JPH1020494A - 光重合性組成物、それを用いた感光性原版およびその露光方法 - Google Patents

光重合性組成物、それを用いた感光性原版およびその露光方法

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JPH1020494A
JPH1020494A JP17663296A JP17663296A JPH1020494A JP H1020494 A JPH1020494 A JP H1020494A JP 17663296 A JP17663296 A JP 17663296A JP 17663296 A JP17663296 A JP 17663296A JP H1020494 A JPH1020494 A JP H1020494A
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Application number
JP17663296A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Yamashita
克浩 山下
Shinya Onomichi
晋哉 尾道
Satoshi Imahashi
聰 今橋
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Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】光重合性組成物の可視光に対する感度を向上さ
せ、均一な塗膜形成能を向上させること。 【解決手段】(a)少なくとも一種のエチレン性不飽
和化合物、(b)チタノセン化合物、及び特定の構造を
有するローダミン色素とを含有する光重合性組成物、
さらにグリシン誘導体を含有することを特徴とする請求
項1に記載の光重合性組成物、基材上に前記光重合性
組成物を含有する感光層が形成されてなる感光性原版、
感光層上にさらに酸素遮断性の保護層が形成されてな
る感光性原版、およびアルゴンイオンレーザー、FD
−YAGレーザーまたはヘリウム−ネオンレーザーを用
いて前記感光性原版を露光することを特徴とする露光方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光重合性組成物、
それを用いた感光性原版およびその露光方法に関し、よ
り詳しくは可視領域の光に高い感光性を有する光重合性
組成物、それを用いた感光性原版およびその露光方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は多数の用途に使用され
ており、例えば印刷、複写、レジスト形成等の商業的な
用途に使用されている。これらの用途に使用される光重
合性組成物は、一般にエチレン性不飽和化合物またはそ
の他の重合性化合物、光開始剤、および好ましくは溶媒
可溶性、光性またアルカリ可溶性の有機重合体結着剤を
含有している。これらの光重合性組成物は、紫外線に対
して感光性を有するものである。
【0003】最近、光源として紫外線の代わりに、可視
光線や、アルゴンレーザー、FD−YAGレーザーを用
いて走査露光することが画像形成技術において要求され
ている。しかし、上記の光重合性組成物においては、使
用される光開始剤が紫外線領域以外の光では活性化され
ないものが多いため、その可視領域の光に対して感光せ
ず使用不可能である。従って、可視領域の光に対して高
い感光性を有する光重合性材料が要求されており、可視
領域の光に対して高感度な光開始剤の開発が望まれてい
る。
【0004】可視領域の光線に対して高感度な光開始剤
として、特開昭54−155292号公報には、ヘキサ
アリールビスイミダゾールを含む光開始剤の系が、特開
昭58−15503号公報には、活性ハロゲン化合物と
3−ケト置換クマリン化合物の光開始剤の系が、特開昭
56−4604号公報には、3−ケト置換クマリン化合
物とN−フェニルグリシンの光開始剤の系が、特開昭6
1−97650号公報には、3−ケト置換クマリン化合
物とキナゾリノン誘導体との組合せが、特開昭61−1
23603号公報には、ヘキサアリールビスイミダゾー
ルと3−ケト置換クマリン化合物との組合せが、それぞ
れ開示されている。しかし、これらの光開始剤の系で
は、可視領域の光に対する感度が不充分である。
【0005】また、特開平2−127404号公報には
ローダミン色素とチタノセン化合物を含む感光性樹脂組
成物が可視領域におけるレーザー光線による記録に適し
た光重合性組成物として開示されているが、一般にロー
ダミン色素はハロゲンアニオン、特に塩素アニオンを対
アニオンとして有しており、水溶性、結晶性が高い。こ
の為、感光性樹脂組成物中の他の成分や塗膜形成時に使
用する溶剤に対する溶解性が低く、均一な塗膜が得られ
なかったり、経時的に色素が析出するといった問題点が
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の欠点
を解決しようとするものであり、その目的は可視領域の
光に対する感度が高く、均一な塗膜の形成が容易で経時
安定性の良い光重合組成物、それを用いた感光性原版お
よびその露光方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
する目的で光開始剤糸について鋭意研究を行った結果、
光開始剤であるチタノセン化合物と特定の構造を有する
ローダミン色素を含有する光重合性組成物が可視領域の
光に対する感度が高く、均一な塗膜形成が容易で経実施
