JPH10219036A - 耐摩耗性熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法並びにそれを用いたホース - Google Patents

耐摩耗性熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法並びにそれを用いたホース

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JPH10219036A
JPH10219036A JP2362097A JP2362097A JPH10219036A JP H10219036 A JPH10219036 A JP H10219036A JP 2362097 A JP2362097 A JP 2362097A JP 2362097 A JP2362097 A JP 2362097A JP H10219036 A JPH10219036 A JP H10219036A
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JP
Japan
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rubber
thermoplastic elastomer
thermoplastic
acid
elastomer composition
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Application number
JP2362097A
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English (en)
Inventor
Osamu Ozawa
小沢  修
Katsuhiro Tanaka
勝啓 田中
Yoshihiro Soeda
善弘 添田
Shigeru Yamauchi
茂 山内
Susumu Hatanaka
畑中  進
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Yokohama Rubber Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐摩耗性に優れた高圧樹脂ホースの外管とし
て好適な熱可塑性エラストマー組成物を提供することを
目的とする。 【解決手段】 (A)オルガノシロキサン類及びそれら
の変性物から選ばれた少なくとも一種のシリコーン、
(B)熱可塑性コポリエステルエラストマー、(C)ア
クリルゴムを含むゴム組成物および(D)該ゴム組成物
用の加硫剤を含んでなり、該ゴム組成物の加硫ゴム粒子
が熱可塑性樹脂中に微細に分散した構造を有する耐摩耗
性に優れた熱可塑性エラストマー組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐摩耗性に優れた
熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法並びにそ
れを外管に用いた、建設機械等に好適に用いられる耐摩
耗性、耐熱軟化性及び柔軟性等に優れた高圧ホースに関
する。
【0002】
【従来の技術】建設機械等に用いられる高圧樹脂ホース
は、耐摩耗性、耐熱軟化性、柔軟性等の改善が要望され
ている。特に、ホース外管には、耐摩耗性、耐熱軟化
性、柔軟性、耐候性などの改善が強く要望されている。
特に、耐摩耗性に関しては、ホースの使用環境において
振動や揺動を受け、ホース外管表面が隣接する金属等の
部材と擦れ、摩耗し易い。従来このようなホース外管に
は耐摩耗性を有するエーテル系ポリウレタン等の熱可塑
性樹脂が使用されているが、長期間の使用に対しては不
十分であった。このため、ポリマー構造による改善の検
討もなされているが、柔軟性を損なう等の欠点があっ
た。このように、ホース外管として好適に用いることが
できる、耐摩耗性、耐熱軟化性、柔軟性などに優れた熱
可塑性エラストマー組成物は今日まで得られていなかっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題を解決して、ホース外管の摩擦係数をより小
さくして、ホース表面の耐摩耗性に優れかつ、耐熱軟化
性、柔軟性などにも優れた高圧樹脂ホース用として好適
な熱可塑性エラストマー組成物を提供することを目的と
する。また、本発明は、前記熱可塑性エラストマー組成
物の製造方法並びにそれを外管としたホースを提供する
ことを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明に従えば、(A)
オルガノシロキサン類及びそれらの変性物から選ばれた
少なくとも一種のシリコーン、(B)熱可塑性コポリエ
ステルエラストマー、(C)アクリルゴムを含むゴム組
成物並びに(D)該ゴム組成物用の加硫剤を含んでな
り、該ゴム組成物の加硫ゴム粒子が熱可塑性樹脂中に微
細に分散した構造を有する耐摩耗性に優れた熱可塑性エ
ラストマー組成物が提供される。
【0005】本発明に従えば、また、前記熱可塑性エラ
ストマー組成物を製造するにあたり、熱可塑性樹脂
(B)、ゴム組成物(C)及び加硫剤(D)を配合し
て、シリコーンを除く他の配合成分を配合した熱可塑性
エラストマー組成物を製造し、次いでこれにシリコーン
(A)を配合することから成る熱可塑性エラストマー組
成物の製造方法が提供される。
【0006】本発明に従えば、更に、前記熱可塑性エラ
ストマー組成物を外管に用いた、少なくとも内管と補強
層と外管を有するホースが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の熱可塑性エラストマーの
成分(A)として用いられるシリコーンとしては、オル
ガノシロキサン類、好ましくはポリジメチルシロキサン
及びその変性物、好ましくはメチルメタアクリレート
(MMA)、エチレンビニルアセテート(EVA)、ポ
リエチレン(PE)等のグラフト変性物である。オルガ
ノシロキサン類としては、アルキルシロキサン類が典型
的で、更に具体的には、フロロメチルポリシロキサン、
ジメチルシロキサン、ポリジメチルシロキサン、アルキ
ルアリールシロキサン類(好ましくは、メチルスチリル
シロキサン、メチルスチリルポリシロキサン、メチルフ
ェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサンな
ど)などをあげることができる。
【0008】前記シリコーン(A)の配合量には特に限
定はないが、熱可塑性コポリエステルエラストマー
(B)とゴム組成物(C)の合計量100重量部に対
し、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは
0.5〜10重量部である。
【0009】本発明において熱可塑性エラストマー組成
物の成分(B)として用いられる熱可塑性コポリエステ
ルエラストマーはポリエステルとポリエーテルとを主た
る反復単位とする多元ブロック共重合体として知られて
おり、本発明においてはかかる公知の熱可塑性コポリエ
ステルエラストマーを用いる。かかる熱可塑性コポリエ
ステルエラストマーの典型例としては、例えば、以下の
ものを挙げることができる。
【0010】本発明で使用する熱可塑性コポリエステル
