JP3403452B2 - 無給油式スクリュー圧縮機 - Google Patents

無給油式スクリュー圧縮機

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JP3403452B2
JP3403452B2 JP15061693A JP15061693A JP3403452B2 JP 3403452 B2 JP3403452 B2 JP 3403452B2 JP 15061693 A JP15061693 A JP 15061693A JP 15061693 A JP15061693 A JP 15061693A JP 3403452 B2 JP3403452 B2 JP 3403452B2
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仁 西村
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はスクリュー圧縮に係り、
特に37kW以下で且つ2段機の高圧段に用いられるオ
イルフリー即ち無給油式スクリュ圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】互いにかみ合う一対のねじれた歯溝を有
するロータからなり、その間に油を噴射しない構造の無
給油式スクリュー圧縮機は、従来、最小容量機として1
5kWまでが実用化されており、その圧縮機の構造は特
開平3−290089等に記載されている。
【0003】無給油式スクリュー圧縮機のロータ間にシ
ールのための潤滑油を噴射しないため、この種圧縮機の
効率は、ロータ間のギャップに代表されるような、歯溝
(圧縮室)の周囲に形成されるギャップからの吸入側あ
るいは低圧側の歯溝への漏洩に大きく影響される。一般
に無給油式スクリュー圧縮機では、これらの漏洩に打ち
勝って一定の効率を得るため、50m/s以上のロータ
周速で使用される。
【0004】無給油式スクリュー圧縮機の小容量化に伴
い、一定の効率を確保するため、周速を前記数値以下に
落とすことはできないため、ロータとしては小さなサイ
ズのものを使用することになる。これに伴って、ロータ
1回転当たりの吐出し容量VTHが小さくなる。
【0005】しかし加工機の精度限界からも、圧縮機内
のギャップを比例的に小さくしていくことは難しく、相
対的にVTHに対する内部漏洩量の比率が増大し、効率は
中容量機、あるいは大容量機に較べて低いものになる。
【0006】空気圧縮機で言えば、15〜22kWクラ
スの出力を有するものが実用的な効率から見て、現在下
限の小容量機である。この場合、前記中容量機とは37
〜55kWクラス、大容量機とは75kW以上を指す。
【0007】また2段圧縮式の無給油式スクリュー圧縮
機においても、高圧段の圧縮機は低圧段に対しVTHが高
圧段に対し40%〜60%程度のものが使用されるた
め、2段機としても37〜55kWクラスが下限の最小
容量機となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】スクリュー圧縮機の効
率を向上させるためには、圧縮室を形成する歯溝をとり
囲むギャップをできるだけ小さくしたい。しかし一方、
ギャップを小さくしすぎると運転中の温度上昇や、圧力
によるロータのたわみ等により、対をなすロータ間や、
ロータとケーシング間の接触現象が発生し、運転不能の
状態に陥いることさえある。
【0009】これらを克服するため、特公昭61−47
992に記載されている如く、ロータの温度上昇による
熱膨張を補正してロータ歯形を設計する手段等がとられ
てきた。しかし実用的なコストで圧縮機を構成するロー
タ、ケーシング等を加工する工作機の精度にも限界があ
り、更に軸受のスキマのバラツキや、運転条件のバラツ
キも含めた安全なギャップを確保しておく必要がある。
この値は、例えば160mm程度の径のロータを加工す
る時も、60mm程度の径のロータを加工する時も加工
上確保すべきギャップは同程度となり、このためVTH
小さい小径ロータでは効率の低下を免れない。
【0010】また一方、小容量機を設計製作する上で中
容量機のロータ諸元を比例的に小さくしていくと、単段
