JPH10185339A - 極低温用蓄冷材,それを用いた冷凍機および熱シールド材 - Google Patents

極低温用蓄冷材,それを用いた冷凍機および熱シールド材

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JPH10185339A
JPH10185339A JP9299113A JP29911397A JPH10185339A JP H10185339 A JPH10185339 A JP H10185339A JP 9299113 A JP9299113 A JP 9299113A JP 29911397 A JP29911397 A JP 29911397A JP H10185339 A JPH10185339 A JP H10185339A
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Masami Okamura
正巳 岡村
Tomohisa Arai
智久 新井
Keisuke Hashimoto
啓介 橋本
Chiyandorateiraka Roohana
チャンドラティラカ ローハナ
Hideki Nakagome
秀樹 中込
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2321/00Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects
    • F25B2321/002Details of machines, plants or systems, using electric or magnetic effects by using magneto-caloric effects

Abstract

(57)【要約】 【課題】冷媒(作動媒質)の圧力損失が小さく十分な冷
凍能力が発揮できる上に、圧力損失を低くする形状に加
工することが容易な極低温用蓄冷材およびそれを用いた
冷凍機を提供する。 【解決手段】希土類元素を含有する磁性粒体4を多孔質
性担体2の空孔部3に充填して成ることを特徴とする極
低温用蓄冷材1である。また多孔質性担体2は、シート
状多孔質金属で構成するとよい。さらに本発明に係る冷
凍機は、上記極低温用蓄冷材1を充填した蓄冷器5を具
備することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は冷凍機等に使用され
る極低温用蓄冷材,それを用いた冷凍機および極低温用
熱シールド材に係り、特に冷媒の圧力損失が小さく十分
な冷凍能力が発揮できる上に、圧力損失を低くする形状
に加工することが容易な極低温用蓄冷材,それを用いた
冷凍機および極低温用熱シールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導技術の発展は著しく、その
応用分野が拡大するに伴って、小型で高性能の冷凍機の
開発が不可欠になってきている。このような冷凍機に
は、軽量・小型で、熱効率の高いことが要求されてい
る。
【0003】例えば、超電導MRI装置やクライオポン
プ等においては、ギフォード・マクマホン方式(GM方
式)やスターリング方式等の冷凍サイクルによる冷凍機
が用いられている。また、磁気浮上列車にも高性能の冷
凍機は必須とされている。さらに最近では、超電導電力
貯蔵装置(SMES)や、高品質のシリコンウェハーな
どを製造する磁場中単結晶引上げ装置などにおいても高
性能な冷凍機が主構成機器として装備されている。さら
に超電導線,超電導素子,赤外線センサーなど、極低温
域で動作する部品材料の温度安定化を図るためにサーマ
ルアンカー,ヒートシンク,熱シールド用の極低温用蓄
冷材が広く使用されている。
【0004】図9は従来の2段式のGM冷凍機の要部構
成を示す断面図である。このGM冷凍機10は、大径の
第1シリンダ11と、この第1シリンダ11と同軸的に
接続された小径の第2シリンダ12とが設置された真空
容器13を有している。第1シリンダ11には第1蓄冷
器14が往復動自在に配置されており、第2シリンダ1
2には第2蓄冷器15が往復動自在に配置されている。
第1シリンダ11と第1蓄冷器14との間、および第2
シリンダ12と第2蓄冷器15との間には、それぞれシ
ールリング16,17が配置されている。
【0005】第1蓄冷器14には、Cuメッシュ等の第
1蓄冷材18が収容されている。第2蓄冷器15には、
極低温用蓄冷材が第2蓄冷材19として収容されてい
る。第1蓄冷器14および第2蓄冷器15は、第1蓄冷
材18や極低温用蓄冷材19の間隙等に設けられたHe
ガス等の作動媒質(冷媒)の通路をそれぞれ有してい
る。
【0006】第1蓄冷器14と第2蓄冷器15との間に
は、第1膨張室20が設けられている。また、第2蓄冷
器15と第2シリンダ12の先端壁との間には、第2膨
張室21が設けられている。そして、第1膨張室20の
底部には第1冷却ステージ22が、また第2膨張室21
の底部には、第1冷却ステージ22より低温の第2冷却
ステージ23が形成されている。
【0007】上述したような2段式のGM冷凍機10に
は、コンプレッサ24から高圧の作動媒質(例えばHe
ガス)が供給される。供給された作動媒質は、第1蓄冷
器14に収容された第1蓄冷材18間を通過して第1膨
張室20に到達し、さらに第2蓄冷器15に収容された
極低温用蓄冷材(第2蓄冷材)19間を通過して第2膨
張室21に到達する。この際に、作動媒質は各蓄冷材1
8,19に熱エネルギーを供給して冷却される。各蓄冷
材18,19間を通過した作動媒質は、各膨張室20,
21で膨張して寒冷を発生させ、各冷却ステージ22,
23が冷却される。膨張した作動媒質は、各蓄冷材1
8,19間を反対方向に流れる。作動媒質は各蓄冷材1
8,19から熱エネルギーを受け取った後に排出され
る。こうした過程で復熱効果が良好になるに従って、作
動媒質サイクルの熱効率が向上し、より一層低い温度が
実現される。
【0008】すなわち、上記のようなGM冷凍機におい
ては、蓄冷材が充填された蓄冷器内を、圧縮されたHe
ガス等の作動媒質が一方向に流れて、その熱エネルギー
を蓄冷材に供給し、ここで膨張した作動媒質が反対方向
に流れ、蓄冷材から熱エネルギーを受け取る。こうした
過程で復熱効果が良好になるに伴って、作動媒質サイク
ルの熱効率が向上し、一層低い温度を実現することが可
能となる。
【0009】上述したような冷凍機に使用される蓄冷材
としては、従来、CuやPb等が主に用いられてきた。
しかし、このような蓄冷材は20°K以下の極低温域で
体積比熱が著しく小さくなるため、上述した復熱効果が
十分に機能せず、極低温を実現することが困難であっ
た。
【0010】そこで、最近では、より絶対零度に近い温
度を実現するために、極低温域において大きな体積比熱
を示すEr3 Ni,ErNi,ErNi2 ,ErRh,
HoCu2 などの、希土類元素と遷移金属元素とから成
る金属間化合物製の磁性蓄冷材を用いることが検討され
ている。
【0011】上記のような磁性蓄冷材は、Heガスなど
の作動媒質との熱交換を効率良く実施するために、通
常、直径が0.1〜0.5mm程度の球状に加工され、磁
性粒体の形状で使用される。上記球状の磁性粒体を充填
した蓄冷器をGM冷凍機に適用することによって、到達
温度が4°Kとなるような冷凍運転が実現している。
【0012】図10は上記のようなGN冷凍機10を用
いた低温保冷装置30の構成例を示す断面図であり、特
に超電導MRI装置,磁気浮上列車,超電導電力貯蔵装
置(SMES)および磁場中単結晶引上げ装置等の主要
部を構成する超電導磁石の保冷装置を示している。
【0013】図10に示す低温保冷装置30は、被冷却