エラストマーは、ポリエステルとポリエーテルの繰り返
し単位、ポリエステル、(ポリ)ラクトンとポリエーテ
ルの繰り返し単位またはポリエステルとポリイミドエー
テルの繰り返し単位からなるランダムおよびマルチブロ
ックコポリエステルであり、コポリエーテルエステルエ
ラストマー、(ポリ)ラクトン変性コポリエーテルエス
テルエラストマーおよびコポリエーテルイミドエステル
エラストマーが包含される。
【0011】適切な熱可塑性コポリエーテルエステルエ
ラストマーおよび(ポリ)ラクトン変性コポリエーテル
エステルエラストマーは、従来から採用されているエス
テル化/重縮合法により、(i)少なくとも一種のジオ
ール、(ii)少なくとも一種のジカルボン酸、(iii)少
なくとも一種の長鎖エーテルグリコールおよび、必要に
応じて、(iv)少なくとも一種のラクトンまたはポリラ
クトンから製造される。
【0012】コポリエーテルエステルエラストマーおよ
びその(ポリ)ラクトン変性物の製造に使用されるジオ
ール(i)は、飽和および不飽和の脂肪族および脂環式
ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒドロキシ化合物
を包含する。これらのジオールは、好ましくは低分子
量、すなわち約300以下の分子量を有する。脂肪族お
よび脂環式ジオールの具体例としては、エチレングリコ
ール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタンジ
オール、2−メチルプロパンジオール、2,2−ジメチ
ルプロパンジオール、ヘキサンジオール、デカンジオー
ル、2−オクチルウンデカンジオール、1,2−,1,
3−および1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,
2−,1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール、ブチンジオール、ヘキセンジオールなどの2ない
し15個の炭素原子をもつジオールが挙げられる。特に
好ましいジオールは、1,4−ブタンジオール、および
1,4−ブタンジオールとヘキサンジオールまたはブチ
ンジオールとの混合物である。芳香族ジオールの具体例
としては、レゾルシノール、ハイドロキノン、1,5−
ジヒドロキシナフタレン、4,4′−ジヒドロキシジフ
ェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)メタンおよび
2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパンなど
の6〜19個の炭素原子をもつジオールが挙げられる。
【0013】特に好適なジオールは、2ないし8個の炭
素原子を有する飽和脂肪族ジオールおよびそのような飽
和脂肪族ジオールの混合物、ならびにそのような飽和脂
肪族ジオールと不飽和ジオールとの混合物である。二種
以上のジオールを使用する場合、ジオール全量を基準と
して少なくとも約60モル%、特に少なくとも80モル
%を同一のジオールが占めることが好ましい。最も好適
なジオール混合物は1,4−ブタンジオールが過半量を
占めるものである。
【0014】前記コポリエーテルエステルエラストマー
およびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いるのに
好適なジカルボン酸(ii)は、脂肪族、脂環式および/
または芳香族ジカルボン酸を包含する。これらのジカル
ボン酸は、低分子量のもの、すなわち、約350以下の
分子量を有するものが好ましいが、より高分子量のも
の、とりわけダイマー酸も使用することができる。
【0015】脂肪族および脂環式ジカルボン酸の代表例
としては、セバシン酸、1,2−シクロヘキサンジカル
ボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4
−シクロヘキサンジカルボン酸、アジピン酸、グルタル
酸、コハク酸、シュウ酸、アゼライン酸、ジエチルマロ
ン酸、アリルマロン酸、4−シクロヘキセン−1,2−
ジカルボン酸、2−エチルスペリン酸、テトラメチルコ
ハク酸、シクロペンタンジカルボン酸、デカヒドロ−
1,5−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ビシクロ
ヘキシルジカルボン酸、デカヒドロ−2,6−ナフタレ
ンジカルボン酸、4,4−メチレンビス(シクロヘキサ
ンジカルボン酸)、3,4−フランジカルボン酸、およ
び1,1−シクロブタンジカルボン酸、ならびにこれら
のダイマー酸が挙げられる。これらの中でも、シクロヘ
キサンジカルボン酸、セバシン酸、グルタル酸およびア
ジピン酸が好ましい。
【0016】芳香族ジカルボン酸の代表例としては、テ
レフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、ビス−安息香
酸、例えばビス(p−カルボキシフェニル)メタン、オ
キシビス(安息香酸)、エチレン−1,2−ビス(p−
オキシ安息香酸)などの2個のベンゼン核を有する置換
ジカルボキシ化合物、1,5−ナフタレンジカルボン
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタ
レンジカルボン酸、フェナントレンジカルボン酸、アン
トラセンジカルボン酸、4,4′−スルホニルジ安息香
酸、およびこれらのハロおよび炭素数1〜12のアルキ
ル、アルコキシ、およびアリール基置換誘導体を包含す
る。なお、発明の目的達成が阻害されない限り、芳香族
ジカルボン酸に他の芳香族ジカルボン酸、例えば、p−
(β−ヒドロキシエトキシ)安息香酸のようなヒドロキ
シ酸を併用することができる。
【0017】前記コポリエーテルエステルエラストマー
およびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いられる
ジカルボン酸の中では、芳香族ジカルボン酸および二種
以上の芳香族ジカルボン酸の混合物、ならびに芳香族ジ
カルボン酸と脂肪族および/または脂環式ジカルボン酸
との混合物が好ましく、芳香族ジカルボン酸単独が特に
好ましい。芳香族ジカルボン酸の中でも、8〜16個の
炭素原子を有する芳香族ジカルボン酸、とりわけ、フタ
ル酸、テレフタル酸およびイソフタル酸のようなベンゼ
ンジカルボン酸ならびにこれらのジメチルエステルが好
適であって、テレフタル酸ジメチルが最良である。ジカ
ルボン酸またはそのエステルの混合物を使用する場合、
ジカルボン酸の全量に基づいて少なくとも約60モル
%、特に少なくとも約80モル%が同一のジカルボン酸
であることが好ましい。とりわけ、テレフタル酸ジメチ
ルがジカルボン酸混合物の約60モル%以上を占めるも
のが最良である。
【0018】熱可塑性コポリエーテルエステルエラスト
マーおよびその(ポリ)ラクトン変性物の製造に用いる
長鎖エーテルグリコール(iii)は、好ましくは約400
〜約12,000の分子量を有するポリ(オキシアルキ
レン)グリコールおよびコポリ(オキシアルキレン)グ
リコールである。好適なポリ(オキシアルキレン)単位
は、約900〜約4,000の分子量を有し、そして側
鎖を除き約1.8〜約4.3の炭素対酸素比を有する長
鎖エーテルグリコールから誘導される。
【0019】適切なポリ(オキシアルキレン)グリコー
