルス幅
が成層リーン運転時の最小パルス幅と同等となるように
設定し、これによって最小パルス幅付近の学習精度を向
上させることができるようにしている。
【0071】そして、上記のように吸入空気量および燃
料噴射量を通常時よりも多くするように制御するだけで
は、アイドル回転数が必要以上に上昇することにより、
運転者に違和感を与えたり、自動変速機付の車両にあっ
ては、Dレンジでのアイドル運転時に不必要なクリープ
走行が生じたりする不都合がある。このため、当実施形
態では、上記のような場合に点火時期をリタードして吸
入空気量および燃料噴射量の増加によるエンジン回転数
の上昇を抑制することにより上記不都合を回避し、エン
ジン回転数をアイドル運転時等の目標値とする制御を適
正に実行できるようにしている。
【0072】なお、上記各実施形態では、燃料噴射制御
手段83により吸気行程で燃料を二回に分けて噴射する
ようにした例について説明したが、燃料を前期と中期と
後期との三回に分けて燃料を噴射するようにしてもよ
い。この場合には、前期噴射の終了時点から中期噴射の
開始時点までの時間間隔と、中期噴射の終了時点から後
期噴射の開始時点までの時間間隔が、それぞれ上記基準
時間以上に設定されることになる。
【0073】また、上記空燃比センサとしてλO2セン
サを用い、その出力に応じて理論空燃比とするように燃
料噴射量をフィードバック制御するときの燃料噴射特性
の学習を行うように構成した上記実施形態に代え、空燃
比に応じて出力が略リニアに変化するリニアO2センサ
を用いてもよく、この場合には、理論空燃比以外の運転
領域でも上記フィードバック制御を実行できる。ただ
し、上記リニアO2センサを用いた場合でも、理論空燃
比付近における検出精度が最も高く、理論空燃比から遠
ざかるにつれて検出精度が低下する傾向があるので、理
論空燃比または略理論空燃比でのフィードバック制御時
に燃料噴射特性の学習を行うようにすることが好まし
い。
【0074】このような学習制御の実行時に、後段の燃
料噴射量にばらつきが生じると、学習制御自体の精度が
悪くなり、これが燃料噴射量の制御に反映されると、そ
の後の制御精度が却って悪化する。また、上記学習制御
が実行されることにより通常のアイドル時よりも前後段
の噴射時間間隔が短くなって燃料脈動の影響を受け易く
なる可能性があるため、上記のように前後段の噴射時間
間隔を基準時間以上に設定することによる効果が顕著で
ある。
【0075】
【発明の効果】以上のように本発明は、燃焼室内に直接
燃料を噴射するインジェクタと、所定の運転領域で上記
インジェクタから必要量の燃料を複数回に分けて噴射さ
せるように制御する燃料噴射制御手段とを備えた筒内噴
射式エンジンにおいて、上記燃料の分割噴射時に、前段
の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの
時間間隔を、噴射パルスに対する燃料噴射のばらつきを
防止するために必要とされる基準時間以上に設定したた
め、この燃料噴射のばらつきに起因して後段の燃料噴射
量が不正確になるという事態の発生を防止し、燃料の総
噴射量を目標燃料噴射量に一致させる制御を適正に実行
できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンの全体構成図
である。
【図2】エンジン本体およびその付近の概略平面図であ
る。
【図3】上記エンジンに設けられたインジェクタの断面
図である。
【図4】ECUの機能的構成を示すブロック図である。
【図5】上記エンジンにおいて設定された各運転領域を
示すグラフである。
【図6】上記各運転領域での燃料噴射時期を示すグラフ
である。
【図7】分割噴射の時間間隔と燃料噴射量の変動状態と
の関係を示すグラフである。
【図8】上記ECUにおいて実行される制御動作を示す
フローチャートである。
【図9】ECUの別の具体例を示すブロック図である。
【図10】上記ECUにおいて実行される制御動作を示
すフローチャートである。
【図11】インジェクタの燃料噴射量と噴射パルス幅と
の対応関係の特性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 エンジン本体 5 燃焼室 18 インジェクタ 57 O2センサ(空燃比センサ) 60 ECU 71 ニードル弁 82 フィードバック制御手段 83 燃料噴射制御手段 84 噴射特性学習手段 86 吸入空気量調節手段 92 点火時期リタード手段
フロントページの続き Fターム(参考) 3G022 AA07 AA08 BA01 CA03 CA06 CA09 DA02 EA07 GA05 GA06 GA08 GA09 GA11 3G084 AA04 BA13 BA15 BA17 CA03 CA04 CA09 DA04 DA23 EA07 EB11 EB17 EC02 EC03 FA02 FA07 FA10 FA13 FA17 FA20 FA29 FA33 FA39 3G301 HA04 HA16 HA17 JA00 JA05 KA07 KA08 KA09 KA24 LA00 LA04 LA05 LB01 LB04 LC04 MA01 MA12 MA19 MA20 MA26 MA27 ND01 ND33 NE14 NE15 NE23 PA01Z PA10Z PA11Z PA15A PB03A PB03Z PB05Z PD03A PD04A PE01A PE01Z PE05Z PE08Z PF03Z