物としての超電導磁石31と、この超電導磁石31を極
低温度に冷却するGM冷凍機10と、超電導磁石31を
囲むように配設された複数の熱シールド材32とを真空
容器33内に配置して構成されている。上記複数の熱シ
ールド材32は、支持材34を介して真空容器33内に
保持されている。また、一旦冷却した被冷却物から冷凍
機10などの冷却手段を熱的に切り離す熱スイッチ35
が設けられている。
【0014】上記熱シールド32としては、厚さが1〜
2mm程度の銅(Cu)板から成るものが広く使用されて
おり、外部からの熱侵入を極力抑制して保冷システム全
体の冷却効率を高めるために、これらの熱シールド材3
2が多層に配設されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように冷凍サイクルが数Hz程度と低い従来のGM冷凍
機と異なり、冷凍サイクルが数10Hzとなるスターリ
ング冷凍機やパルスチューブ冷凍機などのように高速サ
イクル運転を行う冷凍機においては、上記球状の磁性粒
体を充填した蓄冷器での圧力損失が大きくなり、作動媒
質と磁性粒体との間の熱交換が不十分となるため、十分
な冷凍能力を発揮させることが困難となる問題点があっ
た。
【0016】一方、上記蓄冷器における圧力損失を低減
する対策として磁性蓄冷材の形状を、多数の透孔を穿設
したパンチングプレート状,リボン状の蓄冷材をロール
状に巻回したもの,メッシュ状の蓄冷材を多層に積層し
た積層スクリーン状に加工して用いる方法も試行されて
いた。
【0017】しかしながら、前記磁性蓄冷材は、金属間
化合物に特有な脆性が顕著であるため、穿孔加工や曲げ
加工が困難であり、蓄冷材の形状によって蓄冷器におけ
る圧力損失を低減することは実質的に不可能であった。
【0018】一方、銅製の熱シールド材を用いた従来の
低温保冷装置において、冷凍機が停止した場合やヘリウ
ム(He)などの低温液化ガスが蒸発した場合には、低
温度での銅の比熱が小さいために熱シールド材が短時間
に温度上昇し、外部からの熱侵入を抑制する効果が喪失
してしまう問題点がある。
【0019】また、最近では、一旦冷却した被冷却物か
ら冷却手段を切り離し、コンパクトな使用状態で超電導
磁石などの被冷却物を運転するシステムも検討されてい
る。しかしながら、上記銅などの従来の金属材のみから
成る熱シールド材では比熱が小さいために保冷効果も小
さく、被冷却物を長時間に亘って低温度に保持すること
が困難になるという問題点があった。
【0020】上記対策として、特に極低温域において大
きな比熱を示すEr3 Ni,ErNi,HoCu2 など
の希土類元素および遷移金属元素を含む金属間化合物か
ら成る磁性蓄冷材を熱シールド材の構成材料とすること
を本願発明者らは考えていた。しかしながら、上記のよ
うな磁性蓄冷材は、一般に脆性材料であるため、熱シー
ルド材に用いられるような大きさの板材形状に加工する
ことが極めて困難であるという問題点があった。
【0021】また、超電導コイルのような被冷却物に対
しては、図10に示すような円筒形状の熱シールド材が
好適ではあるが、脆性材料である磁性蓄冷材を円筒形状
ないし曲面形状に加工することは、平板形状に比較して
さらに困難であるという問題点があった。
【0022】一方、Ndなどの希土類元素単体から成る
磁性蓄冷材は、上記の金属間化合物から成る磁性蓄冷材
と比較してやや比熱特性は劣る。またCuなどの通常の
金属と比較して、極低温域で比較的に大きな比熱を有す
るとともに、板状に加工することが可能である。しかし
ながら、一般に熱シールド材は比較的に大面積形状で使
用される場合が多く、しかも熱シールド材自体に大きな
荷重が作用する条件で使用される。ところが、Ndなど
の希土類元素の単体から成る熱シールド材では構造強度
が不十分であり、そのまま熱シールド材に適用すること
は不可能であった。
【0023】本発明は上記課題を解決するためになされ
たものであり、特に冷媒(作動媒質)の圧力損失が小さ
く十分な冷凍能力が発揮できる上に、圧力損失を低くす
る形状に加工することが容易な極低温用蓄冷材およびそ
れを用いた冷凍機を提供することを第1の目的とする。
【0024】また本発明は、熱の侵入を効果的に抑制す
ることができ、任意の形状に加工することが容易で構造
強度に優れた熱シールド材を提供することを第2の目的
とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る極低温用蓄冷材は、希土類元素を含有
する磁性粒体を多孔質性担体の空孔部に充填して成るこ
とを特徴とする。また、多孔質性担体は、シート状多孔
質金属またはメッシュ状金属で構成するとよい。さら
に、多孔質性担体の空孔率が90%以上が好ましい。ま
た多孔質性担体は発泡金属で構成するとよい。さらに、
多孔質性担体はシート状に形成するとともに、多孔質性
担体の少なくとも一方の表面に複数の凸部を形成すると
よい。
【0026】また、本発明に係る極低温用蓄冷材は、希
土類元素を含有する磁性粒体を結合剤,溶剤,分散剤お
よび可塑剤とともに混合して均一なスラリーを調製し、
得られたスラリーをシート状に成形することにより磁性
粒体を相互に接合して形成してもよい。さらに上記磁性
粒体から成るシート状成形体に多数の通気孔を穿設する
とよい。
【0027】本発明に係る冷凍機は、上記希土類元素を
含有する磁性粒体を多孔質性担体の空孔部に充填して成
る極低温用蓄冷材を充填した蓄冷器を具備することを特
徴とする。
【0028】また上記シート状に成形した極低温用蓄冷
材は、ロール状に巻回された状態で蓄冷器内に充填して
もよい。さらに極低温用蓄冷材は多数の通気孔を有する
プレート状の蓄冷材要素から成り、この複数の蓄冷材要
素が蓄冷器の軸方向に多段に積層された状態で充填され
る構造でもよい。
【0029】本発明に係る極低温用熱シールド材は、上
記のように調製した極低温用蓄冷材を、この極低温用蓄
冷材とは異なる材料から成る補強部材に一体に接合した
ことを特徴とする。
【0030】上記補強部材はCu,Al,Fe,Niか
ら選択される少なくとも1種の金属材料またはその金属
材料を主成分とする合金から構成するとよい。また極低
温用蓄冷材は、磁性粒体を結合剤とともに多孔質性担体
の空孔部に充填して形成されたシート状の蓄冷材である
ことを特徴とする。さらに極低温用蓄冷材と補強部材と
を上記結合剤によって接合するとよい。
【0031】本発明で使用される磁性粒体としては、例
えば
【数1】一般式:RM ……(1) (式中、RはY,La,Ce,Pr,Nd,Pm,S
m,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,Tmおよび
Ybから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を示し、
MはNi,Co,Cu,Ag,Al,Ru,Inおよび
Rhから選ばれる少なくとも1種の金属元素を示し、z
は原子比で0.001〜9.0の範囲の数を示す。以下
同じ)で表わされる希土類元素を含む金属間化合物や、
Ndなどの希土類元素単体から成る磁性粒体が挙げられ
る。
【0032】上記磁性粒体は、所定組成の母合金を機械
的に粉砕して調製することができる。また、所定量の希
土類元素を含有した金属溶湯または希土類元素溶湯を遠
心噴霧法,回転円板法(RDP法),イナートガスアト
マイズ法,単ロール法,双ロール法などの溶湯急冷法に
よって処理して調製することもできる。上記磁性粒体の
形状は、不定形,球形など任意の形状で構わない。
【0033】また磁性粒体の粒径が5mmを超えると、多
孔質性担体への充填性が損われる。したがって、磁性粒
体の粒径は5mm以下とされるが、より好ましい粒径は1
mm以下の範囲であるが、さらに好ましい粒径範囲は0.