ルの代表例として、ポリ(エチレンエーテル)グリコー
ル、ポリ(プロピレンエーテル)グリコール、ポリ(テ
トラメチレンエーテル)グリコール、エチレンオキシド
末端キャップポリ(プロピレンエーテル)グリコールお
よび過半量がポリ(エチレンエーテル)骨格のコポリ
(プロピレンエーテル−エチレンエーテル)グリコール
を包含するエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの
ランダムまたはブロック共重合体、および、テトラヒド
ロフランと、少量の、例えばエチレンオキシド、プロピ
レンオキシドまたはメチルテトラヒドロフラン等の第2
の単量体(炭素対酸素比が約4.3を超えない割合で使
用される)とのランダムまたはブロック共重合体を挙げ
ることができる。ホルムアルデヒドと、例えば1,4−
ブタンジオールおよび1,5−ペンタンジオールなどの
ジオールを反応させて製造されるポリホルマールグリコ
ールも有用である。特に好ましいポリ(オキシアルキレ
ン)グリコールはポリ(プロピレンエーテル)グリコー
ル、ポリ(テトラメチレンエーテル)グリコールおよび
過半量がポリエチレンエーテル)骨格のコポリ(プロピ
レンエーテル−エチレンエーテル)グリコールである。
【0020】必要に応じてこれらのコポリエーテルエス
テルに一種またはそれ以上のラクトンまたはポリラクト
ン(iv)を配合することができる。この種のポリラクト
ン変性コポリエーテルエステルエラストマーは米国特許
出願第4,569,973号明細書に開示されている。
【0021】本発明で使用するのに適当なラクトン(i
v)としては、ε−カプロラクトンが特に好ましいが、
α,β,γ,δまたはε位でメチル基またはエチル基な
どの低級アルキル基で置換されている置換ラクトンを使
用することもできる。また、本発明で使用するコポリエ
ーテルエステルのブロック単位としてホモポリマーまた
はそのモノマーと他の共重合可能なモノマーとの共重合
体およびヒドロキシ末端停止ポリラクトンを包含するポ
リラクトンを使用することができる。
【0022】一般的に、適切なコポリエーテルエステル
エラストマーおよびその(ポリ)ラクトン変性物は、該
コポリエーテルエステルまたは(ポリ)ラクトン変性物
中における(iii)長鎖エーテルグリコール成分の量また
は (iii)長鎖エーテルグリコール成分と (iv) ラクトン
成分との合計量が約5〜約80重量%のものである。よ
り好ましい組成物は (iii)長鎖エーテルグリコール成分
の量または該 (iii)成分と (iv) ラクトン成分との合計
量が約10〜約50重量%のものである。
【0023】中でもコポリエーテルエステルエラストマ
ーおよびその(ポリ)ラクトン変性物として、ジカルボ
ン酸成分をテレフタル酸、ジオール成分を1,4−ブタ
ンジオール、長鎖エーテルグリコールをポリ(テトラメ
チレンエーテル)グリコールとするコポリエーテルエス
テルエラストマーが好適に例示される。
【0024】本発明において使用されるポリエーテルイ
ミドエステルエラストマーは、一種またはそれ以上のジ
オール、一種またはそれ以上のジカルボン酸および一種
またはそれ以上の高分子量ポリオキシアルキレンジイミ
ドジ酸から製造することができる。かかるポリエーテル
イミドエステルエラストマーの製造については、米国特
許第4,556,705号明細書に記載されている。
【0025】本発明において使用されるポリエーテルイ
ミドエステルエラストマーは、ポリエステルの製造のた
めに慣用される方法、例えばエステル化および縮合反応
によってランダムまたはブロック共重合体を生成するよ
うな手法によって製造することができる。従って、ポリ
エーテルイミドエステルは、一般にジオールおよび酸の
反応生成物として特徴づけることができる。
【0026】本発明において使用される好ましいポリエ
ーテルイミドエステルエラストマーは、(i)一種また
はそれ以上の炭素数2〜15の脂肪族または脂環式ジオ
ール、(ii)一種またはそれ以上の脂肪族、脂環式また
は芳香族ジカルボン酸またはそれらのエステル誘導体、
および(iii)一種またはそれ以上のポリオキシアルキレ
ンジイミドジ酸から製造することができる。ポリオキシ
アルキレンジイミドジ酸の使用量は一般に得られるポリ
エーテルイミドエステルの所望の性質によって左右され
る。一般に、ポリオキシアルキレンジイミドジ酸 (iii)
対ジカルボン酸(ii)の重量比は、約0.25〜約2.
0、好ましくは約0.4〜約1.4の範囲である。
【0027】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
使用するジオール(i)は、飽和および不飽和の脂肪族
および脂環式ジヒドロキシ化合物ならびに芳香族ジヒド
ロキシ化合物を包含する。これらのジオールは、低分子
量、すなわち約250またはそれ以下の分子量をもつも
のが好ましい。
【0028】特に好ましいジオールは、飽和脂肪族ジオ
ール、それらの混合物および一種またはそれ以上の飽和
脂肪族ジオールと一種またはそれ以上の不飽和脂肪族ジ
オールとの混合物(ただし、各ジオールは2〜8個の炭
素原子を有する)である。二種以上のジオールを使用す
る場合には、全ジオール含量に基づいて少なくとも約6
0モル%、より好ましくは少なくとも80モル%が同一
のジオールであることが好ましい。特に好ましいジオー
ルは、1,4−ブタンジオールを主成分とするものであ
って、最も好ましいジオールは、1,4−ブタンジオー
ル単独である。
【0029】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
使用するジカルボン酸(ii)は、脂肪族、脂環式および
芳香族ジカルボン酸およびそれらのエステル誘導体の中
から選ばれる。好ましいジカルボン酸は、約300より
低い分子量をもつもの、または、炭素数4〜18のもの
が好ましい。しかしながら、より高分子量のジカルボン
酸、特にダイマー酸も使用することができる。
【0030】ポリエーテルイミドエステルの製造に用い
る脂肪族、脂環式および芳香族ジカルボン酸の中では、
芳香族ジカルボン酸および二種以上の芳香族ジカルボン
酸の混合物、ならびに芳香族ジカルボン酸と脂肪族およ
び/または脂環式ジカルボン酸との混合物が好ましく、
芳香族ジカルボン酸単独が特に好ましい。芳香族ジカル
ボン酸の中でも、8〜16個の炭素原子を有する芳香族
ジカルボン酸、とりわけ、フタル酸、テレフタル酸およ
びイソフタル酸のようなベンゼンジカルボン酸、ならび
にこれらのジメチルエステルが好適であって、テレフタ
ル酸ジメチルが最良である。
【0031】上記ポリエーテルイミドエステルの製造に
用いるポリオキシアルキレンジイミドジ酸(iii)は、平
均分子量が約700より大、好ましくは約900より大
である高分子量のジ酸である。これらのジ酸は、2個の
隣接するカルボキシル基または酸無水物基、さらに別の
カルボキシル基(この別のカルボキシル基は、エステル
化し得るものでなければならず、かつ、好ましくはイミ
ド化し得ないものである)を含有する一種またはそれ以
上のトリカルボン酸化合物を高分子量ポリオキシアルキ
レンジアミンでイミド化することによって製造される。
【0032】本発明において熱可塑性エラストマー組成
物の成分(C)として用いられるゴム組成物としては、
アクリルゴム(ACM)又はアクリルゴムを含むゴム組
