JP2004027000A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグ及び積層板 - Google Patents
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Abstract
【課題】ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができ、また金属箔との接着強度や耐熱性に優れ、さらに高周波特性の指標である誘電率や誘電正接が低く電気特性に優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ベンゾオキサジン環を含有する化合物とを含有する。ベンゾオキサジン環を含有する化合物によってハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができる。変性フェノール生成物、エポキシ樹脂及び硬化剤によって、金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができる。
【選択図】 なし
【解決手段】数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ベンゾオキサジン環を含有する化合物とを含有する。ベンゾオキサジン環を含有する化合物によってハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができる。変性フェノール生成物、エポキシ樹脂及び硬化剤によって、金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の材料として好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグ及び積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂とその硬化剤及びポリフェニレンエーテルを含む組成物(PPE−エポキシ樹脂系の熱硬化型樹脂組成物)がガラスクロス等の基材と一体となったプリプレグは1970年頃から知られている。この組成物は硬化することによって優れた高周波特性を発現するものであり、特に、衛星通信波領域で使用されるXバンド(10GHz)領域において優れた高周波特性を発現するものである。
【0003】
これまで提案されてきたPPE−エポキシ樹脂系の熱硬化型樹脂組成物には数種類のものがあるが、その代表例としては、高分子量のPPEをラジカル開始剤で低分子化した低分子量のPPEに、フェノール性化合物を反応させて得られる変性フェノール生成物とエポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物がある。このエポキシ樹脂組成物では変性フェノール生成物のフェノール性水酸基と、エポキシ樹脂のエポキシ基との付加反応によってPPEがエポキシ樹脂組成物の硬化時の架橋に関与し、強固な架橋構造が形成されるようになる。そのため、このエポキシ樹脂組成物から製造されるプリプレグや積層板はいずれも層間剥離が生じることがなく、耐熱性等に優れるという特性を有していた。
【0004】
また、積層板は主にプリント配線板の材料として用いられる。その際、樹脂組成物の難燃性は製品の安全面から欠くことができない特性であり、これまでの樹脂組成物の難燃化の手法としては、芳香族臭素化物や臭素化エポキシ樹脂等の有機ハロゲン化合物が用いられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機ハロゲン化合物は燃焼時に猛毒であるダイオキシンを発生する可能性がある。そのために、リン系難燃剤や無機充填材による難燃性を付与したハロゲンフリーの樹脂組成物が積層板の材料として用いられているが、これらハロゲンフリーの樹脂組成物を用いると誘電特性等の高周波特性が低くなるという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができ、また金属箔との接着強度や耐熱性に優れ、さらに高周波特性の指標である誘電率や誘電正接が低く電気特性に優れたエポキシ樹脂組成物、並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグ及び積層板を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂組成物は、数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ベンゾオキサジン環を含有する化合物とを含有して成ることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項2の発明は、請求項1において、変性フェノール生成物の数平均分子量が1000〜3000であることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、エポキシ樹脂と相溶するシリコーン樹脂及び亜鉛を含有する化合物を含有して成ることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項4の発明は、請求項3において、亜鉛を含有する化合物として、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛のうちの少なくとも1種以上のものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、リン化合物を含有して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項6に係るプリプレグは、請求項1乃至5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して半硬化させて成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項7に係る積層板は、請求項6に記載のプリプレグを所定枚数加熱加圧して積層成形して成ることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
エポキシ樹脂としては、ハロゲンを含まないものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂のうちいずれかを単独で使用することができるほか、複数のものを混合して使用することもできる。
【0016】
硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものであれば特に限定されるものではないが、例えば、第1級アミンや第2級アミン等のアミン系硬化剤、ビスフェノールAやビスフェノールF等のポリフェノールを含むフェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤を挙げることができる。これらの硬化剤のうちいずれかを単独で使用することができるほか、複数のものを混合して使用することもできる。また、エポキシ樹脂を硬化反応させる際には、必要に応じて、例えばイミダゾール系の硬化促進剤を添加することができる。
【0017】
変性フェノール生成物は、数平均分子量が10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテル(PPE又はPPO)とフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られるものであり、エポキシ樹脂と反応してその架橋構造に関与する成分である。高分子ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等を用いることができる。このような高分子ポリフェニレンエーテルは、例えば、米国特許第4059568号の明細書に開示されている方法で合成することができる。
【0018】
フェノール性化合物としては、例えば、ポリフェノールのビスフェノールA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール性水酸基を分子内に2個以上有する多官能フェノール類を用いることができる。
【0019】
ラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド)、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサン、α,α´−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン〔1,4(又は1,3)−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンともいう〕などの過酸化物を用いることができる。またラジカル開始剤としては、過酸化物ではないが、市販の開始剤である日本油脂(株)製の商品名「ビスクミル」(1分半減温度330℃)を用いることもできる。