2mm以下である。
【0034】上記磁性粒体を充填する多孔質性担体とし
ては加工性が良好で、かつ安価なNi,Cu,Pb,F
e,ステンレス鋼,Ni合金,Cu合金,Pb合金,F
e合金で形成したものが好ましい。さらに、これらの金
属や合金で形成された本体表面にCrなどのめっき層を
形成したものが使用できる。
【0035】上記多孔質性担体の具体例としては、発泡
金属などの多孔質金属や、金属線材を縦横に織り上げて
形成したメッシュ状金属が挙げられる。
【0036】上記多孔質性担体は、例えば下記の工程に
従って製造できる。すなわち、連続気泡を形成したウレ
タンなどの発泡樹脂に導電処理を施した後に、発泡樹脂
内外表面にNi,Ni−Cr,Ni−Alなどの各種金
属成分を電気めっきし、しかる後に熱処理して樹脂成分
を揮散させると同時に合金化処理を行うことによって、
樹脂部が空孔化した多孔質金属状の担体素材が得られ
る。この担体素材をシート状またはブロック状に加工し
て本発明で使用する多孔質性担体が得られる。
【0037】多孔質性担体の空孔率は、極低温域におい
て体積比熱が大きな磁性粒体をより多量に充填する観点
から、より大きい方が有利である。多孔質性担体の空孔
率は20vol.%以上が好ましく、より好ましくは60vo
l.%以上、さらに好ましくは90vol.%以上が望まし
い。上記多孔質性担体の空孔率は、前記製造工程におけ
る発泡樹脂の発泡度を制御することにより、10〜98
vol.%の範囲で任意に調整することができる。
【0038】上記のように調製した多孔質性担体は、空
孔率の増加に比例して多量の磁性粒体を充填することが
できる。また高い比表面積を有し、空孔は全て連通して
いるため、通気抵抗が少なく圧力損失も微小となる。
【0039】本発明に係る極低温用蓄冷材は、上記のよ
うに調製した多孔質性担体の空孔部に磁性粒体を充填し
て形成される。作動媒質と蓄冷材との熱交換を、主に、
このシート状蓄冷材内部を通過する作動媒質が直接蓄冷
材と熱交換するように設計された蓄冷器に使用する場合
に、磁性粒体を多孔質性担体に充填する割合は、20〜
90%とする。充填割合が20%未満の場合には、作動
媒質の流路(通気)抵抗は小さいが磁性粒体による蓄冷
効果が不十分となる。一方、充填割合90%を超えると
作動媒質の流路抵抗が過大となるため蓄冷器の圧力損失
が大きくなり蓄冷効果が減少する。
【0040】なお、ここで充填割合は、後述するような
ロール加工などで最終的に厚さ調整が終了したシート状
の蓄冷材の全体積(多孔質性担体を含む)に占める磁性
蓄冷材粒体の体積の割合で定義する。
【0041】また、作動媒質と蓄冷材との熱交換を、シ
ート状蓄冷材内部を通過する作動媒質によるのではな
く、流路抵抗が低いシート状蓄冷材の表面を通過する作
動流体が主に蓄冷材と熱交換するように設計された蓄冷
器(ギャップ蓄冷器)に使用する場合には、磁性粒体の
充填割合は60〜92%の範囲とする。なお、65〜8
8%の範囲が好ましく、さらには、70〜85%の範囲
がより好ましい。充填割合が小さい場合には、磁性粒体
による蓄冷効果が減少する一方、充填割合が大きすぎる
と、充填時に加わった応力などにより磁性粒体に歪みが
加わり特性が劣化する。
【0042】多孔質性担体の表面または磁性粒体の表面
にポリビニルアルコール(PVA)などの熱可塑性樹脂
またはエポキシ樹脂やポリイミドなどの熱硬化性樹脂な
どを結着剤として付着させることにより、磁性粒体と多
孔質性担体との結合強度を高めることが可能となり、振
動等によって磁性粒体が脱落することが少なくなり、構
造強度が優れた極低温用蓄冷材が得られる。
【0043】多孔質性担体に磁性粒体を充填して複合化
する方法としては、例えば、前記溶湯急冷法または機械
的粉砕法によって調製した磁性粒体に結着剤と溶媒とを
配合して泥漿状のペーストを調製し、このペーストを前
記のように調製した多孔質金属やメッシュ状金属などの
多孔質性担体中に均一に充填した後に、減圧雰囲気中で
温度100〜140℃で0.5〜2.0時間乾燥して溶
媒成分を除去する方法が採用できる。
【0044】このように磁性粒体(粉末)を充填した多
孔質性担体を、さらにプレス加工したり、圧延加工した
りすることにより、磁性粒体と多孔質性担体との結合強
度が高められるとともに、シート状に形成した極低温用
蓄冷材の厚さを調整することが可能となる。
【0045】上記シート状の極低温用蓄冷材の厚さは、
巻回したり、折り曲げて所定形状に加工する容易性を確
保するために0.01〜2mmの範囲とする。なお、0.
05〜1.0mmの厚さの範囲が好ましく、さらに0.1
〜0.5mmの範囲がより好ましい。
【0046】また、磁性粒体を充填した多孔質性担体
を、表面に凹凸を有するエンボス加工用ロールを用いて
シート状に圧延加工することによって、多孔質性担体表
面に複数の凸部を形成することができる。この凸部を形
成した多孔質性担体を巻回して円柱状の極低温用蓄冷材
を形成すると、隣接するシート状多孔質性担体が密着せ
ずに凸部によって相互に隔離される。そのため、前記ギ
ャップ蓄冷器に適用した場合には、この隔離部の空間を
通ってHeガスなどの作動媒質(冷媒)を円滑に流通さ
せることができ、作動媒質の圧力損失が極めて小さくな
る。
【0047】さらに上記多孔質金属やメッシュ状金属な
どの多孔質性担体の構成材料となる遷移金属や各種合金
として、特に前記一般式RMから成る磁性蓄冷材と比
較して低温度域における熱伝導度が高いものを選択でき
る。このようにすることで熱浸透深さが小さくなるよう
な高速サイクル運転を実施するスターリング冷凍機やパ
ルスチューブ冷凍機に、上記多孔質性担体と磁性粒体と
から成る本願の極低温用蓄冷材を使用した場合において
も、多孔質性担体の深部に充填された磁性粒体に対し
て、多孔質金属やメッシュ状金属による伝熱作用が十分
に発揮され、磁性粒体と担体と作動媒質との間の熱交換
が迅速に行なわれる。
【0048】一方、蓄冷器の設計によっては、蓄冷器の
高温側から低温側への熱伝導を低くしたい場合がある。
そのような場合には、多孔質性担体の構成材料となる遷
移金属や各種合金として、上記とは逆に、例えばステン
レス鋼のように、低温領域における熱伝導度が低い材料
を用いるのが好ましい。このような選択は、冷凍機およ
び蓄冷器の設計によってどちらも採り得るものである。
【0049】上記磁性粒体を充填した多孔質性担体を蓄
冷器内に装填する場合には、ロール状に巻回したり、シ
ートを適当な形状に切り出したものを用いることができ
る。ロール状に加工する場合には、幅の狭いものを複数
個積層し蓄冷器内に装填することも可能である。シート
状のものを用いる場合には、その平面を作動媒質の流れ
方向に対しほぼ平行に装填する場合と直交するように装
填する場合とが考えられる。直交するように装填する場
合には、作動媒質の流路を確保するため、穿孔を施した
り、磁性粒体の充填密度が低いものを用いる必要があ
る。
【0050】上記構成に係る極低温用蓄冷材によれば、
通気抵抗が少なく、加工性が良好な多孔質性担体の空孔
部に磁性粒体を充填して形成されており、脆性が高い磁
性粒体は変形が容易な多孔質性担体に担持される構造を
有する。したがって、磁性粒体を圧力損失が小さくなる
形状に加工することが極めて容易である。そのため、ス
ターリング冷凍機やパルスチューブ冷凍機などのように
高速サイクル運転を行う冷凍機用の蓄冷材として使用し
た場合にも、圧力損失が小さく熱交換効率が高い運転が
可能となり、冷凍能力が高い冷凍機が実現できる。
【0051】また、上記磁性粒体の粉砕粉を種々の成形
法によってシート状またはプレート状に成形してそれぞ
れシート状またはプレート状の極低温用蓄冷材を製造す
ることも可能である。すなわち、前記のように調製した
磁性粒体を平均粒径が数μm(粒径が50μm以下の粒
子数が70%以上)となるように粉砕し、得られ粉末に
バインダー(結合剤),溶剤,分散剤,可塑剤などを必