成物を用いる。このようなアクリルゴムとしては以下の
ようなものをあげることができ、またかかるアクリルゴ
ムを主成分として、他に従来ホース用として一般に用い
られる原料ゴム(例えばジエン系ゴム及びその水添物
(例えばNR、IR、エポキシ化天然ゴム、SBR、B
R(高シスBR及び低シスBR)、NBR、水素化NB
R、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例えばエチレ
ンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、マレイン酸変
性エチレンプロピレンゴム(M−EPM)、IIR、イ
ソブチレンと芳香族ビニルまたはジエン系モノマー共重
合体、アクリルゴム(ACM)、アイオノマー)、含ハ
ロゲンゴム(例えばBr−IIR、Cl−IIR、イソ
ブチレンパラメチルスチレン共重合体の臭素化物(BI
MS)、CR、ヒドリンゴム(CHR)、クロロスルホ
ン化ポリエチレン(CSM)、塩素化ポリエチレン(C
M)、マレイン酸変性塩素化ポリエチレン(M−C
M))、含イオウゴム(例えばポリスルフィドゴム)、
フッ素ゴム(例えばビニリデンフルオライド系ゴム、含
フッ素ビニルエーテル系ゴム、含フッ素ホスファゼン系
ゴム)、熱可塑性エラストマー(例えばスチレン系エラ
ストマー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラ
ストマー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラ
ストマー)などを挙げることができる。)とのブレンド
ゴムを用いることができる。
【0033】本発明の熱可塑性エラストマー組成物のゴ
ム成分として使用されるアクリルゴムは、分子中に主鎖
として又は側鎖としてアクリル基及びエポキシ基を有す
る架橋性のゴムで、例えば、エポキシ基含有アクリレー
ト及び/又はメタクリレートを共重合成分として含む共
重合体ゴムを挙げることができる。かかるエポキシ基含
有(メタ)アクリレート共重合体または本発明で用いら
れるエポキシ基含有(メタ)アクリレート共重合体ゴム
は、(1)(メタ)アクリル酸アルキルエステルおよび
/または(メタ)アクリル酸アルコキシ置換アルキルエ
ステル、(2)エポキシ基含有単量体、および必要に応
じて(3)これら(1),(2)と共重合可能な他のエ
チレン性不飽和単量体を重合してなる多元共重合体ゴム
である。
【0034】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重
合体ゴムの製造に用いる(メタ)アクリル酸アルキルエ
ステル(1)は、下記式:
【0035】
【化1】
【0036】(式中、R1 は、炭素数1〜18のアルキ
ル基であり、R2 は、水素またはメチル基を示す)で表
される。かかる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレ
ート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレ
ート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル
(メタ)アクリレート、2−メチルペンチル(メタ)ア
クリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−デシル(メ
タ)アクリレート、n−ドデシル(メタ)アクリレー
ト、n−オクタデシル(メタ)アクリレートなどが挙げ
られ、中でも、エチル(メタ)アクリレート、n−プロ
ピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリ
レート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキ
シル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート
が好ましい。
【0037】また、(メタ)アクリル酸アルコキシ置換
アルキルエステル(1)は、下記式:
【0038】
【化2】
【0039】(式中、R3 は、水素またはメチル基、R
4 は、炭素数1〜18のアルキレン基、R5 は、炭素数
1〜18のアルキル基を示す)で表される。かかる(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、2
−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシ
エチル(メタ)アクリレート、2−(n−プロポキシ)
エチル(メタ)アクリレート、2−(n−ブトキシ)エ
チル(メタ)アクリレート、3−メトキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−エトキシプロピル(メタ)アク
リレート、2−(n−プロポキシ)プロピル(メタ)ア
クリレート、2−(n−ブトキシ)プロピル(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。
【0040】エポキシ基含有(メタ)アクリレート共重
合体ゴムの製造に用いるエポキシ基含有単量体として
は、アリルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレ
ート、グリシジルアクリレート、および下記に示す化合
物などが挙げられる(下記各式において、式中のR6
水素またはメチル基を表す)。
【0041】
【化3】
【0042】
【化4】
【0043】
【化5】
【0044】
【化6】
【0045】
【化7】
【0046】
【化8】
【0047】
【化9】
【0048】
【化10】
【0049】
【化11】
【0050】
【化12】
【0051】必要に応じて、(メタ)アクリル酸アルキ
ルエステルまたは(メタ)アクリル酸アルコキシ置換ア
ルキルエステル(1)およびエポキシ基含有単量体と共
重合せしめる単量体としては、2−シアノエチル(メ
タ)アクリレート、3−シアノプロピル(メタ)アクリ
レート、4−シアノブチル(メタ)アクリレートなどの
シアノ置換アルキル(メタ)アクリレート、ジエチルア
ミノエチル(メタ)アクリレートのようなアミノ置換ア
ルキル(メタ)アクリレート、1,1,1−トリフルオ
ロエチル(メタ)アクリレートのような含フッ素系(メ
タ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ートのような水酸基置換アルキル(メタ)アクリレー
ト、メチルビニルケトンのようなアルキルビニルケト
ン、ビニルエチルエーテル、アリルメチルエーテルなど
のビニルまたはアリルエーテル、スチレン、α−メチル
スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエンなどのビニ
ル芳香族化合物、アクリロニトリル、メタアクリロニト
リルなどのビニルニトリル、アクリルアミド、メタアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミドなどのビニ
ルアミドおよびエチレン、プロピレン、酢酸ビニルなど
が挙げられる。本発明で使用されるアクリルゴムは、好
ましくはアクリル酸とアルキル成分がC3 〜C18のアル
