JP2941865B2 - 低温蓄熱器 - Google Patents

低温蓄熱器

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JP2941865B2
JP2941865B2 JP1314436A JP31443689A JP2941865B2 JP 2941865 B2 JP2941865 B2 JP 2941865B2 JP 1314436 A JP1314436 A JP 1314436A JP 31443689 A JP31443689 A JP 31443689A JP 2941865 B2 JP2941865 B2 JP 2941865B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 (産業上の利用分野) 本発明は、蓄熱物質を充填した低温蓄熱器に関する。
(従来の技術) 近年、超電導技術の発展は著しく、その応用分野が拡
大するに伴って小型で高性能の冷凍機の開発が不可欠に
なってきている。かかる小型冷凍機は、軽量・小型で熱
効率の高いことが要求されている。
このようなことから、気体冷凍に代わる磁気熱量効果
を用いた熱サイクル(例えばカルノー、エリクソン)に
よる新たな冷凍方式(磁気冷凍)及びスターリングサイ
クルによる気体冷凍の高性能化の研究が盛んに行われて
いる。
前記スターリング等の熱サイクルによる気体冷凍機の
高性能化を図るには、蓄熱器、圧縮部及び膨張部の良好
が重要な課題となっている。特に、蓄熱器を構成する蓄
熱材料はその性能を大きく左右する。かかる蓄熱材料
は、銅や鉛の比熱が著しく低下する20K以下においても
高い比熱を有する材料が要望されており、これについて
も各種の磁性体が検討されている。
また、前記蓄熱器は冷凍機に組込まれて使用されるこ
とが多く、例えばスターリングサイクル作動する装置、
ビルマイヤーサイクルで作動する装置或いはギフォード
ーマクマホン型の装置に用いられている。これらの装置
においては、圧縮された作動媒質が蓄熱器内を一方向に
流れてその熱エネルギーを充填物質に供給し、ここで膨
張した作動媒質が反対方向に流れ、充填物質から熱エネ
ルギーを受取る。こうした過程で復熱効果が良好になる
に伴って作動媒質サイクルの熱効率が良好となり、一層
低い温度を実現することが可能となる。
ところで、低温蓄熱器においては従来より充填物質を
鉛又は青銅のボール、或いは銅、燐青銅の金網層から形
成している。しかしながら、かかる充填物質は比熱が20
K以下の極低温で過度に小さいため、上述した冷凍機で
の作動に際して極低温下で1サイクル毎に充填物質に充
分な熱エネルギーを貯蔵することができず、かつ作動媒
質が充填物質から充分な熱エネルギーを受取ることがで
きなくなる。その結果、前記充填物質を有する蓄熱器を
組込んだ冷凍機では極低温に到達させることができない
問題があった。
そこで、上記蓄熱器の極低温での復熱特性を向上する
目的で、充填物質として20K以下に比熱の最大値を有
し、かつその値が単位体積当りの比熱(体積比熱)で充
分に大きいR・Rh金属間化合物(R;Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,Er,
Tm,Yb)を用いることが提案されている(特開昭51−523
78号)。しかしながら、かかる充填物質は一構成成分と
してRh(ロジウム)を用い、極めて高価であるため、数
百グラムオーダで使用する蓄熱器の充填物質としては実
用化の点で問題がある。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は、上記従来の課題を解決するためになされた
もので、液体窒素温度以下のような極低温で優れた磁気
熱量効果を示し、かつ優れた熱伝達特性、復熱特性を有
する比較的安価な磁性体を蓄熱物質として充填された低
温蓄熱器を提供しようとするものである。
〔発明の構成〕
(課題を解決するための手段) 本発明は、蓄熱物質が充填された低温蓄熱器におい
て、一般式(I) AMz …(I) (但し、式中のAはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,
Ho,Er,Tm,Yb,Luから選ばれる少なくとも1種の希土類元
素、MはNi,Co,Cu,Ag,Au,Mn,Fe,Al,Zr,Pd,B,Si,P,Cから
選ばれる少なくとも1種、zは0.001≦z≦9.0を示す)
にて表わされる1種又は2種以上からなるアモルファス
磁性体を蓄熱物質として充填したことを特徴とする低温
蓄熱器である。
上記蓄熱物質をアモルファス磁性体とした理由は化合
物磁性体に対して以下の利点による。
極低温域において大きな磁気比熱を実現するために
は、磁気転移点を極低温域まで下げなければならないが
そのためには、希土類濃度を高くする必要がある。とこ
ろが化合物系,たとえばRMrzでは、z値が2未満という
高希土類濃度の化合物は存在せず最適のz値の範囲(0.