時的な結果の析出が無いことがわかった。即ち、本発明
は、(a)少なくとも一種のエチレン性不飽和化合物
と、(b)チタノセン化合物と、(c)下記一般式
(I)で示されるローダミン色素とを含有することを特
徴とする光重合性組成物およびさらに感度を高めるため
にグリシン誘導体を含有した光重合性組成物である。
【化2】 (式中、R1 〜R7 はそれぞれ独立して水素原子、アル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シ
アノ基またはハロゲン原子を示し、AはBF4 - 、Cl
4 - 、PF6 - を示す。)
【0008】好適な実態態様としては、上記チタノセン
化合物の含有量は、エチレン性不飽和化合物100重量
部に対して、0.01〜50重量部であり、上記ローダ
ミン色素の含有量は、エチレン性不飽和化合物100重
量部に対して、0.01〜50重量部であり、上記グリ
シン誘導体の含有量は、エチレン性不飽和化合物100
重量部に対して、0〜20重量部である。また本発明
は、基材上に上記の光重合性組成物を含有する感光層が
形成されてなることを特徴とする感光性原版であり、好
適には感光層上にさらに酸素遮断性の保護層が形成され
てなる。また本発明は、アルゴンイオンレーザー、FD
−YAGレーザーまたはヘリウム−ネオンレーザーを用
いて上記の感光性原版を露光することを特徴とする露光
方法である。
【0009】次に本発明を詳細に説明する。第1の成分
であるエチレン性不飽和化合物(a)は、遊離ラジカル
で開始される連鎖成長付加反応に適した単量体である。
このようなエチレン性不飽和化合物としては、特に限定
されないが、現像性および硬化塗膜の性能が良好となる
点から、好ましくはポリオールと(メタ)アクリル酸と
のエステルである。このようなエステルとしては、例え
ば、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリエチ
レングリコールジアクリレート、トリエチレングリコー
ルジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリ
レート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレートなどが挙げられる。こ
れらのエチレン性不飽和化合物(a)は、単独でも2種
以上併用してもよい。
【0010】第2の成分であるチタノセン化合物(b)
は、上記エチレン性不飽和化合物(a)を光重合させる
際の開始剤であり、下記一般式(II)で表されるチタノ
セン化合物が好ましい。
【0011】
【化3】
【0012】(式中、R8 、R9 はそれぞれ独立して置
換または非置換のシクロペンタジエニル基を示し、
10、R11はそれぞれ独立して置換または非置換のフェ
ニル基を示す。)
【0013】上記一般式(II)において、置換シクロペ
ンタジエニル基とは、好ましくはアルキル基またはアル
コキシ基で置換されたシクロペンタジエニル基をいう。
また置換フェニル基とは、好ましくはハロゲン原子、ア
ルコキシ基、複素環基および/またはアルキル基で置換
されたフェニル基をいう。
【0014】またアルキル基とは、好ましくは炭素数1
〜10で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、s
ec−ブチル、tert−ブチル基等が挙げられる。ま
たハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子
またはヨウ素原子である。
【0015】またアルコキシ基とは、好ましくは炭素数
1〜8で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメトキ
シ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−
ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が
挙げられる。
【0016】また複素環基とは、窒素原子含有複素環
基、硫黄原子含有複素環基、酸素原子含有複素環基等の
3員環以上の環であり、例えばピロリル、イミダゾリ
ル、ピラゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジ
ル、フリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チオフ
ェニル、チアゾリル、イソチアゾリル等が挙げられる。
【0017】上記一般式(II)において、好ましくは、
8 、R9 は、それぞれ独立してアルキル基またはアル
コキシ基で置換されたシクロペンタジエニル基または非
置換のシクロペンタジエニル基であり、R10、R11は、
それぞれ独立してハロゲン原子、アルコキシ基、複素環
基および/またはアルキル基で置換されたフェニル基で
ある。より好ましくは、R8 、R9 は、それぞれ独立し
てアルキル基で置換されたシクロペンタジエニル基また
は非置換のシクロペンタジエニル基であり、R 10、R11
は、それぞれ独立してハロゲン原子、アルコキシ基およ
び/または窒素含有複素環基で置換されたフェニル基で
ある。このようなチタノセン化合物(b)の具体例を以
下に示す。
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】このようなチタノセン化合物は、単独でも
しくは2種以上併用される。チタノセン化合物(b)の
