JPH10204255A - 熱硬化性樹脂組成物 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物

Info

Publication number
JPH10204255A
JPH10204255A JP640297A JP640297A JPH10204255A JP H10204255 A JPH10204255 A JP H10204255A JP 640297 A JP640297 A JP 640297A JP 640297 A JP640297 A JP 640297A JP H10204255 A JPH10204255 A JP H10204255A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thermosetting resin
ring
resin
resin composition
dihydrobenzoxazine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP640297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3899571B2 (ja
Inventor
Teruki Aizawa
輝樹 相沢
Yasuyuki Hirai
康之 平井
Hideo Nagase
英雄 長瀬
Yoshinori Sato
義則 佐藤
Shinichi Kamoshita
真一 鴨志田
Minoru Kakiya
稔 垣谷
Shunichi Numata
俊一 沼田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP00640297A priority Critical patent/JP3899571B2/ja
Publication of JPH10204255A publication Critical patent/JPH10204255A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3899571B2 publication Critical patent/JP3899571B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス転移温度が高く、吸水率が低く、難燃
性に優れたジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化
性樹脂の樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 少なくとも1種のジヒドロベンゾオキサ
ジン環を有する熱硬化性樹脂及びイソシアヌル環を有す
るエポキシ樹脂を必須成分として含有する熱硬化性樹脂
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリプレグ、金属
張積層板、封止材、配線基板等の製造原料として好適に
用いられるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化
性樹脂の組成物、その硬化物、該熱硬化性樹脂を含有す
る複合成形材料並びにこれを用いた積層板及び配線基板
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、銅張積層板用樹脂に代表される電
気、電子用熱硬化性樹脂材料には、フェノール樹脂、エ
ポキシ樹脂、ポリイミド樹脂等が用いられているが、近
年、電気、電子部品の高密度化、高信頼性化が更に要求
され、安価でガラス転移温度が高く、低吸水率の樹脂組
成物の開発が急務となっている。
【0003】これまで用いられてきたフェノール樹脂
は、ガラス転移温度、吸水率とも満足せず、高ガラス転
移温度を示すエポキシ樹脂は吸水率が高く、吸水後の耐
ハンダ性に十分でない。また、ポリイミド樹脂を用いた
場合は、高ガラス転移温度を示し、吸水率も比較的低い
が、高価なため広く用いられていない。
【0004】また、特開昭49−47378号公報、特
開昭61−78824号公報、特開平2−69567号
公報、特開平4−227922号公報に記載されている
ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂は、
低吸水率で、耐熱性、機械的強度に優れた硬化物を与え
ることが知られているが、ガラス転移温度をより高くす
る変性方法はいまだ知られていない。
【0005】しかし、電気、電子部品の高密度化、高信
頼性化に伴い、高ガラス転移温度化、低吸水率化を達成
することは、吸湿時の信頼性を高め、部品搭載後の配線
基板の熱による変形を抑えるために、必要不可欠なこと
である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ガラス転移
温度が高く、吸水率が低く、難燃性に優れたジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の樹脂組成物を