要に応じて添加して均一に混合しスラリーを調製する。
【0052】上記バインダーとしては、特に限定される
ものではないが、ポリアクリレート,ポリメタクリレー
ト,セルローズアセテート,ポリビニルブチラール,ポ
リビニルアルコール(PVA),ポリビニルブチラール
(PVB),メチルセルロース,ポリエチレングリコー
ル,カルボキシメチルセルロースなどが使用できる。溶
剤としては、アセトン,トルエン,トリクレン,エチル
アルコール,酢酸エチル,水などが使用できる。分散剤
としては、グリセリントリオレート,アリルスルホン
酸,リン酸塩類,各種界面活性剤等が使用できる。ま
た、主としては、成形体の柔軟性および加工性を改善す
るために添加する可塑剤としては、オクチルフタレー
ト,ブチルベンジルフタレート,グリセリン,ポリエチ
レングリコール,サクローズアセテートイソブチレー
ト,ジブチルフタレート,ジイソデシルフタレートなど
が使用できる。
【0053】次に得られたスラリーを、例えば金属板;
プラスチックフィルム表面上にコーティングしてシート
状に成形したり、またスラリーをプレート状に成形す
る。成形法は特に限定されるものではないが、ドクター
ブレード法,ロール成形法,グラビアコーティング法な
どが使用できる。シート状またはプレート状に成形され
た蓄冷材は、必要に応じて加熱処理を加えて、バインダ
ー,溶剤などを揮散せしめ乾燥させる。
【0054】上記のように形成したシート状蓄冷材は、
従来の高脆性を有する蓄冷材とは異なり、種々の形状に
変形させることが可能である。例えば、シート状蓄冷材
をロール状に巻回して、冷凍機の蓄冷器内に充填するこ
とにより、通気抵抗が少ない極低温用蓄冷材としての機
能を発揮させることができる。ここで上記シート状蓄冷
材の巻き方を変えることにより、その通気抵抗を自在に
変えることが可能である。特に通気抵抗が小さくなるよ
うに形態を変えることが可能であるため、高速サイクル
運転を行う冷凍機用の蓄冷材として有用である。
【0055】また前記スラリーをコーティングせずに、
直接乾燥させた後に、プレス成形しプレート状の蓄冷材
として使用することも可能である。すなわち、上記プレ
ート状の蓄冷材を厚さ方向に貫通する多数の通気孔を穿
設し、このプレート状の蓄冷材を蓄冷器内に微少なスペ
ーサーを介して多段に積層配置することにより、冷却媒
体(Heガス)の流れが均一であり、通気抵抗が小さい
蓄冷材が得られる。
【0056】上記通気孔の断面形状は、特に限定される
ものではないが、ドリル加工が容易な円形が好適であ
る。この場合、通気孔の直径は、10μm〜1mmの範囲
とされるが、20μm〜300μmの範囲が特に好まし
い。また通気孔の断面形状が円形以外の場合において
も、上記円形に相当する断面積を有することが好まし
い。さらに上記通気孔の配設間隔は、20μm〜2mmに
設定されるが、30〜400μmの範囲がさらに好まし
い。またプレート状蓄冷材の厚さは0.5〜5mm程度が
好ましい。
【0057】前記シート状蓄冷材をロール状に巻回した
蓄冷材を蓄冷器内に収容した場合には、ロールの中心付
近の空隙部を冷却媒体としてのHeガスが集中して流れ
るため、冷却媒体全体としての流れが不均一になる傾向
もある。しかしながら、上記のようにプレート状の多孔
蓄冷材を多段に配置した場合には、冷却媒体の流れが均
一になり、蓄冷効果をさらに高めることが可能となる。
なお、通気抵抗は上記通気孔の直径や配設ピッチを変え
ることにより、任意に調整できる。また上記プレート状
の多孔蓄冷材を多段に配置した場合には、従来の球状の
磁性粒子を同一の充填割合で充填した場合と比較して
も、より通気抵抗を小さくすることができ、冷凍機のよ
り高速度のサイクル運転が可能になる。
【0058】一方、本発明に係る熱シールド材は、前記
のように調製した極低温用蓄冷材を、この極低温用蓄冷
材とは異なる材料から成る補強部材に一体に接合して形
成される。
【0059】上記極低温用蓄冷材は、例えば下記のよう
な手順で調製される。まず、前記組成を有する磁性粒体
を粉砕して得た磁性蓄冷材粉末に結合剤(バインダ
ー),溶媒等と混合してスラリーを調製する。次に、得
られたスラリーを前記多孔質性担体の空孔部に充填した
後に、溶媒成分を蒸発せしめ、シート状磁性蓄冷材を形
成する。
【0060】ここで、上記溶媒成分を蒸発させるために
は、加熱操作または減圧操作を行うことが有効である。
また多孔質性担体としては、発泡金属などの多孔質性金
属の他に、繊維状金属から構成したメッシュ状金属等を
使用することができる。さらに多孔質性担体の構成材と
しては、Ni,Cu,Pb,Fe,Al,Ni合金,C
u合金,Pb合金,Fe合金,Al合金,ステンレス鋼
などの金属材料が好適である。
【0061】また多孔質金属またはメッシュ状金属の空
孔率は、比熱の大きな磁性蓄冷材をより多く充填できる
ようにするため、大きい方が有利である。具体的には空
孔率は20vol.%以上に設定されるが、60vol.%以上
が好ましく、さらに85vol.%以上がより好ましい。
【0062】上記の多孔質金属またはメッシュ状金属を
構成する遷移金属や合金は、一般の金属材と比較して低
温度における熱伝導度が大きい。したがって、冷凍機か
らの伝導伝熱のみで被冷却物を冷却する場合において
も、多孔質金属またはメッシュ状金属による伝熱効率が
高く、シート状蓄冷材内部に充填した磁性蓄冷材まで効
率良く冷却することが可能である。
【0063】また上記磁性蓄冷材粉末と多孔質性担体と
を結合する結合剤(バインター)は、特に限定されない
が、ポリビニルアルコール(PVA),カルボキシメチ
ルセルロース(CMC)などの熱可塑性樹脂,エポキシ
樹脂,ポリイミドなどの熱硬化性樹脂が好適に使用でき
る。
【0064】さらに極低温用蓄冷材として、下記のよう
に溶湯急冷法によって調製した蓄冷材や切断加工や圧延
加工した蓄冷材を使用することも可能である。すなわ
ち、所定組成で溶解した溶湯を、単ロール法,双ロール
法,遠心噴霧法などの溶湯急冷法を用いて処理して、薄
片(フレーク)状,針状,粉末状などに加工した磁性蓄
冷材を用いることもできる。この場合、薄片の厚さや針
状,粉末状の蓄冷材の直径が約0.4mm以下と薄くなる
ので、複数の薄片等を厚さ方向に接着剤(結合剤)を介
して重ね合せて使用することもできる。また、Ndなど
の希土類元素単体から成る磁性蓄冷材の場合には、その
インゴットを切断したり、または圧延処理して板状に加
工したものを使用することが可能である。
【0065】上記磁性蓄冷材のうち、特に金属間化合物
から成る磁性蓄冷材は、一般に脆性材料であるため、工
業的な規模で板状に加工することは困難である。しかし
ながら、比較的に小さな面積の板やチップ状に形成する
場合には、インゴットを切断する方法,インゴットを粉
砕し、その粉砕粉を焼結する方法により製造することが
可能である。
【0066】この場合、各磁性蓄冷材の面積は、1〜1
000cm2 の範囲とすることが好ましい。この面積が1
000cm2 を超えるような広大な板状の磁性蓄冷材で
は、特に加工が困難になるとともに機械的強度が小さい
ため、熱シールド材への組立工程および運転中に破損す
るおそれがある。一方、面積が1cm2 未満の板やチップ
状の磁性蓄冷材で大きな面積を有する被冷却物を覆うと
隣接する磁性蓄冷材の継ぎ目が多くなり、熱シールド効
果が低下してしまう。したがって、各磁性蓄冷材の面積
は1〜1000cm2 の範囲とされるが、2〜500cm2
がより好ましく、さらに3〜100cm2 の範囲がより好
ましい。また各磁性蓄冷材の厚さは0.5〜50mmの範
囲が好適である。
【0067】上記磁性蓄冷材を一体に接合する補強部材
は、それ自身による熱シールド効果の他に、大きな形状
に加工できない磁性蓄冷材や十分な構造強度を持たない
磁性蓄冷材を支持し補強する機能を有する。上記の補強
部材の構成材料としては、Ni,Cu,Fe,Al,N