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェ
    クタと、所定の運転領域で上記インジェクタから必要量
    の燃料を複数回に分けて噴射させるように制御する燃料
    噴射制御手段とを備えた筒内噴射式エンジンにおいて、
    上記燃料の分割噴射時に、前段の燃料噴射終了時点から
    後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔を、噴射パルス
    に対する燃料噴射のばらつきを防止するために必要とさ
    れる基準時間以上に設定したことを特徴とする筒内噴射
    式エンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の筒内噴射式エンジンの燃
    料噴射制御装置において、上記基準時間を、インジェク
    タのニードル弁リフトに起因して燃料供給管に生じる燃
    料脈動が収まる時間に対応させて設定したことを特徴と
    する筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の筒内噴射式エン
    ジンの燃料噴射制御装置において、エンジンの高回転領
    域に、吸気行程で燃料の分割噴射を行う分割噴射領域を
    設けるとともに、この分割噴射領域における前段の燃料
    噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの時間間
    隔を、上記基準時間以上に設定したことを特徴とする筒
    内噴射式エンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の筒内噴
    射式エンジンの燃料噴射制御装置において、上記燃料の
    分割噴射領域を、空燃比が略理論空燃比となる運転領域
    で、排気通路に設けられた空燃比センサの検出値に基づ
    いて燃料噴射量のフィードバック制御を実行するフィー
    ドバック制御領域に設定したことを特徴とする筒内噴射
    式エンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】 燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェ
    クタと、排気通路に設けられた空燃比センサの検出値に
    基づいて空燃比が略理論空燃比となるように燃料噴射量
    をフィードバック制御するフィードバック制御手段とを
    備えた筒内噴射式エンジンにおいて、上記フィードバッ
    ク制御が行われる特定運転時に、インジェクタから燃料
    を複数回に分けて噴射させるように制御する燃料噴射制
    御手段と、この分割された噴射燃料の1回分に相当する
    噴射パルス幅と燃料噴射量との対応関係を学習する噴射
    特性学習手段とを備え、この学習制御の実行時に、前段
    の燃料噴射終了時点から後段の燃料噴射開始時点までの
    時間間隔を、上記噴射パルスに対する燃料噴射のばらつ
    きを防止するために必要とされる基準時間以上に設定し
    たことを特徴とする筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の筒内噴射式エンジンの燃
    料噴射制御装置において、エンジンのアイドル運転領域
    またはアイドル近傍の運転領域で上記噴射特性学習手段
    による学習を行う際に、分割された噴射燃料の1回分に
    相当する噴射パルス幅が成層リーン運転時の最小噴射パ
    ルス幅と略同等になるように設定された燃料噴射量に対
    応した吸入空気量を確保する吸入空気量調節手段と、点
    火時期をリタードさせる点火時期リタード手段とを備え
    たことを特徴とする筒内噴射式エンジンの燃料噴射制御
    装置。
  7. 【請求項7】 燃焼室内に直接燃料を噴射するインジェ
    クタと、所定の運転領域で上記インジェクタから必要量
    の燃料を複数回に分けて噴射させるように制御する燃料
    噴射制御手段とを備えた筒内噴射式エンジンにおいて、
    上記燃料の分割噴射時に、前段の燃料噴射終了時点から
    後段の燃料噴射開始時点までの時間間隔を、3msec
    以上に設定したことを特徴とする筒内噴射式エンジンの
    燃料噴射制御装置。
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