JPH0571816A - 冷凍機 - Google Patents

冷凍機

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JPH0571816A
JPH0571816A JP4048517A JP4851792A JPH0571816A JP H0571816 A JPH0571816 A JP H0571816A JP 4048517 A JP4048517 A JP 4048517A JP 4851792 A JP4851792 A JP 4851792A JP H0571816 A JPH0571816 A JP H0571816A
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Masashi Sahashi
政司 佐橋
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    • F25REFRIGERATION OR COOLING; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS; MANUFACTURE OR STORAGE OF ICE; LIQUEFACTION SOLIDIFICATION OF GASES
    • F25BREFRIGERATION MACHINES, PLANTS OR SYSTEMS; COMBINED HEATING AND REFRIGERATION SYSTEMS; HEAT PUMP SYSTEMS
    • F25B2309/00Gas cycle refrigeration machines
    • F25B2309/003Gas cycle refrigeration machines characterised by construction or composition of the regenerator
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/14Thermal energy storage

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  • Hard Magnetic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、優れた熱伝達特性および復熱特性を
有する小型で熱効率の高い低温蓄熱器1を備えた冷凍機
を提供しようとするものである。 【構成】蓄熱材料2が充填された低温蓄熱器1を備えた
冷凍機において、前記蓄熱材料2は、一般式(I) AMz …(I) (ただし、式中のAはY、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Ybから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を示
し、MはNi、Co及びCuから選ばれる少なくとも1
種の金属を示し、zは0.001≦z≦9.0を示す)
にて表わされる磁性体から選ばれる1種又は2種以上か
らなることを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、蓄熱材料を充填した低
温蓄熱器を備えた冷凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、超電導技術の発展は著しく、その
応用分野が拡大するに伴って小型で高性能の冷凍機の開
発が不可欠になってきている。かかる小型冷凍機は、軽
量・小型で熱効率の高いことが要求されている。
【0003】このようなことから、気体冷凍に代わる磁
気熱量効果を用いた熱サイクル(例えばカルノ―、エリ
クソン)による新たな冷凍方式(磁気冷凍)及びスタ―
リングサイクルによる気体冷凍の高性能化の研究が盛ん
に行われている。
【0004】前記スタ―リング等の熱サイクルによる気
体冷凍機の高性能化を図るには、蓄熱器、圧縮部及び膨
張部の改良が重要な課題となっている。特に、蓄熱器を
構成する蓄熱材料はその性能を大きく左右する。かかる
蓄熱材料は、銅や鉛の比熱が著しく低下する20K以下
においても高い比熱を有する材料が要望されており、こ
れについても各種の磁性体が検討されている。
【0005】また、前記蓄熱器は冷凍機に組込まれて使
用されることが多く、例えばスタ―リングサイクル作動
する装置、ブイルロイミ―ルサイクルで作動する装置或