001z<2)の磁性体を得られない。その点アモルフ
ァスではz値に任意性があるため高稀土類濃度のものが
得られ、極低温域で大きい磁気比熱を有する磁性体を得
ることができる。
極低温域での格子比熱は、物質に固有なデバイ温度に
より決まる。デバイ温度も稀土類濃度が高まるにつれ低
下し、それに伴い極低温域での格子比熱は増大する。上
述と同じ理由でアモルファスでは化合物としては存在
しない組成での低デバイ温度のものが得られ、極低温域
で大きい格子比熱を有する磁性体を得ることかができ
る。
アモルファスとすることで機械強度のすぐれたものが
得られる。たとえば気体冷凍機における10気圧をこえる
繰り返しの圧力変化による衝撃・摩耗に対して、高い耐
久性を有する磁性体が得られる。
以上の理由により、本発明によるアモルファス磁性体
を用い、高い蓄熱特性と、高耐久力を合わせもつ蓄冷器
の構成が可能となる。
なお、z値を0.001以上としたのは、アモルファス製
造を容易とするためである。
上記アモルファス磁性体は、平均粒径又は繊維径又は
厚さが1〜2000μmの形状にすることが望ましい。この
理由は、その平均粒径又は繊維径を1μm未満にすると
蓄熱器に充填した際、高圧作動媒質(例えばヘリウムガ
ス)と共に蓄熱器の外部に流出し易くなり、かといって
その平均粒径又は繊維径が2000μmを超えるとアモルフ
ァス磁性体の熱伝導度が(磁性体)/(作動媒質)間の
熱伝達の律速要因となり、熱伝達性が著しく低下して復
熱効果の低下を招く恐れがあるからである。こうした平
均粒径又は繊維径の上限値を規定した理由をさらに具体
的に説明すると、蓄熱物質の熱容量を100%活用するた
めには、大きい体積比熱(ρCp;ρは蓄熱物質の密度、C
pは比熱)に見合う高熱伝導度が要求される。即ち、蓄
熱に寄与する蓄熱物質の有効体積を決定する侵入深さ
(ld)は、ld=λ/(ρCpπf)で表わされる。ここで
λは熱伝導度、ρは作動媒質の密度、Cpは比熱、πfは
冷凍サイクルを示す。従って、例えばρCpが6K以上で0.
