JP2005188380A - トロコイド式ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】 圧力室内の流体圧が吐出ポートへの連通時に急激に低下するのをより確実に防止する一方で、製造コストの低廉化を図る。
【解決手段】 トロコイド式ポンプ10において、ロータ20,22の各歯21,23には、吸入ポート26から外れて閉止された油室P1(対象圧力室)とこの油室P1の下流側に隣接する油室P2(下流側圧力室)とを連通させるための歯間隙間を形成する切欠き21a,23aが設けられている。切欠き21a,23aは、下流側の油室P2が吐出ポート28と連通し始めた後に油室P1とその下流側の油室P2とを連通させる前記歯間隙間を形成するとともにロータ20,22の回転に伴いこの歯間隙間の断面積を漸増させるように形成されている。
【選択図】 図4
【解決手段】 トロコイド式ポンプ10において、ロータ20,22の各歯21,23には、吸入ポート26から外れて閉止された油室P1(対象圧力室)とこの油室P1の下流側に隣接する油室P2(下流側圧力室)とを連通させるための歯間隙間を形成する切欠き21a,23aが設けられている。切欠き21a,23aは、下流側の油室P2が吐出ポート28と連通し始めた後に油室P1とその下流側の油室P2とを連通させる前記歯間隙間を形成するとともにロータ20,22の回転に伴いこの歯間隙間の断面積を漸増させるように形成されている。
【選択図】 図4
Description
本発明は、トロコイド式ポンプに関するものである。
従来から、オイルの吸入ポートと吐出ポートとを備えたポンプハウジング内に、内歯をもつアウタロータとこのアウタロータの内側に配設されて外歯をもつインナロータとを配設するとともに、これらロータをトコロイド噛合させ、エンジン動力により前記インナロータを回転駆動することにより前記両ロータの歯の間に画成される油室(圧力室)の容積変化に伴い前記吸入ポートからオイルを吸入しつつ吐出ポートから吐出させるように構成されたトロコイド式オイルポンプが知られている。
この種のオイルポンプでは、油室へのオイル閉込み完了後、インナロータの回転に伴い油室容積が減少するため、これに伴い油室内のオイル圧力も上昇する。そのため、その後油室が吐出ポートに連通するとオイル圧力が急激に低下してキャビテーションが発生し、騒音等のトラブルを招く原因となる。そこで、例えば特許文献1には、吐出ポートに連通して両ロータの回転方向に延びる細溝をポンプハウジングに形成し、油室へのオイル閉込み完了後、油室内のオイル圧力をこの細溝を介して吐出ポートにリリースすることにより、事前に(油室と吐出ポートとが連通する前に)油室内のオイル圧力をある程度低下させておくようにしたオイルポンプが提案されている。
実開昭61−48984号公報
ところが、上記従来のオイルポンプでは、油室へのオイル閉込み完了後、アウタロータの回転に伴い油室容積が徐々に縮小するのに対して、前記細溝はその断面積(オイルの流路面積)が長手方向に一定に形成されているので、油室内のオイル圧力を多少低下させることはできるが、油室と吐出ポートとが直接連通する段階では、油室内のオイルと吐出ポートのオイルとの間には依然として大きな圧力差があり、急激な圧力低下を回避することは難しい。従って、キャビテーション等の発生を確実に防止するという観点からは未だ改良の余地が残されている。
また、細溝は油室内のオイル圧力に直接影響するため精度良く設ける必要があるが、従来のオイルポンプでは上記のようにポンプハウジングに細溝を設けているため、製造コストが嵩むという問題もある。すなわち、ポンプハウジングは、他の機能面を確保する理由から焼結や鋳造(特にダイカスト)等、安価で、かつ精度確保が容易な製法を適用することができない。そのため、細溝の加工は専ら切削加工に依存せざるを得えず、これが製造コストを上げる1つの要因となっている。
なお、キャビテーション等の発生を防止するために、上記細溝の断面積を溝の先端側から吐出ポート側に向って漸増させ、油室内のオイル圧を漸減させることも考えられる。しかし、この場合にはポンプハウジングの製作時に切削加工の工程が増え、製造コストがアップすることとなるため必ずしも得策とは言えない。