含有量は、エチレン性不飽和化合物100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは
0.1〜30重量部である。この含有量が0.01重量
部未満の場合、光硬化性が不充分であり、逆にこの含有
量が50重量部を超える場合、光硬化性がかえって低下
して好ましくない。
【0024】第3の成分であるローダミン色素(c)
は、光増感剤として作用するものであり、下記一般式
(I)で表される。
【0025】
【化9】
【0026】(式中、R1 〜R7 はそれぞれ独立して水
素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
リール基、シアノ基またはハロゲン原子を示し、AはB
4 - 、ClO4 - 、PF6 - を示す。)
【0027】上記一般式(I)において、アルキル基と
しては、好ましくは炭素数1〜12で直鎖状でも分岐鎖
状でもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イ
ソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−
ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等が挙げられる。
【0028】アルケニル基としては、好ましくは炭素数
2〜14で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばエテニ
ル、2−プロペニル、3−ブテニル、4−ペンテニル、
5−ヘキセニル、6−ヘプテニル、7−オクテニル等が
挙げられる。
【0029】アルキニル基としては、好ましくは炭素数
2〜14で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばエチニ
ル、2−プロピニル、3−ブチニル、4−ペンチニル、
5−ヘキシニル、6−ヘプチニル、7−オクチニル等が
挙げられる。
【0030】アリール基としては、好ましくは炭素数6
〜12のフェニル、ナフチルや、トリル等のアルキル置
換フェニル、クロロフェニル等のハロゲン置換フェニル
等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、
塩素原子、臭素原子、またはヨウ素原子が挙げられる。
上記一般式において、好ましくはR1 〜R7 はそれぞれ
独立して水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を示
し、より好ましくは、R1 〜R7 はそれぞれ独立して水
素原子またはアルキル基を示す。このようなキサンテン
系色素(c)の具体例を以下に示す。
【0031】
【化10】
【0032】
【化11】
【0033】
【化12】
【0034】
【化13】
【0035】
【化14】
【0036】
【化15】
【0037】
【化16】
【0038】
【化17】
【0039】
【化18】
【0040】このようなキサンテン系色素は、単独でも
しくは2種以上併用される。キサンテン系色素(c)の
含有量は、エチレン性不飽和化合物100重量部に対し
て、好ましくは0.01〜50重量部、より好ましくは
0.1〜50重量部である。この含有量が0.01重量
部未満の場合、光硬化性が不充分であり、逆にこの含有
量が50重量部を超える場合、光硬化性がかえって低下
して好ましくない。
【0041】本発明の光重合性組成物は、グリシン誘導
体を含有させる事でさらに高感度となる。好ましいグリ
シン誘導体は下記一般式(III)で示される。
【0042】
【化19】 (式中、R12〜R18はそれぞれ独立に水素原子、アルキ
ル基、アリール基、ハロアルキル基、アシル基、アルコ
キシ基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、シア
ノ基を示す。)
【0043】前記アルキル基としては、好ましくは炭素
数1〜10で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチ
ル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−
ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル等
が挙げられる。アリール基としては、好ましくは炭素数
6〜12のフェニル、ナフチル、トリル等が挙げられ
る。
【0044】ハロアルキル基としては、そのアルキル部
が好ましくは炭素数1〜8で直鎖状でも分岐鎖状でもよ
く、例えばクロロメチル、フルオロメチル、ジクロロメ
チル、ジフルオロメチル、トリフメオロメチル、トリク
ロロメチル、クロロエチル等が挙げられる。
【0045】アシル基としては、そのアルキル部が好ま
しくは炭素数1〜10で直鎖状でも分岐状でもよく、例
えばアセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニ
ル、ブチルカルボニル、ペンチルカルボニル、ヘキシル
カルボニル等が挙げられる。
【0046】アルコシ基としては、そのアルキル部が好
ましくは炭素数1〜10で直鎖状でも分岐鎖状でもよ
く、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ、ペンチルオキシ等が挙げられる。アルコキシカルボ
ニル基とは、そのアルキル部が好ましくは炭素数1〜1