機で7.5kW〜11kWクラスの容量では、また22
〜37kWクラスの2段機の高圧段では、ロータ径が4
0〜50mm程度となり、ロータ歯溝から決まる軸径は
12〜15mmとなってしまい、軸受の剛性低下や、軸
の剛性の低下による組立時や運転中に発生するたわみが
大きくなり、極小の最適ギャップを確保することは更に
困難となる。また、無給油式スクリュー圧縮機において
は、潤滑油が圧縮室へ入るのを防止するため、軸方向に
長いガスシールを要し、そのためにも軸が長くなり、更
にたわみが大きくなるという問題がある。
【0011】更に従来例について図を用いて説明する。
【0012】図12に従来技術の無給油式スクリュー圧
縮機の構造を示す。雄ロータ1と雌ロータ2は、ケーシ
ング3と吸入側ケーシング10の内部に、軸受7a,7
b,8a,8bによって回転自在に支持されている。さ
らにロータの吐出側の軸には、組合わせアンギュラ玉軸
受9a,9bが取り付けられ、ロータがケーシング3,
10の内壁に接触せぬように、ロータのスラスト方向の
位置を固定している。また、雄ロータ1と雌ロータ2の
軸端には、タイミングギヤ5,6が配設され、運転中に
ロータどうしが接触せぬように、回転位相を調整して組
み付けられている。ロータ1,2間には、油が使用され
ず、圧縮によって発生する熱によって圧縮機は高温とな
るためにケーシング2には、水、あるいはそれに替わる
冷却液体を流すためのジャケット13が設けられてい
る。
【0013】軸受やギヤを潤滑した油が、ロータが形成
する圧縮室内へ侵入するのを防ぐと同時に、圧縮気体が
外部へ漏洩するのを防止するため、ガスシール11a,
11b,11c,11dと、油切り装置12a,12
b,12c,12dが、それぞれのロータの軸上に設け
られている。
【0014】雄ロータは、吸入側軸端に付けられたピニ
オンギヤ4で駆動され、雌ロータとの噛み合いによって
生ずる歯溝間に、ガス吸入口14からガスを吸い込み、
所定の圧力まで圧縮された後、ガス吐出口15から圧縮
ガスが吐き出される。
【0015】図12の従来技術例は、現在実用化されて
いる最小出力の無給油式スクリュー圧縮機(単段機では
15kW、2段機の高圧段としては45kWクラス)を
示したもので、雄ロータ歯数Zmは5枚、雌ロータ歯数
Zfは6枚、雄ロータ1の外径Dmは63mm、雄ロー
タ1の長さLmは94.5mmで、Lm/Dm=1.5
である。このロータの1回転当たりの吐出容量は125
ml/minである。また15kWクラスの圧縮機に使
用する際の雄ロータ回転数は約18000rpmで、ロ
ータ周速Umは約60m/sである。
【0016】先にも述べたように、無給油式スクリュー
圧縮機の場合、この程度のUmが、著しい効率の低下を
防止できる下限の周速である。
【0017】ここで、さらに小容量の圧縮機、例えば単
段で7.5kW、或いは2段機の高圧段で22kWクラ
スのものを実現するには、従来例(15kW)を比例的
に、1回転当たりの吐出容量を約半分にスケールダウン
すると、雄ロータ外径は50mm、雄ロータ長さは75
mmとなる。ここで効率の低下を防止するべく、周速を
約60m/sとするためには、雄ロータの回転数は約2
3000rpmとなる。さらにこの圧縮機を単段で11
kW、2段機の高圧段で30kW、或いは37kWで使
用すると、雄ロータの回転数は、23000×(11/
7.5)で約33700rpmという超高速回転が必要
となる。ロータ径の低下にともない、当然軸受部の軸径
も低下し、軸剛性も著しく低下してくるが、雄ロータと
雌ロータ間のギャップを極小に抑えながら、かつ圧縮に
よるガス温度(単段で300℃以上、2段機では160
℃以上)による熱膨張も考慮しつつ、30000rpm
を越えるスピードで圧縮機を運転することには非常に高
度な設計技術と、製造技術が要求される。
【0018】上記の問題は、例えば7.5kW専用、1
1kW専用というように圧縮機を設計して行けば多少は
緩和されるが、一方、このクラスの圧縮機はまだ往復動
式が主流であり、上記のようにして超小型の無給油式ス
クリュー圧縮機が実現したと仮定したとしても極めてシ
ビアな加工精度の故、コスト面で実用的なものとはなり
得ない。
