JPH10210788A - モータのトルク制御方法および装置 - Google Patents

モータのトルク制御方法および装置

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JPH10210788A
JPH10210788A JP9008115A JP811597A JPH10210788A JP H10210788 A JPH10210788 A JP H10210788A JP 9008115 A JP9008115 A JP 9008115A JP 811597 A JP811597 A JP 811597A JP H10210788 A JPH10210788 A JP H10210788A
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torque
motor
electric motor
inertia
rotation
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Noriko Shii
典子 椎
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電動モータのトルク制御を行なう場合に、回
転部分に生じるイナーシャトルクの影響を打ち消し、電
動モータによる駆動対象物の駆動を精度良く行なうこと
ができるようにする。 【解決手段】 ネジゲージ10を駆動する電動モータ1
1と、回転センサ20と、制御部3とを備え、この制御
部3に、回転速度等に応じて要求トルクを設定する手段
と、電動モータ出力軸の回転加速度と回転部分の回転慣
性質量とからイナーシャトルクを算出し、そのイナーシ
ャトルクに応じた補正値により上記要求トルクを補正し
て目標トルクを設定する補正手段と、目標トルクに応じ
て目標電流を設定し、電動モータへの供給電流を目標電
流とするように制御する電流制御手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電動モーターによ
りネジゲージ等の駆動対象物を駆動するときのトルク制
御方法および同装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から電動モータにより各種機器、部
材等を駆動する場合に、その駆動状態等に応じてモータ
のトルクを制御することは種々の分野で行なわれてい
る。
【0003】例えば、最近、簡単な操作で能率良くネジ
穴検査を行うことができるようにするために、ネジゲー
ジを電動モータで駆動し、その電動モータのトルクを制
御するようにした動力ネジゲージが開発されている(例
えば特開平8−298798号公報参照)。この動力ネ
ジゲージは、各ネジ穴径について規定トルク(人が無理
なくネジゲージを回すことができる程度のトルク値)を
設定し、電動モータによりネジゲージを回転させながら
これをネジ穴に螺合させてネジ穴探さを同時に計測し、
該ネジゲージのトルクが規定トルクに達した時点でネジ
ゲージを停止させ、そのとき表示されるネジ探さによっ
てネジ穴の検査を行うようになっている。また、その電
動モータに対して回転センサが設けられ、この回転セン
サにより検出される回転速度等に応じて目標電流が設定
され、モータへの供給電流がこの目標電流となるように
制御される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】電動モータのトルクを
制御する場合、駆動対象物の作動を適正に行なわせるべ
く要求トルクが定められ、それに応じた目標電流が設定
されて、モータへの供給電流が制御されるが、モータ出
力軸の回転速度が変化する加速時や減速時には、モータ
への供給電流に応じたトルクのほかに回転部分にイナー
シャトルクが生じるため、要求トルクに応じてモータへ
の供給電流を制御するだけでは、上記イナーシャトルク
により、駆動対象物の作動に誤差が生じる場合がある。
【0005】具体的に上記動力ネジゲージを例にとって
説明すると、電動モータによるネジゲージの駆動は、ネ
ジ穴の抵抗が小さいところでは高回転、低トルクとな
り、ネジ穴の抵抗が大きくなると低回転、高トルクとな
って、規定トルクに達すると停止されるが、その停止直