いはギフォ―ド―マクマホン型の装置に用いられてい
る。これらの装置においては、圧縮された作動媒質が蓄
熱器内を一方向に流れてその熱エネルギ―を充填物質に
供給し、ここで膨張した作動媒質が反対方向に流れ、充
填された蓄熱材料から熱エネルギ―を受取る。こうした
過程で復熱効果が良好になるに伴って作動媒質サイクル
の熱効率が良好となり、一層低い温度を実現することが
可能となる。
【0006】ところで、低温蓄熱器においては従来より
前記蓄熱材料として鉛又は青銅のボ―ル、或いは銅、燐
青銅の金網層が用いられている。しかしながら、かかる
蓄熱材料は20K以下の極低温における比熱が過度に小
さいため、上述した冷凍機での作動に際して極低温下で
1サイクル毎に蓄熱材料に充分な熱エネルギ―を貯蔵す
ることができず、かつ作動媒質が前記蓄熱材料から充分
な熱エネルギ―を受取ることができなくなる。その結
果、前記蓄熱材料を有する蓄熱器を組込んだ冷凍機では
極低温に到達させることができない問題があった。
【0007】このようなことから、前記蓄熱器の極低温
での復熱特性を向上する目的で、蓄熱材料として20K
以下の温度において最大値の比熱を有し、かつその値が
単位体積当りの比熱(体積比熱)で充分に大きいR・R
h金属間化合物(R;Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、
Er、Tm、Yb)を用いることが提案されている(特
開昭51−52378号)。しかしながら、かかる蓄熱
材料はその一成分として極めて高価Rh(ロジウム)を
用いているため、数百グラムオ―ダで使用する蓄熱器の
蓄熱材料としては実用化の点で問題である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来の
問題点を解決するためになされたもので、優れた熱伝達
特性および復熱特性を有する小型で熱効率の高い低温蓄
熱器を備えた冷凍機を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる冷凍機
は、蓄熱材料が冷却ガスを流通できるように充填された
低温蓄熱器を備えた冷凍機において、前記蓄熱材料は、
一般式(I) AMz …(I)
【0010】(ただし、式中のAはY、La、Ce、P
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Ybから選ばれる少なくとも1種の希
土類元素を示し、MはNi、Co及びCuから選ばれる
少なくとも1種の金属を示し、zは0.001≦z≦
9.0を示す)にて表わされる磁性体から選ばれる1種
又は2種以上からなることを特徴とするである。
【0011】前記磁性体の組成を表わす一般式(I) にお
けるzの値を前記範囲にしたのは、次のような理由によ
るものである。前記zを0.001未満にすると、希土
類原子間の直接交換相互作用により比熱のピ―クを示す
温度が77K以上の高温になる。一方、前記zが9.0
を越えると磁性原子(希土類原子密度)が著しく低下し
て磁気比熱が低下する。
【0012】このようなzの値を規定することによっ
て、優れた蓄熱特性を有する磁性体が得られる。また、
前記一般式(I) のzとして、特に0.01≦z<2.0
の範囲とすることによって、前記磁性体からなる蓄熱材
料の高温側での格子比熱を向上できる利点を有する。こ
れは、前記一般式(I) のAで示される希土類元素とMで
示されるNi等の遷移金属との状態相図において0.0
1≦z<2.0の範囲内で共晶反応が存在し、融点が著
しく低下し、結果的には優れた格子比熱が得られること
によるものと推定される。
【0013】具体例として、ErNiおよびErNi
1/3 のスピン配列をそれぞれ図1および図2に示す。こ
のように0.01≦z<2.0の範囲の磁性体は、複雑
なスピン配列を有し、それらの磁気配列(複数な交換相
互作用)によりその磁気転移近傍の比熱のピ―クが本質
的にブロ―ドになるという利点を有する。なお、前記一
般式(I) のzは実用上の点から下限値を0.01とする
ことが望ましい。更に、前記zの好ましい上限値は1.
5、より好ましくは1.0であり、特にzを1/3≦z
≦1.0の範囲にとすることによって前記効果を顕著に
発揮することができる。
【0014】前記磁性体の形状は、平均粒径又は繊維径
が1〜2000μmにすることが望ましい。これは、次
のような理由によるものである。前記磁性体の平均粒径
又は繊維径を1μm未満にすると、蓄熱器に充填した