キルエステルよりなるアクリルゴムであり、例えばブチ
ルアクリレート、プロピルアクリレート、ドデシルアク
リレート、ヘキサデシルアクリレートを25重量%以
上、更に好ましくは30〜60重量%含む。
【0052】アクリル基およびエポキシ基を含有するゴ
ム(アクリルゴム)の具体的な成分構成として、耐熱性
の点からは、アルキル(メタ)アクリレートまたはアル
コキシ・アルキル(メタ)アクリレート(1)として、
エチルアクリレート単独で構成し、エポキシ基含有単量
体として、グリシジルメタクリレートで構成した共重合
ゴムが、耐寒性の点からは、アルキル(メタ)アクリレ
ートまたはアルコキシ・アルキル(メタ)アクリレート
(1)として、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
トおよびメトキシエチルアクリレートで構成し、エポキ
シ基含有単量体として、グリシジルメタクリレートで構
成した共重合ゴムが、好適に例示される。さらに、耐熱
性と耐寒性のバランスにおいて、アルキル(メタ)アク
リレートまたはアルコキシ・アルキル(メタ)アクリレ
ート(1)の種類・量を選定するのがよい。また、エポ
キシ基含有単量体成分は、共重合ゴムの架橋において、
エポキシ基が架橋反応に使われるもので、通常1〜20
重量%、好ましくは、1.5〜15重量%、更に好まし
くは、2〜10重量%含有するものが、後述する混練中
に動的に行われる加硫反応性において、好適に用いられ
る。
【0053】本発明に用いる熱可塑性コポリエステルエ
ラストマー(B)とゴム組成物(C)の配合量比は、好
ましくは(B):(C)で、30〜90:70〜10
(重量比)、更に好ましくは30〜80:70〜20で
ある。Bの配合量比が少ないと機械的強度が低下すると
ともに、ゴム相がマトリックス相となり押出し加工時な
どの流動性が損なわれ、逆に多いと柔軟性が損なわれる
ので好ましくない。
【0054】本発明において、熱可塑性エラストマー組
成物の成分(D)として用いられる加硫剤は前記アクリ
ルゴム又はアクリルゴム含有組成物の加硫に一般的に用
いられる任意の加硫剤とすることができ、具体例として
は分子内にカルボキシル基及びカルボン酸無水物基の少
なくとも一方をカルボキシル基として2個以上有する架
橋剤化合物を配合するのが好ましい。かかる架橋剤化合
物の典型例としては、例えば以下の化合物をあげること
ができる。
【0055】本発明の架橋剤は、分子中に2個以上のカ
ルボキシル基および/または1個以上のカルボン酸無水
物基を有する化合物である限り格別制限されない。好ま
しくは、脂肪族、脂環式および芳香族のポリカルボン
酸、その(部分)カルボン酸無水物、ならびに、これら
の化合物と(ポリ)アルキレングリコールとの(部分)
エステル化物が用いられる。架橋剤としては、分子量
5,000以下のものが好ましい。
【0056】脂肪族ポリカルボン酸の具体例としては、
コハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸、オクタデカンジカル
ボン酸、ドデセニルコハク酸、ブタンテトラカルボン酸
が挙げられる。脂環式ポリカルボン酸の具体例として
は、シクロペンタンジカルボン酸、シクロペンタントリ
カルボン酸、シクロペンタンテトラカルボン酸、シクロ
ヘキサンジカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン
酸、メチルシクロヘキサンジカルボン酸、テトラヒドロ
フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチ
ルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸が挙げられる。
芳香族ポリカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イ
ソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、トリメシ
ン酸、ピロメリット酸が挙げられる。(部分)カルボン
酸無水物の具体例としては、これらのポリカルボン酸
(部分)カルボン酸無水物が挙げられる。この加硫剤の
使用量や加硫条件なども従前通りとすることができる。
【0057】すなわち、前記架橋剤化合物の好ましい配
合量は、アクリルゴム成分100重量部当り0.5〜2
0重量部、更に好ましくは1〜15重量部である。かか
る架橋剤化合物を配合することにより、アクリルゴム分
散相が架橋され、機械的強度が向上するとともに、耐セ
ット性が向上するので好ましい。
【0058】本発明に係る(A)オルガノシロキサン類
及びそれらの変性物から選ばれた少なくとも一種のシリ
コーン、(B)熱可塑性コポリエステルエラストマー、
(C)アクリルゴムを含むゴム組成物および(D)該ゴ
ム組成物用の加硫剤を含んでなる熱可塑性エラストマー
組成物を製造するにあたっては、シリコーン(A)を除
く他の成分を配合し、次いでシリコーン(A)を配合す
ることによって好適に製造される。
【0059】本発明で用いる熱可塑性エラストマー組成
物の構成成分は、前記した通り熱可塑性コポリエステル
エラストマーとアクリルゴムであり、かかる熱可塑性コ
ポリエステルエラストマー組成物は、それを構成するゴ
ム成分の少なくとも一部は架橋されているものである。
かかる熱可塑性コポリエステルエラストマー組成物は、
通常、バンバリーミキサー、ブラベンダーミキサーまた
はその他の混練押出機(2軸混練押出機)等を使用し、
例えば、前記熱可塑性コポリエステルエラストマー及び
前記アクリルゴムの溶融物をこれらの装置内に維持し、
ゴム相を微細に混練分散させつつ、更に加硫剤(架橋
剤)を添加して、ゴム相の架橋が完了するまで、架橋を
促進する温度で混練することによって製造することがで
きる。
【0060】すなわち、このように製造される熱可塑性
エラストマー組成物は、熱可塑性樹脂とゴム組成物とを
素練りをしながらゴムの加硫を進行させる、いわば、動
的に加硫を進行させる動的加硫(Dynamic CureまたはDy
namic Vulcanization)により製造される熱可塑性エラス
トマー組成物である。このような製法を利用することに
より、得られた熱可塑性エラストマー組成物は、少なく
とも一部が連続相となる熱可塑性樹脂相に少なくとも一
部が不連続相となる加硫ゴム相が微細に分散した状態と
なるため、この熱可塑性エラストマー組成物は加硫ゴム
と同様の挙動を示し、かつ、少なくとも連続相が熱可塑
性樹脂相であるため、その成形加工に際しては、熱可塑
性樹脂に準じた加工が可能である。
【0061】このような熱可塑性エラストマー組成物
は、熱可塑性樹脂の少なくとも一部を連続相、ゴム組成
物の少なくとも一部を不連続相として構成し、不連続相
である加硫ゴム組成物の粒子径が50μm以下であるの
が好ましく、さらに、10〜1μmであるのがより好ま
しい。
【0062】なお、混練条件や使用する加硫剤の種類、
量や加硫条件(温度等)等は、添加するゴム組成物の配
合、ゴム組成物の配合量に応じて適宜決定すればよく、
特に限定はされない。
【0063】このような本発明の熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法を以下に示す。本発明の熱可塑性エラ
ストマー組成物の製造は、まず、樹脂、ゴム組成物を添