【0019】本発明は、上記のような問題点を解決し、
現在実用化されているものより、更に小容量の無給油式
スクリュー圧縮機を提供することを課題としたものであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明による無給油式スクリュー圧縮機は、特許請求の
範囲請求項1ないし4に記載されたところを特徴とする
ものであるが、特に独立項としての請求項1に係る発明
による無給油式スクリュー圧縮機は、雄ロータと雌ロー
タとを噛み合せ、ロータの吐出側にスラスト軸受を配設
した無給油式スクリュー圧縮機において、前記無給油式
スクリュー圧縮機は、37kW以下で且つ2段機の高圧
段に用いられるものであり、ロータ外径に対するロータ
長さの比を約1.0以下に定め、雄・雌ロータ歯の噛み
合いによって生ずる歯溝(圧縮室)の容積減少曲線でみ
て、容積減少開始から歯溝がケーシングの吸入側端面か
ら隔離されるまでの回転角が、隔離されて以降吐出ポー
トにその歯溝がさしかかるまでの回転角に対して2倍よ
り小さいことを特徴とするものである。すなわち、具体
的には、ロータ軸の剛性や、ロータ歯形加工精度を現在
実用化されている加工方法を使用していく上でロータ径
を60mmから100mm程度とし、小容量化に対応し
てVTHを小さくするためにロータの長さを現在通常用
いられているロータ径×1.2〜1.5程度ではなく、
ロータ径×1.0以下とする。このようにロータ長さを
短くするとともに、ねじれ角も大きくとり、吸入端に圧
縮行程がかかる期間が全圧縮行程中に占める割合が大き
くならぬようにし、容積減少開始から歯溝がケーシング
の吸入側端面から隔離されるまでの回転角が、隔離され
て以降吐出ポートにその歯溝がさしかかるまでの回転角
に対して2倍より小さくし、また以上の技術はロータ径
100mm以下のものに適用する。
【0021】更に吸入ポートの開始位置の形状を、歯溝
の吸入容積が0から増加して、しばらく後に開く形状と
する。また本圧縮機は圧縮による発熱を大気中に放散さ
せる構造とし、冷却液用のジャケットを設けない。
【0022】
【作用】ロータ長さを短かくすることにより、ロータ周
速を落とさずに、またロータ軸径の低下による軸剛性を
低下させることなく小さなVTHを得ることができる。ね
じれ角を大きくとることにより通常比較的大きなギャッ
プが設けられる吸入側端面に歯溝が接している時間を短
かくとれるため、効率を向上できる。
【0023】また圧縮機を2段機の高圧段側に使用する
際には圧縮の開始された歯溝の圧力の上昇が、単段機よ
り速いため、この歯溝から、先行する吸入側への歯溝へ
の漏れを、吸入ポートの開口を遅らせることで防止でき
る。
【0024】更に以上の如く高効率の超小型無給油スク
リュー圧縮機を構成し、発熱を最小限におさえることに
より、圧縮機は無冷却で運転することが可能となる。
【0025】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。図1に本発明の一実施例の圧縮機の横断面構
造を、さらに図2に図1のA−A断面図を示す。
【0026】図1、図2において、雄ロータ1と雌ロー
タ2は、ケーシング3と吸入側ケーシング10の内部
に、軸受7a,7b,8a,8bによって回転自在に支
持されている。さらにロータの吐出側の軸には、組合わ
せアンギュラ玉軸受9a,9bが取り付けられ、ロータ
がケーシング3,10の内壁に接触せぬように、ロータ
のスラスト方向の位置を固定している。
【0027】また、雄ロータ1と雌ロータ2の軸端に
は、タイミングギヤ5,6が配設され、運転中にロータ
どうしが接触せぬように、回転位相を調整して組み付け
られている。
【0028】軸受やギヤを潤滑した油が、ロータが形成
する圧縮室内へ侵入するのを防ぐと同時に、圧縮気体が
外部へ漏洩するのを防止するため、ガスシール11a,
11b,11c,11dと、油切り装置12a,12
b,12c,12dが、それぞれのロータの軸上に設け
られている。
【0029】雄ロータは、吸入側軸端に付けられたピニ
オンギヤ4で駆動され、雌ロータとの噛み合いによって
生ずる歯溝間に、ガス吸入口14からガスを吸い込み、