3J/cm3Kと大きいErNi1/3のような蓄熱物質を用いた場合
には、その熱伝導度(80mW/Kcm)との関係よりldは600
μm程度となることから、かかる蓄熱物質の粒径の上限
は1000μmとすることが必要となる。
上記アモルファス磁性体は、三次元方向に規則的に充
填して均一な熱伝達性及び圧力損失の低減化を達成する
関連から、特に前記平均粒径の範囲にある球状、前
記繊維径の範囲にある繊維状の形状、1〜2000μm径
のスルーホールを複数設けた、厚さ方向にガス通過可能
なリボン形状とすることが望ましい。
上記の球状磁性体を製造するには、溶融液滴とした
後、不活性ガス又は液体で急冷する方法、金属冷媒上で
転がせながら冷却する方法がある。液滴とするには、た
とえば溶融液を高速回転する円板上に落とし、溶融液を
遠心力で液滴に引きちぎる方法、あるいは粉末を、高温
プラズマ、アーク放電、高周波誘導で溶融液滴とする方
法がある。溶融液滴が表面張力により球状となりその形
のまま急冷、凝固させるので、不活性ガスで急冷する場
合は1気圧以上とし冷却速度を高めることが望ましい。
上記の繊維状アモルファス磁性体を製造するには、
例えばW,Bなどの金属繊維、ガラス繊維、カーボン繊
維、プラスチック繊維等からなる織布を芯材とし、これ
に溶射やスパッタなどの気相成長、液相成長により前記
一般式(I)にて表わされるアモルファスを被覆する方
法を挙げることができる。
上記のスルーホールをほどこしたリボンを製造する
には、回転ロールを用いた溶湯急冷により作製したリボ
ンに、機械的あるいはレーザーでせん孔する方法を挙げ
ることができる。
上記一般式(I)で表わされるアモルファス磁性体の
中で、以下に説明する,の組成のものが好ましい。
.一般式 ANiz …(II) (但し、式中のAはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,
Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる少なくとも1種の希土類元
素、zは0.1≦z≦9.0を示す)にて表わされる1種又は
2種以上からなり、かつ平均粒径又は繊維径が1〜1000
μmのアモルファス磁性体。かかる磁性体において、前
述した理由からzが0.1≦z≦2.0の組成を有するものが
より好ましい。
.一般式 A′1-XDxMz …(III) (但し、式中のA′は、Er,Ho,Dy,Tb,Gdから選ばれる少
なくとも1種の希土類元素、DはPr,Nd,Sm,Ceから選ば
れる少なくとも1種の元素、MはNi,Co及びCuから選ば
れる少なくとも1種の金属、xは0≦x<1、zは0.01
≦z≦9.0を示す)にて表わされる1種又は2種以上か
らなり、かつ平均粒径又は繊維径が1〜2000μmアモル
ファス磁性体。かかる一般式(III)において、A′と
してEr,Ho,Dy,Tb,Gdの重希土類元素を用いることによっ
てNi等のMとの合金により特に顕著な磁気比熱を発揮で
き比熱のピークの最大値を大きくできる。また、これら
重希土類元素を置換するDとしてPr,Nd,Sm,Ceの軽希土
類元素を選択することによってショットキー異常等を利
用して比熱のピークの最大値及び温度幅(半値幅)を調
整することが可能となる。更に、前述した理由からzが
0.1≦z<2.0の組成を有するものがより好ましい。
また、上記一般式(I)のMの一部をB,Al,Ga,In,Si
等で置換されたアモルファス磁性体を一般式(IV)、一
般式(V)として下記に示す。但し、これら置換金属の
中でFeはFe−Feの直接交換作用が強く、過剰に置換する
と比熱ピークを示す温度が77K以上とかなり高温になる
ため、Ni等のMへの置換量は0.3以下にすることが必要
である。
A(M1-yXy)z …(IV) (但し、式中のAはY,La,Ce,Pr,Nd,Pm,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,
Ho,Er,Tm,Ybから選ばれる少なくとも1種の希土類元
素、MはNi,Co及びCuから選ばれる少なくとも1種の金
属、XはB,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,Pb,Ag,Au,Mg,Zn,Ru,Pd,P
t,Re,Cs,Ir,Fe,Mn,Cr,Cd,Hg,Osから選ばれる少なくとも
1種のアモルファス磁性体構成元素、yは0≦y<1.
0、好ましくはy≦0.5、zは0.001≦z≦9.0を示す)に
て表わされる1種又は2種以上からなるアモルファス磁
性体。
A1-XDx(M1-yXy)z …(V) (但し、式中のA′は、Er,Ho,Dy,Tb,Gdから選ばれる少
なくとも1種の希土類元素、DはPr,Nd,Sm,Ceから選ば
れる少なくとも1種の元素、XはB,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,
Pb,Ag,Au,Mg,Zn,Ru,Pd,Pt,Re,Cs,Ir,Fe,Mn,Cr,Cd,Hg,Os
から選ばれる少なくとも1種のアモルファス磁性体構成
元素、xは0≦x<1、yはXがFeの場合、0≦y≦0.
