JPH10182633A - 光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

光重合開始剤、これを含有するエネルギー線硬化性組成物及びその硬化物

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JPH10182633A
JPH10182633A JP35587796A JP35587796A JPH10182633A JP H10182633 A JPH10182633 A JP H10182633A JP 35587796 A JP35587796 A JP 35587796A JP 35587796 A JP35587796 A JP 35587796A JP H10182633 A JPH10182633 A JP H10182633A
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energy ray
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Nobuo Taniguchi
信雄 谷口
Minoru Yokoshima
実 横島
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Nippon Kayaku Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】顔料系で特に硬化性に優れ、硬化物は、光沢に
優れた新規な光カチオン重合開始剤、それを含むエネル
ギー線硬化性組成物及びその硬化物を提供する。 【解決手段】カチオン重合性物質(A)と特定の構造を
有するスルホニウム塩である光重合開始剤(B)を含有
することを特徴とするエネルギー線硬化性組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な特定の構造
を有するスルホニウム塩、それからなる光重合開始剤、
これを含有するエネルギー線の照射により硬化が可能な
エネルギー線硬化性組成物及びその硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】光重合性組成物は印刷インキ、塗料、コ
ーティング、液状レジストインキ等の分野において、省
エネルギー、省スペース、無公害性等の要請から盛んに
研究され、実用化が検討されてきた。しかしこれからの
研究の大部分は二重結合のラジカル重合反応に基づくも
のであった。カチオン重合性物質、例えばエポキシ樹脂
は、物性的には優れた材料であるが光重合させることは
困難で、今までアクリル変性することにより二重結合を
導入した材料が主に使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】光によりエポキシ樹脂
を硬化されるのに、例えば米国特許3794576号に
は感光性芳香族ジアゾニウム塩を光重合開始剤として使
用し光照射により光重合開始剤を分解し、ルイス酸を放
出することによりエポキシ樹脂を重合する方法が提案さ
れている。しかしながら芳香族ジアゾニウム塩は光分解
によりルイス酸と同時に窒素ガスを放出し、そのために
エポキシ樹脂の膜厚が15μ以上になると塗膜が発泡
し、厚塗りの用途には適さない。更に、又、エポキシ樹
脂との混合物は光が存在しない時でも、徐々に硬化が進
行する等、保存安定性に問題があり、一液性の組成物と
はいえない。上記のジアゾニウム塩系開始剤の欠点を克
服すべく、種々検討がなされ、厚塗り性及び保存安定性
の改良された技術として芳香族スルホウニム塩系や芳香
族ヨードニウム塩系開始剤及びそれらを含有する硬化性
樹脂組成物が特公昭52−14278号公報、特公昭5
2−14277号公報、特開昭54−53181号公
報、特公昭59−19581号公報等に開示されてい
る。しかしながら、これらの芳香族オニウム塩を含有す
る組成物は、ジアゾニウム塩に比較し硬化性が乏しいと
いう欠点を有し、又芳香族スルホニウム塩の場合は、硬
化物の臭気が問題となっていた。かかる欠点を克服する
べく、特開昭56−55420号公報等に、特定の基を
有する芳香族スルホニウム塩が提案されている。しか
し、上記の欠点は、いくらか解消されるものの十分では
ない。又、顔料系での硬化は、不十分であり、提案もな
されていない。更には、光重合組成物の使用される分野
が拡大するにつれて、市場の要求に対応するために、新
規な光重合開始剤、それを含有する組成物の提供は重要
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記の課