【0020】
そして変性フェノール生成物は、ラジカル開始剤の存在下で数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とを溶媒中で反応させることによって生成することができる。この反応は、まず高分子ポリフェニレンエーテルがラジカル開始剤によってラジカル化され、再分配反応によってそのラジカル化された高分子鎖が切断されて低分子ポリフェニレンエーテルが生成され、この後、活性化された低分子ポリフェニレンエーテルがフェノール性化合物を変性する反応である。この反応は、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中やクロロホルム等の溶媒中で行うことができ、反応温度は80〜120℃、反応温度は10〜100分間とすることができる。
【0021】
生成される変性フェノール生成物の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、1000〜3000であることが好ましい。変性フェノール生成物の数平均分子量が3000を超えると、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が増大することによってプリプレグを製造する際に基材に含浸させにくくなるおそれがあり、逆に変性フェノール生成物の数平均分子量が1000未満であると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度や耐熱性が低下するおそれがあり、これに伴って積層板の機械的強度や耐熱性も低下するおそれがある。
【0022】
上記のようにして変性フェノール生成物を製造するにあたって、ラジカル開始剤の配合量は高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して3〜20質量部であることが好ましく、またフェノール性化合物の配合量は高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して3〜20質量部であることが好ましい。ラジカル開始剤やフェノール性化合物の配合量が高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して20質量部よりも多くなると、再分配反応が進行し過ぎて低分子ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が低下し、その結果、エポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度や耐熱性が低下するおそれがあり、逆にラジカル開始剤やフェノール性化合物の配合量が高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して3質量部よりも少なくなると、再分配反応が十分進行しなくなって低分子ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が低下しにくくなり、その結果、低分子ポリフェニレンエーテルがエポキシ樹脂の硬化の際の架橋構造に関与しにくくなり、遊離した状態で残るおそれがある。
【0023】
上記のようにして得られた変性フェノール生成物は、低分子ポリフェニレンエーテルの片末端にフェノール性化合物が1個又は両末端に2個結合した構造を有している。そして、変性フェノール生成物においてフェノール性化合物に由来するフェノール性水酸基がエポキシ樹脂のエポキシ基と反応することによって、低分子ポリフェニレンエーテルがエポキシ樹脂の架橋に関与し、強固な架橋構造を形成することができる。従って、このような架橋構造によって、後述する金属張積層板などの積層板においては層間剥離が生じることがなくなり、金属箔との接着強度を高く得ることができるものであり、また耐熱性をも高く得ることができるものである。さらにエポキシ樹脂とその硬化剤及び変性フェノール生成物を含有する本発明に係るエポキシ樹脂組成物にあっては、硬化することによって誘電率や誘電正接を十分に低下させることができ、高周波特性を高く得ることができるものである。
【0024】
ここで、変性フェノール生成物とエピクロルヒドリン等のエポキシ化合物とを反応させることによって変性エポキシ樹脂生成物を生成することができるが、本発明においてはこの変性エポキシ樹脂生成物をエポキシ樹脂として使用してもよい。変性エポキシ樹脂生成物を生成するための反応条件は次の通りである。すなわちエポキシ化合物は、変性フェノール生成物のフェノール性水酸基に対して、エポキシ基のモル数で1倍以上、好ましくは2倍以上添加する。反応温度は80〜120℃であり、反応時間は通常1〜10時間、好ましくは5〜8時間である。また上記の反応には、変性フェノール生成物のフェノール性水酸基と同等量の塩基性触媒、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水溶液を用いることができる。エポキシ化合物のエポキシ基に対しては、塩基性触媒の添加量は1当量以上、好ましくは1.2当量以上、より好ましくは1.5当量以上である。また上記の反応には、必要に応じて再分配反応で使用した溶媒と同一の溶媒を加えてもよく、さらには他の溶媒を加えてもよい。
【0025】
ベンゾオキサジン環を含有する化合物(以下、ベンゾオキサジン化合物ともいう)としては、下記一般式[化1]で表される構造を1分子中に1個以上含有する化合物を用いるものであり、これによって高周波特性を良好に維持しつつハロゲン化合物を用いなくても難燃化を達成することができるものであり、加えて架橋密度が上昇してガラス転移温度(Tg)や耐熱性を高く得ることができるものである。ベンゾオキサジン化合物としては、市販のものを用いることができるほか、様々な方法で合成したものを用いることもできる。
【0026】
【化1】
【0027】
一例としてベンゾオキサジン化合物は、フェノール、アミン及びホルムアルデヒドから合成することができる。フェノールとしては一価フェノールや多価フェノールを用いることができ、またアミンとしては一価アミンや多価アミンを用いることができる。フェノールの具体例としては、一価フェノールとしてフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ナフトール、アントロール等を挙げることができ、また多価フェノールのうち二価フェノールとしてカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、ビスフェノール−S等を挙げることができ、さらに多価フェノールのうち三価以上のフェノールとしてトリヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシアントラセンやフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂などを挙げることができる。またアミンの具体例としては、一価アミンとしてアニリン、メチルアミン、シクロヘキシルアミン等を挙げることができ、また多価アミンのうち二価アミンとしてp−フェニレンジアミンやジアミノジフェニルメタン等を挙げることができ、多価アミンのうち三価以上のアミンとしてトリアミノナフタレンやトリアミノアントラセン、トリス(アミノフェニル)ホスフィンオキサイド等を挙げることができる。
【0028】
ベンゾオキサジン化合物を合成する際、上記のフェノール、アミン及びホルムアルデヒドの組み合わせは任意に選択することができるが、例えば、一価フェノールと二価アミンとホルムアルデヒドの組み合わせ又は二価フェノールと一価アミンとホルムアルデヒドの組み合わせを選択して、ベンゾオキサジン化合物の1分子内に複数個のベンゾオキサジン環を形成するようにすると、硬化物の架橋密度がさらに上昇することによってガラス転移温度(Tg)や耐熱性を一層高く得ることができるため好ましい。
【0029】
本発明においては、さらにシリコーン樹脂及び亜鉛を含有する化合物(以下、亜鉛化合物ともいう)を用いるのが好ましい。このようにシリコーン樹脂及び亜鉛化合物をエポキシ樹脂組成物に配合することによって、難燃性をさらに向上させることができるものである。
【0030】
シリコーン樹脂としては、エポキシ樹脂と相溶するものであればよく、特に分子鎖中にエポキシ基を含有するものを用いるのがより好ましい。その理由は、エポキシ基を含有するシリコーン樹脂であれば容易にエポキシ樹脂系内に取り込まれることとなり、ブリードアウト等の問題がなくなるからである。
【0031】
亜鉛化合物としては、特に限定されるものではないが、難燃性向上の効果を一層高く得ることができるという点で、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛のうちの少なくとも1種以上のものを用いるのが好ましい。亜鉛化合物の粒径は、特に限定されるものではないが、0.02〜1μmが好ましい。0.02μm未満であると後述する樹脂ワニスに分散させることが困難となるおそれがあり、逆に1μmを超えると亜鉛化合物が沈降しやすくなり、樹脂ワニスの安定性が悪くなるおそれがある。