提供することを目的とする。
【0007】本発明はまた、上記熱硬化性樹脂組成物の
硬化物、該熱硬化性樹脂組成物を含有する複合成形材料
並びにこれを用いた積層板及び配線基板に関する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、ジヒドロベンゾ
オキサジン環を有する熱硬化性樹脂にイソシアヌル環を
有するエポキシ樹脂を配合することにより、ジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の低い吸水率を
維持したまま、イソシアヌル環を有するエポキシ樹脂が
もつ高ガラス転移温度、難燃性に優れる等の性質を付与
できること、また、難燃性を向上させるためにハロゲン
化難燃剤を使用する場合には、その量を低減でき、環境
上も利点があることを見出し、これらの知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本発明は少なくとも1種のジヒ
ドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂及びイソ
シアヌル環を有するエポキシ樹脂を必須成分として含有
することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物を提供するも
のである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の熱硬化性樹脂組成物にお
いて用いられるジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱
硬化性樹脂としては、ジヒドロベンゾオキサジン環を有
し、ジヒドロベンゾオキサジン環の開環重合反応により
硬化する樹脂であれば特に限定されない。具体的には、
例えば、下記反応式に示されるように、フェノール性水
酸基を有する化合物、1級アミン及びホルムアルデヒド
から合成することができる。
【0011】
【化1】 (式中のRはメチル基、シクロヘキシル基、フェニル基
又は少なくとも1つの炭素数1〜3のアルキル基若しく
はアルコキシル基で置換されたフェニル基である。) この樹脂は、米国特許第5152939号明細書に示さ
れるように加熱により開環重合反応を起こし、揮発分を
発生させることなくフェノール性水酸基を生成しながら
優れた特性を有する架橋構造を形成する。またこの樹脂
の特長としては、特開平7−188364号公報に示さ
れているように、開環反応により架橋硬化するため、硬
化物中にボイドが残留しにくい点、硬化物が低吸水率、
比較的高いガラス転移温度、高強度を示し、難燃性に優
れている点が挙げられる。
【0012】この樹脂は、上記反応式に示されるよう
に、フェノール性水酸基を有する化合物と1級アミンと
の混合物を、ホルマリン等のホルムアルデヒド類中に添
加して、70〜110℃、好ましくは、90〜100℃
で、20〜120分反応させ、その後、120℃以下の
温度で減圧乾燥することによって合成することができ
る。
【0013】フェノール性水酸基を有する化合物として
は、フェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂、フェノ
ール変性キシレン樹脂(キシリレン変性フェノール樹
脂)、アルキルフェノール樹脂、メラミンフェノール樹
脂、ポリブタジエン変性フェノール樹脂等のフェノール
樹脂、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4′−ジヒド
ロキシジフェニルスルホン、1,1−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)エタン、p,p′−イソプロピリデンビ
フェノール(ビスフェノールA)、テトラフルオロビス
フェノールA、2,2−ビス[4−(4′−ヒドロキシ
フェノキシ)フェニル]プロパンなどのビスフェノール
化合物、4,4′−ビフェノールなどのビフェノール化
合物、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,
1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなど
のトリスフェノール化合物、テトラフェノール化合物等
が挙げられる。これらは特に限定するものではないが架
橋点となるヒドロキシル基のオルト位が無置換であるも
のが硬化特性の点で望ましい。
【0014】1級アミンとしては具体的にはメチルアミ
ン、シクロヘキシルアミン、アニリン、トルイジン、ア
ニシジンなどの置換アニリン等が挙げられる。脂肪族ア
ミンであると、得られた熱硬化性樹脂は硬化は速いが耐
熱性に劣る。アニリンのような芳香族アミンであると、
得られた熱硬化性樹脂を硬化させた硬化物の耐熱性はよ
いが硬化が遅くなる。
【0015】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂のうちで、好ましくは、1分子中に下記式