題を解決するため鋭意研究の結果、新規な光重合開始剤
を開発し、これを用いた組成物は、保存安定性、相容
性、硬化性に優れ、特に顔料系での硬化性に優れ、その
硬化物は臭気が少ないエネルギー線硬化性組成物を提供
することに成功した。すなわち、本発明は、(1)分子
内にチオキサントンスルホジオキシド構造を有するスル
ホニウム塩、(2)以下の一般式(1)
【0005】
【化3】
【0006】{式中、Xは式(2)で示される基
【0007】
【化4】
【0008】(式中、R6 〜R15は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、(3)(1)及び(2)
項記載のスルホニウム塩からなる光重合開始剤、(4)
カチオン重合性物質(A)と(3)項、記載の光重合開
始剤(B)を含有することを特徴とするエネルギー線硬
化性組成物、(5)(4)項記載のエネルギー線硬化性
組成物の硬化物に関する。
【0009】本発明で用いるカチオン重合性物質(A)
としては、例えば、エポキシ樹脂、スチレン、ビニルエ
ーテル等のカチオン重合性化合物、更にはスピロオルソ
エステル、ビシクロオルソエステル、スピロオルソカー
ボナートのような環状エーテル類が挙げられる。エポキ
シ樹脂としては、従来、公知の芳香族エポキシ樹脂、脂
環式エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、更にはエポキ
シ単量体類、エピサルファイド単量体類等が挙げられ
る。ここで、芳香族エポキシ樹脂として例示すれば、少
なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたは
そのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエー
テルであって、例えばビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、ビスフェノールS等のビスフェノール化合物また
はビスフェノール化合物のアルキレンオキサイド(例え
ば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチ
レンオキサイド等)付加体とエピクロロヒドリンとの反
応によって製造されるグリシジルエーテル類、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂類(例えば、フェノール・ノボラック
型エポキシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹
脂、臭素化フェノール・ノボラック型エポキシ樹脂
等)、トリスフェノールメタントリグリシジルエーテル
等が挙げられる。また、脂環式エポキシ樹脂として、具
体的な例としては、3,4−エポキシシクロヘキシルメ
チル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレー
ト、ビス−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)
アジペート、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−
5,5−スピロー3,4−エポキシ)シクロヘキサノン
−メタージオキサン、ビス(2,3−エポキシシクロペ
ンチル)エーテル、EHPE−3150(ダイセル化学
工業株式会社製、脂環式エポキシ樹脂、軟化点71℃)
等が挙げられる。
【0010】更に脂肪族エポキシ樹脂の例としては、脂
肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド付
加物のポリグリシジルエーテルがあり、その代表例とし
ては、1,4−ブタンジーオルのジグリシジルエーテ
ル、1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテ
ル、グリセリンのトリグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパンのトリグリシジルエーテル、ポリエチレン
グリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコ
ールのジグリシジルエーテル、エチレングリコール、プ
ロピレングリコール、グリセリン等の脂肪族多価アルコ
ールに1種または2種以上のアルキレンオキサイド(エ
チレンオキサイド、プロピレンオキサイド)を付加する
ことにより得られるポリエーテルポリオールのポリグリ
シジルエーテルが挙げられる。更にエポキシド単量体類