【0032】
本発明においては、さらにリン化合物を用いるのが好ましい。このようにリン化合物をエポキシ樹脂組成物に配合することによって、難燃性をさらに向上させることができるものである。リン化合物としては、特に限定されるものではないが、添加型のリン化合物や反応型のリン化合物を用いることができる。
【0033】
添加型のリン化合物としては、市販のリン酸エステルやホスファゼン化合物を用いることができる。リン酸エステルとしては、芳香族縮合リン酸エステル、トリフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェートから選ばれるものを用いることができる。リン酸エステルのうち芳香族縮合リン酸エステルとしては、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、2−プロピリデン−ジ−4,4´−1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、2−プロピリデン−ジ−4,4´−1,3−フェニレンビス(ジクレジルホスフェート)等を用いることができる。ホスファゼン化合物としては、フェノキシホスファゼンオリゴマー、フェノキシトリルオキシホスファゼンオリゴマー、メトキシフェノキシホスファゼンオリゴマー等を用いることができる。
【0034】
一方、反応型のリン化合物としては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等を用いることができる。反応型のリン化合物は、エポキシ樹脂組成物の樹脂ワニスに直接添加して用いても、予めエポキシ樹脂と反応させて用いてもいずれでもよい。
【0035】
上記のリン化合物の中では、フェノキシホスファゼンオリゴマーやメトキシフェノキシホスファゼンオリゴマーが溶剤に対する溶解性及び耐加水分解性の面から好ましい。
【0036】
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は上記の各成分をミキサーやブレンダー等によって均一に混合した後に、ロールやニーダー等により混練することによって調製することができる。さらに具体的には、各成分を混合分散した後、加熱ロール等で溶融混練し、この混練物を冷却・固化した後、粉砕して粉粒状のものにしたり、あるいは粉砕したものを必要に応じてタブレット状に打錠したりすることができる。なお、成分の配合順については特に制限はない。
【0037】
上記のようにしてエポキシ樹脂組成物を調製するにあたって、エポキシ樹脂及び硬化剤の総量100質量部に対して、変性フェノール生成物を5〜200質量部、ベンゾオキサジン化合物を10〜150質量部配合するのが好ましい。変性フェノール生成物が5質量部よりも少ないと密着性が悪くなるおそれがあり、逆に200質量部よりも多いとTgや熱時剛性が低下するおそれがある。ベンゾオキサジン化合物が10質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が十分でないおそれがあり、逆に150質量部よりも多いと硬化物が硬くなり過ぎて密着性の低下を招くおそれがある。
【0038】
またシリコーン樹脂を用いる場合、その配合量は変性フェノール生成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物の総量100質量部に対して2〜20質量部であることが好ましい。シリコーン樹脂の配合量が2質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が十分でないおそれがあり、逆に20質量部よりも多いと密着性の低下を招くおそれがある。
【0039】
また亜鉛化合物を用いる場合、その配合量は変性フェノール生成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物の総量100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。亜鉛化合物の配合量が0.5質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が十分でないおそれがあり、逆に亜鉛化合物を10質量部より多く配合してもそれ以上の難燃性向上の効果は認められない上に、誘電率の上昇を招くおそれがある。
【0040】
さらにリン化合物を用いる場合、その配合量は変性フェノール生成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物の総量100質量部に対して2〜40質量部であることが好ましい。リン化合物の配合量が2質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が少ないおそれがあり、逆に40質量部よりも多いとTg等の物性低下が激しくなるおそれがある。
【0041】
本発明に係るプリプレグは、上記のように調製されるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させた後に、基材中のエポキシ樹脂組成物を加熱乾燥させ、Bステージ状態にまで半硬化させることによって製造することができる。
【0042】
プリプレグを製造するにあたっては、有機溶媒にエポキシ樹脂組成物を溶解させて樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを基材に含浸させるようにしてもよい。有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、ケトン、ホルムアミド、アルコール類を用いることができる。
【0043】
基材としては、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、パルプ紙、リンター紙等を用いることができる。
【0044】
そしてプリプレグは、例えば樹脂ワニス中に基材を浸漬させるなどして基材に樹脂ワニスを含浸させて付着させた後に、基材中のエポキシ樹脂組成物を加熱乾燥させ、Bステージ状態にまで半硬化させることによって製造することができる。このようにして製造されたプリプレグの樹脂成分の含有量は、特に限定されるものではないが、全体の30〜70質量%とするのが好ましい。また、樹脂ワニスを基材に含浸させる際に、樹脂ワニスを25〜35℃に保つと、樹脂ワニスの安定性が保持されて基材への含浸性を一定にすることができ、積層板の特性を良好にすることができるものである。樹脂ワニスを含浸した基材は、好ましくは80〜180℃の温度で加熱乾燥させるものである。この加熱乾燥が不十分であると、プリプレグの表面部分のみが乾燥し、溶媒がプリプレグの内部に残留することとなり、プリプレグの表面と内部との間で樹脂成分の濃度差に起因する歪が生じ、プリプレグの表面に微細なクラックが発生するおそれがある。逆に過度の加熱乾燥をすると、プリプレグの表面では乾燥過程において急激な粘度変化が起こるためにプリプレグの表面に筋ムラや樹脂垂れが発生し、金属張積層板などの積層板において金属箔とプリプレグとの密着性にムラが生じ、その結果、金属箔の引き剥がし強さ、半田耐熱性、誘電特性に大小、強弱のムラが発生するおそれがある。
【0045】
本発明に係る積層板は、上記のプリプレグを1枚又は複数枚重ね合わせ、これを加熱加圧して積層成形することによって製造することができる。このとき1枚又は複数枚重ね合わせたプリプレグの片面又は両面に金属箔を配置し、これを加熱加圧して積層成形することによって、片面又は両面金属張積層板を製造することもできる。金属箔としては、特に限定されるものではないが、例えば銅箔やアルミニウム箔等を用いることができる。加圧は、金属箔とプリプレグとの接合のため及び積層体の厚みの調整のために行うものであり、その条件は特に限定されるものではなく必要に応じて適宜選択することができる。例えば加熱加圧の条件として、圧力を4.90MPa(50kg/cm2)、加熱温度を150〜300℃、時間を10〜60分間程度とすることができる。
【0046】
このようにして得られた金属張積層板などの積層板は、ベンゾオキサジン化合物によってハロゲンを含有することなく難燃化が達成されており、またこのようにベンゾオキサジンを使用していてもエポキシ樹脂及び変性フェノール生成物によって得られる特性は損なわれず、誘電特性等の高周波特性を高く得ることができるものであり、しかも半田耐熱性を左右する耐熱性、接着強度の強弱に起因するスルーホールやパンチング等の加工性、エッチング性に起因する回路形成の信頼性も優れたものとなる。
【0047】