(A)で表される構造単位(A)及び下記式(B)で表
される構造単位(B)を有し、各構造単位は直接に又は
有機の基を介して結合しており、(A)/(B)のモル
比が1/0.25〜1/9であり、1分子中の構造単位
(A)の数をm、構造単位(B)の数をnとするとき、
m≧1、n≧1かつ10≧m+n≧2である熱硬化性樹
脂が用いられる。
【0016】
【化2】 (式中のRはメチル基、シクロヘキシル基、フェニル基
又は少なくとも1つの炭素数1〜3のアルキル基若しく
はアルコキシル基で置換されたフェニル基であり、
(A)及び(B)の芳香環の水素は(A)のヒドロキシ
ル基のオルト位の一つを除き、炭素数1〜3のアルキル
基若しくはアルコキシル基又はハロゲン原子で置換され
ていてもよい。) m、nが前記の範囲内にあり、構造単位(A)、(B)
間があらかじめ適切な鎖長の基を介して安定な結合によ
って結合されていると硬化物の特性が良好となる。
【0017】構造単位(A)と構造単位(B)とは直接
に又は有機の基を介して結合している。有機の基として
はアルキレン基、2価の芳香族基が挙げられる。アルキ
レン基の例としては、炭素数5以上のアルキレン基、−
CR′H−(式中、R′は水素原子、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、フェニル基又は置換
フェニル基である。)で表されるアルキリデン基が挙げ
られる。置換フェニル基の置換基としてはメチル基、メ
トキシ基、カルボキシル基が挙げられる。また、2価の
芳香族基としてはフェニレン基、キシリレン基、トリレ
ン基が挙げられる。上記の有機の基は各構造単位の間に
2つ以上挿入されていてもよい。
【0018】本発明に用いられる熱硬化性樹脂は、
(A)/(B)のモル比が好ましくは、1/0.25〜
1/9、更に好ましくは1/0.67〜1/9である。
この範囲外であると、硬化性、機械強度、耐熱性が低下
することがある。
【0019】本発明において用いられるイソシアヌル環
を有するエポキシ樹脂は分子中に2以上のエポキシ基と
イソシアヌル環を有するものであれば特に限定されな
い。例えば、イソシアヌル酸の水素をグリシジル基で置
換したエポキシ樹脂等が挙げられる。
【0020】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂とイソシアヌル環を有するエポキシ樹脂の配合
割合は、ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬化性
樹脂とイソシアヌル環を有するエポキシ樹脂の合計量1
00重量部に対して、該エポキシ樹脂を3〜40重量部
配合することが好ましい。3重量部未満ではガラス転移
温度向上の効果が小さく、40重量部を超えると硬化物
の架橋密度が低下するためにガラス転移温度の向上が望
めなくなる。
【0021】本発明の熱硬化性樹脂組成物には、ジヒド
ロベンゾオキサジン環の開環反応を促進することができ
る化合物並びにエポキシ基とジヒドロベンゾオキサジン
環が開環して生じた水酸基の反応を促進することができ
る、従来から知られているエポキシ樹脂用触媒を配合す
ることができる。
【0022】ジヒドロベンゾオキサジン環の開環を促進
することができる化合物としては、フェノール性水酸基
を有する化合物、1級アミンを挙げることができる。フ
ェノール性水酸基を有する化合物としては、フェノール
ノボラック樹脂、レゾール樹脂、キシレン変性フェノー
ル樹脂、キシリレン変性フェノール樹脂等の変性フェノ
ール樹脂が挙げられる。
【0023】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂とジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応を促
進することができる化合物の配合割合は、ジヒドロベン
ゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂と該化合物の合計
量100重量部に対して、ジヒドロベンゾオキサジン環
の開環反応を促進することができる化合物を3〜50重
量部配合することが好ましい。3重量部未満では開環反
応の促進が顕著ではなく、50重量部を超えると、架橋
密度の低下によりガラス転移温度の低下及びジヒドロベ
ンゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂の特長である吸
水性等の特性を損ねることになる。
【0024】また、ジヒドロベンゾオキサジン環を有す
る熱硬化性樹脂の硬化物は、従来の熱硬化性樹脂である
エポキシ樹脂、フェノール樹脂の硬化物に比べ、吸水率
が低いという特長がある。この現象は、フェノール性水
酸基が窒素原子との相互作用により固定化されるためと
考えられる。このため、硬化物中のフェノール性水酸基
と熱硬化性樹脂のジヒドロベンゾオキサジン環に由来す
る窒素原子のモル比(フェノール性水酸基/窒素原
子)、OH/N比を1.5以下、好ましくは0.3〜
1.5とすることが望ましい。
【0025】エポキシ樹脂用触媒としては、ベンジルメ