所定の圧力まで圧縮された後、ガス吐出口15から圧縮
ガスが吐き出される。
【0030】以上の構成は、従来例と同様である。
【0031】而して、本発明の1実施例においては、従
来機と同じ雄ロータ外径(Dm=63mm)を採用し、
雄ロータ長さLmを従来機の約半分にして、即ちLm/
Dm=0.75としてロータの小容量化を図ると同時に
従来レベルの回転数領域で、60m/s以上のロータ周
速の確保を可能にした。即ち、ロータの外径に対するロ
ータ長さの比は、約1.0以下とされる。
【0032】しかし、このように従来技術例の半分の長
さにロータを加工するだけでは十分な効率を得ることは
できない。以下、図を参照して効率に関し説明する。
【0033】図3に、雄ロータの歯又はローブの歯数5
枚、雌ロータ歯数6枚として、雄、雌ロータの噛み合い
によって生ずる歯溝の容積変化を、雄ロータの回転角X
mを横軸にとって示した。ここでいうXmは図3−1の
雄ロータ1の歯Mが図の位置で0°とし、歯溝Vの容積
をXmに対して表わしたのが図3である。
【0034】また、図4は容積変化によって生ずる歯溝
内のガス(この例では空気)の圧力上昇を、同じくXm
を横軸にとって示した。
【0035】本例は2段圧縮機の高圧段の例で、吸い込
み圧力は、2.88kgf/cm2a吐出圧力8.03
kgf/cm2 aである。
【0036】圧縮比πと容積比vの間には、空気の場合 π=v1.4 … … … (1) の関係がある。
【0037】従って上記例では π=8.03/2.88=2.79 v=2.791/1.4 =2.08 さらに比容積をVとして V=1/v=1/2.08=0.48 図3上で、V=48%に相当する回転角で吐出ポートに
歯溝が開口するように、吐出ポートがケーシング内壁面
に設けられる。
【0038】ここでXm=72度までは、圧縮室(歯
溝)は、吸入側のケーシング10と接する部分を持ちな
がら、容積が減少している区間になる。
【0039】無給油式スクリュー圧縮機の場合、2段機
の場合でも吐出ガス温度は最高240℃程度まで上昇す
る。この温度によってロータは熱膨張するが、この膨張
量を見込んでロータとケーシング間の端面ギャップを設
定する必要がある。吸入側端面は、吐出側端面に比較し
てスラスト軸受9a,9bからの距離が長く、熱膨張量
が大きいためと、圧力の上昇が小さいために大きなギャ
ップを設定されるのが通例である。しかし、本例の如く
超小型の無給油式スクリュー圧縮機を実現する上では、
この吸入側端面ギャップにおける圧縮損失についても考
慮が必要になる。
【0040】さて従来技術の如く雄ロータ外周上のねじ
れ角βをβ=55°程度に取った場合、図4の点線に示
すようにXm=72°付近で歯溝間の圧力は、約5.5
kgf/cm2 aまで上昇している。先行する歯溝は吸
入行程に入っており、ここの圧力は吸入圧力2.88k
gf/cm2 aである。従って該歯溝と先行する歯溝間
の圧力差は約2.6kgf/cm2 もあり、この圧力差
に達するまで、ギャップの大きい吸入端面がこの圧力差
をシールしなければならなくなるため、吸入側先行歯溝
への漏れが増大し圧縮機の効率を低下させる主要因とな
る。言いかえると従来技術においては、Xm=97°で
圧縮が完了するが、Xm=72°まではロスの多い吸入
端面が圧縮行程にかかわっていることになる。
【0041】図3中で実線は本発明の雄ロータ外周のね
じれ角を69°とした例であり、圧縮が完了(吐出圧力
が8.03kgf/cm2 aになる)するXmは、Xm
=140°である。また吸入側端面が歯溝のシールにか
かわる間のXmは同じく72°であり、全圧縮行程中に
吸入端面がシールを行なう区間を約50%にまで低下で
きる。またXm=72°での歯溝内の圧力は4.15k
gf/cm2 aまでしか上昇しておらず、先行する吸入
側歯溝との圧力差も4.15〜2.88=1.27kg
f/cm2 と従来技術の半分にまで低下させることがで
き、圧縮時の内部漏洩の低下による効率の向上が達成で
きる。また同時に吸入側歯溝への漏れの低下は圧縮機の
吸入効率の向上にも大きな効果を持つ。
【0042】一般にこの手法によって圧縮機内部の漏洩
を低下させるには、少なくとも全圧縮工程中に吸入端面