加し、溶融混練し、次いで、混練下で加硫剤を添加し、
ゴムを動的に加硫させることにより行うことが出来る。
【0064】また、本発明の組成物には、必要に応じ、
補強剤、軟化剤、老化防止剤などの配合剤を添加するこ
とができ、ゴム成分への配合剤は上記混練中に添加して
もよいが、加硫剤以外の配合剤は上記混練の前に予め混
合しておくのがよい。樹脂成分への配合剤は、上記混練
の前に予め混合しておいてもよく、また、上記混練中に
添加してもよい。
【0065】本発明の熱可塑性エラストマー組成物の製
造に使用する混練機には、特に限定はないが、スクリュ
押出機、ニーダ、バンバリミキサー、2軸混練押出機等
が挙げられる。中でも樹脂成分とゴム成分の混練および
ゴム成分の動的加硫を考慮すると、2軸混練押出機を使
用するのが好ましい。さらに、2種類以上の混練機を使
用し、順次混練してもよい。溶融混練の条件としては、
混練温度は、例えば180〜350℃、特に、180〜
300℃であるのが好ましいが、熱可塑性コポリエステ
ルエラストマー成分が溶融する温度以上であれば特に限
定はされない。混練時の剪断速度は、1000〜800
0s-1、特に、1000〜5000s-1であるのが好ま
しい。溶融混練全体の滞留時間は、30秒〜10分、加
硫剤を添加した後の滞留時間(加硫時間)は、15秒〜
5分であるのが好ましい。剪断速度は、スクリュの先端
が描く円の円周に、スクリュの1秒間の回転数を掛けて
得られる積を先端の間隙で除して計算される。すなわ
ち、剪断速度は、先端の間隙で先端の速度を割った値で
ある。ここで、動的加硫を行う部分での滞留時間とは、
動的加硫を行う部分の全容積に充満係数を乗じ、それを
容積流量で除して計算する。
【0066】なお、かかる製法にて熱可塑性エラストマ
ー組成物を製造する場合、使用する熱可塑性エラストマ
ーとアクリルゴム組成物の溶融混練時の粘度と体積分率
の関係は相互に関係があり、通常の混練時温度180℃
〜350℃、剪断速度1000〜8000s-1の範囲で
は下記式の関係とすることが好ましい。 η2 /η1 <4.0 (η1 /η2 )(φ2 /φ1 )<1.0 ここで、η1 :熱可塑性コポリエステルエラストマーの
溶融混練時の粘度 η2 :アクリルゴム組成物の溶融混練時の粘度 φ1 :熱可塑性コポリエステルエラストマーの体積分率 φ2 :アクリルゴム組成物の体積分率 上記式の範囲内で混練することによりゴム比率を広く制
御し、好ましくは高ゴム比率化の実現が可能で、かつ、
柔軟で高破断伸びである熱可塑性エラストマー組成物を
得ることができる。本発明に従ってシリコーン(A)を
配合する方法は、 (1)上の方法で2軸混練押出機を用い、成分(B)、
(C)を混練する際に、同時に成分(A)を添加し、次
いで、成分(D)を添加して動的加硫を行い、本発明の
熱可塑性エラストマー組成物を得る製造方法。尚、あら
かじめ成分(C)に成分(A)の一部または全量を添加
しておいても良い。 (2)上の方法で2軸混練押出機を用い、成分(B)、
(C)を混練し、次いで成分(D)を添加して動的加硫
を行い、成分(A)を含まない熱可塑性エラストマー組
成物のペレットを得た後、単軸押出機等により押出成形
する際に成分(A)と成分(A)を含まない熱可塑性エ
ラストマー組成物のペレットを所定の量比で供給し、成
形することにより、本発明の熱可塑性エラストマー組成
物を得る製造方法等の方法があり、いずれの方法でも製
造可能である。特に、第2の方法は、熱可塑性エラスト
マー組成物のマトリックス相を構成する成分(B)の相
に、効率良く分散させることができ、成分(A)の配合
量に対して、摩耗表面の成分(A)の濃度を高くするこ
とができるため、より好ましい製造方法である。
【0067】本発明に係るホースは、少なくとも内管、
補強層及び外管とからなり、本発明に係る前記熱可塑性
エラストマーを外管に用いて構成される。内管材料とし
ては、従前のホースと同様、例えば一般に用いられる熱
可塑性樹脂および熱可塑性エラストマーと、それらの組
成物であって、特に限定されるものではないが、ポリオ
レフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹
脂等の熱可塑性樹脂およびその組成物、ポリオレフィン
系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラス
トマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリウ
レタン系熱可塑性エラストマー等の熱可塑性エラストマ
ーおよびその組成物、さらに、これらの熱可塑性樹脂お
よび熱可塑性エラストマー中に加硫ゴム組成物を含むゴ
ム組成物が粒子状に分散した熱可塑性エラストマー組成
物等が例示される。特に、本発明の成分(A)を含まな
い熱可塑性エラストマー組成物は内管材料としても好適
に例示されるものである。
【0068】本発明に係るホースの補強層には、従来か
らホース用として使用されている各種繊維のものより、
本発明で使用する内外管との親和性に優れ、かつ経済
性、柔軟性、強度及びモジュラスの点で優れるポリエス
テル繊維が特に選定して用いられる。
【0069】本発明で内管と前記補強層との層間及び/
又は前記補強層と外管との層間に使用される接着層に
は、従来からホース用として汎用されている各種接着剤
組成物を用いることができ、具体的にはウレタン系接着
剤を用いることができる。また接着性熱可塑性樹脂を用
いる場合には、ポリエステル系共重合樹脂等を用いるこ
とができる。なお、いずれの場合も接着層の膜厚には特
に限定はないが、好ましくは、それぞれ、10〜500
μmである。
【0070】本発明に従ったホースを製造するには、先
ず、公知の押出成形により、例えば熱可塑性コポリエス
テルエラストマーにアクリルゴムの加硫物を分散させた
熱可塑性エラストマー(本発明の成分(B)、(C)、
(D)からなる熱可塑性エラストマー組成物)を使用し
てホースの内管を製造し、その外面に必要に応じ通常の
接着剤を塗布した後、その上に補強ポリエステル繊維を
ブレードまたはスパイラル状に巻きつけ、さらに、例え
ば熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂を用いて押出成形
によって接着層を形成し、その直後に、再度前記熱可塑
性エラストマー組成物を外管として被覆する一般的な方
法によることができる。もちろん、前記外管の製造に際
しては前記接着層と外管とを同時押出成形してもよい
し、また、接着層を押出成形後に一旦冷却し、その後に
外管を押出成形する方法を採ってもよい。なお、前記接
着層の厚さには、特に限定はないが、好ましくは、それ
ぞれ10〜500μmである。
【0071】
【実施例】以下、参考例、実施例及び比較例によって本
発明を更に説明するが、本発明の範囲をこれらの実施例
及び比較例に限定するものでないことは言うまでもな
い。
【0072】参考例、実施例1〜11及び比較例1〜2 表Iに示す配合(重量部)の熱可塑性エラストマー組成
物を表Iに示すシリコーン添加時期を用いて下記のよう
に製造し、得られた組成物の耐摩耗性、耐熱軟化性及び
柔軟性(硬度)を以下のようにして測定し、結果を表I
に示した。まず、アクリルゴムおよび加硫剤以外の配合
剤を、密閉式のゴム用バンバリーミキサに投入して混練