8、XがFe以外の場合、0≦y<1.0、好ましくはy≦0.
5、zは0.001≦z≦9.0を示す)にて表わされる1種又
は2種以上からなるアモルファス磁性体。
(作用) 本発明に使用する一般式(I)にて表わされる高希土
類濃度の希土類元素とNiCo等のMで示される遷移金属を
ベースとした一種又は2種以上からなるアモルファス磁
性体は、10mW/cmK以上の優れた熱伝導度を有し、かつ該
アモルファス磁性体を所定の粒径又は繊維径にして蓄熱
物質として充填することによって液体窒素温度以下(特
に40K以下)のような極低温で優れた格子比熱と磁気熱
量効果を示し、かつ優れた熱伝達特性、復熱特性を有す
る比較的安価な低温蓄熱器を得ることができる。特に、
zを0.01≦z<2.0の範囲とすることによって、磁性体
からなる蓄熱物質の高温側での格子比熱を向上できる利
点を有する。そしてこの様な高希土類濃度の蓄冷材を容
易に得ることができる。
また、一般式(I)にて表わされる化合物を2種以上
の混合集合物としたアモルファス磁性体を用いることに
よって、比熱ピークがブロードとなり、熱容量が減少す
るものの、より広い温度範囲で比熱が大きくなり、低温
蓄熱器の復熱特性を向上できる。
更に、低温蓄熱器の温度勾配に合せて磁気転移点(比
熱がピークを示す温度)の異なる複数種の磁性体を積層
して充填することによって、復熱特性が一層優れた低温
蓄熱器を得ることができる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
実施例1〜3 まず、アーク溶解炉を用いてErNi0.4の組成比の合
金、ErNi1.1の組成比の合金及びErNi1.8の組成比の合金
を夫々調製し、これら合金をヘリウムガス雰囲気中にて
高周波溶解し、さらに回転ディスクに射出することによ
り3種のアモルファス磁性体を製造した。なお、この射
出で最終到達ガス圧は1.8気圧であった。
得られた本実施例1〜3の磁性体をSEM写真で観察し
たところ、平均粒径が40〜100μmの球状体であること
が確認された。
また、得られた各球状アモルファス磁性体の体積比熱
を測定したところ、第1図に示す特性図を得た。なお、
第1図中には比較例としてのPb及びCuの体積比熱を併記
した。この第1図から明らかなように本実施例1〜3の
蓄熱物質としての球状アモルファス磁性体はいずれも約
15K以下の極低温において従来の蓄熱物質であるPb,Cuに
比べて優れた体積比熱を有し、かつ15K以上の温度域に
おいて優れた格子比熱を有することがわかる。特に、前
記一般式(I)のzが0.01≦z<2.0の範囲にある組成
の合金(実施例1;ErNi0.4、実施例2;ErNi1.1)は15K以
上の温度域においてPbに匹敵する優れた格子比熱を有す
ることがわかる。
更に、上記球状アモルファス磁性体の中でErNi1/3
組成比の球状アモルファス磁性体(平均粒径50〜100μ
m)をフェノール樹脂製の蓄冷容器に充填(充填率;63
%)した後、熱容量25J/Kのヘリウムガスを3g/secの質
量流量,16atmのガス圧の条件で供給するGM冷凍サイクル
を行って蓄冷効率を測定した。その結果、ErNi0.4の組
成比の球状磁性体を充填した蓄冷器では同一平均粒径、
充填率とした球状鉛(比較例)に比べて40Kから4Kの温
度域において効率が8倍以上向上することが確認され
た。
実施例4〜7 まず、アーク溶解炉を用いてDyNi0.4の組成比の合
金、(Er0.5Dy0.5)Ni0.4の組成比の合金、(Er0.75Dy
0.25)Ni0.4の組成比の合金及びErNi0.4の組成比の合金
を夫々調製した後、これら合金を実施例1と同様な方法
により4種のアモルファス磁性体を製造した。
得られた本実施例4〜7の磁性体をSEM写真で観察し