がシールに関わる区間を2/3より小さくとっておくこ
とが必要である。
【0043】以上のことを図10の(A)〜(C)及び
図11にて説明する。
【0044】図10の(A)は雄ロータ回転角XM を横
軸にとって、各回転角毎の歯溝で形成される圧縮室の各
部ギャップ部の漏洩面積の変化を示している。図中AS
は吸入端面でシールされている部分の漏洩面積、AC
ロータとケーシング間の漏洩面積、AR は雄ロータと雌
ロータの間のかみあい部の漏洩面積、AD は吐出端面で
シールされている部分の漏洩面積である。本例は雄ロー
タ歯数5枚の例であり、Xm=72°で吸入端面でのシ
ールは無くなる。また本例ではXm=140°で最終圧
力に到達し圧力が完了する。従って吸入端面が歯溝のシ
ールにかかわる区間XS =72°であり、それ以降、吐
出ポートにさしかかるまでの区間XR =68°である。
従ってXS /XR =1.06である。
【0045】図10の(B)はXmに対する歯溝内の圧
力上昇を示したもので図4と同一のものである。図中実
線はβ=69°破線はβ=55°の例である。
【0046】図10の(C)はXmに対する各回転角で
の瞬時の内部漏洩量を示したもので、各Xmの位置での
図10の(A)中のA(漏洩面積)と図10の(B)中
のP(圧力)の積が漏洩量QL として表わされる。
【0047】一つの歯溝が圧縮工程の中で生ずる総漏洩
量は図10の(C)のハッチング部の面積QLTで表わさ
れる。
【0048】これをβ=55°の場合の例(XS /XR
=72/25=2.88)と較べると、XS の区間でA
S が非常に大きいことに加え、この区間でほとんどの圧
縮工程が完了してしまうため、総漏洩量QLT' は図10
の(C)の破線ハッチング部の面積となり、性能の低下
が大となることが判る。
【0049】図11は横軸にXS /XR 、たて軸に総漏
洩量QLTをとったもので、XS /XR =0〜2の区間で
はQLTの変化は小さいが、2以上になるとQLTが大きく
増加していく。
【0050】XS /XR は小さいほど良いことになる
が、構造上極端に小さくすることはできず、2以下にと
っておけば、性能の低下をまねくことはない。
【0051】同じ目的のため吸入端面での漏洩を減少す
る方法を図5〜図8で説明する。
【0052】図5は従来技術の吸入ポート形状Sを示し
たもので、1Mの雄ロータの歯の位置をXm=0°と呼
び、即ち、端部からみて、雄ロータの1つのローブ又は
歯の端部外形が、雌ロータの1つの歯溝の端部外形に略
一致した時の雄ロータの回転角を0°とする。この1M
に隣接する歯溝Pが圧縮開始の位置であり、この時点で
吸入ポートSは閉じられる。
【0053】一方吸入ポートSの開始形状QはXm=0
°でのロータの前進面ローブ形状にならったものとし
て、吸込歯溝容積が出現すると同時に歯溝が吸入ポート
Sへ開口するようにしてある。
【0054】これに対し図6は、図5よりXmが15°
程度遅れた位置のかみあいを示したものであるが、既に
圧縮の始まった歯溝が吸入側端面に接している部分が図
中Hの三日月形状部である。
【0055】図7にこの部分の詳細説明図を示す。圧縮
が開始され、かつ吸入端面に接している部分Hはロータ
の回転とともに図中複数の三日月形状を示すようにその
面積が小さくなりながら図中上方へ移動していく。最も
圧力の上昇する部分HE と吸入ポートの開始線Qはほと
んど一致した位置にあり、通常、鋳物形状で形成される
開口線Qが少しでもずれると、前述したように圧力差約
1〜2kgf/m2 gをもって既に圧縮の始まった歯溝
内の空気が先行する吸入側歯溝へ漏れ出す。
【0056】そこで本発明においては、図8に示す如
く、吸入ポートの開口線Qを、雄ロータ1がXm=0の
位置から5°進んだ回転位置でのロータ前進面の形状K
に沿った形で形成する。またはこれと同等の距離だけH
E から離れた曲線あるいは直線で形成する。これによっ
てHE からの漏洩は大巾に減少させることができる。
【0057】更に以上のようにして従来にない小型、小
容量の無給油式スクリュー圧縮機を構成し、ロータ間の
内部漏洩による発熱を低下させ、かつロータを包含する
ケーシング3を図に示す如く冷却液を流すためのジャケ