前の減速時にイナーシャトルクが作用してオーバーシュ
ートが生じた場合、ネジゲージが回り過ぎてネジ穴検査
精度が低下する。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑み、イナーシャ
トルクの影響を打ち消し、電動モータによる駆動対象物
の駆動を精度良く行なうことができるモータのトルク制
御方法及び同装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る制御方法
の発明は、駆動対象物を駆動する電動モータに対して目
標トルクを設定し、この目標トルクに応じて電動モータ
への供給電流を制御するトルク制御方法であって、上記
電動モータによる駆動対象物の駆動状態に応じて要求ト
ルクを設定する一方、上記電動モータの出力軸の回転速
度の変化からその加速度を求め、この加速度と回転部分
の回転慣性質量とからイナーシャトルクを算出し、この
イナーシャトルクに応じて上記要求トルクを補正するこ
とにより目標トルクを設定するようにしたものである。
【0008】この方法によると、目標トルクに応じて電
動モータへの供給電流を制御する場合に、加減速時に回
転部分に生じるイナーシャの影響が除去もしくは軽減さ
れ、電動モータによる駆動対象物の駆動が精度良く行な
われることとなる。
【0009】この方法において、イナーシャトルクに応
じた補正は、イナーシャトルクに1以下の係数を乗じた
値を補正値として、この補正値を上記要求トルクに加減
算するものであることが好ましい(請求項2)。このよ
うにすると、イナーシャの影響が軽減されつつ、必要以
上の補正によってトルク制御が不安定になることが防止
される。
【0010】この発明において、駆動対象物がネジ穴検
査のためにネジ穴に螺合されるネジゲージであれば(請
求項3)、ネジゲージが減速状態を経て停止されるとき
にイナーシャによって回り過ぎるといった事態が防止さ
れることにより、検査精度が高められる。
【0011】この場合に、ネジゲージのトルクが規定値
に達したときに回転を停止させるべく、その規定値に相
当する目標トルクの限界値を設定するとともに、その限
界値をイナーシャトルクに応じて補正するようにしてお
けば(請求項4)、ネジゲージの回り過ぎがより確実に
防止される。
【0012】また、請求項5に係る制御装置の発明は、
駆動対象物を駆動する電動モータと、この電動モータの
出力軸の回転を検出する回転センサと、この電動モータ
を制御する制御部とを備え、この制御部に、上記電動モ
ータによる駆動対象物の駆動状態に応じて要求トルクを
設定する手段と、上記回転センサの出力に基づいて算出
される電動モータ出力軸の回転加速度と回転部分の回転
慣性質量とからイナーシャトルクを算出し、そのイナー
シャトルクに応じた補正値により上記要求トルクを補正
して目標トルクを設定する補正手段と、目標トルクに応
じて目標電流を設定し、電動モータへの供給電流を目標
電流とするように制御する電流制御手段とを備えたもの
である。
【0013】この装置によると、上記制御方法が自動的
に実行され、電動モータのトルク制御が適切に行なわれ
る。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明の適用の一例として動力ネ
ジゲージの構成を示すブロック図であり、同図に示すよ
うに、この動力ネジゲージは、制御部1とゲージ作動部
2とを含んで構成されている。制御部1はMCU(マイ
クロコンピュータユニット)3と、このMCU3に電気
的に接続されたネジ径スイッチ4と、モータ駆動部5
と、直列通信インターフェイス6と、電源回路7を有し
ている。
【0015】また、ゲージ作動部2は、ネジゲージ10
を回転駆動する電動モータ11と、該電動モータ11の
回転数を検出する回転センサ20と、電動モータ11の
回転を減速してネジゲージ10に伝達する減速機12
と、所定値以上のトルクのネジゲージ10への伝達を遮
断するトルクリミッタ13を備え、さらに、直列通信イ
ンターフェイス14と、表示部15と、操作スイッチ1
6を含んでいる。
【0016】上記電動モータ11は制御部1のモータ駆
動部5に接続されており、上記MCU3とモータ駆動部
5との間では電流がフィードバックされつつPWM制御
信号が与えられるようになっている。また、各直列通信