なお、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、溶媒に溶解させて樹脂ワニスとし、この樹脂ワニスをガラスクロス等の基材に含浸させた後に乾燥させることによってプリプレグを製造するという使用例に限定されるものではない。すなわち、例えばキャスティング法によって本発明に係るエポキシ樹脂組成物から、基材を含まない樹脂シートを作製し、この樹脂シートをプリプレグに代用して積層板などを製造することもできる。キャスティング法は、例えば樹脂ワニスをポリエステルフィルムやポリイミドフィルムなどの、樹脂ワニスの溶媒に不溶性のシートの表面に5〜700μmの厚みに塗布し、これを十分に乾燥させることによって行うことができる。このキャスティング法は、ブレンドした樹脂を熱溶融する押出成形によって樹脂シートを作製する方法よりも、比較的低温でより容易に樹脂シートを作製することができるという点で優れている。ここで、樹脂ワニスをキャスティングする溶媒に不溶性のシートとしては、離型剤で表面処理したものを用いると剥離が容易になるので実際的である。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0049】
(変性フェノール生成物溶液の調製)
トルエン100質量部に高分子PPEとして数平均分子量Mn=20000の日本G.E.プラスチック(株)製、品番「640−111」を100質量部、過酸化ベンゾイルを5質量部、ビスフェノールAを6質量部添加し、90℃にて60分間攪拌し、再分配反応させることによって、PPEで変性された変性フェノール生成物からなるPPE溶液を得た。この溶液をゲル浸透クロマトグラフ(カラム構成:東ソー(株)製「SuperHM−M」(1本)+「SuperHM−H」(1本))にて分子量分布を測定したところ、数平均分子量は2300であった。
【0050】
(含浸用樹脂ワニスの調製)
上記の変性フェノール生成物以外に、樹脂ワニスを調製する際に用いた原材料は次の通りである。
【0051】
エポキシ樹脂として、多官能エポキシ樹脂である日本化薬(株)製「EPPN501H」(エポキシ当量170)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である大日本インキ化学工業(株)製「エピクロン850S」(エポキシ当量180)を用いた。
【0052】
ベンゾオキサジン化合物として、下記式[化2]で表される二官能ベンゾオキサジンである四国化成工業(株)製「B−a型ベンゾオキサジン」を用いた。
【0053】
【化2】
【0054】
未変性のPPO樹脂として、日本G.E.プラスチック(株)製「640−111」を用いた。
【0055】
硬化剤としてジアミノジフェニルメタンを、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを、溶媒としてトルエンを用いた。
【0056】
シリコーン樹脂として、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製「HU−119」及びGE東芝シリコーン(株)製「XC99−B5664」を用いた。
【0057】
亜鉛化合物として、酸化亜鉛(試薬、平均粒径0.5μm)、炭酸亜鉛(堺化学製、平均粒径0.04μm)、ホウ酸亜鉛(堺化学製、平均粒径0.04μm)を用いた。
【0058】
リン化合物として、フェノキシトリルオキシホスファゼンであるケミプロ化成(株)製「KD−302S」を用いた。
【0059】
(実施例1及び7〜9)
表1に示した成分をセパラブルフラスコに入れ、これを室温で30分間攪拌して空冷を行うことによって、25℃の樹脂液を得た。これを実施例1及び7〜9の樹脂ワニスとした。
【0060】
(実施例2〜6)
表1に示した成分をセパラブルフラスコに入れ、これを室温で30分間攪拌して空冷を行うことによって、25℃の樹脂液を得た。さらにこの樹脂液に亜鉛化合物を加え、これをディスパーで1000〜1500rpmにて5分間攪拌した。その後、バスケットミルで1時間攪拌することによって、実施例2〜6の樹脂ワニスを得た。
【0061】
(比較例1及び2)
表1に示した成分をセパラブルフラスコに入れ、これを室温で30分間攪拌して空冷を行うことによって、25℃の樹脂液を得た。これを比較例1及び2の樹脂ワニスとした。
【0062】
(評価方法)
上記のようにして得た樹脂ワニスをガラスクロス(単重107g/m2、厚み0.1mm)に含浸してプリプレグ(樹脂量45質量%)を製造し、このプリプレグを8枚重ねた後、温度200℃、圧力2.99MPa、時間90分間の硬化条件で加熱加圧して積層成形することによって、性能評価用の積層板を製造した。そしてこの積層板について以下のような物性評価を行った。
【0063】
・難燃性
Underwriters Laboratories の“Test for Flammability of Plastic Materials − UL 94”に従って、上記の積層板から長さ125mm、幅13mmのテストピースを切り出し、このテストピースに対して燃焼挙動のテストを実施した。
【0064】
・誘電率、誘電正接
JIS C6401に従って評価を行った。
【0065】
・ガラス転移温度(Tg)
セイコーインスツルメント社製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いてガラス転移温度を測定した。このとき曲げモジュールで測定周波数10Hzにて測定を行い、室温から280℃までの昇温速度5℃/minの条件で昇温した際の、tanδが極大を示す温度をガラス転移温度とした。
【0066】
以上の物性評価の結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1をみると以下のことが確認される。
【0069】
(実施例1)
変性フェノール組成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物をすべて含有するものであり、ベンゾオキサジン化合物を含有していない比較例1に比べて難燃性が向上しており、さらにTgも高くなっている。
【0070】
(実施例2〜5)
実施例1の成分に加えてさらにシリコーン樹脂及び亜鉛化合物を添加したものであり、シリコーン樹脂及び亜鉛化合物を添加していない実施例1よりもさらに難燃性が向上している。
【0071】
(実施例6)
実施例2においてシリコーン樹脂の種類を変更したものであり、これも実施例2〜5と同様の効果を示している。
【0072】
(実施例7及び8)
実施例1及び6の成分に加えてさらにシクロホスファゼン化合物を添加したものであり、シクロホスファゼン化合物を添加していない実施例1よりもさらに難燃性が向上している。
【0073】
(比較例1)
ベンゾオキサジン化合物を含有していないため完全燃焼した。
【0074】
(比較例2)
変性フェノール生成物を用いる代わりに未変性PPOを用いたものであり、この樹脂ワニスは含浸性が悪く、評価できるような積層板を製造することはできなかった。
【0075】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂組成物は、数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ベンゾオキサジン環を含有する化合物とを含有しているので、ベンゾオキサジン環を含有する化合物によってハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができるものであり、また変性フェノール生成物、エポキシ樹脂及び硬化剤によって、金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができるものである。
【0076】
また請求項2の発明は、変性フェノール生成物の数平均分子量が1000〜3000であるので、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が増大することがなくなってプリプレグを製造する際に基材に含浸させにくくなることがなく、またエポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度や耐熱性が低下しないようにすることができるものである。
【0077】
また請求項3の発明は、エポキシ樹脂と相溶するシリコーン樹脂及び亜鉛を含有する化合物を含有しているので、難燃性をさらに向上させることができるものである。
【0078】
また請求項4の発明は、亜鉛を含有する化合物として、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛のうちの少なくとも1種以上のものを用いているので、難燃性向上の効果を一層高く得ることができるものである。
【0079】
また請求項5の発明は、リン化合物を含有しているので、難燃性をさらに向上させることができるものである。
【0080】
また請求項6に係るプリプレグは、請求項1乃至5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して半硬化させているので、ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができるものであり、また金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができるものである。