際、高圧作動媒質(例えばヘリウムガス)と共に蓄熱器
の外部に流出し易くなる。一方、前記磁性体の平均粒径
又は繊維径が2000μmを越えると前記磁性体の熱伝
導度は(磁性体)/(作動媒質)間の熱伝達の律速要因
となり、熱伝達性が著しく低下して復熱効果の低下を招
く恐れがある。
【0015】前記磁性体の平均粒径又は繊維径の上限値
を規定した理由をさらに具体的に説明すると、前記磁性
体からなる蓄熱材料の熱容量を100%活用するために
は、大きい体積比熱(ρCp;ρは蓄熱材料の密度、C
pは比熱)に見合う高熱伝導度が要求される。すなわ
ち、蓄熱に寄与する蓄熱材料の有効体積を決定する侵入
深さ(ld )は、次式で表される。 ld =λ/(ρCpπf)
【0016】ここで、λは熱伝導度、ρは蓄熱材料の密
度、Cpは比熱、fは周波数示す。例えば、ρCpが6
K以上で0.3J/cm3 Kと大きいErNi1/3 のよ
うな磁性体を用いた場合には、その熱伝導度(80mW
/Kcm)との関係よりldは600μm程度となる。
したがって、この場合には表面から600ミクロン以上
離れた蓄熱材料は蓄熱に寄与しない。したがって、蓄熱
材料としてのErNi1/3 の平均粒径または繊維径の上
限は1200μm、好ましくは1000μmである。
【0017】前記球状磁性体は、三次元方向に規則的に
充填して均一な熱伝達性及び圧力損失の低減化を達成す
る観点から、特に前記平均粒径の範囲にある球状、前記
繊維径の範囲にある繊維状の形状とするとこが望まし
い。前記球状磁性体は、例えば以下の方法で製造するこ
とができる。 (1)溶融状態にしたものを水又は油中に滴下、凝固さ
せる方法、(2)溶融状態のものを液体又は気体の乱流
層中に射出する方法、(3)溶融状態のものを平板上又
は円筒上の金属冷媒上に滴下又は射出する方法、(4)
不定形粒子を加熱部(加熱源)を通して不活性ガス(例
えばアルゴンガス)中に射出する方法。
【0018】前記(1)〜(4)の方法の中で(4)の
方法が実用的である。前記(4)の方法における加熱部
としては、熱プラズマ、ア―ク放電プラズマ、赤外線、
高周波誘導が考えられるが、プラズマスプレ―法が最も
簡便で実用的である。また、前記(4)の方法での不活
性ガスの圧力については1気圧以上にすることが望まし
い。不活性ガスの圧力については1気圧以上にすること
により、冷却効率を高められ、加熱部を通過した溶融飛
翔体がその表面張力により球状化した状態のまま凝固せ
しめることができる。
【0019】前記繊維状磁性体は、例えばW、Bなどの
金属繊維、ガラス繊維、カ―ボン繊維、プラスチック繊
維等からなる織布を芯材とし、これに前記一般式(I) に
て表わされる組成のものを溶射やスパッタなどの気相成
長、液相成長により被覆する方法により製造することが
できる。
【0020】前記蓄熱材料は、下記一般式(II)および一
般式(III) で表される組成を有し、かつ平均粒径又は繊
維径が1〜1000μmの磁性体からなる1種または2
種以上のものを用いることが好ましい。 ANiz …(II)
【0021】ただし、式中のAはY、La、Ce、P
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Ybから選ばれる少なくとも1種の希
土類元素を示し、zは0.001≦z≦9.0を示す。 A’1-x x z …(III)
【0022】ただし、式中のA’は、Er、Ho、D
y、Tb、Gdから選ばれる少なくとも1種の希土類元
素を示し、DはPr、Nd、Sm、Ceから選ばれる少
なくとも1種の元素を示し、MはNi、Co及びCuか
ら選ばれる少なくとも1種の金属を示し、xは0≦x<
1、zは0.01≦z≦9.0を示す。前記一般式(II)
および(III) において、前述した理由からzが0.1≦
z<2.0であることが好ましい。
【0023】前記一般式(III) において、A´としてE
r、Ho、Dy、Tb、Gdの重希土類元素を用いるこ
とによってNi等のMとの合金により特に顕著な磁気比
熱を発揮でき、比熱のピ―クの最大値を大きくできる。
また、一般式(III) においてA´として示される重希土
類元素を置換するDとしてPr、Nd、Sm、Ceの軽
希土類元素を選択することによってショットキ―異常等
を利用して比熱のピ―クの最大値及び温度幅(半値幅)
を調整することが可能となる。
【0024】前記蓄熱材料は、前記一般式(I) のMの一
部をB、Al、Ga、In、Si等で置換された磁性体
から選ばれる1種または2以上からなることを許容す