インターフェイス6,14は互いに通信可能となるよう
に接続されており、上記操作スイッチ16からの信号お
よびトルクリミッタ13からの後記停止信号が直列通信
インターフェイス14,6を介してMCU3に入力され
る一方、MCU3からの後記ネジ深さ計測値を示す信号
等が直列通信インターフェイス6,14を介して表示部
15に送られるようになっている。
【0017】上記回転センサ20の具体的構造を図2〜
図4に基づいて説明する。これらの図に示す回転センサ
20は、電動モータ11と減速機12との間に介設され
た略円筒状のハウジング21と、その中心部に回転自在
に挿通支持された回転軸22と、その両側外方に配置さ
れた光学的検知手段とで構成されている。この光学的検
知手段は、発光素子(LED)23aを回路基板23b
に実装した発光部23と、受光素子(フォトトランジス
ター)24aを回路基板24bに実装した受光部24と
を備え、これら発光部23および受光部24が回転軸2
2を挟んで対向配置されている。
【0018】上記回転軸22の一端は電動モータ11の
出力軸11aに連結され、他端は減速機12の入力軸1
2aに連結されている。
【0019】上記回転軸22には、その軸心と直交する
方向に回転軸22を貫通する2つの貫通孔25,26が
形成されている。これらの貫通孔25,26は、断面円
形で、互いに略直角な2方向に延び、回転軸22の内部
で交差している。また、ハウジング21には、上記貫通
孔25,26に対応する軸方向位置に、光路を構成する
穴27,28が軸心と直角する方向(図3及び図4の上
下方向)に形成されており、各穴27,28に前記発光
素子23aと受光素子24aがそれぞれ臨んでいる。な
お、発光素子23aから穴27、貫通孔25または26
および穴28を通過して受光素子24aに到達する光は
略平行光線となるように構成されている。
【0020】この回転センサ20によると、回転軸22
の回転中に、一方の貫通孔25の両端が上記両素子23
a,24aに対応したときに発光素子23aからの光線
がこの貫通孔25を通過して受光部24aに達し、また
他方の貫通孔26の両端が上記両素子23a,24aに
対応したときに発光素子23aからの光線がこの貫通孔
26を通過して受光部24aに達し、両貫通孔25,2
6がともに上記素子23a,24aからずれたときには
光線が遮断される。このように回転軸22の回転に伴っ
て光線が断続されることにより、図5に示すように回転
軸22の1回転中に4周期分のパルス信号が得られ、1
周期のパルス信号が回転軸の略1/4回転(回転角でπ
/2)に対応するものとなる。
【0021】動力ネジゲージの制御、計測系統の構成
を、図6および図7によって説明する。図6は制御、計
測系統全体を示し、この図において、31はトルク制御
手段であり、制御部1(図1参照)内のMCU3に機能
的に含まれ、モータ駆動手段32(図1中のモータ駆動
部5に相当)を介してモータ11を制御するものであ
る。また、MCU3は、回転センサ20からの回転パル
スを読み込む回転数検出手段33や、後述のような回転
速度および加速度の演算を行なう演算手段34を機能的
に含むとともに、半回転検出35およびネジ深さの計測
36等を行なうようになっている。
【0022】そして、作業者によりネジゲージ10が検
査対象であるネジ穴に嵌合されるとともに操作スイッチ
16が操作されたときに、先ずネジゲージ10をネジ穴
に噛み込ませるための準備動作として半回転だけモータ
11が低速で駆動され、半回転検出後に、回転数の検出
値とネジ径スイッチからの情報とに基づくネジ深さの計
測と、回転数検出に基づく回転速度、加速度の演算が行
なわれつつ、これらのデータに基づいて設定される目標
トルクに応じ、トルク制御手段31によりモータ駆動手
段32を介してモータ11の駆動トルクが制御される。
この場合、電流検出37によるデータがフィードバック
され、その検出値と目標トルクに見合う目標電流との比
較に基づき、モータ11に対する供給電流が制御され
る。
【0023】さらに、上記トルクリミッタ13により、
ネジゲージ10の回転トルクが規定値に達したときに停
止信号が出力され、この停止信号に応じてモータ11の
駆動が停止される。そして、そのときのネジ深さ(検査