0で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメトキシカル
ボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、
ブトキシカルボニル、ペンチルオキシカルボニル等が挙
げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩基原
子、臭素原子またはヨウ素原子である。
【0047】この様なグリシン誘導の具体例としては、
例えば、N−フェニルグリシン、N−(p−メチルフェ
ニル)グリシン、N−(m−トリフルオロメチルフェニ
ル)グリシン、N−(p−トリフルオロメチルフェニ
ル)グリシン、N−(p−アセチルフェニル)グリシ
ン、N−(m−アセチルフェニル)グリシン、N−(p
−メトキシフェニル)グリシン、N−(m−メトキシフ
ェニル)グリシン、N−(p−メトキシカルボニルフェ
ニル)グリシン、N−(m−クロロフェニル)グリシ
ン、N−(o−クロロフェニル)グリシン、N−(p−
フルオロフェニル)グリシン、N−(p−シアノフェニ
ル)グリシン、N−(m−シアノフェニル)グリシン、
N−メチル−N−フェニルグリシンなどが挙げられる。
【0048】このようなグリシン誘導体は、単独でもし
くは2種以上併用される。グリシン誘導体の含有量は、
エチレン性不飽和化合物100重量部に対して、好まし
くは0.01〜20重量部、より好ましくは0.1〜2
0重量部である。この含有量が0.01重量部未満の場
合、配合による効果が不充分であり、逆にこの含有量が
20重量部を超える場合、光硬化性がかえって低下して
好ましくない。
【0049】本発明の光重合性組成中に、さらに下記一
般式(IV)で示される環状ジケトン化合物を含有させて
もよい。
【0050】
【化20】 (式中、R19は水素原子、置換または非置換のアルキル
基または置換または非置換のアラルキル基を示し、Gは
環状の二価の有機基を示す。)
【0051】この環状ジケトン化合物は、不安定な水素
原子を有する活性メチレン基のある環状β−ジガルボニ
ル化合物である。上記一般式(IV)において、アルキル
基としては、好ましくは炭素数1〜12で直鎖状でも分
岐鎖状でもよく、例えばメチル、エチル、n−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、te
rt−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプ
チル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシル、n−ウ
ンデシル、n−ドデシル等が挙げられる。置換アルキル
基とは、好ましくはヒドロキシル基、シアノ基、ハロゲ
ン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アリールオキ
シ基等で置換されたアルキル基をいう。
【0052】アラルキル基としては、そのアリール部は
好ましくは炭素数6〜10で、アルキル部は好ましくは
炭素数1〜12で直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えば
ベンジル、フェネチル、フェニルプロピル等が挙げられ
る。置換フェニルとしては、好ましくはヒドロキシル
基、シアノ基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル
基等で置換されたフェニル基をいう。環状の二価の有機
基とは、ジケトン環を完成させるものである。この部分
はヘテロ原子、例えば窒素、酸素および硫黄を含有し得
る。
【0053】このような環状ジケトン化合物の具体例と
して、例えば5,5−ジメチル−1,3−シクロヘキサ
ンジオン、2−メチル−1,3−シクロヘキサンジオ
ン、2−メチル−1,3−シクロペンタンジオン、2,
4−ジエチル−1,3−シクロブタンジオン、2−メチ
ル−1,3−シクロブタンジオン、5−メチル−2−チ
オバルビツール酸、バルビツール酸、3−エチルテトロ
ン酸、2,4−ジメチル−3−オキソ−5−ヒドロキシ
−5−メトキシペンテン酸δ−ラクトン、1,3,5−
トリメチルバルビツール酸、1,3−ジメチル−5−エ
チルバルビツール酸、2−メチルジメドン、1,3−イ
ンダンジオン、2−メチルインダンジオン、ビス−〔5
−(1,3−ジメチルバルビツリル)〕メタン、1,5
−ジフェニル−3−〔2−(フェニルチオ)エチル〕−
2,4−ピロリジンジオン、1−フェニル−3,5−ジ
ケト−4−n−ブチルテトラヒドロピラゾール、2,2
−ジメチル−m−ジオキサン−4,6−ジオン、2,
2,5−トリメチル−m−ジオキサン−4,6−ジオン
などが挙げられる。
【0054】このような環状ジケトン化合物は、単独で
もしくは2種以上併用される。環状ジケトン化合物の含
有量は、エチレン性不飽和化合物100重量部に対し
て、好ましくは20重量部以下、より好ましくは0.1
〜20重量部である。この含有量が20重量部を超える
場合、かえって光硬化性が低下して好ましくない。
【0055】本発明の光重合性組成物中に、熱可塑性高
分子量有機重合体結合剤をさらに含有させてもよい。こ
のような重合体結合剤タイプとしては(i)テレフタル
酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸およびヘキ
サヒドロテレフタル酸に基づくコポリエステル、(ii)