る。かかる磁性体の組成を一般式(IV)、一般式(V) とし
て下記に示す。 A(M1-y y z …(IV)
【0025】ただし、式中のAはY、La、Ce、P
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Ybから選ばれる少なくとも1種の希
土類元素を示し、MはNi、Co及びCuから選ばれる
少なくとも1種の金属を示し、XはB、Al、Ga、I
n、Si、Ge、Sn、Pb、Ag、Au、Mg、Z
n、Ru、Pd、Pt、Re、Cs、Ir、Fe、M
n、Cr、Cd、Hg、Osから選ばれる少なくとも1
種の化合物構成元素を示し、yは0≦y<1.0、好ま
しくはy≦0.5、zは0.001≦z≦9.0を示
す。 A’1-x x (M1-y y z …(V)
【0026】ただし、式中のA’は、Er、Ho、D
y、Tb、Gdから選ばれる少なくとも1種の希土類元
素を示し、DはPr、Nd、Sm、Ceから選ばれる少
なくとも1種の元素を示し、XはB、Al、Ga、I
n、Si、Ge、Sn、Pb、Ag、Au、Mg、Z
n、Ru、Pd、Pt、Re、Cs、Ir、Fe、M
n、Cr、Cd、Hg、Osから選ばれる少なくとも1
種の化合物構成元素を示し、xは0≦x<1、yはXが
Feの場合、0≦y≦0.3、XがFe以外の場合、0
≦y<1.0、好ましくはy≦0.5、zは0.001
≦z≦9.0を示す。
【0027】前記一般式(IV)および(V)において、
置換金属XがFeである場合には、yは0.3以下にす
ることが必要である。これは、Fe−Feの直接交換作
用が強く、Feが過剰に置換すると比熱ピ―クを示す温
度が77K以上と高温になるためである。本発明に係わ
る冷凍機のガス−サイクルを図3の(A)〜(C)を参
照して説明する。
【0028】図3において、蓄熱器1は前述した蓄熱材
料2が充填されている。前記蓄熱器1の一端は、作動媒
体源(図示せず)にパイプ3を通して連結されている。
前記蓄熱器1の他端は、膨脹シリンダ4にパイプ5を通
して連結されている。ピストン6は、前記膨脹シリンダ
3内に摺動自在に取り付けられている。前記ピスト6が
動作すると、シリンダ3の内部体積が変化される。前記
蓄熱器1は、次の冷凍1サイクルをなす4工程(a)〜
(c)に従って冷却される。
【0029】工程(a)において、図3の(A)に示す
ようにピストン6は矢印7方向に動作され、それによっ
て膨脹シリンダ4の内部体積を増加させると共に、作動
媒体源から高圧ガスが矢印8の方向に導入される。前記
高圧ガスは、前記膨脹シリンダ4に流れる前に前記蓄熱
器1を通過する。前記高圧ガスが前記蓄熱器1を通過す
る際、前記高圧ガスは蓄熱材料2によって冷却される。
冷却された前記ガスは、膨脹シリンダ3に蓄積される。
矢印9は、熱が前記ガスから蓄熱器1内の蓄熱材料2に
移行される方向を示す。
【0030】工程(b)において、図3の(B)に示す
ようにパイプ3に連結された吸引手段(図示せず)によ
り矢印10方向に吸引することによって、ガスの一部は
膨脹シリンダ4から矢印10の方向に放出され、その
間、前記シリンダ4の内部体積を維持する。その結果、
前記シリンダ4に残存したガスは膨脹し、それにより前
記膨脹シリンダ4内の温度を低くする。前記シリンダ4
から放出されたガスは、パイプ5を通して蓄熱器1に供
給される。このガスが蓄熱器1を通過する際、前記ガス
は蓄熱材料2から熱を奪う。矢印11は、熱が蓄熱器1
内の蓄熱材料2から前記ガスに移行される方向を示す。
【0031】工程(c)において、図3の(C)に示す
ようにピストン6は矢印12の方向に作動され、これに
よって膨脹シリンダ4から低温、低圧ガスを矢印11の
方向にパイプ5を通して蓄熱器1に放出する。このガス
が蓄熱器1を通過して流れる際、そのガスは蓄熱材料2
の熱を奪う。換言すれば、前記ガスは蓄熱材料2を冷却
する。矢印13は、熱が蓄熱器1内の蓄熱材料2から前
記ガスに移行される方向を示す。最終工程(d)におい
て、操作は工程(a)に戻される。
【0032】
【作用】本発明において使用される蓄熱材料が一般式
(I) にて表わされる高希土類濃度の希土類元素とNi、
Co等のMで示される遷移金属をベ―スとした組成の磁
性体から選ばれる1種又は2種以上からなるため、比較
的安価で、10mW/cmK以上の優れた熱伝導度を有
し、かつ液体窒素温度以下、特に40K以下のような極
低温で優れた格子比熱と磁気熱量効果を示す。特に、前
記一般式(I) のzを0.01≦z<2.0の範囲とする