i合金,Cu合金,Fe合金,Al合金,ステンレス鋼
などの金属材料の他に、エポキシ樹脂や繊維強化プラス
チック(FRP)などを使用することができる。上記構
成材料のうち、特に低温域での熱伝導度が大きい観点か
ら、Cu,Al,Cu合金,Al合金が好適である。ま
たステンレス鋼などのFe系金属材は安価な点から好ま
しい。
【0068】上記補強部材に各種磁性蓄冷材を一体に接
合して本発明に係る極低温用熱シールド材が形成され
る。ここで、前記磁性粒体を多孔質性担体の空孔部に充
填したシート状磁性蓄冷材を補強部材に接合する接着剤
として、磁性粒体を多孔質性担体に接合するために用い
た結合剤(バインダー)を使用することも可能である。
【0069】すなわち、磁性粒体に結合剤と溶剤等とを
混合して調製したスラリーを多孔質性担体の空孔部に充
填し、溶媒成分を蒸発させる前の状態にあるシート状磁
性蓄冷材を補強部材に接触させて固定した状態で乾燥す
ることにより、磁性粒体と多孔質性担体とを接合してい
る結合剤(バインダー)により、同時にシート状磁性蓄
冷材と補強部材とを一体に接合することができる。
【0070】また、磁性蓄冷材と補強部材との密着性を
高め熱抵抗を下げると同時に両部材の接合強度を高める
ために、磁性蓄冷材を補強部材にねじ止めしたり、ベル
トやワイヤーを用いて磁性蓄冷材の外側から結束するこ
とも有効である。
【0071】上記構成に係る熱シールド材によれば、任
意の形状に加工することが容易であり、被冷却物を長時
間に亘って低温度に維持することが可能な熱シールド材
が得られ、特に超電導線,超電導素子,赤外線センサー
など、極低温域で動作する機器の温度安定性を大幅に向
上させることができる。
【0072】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について以
下に示す実施例を参照して、より具体的に説明する。
【0073】実施例1 まず、高周波溶解によりErNi母合金を作成した。次
に、このErNi母合金を機械的に粉砕して200メッ
シュ以下の合金粉末とした。次に得られたErNi合金
粉末に、結合剤としてのポリビニルアルコールを4重量
%濃度で溶解した水溶液を、合金粉末重量の25%の割
合で添加し均一に混練して泥漿状のペーストを調製し
た。
【0074】一方、厚さが1.6mm,幅が50mm,長さ
が400mm,空孔率が95vol.%のNi製多孔質性担体
(商品名:セルメット,住友電気工業株式会社製)を多
数用意した。
【0075】次に、前記のように調製した泥漿状のペー
ストを、上記各Ni製多孔質性担体の空孔部に均一に充
填した後に、減圧雰囲気(1〜100Torr)中で温度1
20℃で1時間乾燥することにより水分を蒸発せしめ
て、多孔質性担体に結合剤を介してErNi磁性粒体が
付着したシート状蓄冷材を調製した。
【0076】次に得られた各シート状蓄冷材について、
表面に凹凸を有するエンボス加工用ロールを用いて圧延
加工を施すことにより、厚さが0.8mmの実施例1に係
るシート状の極低温用蓄冷材を調製した。
【0077】この実施例1に係るシート状の極低温用蓄
冷材1は、図2に模式的に示すようにNi製多孔質性担
体2の空孔部3に多数の磁性粒体(ErNi合金粉末)
4が充填された組織構造を有する。また各磁性粒体4
は、結合剤としてのポリビニルアルコールを介して多孔
質性担体2と強固に結合している。また、シート状の極
低温用蓄冷材1の表面には、エンボス加工用ロールを用
いた圧延加工によって、高さ0.05mmのバンプ(図示
せず)が形成されている。
【0078】次に得られた各シート状の極低温用蓄冷材
1の端部をスポット溶接して複数のシート状蓄冷材を接
合して、幅が50mmで長尺のリボン状の蓄冷材とした。
次に、得られたリボン状の蓄冷材を巻回してロール状の
極低温用蓄冷材を得た。このロール状の蓄冷材におい
て、隣接するシート状蓄冷材は表面に形成されているバ
ンプ(突起)によって隔離されている。
【0079】そして、上記のようなロール状の極低温用
蓄冷材1を、図1に示すように、内径が25mmで高さが
50mmの蓄冷器5に充填した。この蓄冷器5内における
磁性粒体4の充填割合は73vol.%であった。この蓄冷
器5を3段式パルスチューブ冷凍機の第3段目蓄冷器と
して使用し、10Hzの運転周波数で運転したところ、
10°Kでの冷凍能力として、0.14Wが得られた。
【0080】比較例1 一方、実施例1において用意したErNi合金を融解
し、得られた合金溶湯を遠心噴霧法により分散すると同
時に急冷凝固せしめて球状の磁性粒体を調製した。得ら
れた磁性粒体群を篩分して直径が0.15〜0.18mm
の範囲の球状磁性粒体を選別した。次に選別した磁性粒
体を、図1に示す実施例1で使用した蓄冷器(内径25
mm×高さ50mm)5内に充填した。この蓄冷器5内にお
ける磁性粒体4の充填割合は62vol.%とした。
【0081】そして、球状の磁性粒体を充填した蓄冷器
5を、実施例1と同様にパルスチューブ冷凍機の第3段
目蓄冷器として使用して同一条件で運転したところ、最
低到達温度は10°Kまで至らず16°Kであり、十分
な冷凍能力が得られなかった。
【0082】実施例2 図3は実施例2に係る極低温用蓄冷材1aの形状および
構造を示す斜視図である。この極低温用蓄冷材1aは、
実施例1において調製したシート状蓄冷材の長手方向に
間隔をおいてプレスによる折り曲げ加工を実施して複数
の凸部6を形成して製造したものである。折り曲げ加工
したシート状蓄冷材を、図3に示すように巻回すると、
半径方向に隣接するシート状蓄冷材は凸部6によって隔
離されるため、シート状蓄冷材の幅方向の通気抵抗は小
さくなる。
【0083】実施例2に係る極低温用蓄冷材1aを実施
例1と同様に、図1に示すように蓄冷器5に充填し、パ
ルスチューブ冷凍機の第3段目蓄冷器として使用し同一
条件で運転したところ、10°Kでの冷凍能力として
0.11Wが得られた。
【0084】実施例3 実施例1において、厚さが2.0mm、直径25mm、空孔
率97%のNi製多孔質性担体にErNi磁性粒体を充
填しシート状蓄冷材を調整した。このシート状蓄冷材に
対し、機械加工により直径0.2mmの穴を0.5mm間隔
で多数空けた。この蓄冷材を実施例1と同様の蓄冷器に
充填し、パルスチューブ冷凍機の第3段目蓄冷器として
同一条件で運転したところ、10K°での冷凍能力とし
て0.13Wが得られた。
【0085】上記各実施例に係る極低温用蓄冷材1,1
aにおいては、Heガスなどの作動媒質(冷媒)が隣接
するシート状蓄冷材の間の抵抗の低い流路を通り、シー
ト状蓄冷材表面で熱交換を行う。そのため、高速サイク
ル運転を行った場合でも、圧力損失が少なく、熱交換率
が高いため、優れた冷凍能率を発揮し得ることが判明し
た。
【0086】特に巻回してコイル状に形成するという強
加工を施しても、多孔質性担体が自在に変形するため、
磁性粒体が割れたり損傷することが少なく、圧力損失が
少なくなる形状に加工することが可能になった。
【0087】また実施例1と比較例とにおいて、実施例
1の場合には、圧力損失を増加させることなく蓄冷器に
対する磁性粒体の充填割合を高めることができたので、
冷凍能力に大きな差異が生じたものと考えられる。
【0088】なお上記実施例においては、多孔質性担体
の空孔部に磁性粒体を充填して複合化し、シート状の極
低温用蓄冷材を構成しているが、下記のような方法によ
り担体と磁性粒体とを複合化してシート状の極低温用蓄
冷材を形成することもできる。
【0089】すなわち、Pbなどの軟質金属シート間に
磁性粒体を挟み、プレス加工によって一体化してシート
状の磁性蓄冷材を形成することも可能である。
【0090】また、Ni,Cu,Pb,Alなどの金属
材で形成した袋状部材の内部に磁性粒体を充填した後に
真空引きして封止する、いわゆるキャニングを実施し、
キャニングしたシート状の袋を、さらに圧延加工して金
属材と磁性粒体とを一体化してシート状の磁性蓄冷材と