【0081】
また請求項7に係る積層板は、請求項6に記載のプリプレグを所定枚数加熱加圧して積層成形しているので、ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができるものであり、また金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができるものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板の材料として好適に用いられるエポキシ樹脂組成物、並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグ及び積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂とその硬化剤及びポリフェニレンエーテルを含む組成物(PPE−エポキシ樹脂系の熱硬化型樹脂組成物)がガラスクロス等の基材と一体となったプリプレグは1970年頃から知られている。この組成物は硬化することによって優れた高周波特性を発現するものであり、特に、衛星通信波領域で使用されるXバンド(10GHz)領域において優れた高周波特性を発現するものである。
【0003】
これまで提案されてきたPPE−エポキシ樹脂系の熱硬化型樹脂組成物には数種類のものがあるが、その代表例としては、高分子量のPPEをラジカル開始剤で低分子化した低分子量のPPEに、フェノール性化合物を反応させて得られる変性フェノール生成物とエポキシ樹脂とを含むエポキシ樹脂組成物がある。このエポキシ樹脂組成物では変性フェノール生成物のフェノール性水酸基と、エポキシ樹脂のエポキシ基との付加反応によってPPEがエポキシ樹脂組成物の硬化時の架橋に関与し、強固な架橋構造が形成されるようになる。そのため、このエポキシ樹脂組成物から製造されるプリプレグや積層板はいずれも層間剥離が生じることがなく、耐熱性等に優れるという特性を有していた。
【0004】
また、積層板は主にプリント配線板の材料として用いられる。その際、樹脂組成物の難燃性は製品の安全面から欠くことができない特性であり、これまでの樹脂組成物の難燃化の手法としては、芳香族臭素化物や臭素化エポキシ樹脂等の有機ハロゲン化合物が用いられてきた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、有機ハロゲン化合物は燃焼時に猛毒であるダイオキシンを発生する可能性がある。そのために、リン系難燃剤や無機充填材による難燃性を付与したハロゲンフリーの樹脂組成物が積層板の材料として用いられているが、これらハロゲンフリーの樹脂組成物を用いると誘電特性等の高周波特性が低くなるという問題があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができ、また金属箔との接着強度や耐熱性に優れ、さらに高周波特性の指標である誘電率や誘電正接が低く電気特性に優れたエポキシ樹脂組成物、並びにこのエポキシ樹脂組成物を用いて製造されるプリプレグ及び積層板を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂組成物は、数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ベンゾオキサジン環を含有する化合物とを含有して成ることを特徴とするものである。
【0008】
また請求項2の発明は、請求項1において、変性フェノール生成物の数平均分子量が1000〜3000であることを特徴とするものである。
【0009】
また請求項3の発明は、請求項1又は2において、エポキシ樹脂と相溶するシリコーン樹脂及び亜鉛を含有する化合物を含有して成ることを特徴とするものである。
【0010】
また請求項4の発明は、請求項3において、亜鉛を含有する化合物として、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛のうちの少なくとも1種以上のものを用いて成ることを特徴とするものである。
【0011】
また請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかにおいて、リン化合物を含有して成ることを特徴とするものである。
【0012】
また請求項6に係るプリプレグは、請求項1乃至5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して半硬化させて成ることを特徴とするものである。
【0013】
また請求項7に係る積層板は、請求項6に記載のプリプレグを所定枚数加熱加圧して積層成形して成ることを特徴とするものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0015】
エポキシ樹脂としては、ハロゲンを含まないものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、イソシアヌレート型エポキシ樹脂、ヒダントイン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、多官能エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂のうちいずれかを単独で使用することができるほか、複数のものを混合して使用することもできる。
【0016】
硬化剤としては、通常、エポキシ樹脂の硬化剤として使用されているものであれば特に限定されるものではないが、例えば、第1級アミンや第2級アミン等のアミン系硬化剤、ビスフェノールAやビスフェノールF等のポリフェノールを含むフェノール系硬化剤、酸無水物系硬化剤を挙げることができる。これらの硬化剤のうちいずれかを単独で使用することができるほか、複数のものを混合して使用することもできる。また、エポキシ樹脂を硬化反応させる際には、必要に応じて、例えばイミダゾール系の硬化促進剤を添加することができる。
【0017】
変性フェノール生成物は、数平均分子量が10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテル(PPE又はPPO)とフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られるものであり、エポキシ樹脂と反応してその架橋構造に関与する成分である。高分子ポリフェニレンエーテルとしては、例えば、ポリ(2,6−ジメチル−1,4−フェニレンオキサイド)等を用いることができる。このような高分子ポリフェニレンエーテルは、例えば、米国特許第4059568号の明細書に開示されている方法で合成することができる。
【0018】
フェノール性化合物としては、例えば、ポリフェノールのビスフェノールA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のフェノール性水酸基を分子内に2個以上有する多官能フェノール類を用いることができる。
【0019】
ラジカル開始剤としては、過酸化ベンゾイル(ベンゾイルパーオキサイド)、ジクミルパーオキサイド、tert−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ジ−tert−ブチルパーオキシヘキサン、α,α´−ビス(tert−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼン〔1,4(又は1,3)−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼンともいう〕などの過酸化物を用いることができる。またラジカル開始剤としては、過酸化物ではないが、市販の開始剤である日本油脂(株)製の商品名「ビスクミル」(1分半減温度330℃)を用いることもできる。
【0020】
そして変性フェノール生成物は、ラジカル開始剤の存在下で数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とを溶媒中で反応させることによって生成することができる。この反応は、まず高分子ポリフェニレンエーテルがラジカル開始剤によってラジカル化され、再分配反応によってそのラジカル化された高分子鎖が切断されて低分子ポリフェニレンエーテルが生成され、この後、活性化された低分子ポリフェニレンエーテルがフェノール性化合物を変性する反応である。この反応は、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒中やクロロホルム等の溶媒中で行うことができ、反応温度は80〜120℃、反応温度は10〜100分間とすることができる。
【0021】