ことによって、前記高温側での格子比熱が向上された磁
性体からなる蓄熱材料を得ることができる。
【0033】本発明に使用する低温蓄熱器は、前記優れ
た特性を有する磁性体からなる蓄熱材料を冷却ガスを流
通できるように充填されているため、優れた熱伝達特
性、復熱特性を有する。特に、平均粒径又は繊維径が1
〜2000μmの磁性体からなる蓄熱材料を充填するこ
とによって、均一な熱伝達性を獲得し、作動媒質の圧力
損失を低減化することが可能になる。また、前記一般式
(I) のzが0.01≦z<2.0の範囲の磁性体からな
る蓄熱材料を充填することによって、前記蓄熱材料の高
温側での格子比熱を向上できるため、より一層優れた熱
伝達特性、復熱特性を発揮できる。
【0034】また、一般式(I) で表わされる磁性体を2
種以上の混合集合物とした蓄熱材料を充填することによ
って、比熱ピ―クがブロ―ドとなり、熱容量が減少する
ものの、より広い温度範囲で比熱が大きくなるため、復
熱特性がより一層向上された低温蓄熱器を実現できる。
【0035】更に、温度勾配に合せて磁気転移点(比熱
がピ―クを示す温度)の異なる複数種の磁性体を積層し
た形態で蓄熱材料を充填することによって、復熱特性が
一層向上された低温蓄熱器を実現できる。したがって、
本発明によれば前述した低温蓄熱器を備えているため、
蓄冷効率が著しく向上された8K、4K級の冷凍機を提
供することができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳細に説明する。 実施例1〜3
【0037】まず、ア―ク溶解炉を用いてErNi1/3
の組成比の合金、ErNiの組成比の合金およびErN
2 の組成比の合金をそれぞれ調製し、これら合金を7
00℃、24時間の均一熱処理を施した後、ブラウンミ
ルで粉砕、分級して100〜200μmの微粉砕粉を作
製した。つづいて、これらの微粉砕粉200gをそれぞ
れアルゴンガス雰囲気中にてプラズマスプレ―すること
により3種の磁性体を製造した。なお、前記プラズマス
プレ―による最終到達アルゴンガス圧は1.8気圧であ
った。得られた本実施例1〜3の磁性体をSEM写真で
観察したところ、平均粒径が40〜100μmの球状体
であることが確認された。
【0038】また、得られた各球状磁性体の体積比熱を
測定したところ、図4に示す特性図を得た。なお、図4
中には比較例としてのPb及びCuの体積比熱を併記し
た。この図4から明らかなように本実施例1〜3の蓄熱
材料としての球状磁性体はいずれも約15K以下の極低
温において従来の蓄熱材料であるPb、Cuに比べて優
れた体積比熱を有し、かつ15K以上の温度域において
優れた格子比熱を有することがわかる。特に、前記一般
式(I) のzが0.01≦z<2.0の範囲にある組成の
合金(実施例1;ErNi1/3 、実施例2;ErN
2 )は15K以上の温度域においてPbに匹敵する優
れた格子比熱を有することがわかる。
【0039】さらに、前記球状磁性体の中でErNi
1/3 組成比の球状磁性体(平均粒径50〜100μm)
をフェノ―ル樹脂製の蓄熱器に充填(充填率;63%)
した後、熱容量25J/Kのヘリウムガスを3g/se
cの質量流量、16atmのガス圧の条件で供給するG
M冷凍サイクルを行なって蓄冷効率を測定した。その結
果、ErNi1/3 の組成比の球状磁性体を充填した蓄熱
器を備えた冷凍機は同一平均粒径、充填率とした球状鉛
(比較例)を充填した蓄熱器を備えた冷凍機に比べて4
0Kから4Kの温度域において効率が8倍以上向上する
ことが確認された。 実施例4〜7
【0040】まず、ア―ク溶解炉を用いてDyNi1/3
の組成比の合金、Er0.5 Dy0.5Ni1/3 の組成比の
合金、Er0.75Dy0.25Ni1/3 の組成比の合金及びE
rNi1/3 の組成比の合金を夫々調製した後、これら合
金を実施例1と同様な方法により4種の磁性体を製造し
た。得られた本実施例4〜7の磁性体をSEM写真で観
察したところ、平均粒径が40〜100μmの球状体で
あることが確認された。
【0041】また、前記各球状磁性体の体積比熱を測定
したところ、図5に示す特性図を得た。なお、図5中に
は比較例としてのPbの体積比熱を併記した。この図5
から明らかなように本実施例4〜7の蓄熱材料としての
球状磁性体はいずれも約15K以下の極低温において従
来の蓄熱材料であるPbに比べて優れた体積比熱を有
し、かつ15K以上の温度域において優れた格子比熱を
有することがわかる。しかも、本実施例4〜7の球状磁