してもよい。
【0091】さらに、磁性蓄冷材を粒径が数μm程度と
なるように微粉砕し、得られた磁性粉末にバインダーと
溶剤とを添加してスラリーとし、このスラリーを例えば
ドクターブレード法やロール成形法などにより成形して
シート状の成形体とし、このシート状成形体を加熱して
バインダー成分を揮散させてシート状の磁性蓄冷材とし
てもよい。なお、上記シート状成形体に穿孔を施して通
気抵抗が少ないシート状蓄冷材を形成することも可能で
ある。
【0092】さらにPbなどの低融点金属であり、かつ
磁性粒体と反応しない金属を、メカニカルアロイング法
などを用いて磁性粒体表面に被覆した後に、被覆した磁
性粒体をシート状に成形し、得られた成形体を熱処理し
て低融点金属を溶解させ、この低融点金属によって磁性
粒体を相互に強固に結合させることにより、シート状の
磁性蓄冷材を製造することも可能である。
【0093】次に磁性粒子の粉砕粉を成形して形成した
プレート状の極低温用蓄冷材について以下の実施例を参
照して説明する。
【0094】実施例4 高周波溶解によりHoCu2 なる組成の磁性材料の母合
金を調製した。この母合金について、ジョークラッシャ
ー,ハンマーミル,ボールミルを順次使用して粉砕し、
平均粒径が10μmの磁性合金粉末を調製した。この磁
性合金粉末に、合金粉末重量に対してバインダーとして
7重量%のアクリル樹脂と、溶剤として70重量%のメ
タルイソブチルケトン(MIBK)と、可塑剤として
2.8重量%のフタル酸ジブチルとを添加し、アルミナ
ボールとともにポットローラーにて24時間混合して均
一なスラリーを調製した。
【0095】次に得られたスラリーを乾燥させた後に、
#60の篩を通し、粒径を揃えた。この乾燥粉体を金型
に充填し、180kg/cm2 の成形圧力で加圧成形するこ
とにより、直径28mm×厚さ1mmのプレート状の蓄冷材
を成形した。さらに、図4に示すように、このプレート
状蓄冷材に直径100μmの通気孔(スルーホール)6
を200μmピッチで機械的に穿孔した。さらに得られ
た多孔の蓄冷材プレートを窒素ガス雰囲気中で温度70
0℃で2時間脱脂してプレート状の多孔蓄冷材1bとし
た。
【0096】得られた50枚のプレート状の多孔蓄冷材
1bを、各プレート間にテフロン製のメッシュ材をスペ
ーサーとして挿入した状態で、図4に示すような、2段
膨張式パルスチューブ冷凍機の2段目の蓄冷器5aの軸
方向に多段に積層配置して冷凍機を組み立てた。そし
て、この冷凍機を周波数20Hzで運転した結果、最低
到達温度が4.0Kであり、優れた冷凍性能が得られ
た。
【0097】比較例2 実施例4において調製した母合金(HoCu2 )を溶融
せしめ、得られた合金溶湯を遠心噴霧法(RDP)によ
り、急冷凝固せしめて球状の磁性粒子を調製した。得ら
れた磁性粒子を篩分して直径0.15〜0.18mmの球
状磁性粒子を選別した。この磁性粒子を実施例4で用い
たパルスチューブ冷凍機の2段目蓄冷器5a内に充填
し、実施例4と同一条件で冷凍試験を実施した結果、最
低到達温度は13.2Kであった。
【0098】実施例5 高周波溶解によりEr3 Niなる組成の磁性材料の母合
金を調製した。この母合金について、ジョークラッシャ
ー,ハンマーミル,ボールミルを順次使用して粉砕し、
平均粒径が8μmの磁性合金粉末を調製した。この磁性
合金粉末に、合金粉末重量に対してバインダーとして6
重量%のアクリル樹脂と、溶剤として70重量%のメタ
ルイソブチルケトン(MIBK)と、可塑剤として2.
5重量%のフタル酸ジブチルとを添加し、アルミナボー
ルとともにポットローラーにて24時間混合して均一な
スラリーを調製した。
【0099】次に得られたスラリーを用い、ドクターブ
レード法によって成形し、幅60mm×厚さ300μmの
長尺のシート状蓄冷材を調製した。
【0100】次に、このシート状蓄冷材に直径200μ
mの通気孔(スルーホール)を300μmのピッチで機
械的に穿孔した。得られた多孔のシート状蓄冷材を巻回
して直径28mm×高さ60mmのロール状の蓄冷材とした
状態で窒素雰囲気中において温度700℃で2時間脱脂
することにより実施例5に係る極低温用蓄冷材を調製し
た。
【0101】このようにロール状に形成した実施例5に
係る極低温用蓄冷材を、2段膨張式パルスチューブ冷凍
機の2段目蓄冷器に充填して冷凍機を組み立てた。そし
て、この冷凍機を周波数20Hzで運転した結果、最低
到達温度が4.5Kとなり、優れた冷凍性能が得られ
た。
【0102】比較例3 実施例5において調製した母合金(Er3 Ni)を溶融
せしめ、得られた合金溶湯を遠心噴霧法(RDP)によ
り、急冷凝固せしめて球状の磁性粒子を調製した。得ら
れた磁性粒子を篩分して直径0.15〜0.18mmの球
状磁性粒子を選別した。この磁性粒子を実施例5で用い
たパルスチューブ冷凍機の2段目蓄冷器内に充填し、実
施例5と同一条件で冷凍試験を実施した結果、最低到達
温度は17.0Kであった。
【0103】実施例6 Ndの溶湯をArガスアトマイズ法にて分散急冷は磁性
粉体とした。得られた粉体を篩分して粒径100μm以
下の粉体を選別した。次に得られたNd粉末に、結合剤
としてのポリビニルアルコールを2重量%濃度で溶解し
た水溶液を、粉末重量に対して20%の割合で添加し均
一に混練して泥漿状のペーストを調製した。
【0104】一方、厚さが1.6mm,幅が50mm,長さ
が400mm,空孔率が95vol.%のNi製多孔質性担体
(商品名:セルメット,住友電気工業株式会社製)を多
数用意した。
【0105】次に、前記のように調製した泥漿状のペー
ストを、上記各Ni製多孔質性担体の空孔部に均一に充
填した後に、減圧雰囲気(1〜100Torr)中で温度1
20℃で1時間乾燥することにより水分を蒸発せしめ
て、多孔質性担体に結着剤を介してNd磁性粒体が付着
したシート状蓄冷材を調製した。
【0106】次に得られた各シート状蓄冷材について、
表面に凹凸を有するエンボス加工用ロールを用いて圧延
加工を施すことにより圧延し、厚さが0.8mmの実施例
6に係るシート状の極低温用蓄冷材を調製した。
【0107】この実施例6に係るシート状の極低温用蓄
冷材の表面には、エンボス加工用ロールを用いた圧延加
工によって、高さ0.05mmのバンプが形成されてい
る。
【0108】次に得られた各シート状の極低温用蓄冷材
の端部をスポット溶接して複数のシート状蓄冷材を接合
して、幅が50mmで長尺のリボン状の蓄冷材とした。次
に、得られたリボン状の蓄冷材を巻回してロール状の極
低温用蓄冷材を得た。このロール状の蓄冷材において、
隣接するシート状蓄冷材は表面に形成されているバンプ
(突起)によって隔離されている。
【0109】そして、上記のようなロール状の極低温用
蓄冷材を、内径が25mmで高さが50mmの蓄冷器に充填
した。この蓄冷器を2段式パルスチューブ冷凍機の第2
段目蓄冷器として使用し、20Hzの運転周波数で運転
したところ、最低到達温度が6.3Kとなり、優れた冷
凍機性能が得られた。
【0110】比較例4 一方、実施例6において用意したNdを用いて直径50
mm×長さ300mmの丸棒を作成し、得られたNd丸棒を
電極とした回転電極法(REP)によりNd溶湯を分散
すると同時に急冷凝固せしめて球状の磁性粒体を調製し
た。得られた磁性粒体群を篩分して直径が0.15〜
0.18mmの範囲の球状磁性粒体を選別した。次に選別
した磁性粒体を、実施例6で使用した蓄冷器(内径25
mm×高さ50mm)内に充填した。
【0111】そして、球状の磁性粒体を充填した蓄冷器
を、実施例6と同様にパルスチューブ冷凍機の第2段目
蓄冷器として使用して同一条件で運転したところ、最低
到達温度は6.3Kまで至らず18.2Kであり、十分
な冷凍能力が得られなかった。
【0112】次に本発明に係る極低温用熱シールド材に
ついて、以下の実施例に基づいて説明する。