チルアミンのようなアミン化合物、イミダゾール及びそ
の誘導体、リン系化合物、三フッ化ホウ素アミンコンプ
レックス、ジシアンジアミドを挙げることができる。こ
れらは2種以上併用して使用することができる。
【0026】エポキシ樹脂用触媒の配合割合はエポキシ
樹脂100重量部に対して0.5〜5重量部とすること
が好ましい。
【0027】ジヒドロベンゾオキサジン環の開環反応を
促進することができる化合物とエポキシ樹脂用触媒とを
併用することもできる。
【0028】また、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、
必要に応じてエポキシ樹脂あるいはハロゲン化エポキシ
樹脂を配合することができる。エポキシ樹脂としては、
ビスフェノール系エポキシ樹脂、ポリフェノール系エポ
キシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、脂環式エポ
キシ樹脂などが挙げられ、ハロゲン化エポキシ樹脂とし
ては、テトラブロモビスフェノールA等のハロゲン化ビ
スフェノールAあるいはテトラブロモビスフェノールF
等のハロゲン化ビスフェノールFのグリシジルエーテル
や臭素化ノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらは2種以上併用して使用することができる。
【0029】さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物に
は、充填剤として通常の無機充填剤、有機充填剤、繊維
強化材等の強化材を配合することができる。これらは単
独であるいは2種以上混合して用いられる。
【0030】有機充填剤としては、綿フロック、α−セ
ルロース、パルプ、木粉等が挙げられる。無機充填剤と
しては、ジルコン粉末、石英ガラス粉末、タルク粉末、
炭酸カルシウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、マグネ
シア粉末、ケイ酸カルシウム粉末、シリカ粉、ゼオライ
ト、クレイ、マイカ等が挙げられる。また、繊維強化材
としては、ステープルファイバー、糸、綿布、ガラスク
ロス、ガラス不織布、ガラス繊維、炭素繊維、石英繊
維、有機繊維不織布、紙等が挙げられる。これらの強化
剤の配合割合は、熱硬化性樹脂100重量部に対して、
好ましくは10〜300重量部である。
【0031】また、上記組成物には必要に応じて、離型
剤、着色剤等を添加することもできる。
【0032】無機充填材と繊維強化材を必須成分とする
複合成形材料は難燃性に優れている。
【0033】繊維強化材がガラスクロス、ガラス不織
布、有機繊維クロス、有機繊維不織布又は紙である上記
熱硬化性樹脂組成物からなる複合成形材料を積層し、加
熱加工して得られる積層板、上記熱硬化性樹脂組成物の
硬化物をマトリックスとし、無機充填材と繊維強化材を
含有する基板の内部又は表面に配線パターンを設けた配
線基板も難燃性に優れている。
【0034】ジヒドロベンゾオキサジン環を有する熱硬
化性樹脂組成物の混合に関しては、方法、順序等特に限
定されない。
【0035】また、これらの樹脂組成物を基材に含浸さ
せる方法についても、特に限定されないが、通常は、こ
れら樹脂組成物を有機溶剤を用いることにより溶液化
し、次いで基材に塗工、乾燥して得られるプリプレグを
重ね合わせ、その両側に銅箔を重ね、プレスすることに
より、銅張積層板を製造することができる。
【0036】このようにして製造された銅張積層板は、
高いガラス転移温度、低吸水率を示し、吸水時、高温時
の信頼性を大幅に改善することが可能である。また、熱
膨張係数が小さいため部品搭載時の基板のそりが極めて
小さく、BGA等の実装にも適している。
【0037】本発明の熱硬化性樹脂組成物を加熱ロール
等により混練し、然る後に180〜220℃、成形圧2
0〜70kgf/cm2で3〜10分間圧縮成形又は移
送成形することにより硬化し、ジヒドロベンゾオキサジ
ン環を有する熱硬化性樹脂の特性を生かした機械特性が
良好で低吸湿性の硬化物を得ることができる。
【0038】また、この硬化物を更に180〜220℃
で5〜120分間後硬化させることにより、より良好な
特性を有する硬化物が得られる。また、本発明の熱硬化
性樹脂組成物は、硬化時に揮発性副生成物の発生がない
ため、臭気等がなく作業環境の悪化を招くことがない。
【0039】
【実施例】以下、本発明の実施例及びその比較例によっ
て本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの
実施例に限定されるものではない。
【0040】次に示す方法により4種類のジヒドロベン
ゾオキサジン環を有する熱硬化性樹脂を合成した。 [樹脂A] (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.9kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.0kg、しゅう酸4gを5リットルフラスコに仕込