生成される変性フェノール生成物の数平均分子量は、特に限定されるものではないが、1000〜3000であることが好ましい。変性フェノール生成物の数平均分子量が3000を超えると、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が増大することによってプリプレグを製造する際に基材に含浸させにくくなるおそれがあり、逆に変性フェノール生成物の数平均分子量が1000未満であると、エポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度や耐熱性が低下するおそれがあり、これに伴って積層板の機械的強度や耐熱性も低下するおそれがある。
【0022】
上記のようにして変性フェノール生成物を製造するにあたって、ラジカル開始剤の配合量は高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して3〜20質量部であることが好ましく、またフェノール性化合物の配合量は高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して3〜20質量部であることが好ましい。ラジカル開始剤やフェノール性化合物の配合量が高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して20質量部よりも多くなると、再分配反応が進行し過ぎて低分子ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が低下し、その結果、エポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度や耐熱性が低下するおそれがあり、逆にラジカル開始剤やフェノール性化合物の配合量が高分子ポリフェニレンエーテル100質量部に対して3質量部よりも少なくなると、再分配反応が十分進行しなくなって低分子ポリフェニレンエーテルの数平均分子量が低下しにくくなり、その結果、低分子ポリフェニレンエーテルがエポキシ樹脂の硬化の際の架橋構造に関与しにくくなり、遊離した状態で残るおそれがある。
【0023】
上記のようにして得られた変性フェノール生成物は、低分子ポリフェニレンエーテルの片末端にフェノール性化合物が1個又は両末端に2個結合した構造を有している。そして、変性フェノール生成物においてフェノール性化合物に由来するフェノール性水酸基がエポキシ樹脂のエポキシ基と反応することによって、低分子ポリフェニレンエーテルがエポキシ樹脂の架橋に関与し、強固な架橋構造を形成することができる。従って、このような架橋構造によって、後述する金属張積層板などの積層板においては層間剥離が生じることがなくなり、金属箔との接着強度を高く得ることができるものであり、また耐熱性をも高く得ることができるものである。さらにエポキシ樹脂とその硬化剤及び変性フェノール生成物を含有する本発明に係るエポキシ樹脂組成物にあっては、硬化することによって誘電率や誘電正接を十分に低下させることができ、高周波特性を高く得ることができるものである。
【0024】
ここで、変性フェノール生成物とエピクロルヒドリン等のエポキシ化合物とを反応させることによって変性エポキシ樹脂生成物を生成することができるが、本発明においてはこの変性エポキシ樹脂生成物をエポキシ樹脂として使用してもよい。変性エポキシ樹脂生成物を生成するための反応条件は次の通りである。すなわちエポキシ化合物は、変性フェノール生成物のフェノール性水酸基に対して、エポキシ基のモル数で1倍以上、好ましくは2倍以上添加する。反応温度は80〜120℃であり、反応時間は通常1〜10時間、好ましくは5〜8時間である。また上記の反応には、変性フェノール生成物のフェノール性水酸基と同等量の塩基性触媒、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等の水溶液を用いることができる。エポキシ化合物のエポキシ基に対しては、塩基性触媒の添加量は1当量以上、好ましくは1.2当量以上、より好ましくは1.5当量以上である。また上記の反応には、必要に応じて再分配反応で使用した溶媒と同一の溶媒を加えてもよく、さらには他の溶媒を加えてもよい。
【0025】
ベンゾオキサジン環を含有する化合物(以下、ベンゾオキサジン化合物ともいう)としては、下記一般式[化1]で表される構造を1分子中に1個以上含有する化合物を用いるものであり、これによって高周波特性を良好に維持しつつハロゲン化合物を用いなくても難燃化を達成することができるものであり、加えて架橋密度が上昇してガラス転移温度(Tg)や耐熱性を高く得ることができるものである。ベンゾオキサジン化合物としては、市販のものを用いることができるほか、様々な方法で合成したものを用いることもできる。
【0026】
【化1】
【0027】
一例としてベンゾオキサジン化合物は、フェノール、アミン及びホルムアルデヒドから合成することができる。フェノールとしては一価フェノールや多価フェノールを用いることができ、またアミンとしては一価アミンや多価アミンを用いることができる。フェノールの具体例としては、一価フェノールとしてフェノール、クレゾール、エチルフェノール、ナフトール、アントロール等を挙げることができ、また多価フェノールのうち二価フェノールとしてカテコール、レゾルシノール、ハイドロキノン、ビスフェノール−A、ビスフェノール−F、ビスフェノール−S等を挙げることができ、さらに多価フェノールのうち三価以上のフェノールとしてトリヒドロキシナフタレン、トリヒドロキシアントラセンやフェノールノボラック樹脂、レゾール樹脂などを挙げることができる。またアミンの具体例としては、一価アミンとしてアニリン、メチルアミン、シクロヘキシルアミン等を挙げることができ、また多価アミンのうち二価アミンとしてp−フェニレンジアミンやジアミノジフェニルメタン等を挙げることができ、多価アミンのうち三価以上のアミンとしてトリアミノナフタレンやトリアミノアントラセン、トリス(アミノフェニル)ホスフィンオキサイド等を挙げることができる。
【0028】
ベンゾオキサジン化合物を合成する際、上記のフェノール、アミン及びホルムアルデヒドの組み合わせは任意に選択することができるが、例えば、一価フェノールと二価アミンとホルムアルデヒドの組み合わせ又は二価フェノールと一価アミンとホルムアルデヒドの組み合わせを選択して、ベンゾオキサジン化合物の1分子内に複数個のベンゾオキサジン環を形成するようにすると、硬化物の架橋密度がさらに上昇することによってガラス転移温度(Tg)や耐熱性を一層高く得ることができるため好ましい。
【0029】
本発明においては、さらにシリコーン樹脂及び亜鉛を含有する化合物(以下、亜鉛化合物ともいう)を用いるのが好ましい。このようにシリコーン樹脂及び亜鉛化合物をエポキシ樹脂組成物に配合することによって、難燃性をさらに向上させることができるものである。
【0030】
シリコーン樹脂としては、エポキシ樹脂と相溶するものであればよく、特に分子鎖中にエポキシ基を含有するものを用いるのがより好ましい。その理由は、エポキシ基を含有するシリコーン樹脂であれば容易にエポキシ樹脂系内に取り込まれることとなり、ブリードアウト等の問題がなくなるからである。
【0031】
亜鉛化合物としては、特に限定されるものではないが、難燃性向上の効果を一層高く得ることができるという点で、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛のうちの少なくとも1種以上のものを用いるのが好ましい。亜鉛化合物の粒径は、特に限定されるものではないが、0.02〜1μmが好ましい。0.02μm未満であると後述する樹脂ワニスに分散させることが困難となるおそれがあり、逆に1μmを超えると亜鉛化合物が沈降しやすくなり、樹脂ワニスの安定性が悪くなるおそれがある。
【0032】
本発明においては、さらにリン化合物を用いるのが好ましい。このようにリン化合物をエポキシ樹脂組成物に配合することによって、難燃性をさらに向上させることができるものである。リン化合物としては、特に限定されるものではないが、添加型のリン化合物や反応型のリン化合物を用いることができる。
【0033】
添加型のリン化合物としては、市販のリン酸エステルやホスファゼン化合物を用いることができる。リン酸エステルとしては、芳香族縮合リン酸エステル、トリフェニルホスフェート、クレジルジ−2,6−キシレニルホスフェートから選ばれるものを用いることができる。リン酸エステルのうち芳香族縮合リン酸エステルとしては、1,3−フェニレンビス(ジキシレニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、2−プロピリデン−ジ−4,4´−1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、2−プロピリデン−ジ−4,4´−1,3−フェニレンビス(ジクレジルホスフェート)等を用いることができる。ホスファゼン化合物としては、フェノキシホスファゼンオリゴマー、フェノキシトリルオキシホスファゼンオリゴマー、メトキシフェノキシホスファゼンオリゴマー等を用いることができる。