性体の中で体積比熱のピ―ク値を示す温度は合金の一成
分であるErの濃度の増加に伴って低温側にシフトする
ことがわかる。 実施例8〜10
【0042】まず、ア―ク溶解炉を用いて(Er0.8
0.2 )Ni1/3 の組成比の合金、(Er0.7
0.3 )Ni1/3 の組成比の合金および(Er0.6 Pr
0.4 )Ni1/3 の組成比の合金をそれぞれ調製した後、
これら合金を実施例1と同様な方法により3種の磁性体
を製造した。得られた本実施例8〜10の磁性体をSE
M写真で観察したところ、平均粒径が40〜100μm
の球状体であることが確認された。
【0043】以上のような実施例1〜10の各球状磁性
体をフェノ―ル樹脂製の蓄熱器にそれぞれ充填(充填
率;65%)した後、熱容量25J/Kのヘリウムガス
を3g/secの質量流量、16atmのガス圧の条件
で供給するGM冷凍サイクルを行なって冷凍試験を行な
った。その結果、実施例1〜10の球状磁性体を充填し
た蓄熱器を備えた冷凍機では、同一平均粒径、充填率と
した球状鉛(比較例)を充填した蓄熱器を備えた冷凍機
に比べて無負荷状態の最低到達温度が1K以上低下する
ことが確認された。 実施例11、12
【0044】まず、ア―ク溶解炉を用いてErCo1/3
の組成比の合金及びErCoの組成比の合金をそれぞれ
調製し、これら合金を750℃、24時間の均一熱処理
を施した後、ブラウンミルで粉砕、分級して100〜2
00μmの微粉砕粉を作製した。つづいて、これらの微
粉砕粉200gをそれぞれアルゴンガス雰囲気中にてプ
ラズマスプレ―することにより2種の磁性体を製造し
た。なお、前記プラズマスプレ―での最終到達アルゴン
ガス圧は1.8気圧であった。得られた本実施例11、
12の磁性体をSEM写真で観察したところ、平均粒径
が40〜100μmの球状体であることが確認された。
【0045】また、前記各球状磁性体をフェノ―ル樹脂
製の蓄熱器にそれぞれ充填(充填率;65%)した後、
熱容量25J/Kのヘリウムガスを3g/secの質量
流量、16atmのガス圧の条件で供給するGM冷凍サ
イクルを行なって蓄冷効率を測定した。その結果、実施
例11、12の球状磁性体を充填した蓄熱器を備えた冷
凍機では、同一平均粒径、充填率とした球状鉛(比較
例)を充填した蓄熱器を備えた冷凍機に比べて効率が8
倍以上向上することが確認された。 実施例13〜15
【0046】まず、ア―ク溶解炉を用いて(Er0.8
0.2 )Co1/3 の組成比の合金、(Er0.7
0.3 )Co1/3 の組成比の合金および(Er0.6 Nd
0.4 )Co1/3 の組成比の合金をそれぞれ調製した後、
これら合金を実施例11と同様な方法により3種の磁性
体を製造した。得られた本実施例13〜15の磁性体を
SEM写真で観察したところ、平均粒径が40〜100
μmの球状体であることが確認された。
【0047】また、前記各球状磁性体をフェノ―ル樹脂
製の蓄熱器にそれぞれ充填(充填率;65%)した後、
熱容量25J/Kのヘリウムガスを3g/secの質量
流量、16atmのガス圧の条件で供給するGM冷凍サ
イクルを行なって蓄冷効率を測定した。その結果、実施
例13〜15の球状磁性体を充填した蓄熱器を備えた冷
凍機では、同一平均粒径、充填率とした球状鉛(比較
例)を充填した蓄熱器を備えた冷凍機に比べて効率が8
倍以上向上することが確認された。 実施例16、17
【0048】まず、ア―ク溶解炉を用いてErCu2
組成比の合金及びErCuの組成比の合金をそれぞれ調
製し、これら合金を850℃、24時間の均一熱処理を
施した後、ブラウンミルで粉砕、分級して100〜20
0μmの微粉砕粉を作製した。つづいて、これらの微粉
砕粉200gをそれぞれアルゴンガス雰囲気中にてプラ
ズマスプレ―することにより2種の磁性体を製造した。
なお、前記プラズマスプレ―での最終到達アルゴンガス
圧は1.8気圧であった。得られた本実施例16、17
の磁性体をSEM写真で観察したところ、平均粒径が4
0〜100μmの球状体であることが確認された。
【0049】また、前記各球状磁性体をフェノ―ル樹脂
製の蓄熱器にそれぞれ充填(充填率;65%)した後、
熱容量25J/Kのヘリウムガスを3g/secの質量
流量、16atmのガス圧の条件で供給するGM冷凍サ
イクルを行なって蓄冷効率を測定した。その結果、実施
例16、17の球状磁性体を充填した蓄熱器を備えた冷
凍機では、同一平均粒径、充填率とした球状鉛(比較
例)を充填した蓄熱器を備えた冷凍機に比べて効率が7
倍以上向上することが確認された。 実施例18〜23