たところ、平均粒径が40〜100μmの球状体であること
が確認された。
また、上記各球状アモルファス磁性体の体積比熱を測
定したところ、第2図に示す特性図を得た。なお、第2
図中には比較例としてのPbの体積比熱を併記した。この
第2図から明らかなように本実施例4〜7の蓄熱物質と
しての球状アモルファス磁性体はいずれも約15K以下の
極低温において従来の蓄熱物質であるPbに比べて優れた
体積比熱を有し、かつ15K以上の温度域において優れた
格子比熱を有することがわかる。しかも、本実施例4〜
7の球状アモルファス磁性体の中で体積比熱のピーク値
を示す温度は合金の一成分であるErの濃度の増加に伴っ
て低温側にシフトすることがわかる。
実施例8〜10 まず、アーク溶解炉を用いて(Er0.8Pr0.2)Ni0.4
組成比の合金、(Er0.7Pr0.3)Ni0.4の組成比の合金及
び(Er0.6Pr0.4)Ni0.4の組成比の合金を夫々調製した
後、これら合金を実施例1と同様な方法により3種のア
モルファス磁性体を製造した。
得られた本実施例8〜10のアモルファス磁性体をSEM
写真で観察したところ、平均粒径が40〜100μmの球状
体であることが確認された。
また、上記実施例1〜10の各球状アモルファス磁性体
をフェノール樹脂製の蓄冷容器に夫々充填(充填率;65
%)した後、熱容量25J/Kのヘリウムガスを3g/secの質
量流量、16atmのガス圧の条件で供給するGM冷凍サイク
ルを行なって冷凍試験を行なった。その結果、実施例1
〜10の球状磁性体を充填した蓄冷器では、同一平均粒
径、充填率とした球状鉛(比較例)に比べて無負荷状態
の最低到達温度が1K以上低下することが確認された。
実施例11,12 まず、アーク溶解炉を用いてErCo0.4の組成比の合金
及びErCo0.1の組成比の合金を夫々調製し、これら合金
をヘリウムガス雰囲気中にて高周波溶解し、更に回転デ
ィスクに射出することにより2種のアモルファス磁性体
を製造した。なお、この射出での最終到達アルゴンガス
圧は1.8気圧であった。
得られた本実施例11,12のアモルファス磁性体をSEM写
真で観察したところ、平均粒径が40〜100μmの球状体
であることが確認された。
また、上記各球状アモルファス磁性体をフェノール樹
脂製の蓄冷容器に夫々充填(充填率;65%)した後、熱
容量25J/Kのヘリウムガスを3g/secの質量流量、16atmの
ガス圧の条件で供給するGM冷凍サイクルを行なって蓄冷
効率を測定した。その結果、実施例11,12の球状磁性体
を充填した蓄冷器では、同一平均粒径、充填率とした球
状鉛(比較例)に比べて効率が7倍以上向上することが
確認された。
実施例13〜15 まず、アーク溶解炉を用いて(Er0.8Nd0.2)Co0.4
組成比の合金、(Er0.7Nd0.3)Co0.4の組成比の合金及
び(Er0.6Nd0.4)Co0.4の組成比の合金を夫々調製した
後、これら合金を実施例11と同様な方法により3種のア
モルファス磁性体を製造した。
得られた本実施例13〜15のアモルファス磁性体をSEM
写真で観察したところ、平均粒径が40〜100μmの球状
体であることが確認された。
また、上記各球状磁性体をフェノール樹脂製の蓄冷容
器に夫々充填(充填率;65%)した後、熱容量25J/Kのヘ
リウムガスを3g/secの質量流量、16atmのガス圧の条件
で供給するGM冷凍サイクルを行なって蓄冷効率を測定し
た。その結果、実施例13〜15の球状アモルファス磁性体
を充填した蓄冷器では、同一平均粒径、充填率とした球
状鉛(比較例)に比べて効率が8倍以上向上することが
確認された。
実施例16,17 まず、アーク溶解炉を用いてErCu0.4の組成比の合金