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであって、トロコイド式ポンプにおいて、油室(圧力室)が吐出ポートに連通したときの油室内のオイル(流体)圧力の急激な低下を確実に防止するとともに製造コストの低廉化を図ることを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、内歯をもつアウタロータの内側に外歯をもつインナロータが挿入され、これらロータのトロコイド噛み合いにより周方向に並ぶ複数の圧力室を画成した状態で前記両ロータがポンプハウジング内に収納され、前記インナロータの回転による前記圧力室の容積変化に伴い前記ポンプハウジングに設けられる吸入ポートから流体を吸入しつつ吐出ポートから吐出させるトロコイド式ポンプにおいて、前記吸入ポートから外れて閉止された対象圧力室とこの圧力室に対してインナロータの回転方向下流側に隣接する下流側圧力室とを連通させるための歯間隙間を形成する切欠きが前記内歯又は外歯の少なくとも一方側に設けられ、この切欠きは、前記下流側圧力室が吐出ポートと連通し始めるのと同時又はそれより遅いタイミングで前記対象圧力室と下流側圧力室とを連通させる前記歯間隙間を形成するとともにインナロータの回転に伴いこの歯間隙間の断面積を漸増させるように設けられているものである(請求項1)。
このトロコイド式ポンプにおいては、前記内歯及び外歯の双方に前記切欠きが設けられ、各歯の切欠きが協働して前記歯間隙間を形成するように構成されているのが好ましく(請求項2)、この場合には、前記切欠きは前記インナロータの回転軸方向側から視た形状が円弧状に形成されているのが好ましい(請求項3)。
なお、上記のトロコイド式ポンプにおいては、前記インナロータおよびアウタロータが焼結金属からなるものであるのがより好ましい(請求項4)。
請求項1に係るトロコイド式ポンプによると、圧力室への流体閉込み完了後は、歯間隙間を介して対象圧力室が下流側圧力室に連通することにより、対象圧力室内の流体圧力が下流側圧力室を介して吐出ポートにリリースされることとなる。この際、歯間隙間はインナロータの回転に伴い漸増するように構成されているため、対象圧力室が吐出ポートに連通するまでの間、対象圧力室内の流体圧力を漸減させて当該圧力室内の流体と吐出ポート内の流体との圧力差を減少させることができる。従って、対象圧力室と吐出ポートとが連通した時点で当該圧力室内の流体圧力が急激に低下してキャビテーションを招くといったトラブルの発生をより確実に防止できるようになる。
また、製造方法についての制約がないインナロータおよびアウタロータの各歯に切欠きを設けて前記歯間隙間を形成するので、例えば両ロータの製法に焼結や鋳造を適用することにより、必要な切欠き精度を確保しながらも切削加工を行うことなく低コストで各ロータ等の主要部品を製作することができるようになる。従って、キャビテーションの発生を確実に防止する一方で、製造コストの低廉化をも図ることができるという効果がある。
なお、歯間隙間を形成するための切欠きは内歯又は外歯の少なくとも一方側に設ければよいが、請求項2又は3に係るポンプのように内歯及び外歯の双方に設けるようにすれば、歯間隙間を形成するタイミング設定を比較的容易に行うことができるという利点がある。
また、インナロータおよびアウタロータは、上記のように必要な切欠き精度を確保する上で焼結金属や鋳造品(ダイカスト)であるのが好ましいが、鋳造品(ダイカスト)に比べて精度が出やすい焼結金属から両ロータを構成すれば(請求項4)、対象圧力室内の流体圧力のリリースをより正確に行わせることが可能となるため、キャビテーションの発生をより確実に防止する上で有効となる。
本発明の好ましい実施の形態について図面を用いて説明する。図1および図2は、本発明に係るトロコイド式ポンプの1つであるオイルポンプを示している。
これらの図において12はオイルポンプ10のポンプハウジング12を示している。このポンプハウジング12は、中央に開口部16aを備えた環状のポンプケース16と、後記インナロータ22の支持軸15を中心部分に備えた盤状のポンプカバー14とからなり、同図に示すように支持軸15を前記開口部16aに挿入した状態でポンプケース16に対してポンプカバー14が組付けられることにより構成されている。
ポンプハウジング12の内部には、ポンプカバー14の端面とポンプケース16の組付け面に形成される円形凹部とによって円筒状のロータ室18が形成されている。ロータ室18は、支持軸15の軸心に対して上側(図1、図2で上側)に偏心しており、その内部には、トロコイド内歯21をもつアウタロータ20がロータ室内周面に沿って回転可能な状態で嵌入され、さらにこのアウタロータ20の内側に前記内歯21と噛合するトロコイド外歯23を有するインナロータ22が配設されている。
インナロータ22は、支持軸15に回転可能に支持された状態でアウタロータ20内に配されており、その結果、図2に示すように回転中心が上下に偏心した状態でアウタロータ20とインナロータ22とが互いに噛み合うトロコイド噛み合いの状態で両ロータ20,22がロータ室18内に配設されている。そして、アウタロータ20の内歯21とインナロータ22の外歯23とにより周方向に並ぶ複数の油室P(圧力室)が画成され、インナロータ22の回転(当実施形態では反時計回り(図2中の矢印方向)の回転)に伴い油室Pの容積が変化するようになっている。当実施形態では、インナロータ22の回転中心に対してアウタロータ20の回転中心が上側に偏心している結果、図2に示すように油室Pの容積は、ロータ室18の下端で最小となり上端で最大となるようになっている。
前記ポンプハウジング12にはロータ室18内に連通するオイルの吸入ポート26および吐出ポート28が形成されている。図2に示すように、吸入ポート26はロータ室18の下端部分から上端部近傍まで反時計回りに延びる弓形の開口を有しており、この開口を介して容積拡大過程にある各油室Pに対して連通するようになっている。これに対して吐出ポート28は、ロータ室18の下端部分から上端部のやや下側まで時計回りに延びる弓形の開口を介して容積縮小過程にある油室Pと連通するようになっている。これにより油室Pの容積が拡大するに伴い吸入ポート26から油室P内にオイルが吸入され(吸入工程という)、油室Pの容積が縮小するに伴い油室Pから吐出ポート28へオイルが吐出されるようになっている(吐出工程という)。なお、吐出ポート28は、正確には、吸入工程後、容積がある程度縮小した段階で油室Pと連通するようになっており、従って、吸入工程後、吐出工程開始までの間、油室Pは、何れのポート26,28にも連通しないでその容積が縮小する状態となる(圧縮工程という)。
ここで、前記アウタロータ20の内歯21およびインナロータ22の外歯23には切欠き21a,23aが形成されている。これらの切欠き21a,23aは、当該油室Pとこれに隣接する油室P、詳しくはアウタロータ20の回転方向下流側に隣接する油室P(以下、単に下流側の油室Pという)とを連通する歯間隙間を形成するためのものである。図3および図4aに示すように、これらの切欠き21a,23aはロータ回転軸方向(図4では紙面に直交する方向)から視た形状が円弧状の切欠きであって、それぞれ歯21,23の厚み方向一端側部分にのみ形成されている。これらの切欠き21a,23aはそれぞれ歯先中心に対して互いに反対側(すなわちロータ回転方向において互いに反対側)に形成されており、詳しくは、内歯21の切欠き21aが歯先中心に対して回転方向下流側に、外歯23の切欠き23aが歯先中心に対して同回転方向上流側にそれぞれ形成されており、これによって圧縮工程後期には、後に詳述するように内歯21および外歯23の各切欠き21a,23aが協働することにより、油室Pとその下流側の油室Pのみとを連通し、かつアウタロータ20の回転に伴い断面積(つまりオイルの流路面積)が漸増する歯間隙間S(図1に示す)を形成するようになっている。
なお、図1において符号24は、インナロータ22を回転駆動するための中空の駆動軸であって、同図に示すように前記開口部16aを介してポンプケース16の後側(図1では右側)から同カバー16に挿入されている。駆動軸24は、その先端に爪部を備えており、この爪部がインナロータ22に形成された係合孔22aに嵌入されることによりインナロータ22に結合されている。
次に、上記のように構成されたオイルポンプ10の作用について説明する。
このオイルポンプ10は、図外のエンジン等により前記駆動軸24を介してインナロータ22が図2の反時計回りに回転駆動されることにより作動する。インナロータ22が回転駆動されると、これと噛合するアウタロータ20が同方向に回転し、両ロータ20,22の間に画成される油室Pが容積変化を伴いながら吸入ポート26側から吐出ポート28側へと移動する。そして、油室Pの容積が拡大過程にあるときには、上記のように油室Pが吸入ポート26と連通することにより吸入ポート26から油室P内にオイルが吸入され(吸入工程)、さらに油室Pが移動して該油室Pの容積が縮小過程に移行すると、上記の油室Pが吐出ポート28と連通し、これにより油室P内のオイルが吐出ポート28に吐出される(吐出工程)こととなる。
ここで、特定の油室Pが吸入工程から吐出工程に移行する状態を、図4を使って詳細に説明する。まず、吸入工程の後期、図4(a)に示すように油室P1(対象圧力室)はその容積が略最大の状態で吸入ポート26に僅かに連通する位置にある。この際、油室P1を画成する各歯21,23の切欠き21a,23aは互いにロータ回転方向にずれており、従って油室P1は吸入ポート26にのみ連通している。なお、当該油室P1に隣接する下流側の油室P2(下流側圧力室)は吐出ポート28と連通しており、既に吐出工程に移行されている。
この状態からインナロータ22が回転し、図4(a)に示す位置から反時計方向に偏角した位置に油室P1が移動すると、油室Pは、両ポート26,28に連通することなく、その容積が縮小した状態となる(圧縮工程;図4(b))。この段階でも、油室P1を画成する各歯21,23の切欠き21a,23aは、依然、ロータ回転方向にずれており、従って、油室P1は完全に閉止された状態でその容積が縮小され、これによって油室P1内のオイルが必要な圧力まで加圧される。
図4(b)に示す位置からさらに偏角した位置に油室P1が移動すると、図5(a)に示すように、油室P1の容積が縮小する一方で、油室P1を画成する各歯21,23のうちロータ回転方向下流側の内歯21,23に形成された切欠き21a,23a同士が同回転方向に重なり始め、その結果、歯間隙間Sが形成されて油室P1がこの歯間隙間Sを介して下流側に隣接する油室P2に連通した状態となる。このように油室P1が隣接する油室P2に連通すると、油室P1内のオイル圧力が、油室P2を介して吐出ポート28にリリースされ、その結果、オイル圧力が低下することとなる。
そして、さらにインナロータ22が回転すると、これに伴い歯間隙間Sが漸増することにより油室P1内のオイル圧力が徐々に低下し(図5(b))、油室P1内のオイルと吐出ポート28内のオイルとの圧力差が充分に小さくなった状態で最終的に油室P1と吐出ポート28とが連通して吐出工程に移行されることとなる。
以上のようなオイルポンプ10によると、上述したように、油室P1へのオイル閉込み完了後、歯間隙間Sを介して油室P1内のオイル圧力を吐出工程にある下流側の油室P2を介して吐出ポート28にリリースさせるようにしているので、当該油室P1が吐出ポート28に連通した段階で油室P1内のオイル圧力が急激に低下するのを効果的に防止することができる。特に、インナロータ22の回転に伴い歯間隙間Sの断面積(オイルの流路面積)が漸増するように構成しているため、油室P1が吐出ポート28に連通するまでの間に、油室P1内のオイル圧力を徐々に低下させて吐出ポート28内のオイル圧力に近づけることができる。そのため、当該油室P1が吐出ポート28に連通する段階では油室P1内のオイル圧力が急激に低下することがなく、従って、オイル圧力の急激な低下に起因するキャビテーションの発生をより確実に防止することができる。
しかも、焼結や鋳造(特にダイカスト)等の製法を適用可能なアウタロータ20およびインナロータ22の各歯21,23に切欠き21a,23aを設けて前記歯間隙間Sを形成するようにしたので、例えば両ロータ20,22として焼結金属や鋳造品を適用することにより、切削加工に依存することなく性能確保に必要な切欠き21a,23aの精度を充分に確保することができる。従って、従来のこの種のオイルポンプ、すなわちポンプハウジング12にオイル圧力リリース用の細溝を設けているために切削加工が必要となるオイルポンプと比べると、切削加工を伴わない分、ロータ20,22およびポンプハウジング12といった主要部品を安価に製作することができる。従って、上記のようにキャビテーションの発生を確実に防止できる一方で、製造コストの低廉化をも図ることができる。
なお、以上説明したオイルポンプ10は、本発明に係るトロコイド式ポンプの好ましい実施の形態であって、その具体的な構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、実施形態では、歯間隙間Sを形成する切欠き21a,23aとして、各歯21,23に上記のような円弧状の切欠き面をもつ切欠き21a,23aを形成しているが、必ずしも切欠き面は正確な円弧状である必要はなく、それに近い形状であればよい。また切欠きの具体的な形状は、これ以外の形状であっても構わない。要は、圧縮工程後期に、隣接する油室同士を連通させる歯間隙間Sを形成することができ、かつこの歯間隙間Sの断面積(オイルの流路面積)をアウタロータ20の回転に伴い漸増させることができるような切欠きであればよい。但し、実施形態のような円弧状の切欠き21a,23aによると上述したように機能性も良好で、また形状的にも単純であるため製作性も良く、従って切欠き21a,23aの形状として推奨できるものである。
また、実施形態では、図3に示すように、切欠き21a,23aを歯21,23の厚み方向一端部分にのみ設けているが、例えば図6,図7に示すように、厚み方向両側、あるいは厚み方向中央部分に設けるようにしてもよい(同図では、インナロータ22の内歯21のみ示す)。勿論、歯21,23の厚み方向全体に亘って切欠き21a,23aを設けるようにしてもよい。
また、実施形態では、内歯21及び外歯23の双方に切欠き21a,23aを設けているが、内歯21又は外歯23のいずれか一方側にのみ切欠きを設けるようにしてもよい。但し、実施形態のように内歯21及び外歯23の双方に切欠き21a,23aを設ける構成によると、歯間隙間Sを形成するタイミングの設定が比較的容易になるというメリットがある。
また、実施形態では、図4および図5に示したように、対象となる油室P1(対象圧力室)に隣接する下流側の油室P2(下流側圧力室)が吐出工程に移行された後、つまり油室P2と吐出ポート28とが連通した後に歯間隙間Sが形成されるように切欠き21a,23aを設けているが、例えば油室P2が吐出ポート28に連通するのと同時に歯間隙間Sが形成されるようにしてもよい。要は、対象となる油室P1のオイル圧力を下流側の油室P2を介して吐出ポート28にリリースできればよいので、歯間隙間Sを形成するタイミングは、下流側の油室P2が吐出ポート28と連通し始めるのと同時又はそれより遅いタイミングであればよい。
なお、アウタロータ20およびインナロータ22は、上記のように性能確保に必要な切欠き21a,23aの精度を確保する上で焼結金属や鋳造品(特にダイカスト)であるのが好ましいが、鋳造品に比べて精度が出やすい焼結金属から両ロータを構成すれば、油室P1内のオイルをより正確なタイミングおよび量でリリースさせることが可能となるため、キャビテーションの発生を確実に防止する上で有効である。
また、実施形態では本発明のポンプをオイルポンプに適用した例について説明したが、勿論、オイル以外の流体を対象とするポンプについても本発明が適用可能であることは言うまでもない。
10 オイルポンプ
12 ポンプハウジング
14 ポンプカバー
16 ポンプケース
18 ロータ室
20 アウタロータ
21 内歯
21a,23a 切欠き
22 インナロータ
23 外歯
26 吸入ポート
28 吐出ポート
P 油室(圧力室)
P1 油室(対象圧力室)
P2 油室(下流側圧力室)
S 歯間隙間
12 ポンプハウジング
14 ポンプカバー
16 ポンプケース
18 ロータ室
20 アウタロータ
21 内歯
21a,23a 切欠き
22 インナロータ
23 外歯
26 吸入ポート
28 吐出ポート
P 油室(圧力室)
P1 油室(対象圧力室)
P2 油室(下流側圧力室)
S 歯間隙間
Claims (4)
- 内歯をもつアウタロータの内側に外歯をもつインナロータが挿入され、これらロータのトロコイド噛み合いにより周方向に並ぶ複数の圧力室を画成した状態で前記両ロータがポンプハウジング内に収納され、前記インナロータの回転による前記圧力室の容積変化に伴い前記ポンプハウジングに設けられる吸入ポートから流体を吸入しつつ吐出ポートから吐出させるトロコイド式ポンプにおいて、
前記吸入ポートから外れて閉止された対象圧力室とこの圧力室に対してインナロータの回転方向下流側に隣接する下流側圧力室とを連通させるための歯間隙間を形成する切欠きが前記内歯又は外歯の少なくとも一方側に設けられ、この切欠きは、前記下流側圧力室が吐出ポートと連通し始めるのと同時又はそれより遅いタイミングで前記対象圧力室と下流側圧力室とを連通させる前記歯間隙間を形成するとともにインナロータの回転に伴いこの歯間隙間の断面積を漸増させるように設けられていることを特徴とするトロコイド式ポンプ。 - 請求項1に記載のトロコイド式ポンプにおいて、
前記内歯及び外歯の双方に前記切欠きが設けられ、各歯の切欠きが協働して前記歯間隙間を形成するように構成されていることを特徴とするトロコイド式ポンプ。 - 請求項2に記載のトロコイド式ポンプにおいて、
前記切欠きは前記インナロータの回転軸方向側から視た形状が円弧状に形成されていることを特徴とするトロコイド式ポンプ。 - 請求項1乃至3の何れかに記載のトロコイド式ポンプにおいて、
前記インナロータおよびアウタロータは焼結金属からなることを特徴とするトロコイド式ポンプ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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