【0050】まず、ア―ク溶解炉を用いてErNi1/3
の組成比の合金、ErNiの組成比の合金、ErCo
1/3 の組成比の合金、ErCoの組成比の合金、ErC
1/3の組成比の合金及びErCuの組成比の合金をそ
れぞれ調製した。つづいて、繊維径が10μmのタング
ステン(W)繊維の織布に前記各合金を溶射して6種の
繊維状磁性体を製造した。得られた本実施例18〜23
の繊維状磁性体の平均繊維径を測定したところ、40〜
100μmであることが確認された。
【0051】また、前記各繊維状磁性体をフェノ―ル樹
脂製の蓄熱器にそれぞれ積層、充填(充填率;75%)
した後、熱容量25J/Kのヘリウムガスを3g/se
cの質量流量、16atmのガス圧の条件で供給するG
M冷凍サイクルを行なって蓄冷効率を測定した。その結
果、実施例18〜23の繊維状磁性体を積層、充填した
蓄熱器を備えた冷凍機では、同一繊維径、充填率とした
鉛単独からなる繊維の織布(比較例)を充填した蓄熱器
を備えた冷凍機に比べて効率が10倍以上向上すること
が確認された。
【0052】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明によれば10
mW/cmK以上の優れた熱伝導度を有し、かつ液体窒
素温度以下、特に40K以下のような極低温で優れた格
子比熱と磁気熱量効果を示す蓄熱材料か充填された熱伝
達特性、復熱特性を有する比較的安価な低温蓄熱器を備
え、蓄冷効率が向上された8K、4K級の冷凍機を提供
できる。また、特に前記蓄熱材料である磁性体を所定の
平均粒径の球状や所定の繊維径の繊維状とすることによ
って、三次元方向に規則的に充填でき、充填率、ヘリウ
ムガス等の作動媒質との熱伝達特性をより一層向上さ
れ、かつ圧力損失の低減化を達成した低温蓄熱器を備え
た冷凍機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ErNiのスピン構造を示す説明図。
【図2】ErNi1/3 のスピン構造を示す説明図。
【図3】本発明に係わる冷凍機のガス−サイクルを説明
するための概略図。
【図4】本実施例1〜3の球状磁性体(蓄熱材料)およ
び従来のPb、Cuの蓄熱材料における低温度下での体
積比熱を示す特性図。
【図5】本実施例4〜7の球状磁性体(蓄熱材料)およ
び従来のPbの蓄熱材料における低温度下での体積比熱
を示す特性図。
【符号の説明】
1…蓄熱器、2…蓄熱材料、4…膨脹シリンダ、5…ピ
ストン。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蓄熱材料が冷却ガスを流通できるように
    充填された低温蓄熱器を備えた冷凍機において、 前記蓄熱材料は、一般式(I) AMz …(I) (ただし、式中のAはY、La、Ce、Pr、Nd、P
    m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
    m、Ybから選ばれる少なくとも1種の希土類元素を示
    し、MはNi、Co及びCuから選ばれる少なくとも1
    種の金属を示し、zは0.001≦z≦9.0を示す)
    にて表わされる磁性体から選ばれる1種又は2種以上か
    らなることを特徴とする冷凍機。
JP4048517A 1988-02-02 1992-03-05 冷凍機 Expired - Lifetime JPH0792286B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018526600A (ja) * 2015-06-19 2018-09-13 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se パックスクリーン型磁気熱量素子

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Title
CRYOGENICS=1975 *

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JP2018526600A (ja) * 2015-06-19 2018-09-13 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピアBasf Se パックスクリーン型磁気熱量素子

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