ポリアミド、(iii) ビニリデンクロリド共重合体、(i
v)エチレン/ビニルアセテート共重合体、(v)セル
ロースエーテル、(vi)ポリエチレン、(vii)合成ゴ
ム、(viii)セルロースエステル、(ix)ポリビニルア
セテート/アクリレートおよびポリビニルアセテート/
メタクリレート共重合体を含むポリビニルエステル、
(x)ポリアクリレートおよびポリα−アルキルアクリ
レートエステル例えばポリメチルアクリレートおよびポ
リエチルメタクリレート、(xi)(メタ)アクリル酸と
(メタ)アクリル酸エステルの共重合体、(xii)4,0
00〜4,000,000の重量平均分子量を有する高
分子量エチレンオキシド重合体(ポリエチレングリコー
ル)、(xiii)ポリ塩化ビニルおよびその共重合体、
(xiv)ポリビニルアセタール、(xv)ポリホルムアルデ
ヒド、(xvi)ポリウレタン、(xvii)ポリカーボネート
および(xviii)ポリスチレン等が挙げられる。
【0056】好ましい光重合性結合剤としては、未露光
光重合性コーティングが例えばアルカリ性溶液である主
として水性の溶液には可溶性であるが、活性線放射の露
光後は比較的それに不溶性となるような重合体結合剤が
好ましい。典型的にはこれらの要求を満足させる重合体
はカルボキシル化重合体、例えば遊離カルボン酸基含有
ビニル付加重合体であるメタクリル酸共重合体、アクリ
ル酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合
体、部分エステル化マレイン酸共重合体などがある。ま
た側鎖にカルボキシル基を有するセルロースや、水酸基
を側鎖に含有する重合体に環状酸無水物を付加させた物
などがある。
【0057】有機重合体結合剤の含有量は、エチレン性
不飽和化合物100重量部に対して、好ましくは100
0重量部以下、より好ましくは200重量部以下であ
る。この含有量が1000重量部を超える場合、光硬化
性が低下して好ましくない。
【0058】さらに、光重合性組成物を製造中あるいは
保存中において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不
要な熱重合を阻止するために、光重合性組成物中に少量
の熱重合禁止剤を添加することが好ましい。適当な熱重
合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェ
ノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロー
ル、ジ−t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、2−メ
ルカプトベンズイミダゾール、N−ニトロフェニルヒド
ロキシアミン第一セリウムなどが挙げられる。また必要
に応じて、不活性添加物、例えば非重合性可塑剤、染
料、顔料および充填剤などは光重合性を著しく阻害しな
い程度に配合してもよい。熱重合禁止剤の添加量は、全
組成物に対して、好ましくは0.01〜5重量%であ
る。
【0059】本発明の光重合性組成物は、広範囲な種類
の基材上にコーティングすることができる。ここで「基
材」とはすべての天然または合成支持体、好ましくは可
撓性または剛性のフィルムまたはシートの形で存在し得
るものを意味している。例えば素材は金属シートまたは
箔、合成有機樹脂のシートまたはフィルム、セルロース
紙、ファイバーボードその他またはこれらの物質の2種
またはそれ以上のものの複合体でありうる。特定の素材
としてはアルミナプラストアルミニウム、アノード処理
アルミニウム、アルミプラストポリエチレンテレフタレ
ートフイルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、
静電放電処理ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポ
リビニルアルコールをコーティングした紙、交叉結合ポ
リエステルコーティング紙、ナイロン、ガラス、セルロ
ースアセテートフィルムその他が挙げられる。
【0060】特定の素材は一般に関連する適用目的によ
り決定される。例えば印刷回路が製造される場合には、
素材はファイバーボード上に銅をコーティングしたプレ
ートでありうる。平版印刷プレートの製造においては、
素材はアノード処理アルミニウムでありうる。
【0061】本発明において、光重合性組成物の厚みは
0.1〜250μmであり、好ましくは0.5〜50μ
mである。望ましい厚みは用途により決められる。基板
に設けられた光重合性組成物の層の上には、空気中の酸
素による重合抑制作用を防止するために、ポリビニルア
ルコールなどのような酸素遮断性に優れたポリマーより
なる保護層を設けるか、ポリエチレンテレフタレートフ
ィルムなどのカバーフィルムをラミネートしてもよい。
【0062】本発明光重合性組成物は紫外光から可視光
の幅広い領域の活性光線に対して高い感度を有する。し
たがって、光源としては超高圧、高圧、中圧、低圧の各
水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン
灯、メタルハライド灯、アルゴンイオンレーザー、FD
−YAGレーザー、ヘリウム−ネオンレーザー、ヘリウ
ム−カドミウムレーザーなどのレーザー、蛍光灯、タン
グステン灯、及び太陽光などが使用できる。
【0063】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、ここでの部および%は重量基準である。下引き層を