し、次いで、ゴム用ロールを用いてシート状にした後、
ゴム用ペイタイザーでペレット状にした。次いで、熱可
塑性コポリエステルエラストマー、前記ペレット状のゴ
ム、および相溶化剤を2軸混練押出機に投入し、混練し
た後、さらに加硫剤を連続的に投入することにより熱可
塑性コポリエステルエラストマーおよび相溶化剤からな
るマトリックス中にドメインとして分散しているゴム成
分を動的に加硫した。混練条件は、混練温度は例えば、
220〜300℃、動的加硫を行う部分の滞留時間30
〜120秒、剪断速度1000〜2500秒-1である。
動的加硫終了後、2軸混練押出機から連続的にストラン
ド状に排出し、水冷後、カッターで長さ約3mm(直径約
2mm)に切断し、ペレット状の熱可塑性エラストマー組
成物を得た。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】〔表I脚注〕 *1 エステン58212 :協和発酵工業(株)製 *2 SP−100 :ダウ・コーニング・アジア(株)製 *3 SP−110 :ダウ・コーニング・アジア(株)製 *4 SP−300 :ダウ・コーニング・アジア(株)製 *5 ハイトレル5556:東レ・デュポン(株)製 *6 E(エチレン) =67重量%,MA(メチルアクリレー
ト)=30重量%,GMA(グリシジルメタクリレート)=3
重量% *7 EA(エチルアクリレート)=40重量%, BA(ブチル
アクリレート)=32重量%,MEA(メトキシエチルアクリ
レート)=19重量%、GMA(グリシジルメタクリレート)
=9重量% *8 シーストSO:東海カーボン(株)製 *9 イルガノックス1010:日本チバガイギー(株)製 *10 三井東圧ファイン(株)製
【0077】(試験体の作製)熱可塑性エラストマー組
成物のペレットを通常使用される樹脂用プレス成形機
で、230℃で5分、2.9MPa の圧力で2.0mm厚さ
のシート状に成形した。
【0078】測定方法 イ)耐摩耗性=ピコ摩耗試験 JIS規格(JIS K 6264)に記載のピコ摩耗
試験を実施した。所定の試験片をプレス成形により作製
し、得られた試験片を用いて、荷重は44N(4.49
kgf )、回転速度は60回/分、回転数は正転20回、
逆転20回の各々2回繰り返し、合計80回の条件で行
った。得られた摩耗容積は、参考例の摩耗容積を100
とした指数で表した。 ロ)耐熱軟化性=120℃ヤング率 JIS規格の3号ダンベル形状(JIS K 625
1)の試験片を打抜き機で作製した。得られた試験片に
ついて、JIS規格に準拠して、120℃でのヤング率
(MPa) を測定した。 ハ)柔軟性=硬度 JIS規格の3号ダンベル形状(JIS K 625
1)の試験片を打抜き機で作製した。得られた試験片に
ついて、JIS規格に準拠して、タイプAデュロメータ
硬さ(JIS K 6253)を測定した。
【0079】次に各例で得られた熱可塑性エラストマー
組成物を外管として用い、下記内管、接着剤層及び補強
層からなる内径9.5mm、外径17.5mmのホースを常
法により製造した。 内管:熱可塑性エラストマー組成物 (重量部) 熱可塑性コポリエステルエラストマー ハイトレル5556(東レ・デュポン(株)製) EMA −GMA 14.43 組 成 E(エチレン)=67重量% MA(メチルアクリレート)=30重量% GMA (グリシジルメタクリレート)=3重量% アクリルゴム 組 成 EA(エチルアクリレート)=40重量% BA(ブチルアクリレート)=32重量% MEA (メトキシエチルアクリレート)=19重量% GMA (グリシジルメタクリレート)=9重量% FEF 級カーボンブラック(シーストSO 東海カーボン(株)製) 40.00 老化防止剤 イルガノックス1010(日本チバガイギー(株)製) 3.33 架橋剤 ブタンテトラカルボン酸(三井東圧ファイン(株)製) 1.60 補強層:ポリエステル繊維 接着層:内管/補強層間接着層=湿気硬化型ウレタン系接着剤 タイライト7411(ロード・ファー・イースト社製) 補強層/外管間接着層=熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂組成物 熱可塑性コポリエステルエラストマー 50重量部 ブロック共重合組成 テレフタル酸=30モル% イソフタル酸=12モル% 1,4−ブタンジオール=38モル% ポリテトラメチレングリコール=20モル% 熱可塑性ポリウレタンエラストマー 50重量部 エステン58212 (協和発酵工業(株)製) 内管押出 内管材料を用い、樹脂押出機により内径9.5mm、厚さ
1.0mmの中空状に押出し、内管を形成した。 補強層編組 その上に、湿気硬化型ウレタン系接着剤を塗布後、編組
機によりポリエステル繊維を用いて補強繊維層を成形し
た。 接着層形成 その上に、湿気硬化型ウレタン系接着剤を塗布、または
熱可塑性ポリエステル系共重合樹脂を樹脂押出機により
成形し、接着層を形成した。 外管押出 表Iに示す外管材料を用い、樹脂押出機により1.0mm
の厚さで押出し、外管を成形した。
【0080】このようにして得られたホースの性能(耐
摩耗性、耐熱軟化性及び柔軟性)を次のようにして測定
し、結果を表Iに示す。
【0081】測定方法 イ)耐摩耗性=摩耗抵抗試験 摩耗抵抗は、図1に示す試験機の各部13の往復運動で
ホースの外管表面を擦ることによって外管が摩耗して補
強層が露出するまでの角部13の往復回数(万回)を測
定した。この試験機において、被試験ホース11は軸芯
12に通して固定され、角部13が被試験ホース11の
外管の表面に錘14によって押すように接触し、角部1
3はシリンダー15とピストン16によってアーム17
を介して往復運動し、アーム17はピストン16にピン
18によって回転可能に止められている。角部13は9
0°の角度をなし、先端は半径0.4mmの円弧である。
角部13は14.7N(1.50kgf )で被試験ホース
11の外管の表面を押圧する。 ロ)耐熱軟化性=高温破壊試験(120℃) ホースの両端部に所定の金具を取りつけ、下記のように
してホースの高温破壊試験を行った。JIS規格(JI
S K 6349)に記載の耐圧性試験(破裂試験)を
温度120℃で実施した。破壊に至った圧力を測定し、
破壊圧力(MPa)として評価した。 ハ)柔軟性=曲げ剛性 各種半径の円弧に沿って試料ホースを曲げ、曲げ力
(N)を測定する。具体的には、試料ホース外径の10
倍の曲げ半径から測定し始め、3倍までの間で順次曲げ
半径を変更し、曲げ力(N)を測定する。この測定結果
から、曲げ力と曲げ半径との関係を示すグラフを作成
し、得られたグラフから規定半径(4倍)の際の曲げ力
を読み取り、ホースの曲げ剛性(N)とする。
【0082】実施例の効果の説明 (実施例1〜5、比較例1,2、参考例)成分(A)シ
リコーンの添加量依存性を示し、シリコーンの添加効果
を説明する実施例である。参考例は、従来の樹脂ホース
であり、外管にエーテル系ポリウレタン熱可塑性エラス
トマーを用いたものである。本ホースの摩耗性を基準に
本発明の効果を説明するものである。比較例1は本発明
の成分(A)シリコーンを配合しない熱可塑性エラスト
マー組成物及びホースであり、参考例と同様の摩耗性で
あり、耐摩耗性は悪い。但し、この熱可塑性エラストマ
ー組成物は、エーテル系ポリウレタン熱可塑性エラスト
マーとの比較で、常温での硬度が低く、かつ、120℃