の例としては、脂肪族高級アルコールのモノグリシジル
エーテルやフェノール、クレゾール、ブチルフェノール
またはこれらにアルキレンオキサイドを付加することに
より得られるポリエーテルアルコールのモノグリシジル
エーテル等が挙げられる。
【0011】カチオン重合性ビニル化合物としては、例
えば、トリエチレングリコールジビニルエーテル、テト
ラエチレングリコールジビニルエーテル、シクロヘキサ
ン−1,4−ジメチロールジビニルエーテル、1,4−
ブタンジオールジビニルエーテル、
【0012】
【化5】
【0013】及び
【0014】
【化6】
【0015】等が挙げられる。また、これらカチオン重
合性有機材料は単独でも2種以上の混合物でもかまわな
い。
【0016】本発明で用いる一般式(1)で表されるス
ルホニウム塩としては、例えば一般式(6)で表される
チオキサントンスルホジオキシド系化合物
【0017】
【化7】
【0018】(式中、R1 〜R5 は、それぞれ水素原
子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C
20の構造中に、水酸基、エーテル基、エステル基、(メ
タ)アクリロイル基、エポキシ基あるいはアリル基を有
しても良い脂肪族基、フェニル基、フェノキシ基、チオ
フェノキシ基のいずれかから選択された基である。)と
置換または非置換ジフェニルスルホキシド化合物を公知
のスルホニウム塩の生成反応を利用する方法(以下
1)法という)、2)相当する置換及び非置換基を変
換、導入する方法(以下 2)法という)のいずれかに
より合成することができる。先ず 1)法を具体的に説
明すると式(6)で表されるチオキサントンスルホジオ
キシド系化合物(具体例としては、例えば、2,4−ジ
エチルチオキサントン−10,10−スルホジオキシ
ド、2,4−ジプロピルチオキサントン−10,10−
スルホジオキシド、2−イソプロピルチオキサントン−
10,10−スルホジオキシド、2−クロロ−チオキサ
ントン−10,10−スルホジオキシド、1−クロロ−
4−プロポシキチオキサントン−10,10−スルホジ
オキシド、1−メトキシチオキサントン−10,10−
スルホジオキシド、2−メトキシチオキサントン−1
0,10−スルホジオキシド、3−メトキシチオキサン
トン−10,10−スルホジオキシド、1−メチル−4
−クロロチオキサントン−10,10−スルホジオキシ
ド、2,4−ジメチル−1−クロロチオキサントン−1
0,10−スルホジオキシド、2,3,4−トリメチル
チオキサントン−10,10−スルホジオキシド、1,
3−ジメチル−4−クロロチオキサントン−10,10
−スルホジオキシド、3−ニトロチオキサントン−1
0,10−スルホジオキシド、3−エトキシチオキサン
トン−10,10−スルホジオキシド、2−イソプロピ
ル−4−メチルチオキサントン−10,10−スルホジ
オキシド、2−メチル−4−ヘキシルチオキサントン−
10,10−スルホジオキシド、1−メチル−4−ドデ
シルチオキサントン−10,10−スルホジオキシド、
2−ブトキシ−4−メチルチオキサントン−10,10
−スルホジオキシド、1−オクチルオキシカルボニルチ
オキサントン−10,10−スルホジオキシド等を挙げ
ることができる。)と置換または非置換ジフェニルスル
ホキシド化合物(例えば、ジフェニルスルホキシド、
4,4′−ジフルオロジフェニルスルホキシド、4,
4′−ジブロムジフェニルスルホキシド、4,4′−ジ
メチルジフェニルスルホキシド、4,4′−ジクロロジ
フェニルスルホキシド、4,4′−ジエチルジフェニル
スルホキシド、4,4′−ジメチルジフェニルスルホキ
シド等)を公知の方法、例えば、脱水剤(例えば、五酸
化リン、無水酢酸、濃硫酸等)と溶媒として、メタンス
ルホン酸やパーフルオロメタンスルホン酸等を用いて常
温〜100℃で縮合反応を行ない、次いで、これらの反
応液を式(3)、式(4)又は式(5)をアニオン部分
とするアルカリ金属塩(例えば、NaSbF6,NaPF6 ,NaAs
F6,NaBF4 ,NaSbF5OH,KSbF6,KPF6,KASF6 ,KSbF5OH
,LiB (C6F5)4,LiB(C6H4CF3)4 ,NaB(C6F5)4,LiBF3
(C6F5),LiB(C6H3F2)4,LiB(C6F5)2F2等)の水溶液に滴
下し、スルホニウム塩を得ることができる。
【0019】2)法を具体的に説明すると、1)法で合
成したスルホニウム塩、例えば式(7)
【0020】
【化8】
【0021】(式中、R1 〜R5 は、前記式(6)中の
1 〜R5 と同一で、Aはハロゲン原子、Zは前記式
(3)、(4)または(5)で示される。)で示される
化合物等を公知の方法、例えば、塩基性化合物(例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム
等)の存在下、大過剰のモノ又はポリアルコール類(例
えば、メタノール、エタノール、カルビトール、エチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレング
リコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,
4−ブタンジオール、グリシドール、2−ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル
(メタ)アクリレート、アリルアルコール等)を室温〜
150℃で、必要に応じて、ジメチルスルホキシド等の
有機溶剤の存在下反応させることにより、前記ハライド
化合物のハライド部が例えば、
【0022】
【化9】
【0023】
【化10】
【0024】
【化11】
【0025】等の置換基に変換されたスルホニウム塩を
得ることができる。一般式(1)で示される化合物の代
表例としては次表1及び表2の化合物を挙げることがで
きるが、これに限定されるものではない。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】本発明の硬化性組成物は、100重量部の
カチオン重合性物質(A)に対して0.01〜20重量
部より好ましくは0.1〜10重量部の前記の式(1)
で示されるスルホニウム塩(B)を必須の成分とするが
適当な割合は、カチオン重合性物質やエネルギー線の種
類、照射量、所望の硬化時間、温度、湿度、塗膜厚なと
さまざまな要因を考慮することによって決定される。カ
チオン重合性物質へのスルホニウム塩の溶解を溶解を容
易にするため、あらかじめスルホニウム塩を溶剤類(例
えば、プロピレンカーボネート、カルビトール、カルビ
トールアセテート、ブチロラクトン等)に溶解し使用す
ることができる。本発明の硬化性組成物は、カチオン重
合性物質及びスルホニウム塩を混合、溶解あるいは混練
等の方法により調製することができる。
【0029】本発明の硬化性組成物は、紫外線等のエネ
ルギー線を照射することにより0.1秒〜数分後に指触
乾燥状態あるいは溶媒不溶性の状態に硬化することがで
きる。適当なエネルギー線としては、スルホニウム塩ま
たはスルホキソニウム塩の分触を誘発するエネルキーを
有する限りいかなるものでもよいが、好ましくは、高、
低圧水銀ランプ、キセノンランプ、殺菌灯、レーザー光
などから得られる2000オングストローム〜7000
オングストロームの波長を有する電磁波エネルギーや電
子線、X線、放射線等の高エネルギー線を使用する。エ
ネルギー線への暴露は、エネルギー線の強度によるが、
通常は0.1秒〜10秒程度で十分である。しかし比較
的厚い塗装物についてはそれ以上の時間をかけるのが好
ましい。エネルギー線照射後0.1秒〜数分後には、ほ
とんどの組成物のカチオン重合により指触乾燥するが、
カチオン重合反応を促進するために加熱を併用すること
も場合によって好ましい。本発明の組成物には、さらに
カチオン重合を損わない範囲で希釈のための溶剤や、改
質のための非反応性の樹脂や(メタ)アクリル酸エステ
ル化合物(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、
ノボラック型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂と(メタ)
アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステルポリ
(メタ)アクリレート等のオリゴマーや、2−ヒドロキ
シエチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオ
ールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メ
タ)アクリレート等のモノマー等)を配合することがで
きる。(メタ)アクリル酸エステル化合物を使用する場
合には、光ラジカル重合開始剤(例えば、1−ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトン、アセトフェノンジメ
チルケタール、ベンゾイルメチルエーテル、2,4,6
−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイ
ド等)を使用するのが好ましい。また例えば、電気特性
を改良する目的などのため有機カルボン酸や酸無水物を
使用したり、あるいはゴム弾性をもたせるなどの目的で
ポリオール、その他の可とう性プレポリマーを混合する
ことができる。
【0030】本発明の組成物は、用途により、不活性な
顔料(例えば、カーボンブラック、黄鉛、モリブデン、
ベンガラ、二酸化チタンあるいは酸化アルミニウムで被
覆されたルチル型二酸化チタン等の無機顔料、シアニン
グリーン、シアニンブルー、ハンザイエロー、ベンジジ
ンイエロー、ブリリアントカーミン6B、レークレッド
C、パーマネントレッドF5R等の有機顔料等を挙げる
ことができる。)、染料、充填剤、静電防止剤、難燃
剤、消泡剤、流動調製剤、増感剤、促進剤、光安定剤等
を混合して用いられる。本発明の組成物は金属、木材、
ゴム、プラスチック、ガラス、セラミック製品等に使用
することができる。さらに本発明の具体的な用途として
は、塗料、コーティング剤、インキ、レジスト、液状レ
ジスト、接着剤、成形材料、注型材料、パテ、ガラス繊
維含浸剤、目止め剤等が挙げられる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例中の部は、重量部である。
【0032】(式(1)で表されるスルホニウム塩の合
成例) 実施例1 2,4−ジエチルチオキサントン−10,10−スルホ
ジオキシド30.0部、4,4′−ジフルオロジフェニ
ルスルホキシド23.8部、無水酢酸100部及びメタ
ンスルホン酸398部を仕込み、80℃で攪拌しながら
約5時間反応を行ない、次いで、温水5000部で反応
液を希釈し、不溶解物をろ過、除去し、この反応混合物
にNaSbF626.1部を添加し、析出した淡黄色の固体を
ろ過、水及びジエチルエーテルで十分に洗浄した。淡黄
色の固体60.5部を得た。生成物の融点は105〜1
13℃で元素分析値は次のとおりである。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 46.05 45.99 水素 3.10 3.06 イオウ 8.42 8.47 アンチモン 16.00 16.07 フッ素 19.97 20.07 この製造方法に基づいて、構造式
【0033】
【化12】
【0034】のスルホニウム塩を得た。
【0035】実施例2 1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン−10,1
0−スルホジオキシド57.8部、4,4′−ジメチル
ジフェニルスルホキシド46.1部、無水酢酸200部
及びメタンスルホン酸796部を仕込み、80℃で約5
時間反応させ、次いで、温水5000部で反応液を希釈
し、不溶解物をろ過、除去し、この反応混合物にNaSbF6
52.3部を添加し、析出した淡黄色の固体をろ過、水
及びジエチルエーテルで十分に洗浄した。淡黄色の固体
125.8部を得た。生成物の融点は、125〜139
℃で元素分析値は、次のとおりであった。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 45.84 45.79 水素 3.50 3.46 イオウ 8.11 8.15 アンチモン 15.42 15.47 フッ素 14.47 14.49 塩素 4.43 4.50 この製造方法に基づいて、構造式
【0036】
【化13】
【0037】のスルホニウム塩を得た。 実施例3 2−イソプロピルチオキサントン−10,10−スルホ
ジオキシド57.2部、ジフェニルスルホキシド40.
4部、無水酢酸200部及びメタンスルホン酸796部
を仕込み、80℃で約5時間反応させ、次いで、温水5
000部で反応液を希釈し、不溶解物をろ過、除去し、
この反応混合物にNaPF6 33.9部を添加し、析出した
淡黄色の固体をろ過、水及びジエチルエーテルで十分に
洗浄した。淡黄色の固体93.5部を得た。生成物の融
点は、98〜110℃で元素分析値は、次のとおりであ
った。 元素 実測値(重量%) 計算値(重量%) 炭素 57.59 57.54 水素 3.93 3.97 イオウ 5.41 5.48 リン 5.25 5.30 フッ素 19.45 19.50 この製造方法に基づいて、構造式
【0038】
【化14】
【0039】のスルホニウム塩を得た。 実施例4 実施例1で得た化合物40部、水酸化ナトリウム4.0
部、エチレングリコール200部を仕込み、室温で24
時間反応し、その後、水中に注ぎ込み、析出した淡黄色
の固体をろ過し、乾燥し常温で固体の生成物を得た。生
成物の構造式は下記のものであり、元素分析の結果は計
算値にほぼ一致した。
【0040】
【化15】
【0041】(応用実施例) 実施例5〜8、比較例1 表3に示す配合組成(数値は重量部である。)に従って
エネルギー線硬化性組成物を配合し、三本ロールミルで
混練した。これをアルミニウム板の上に7μの厚さにバ
ーコーダーで塗布し、メタルハライドランプ(80W/
cm2 )で8cmの距離から紫外線を200mJ/cm
2 照射し硬化させた。調製された組成物の硬化性、硬化
塗膜の光沢について試験した。それらの結果を表3に示
す。
【0042】硬化性:硬化塗膜を24時間放置後、メチ
ルエチルケトンを染み込ませた脱脂綿で50回、ラビン
グし、塗膜の外観を観察した。 ○・・・・塗膜に全く異常なし。 △・・・・塗膜の光沢がやや落ちている。 ×・・・・塗膜が溶解した。 光沢:硬化塗膜の表面を目視判定した。 ○・・・・光沢が良好である。 △・・・・ややくもりがある。 ×・・・・全く光沢がない。
【0043】
【表3】 表3 実 施 例 比較例 (A)成分 1 2 3 4 1 3,4−エポキシシクロヘキシル メチル−3,4−エポキシシクロ ヘキサンカーボキシレート 85 69 85 85 85 ビスフェノールAジグリシジル エーテル 20 (B)成分 実施例1で得たスルホニウム塩 3 実施例2で得たスルホニウム塩 3 実施例3で得たスルホニウム塩 3 実施例4で得たスルホニウム塩 3 UVI−6990 *1 6 その他 二酸化チタン(ルチル型) 98 98 98 98 98 ポリエステル樹脂 *2 10 6 10 10 10 界面活性剤(L−7604)*3 0.4 0.4 0.4 0.4 0.4 硬化性 ○ ○ ○ ○ × 光沢 ○ ○ ○ ○ ×
【0044】注) *1 UVI−6990:ユニ
オンカーバイド(株)製、光カチオン重合開始剤。プロ
ピレンカーボネート50%希釈品。構造式
【0045】
【化16】
【0046】と
【0047】
【化17】
【0048】の混合物 *2 ポリエステル樹脂:東洋紡績社製「バイロン
220」分子量2000〜3000。 *3 L−7604:日本ユニカー社製、界面活性
剤。
【0049】表3の結果から明らかなように、本発明の
組成物は、硬化性、光沢等に優れている。
【0050】 〔発明の名称〕本発明の光重合開始剤を含有したエネル
ギー線硬化性組成物は、相容性、保存安定性が良好で、
特に顔料系においても硬化性、光沢等が優れ、優れた物
性の硬化物を与える。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子内にチオキサントンスルホジオキシド
    構造を有するスルホニウム塩
  2. 【請求項2】以下の一般式(1) 【化1】 {式中、Xは式(2)で示される基 【化2】 (式中、R6 〜R15は、それぞれ水素原子、ハロゲン原
    子、ニトロ基、アルコキシ基、C1 〜C20の構造中に、
    水酸基、エーテル基、エステル基、(メタ)アクリロイ
    ル基、エポキシ基あるいはアリル基を有しても良い脂肪
    族基、フェニル基、フェノキシ基、チオフェノキシ基の
    いずれかから選択された基である。) R1 〜R5 は、それぞれ水素原子、水酸基、C1 〜C15
    の脂肪族基、ハロゲン原子、ニトロ基、アルコキシ基、
    フェニル基、及び式(2)で示される基から選択された
    基であり、Zは、式(3)、式(4)または式(5) MQp (3) MQp-1 (OH) (4) BYa Rb (5) (式中、Mは、リン原子、ホウ素原子、ヒ素原子または
    アンチモン原子であり、Qはハロゲン原子であり、Pは
    4〜6の整数であり、Bはホウ素原子、a及びbは0〜
    4の範囲で整数であり、ここでa+bは4であり、Y
    は、aが0〜3である場合にはハロゲン原子(塩素又は
    弗素)を表わし、またaが0〜2である場合にはOH基
    を表わすこともできる。Rは、CF3 、NO2 、CN等
    のような少なくとも1個の電子吸引基で置換されたフェ
    ニル基又は少なくとも2個のハロゲン原子(特に弗素)
    で置換されたフェニル基を表す。)、nは1又は2の整
    数である。}で表される請求項1記載のスルホニウム
    塩。
  3. 【請求項3】請求項1及び2記載のスルホニウム塩から
    なる光重合開始剤(B)
  4. 【請求項4】カチオン重合性物質(A)と請求項3記載
    の光重合開始剤(B)を含有することを特徴とするエネ
    ルギー線硬化性組成物。
  5. 【請求項5】請求項4記載のエネルギー線硬化性組成物
    の硬化物。
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