【0113】実施例7 まず、高周波溶解によりHoCu2 母合金を作成した。
次に、このHoCu2母合金を機械的に粉砕して200
メッシュ以下の合金粉末とした。次に得られたHoCu
2 合金粉末に、結合剤としてのポリビニルアルコールを
4重量%濃度で溶解した水溶液を、合金粉末重量の25
%の割合で添加し均一に混練して泥漿状のペーストを調
製した。
【0114】一方、厚さが1.6mm,幅が50mm,長さ
が400mm,空孔率が95vol.%のNi製多孔質性担体
(商品名:セルメット,住友電気工業株式会社製)を多
数用意した。
【0115】次に、前記のように調製した泥漿状のペー
ストを、上記各Ni製多孔質性担体の空孔部に均一に充
填してシート状蓄冷材36aを調製した。
【0116】一方、図5に示すように、厚さが1mmのC
u材から成り、直径200mm×高さ300mmの有底円筒
状の補強部材(第1層用)37aと、直径230mm×高
さ350mmの補強部材(第2層用)37bとを用意し
た。そして前記シート状蓄冷材36aの結合剤が乾燥す
る前に、シート状蓄冷剤36aを、各補強部材37a,
37bの外表面に接着した。すなわち、各シート状蓄冷
材36aとCu製の補強部材37a,37bとの間に
は、上記ペーストがNi製多孔質性担体からしみ出す程
度に過剰に塗布し、ペースト中の結合剤成分であるポリ
ビニルアルコールの接着力によってシート状蓄冷材36
aとCu製の補強部材37a,37bとを一体に接合し
た。さらにシート状蓄冷材36aと補強部材37a,3
7bとの間における熱伝達性を向上させるために、シー
ト状蓄冷材36aを固定ねじ38によってねじ止めし
た。しかる後に、減圧雰囲気下で120℃で1時間乾燥
することにより、図5に示すように、シート状蓄冷材3
6aと補強部材37a,37bとが一体に接合した熱シ
ールド材39a,39bを調製した。
【0117】一方、前記HoCu2 に代えてEr3 Ni
から成る磁性粒体をNi製多孔質担体の空孔部に充填し
て、図5に示すようなシート状蓄冷材36bを調製し
た。さら、図5に示すように、厚さが1mmのCu材から
成り、直径260mm×高さ400mmの有底円筒状の補強
部材(第3層用)37c、直径290mm×高さ450mm
の有底円筒状の補強部材(第4層用)37d、および直
径310mm×高さ500mmの有底円筒状の補強部材(第
5層用)37eを用意した。
【0118】そして各補強部材37c,37d,37e
の外表面に、Er3 Ni磁性粒体を含むシート状蓄冷材
36bを、同様にして一体に接合することにより、それ
ぞれ図5に示すような熱シールド材39c,39d,3
9eを調製した。
【0119】そして上記のように調製した第1層用〜第
5層用の熱シールド材39a〜39eを、図10に示す
低温保冷装置30の熱シールド材として真空容器33内
に同心状に配置して超電導磁石31を冷却するための低
温保冷装置を組み立てた。なお、第6層用から第10層
用の熱シールド材としては、図11に示すような、厚さ
1mmのCu材のみから成る従来の熱シールド材32を同
心的に配置した。
【0120】上記のように組み立てた低温保冷装置30
において、2段冷却式GM(ギフォード・マクマフォ
ン)冷凍機10によって、合計10層の熱シールド材3
9a〜39e,32〜32を冷却した後に、熱スイッチ
35をOFFにしてGM冷凍機10と熱シールト材との
熱接触を切り離した状態で最内層の熱シールド材39a
の表面温度を測定した。その結果、GM冷凍機10の冷
却作用によって4.0Kまで到達した温度が、GM冷凍
機10を切り離した後に、100時間経過した後におい
ても5.0Kであり、優れた熱シールド特性が確認でき
た。
【0121】実施例8 高周波溶解によりHiCu2 合金インゴットを調製し、
このインゴットを機械的に切断後、研削加工を施し、縦
20mm×横20mm×厚さ3mmのチップ状の磁性蓄冷材を
多数調製した。
【0122】一方、実施例7で使用した第1層用および
第2層用の補強部材37a,37bと同一寸法の有底円
筒状の補強部材を用意した。そして上記チップ状磁性蓄
冷材のうち、上記補強部材の側面に接合するためのチッ
プ状磁性蓄冷材に対しては、補強部材の側面の曲率に合
致するように曲面形状に仕上げ加工を施した。一方、補
強部材の底面に接合するためのチップ状磁性蓄冷材は平
面状のままとした。
【0123】そして曲面形状に仕上げたチップ状磁性蓄
冷材を上記補強部材(Cu製)の側面部に、エチル2−
シアノアクリレート系瞬間接着剤(アロンアルファ:東
亜合成化学工業製)を介して接着する一方、平面状のチ
ップ状磁性蓄冷材を各補強部材の底面部に同様にして接
着した。なお、正方形状のチップ状の磁性蓄冷材によっ
て、各補強部材の円形状の底面を被覆することは不可能
であるため、底面外周からはみ出したチップは、外周形
状に合せた形状に仕上げ加工した。この結果、チップ状
の磁性蓄冷材と補強部材とが一体に接合した熱シールド
材(第1層用および第2層用)を調製した。
【0124】一方、実施例7において用意したCu製の
補強部材(第3層用〜第5層用)の側面および底面に
は、上記と同様にして加工したEr3 Ni製のチップ状
磁性蓄冷材を接着することにより、第3層用〜第5層用
の熱シールド材をそれぞれ調製した。
【0125】そして上記のように調製した第1層用〜第
5層用の熱シールド材を、図10に示す低温保冷装置3
0の熱シールド材として真空容器33内に同心状に配置
して超電導磁石31を冷却するための低温保冷装置を組
み立てた。なお、第6層用から第10層用の熱シールド
材としては、図11に示すような、厚さ1mmのCu材の
みから成る従来の熱シールド材32を同心的に配置し
た。
【0126】上記のように組み立てた低温保冷装置30
において、2段冷却式GM(ギフォード・マクマフォ
ン)冷凍機10によって、合計10層の熱シールド材を
冷却した後に、熱スイッチ35をOFFにしてGM冷凍
機10と熱シールト材との熱接触を切り離した状態で最
内層の熱シールド材の表面温度を測定した。その結果、
GM冷凍機10の冷却作用によって4.0Kまで到達し
た温度が、GM冷凍機10を切り離した後に、100時
間経過した後においても6.7Kであり、優れた熱シー
ルド特性が確認できた。
【0127】実施例9 Nd金属塊を不活性ガス雰囲気中において熱間圧延し
て、厚さ3mmの板状の磁性蓄冷材とした。一方、実施例
7において調製した第1層用〜第5層用のCu製補強部
材の外表面に、エポキシ接着剤(スミカダイン:住友化
学工業株式会社製)を用いて、上記板状の磁性蓄冷材を
接着した。さらに各Nd製磁性蓄冷材とCu製補強部材
との間の熱伝達性を向上させるために、図5に示す方式
と同様にして固定ねじ38によって両部材をねじ止めし
た。
【0128】そして上記のように調製した第1層用〜第
5層用の熱シールド材を、図10に示す低温保冷装置3
0の熱シールド材として真空容器33内に同心状に配置
して超電導磁石31を冷却するための低温保冷装置を組
み立てた。なお、第6層用から第10層用の熱シールド
材としては、図11に示すような、厚さ1mmのCu材の
みから成る従来の熱シールド材32を同心的に配置し
た。
【0129】上記のように組み立てた低温保冷装置30
において、2段冷却式GM(ギフォード・マクマフォ
ン)冷凍機10によって、合計10層の熱シールド材を
冷却した後に、熱スイッチ35をOFFにしてGM冷凍
機10と熱シールト材との熱接触を切り離した状態で最
内層の熱シールド材の表面温度を測定した。その結果、
GM冷凍機10の冷却作用によって4.0Kまで到達し
た温度が、GM冷凍機10を切り離した後に、100時
間経過した後においても8.2Kであり、優れた熱シー
ルド特性が確認できた。
【0130】比較例5 第1層〜第10層までの全ての熱シールド材を、図11
に示すように厚さ1mmのCu材のみから成る従来の熱シ
ールド材で構成した点以外は実施例7と同様にして構成