ヤング率に優れるため、常温での曲げ剛性が低く柔軟で
あり、かつ、高温破壊試験の破壊圧力が高く、耐熱軟化
性に優れている。実施例1〜5は、本発明の成分(A)
のシリコーンとしてポリジメチルシロキサンを配合した
熱可塑性エラストマー組成物及びホースである。熱可塑
性エラストマー組成物の製造で、成分(A)を成分
(B)、(C)の混練時に添加したものである。実施例
1に示すようにシリコーン0.5重量部の配合で摩耗抵
抗が約2倍に改善されており、成分(A)の配合による
耐摩耗性の改善効果がわかる。また、比較例1との比較
で、常温での硬度、120℃ヤング率が同等であり、柔
軟性、耐熱軟化性は比較例1と同等で優れている。更
に、実施例2〜5に示すようにシリコーンの配合量を増
すと、摩耗抵抗は更に改善され、一方、柔軟性、耐熱軟
化性の変化は殆どなく、良好である。比較例2は、成分
(A)シリコーンを15重量部配合した熱可塑性エラス
トマー組成物及びホースであり、摩耗抵抗、柔軟性、耐
熱軟化性ともに良好であるが、実施例5との比較で、摩
耗抵抗の改善は認められない。すなわち、成分(A)の
10重量部超の配合は、もはや改善効果はなく、経済性
を考慮すれば10重量部以下の配合が適当であることが
わかる。 (実施例6〜8)成分(A)のシリコーンとして、MM
A(メチルメタクリレート)変性ポリジメチルシロキサ
ンを配合した熱可塑性エラストマー組成物及びホースで
ある。熱可塑性エラストマー組成物は、成分(A)を成
分(B)、(C)の混練時に添加する方法(実施例6)
と、成分(A)を含まない熱可塑性エラストマー組成物
を製造後、押出成形時に添加する方法(実施例7,8)
によるものである。MMA変性ポリジメチルシロキサン
はペレット形状とすることができるため、単軸押出機等
での後添加で、ホッパー等を汚すことなく供給ができる
ため、より好ましく用いることができた。実施例6は、
実施例1〜5と比較して同等の特性を示し、成分(A)
としてMMA変性ポリジメチルシロキサンを用いても、
ポリジメチルシロキサンと同等の摩耗性改善効果及び、
柔軟性、耐熱軟化性が得られることがわかった。更に、
成分(A)を後添加した、実施例7,8では、実施例6
との比較でより少量の配合量で同等の耐摩耗性改善効果
が得られることがわかる。これは、成分(B)、(C)
の混練時に成分(A)を添加する方法に比べて、成分
(A)がマトリックス相を成す成分(B)の相に偏在
し、結果的に摩耗表面での成分(A)の濃度が高い状態
が形成されたためであると推定される。従って、成分
(A)の添加方法として、成分(A)を含まない熱可塑
性エラストマー組成物を製造し、後添加で成分(A)を
配合し、本発明の熱可塑性エラストマー組成物とする製
造方法がより好ましい方法であることがわかる。 (実施例9〜11)成分(A)のシリコーンとして、E
VA(エチレンビニルアセテート)変性ポリジメチルシ
ロキサンを配合した熱可塑性エラストマー組成物及びホ
ースである。熱可塑性エラストマー組成物は、成分
(A)を成分(B)、(C)の混練時に添加する方法
(実施例9)と、成分(A)を含まない熱可塑性エラス
トマー組成物を製造後、押出成形時に添加する方法(実
施例10,11)によるものである。EVA変性ポリジ
メチルシロキサンはペレット形状とすることができるた
め、単軸押出機等での後添加で、ポッパー等を汚すこと
なく供給ができるため、より好ましく用いることができ
た。実施例9は、実施例1〜5と比較して同等の特性を
示し、成分(A)としてEVA変性ポリジメチルシロキ
サンを用いても、ポリジメチルシロキサンと同等の摩耗
性改善効果及び、柔軟性、耐熱軟化性が得られることが
わかった。更に、実施例6〜8と同様に、成分(A)を
後添加した、実施例10,11が、実施例9よりも少量
の配合量で同等の耐摩耗性改善効果を示した。従って、
実施例6〜8と同様に、成分(A)の添加方法として、
成分(A)を含まない熱可塑性エラストマー組成物を製
造し、後添加で成分(A)を配合し、本発明の熱可塑性
エラストマー組成物とする製造方法がより好ましい方法
であることがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明に従えば、耐摩耗性、耐熱軟化
性、柔軟性に優れた熱可塑性エラストマー組成物および
それを外管に用いたホースが提供でき、振動や揺動の激
しい使用環境においても、長期間にわたって使用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のホースの摩耗試験に用いた試験機の
概略図である。
【符号の説明】
1…被試験ホース 2…軸芯 3…角部 4…錘 5…シリンダー 6…ピストン 7…アーム 8…ピン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山内 茂 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 畑中 進 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)オルガノシロキサン類及びそれら
    の変性物から選ばれた少なくとも一種のシリコーン、
    (B)熱可塑性コポリエステルエラストマー、(C)ア
    クリルゴムを含むゴム組成物並びに(D)該ゴム組成物
    用の加硫剤を含んでなり、該ゴム組成物の加硫ゴム粒子
    が熱可塑性樹脂中に微細に分散した構造を有する耐摩耗
    性に優れた熱可塑性エラストマー組成物。
  2. 【請求項2】 シリコーン(A)の配合量が熱可塑性樹
    脂(B)及びゴム組成物(C)の合計量100重量部に
    対し0.1〜10重量部である請求項1に記載の熱可塑
    性エラストマー組成物。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂(B)とゴム組成物(C)
    の配合量比(B):(C)が、30〜90:70〜10
    (重量比)である請求項1又は2に記載の熱可塑性エラ
    ストマー組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物を製造するにあたり、熱可塑
    性樹脂(B)、ゴム組成物(C)及び加硫剤(D)を配
    合して、シリコーン(A)を除く他の配合成分を配合し
    た熱可塑性エラストマー組成物を製造し、次いでこれに
    シリコーン(A)を配合することから成る熱可塑性エラ
    ストマー組成物の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の熱
    可塑性エラストマー組成物を外管に用いた、少なくとも
    内管と補強層と外管を有するホース。
JP2362097A 1996-02-09 1997-02-06 耐摩耗性熱可塑性エラストマー組成物およびその製造方法並びにそれを用いたホース Pending JPH10219036A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016079228A (ja) * 2014-10-10 2016-05-16 アロン化成株式会社 熱可塑性エラストマー組成物

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