及びErCu0.1の組成比の合金を夫々調製し、これら合金
をヘリウムガス雰囲気中にて高周波溶解し、更に回転デ
ィスクに射出することにより2種のアモルファス磁性体
を製造した。なお、この射出での最終到達ガス圧は1.8
気圧であった。
得られた本実施例16,17のアモルファス磁性体をSEM写
真で観察したところ、平均粒径が40〜100μmの球状体
であることが確認された。
また、上記各球状磁性体をフェノール樹脂製の蓄冷容
器に夫々充填(充填率;65%)した後、熱容量25J/Kのヘ
リウムガスを3g/secの質量流量、16atmのガス圧の条件
で供給するGM冷凍サイクルを行なって蓄冷効率を測定し
た。その結果、実施例11,12の球状アモルファス磁性体
を充填した蓄冷器では、同一平均粒径、充填率とした球
状鉛(比較例)に比べて効率が8倍以上向上することが
確認された。
実施例18〜23 まず、アーク溶解炉を用いてErNi0.4の組成比の合金
及びErNi0.1の組成比の合金、ErCo0.4の組成比の合金、
ErCoの組成比の合金、ErCuzの組成比の合金及びErCu0.1
の組成比の合金を夫々調製した。つづいて、繊維径が10
μmのタングステン(W)繊維の織布に前記各合金を溶
射して6種の繊維状アモルファス磁性体を製造した。
得られた本実施例18〜23の繊維状磁性体の平均繊維径
を測定したところ、40〜100μmであることが確認され
た。
また、上記各繊維状磁性体をフェノール樹脂製の蓄冷
容器に夫々積層、充填(充填率;75%)した後、熱容量2
5J/Kのヘリウムガスを3g/secの質量流量、16atmのガス
圧の条件で供給するGM冷凍サイクルを行なって蓄冷効率
を測定した。その結果、実施例8〜10の繊維状磁性体を
積層、充填した蓄冷器では、同一繊維径、充填率とした
鉛単独からなる繊維の織布(比較例)に比べて効率が10
倍以上向上することが確認された。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く、本発明によれば液体窒素温度以下
のような極低温(特に40K以下)で優れた熱量効果を示
し、かつ優れた熱伝達特性、復熱特性を有する比較的安
価なアモルファス磁性体を蓄冷物質として充填された低
温蓄熱器を提供でき、ひいてはかかる低温蓄熱器により
4K級のGM冷凍機を実現できる等顕著な効果を奏する。特
に高濃度の希土類を有する蓄冷材を容易に得ることがで
きる。また、特にアモルファス磁性体を所定の平均粒径
の球状や所定の繊維径の繊維状とすることによって、三
次元方向に規則的に充填でき、充填率、ヘリウムガス等
の作動媒質との熱伝達特性をより一層向上され、かつ圧
力損失の低減化を達成した低温蓄熱器を得ることが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は特性図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】蓄熱物質が充填された低温蓄熱器におい
    て、一般式(I) AMz …(I) (但し、式中のAはSc,Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,
    Ho,Er,Tm,Yb,Luから選ばれる少なくとも1種の希土類元
    素、MはNi,Co,Cu,Ag,Au,Mn,Fe,Al,Zr,Pd,B,Si,P,Cから
    選ばれる少なくとも1種、zは0.001≦z≦9.0を示す)
    にて表わされる1種又は2種以上からなるアモルファス
    磁性体を蓄熱物質として充填したことを特徴とする低温
    蓄熱器。
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