することにより、比較例5の低温保冷装置を組み立て
た。
【0131】上記のように組み立てた低温保冷装置30
において、2段冷却式GM(ギフォード・マクマフォ
ン)冷凍機10によって、合計10層の熱シールド材を
冷却した後に、熱スイッチ35をOFFにしてGM冷凍
機10と熱シールド材との熱接触を切り離した状態で最
内層の熱シールド材の表面温度を測定した。その結果、
GM冷凍機10の冷却作用によって4.0Kまで到達し
た温度が、GM冷凍機10を切り離した後に、100時
間経過した後において、22Kと急激に上昇し、熱シー
ルド効果が少ないことが再確認できた。
【0132】以上の実施例においてはCu製の補強部材
の外表面に、シート状またはチップ状の磁性蓄冷材を一
体に接合した熱シールド材を示しているが、磁性蓄冷材
は補強部材の外側または内側のどちらの側に接合しても
同等な熱シールド特性を発揮させることが可能である。
【0133】また、図6に示すように、補強部材37の
両面に磁性蓄冷材40,40を接合することにより、よ
り蓄冷効果が大きく熱シールド性に優れた熱シールド材
41が得られる。さらに、図7に示すように、補強部材
42を二重構造とし、その間隙に蓄冷材粉末43を充填
した熱シールド材44とすることも可能である。また図
8に示すようにパイプ状の補強部材45の内部に蓄冷材
粉末43を充填した熱シールド材46を形成してもよ
い。この場合、必要に応じて結合剤を蓄冷材粉末43と
混合してもよい。
【0134】上記実施例に係る熱シールド材によれば、
任意の形状に加工することが容易であり、被冷却物を長
時間に亘って低温度に維持することが可能であり、特に
超電導線,超電導素子,赤外線センサーなど、極低温域
で動作する機器の温度安定性を大幅に向上させることが
できる。
【0135】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る極低温用蓄
冷材によれば、通気抵抗が少なく、加工性が良好な多孔
質性担体の空孔部に磁性粒体を充填して形成されてお
り、脆性が高い磁性粒体は変形が容易な多孔質性担体に
担持される構造を有する。したがって、磁性粒体の割れ
や損傷を発生することなく圧力損失が小さくなる形状に
加工することが極めて容易である。そのため、スターリ
ング冷凍機やパルスチューブ冷凍機などのように高速サ
イクル運転を行う冷凍機用の蓄冷材として使用した場合
にも、圧力損失が小さく熱交換効率が高い運転が可能と
なり、冷凍能力が高い冷凍機が実現できる。
【0136】また、本発明に係る熱シールド材によれ
ば、任意の形状に加工することが容易であり、被冷却物
を長時間に亘って低温度に維持することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る極低温用蓄冷材を充填した蓄冷器
を破断して示す斜視図。
【図2】本発明に係る極低温用蓄冷材の粒子構造を示す
図であり、図1におけるII部拡大図。
【図3】本発明に係る極低温用蓄冷材の他の実施例を示
す斜視図。
【図4】本発明の他の実施例に係る極低温用蓄冷材を充
填した蓄冷器を破断して示す斜視図。
【図5】本発明に係る熱シールド材の一実施例を示す断
面図。
【図6】本発明に係る熱シールド材の他の実施例を示す
斜視断面図。
【図7】本発明に係る熱シールド材の他の実施例を示す
斜視断面図。
【図8】本発明に係る熱シールド材の他の実施例を示す
斜視図。
【図9】GM冷凍機の要部構成を示す断面図。
【図10】GM冷凍機および熱シールド材を用いた低温
保冷装置の構成例を示す断面図。
【図11】図10におけるXI部の拡大断面図。
【符号の説明】
1,1a,1b 極低温用蓄冷材 2 多孔質性担体 3 空孔部 4 磁性粒体(HoCu2 合金粉末) 5,5a 蓄冷器(第2蓄冷器) 6 通気孔 10 GM冷凍機 11 第1シリンダ 12 第2シリンダ 13 真空容器 14 第1蓄冷器 15 第2蓄冷器 16,17 シールリング 18 第1蓄冷材 19 第2蓄冷材(極低温用蓄冷材) 20 第1膨張室 21 第2膨張室 22 第1冷却ステージ 23 第2冷却ステージ 24 コンプレッサ 30 低温保冷装置 31 超電導磁石 32 熱シールド材 33 真空容器 34 支持材 35 熱スイッチ 36a,36b シート状蓄冷材 37,37a,37b,37c,37d,37e 補強
部材 38 固定ねじ 39a,39b,39c,39d,39e 熱シールド
材 40 磁性蓄冷材 41,44,46 熱シールド材 42,45 補強部材 43 蓄冷材粉末
フロントページの続き (72)発明者 ローハナ チャンドラティラカ 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 中込 秀樹 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希土類元素を含有する磁性粒体を多孔質
    性担体の空孔部に充填して成ることを特徴とする極低温
    用蓄冷材。
  2. 【請求項2】 多孔質性担体が、シート状多孔質金属ま
    たはメッシュ状金属であることを特徴とする請求項1記
    載の極低温用蓄冷材。
  3. 【請求項3】 多孔質性担体の空孔率が90%以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載の極低温用蓄冷材。
  4. 【請求項4】 多孔質性担体が発泡金属であることを特
    徴とする請求項1記載の極低温用蓄冷材。
  5. 【請求項5】 多孔質性担体をシート状に形成するとと
    もに、多孔質性担体の少なくとも一方の表面に複数の凸
    部を形成したことを特徴とする請求項1記載の極低温用
    蓄冷材。
  6. 【請求項6】 希土類元素を含有する磁性粒体を結合
    剤,溶剤,分散剤および可塑剤とともに混合して均一な
    スラリーを調製し、得られたスラリーをシート状に成形
    することにより磁性粒体を相互に接合したことを特徴と
    する極低温用蓄冷材。
  7. 【請求項7】 磁性粒体から成るシート状成形体に多数
    の通気孔を穿設したことを特徴とする請求項6記載の極
    低温用蓄冷材。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし7のいずれかに記載の極
    低温用蓄冷材を充填した蓄冷器を具備することを特徴と
    する冷凍機。
  9. 【請求項9】 極低温用蓄冷材がロール状に巻回された
    状態で蓄冷器内に充填されていることを特徴とする請求
    項8記載の冷凍機。
  10. 【請求項10】 極低温用蓄冷材が多数の通気孔を有す
    るプレート状の蓄冷材要素から成り、複数の蓄冷材要素
    が蓄冷器の軸方向に多段に積層された状態で充填されて
    いることを特徴とする請求項8記載の冷凍機。
  11. 【請求項11】 請求項1ないし6のいずれかに記載の
    極低温用蓄冷材を、この極低温用蓄冷材とは異なる材料
    から成る補強部材に一体に接合したことを特徴とする極
    低温用蓄冷材。
  12. 【請求項12】 補強部材がCu,Al,Fe,Niか
    ら選択される少なくとも1種の金属材料またはその金属
    材料を主成分とする合金から成ることを特徴とする請求
    項11記載の極低温用熱シールド材。
  13. 【請求項13】 極低温用蓄冷材は、磁性粒体を結合剤
    とともに多孔質性担体の空孔部に充填して形成されたシ
    ート状の蓄冷材であることを特徴とする請求項11記載
    の極低温用熱シールド材。
  14. 【請求項14】 極低温用蓄冷材と補強部材とを上記結
    合剤によって接合したことを特徴とする請求項13記載
    の極低温用熱シールド材。
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