【0034】
一方、反応型のリン化合物としては、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド等を用いることができる。反応型のリン化合物は、エポキシ樹脂組成物の樹脂ワニスに直接添加して用いても、予めエポキシ樹脂と反応させて用いてもいずれでもよい。
【0035】
上記のリン化合物の中では、フェノキシホスファゼンオリゴマーやメトキシフェノキシホスファゼンオリゴマーが溶剤に対する溶解性及び耐加水分解性の面から好ましい。
【0036】
本発明に係るエポキシ樹脂組成物は上記の各成分をミキサーやブレンダー等によって均一に混合した後に、ロールやニーダー等により混練することによって調製することができる。さらに具体的には、各成分を混合分散した後、加熱ロール等で溶融混練し、この混練物を冷却・固化した後、粉砕して粉粒状のものにしたり、あるいは粉砕したものを必要に応じてタブレット状に打錠したりすることができる。なお、成分の配合順については特に制限はない。
【0037】
上記のようにしてエポキシ樹脂組成物を調製するにあたって、エポキシ樹脂及び硬化剤の総量100質量部に対して、変性フェノール生成物を5〜200質量部、ベンゾオキサジン化合物を10〜150質量部配合するのが好ましい。変性フェノール生成物が5質量部よりも少ないと密着性が悪くなるおそれがあり、逆に200質量部よりも多いとTgや熱時剛性が低下するおそれがある。ベンゾオキサジン化合物が10質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が十分でないおそれがあり、逆に150質量部よりも多いと硬化物が硬くなり過ぎて密着性の低下を招くおそれがある。
【0038】
またシリコーン樹脂を用いる場合、その配合量は変性フェノール生成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物の総量100質量部に対して2〜20質量部であることが好ましい。シリコーン樹脂の配合量が2質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が十分でないおそれがあり、逆に20質量部よりも多いと密着性の低下を招くおそれがある。
【0039】
また亜鉛化合物を用いる場合、その配合量は変性フェノール生成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物の総量100質量部に対して0.5〜10質量部であることが好ましい。亜鉛化合物の配合量が0.5質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が十分でないおそれがあり、逆に亜鉛化合物を10質量部より多く配合してもそれ以上の難燃性向上の効果は認められない上に、誘電率の上昇を招くおそれがある。
【0040】
さらにリン化合物を用いる場合、その配合量は変性フェノール生成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物の総量100質量部に対して2〜40質量部であることが好ましい。リン化合物の配合量が2質量部よりも少ないと難燃性向上の効果が少ないおそれがあり、逆に40質量部よりも多いとTg等の物性低下が激しくなるおそれがある。
【0041】
本発明に係るプリプレグは、上記のように調製されるエポキシ樹脂組成物を基材に含浸させた後に、基材中のエポキシ樹脂組成物を加熱乾燥させ、Bステージ状態にまで半硬化させることによって製造することができる。
【0042】
プリプレグを製造するにあたっては、有機溶媒にエポキシ樹脂組成物を溶解させて樹脂ワニスを調製し、この樹脂ワニスを基材に含浸させるようにしてもよい。有機溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、ケトン、ホルムアミド、アルコール類を用いることができる。
【0043】
基材としては、ガラスクロス、アラミドクロス、ポリエステルクロス、パルプ紙、リンター紙等を用いることができる。
【0044】
そしてプリプレグは、例えば樹脂ワニス中に基材を浸漬させるなどして基材に樹脂ワニスを含浸させて付着させた後に、基材中のエポキシ樹脂組成物を加熱乾燥させ、Bステージ状態にまで半硬化させることによって製造することができる。このようにして製造されたプリプレグの樹脂成分の含有量は、特に限定されるものではないが、全体の30〜70質量%とするのが好ましい。また、樹脂ワニスを基材に含浸させる際に、樹脂ワニスを25〜35℃に保つと、樹脂ワニスの安定性が保持されて基材への含浸性を一定にすることができ、積層板の特性を良好にすることができるものである。樹脂ワニスを含浸した基材は、好ましくは80〜180℃の温度で加熱乾燥させるものである。この加熱乾燥が不十分であると、プリプレグの表面部分のみが乾燥し、溶媒がプリプレグの内部に残留することとなり、プリプレグの表面と内部との間で樹脂成分の濃度差に起因する歪が生じ、プリプレグの表面に微細なクラックが発生するおそれがある。逆に過度の加熱乾燥をすると、プリプレグの表面では乾燥過程において急激な粘度変化が起こるためにプリプレグの表面に筋ムラや樹脂垂れが発生し、金属張積層板などの積層板において金属箔とプリプレグとの密着性にムラが生じ、その結果、金属箔の引き剥がし強さ、半田耐熱性、誘電特性に大小、強弱のムラが発生するおそれがある。
【0045】
本発明に係る積層板は、上記のプリプレグを1枚又は複数枚重ね合わせ、これを加熱加圧して積層成形することによって製造することができる。このとき1枚又は複数枚重ね合わせたプリプレグの片面又は両面に金属箔を配置し、これを加熱加圧して積層成形することによって、片面又は両面金属張積層板を製造することもできる。金属箔としては、特に限定されるものではないが、例えば銅箔やアルミニウム箔等を用いることができる。加圧は、金属箔とプリプレグとの接合のため及び積層体の厚みの調整のために行うものであり、その条件は特に限定されるものではなく必要に応じて適宜選択することができる。例えば加熱加圧の条件として、圧力を4.90MPa(50kg/cm2)、加熱温度を150〜300℃、時間を10〜60分間程度とすることができる。
【0046】
このようにして得られた金属張積層板などの積層板は、ベンゾオキサジン化合物によってハロゲンを含有することなく難燃化が達成されており、またこのようにベンゾオキサジンを使用していてもエポキシ樹脂及び変性フェノール生成物によって得られる特性は損なわれず、誘電特性等の高周波特性を高く得ることができるものであり、しかも半田耐熱性を左右する耐熱性、接着強度の強弱に起因するスルーホールやパンチング等の加工性、エッチング性に起因する回路形成の信頼性も優れたものとなる。
【0047】
なお、本発明に係るエポキシ樹脂組成物は、溶媒に溶解させて樹脂ワニスとし、この樹脂ワニスをガラスクロス等の基材に含浸させた後に乾燥させることによってプリプレグを製造するという使用例に限定されるものではない。すなわち、例えばキャスティング法によって本発明に係るエポキシ樹脂組成物から、基材を含まない樹脂シートを作製し、この樹脂シートをプリプレグに代用して積層板などを製造することもできる。キャスティング法は、例えば樹脂ワニスをポリエステルフィルムやポリイミドフィルムなどの、樹脂ワニスの溶媒に不溶性のシートの表面に5〜700μmの厚みに塗布し、これを十分に乾燥させることによって行うことができる。このキャスティング法は、ブレンドした樹脂を熱溶融する押出成形によって樹脂シートを作製する方法よりも、比較的低温でより容易に樹脂シートを作製することができるという点で優れている。ここで、樹脂ワニスをキャスティングする溶媒に不溶性のシートとしては、離型剤で表面処理したものを用いると剥離が容易になるので実際的である。
【0048】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。
【0049】
(変性フェノール生成物溶液の調製)
トルエン100質量部に高分子PPEとして数平均分子量Mn=20000の日本G.E.プラスチック(株)製、品番「640−111」を100質量部、過酸化ベンゾイルを5質量部、ビスフェノールAを6質量部添加し、90℃にて60分間攪拌し、再分配反応させることによって、PPEで変性された変性フェノール生成物からなるPPE溶液を得た。この溶液をゲル浸透クロマトグラフ(カラム構成:東ソー(株)製「SuperHM−M」(1本)+「SuperHM−H」(1本))にて分子量分布を測定したところ、数平均分子量は2300であった。
【0050】
(含浸用樹脂ワニスの調製)
上記の変性フェノール生成物以外に、樹脂ワニスを調製する際に用いた原材料は次の通りである。
【0051】
エポキシ樹脂として、多官能エポキシ樹脂である日本化薬(株)製「EPPN501H」(エポキシ当量170)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂である大日本インキ化学工業(株)製「エピクロン850S」(エポキシ当量180)を用いた。