ットを有さない構造とし、自然放冷又は空冷とする。本
発明においては従来の最小出力機と同等の軸径を保持で
きているため、ケーシングの外表面面積は、吐出し容量
の小容量化に比例して小さくはなっていない。
【0058】また以上に述べた効率向上によって圧縮機
の内部漏洩によって生じる発熱は小さいため、冷却液に
よる放熱が不要となり、大巾な構造の簡素化が達成され
る。
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、超小型、即ち2段機の
高圧段としては22〜37kWクラス以下の高圧段の無
給油式スクリュー圧縮機を、現状の加工精度レベルで効
率の低下をまねくことなく、また信頼性の低下をまねく
ことなく提供、実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の無給油式スクリュー圧縮機の1実施例
の横断面図
【図2】図1のA−A断面図
【図3】本発明及び従来例の容積変化曲線の説明図
【図4】本発明及び従来例の指圧線の説明図
【図5】従来技術の吸入ポートの説明図
【図6】図5と同様の説明図でロータが15度遅れた所
を示す図
【図7】図5及び図6の詳細図
【図8】本発明の吸入ポートの説明図
【図9】雄ロータ回転角と各部ギャップ部の漏洩面積の
変化の関係を示す図
【図10】雄ロータ回転角と漏洩面積、歯溝内の圧力上
昇及び漏洩量を示す図
【図11】XS (吸入端面が歯溝のシールに関わる区
間)/XR (吸入端面が吐出ポートにかかるまでの区
間)と総漏洩量との関係を示す図
【図12】従来技術のスクリュー圧縮機の水平断面構造
【図13】従来技術のスクリュー圧縮機の垂直断面構造
【符号の説明】
1…雄ロータ 2…雌ロータ 3…ケーシング 4…ピニオンギ
ヤ 5,6…タイミングギヤ 7a,7b,8a,8b…ラジアル軸受 9a,9b…スラスト軸受 14…吸入口 15…吐出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内田利一 茨城県土浦市神立町502番地 株式会社 日立製作所機械研究所内 (56)参考文献 特開 平4−159488(JP,A) 特開 平4−209980(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04C 18/16

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 雄ロータと雌ロータとを噛み合せ、ロー
    タの吐出側にスラスト軸受を配設した無給油式スクリュ
    ー圧縮機において、 前記無給油式スクリュー圧縮機は、37kW以下で且つ
    2段機の高圧段に用いられるものであり、ロータ外径に
    対するロータ長さの比を約1.0以下に定め、雄・雌ロ
    ータ歯の噛み合いによって生ずる歯溝(圧縮室)の容積
    減少曲線でみて、容積減少開始から歯溝がケシングの吸
    入側端面から隔離されるまでの回転角が、隔離されて以
    降吐出ポートにその歯溝がさしかかるまでの回転角に対
    して2倍より小さいことを特徴とする無給油式スクリュ
    ー圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記ロータの外径が100mm以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の無給油式スクリュ
    ー圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記歯溝(圧縮室)の容積が0の回転角
    を基にし、吸入ポートの開く位置がロータの回転角で5
    度以上進んだ位置であることを特徴とする請求項1また
    は2に記載の無給油式スクリュー圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ロータを包含するケーシングに液冷
    手段を有さないことを特徴とする請求項1または2に記
    載の無給油式スクリュー圧縮機。
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