み、還流温度で6時間反応させた。引き続き、内部を6
666.1Pa以下に減圧して未反応のフェノール及び
水を除去した。得られた樹脂は軟化点84℃(環球
法)、3〜多核体/2核体比82/18(ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィーによるピーク面積比)であ
った。
【0041】(2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 上記により合成したフェノールノボラック樹脂1.70
kg(ヒドロキシル基16mol相当)をアニリン0.
93kg(10mol相当)と混合し80℃で5時間撹
拌し、均一な混合溶液を調製した。5リットルフラスコ
中に、ホルマリン1.62kgを仕込み90℃に加熱
し、ここへフェノールノボラック樹脂/アニリン混合溶
液を30分間かけて少しずつ添加した。添加終了後30
分間、還流温度に保ち、然る後に100℃で2時間66
66.1Pa以下に減圧して縮合水を除去し、反応し得
るヒドロキシル基の71%がジヒドロベンゾオキサジン
化された熱硬化性樹脂を得た。
【0042】上記(1)により合成したフェノールノボ
ラック樹脂1.70kg(ヒドロキシル基16mol相
当)をアニリン1.4kg(16mol相当)、ホルマ
リン(37%水溶液)2.59kgと同様に反応させ、
反応し得るヒドロキシル基の全てにジヒドロベンゾオキ
サジン環が導入された熱硬化性樹脂を合成した。過剰の
アニリンやホルマリンは乾燥中に除かれ、この熱硬化性
樹脂の収量は3.34kgであった。これは、フェノー
ルノボラック樹脂のヒドロキシル基のうち14molが
反応し、ジヒドロベンゾオキサジン化したことを示して
いる。
【0043】これから、先に得られた熱硬化性樹脂は、
反応し得るヒドロキシル基の14molのうち10mo
l(=71%)がジヒドロベンゾオキサジン化したもの
であると推定される。 [樹脂B] (1)フェノールノボラック樹脂の合成 フェノール1.90kg、ホルマリン(37%水溶液)
1.15kg、しゅう酸4gを5リットルフラスコに仕
込み、実施例1と同様にしてフェノールノボラック樹脂
を合成した。得られた樹脂は軟化点89℃(環球法)、
3〜多核体/2核体比89/11(ゲルパーミエーショ
ンクロマトグラフィーによるピーク面積比)であった。
【0044】(2)ジヒドロベンゾオキサジン環の導入 以下、実施例1と同様にしてジヒドロベンゾオキサジン
環を導入した。得られた熱硬化性樹脂はフェノールノボ
ラック樹脂の反応し得るヒドロキシル基の75%にジヒ
ドロベンゾオキサジン環が導入されたものであった。 [樹脂C][樹脂A]の合成の(2)において、フェノ
ールノボラック樹脂に代えてキシリレン変性フェノール
樹脂(三井東圧化学(株)製商品名ミレックスXL−2
25−3L)1.70kg(ヒドロキシル基10mol
相当)、アニリン0.52kg(5.6mol)、ホル
マリン0.91kgを用いた他は同様にして、ジヒドロ
ベンゾオキサジン環が導入された熱硬化性樹脂を得た。
【0045】キシリレン変性フェノール樹脂について、
反応し得るヒドロキシル基量は、次の通りにして算出し
た。
【0046】キシリレン変性フェノール樹脂1.70k
g(ヒドロキシル基10mol相当)、アニリン0.9
3kg(10mol相当)、ホルマリン1.62kgの
配合でジヒドロベンゾオキサジン環が導入された熱硬化
性樹脂2.62kgを得た。過剰のアニリンやホルマリ
ンは乾燥中に除かれた。この収量から反応し得るヒドロ
キシル基量は7.9molと求められる。これから、得
られた熱硬化性樹脂は、反応し得るヒドロキシル基の
7.9molのうち5.6mol(=71%)がジヒド
ロベンゾオキサジン化したものであると推定される。 [樹脂D][樹脂A]の合成の(2)において、アニリ
ンに代えて、アニリン0.70kgとトルイジン0.2
7kgの混合物を用いた他は同様にして、ジヒドロベン
ゾオキサジン環が導入された熱硬化性樹脂を得た。得ら
れた熱硬化性樹脂はフェノールノボラック樹脂の反応し
得るヒドロキシル基の71%にジヒドロベンゾオキサジ
ン環が導入されたものであった。
【0047】実施例1〜5、比較例1〜5 表1に示す配合(数字は重量部を示す)の樹脂組成物を
180℃で30分硬化させて得られた硬化物を評価し
た。
【0048】
【表1】 HP−850N:日立化成工業(株)製、フェノールノ
ボラック樹脂 TEPIC:日産化学工業(株)製、イソシアヌル環含
有エポキシ樹脂、エポキシ当量100
【0049】
【表2】 ガラス転移温度は示差走査熱量計を用いて測定した。吸
水率は、PCT10時間処理後の値を測定した。
【0050】実施例6〜10、比較例6〜10 表1の実施例1〜5、比較例1〜5の配合の樹脂組成物
にブロム化エポキシ樹脂(東都化成(株)製YDB−4
00T)20重量部を加え、メチルエチルケトンを溶剤
として用い、65重量%溶液のワニスとした。このワニ
スをガラスクロスに塗工した。塗工条件は、塗工温度、
時間を次の条件、すなわち、140℃で1.5分、17