【0052】
ベンゾオキサジン化合物として、下記式[化2]で表される二官能ベンゾオキサジンである四国化成工業(株)製「B−a型ベンゾオキサジン」を用いた。
【0053】
【化2】
【0054】
未変性のPPO樹脂として、日本G.E.プラスチック(株)製「640−111」を用いた。
【0055】
硬化剤としてジアミノジフェニルメタンを、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾールを、溶媒としてトルエンを用いた。
【0056】
シリコーン樹脂として、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製「HU−119」及びGE東芝シリコーン(株)製「XC99−B5664」を用いた。
【0057】
亜鉛化合物として、酸化亜鉛(試薬、平均粒径0.5μm)、炭酸亜鉛(堺化学製、平均粒径0.04μm)、ホウ酸亜鉛(堺化学製、平均粒径0.04μm)を用いた。
【0058】
リン化合物として、フェノキシトリルオキシホスファゼンであるケミプロ化成(株)製「KD−302S」を用いた。
【0059】
(実施例1及び7〜9)
表1に示した成分をセパラブルフラスコに入れ、これを室温で30分間攪拌して空冷を行うことによって、25℃の樹脂液を得た。これを実施例1及び7〜9の樹脂ワニスとした。
【0060】
(実施例2〜6)
表1に示した成分をセパラブルフラスコに入れ、これを室温で30分間攪拌して空冷を行うことによって、25℃の樹脂液を得た。さらにこの樹脂液に亜鉛化合物を加え、これをディスパーで1000〜1500rpmにて5分間攪拌した。その後、バスケットミルで1時間攪拌することによって、実施例2〜6の樹脂ワニスを得た。
【0061】
(比較例1及び2)
表1に示した成分をセパラブルフラスコに入れ、これを室温で30分間攪拌して空冷を行うことによって、25℃の樹脂液を得た。これを比較例1及び2の樹脂ワニスとした。
【0062】
(評価方法)
上記のようにして得た樹脂ワニスをガラスクロス(単重107g/m2、厚み0.1mm)に含浸してプリプレグ(樹脂量45質量%)を製造し、このプリプレグを8枚重ねた後、温度200℃、圧力2.99MPa、時間90分間の硬化条件で加熱加圧して積層成形することによって、性能評価用の積層板を製造した。そしてこの積層板について以下のような物性評価を行った。
【0063】
・難燃性
Underwriters Laboratories の“Test for Flammability of Plastic Materials − UL 94”に従って、上記の積層板から長さ125mm、幅13mmのテストピースを切り出し、このテストピースに対して燃焼挙動のテストを実施した。
【0064】
・誘電率、誘電正接
JIS C6401に従って評価を行った。
【0065】
・ガラス転移温度(Tg)
セイコーインスツルメント社製の粘弾性スペクトロメータ「DMS100」を用いてガラス転移温度を測定した。このとき曲げモジュールで測定周波数10Hzにて測定を行い、室温から280℃までの昇温速度5℃/minの条件で昇温した際の、tanδが極大を示す温度をガラス転移温度とした。
【0066】
以上の物性評価の結果を表1に示す。
【0067】
【表1】
【0068】
表1をみると以下のことが確認される。
【0069】
(実施例1)
変性フェノール組成物、エポキシ樹脂、硬化剤及びベンゾオキサジン化合物をすべて含有するものであり、ベンゾオキサジン化合物を含有していない比較例1に比べて難燃性が向上しており、さらにTgも高くなっている。
【0070】
(実施例2〜5)
実施例1の成分に加えてさらにシリコーン樹脂及び亜鉛化合物を添加したものであり、シリコーン樹脂及び亜鉛化合物を添加していない実施例1よりもさらに難燃性が向上している。
【0071】
(実施例6)
実施例2においてシリコーン樹脂の種類を変更したものであり、これも実施例2〜5と同様の効果を示している。
【0072】
(実施例7及び8)
実施例1及び6の成分に加えてさらにシクロホスファゼン化合物を添加したものであり、シクロホスファゼン化合物を添加していない実施例1よりもさらに難燃性が向上している。
【0073】
(比較例1)
ベンゾオキサジン化合物を含有していないため完全燃焼した。
【0074】
(比較例2)
変性フェノール生成物を用いる代わりに未変性PPOを用いたものであり、この樹脂ワニスは含浸性が悪く、評価できるような積層板を製造することはできなかった。
【0075】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1に係るエポキシ樹脂組成物は、数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ベンゾオキサジン環を含有する化合物とを含有しているので、ベンゾオキサジン環を含有する化合物によってハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができるものであり、また変性フェノール生成物、エポキシ樹脂及び硬化剤によって、金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができるものである。
【0076】
また請求項2の発明は、変性フェノール生成物の数平均分子量が1000〜3000であるので、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が増大することがなくなってプリプレグを製造する際に基材に含浸させにくくなることがなく、またエポキシ樹脂組成物の硬化物の機械的強度や耐熱性が低下しないようにすることができるものである。
【0077】
また請求項3の発明は、エポキシ樹脂と相溶するシリコーン樹脂及び亜鉛を含有する化合物を含有しているので、難燃性をさらに向上させることができるものである。
【0078】
また請求項4の発明は、亜鉛を含有する化合物として、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛のうちの少なくとも1種以上のものを用いているので、難燃性向上の効果を一層高く得ることができるものである。
【0079】
また請求項5の発明は、リン化合物を含有しているので、難燃性をさらに向上させることができるものである。
【0080】
また請求項6に係るプリプレグは、請求項1乃至5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して半硬化させているので、ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができるものであり、また金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができるものである。
【0081】
また請求項7に係る積層板は、請求項6に記載のプリプレグを所定枚数加熱加圧して積層成形しているので、ハロゲン化合物を使用することなく要求される難燃化を達成することができるものであり、また金属箔に対する接着強度や耐熱性を高めることができると共に、高周波特性の指標である誘電率や誘電正接を低下させて電気特性を向上させることができるものである。
Claims (7)
- 数平均分子量10000〜30000の高分子ポリフェニレンエーテルとフェノール性化合物とをラジカル開始剤の存在下で再分配反応させて得られる変性フェノール生成物と、エポキシ樹脂と、硬化剤と、ベンゾオキサジン環を含有する化合物とを含有して成ることを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 変性フェノール生成物の数平均分子量が1000〜3000であることを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
- エポキシ樹脂と相溶するシリコーン樹脂及び亜鉛を含有する化合物を含有して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 亜鉛を含有する化合物として、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、ホウ酸亜鉛のうちの少なくとも1種以上のものを用いて成ることを特徴とする請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
- リン化合物を含有して成ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を基材に含浸し、加熱乾燥して半硬化させて成ることを特徴とするプリプレグ。
- 請求項6に記載のプリプレグを所定枚数加熱加圧して積層成形して成ることを特徴とする積層板。
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