有する100μm厚さの透明なポリエチレンテレフタレ
ートフィルム上に下記組成の感光層塗工液を塗布し、熱
風乾燥機にて90℃1分間乾燥し、厚さ2μmの塗膜を
得た。次いでその上に7%ポリビニルアルコール(完全
ケン化、重合度500)の水溶液を塗布し熱風乾燥機で
70℃1分間乾燥して厚さ1μmの保護層を設けて、感
度テスト片を作成し、塗膜の状態を観察した。次にこの
感度テスト片上にグレースケールフィルムを重ね、アル
ゴンイオンレーザーの515nmの光で走査露光した。
この後、30℃、0.7%炭酸ナトリウム溶液に10秒
間浸漬し、水洗して未硬化部分を除去し乾燥した後、完
全硬化の段階(ステップ)を調べた。
【0064】(感光層塗工液組成)
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【表5】
【0070】
【表6】
【0071】
【表7】
【0072】
【表8】
【0073】
【表9】
【0074】
【表10】
【0075】
【表11】
【0076】実施例1〜7および比較例1〜4で得られ
たテスト片についての測定結果を表12および表13に
示す。
【0077】
【表12】
【0078】
【表13】
【0079】実施例1〜7を比較例1〜4と比べること
により、本発明の光重合性組成物が可視領域の光に対す
る感度が高く、均一な塗膜形成能に優れていることが明
らかである。
【0080】
【発明の効果】本発明の光重合性組成物は、可視光の光
に対し高い光硬化性を有する為、濾光光源の選択の幅が
広がり、低エネルギーの露光光源を使用することができ
る。また、高感度である為、与えられた時間内に多数の
原版を露光できる。また、露光源を原版より遠ざけるこ
とができるため、その光源が平行化され、例えば網点画
像を形成する場合、垂直の側部を有するシャープな網点
を形成することができるなど種々の利点を有する。さら
に、均一な塗膜形成能にすぐれる為、基板に感光性樹脂
組成物の層を設ける際に良好な生産性を有するので、産
業界に寄与すること大である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03F 7/028 G03F 7/028

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)少なくとも一種のエチレン性不飽和
    化合物と、(b)チタノセン化合物と、(c)下記一般
    式(I)で示されるローダミン色素とを含有することを
    特徴とする光重合性組成物。 【化1】 (式中、R1 〜R7 はそれぞれ独立して水素原子、アル
    キル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、シ
    アノ基またはハロゲン原子を示し、AはBF4 - 、Cl
    4 - 、PF6 - を示す。)
  2. 【請求項2】さらにグリシン誘導体を含有することを特
    徴とする請求項1に記載の光重合性組成物。
  3. 【請求項3】チタノセン化合物の含有量が、エチレン性
    不飽和化合物100重量部に対して、0.01〜50重
    量部であることを特徴とする請求項1に記載の光重合性
    組成物。
  4. 【請求項4】ローダミン色素の含有量が、エチレン性不
    飽和化合物100重量部に対して、0.01〜50重量
    部であることを特徴とする請求項1に記載の光重合性組
    成物。
  5. 【請求項5】グリシン誘導体の含有量が、エチレン性不
    飽和化合物100重量部に対して、0.01〜20重量
    部であることを特徴とする請求項2に記載の光重合性組
    成物。
  6. 【請求項6】基材上に請求項1〜5のいずれかに記載の
    光重合性組成物を含有する感光層が形成されてなること
    を特徴とする感光性原版。
  7. 【請求項7】感光層上にさらに酸素遮断性の保護層が形
    成されてなることを特徴とする請求項6に記載の感光性
    原版。
  8. 【請求項8】アルゴンイオンレーザー、FD−YAGレ
    ーザーまたはヘリウム−ネオンレーザーを用いて請求項
    6または7に記載の感光性原版を露光することを特徴と
    する露光方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
USRE37962E1 (en) * 1995-02-28 2003-01-07 Fuji Photo Film Co., Ltd. Photopolymerizable composition containing a sensitizing dye and a titanocene compound
KR20150040566A (ko) * 2013-10-07 2015-04-15 주식회사 엘지화학 염료 및 이를 이용하여 제조된 컬러필터
US12001141B2 (en) 2018-06-01 2024-06-04 Lg Chem Ltd. Photopolymer composition

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KR20150040566A (ko) * 2013-10-07 2015-04-15 주식회사 엘지화학 염료 및 이를 이용하여 제조된 컬러필터
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