0℃で2分、175℃で2分、150℃で1分で行っ
た。得られた塗工布8枚の両側に銅箔を配置し、圧力3
0kg/cm2で、温度を室温から185℃まで30分
かけて上昇させ、185℃で30分、加熱加圧積層を行
い、銅張積層板を得た。
【0051】得られた銅張積層板は、プレッシャークッ
カーテスト(PCT)法により10時間吸水処理を行
い、その後、はんだ槽に浸漬してふくれが発生する時間
を測定し、耐湿耐熱性を評価した。また。ガラス転移温
度をTMAにより測定した。吸水率はPCT3時間処理
後の値を測定した。測定結果を表3に示す。
【0052】
【表3】 また、実施例1と比較例1の樹脂組成物にハロゲン化エ
ポキシ樹脂(東都化成(株)製YDB−400T)の部
数を変えて配合し、UL燃焼試験におけるV−0達成に
必要なハロゲン化エポキシ樹脂量を測定した。
【0053】この結果、比較例1では最低14重量部必
要であったが、イソシアヌル環を有するエポキシ樹脂を
使用した実施例1の樹脂組成物では、最低10重量部の
添加でUL試験における難燃性V−0を達成することが
できた。
【0054】
【発明の効果】本発明のジヒドロベンゾオキサジン環を
有する熱硬化性樹脂を含有する熱硬化性樹脂組成物、複
合成形材料、積層板及び配線基板は、高いガラス転移温
度と優れた難燃性を有しており、また、良好な機械特
性、低吸湿性を備えており、電気、電子用途として用い
る場合、高い信頼性を確保することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 61/06 C08L 61/06 63/00 63/00 B H05K 1/03 610 H05K 1/03 610L 610K (72)発明者 佐藤 義則 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 鴨志田 真一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 垣谷 稔 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内 (72)発明者 沼田 俊一 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館工場内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1種のジヒドロベンゾオキサ
    ジン環を有する熱硬化性樹脂及びイソシアヌル環を有す
    るエポキシ樹脂を必須成分として含有することを特徴と
    する熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 少なくとも1種のジヒドロベンゾオキサ
    ジン環を有する熱硬化性樹脂、イソシアヌル環を有する
    エポキシ樹脂及びジヒドロベンゾオキサジン環の開環反
    応を促進する作用のあるフェノール性水酸基を有する化
    合物を含有する請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成
    物を硬化して得られる硬化物。
  4. 【請求項4】 硬化物中のフェノール性水酸基と熱硬化
    性樹脂のジヒドロベンゾオキサジン環に由来する窒素原
    子のモル比(フェノール性水酸基/窒素原子)が1.5
    以下である請求項3記載の硬化物。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成
    物と無機充填材と繊維強化材を必須成分として含有する
    ことを特徴とする複合成形材料。
  6. 【請求項6】 繊維強化材がガラスクロス、ガラス不織
    布、有機繊維クロス、有機繊維不織布又は紙である請求
    項5記載の複合成形材料を積層し、加熱加工して得られ
    る積層板。
  7. 【請求項7】 請求項1又は2記載の熱硬化性樹脂組成
    物の硬化物をマトリックスとし、無機充填剤と繊維強化
    材を含有する基板の内部又は表面に配線パターンを設け
    た配線基板。
JP00640297A 1997-01-17 1997-01-17 熱硬化性樹脂組成物 Expired - Fee Related JP3899571B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00640297A JP3899571B2 (ja) 1997-01-17 1997-01-17 熱硬化性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00640297A JP3899571B2 (ja) 1997-01-17 1997-01-17 熱硬化性樹脂組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10204255A true JPH10204255A (ja) 1998-08-04
JP3899571B2 JP3899571B2 (ja) 2007-03-28