対象であるネジ穴の有効ネジ深さ)が表示され、このネ
ジ深さが基準値以上か否かにより合格か不合格かが判別
されるようになっている。
【0024】図7は制御部1(図1参照)に含まれるモ
ータ制御部分の構成を示し、当実施形態においてこのモ
ータ制御部分は、半回転の検出が行なわれてから停止信
号があるまでの間の制御を、図8に示すようなモータト
ルク特性に従って行なうようになっている。
【0025】すなわち、図7に示す制御部分には、電動
モータ11による駆動状態に応じて要求トルクを設定す
る手段として、回転速度−トルク変換部41が設けられ
ており、この回転速度−トルク変換部41に、予め定め
られた最高回転速度Rmax と回転速度が0付近のときの
要求トルクであるトルク限界値Toとが入力されるとと
もに、回転パルスに基づいた回転速度計算42による回
転速度が入力される。そして、図8中に実線で示す要求
トルクTmの特性から、回転速度に応じた要求トルクT
mが出力される。この要求トルクTmは、モータ11の
低速時に大きく、高速になるにつれて小さくなり、上記
最高回転速度Rmax で0となる。
【0026】なお、上記トルク限界値Toは、回転速度
が0付近の低速域でのモータトルクを制限するものであ
って、ネジゲージ20のトルクが規定値に達したときに
回転を停止させるべく、その規定値に対応するモータト
ルクに相当する値に設定されている。
【0027】また、回転速度の微分計算43によって加
速度が求められ、この加速度と予め調べられたモータ1
1等の回転部分の慣性質量Jとが乗算されることにより
イナーシャトルクTjが求められ、このイナーシャトル
クTjに1より小さい係数k(例えば0.5)が乗じら
れた値が補正値とされ、この補正値が上記要求トルクT
mに加算される。一方、トルク限界値Toにイナーシャ
トルクTjが加算されることにより、トルク限界値も補
正される。そして、要求トルクTmに補正値(k・T
j)を加算した値と補正されたトルク限界値(後記リミ
ット値TL)とのうちで小さい方の値を目標トルクTr
とする最小値選択44が行なわれる。こうして、要求ト
ルクTmおよびトルク限界値Toの補正と最小値選択4
4等により目標トルクTrを設定する補正手段が構成さ
れている。さらに、上記目標トルクTrに応じ、電動モ
ータ11への供給電流を制御する電流制御手段45が設
けられている。
【0028】このようなモータ制御部分の構成により、
イナーシャトルクTjが正となる加速時には図7中の破
線のように目標トルクTrが要求トルクTmより大きく
され、イナーシャトルクTjが負となる減速時には図7
中の一点鎖線のように目標トルクTrが要求トルクTm
より小さくされる。また、トルク限界値も加速時に高め
られ、減速時に引き下げられる。
【0029】このようなモータ制御を、図9および図1
0のフローチャートによってさらに具体的に説明する。
【0030】図9は動力ネジゲージの制御プログラムに
含まれる目標電流算出のためのルーチンを示し、このル
ーチンでは先ず回転センサ20からの回転パルスの有無
が判定される(ステップS1)。そして、電動モータ1
1でネジゲージ10が駆動されているときは回転センサ
20による回転検出が行なわれることにより回転パルス
有りと判定され、ステップS2以降の処理が行なわれ
る。
【0031】ステップS2では図5に示すような回転パ
ルスに応じてその周期T(T1,T2,T3,T4)が計測
され、次いでこの周期から回転速度が算出され(ステッ
プS3)、さらに加速度が算出される(ステップS
4)。この場合、図2〜図4に示すような回転センサ2
0を用いると、前述のように1周期のパルス信号が回転
軸22の1/4回転(回転角でπ/2)に対応するもの
となるので、このパルス信号の周期の計測に基づき、回
転軸22の1/4回転毎に回転速度が求められるととも
に、その回転速度の今回の値と前回の値とに基づいて加
速度が求められる。さらにその2回分の加速度の移動平
均をとれば、正確な加速度が求められる。つまり、パル
ス信号の1周期毎の各時点をP0 ,P1 ,P2 ,P3 ,
P4 とし、その各時間間隔(回転パルスの周期に相当)
をT1 ,T2 ,T3 ,T4 とすると、P0 時点での速度
ω0 および加速度a0 を0として、P1 ,P2 ,P3 ,
P4 の各時点の速度、加速度および移動平均による正確
な加速度は、次の表のようになる。
【0032】
【表1】
【0033】加速度の算出に続き、モータ11等の回転
部分の回転慣性質量と上記加速度とが乗算されることに
より、回転部分に生じるイナーシャトルクTjが算出さ
れる。この場合、表1中の中段に示す加速度に回転慣性
質量を乗じてイナーシャトルクTjを求めてから、その
イナーシャトルクTjの移動平均を求めるようにする
(ステップS5,S6)か、あるいは、表1中の下段に
示す加速度の移動平均を求めてから、これに回転慣性質
量を乗じてイナーシャトルクTjを求めるようにすれば
よい。
【0034】また、回転速度から、モータトルク特性
(図8参照)に基づいて要求トルクTmが算出される
(ステップS7)。さらに、イナーシャトルクTjに係
数kを乗じた補正値を要求トルクTmに加算する要求ト
ルク補正演算と、限界トルクToにイナーシャトルクT
jを加算してリミット値TLを求める演算が行なわれる
(ステップS8)。そして、要求トルクTmに上記補正
値を加算した値が上記リミット値TL未満か否かが判定
され(ステップS9)、リミット値TL未満の場合は要
求トルクTmに上記補正値を加算した値(Tm+k・T
j)が目標トルクTrとされ(ステップS10)、リミ
ット値TL以上の場合はリミット値TLが目標トルクT
rとされる(ステップS11)。
【0035】次に、上記目標トルクTrに応じて目標電
流Iが算出される(ステップS12)。この場合、無負
荷電流をio 、比例係数をKt として、目標電流Iは
【0036】
【数1】I=io+Kt・Tr と演算される。
【0037】図10は電流制御のための割込ルーチンを
示し、このルーチンでは、割込要因の有無の判定(ステ
ップS21)に基づき、割込要因があるとき、電流制御
が実行される(ステップS22)。この場合、目標電流
Iと検出電流iとの偏差に応じてフィードバック制御さ
れ、例えば、電流制御量(デューティ)をD、比例定数
をKp 、積分定数をKi として、次のような計算で比例
積分制御により電流制御量が求められる。
【0038】
【数2】D=Kp・(I−i)+Ki・Σ(I−i) 以上のような当実施形態のトルク制御方法によると、イ
ナーシャトルクの影響が除去もしくは軽減されて、電動
モータ11によるネジゲージ10の駆動が適正に行なわ
れる。
【0039】すなわち、当実施形態の動力ネジゲージで
は、ネジゲージ10が検査対象であるネジ穴に嵌め合わ
され、電動モータ11が低速で半回転される準備動作が
行なわれてから、ネジ穴の抵抗が小さいうちは高速回転
されるように次第に加速され、また、ネジ穴の抵抗が増
大すると減速され、ネジゲージ10のトルクが規定値に
達すると停止されるが、この動作の過程において、先ず
加速時には、イナーシャトルクTjに応じて目標トルク
Trが要求トルクTmと比べて大きくなるように補正さ
れる。従って、イナーシャにより電動モータ11の加速
が鈍る傾向が是正される。
【0040】また、ネジ穴の抵抗の増大に伴い減速され
て停止に至る過程では、イナーシャトルクTjに応じて
目標トルクTrが要求トルクTmと比べて小さくなるよ
うに補正されるとともに、停止直前の低速時のトルクを
制限するリミット値TLも本来のトルク限界値Toに対
して引き下げられる。従って、イナーシャによりオーバ
ーシュートしてネジゲージ10が回り過ぎることが防止
される。これにより、前述のようなネジゲージのネジ深
さの計測とそれに基づくネジ穴の合否の検査を精度良く
行なうことができる。
【0041】上記イナーシャトルクTjに応じて要求ト
ルクTmを補正する場合に、当実施形態ではイナーシャ
トルクTjに1より小さい係数kを乗じた値だけ増減し
ているが、このようにしているのは、イナーシャトルク
Tjをそのまま増減すると却ってトルク制御が不安定に
なるためである。
【0042】なお、上記実施形態では本発明を動力ネジ
ゲージのトルク制御に適用しているが、これ以外にも各
種の駆動対象物を電動モータで駆動する場合に、本発明
の方法および装置を適用することができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明は、電動モータへの
供給電流の制御によるトルク制御のために目標トルクを
設定するにあたり、電動モータの出力軸の回転の加速度
と回転部分の回転慣性質量とからイナーシャトルクを算
出し、このイナーシャトルクに応じて要求トルクを補正
することにより目標トルクを設定するようにしているた
め、加減速時に回転部分に生じるイナーシャの影響を除
去もしくは軽減することができ、これにより、電動モー
タによる駆動対象物の駆動の精度を高めることができ
る。
【0044】例えば、ネジゲージを電動モータで駆動す
る動力ネジゲージに本発明を適用した場合、ネジゲージ
が減速状態を経て停止されるときにイナーシャによって
回り過ぎるといった事態を防止し、検査の精度を高める
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される動力ネジゲージの構成を示
すブロック図である。
【図2】回転センサの分解状態斜視図である。
【図3】回転センサの断面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】回転センサから出力される回転パルスの説明図
である。
【図6】上記動力ネジゲージの計測、制御系統を示す機
能ブロック図である。
【図7】モータ制御部分の構成を示す機能ブロック図で
ある。
【図8】モータのトルク特性を示す図である。
【図9】モータのトルク制御における目標電流算出のた
めのルーチンを示すフローチャートである。
【図10】電流制御割込みルーチンを示すフローチャー
トである。
【符号の説明】
1 制御部 2 ゲージ作動部 11 モータ 20 回転センサ 31 トルク制御手段 41 回転速度−トルク変換手段 45 電流制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 駆動対象物を駆動する電動モータに対し
    て目標トルクを設定し、この目標トルクに応じて電動モ
    ータへの供給電流を制御するトルク制御方法であって、
    上記電動モータによる駆動対象物の駆動状態に応じて要
    求トルクを設定する一方、上記電動モータの出力軸の回
    転速度の変化からその加速度を求め、この加速度と回転
    部分の回転慣性質量とからイナーシャトルクを算出し、
    このイナーシャトルクに応じて上記要求トルクを補正す
    ることにより目標トルクを設定することを特徴とするモ
    ータのトルク制御方法。
  2. 【請求項2】 イナーシャトルクに応じた補正は、イナ
    ーシャトルクに1以下の係数を乗じた値を補正値とし
    て、この補正値を上記要求トルクに加減算するものであ
    ることを特徴とする請求項1記載のモータのトルク制御
    方法。
  3. 【請求項3】 駆動対象物はネジ穴検査のためにネジ穴
    に螺合されるネジゲージであることを特徴とする請求項
    1または2記載のモータのトルク制御方法。
  4. 【請求項4】 ネジゲージのトルクが規定値に達したと
    きに回転を停止させるべく、その規定値に相当する目標
    トルクの限界値を設定するとともに、その限界値をイナ
    ーシャトルクに応じて補正することを特徴とする請求項
    3記載のモータのトルク制御方法。
  5. 【請求項5】 駆動対象物を駆動する電動モータと、こ
    の電動モータの出力軸の回転を検出する回転センサと、
    この電動モータを制御する制御部とを備え、この制御部
    に、上記電動モータによる駆動対象物の駆動状態に応じ
    て要求トルクを設定する手段と、上記回転センサの出力
    に基づいて算出される電動モータ出力軸の回転加速度と
    回転部分の回転慣性質量とからイナーシャトルクを算出
    し、そのイナーシャトルクに応じた補正値により上記要
    求トルクを補正して目標トルクを設定する補正手段と、
    目標トルクに応じて目標電流を設定し、電動モータへの
    供給電流を目標電流とするように制御する電流制御手段
    とを備えたことを特徴とするモータのトルク制御装置。
JP9008115A 1997-01-20 1997-01-20 モータのトルク制御方法および装置 Withdrawn JPH10210788A (ja)

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