Family

ID=11637385

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00640297A Expired - Fee Related JP3899571B2 (ja) 1997-01-17 1997-01-17 熱硬化性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3899571B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000027921A1 (en) * 1998-11-10 2000-05-18 Edison Polymer Innovation Corporation Ternary systems of benzoxazine, epoxy, and phenolic resins
JP2001122949A (ja) * 1999-10-28 2001-05-08 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、電気配線板用積層板
US6977286B2 (en) 2000-04-27 2005-12-20 Jsr Corporation Crosslinked rubber particles and rubber compositions
JP2010138400A (ja) * 2010-01-15 2010-06-24 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、電気配線板用積層板

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000027921A1 (en) * 1998-11-10 2000-05-18 Edison Polymer Innovation Corporation Ternary systems of benzoxazine, epoxy, and phenolic resins
US6207786B1 (en) * 1998-11-10 2001-03-27 Edison Polymer Innovation Corporation Ternary systems of benzoxazine, epoxy, and phenolic resins
JP2001122949A (ja) * 1999-10-28 2001-05-08 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、電気配線板用積層板
JP4538873B2 (ja) * 1999-10-28 2010-09-08 日立化成工業株式会社 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、電気配線板用積層板
US6977286B2 (en) 2000-04-27 2005-12-20 Jsr Corporation Crosslinked rubber particles and rubber compositions
JP2010138400A (ja) * 2010-01-15 2010-06-24 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物及びそれを用いたプリプレグ、電気配線板用積層板

Also Published As

Publication number Publication date
JP3899571B2 (ja) 2007-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3487083B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びその硬化物
US5443911A (en) Curable resins comprising halogenated epoxy resins and 1-oxa-3-aza tetraline compounds, method for preparing and use of resins
JP5499544B2 (ja) 熱硬化性絶縁樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、及び多層プリント配線板
JP5381438B2 (ja) 熱硬化性絶縁樹脂組成物、並びにこれを用いたプリプレグ、樹脂付フィルム、積層板、及び多層プリント配線板
US6296940B1 (en) Laminate comprising a flame-retardant resin composition
JP2003286320A (ja) アリル基含有熱硬化性樹脂及び硬化物
WO2007142140A1 (ja) 酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する硬化剤の製造法並びに熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ及び積層板
TWI400292B (zh) Used in glass fiber laminates high glass transition temperature resin varnish composition
JP2003064180A (ja) ジヒドロベンゾキサジン環構造を有する硬化性樹脂及び耐熱性硬化樹脂
US20180312627A1 (en) Resin Composition, Prepreg, Metal-Clad Laminate, and Printed Circuit Board Using the Same
JPH04227922A (ja) 硬化して難燃性及び耐熱性のポリマー樹脂を形成し得る樹脂、その製造方法及び使用
JP2003012924A (ja) 硬化性樹脂組成物
JP3371916B2 (ja) エポキシ樹脂組成物
JP3664124B2 (ja) 難燃性樹脂組成物、それを用いたプリプレグ、積層板、金属張積層板、印刷配線板及び多層印刷配線板
JP4784116B2 (ja) シアノ基含有熱硬化性ベンゾオキサジン樹脂、熱硬化性樹脂組成物及びその用途
JP2004010839A (ja) ベンゾキサジン構造を有する熱硬化性樹脂、樹脂組成物及び硬化物
JPH10204255A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP2004027000A (ja) エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板
JP2000154225A (ja) 高耐熱低誘電率熱硬化性樹脂
JPH10251380A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP4171084B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JP3965786B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物及びプリプレグ、プリント配線板用積層板
JP3724047B2 (ja) プリント配線板用積層板
JPH11158349A (ja) 熱硬化性樹脂組成物および該組成物を用いた成形品
JP4749625B2 (ja) 熱硬化性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040115

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050829

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060829

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061030

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061218

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100112

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110112

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120112

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130112

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140112

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees