JP3197907B2 - エネルギー線を用いた注型成型方法 - Google Patents

エネルギー線を用いた注型成型方法

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JP3197907B2
JP3197907B2 JP02184291A JP2184291A JP3197907B2 JP 3197907 B2 JP3197907 B2 JP 3197907B2 JP 02184291 A JP02184291 A JP 02184291A JP 2184291 A JP2184291 A JP 2184291A JP 3197907 B2 JP3197907 B2 JP 3197907B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特定の注型用エネルギ
ー線硬化性樹脂組成物を用いた注型成型方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂の成形方法の1つとしてエポキシ樹
脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の反応型の
液状樹脂を型内に注入して成形する注型法が盛んに行な
われている。しかしながら、従来のエポキシ樹脂、ポリ
エステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いた注型法で
は、使用する樹脂が2液タイプのため、計量、脱泡、混
合等の作業に長時間を要していた。
【0003】最近、これらの問題点を解決したエネルギ
ー線硬化性樹脂を使用した注型法が注目されている。こ
の注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物に要求される性
能としては、エネルギー線による硬化感度が優れている
事、硬化収縮が小さい事、深部硬化性に優れている事、
硬化後の紫外線透過率が良いこと、低粘度であること、
液状樹脂の熱安定性が良いこと、硬化物の機械特性が良
いこと、注型用型との離型性が良いこと等が挙げられ
る。
【0004】特開昭62−5819号公報、特開昭62
−189121号公報、特開平1−317722号公
報、特開昭60−71629号公報、特公昭59−45
490号公報にエネルギー線硬化性樹脂を使用した注型
法が記載されているが、これらの発明中に記載されたエ
ネルギー線硬化性樹脂組成物は、前記注型用エネルギー
線硬化性樹脂組成物に要求される性能を、全て満足する
ものではなかった。
【0005】さらに、特開昭62−5819号公報、特
開昭62−189121号公報、特開平1−31772
2号公報、特公昭59−45490号公報は、エネルギ
ー線硬化性樹脂としてアクリレート樹脂等のラジカル重
合性樹脂を使用しているが、これらのラジカル重合性樹
脂は、エネルギー線による反応性は良いもの、硬化収縮
が大きく粘度が高いため、注型物の精度が悪いという欠
点を有していた。
【0006】また、特開昭60−71629号公報は、
エネルギー線硬化性樹脂としてエポキシ樹脂とアルミニ
ウム化合物及び光照射によってシラノール基を生ずる珪
素化合物の混合物を使用しており、硬化収縮は小さいも
ののエネルギー線による硬化速度が劣り、注型に要する
時間が長くなるという欠点を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
欠点の解消された活性エネルギー線による樹脂注型シス
テムに最適な樹脂組成物を用いた注型成型方法を提供す
る事にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる注
型用エネルギー線硬化性樹脂組成物として要求される各
種の諸特性を有するエネルギー線硬化性樹脂を鋭意検討
した結果、以下のような組成物が特に優れた特性を持つ
ことを見いだした。
【0009】本発明は、必須成分として、ビスフェノー
ル類から誘導される1分子中に少なくとも2個以上のエ
ポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂(a−1)を30
重量%以上、1分子中に少なくとも2個以上のシクロヘ
キセンオキシド基を有する脂環族エポキシ樹脂(a−
2)を30重量%以上、1分子中に1個のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂(a−3−1)、または1分子中に
1以上のシクロヘキセンオキシド基と1以上のアルキレ
ンオキシド基の両方を有するエポキシ樹脂(a−3−
2)、または1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
脂肪族エポキシ樹脂(a−3−3)のいずれか1以上の
エポキシ樹脂(a−3)を0.1〜30重量%含有する
エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)、エネ
ルギー線感受性カチオン重合開始剤(b)、アクリレート
化合物またはメタアクリレート化合物(c)、およびラジ
カル重合開始剤(d)を含有し、エネルギー線硬化性カチ
オン重合性有機物質(a)とエネルギー線感受性カチオン
重合開始剤(b)との配合比が重量比で98.00:2.
00〜99.99:0.01であり、エネルギー線硬化
性カチオン重合性有機物質(a)とエネルギー線感受性カ
チオン重合開始剤(b)の総量とアクリレート化合物また
はメタアクリレート化合物(c)との重量比が60:40
〜98:2の範囲であり、ラジカル重合開始剤(d)を、
エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)とエネ
ルギー線感受性カチオン重合開始剤(b)とアクリレート
化合物またはメタアクリレート化合物(c)との総量10
0重量部に対して0.01〜4重量部含有する注型用エ
ネルギー線硬化性樹脂組成物を、エネルギー線の透過可
能な材料で作成された任意形状の凹型に注入し、該凹型
の外側よりエネルギー線を照射し、凹型中の樹脂組成物
を硬化させることを特徴とする注型成型方法に関する。
【0010】本発明に用いられる注型用エネルギー線硬
化性樹脂組成物は、必須成分として、ビスフェノール類
から誘導される1分子中に少なくとも2個以上のエポキ
シ基を有する芳香族エポキシ樹脂(a−1)を30重量
%以上、1分子中に少なくとも2個以上のシクロヘキセ
ンオキシド基を有する脂環族エポキシ樹脂(a−2)を
30重量%以上、1分子中に1個のエポキシ基を有する
エポキシ樹脂(a−3−1)、または1分子中に1以上
のシクロヘキセンオキシド基と1以上のアルキレンオキ
シド基の両方を有するエポキシ樹脂(a−3−2)、ま
たは1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂肪族エ
ポキシ樹脂(a−3−3)のいずれか1以上のエポキシ
樹脂(a−3)を0.1〜30重量%含有するエネルギ
ー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)、エネルギー線
感受性カチオン重合開始剤(b)、アクリレート化合物ま
たはメタアクリレート化合物(c)、およびラジカル重合
開始剤(d)を含有し、エネルギー線硬化性カチオン重合
性有機物質(a)とエネルギー線感受性カチオン重合開始
剤(b)との配合比が重量比で98.00:2.00〜9
9.99:0.01であり、エネルギー線硬化性カチオ
ン重合性有機物質(a)とエネルギー線感受性カチオン重
合開始剤(b)の総量とアクリレート化合物またはメタア
クリレート化合物(c)との重量比が60:40〜98:
2の範囲であり、ラジカル重合開始剤(d)を、エネルギ
ー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)とエネルギー線
感受性カチオン重合開始剤(b)とアクリレート化合物ま
たはメタアクリレート化合物(c)との総量100重量部
に対して0.01〜4重量部含有することを特徴とする
ものである。ここで、ビスフェノール類から誘導される
1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する芳
香族エポキシ樹脂(a−1)とは、ビスフェノールA、
ビスフェノールFや水添ビスフェノールA等のビスフェ
ノール類、又はそれらのアルキレンオキサイド付加体、
カプロラクトン付加体等の誘導体と、エピクロルヒドリ
ンとの反応によって製造されるグリシジルエーテル、及
びノボラックエポキシ樹脂等であり、例えばビスフェノ
ールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリ
シジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテル、水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
エチレンオキサイド1モル付加ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、エチレンオキサイド2モル付加ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、プロピレンオキサイ
ド4モル付加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、
エチレンオキサイド2モル付加ビスフェノールFジグリ
シジルエーテル、プロピレンオキサイド4モル付加ビス
フェノールFジグリシジルエーテル、エチレンオキサイ
ド2モル付加水添ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、プロピレンオキサイド4モル付加水添ビスフェノー
ルAジグリシジルエーテル、エチレンオキサイド2モル
付加水添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、プロ
ピレンオキサイド4モル付加水添ビスフェノールFジグ
リシジルエーテル、ε−カプロラクトン2モル付加ビス
フェノールAジグリシジルエーテル、ε−カプロラクト
ン2モル付加ビスフェノールFジグリシジルエーテル、
ε−カプロラクトン2モル付加水添ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル、ε−カプロラクトン2モル付加水
添ビスフェノールFジグリシジルエーテル、フェノール
ノボラックエポキシ樹脂、オルソクレゾールノボラック
エポキシ樹脂が挙げられる。これらのビスフェノール類
から誘導される1分子中に少なくとも2個以上のエポキ
シ基を有する芳香族エポキシ樹脂(a−1)は、単独あ
るいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使
用する事ができる。
【0011】これらのビスフェノール類から誘導される
1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する芳
香族エポキシ樹脂(a−1)のうち好ましいものは、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノール
Fジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールAジグリ
シジルエーテル、エチレンオキサイド1モル付加ビスフ
ェノールAジグリシジルエーテル、エチレンオキサイド
2モル付加ビスフェノールAジグリシジルエーテル、フ
ェノールノボラックエポキシ樹脂、オルソクレゾールノ
ボラックエポキシ樹脂であり、特に好ましいものは、ビ
スフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノール
Fジグリシジルエーテル、フェノールノボラックエポキ
シ樹脂、及びオルソクレゾールノボラックエポキシ樹脂
である。
【0012】1分子中に少なくとも2個以上のシクロヘ
キセンオキシド基を有する脂環族エポキシ樹脂(a−
2)とは、脂環族環を有する多価アルコールのポリグリ
シジルエーテル又は、シクロヘキセン、シクロペンテン
環含有化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤で
エポキシ化する事によって得られるシクロヘキセンオキ
サイド、又はシクロペンテンオキサイド含有化合物のよ
うな脂環族エポキシ樹脂であり、その代表例としては、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル−5,5−スピロ−3,4
−エポキシ)シクロヘキサン−メタ−ジオキサン、ビス
(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペー
ト、ビス(3、4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシ
ル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカル
ボキシレート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロ
ヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキサイド、エ
チレングリコールのジ(3,4−エポキシシクロヘキシ
ルメチル)エーテル、エチレンビス(3,4−エポキシ
シクロヘキサンカルボキシレート)などが挙げられる。
これらの1分子中に少なくとも2個以上のシクロヘキセ
ンオキシド基を有する脂環族エポキシ樹脂(a−2)
は、単独あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて
配合して使用する事ができる。1分子中に少なくとも2
個以上のシクロヘキセンオキシド基を有する脂環族エポ
キシ樹脂(a−2)のうち好ましいものは、1分子中に
2個のシクロヘキセンオキシド基を有する脂環族エポキ
シ樹脂であり、特に好ましいものは、3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘ
キサンカルボキシレート、及びビス(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)アジペートである。
【0013】1分子中に1個のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂(a−3−1)とは、脂肪族あるいは芳香族1
価アルコール、フェノール類又はそれらのアルキレンオ
キサイド付加体、カプロラクトン付加体等の誘導体と、
エピクロルヒドリンとの反応によって製造されるグリシ
ジルエーテル、あるいは分子内に1個のシクロヘキセ
ン、シクロペンテン環を含有する化合物を、過酸化水
素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化する事によって
得られるモノシクロヘキセンオキサイド、又はモノシク
ロペンテンオキサイド含有化合物のようなモノ脂環族エ
ポキシ樹脂、及び脂肪族長鎖一塩基酸のモノグリシジル
エステル等であり、例えば炭素数12〜13モノアルコ
ールのグリシジルエーテル、イソプロピルアルコールの
モノグリシジルエーテル、ドデカノールのモノグリシジ
ルエーテル、フェノールのモノグリシジルエーテル、エ
チレンオキサイド2モル付加フェノールモノグリシジル
エーテル、エチレンオキサイド4モル付加フェノールモ
ノグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン2モル付加
フェノールモノグリシジルエーテル、ε−カプロラクト
ン4モル付加フェノールモノグリシジルエーテル、ノニ
ルフェノールのモノグリシジルエーテル、エチレンオキ
サイド2モル付加ノニルフェノールモノグリシジルエー
テル、エチレンオキサイド4モル付加ノニルフェノール
モノグリシジルエーテル、ε−カプロラクトン2モル付
加ノニルフェノールモノグリシジルエーテル、ε−カプ
ロラクトン4モル付加ノニルフェノールモノグリシジル
エーテル、2−エチルヘキシルカルビトールモノグリシ
ジルエーテル、ビニルシクロヘキセンモノオキサイド、
4−ビニルエポキシシクロヘキサン、エポキシヘキサヒ
ドロフタル酸ジオクチル、エポキシヘキサヒドロフタル
酸ジ−2−エチルヘキシル、脂肪族高級アルコールのモ
ノグリシジルエーテルやフェノール、クレゾール、ブチ
ルフェノール又はこれらにアルキレンオキサイドを付加
する事により得られるポリエーテルアルコールのモノグ
リシジルエーテル、高級脂肪酸のグリシジルエステルが
挙げられる。これらの1分子中に1個のエポキシ基を有
するエポキシ樹脂(a−3−1)は、単独あるいは2種
以上のものを所望の性能に応じて配合して使用する事が
できる。
【0014】1分子中に1以上のシクロヘキセンオキシ
ド基と1以上のアルキレンオキシド基の両方を有するエ
ポキシ樹脂(a−3−2)としては、分子内にシクロヘ
キセン環及びアルキレン基を含有する化合物を、過酸化
水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化する等の方法
によって得られる化合物であり、例えばビニルシクロヘ
キセンジオキシド、エポキシヘキサヒドロフタル酸ジグ
リシジルエステル、グリシジル−3、4−エポキシシク
ロヘキサンカルボキシレートが挙げられる。これらの1
分子中に1以上のシクロヘキセンオキシド基と1以上の
アルキレンオキシド基の両方を有するエポキシ樹脂(a
−3−2)は、単独あるいは2種以上のものを所望の性
能に応じて配合して使用する事ができる。
【0015】1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
脂肪族エポキシ樹脂(a−3−3)とは、脂肪族多価ア
ルコール、又はそのアルキレンオキサイド付加物のポリ
グリシジルエーテル、脂肪族長鎖多塩基酸のポリグリシ
ジルエステル、グリシジルアクリレートやグリシジルメ
タクリレートのホモポリマー、コポリマーなどの脂肪族
エポキシ樹脂であり、その代表例としては、1,4−ブ
タンジオールのジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサ
ンジオールのジグリシジルエーテル、グリセリンのトリ
グリシジルエーテル、トリメチロールプロパンのトリグ
リシジルエーテル、ポリエチレングリコ−ルのジグリシ
ジルエーテル、ポリプロピレングリコールのジグリシジ
ルエーテル、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、グリセリン等の脂肪族多価アルコールに1種又は2
種以上のアルキレンオキサイドを付加する事によって得
られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテ
ル、脂肪族長鎖2塩基酸のジグリシジルエステルが挙げ
られる。さらにエポキシ化大豆油、エポキシステアリン
酸ブチル、エポキシステアリン酸オクチル、エポキシ化
アマニ油、エポキシ化ポリブタジエン等が挙げられる。
これらの1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂肪
族エポキシ樹脂(a−3−3)は、単独あるいは2種以
上のものを所望の性能に応じて配合して使用する事がで
きる。
【0016】本発明において、エネルギー線硬化性カチ
オン重合性有機物質(a) は、エポキシ樹脂以外のカチオ
ン重合性有機物質を含有することもできる。エポキシ樹
脂以外のカチオン重合性有機物質とは、エネルギー線感
受性カチオン重合開始剤(b)の存在下、活性エネルギー
線照射により高分子化又は架橋反応するカチオン重合性
化合物で、環状エーテル化合物、環状ラクトン化合物、
環状アセタール化合物、環状チオエーテル化合物、スピ
ロオルソエステル化合物、ビニル化合物などの1種又は
2種以上の混合物からなるものである。その具体例とし
ては、トリメチレンオキシド、3,3−ジメチルオキセ
タン、3,3−ジクロロメチルオキセタン、などのオキ
セタン化合物;テトラヒドロフラン、2,3−ジメチル
テトラヒドロフランのようなオキソラン化合物;トリオ
キサン、1,3−ジオキソラン、1,3,6−トリオキ
サンシクロオクタンのような環状アセタール化合物;β
−プロピオラクトン、ε−カプロラクトンのような環状
ラクトン化合物;エチレンスルフィド、チオエピクロロ
ヒドリンのようなチイラン化合物;1,3−プロピンス
ルフィド、3,3−ジメチルチエタンのようなチエタン
化合物;エチレングリコールジビニルエーテル、アルキ
ルビニルエーテル、3,4−ジヒドロピラン−2−メチ
ル(3,4−ジヒドロピラン−2−カルボキシレー
ト)、トリエチレングリコールジビニルエーテルのよう
なビニルエーテル化合物;エポキシ化合物とラクトンと
の反応によって得られるスピロオルソエステル化合物;
ビニルシクロヘキサン、イソブチレン、ポリブタジエン
のようなエチレン性不飽和化合物及び上記化合物の誘導
体が挙げられる。これらのエポキシ樹脂以外のカチオン
重合性化合物は、単独あるいは2種以上のものを所望の
性能に応じて配合して使用する事ができる。
【0017】本発明で使用するエネルギー線感受性カチ
オン重合開始剤(b) とは、活性エネルギー線照射により
カチオン重合を開始させる物質を放出させることが可能
な化合物であり、特に好ましいものは、照射によりルイ
ス酸を放出するオニウム塩である複塩の1群のものであ
る。かかるオニウム塩の代表的なものは、次の一般式
(1)で表される。
【0018】 (R1 a2 b3 c4 dZ)+m(MXn)-m (1) (式中カチオンはオニウム塩であり、ZはS、Se、T
e、P、As、Sb、Bi、O、N、またはハロゲン原
子であり、R1、R2、R3、R4は、同一でも異なってい
ても良い有機の基である。数a,b,c,dの合計はZ
の価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体の中心原子で
ある金属又は半金属(metalloid)であり、
B、P、As、Al、Ca、In、Ti、Zn、Sc、
V、Cr、Mn、Coなどである。Xはハロゲン原子で
あり、mはハロゲン化物錯体イオンの正味の電荷であ
り、nはハロゲン化物錯体イオン中のハロゲン原子の数
である。)上記一般式(1)の陰イオン (MXn)-mの具
体例としては、テトラフルオロボレート(BF4 -)、ヘ
キサフルオロホスフェート(PF6 -)、ヘキサフルオロ
アンチモネート(SbF6 -)、ヘキサフルオロアルセネ
ート(AsF6 -)、ヘキサクロロアンチモネート(Sb
Cl6 -)等が挙げられる。
【0019】更に一般式MXn(OH)-で表される陰イオ
ンも用いることができる。又、その他の陰イオンとして
は、過塩素酸イオン(ClO4 -)、トリフルオロメチル
亜硫酸イオン (CF3SO3 -)、フルオロスルホン酸イオ
ン(FSO3 -)、トルエンスルホン酸イオン、トリニト
ロベンゼンスルホン酸イオン等が挙げられる。
【0020】このようなオニウム塩のなかでも、特に芳
香族オニウム塩をカチオン重合開始剤として使用するの
が特に有効であり、中でも特開昭50−151996号
公報、特開昭50−158680号公報等に記載の芳香
族ハロニウム塩、特開昭50−151977号公報、特
開昭52−30899号公報、特開昭56−55420
号公報、特開昭55−125105号公報等に記載の芳
香族オニウム塩、特開昭50−158698号公報等に
記載の芳香族オニウム塩、特開昭56−8428号公
報、特開昭56−149402号公報、特開昭57−1
92429号公報等に記載のオキソスルホキソニウム
塩、特公昭49−17040号公報等に記載の芳香族ジ
アゾニウム塩、特開昭61−190524号公報等に記
載の芳香族オニウム塩、米国特許第4139655号明
細書等に記載のチオピリリウム塩等が好ましい。
【0021】一般式(1)以外のエネルギー線感受性カ
チオン重合開始剤として、例えば鉄/アレン錯体やアル
ミニウム錯体等を用いても良い。
【0022】かかるカチオン重合開始剤には、ベンゾフ
ェノン、ベンゾインイソプロピルエーテル、チオキサン
トンなどの光増感剤を併用することもできる。
【0023】これらのカチオン重合開始剤は、単独ある
いは2種以上のものを目的とする性能に応じて配合して
使用する事ができる。
【0024】本発明で使用するアクリレート化合物及び
メタアクリレート化合物(以下総称して「(メタ)アク
リレート化合物」という。)(c) とは、1分子中に少な
くとも1個以上の(メタ)アクリル基を有する化合物で
あり、例えば、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタ
ン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリ
レート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、アルコー
ル類の(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。
【0025】ここでエポキシ(メタ)アクリレートとし
て好ましいものは、従来公知の芳香族エポキシ樹脂、脂
環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と、(メタ)
アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレー
トである。これらのエポキシ(メタ)アクリレートのう
ち、特に好ましいものは、芳香族エポキシ樹脂の(メ
タ)アクリレートであり、少なくとも1個の芳香核を有
する多価フェノール又はそのアルキレンオキサイド付加
体のポリグリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と
反応させて得られる(メタ)アクリレートであって、例
えばビスフェノールA、又はそのアルキレンオキサイド
付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって得られる
グリシジルエーテルを、(メタ)アクリル酸と反応させ
て得られる(メタ)アクリレート、エポキシノボラック
樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メ
タ)アクリレートが挙げられる。
【0026】ウレタン(メタ)アクリレートとして好ま
しいものは、1種又は2種以上の水酸基含有ポリエステ
ルや、水酸基含有ポリエーテルに水酸基含有(メタ)ア
クリル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得ら
れる(メタ)アクリレートや、水酸基含有(メタ)アク
リル酸エステルとイソシアネート類を反応させて得られ
る(メタ)アクリレートである。ここで使用する水酸基
含有ポリエステルとして好ましいものは、1種又は2種
以上の脂肪族多価アルコールと、1種又は2種以上の多
塩基酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有
ポリエステルであって、脂肪族多価アルコールとして
は、例えば1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジ
オール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトールが挙げられる。多
塩基酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、
無水フタル酸、トリメリット酸が挙げられる。水酸基含
有ポリエーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アル
コールに1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付
加することによって得られる水酸基含有ポリエーテルで
あって、脂肪族多価アルコールとしては、例えば1,3
−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−
ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロー
ルプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペ
ンタエリスリトールが挙げられる。アルキレンオキサイ
ドとしては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレン
オキサイドが挙げられる。水酸基含有(メタ)アクリル
酸エステルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコー
ルと(メタ)アクリル酸とのエステル化反応によって得
られる水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルであっ
て、脂肪族多価アルコールとしては、例えば1,3−ブ
タンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキ
サンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリ
コール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトールが挙げられる。
【0027】かかる水酸基含有(メタ)アクリル酸エス
テルのうち、脂肪族2価アルコールと(メタ)アクリル
酸とのエステル化反応によって得られる水酸基含有(メ
タ)アクリル酸エステルは特に好ましく、例えば、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
イソシアネート類としては、分子中に少なくとも1個以
上のイソシアネート基を持つ化合物が好ましいが、トル
イレンジイソシアネートやヘキサメチレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等の2価のイソシア
ネート類が特に好ましい。
【0028】ポリエステル(メタ)アクリレートとして
好ましいものは、水酸基含有ポリエステルと(メタ)ア
クリル酸とを反応させて得られるポリエステル(メタ)
アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエ
ステルとして好ましいものは、1種又は2種以上の脂肪
族多価アルコールと、1種又は2種以上の1塩基酸、多
塩基酸、及びフェノール類とのエステル化反応によって
得られる水酸基含有ポリエステルであって、脂肪族多価
アルコールとしては、例えば1,3−ブタンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプ
ロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセ
リン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール
が挙げられる。1塩基酸としては、例えば、ギ酸、酢
酸、ブチルカルボン酸、安息香酸が挙げられる。多塩基
酸としては、例えば、アジピン酸、テレフタル酸、無水
フタル酸、トリメリット酸が挙げられる。フェノール類
としては、例えば、フェノール、P−ノニルフェノール
が挙げられる。
【0029】ポリエーテル(メタ)アクリレートとして
好ましいものは、水酸基含有ポリエーテルと(メタ)ア
クリル酸とを反応させて得られるポリエーテル(メタ)
アクリレートである。ここで使用する水酸基含有ポリエ
ーテルとして好ましいものは、脂肪族多価アルコールに
1種又は2種以上のアルキレンオキサイドを付加するこ
とによって得られる水酸基含有ポリエーテルであって、
脂肪族多価アルコールとしては、例えば1,3−ブタン
ジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサン
ジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリ
スリトールが挙げられる。アルキレンオキサイドとして
は、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ドが挙げられる。
【0030】アルコール類の(メタ)アクリル酸エステ
ルとして好ましいものは、分子中に少なくとも1個の水
酸基を持つ芳香族又は脂肪族アルコール、及びそのアル
キレンオキサイド付加体と(メタ)アクリル酸とを反応
させて得られる(メタ)アクリレートであり、例えば、
2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリ
レート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル
(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレ
ート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、
イソボルニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)
アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アク
リレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペ
ンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプ
ロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0031】これらの(メタ)アクリレート化合物は、
単独あるいは2種以上の物を所望の性能に応じて配合し
て使用することができる。
【0032】本発明で使用するラジカル重合開始剤(d)
とは、活性エネルギー線照射によりラジカル重合を開始
させる物質を放出する事が可能な化合物であり、アセト
フェノン系化合物、ベンゾインエーテル系化合物、ベン
ジル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、チオキサント
ン系化合物等のケトン類が好ましい。
【0033】アセトフェノン系化合物としては、例え
ば、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキ
シメチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4’−イ
ソプロピル−2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフ
ェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノ
ン、P−ジメチルアミノアセトフェノン、P−ter
t.−ブチルジクロロアセトフェノン、P−tert.
−ブチルトリクロロアセトフェノン、P−アジドベンザ
ルアセトフェノンが挙げられる。ベンゾインエーテル系
化合物としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチ
ルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイン−
n−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテ
ル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソ
ブチルエーテルが挙げられる。ベンジル系化合物として
は、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、ベンジル−
β−メトキシエチルアセタール、1−ヒドロキシシクロ
ヘキシルフェニルケトンが挙げられる。ベンゾフェノン
系化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、O−ベン
ゾイル安息香酸メチル、ミヒラーズケトン、4,4’−
ビスジエチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジクロ
ロベンゾフェノンが挙げられる。チオキサントン系化合
物としては、例えば、チオキサントン、2−メチルチオ
キサントン、2−エチルチオキサントン、2−イソプロ
ピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサント
ン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオ
キサントンが挙げられる。 これらのラジカル重合開始
剤(d) は、単独あるいは2種以上のものを所望の性能に
応じて配合して使用する事ができる。
【0034】次に、本発明の注型用エネルギー線硬化性
樹脂組成物の組成割合について説明する。組成割合につ
いては、部(重量部)で説明する。
【0035】本発明において、エネルギー線硬化性カチ
オン重合性有機物質(a) とエネルギー線感受性カチオン
重合開始剤(b) の組成割合は、エネルギー線硬化性カチ
オン重合性有機物質(a) とエネルギー線感受性カチオン
重合開始剤(b) との重量比が98.00:2.00〜9
9.99:0.01の範囲内である事が好ましく、更に
好ましくは、98.50:1.50〜99.10:0.
10の範囲内であり、特に好ましくは、99.00:
1.00〜99.10:0.10の範囲内であるものが
注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物として特に優れた
特性を示す。
【0036】エネルギー線感受性カチオン重合開始剤
(b) の含有量が、エネルギー線硬化性カチオン重合性有
機物質(a) とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤
(b) との総和に対して2重量%を越える場合、表面の硬
化速度は速くなるものの深部硬化性が悪くなり均一な注
型物が作成できない為、精度が悪くなったり割れが生ず
る等の現象が起こり好ましくない。また、エネルギー線
感受性カチオン重合開始剤(b) の含有量が、エネルギー
線硬化性カチオン重合性有機物質(a) とエネルギー線感
受性カチオン重合開始剤(b) との総和に対して0.01
重量%に満たない場合は、実質的に硬化反応が進まない
ので好ましくない。
【0037】1分子中に1個のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂(a−3−1)、1分子中に1以上のシクロヘ
キセンオキシド基と1以上のアルキレンオキシド基の両
方を有するエポキシ樹脂(a−3−2)、及び1分子中
に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する脂肪族エポ
キシ樹脂(a−3−3)は、反応性希釈剤及び重合速度
調整剤として作用し、エネルギー線硬化性カチオン重合
性有機物質(a) が、1分子中に1個のエポキシ基を有す
るエポキシ樹脂(a−3−1)、または1分子中に1以
上のシクロヘキセンオキシド基と1以上のグリシジル基
の両方を有するエポキシ樹脂(a−3−2)、または1
分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する脂肪
族エポキシ樹脂(a−3−3)のいずれか1以上のエポ
キシ樹脂(a−3)を0.1〜30重量部含有すること
によって、本発明組成物の粘度を25℃で5000cp
s以下とすることができ、注型用型に樹脂を充填する時
間を短縮し作業性が良好となる。また、エポキシ樹脂
(a−3)の添加量によって、組成物の活性エネルギー
線による硬化速度が変化するが、0.1〜30重量部の
範囲内では均一な硬化ができ、精度の良い立体物を作成
することができる。
【0038】エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物
質(a) において、エポキシ樹脂(a−3)の含有量が
0.1重量部に満たない場合は、希釈効果が悪く組成物
の粘度を5000cps以下とすることができない。ま
た30重量部を越える場合は、エネルギー線を照射して
立体モデルを作成しても、硬化特性が悪く歪んだり割れ
が生じてしまい好ましくない。
【0039】1分子中に1個のエポキシ基を有するエポ
キシ樹脂(a−3−1)、1分子中に1以上のシクロヘ
キセンオキシド基と1以上のアルキレンオキシド基の両
方を有するエポキシ樹脂(a−3−2)、及び1分子中
に少なくとも2個以上のエポキシ基を有する脂肪族エポ
キシ樹脂(a−3−3)は、単独あるいは2種以上のも
のを、所望の性能に応じて配合して使用することができ
る。
【0040】本発明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組
成物は、エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質
(a) が、ビスフェノール類から誘導される1分子中に少
なくとも2個以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ
樹脂(a−1)を30重量%以上、1分子中に少なくと
も2個以上のシクロヘキセンオキシド基を有する脂環族
エポキシ樹脂(a−2)を30重量%以上、エポキシ樹
脂(a−3)を0.1〜30重量%含有し、エネルギー
線硬化性カチオン重合性有機物質(a) とエネルギー線感
受性カチオン重合開始剤(b) との配合比が重量比で9
8.00:2.00〜99.99:0.01となるよう
に構成することで、エネルギー線による硬化感度が優
れ、硬化収縮(線収縮率)が3%以下となり、深部硬化
性が10mm以上となり、液状樹脂の熱安定性が良く、
25℃における粘度が5000cps以下となり、硬化
物の機械的強度や型との離型性の良い、非常に優れた注
型用エネルギー線硬化性樹脂組成物を構成することがで
きる。
【0041】またエネルギー線感受性カチオン重合開始
剤が、一般式(1)で表されるオニウム塩である場合
は、蛍光灯等の光下あるいは100℃以下の温度下にお
ける安定性に優れる注型用エネルギー線硬化性樹脂組成
物を構成することができる。
【0042】本発明に使用される透明な微粉末として
は、ガラス粉、アルミナ粉、アルミノシリケート粉、シ
リカ粉のような無機化合物の微粉末や、ポリカーボネー
ト、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、シリコ
ン樹脂等の透明な樹脂の微粉末などがある。このような
透明な微粉末を、エネルギー線硬化性カチオン重合性有
機物質(a)とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤(b)
との総量100重量部に対して、0.1〜10重量部
含有する場合は、非常に精度の良い立体物を得る事がで
きる。
【0043】本発明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組
成物において、(メタ)アクリレート化合物(c) を、エ
ネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a) とエネル
ギー線感受性カチオン重合開始剤(b) の総量と(メタ)
アクリレート化合物(c) との比が60:40〜98:2
の範囲で含有し、かつラジカル重合開始剤(d) をエネル
ギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a) とエネルギー
線感受性カチオン重合開始剤(b) の総量と(メタ)アク
リレート化合物(c) との総量100重量部に対して0.
01〜4重量部含有する場合は、特に深部硬化性の優れ
た組成物を得ることができる。
【0044】(メタ)アクリレート化合物(c) は硬化収
縮が大きいために、(メタ)アクリレート化合物(c) の
含有量がエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質
(a) とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤(b) の総
量と(メタ)アクリレート化合物との比が60:40よ
り多い場合は、得られた立体物が歪んだり亀裂が入った
りして好ましくない。また98:2より少ない場合は
(メタ)アクリレート(c)を全く含有しない場合との深
部硬化性の差が実質的にない。
【0045】ラジカル重合開始剤(d) の含有量は、エネ
ルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a) とエネルギ
ー線感受性カチオン重合開始剤(b) の総量と(メタ)ア
クリレート化合物(c) との総量100重量部に対して
0.01〜4重量部含有するのが好ましく、さらに好ま
しくは、0.1〜2重量部の範囲である。ラジカル重合
開始剤(d) の含有量が、0.01重量部に満たないの場
合は、本発明の組成物中の(メタ)アクリレート化合物
を十分に反応させることができず、また4重量部を越え
る場合は、深部硬化特性が著しく劣化し、かつ硬化物に
歪みが生じるため好ましくない。
【0046】本発明の注型用エネルギー硬化性樹脂組成
物は、本発明の効果を損なわない限り、必要に応じて熱
感受性カチオン重合開始剤;顔料、染料等の着色剤;消
泡剤、レベリング剤、増粘剤、難燃剤、酸化防止剤等の
各種樹脂添加剤改質用樹脂などを適量配合して使用する
ことができる。熱感受性カチオン重合開始剤としては、
例えば、特開昭57−49613号公報、特開昭58−
37004号公報記載の脂肪族オニウム塩類が挙げられ
る。
【0047】本発明の注型用エネルギー硬化性樹脂組成
物の粘度としては、好ましくは25℃で5000cps
以下、更に好ましくは2000cps以下のものであ
る。粘度があまり高くなると注型用型に樹脂を充填する
時間が長くなるため作業性が悪くなる傾向がある。
【0048】一般にエネルギー線樹脂組成物は、硬化時
に収縮をするので、精度の点から収縮の小さいことが要
求される。本発明組成物の硬化収縮率は、好ましくは3
%以下、更に好ましくは2%以下のものである。
【0049】本発明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組
成物を用いた成形の具体的な実施方法としては、まず作
成したい立体モデルに対する凹型を紫外線等のエネルギ
ー線の透過可能な材料で作成する。ここで紫外線等のエ
ネルギー線の透過可能な材料は、ポリカーボネート、ポ
リメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、シリコン樹脂
等の透明な樹脂やガラス等の透明な無機材料が好まし
い。この凹型中に本発明の注型用エネルギー線硬化性樹
脂組成物を常圧下または減圧下において注入、あるいは
加圧注入等の方法によって注入し、必要に応じて脱泡し
たのち凹型の外側よりエネルギー線を照射し、凹型中に
注入された本発明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組成
物を硬化させ、目的の立体物を作成する。
【0050】本発明の注型用エネルギー硬化性樹脂組成
物を硬化する際に使用する活性エネルギー線としては、
紫外線、電子線、X線、放射線、あるいは高周波等を用
いる事ができる。これらのうちでも1800〜5000
Åの波長を有する紫外線が好ましく、その光源として
は、紫外線レーザー、水銀ランプ、キセノンランプ、ナ
トリウムランプ、アルカリ金属ランプ、ハロゲン化金属
ランプ等が使用できる。特に好ましい光源としては水銀
ランプ、ハロゲン化金属ランプ等の紫外線照射可能なラ
ンプが挙げられ、本発明の注型用エネルギー線硬化性樹
脂組成物を効率よく硬化し、かつ硬化物の歪みが小さく
均一な硬化を行なうことができる。また、電子線も有効
な光源である。
【0051】本発明の注型用エネルギー硬化性樹脂組成
物は、活性エネルギー線によるカチオン重合反応により
硬化が進むため、使用するエネルギー線反応性カチオン
重合性有機物質(a) の種類によっては、活性エネルギー
線照射時、該樹脂組成物を30〜100℃程度に加熱す
ることにより、架橋硬化反応を効果的に促進し、同時に
粘度を低下し注型に要する時間を短縮することができ
る。更にエネルギー線を照射して得られた立体モデル
を、40〜100℃の温度に加熱処理または水銀ランプ
などでUV照射処理をすることで、より機械強度の優れ
た造形物を得ることもできる。
【0052】本発明の注型用エネルギー硬化性樹脂組成
物の具体的な適用分野としては、自動車、電子・電気部
品、家具、建築構造物、玩具、容器類、鋳物、人形など
各種曲面体のモデルや加工用が挙げられる。
【0053】
【実施例】以下、実施例によって本発明の代表的な例に
ついて更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施
例によって制約されるものではない。例中「部」は、重
量部を意味する。
【0054】参考例1 エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)とし
て、ビスフェノールAジグリシジルエーテル45部、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート40部、ビニ
ルシクロヘキセンモノオキサイド15部、エネルギー線
感受性カチオン重合開始剤(b)として、ビス−[4−
(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジ
ヘキサフルオロアンチモネート2部を充分混合して注型
用エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。得られた樹脂
組成物の25℃における粘度は250cpsであった。
透明なシリコーン樹脂を用いて、図1のマスターモデル
2から図2の凹型3を作成した。上記注型用エネルギー
線硬化性樹脂組成物を、図3のように真空ポンプ11を
用いて減圧しながら凹型3に注入した。これを図4のよ
うに回転台4に乗せて1回転/分の回転速度で回転させ
ながら、80w/cm高圧水銀ランプ5、6にて紫外線
を照射して硬化させ、図5に示す目的の立体モデル7を
作成した。得られた立体モデル7は歪みがなく、極めて
精度が高く、かつ機械強度の優れたものであった。注型
用エネルギー線硬化性樹脂組成物を減圧下にて凹型3に
注入するのに要した時間(以下注入時間という)は3
分、紫外線の照射時間は5分であった。得られた立体モ
デルの縦方向の長さL1とマスターモデルの縦方向の長
さL2を測定し、次の計算式 [(L2−L1)/L2)]×100 によって得られた立体物の精度(以下成形精度という)
を算出したところ、1.1%と高精度であった。また、
図6のように、直径30mm、高さ50mmの円柱状の
ガラス容器8に上記注型用エネルギー線硬化性樹脂組成
物を満たし、その上部15cmの位置から80w/cm
の高圧水銀ランプ10を用いて紫外線照射を3分間行
い、硬化した樹脂9の厚さL3(以下硬化深度という)
を測定したところ、25mmであった。
【0055】参考例2 エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)とし
て、エチレンオキサイド2モル付加ビスフェノールAジ
グリシジルエーテル30部、ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシルメチル)アジペート30部、ビニルシクロ
ヘキセンジオキサイド20部、1、4−ブタンジオール
ジグリシジルエーテル10部、エネルギー線感受性カチ
オン重合開始剤(b)として、トリフェニルスルホニウム
ヘキサフルオロアンチモネート1部を充分混合して本発
明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物の25℃における粘度は180cpsで
あった。参考例1と同様の方法で立体モデルを作成した
ところ、得られた立体モデルは歪みがなく、極めて精度
が高く、かつ機械強度の優れたものであった。本樹脂組
成物は低粘度で扱い易いため、注入時間が1分と短時間
であり、紫外線の照射時間は5分であった。成形精度は
1.0%と高精度であった。参考例1と同様の操作で硬
化深度を測定したところ31mmであった。
【0056】参考例3 エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)とし
て、水素付加ビスフェノールAジグリシジルエーテル2
0部、ビスフェノールFジグリシジルエーテル20部、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート30部、1,
6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル10部、C
12-13アルコールモノグリシジルエーテル20部、エネ
ルギー線感受性カチオン重合開始剤(b)として、トリフ
ェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート1部
を充分混合して本発明の注型用エネルギー線硬化性樹脂
組成物を得た。得られた樹脂組成物の25℃における粘
度は220cpsであった。この樹脂組成物を60℃に
加温し、参考例1と同様の方法で立体モデルを作成した
ところ、得られた立体モデルは歪みがなく、極めて精度
が高く、かつ機械強度の優れたものであった。60℃に
加温しているため粘度が30cpsと非常に低く扱い易
いため、注入時間が1分と短時間であり、また加温する
ことによって反応速度が促進されるため紫外線の照射時
間は2分と非常に短時間であった。成形精度は1.5%
と高精度であった。参考例1と同様の操作で硬化深度を
測定したところ35mmであった。
【0057】参考例4 エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)とし
て、ビスフェノールAジグリシジルエーテル45部、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート40部、ビニ
ルシクロヘキセンモノオキサイド15部、エネルギー線
感受性カチオン重合開始剤(b)として、ビス−[4−
(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジ
ヘキサフルオロアンチモネート2部、透明な微粉末とし
て直径20μのガラスビーズ10部を充分混合して本発
明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物の25℃における粘度は3500cps
であった。参考例1と同様の方法で立体モデルを作成し
たところ、得られた立体モデルは歪みがなく、極めて精
度が高く、かつ機械強度の優れたものであった。注入時
間は5分であり、紫外線の照射時間は5分であった。本
組成物はガラスビーズを含有しているため成形精度が
0.5%と非常に高精度であった。参考例1と同様の操
作で硬化深度を測定したところ19mmであった。
【0058】実施例1 エネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質(a)とし
て、ビスフェノールAジグリシジルエーテル40部、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキサンカルボキシレート40部、ビニ
ルシクロヘキセンモノオキサイド10部、エネルギー線
感受性カチオン重合開始剤(b)として、ビス−[4−
(ジフェニルスルホニオ)フェニル]スルフィドビスジ
ヘキサフルオロアンチモネート2部、アクリレート化合
物(c)として、ビスフェノールAエポキシアクリレート
10部、ラジカル重合開始剤(d)として1−ヒドロキシ
シクロヘキシルフェニルケトン1部を充分混合して本発
明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物を得た。得ら
れた樹脂組成物の25℃における粘度は350cpsで
あった。参考例1と同様の方法で立体モデルを作成した
ところ、得られた立体モデルは歪みがなく、極めて精度
が高く、かつ機械強度の優れたものであった。注入時間
は3分であり、紫外線の照射時間は5分であった。成形
精度が1.5%と高精度であった。参考例1と同様の操
作で硬化深度を測定したところ、本組成物はアクリレー
ト化合物を含有しているため49mmと深部硬化性が高
かった。
【0059】比較例1 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート70部、ト
リメチロールプロパントリアクリレート30部、ベンゾ
フェノン3部を充分混合して光硬化性樹脂組成物を得
た。参考例1と同様の方法で立体モデルを作成したとこ
ろ、得られた立体モデルは硬化収縮によって大きな亀裂
が生じていた。また硬化収縮によって内部応力が発生す
るため機械強度の劣っていた。注入時間は5分であり、
紫外線の照射時間は5分であった。作成したモデルが破
損したため成形精度は、測定不能であった。参考例1
同様の操作で硬化深度を測定しようとしたが、硬化物の
歪みが大きく亀裂が生じていたため測定不能であった。
【0060】比較例2 ビスフェノールAエポキシアクリレート70部、トリメ
チロールプロパントリアクリレート30部、ベンジルジ
メチルケタール3部を充分混合して光硬化性樹脂組成物
を得た。参考例1と同様の方法で立体モデルを作成した
ところ、得られた立体モデルは硬化収縮によって大きな
歪みが発生し極めて精度が悪く、部分的に亀裂が生じて
いた。また硬化収縮によって内部応力が発生するため機
械強度が劣っていた。注入時間は5分であり、紫外線の
照射時間は5分であった。成形精度は4.5%と非常に
劣っていた。参考例1と同様の操作で硬化深度を測定し
ようとしたが、硬化物の歪みが大きく亀裂が生じていた
ため測定不能であった。
【0061】
【発明の効果】本発明の効果は、エネルギー線による硬
化感度が優れ、硬化収縮(線収縮率)が3%以下とな
り、深部硬化性が10mm以上となり、液状樹脂の熱安
定性が良く、硬化物の機械的強度や型との離型性の良
い、非常に優れた注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物
を提供したことである。
【0062】また、エネルギー線感受性カチオン重合開
始剤(b) が、上記一般式(1)で表されるオニウム塩で
ある場合は、上記特性に加え蛍光灯等の光下あるいは1
00℃以下の温度下における安定性に優れる注型用エネ
ルギー線硬化性樹脂組成物を構成することができる。本
発明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物が、透明な
微粉末をエネルギー線硬化性カチオン重合性有機物質
(a) とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤(b) との
総量100重量部に対して、0.1〜10重量部含有す
る場合は、非常に精度の良い立体物を得る事ができる。
【0063】本発明の注型用エネルギー線硬化性樹脂組
成物が、(メタ)アクリレート化合物(c) を、エネルギ
ー線硬化性カチオン重合性有機物質(a) とエネルギー線
感受性カチオン重合開始剤(b) の総量と(メタ)アクリ
レート化合物(c) との比が60:40〜98:2の範囲
で含有し、かつラジカル重合開始剤(d) をエネルギー線
硬化性カチオン重合性有機物質(a) とエネルギー線感受
性カチオン重合開始剤(b) と(メタ)アクリレート化合
物(c) との総量100重量部に対して0.01〜2重量
部含有する場合は、特に深部硬化性の優れた組成物を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】成形に用いたマスターモデルの略図である。図
中、L2は縦方向の長さを示す。
【図2】シリコーン樹脂製凹型の略図である。
【図3】樹脂の注入操作を示す略図である。
【図4】aは樹脂の硬化操作を示す略図であり、b及び
cは高圧水銀ランプの略図である。
【図5】成形された立体モデルの略図である。図中、L
1は縦方向の長さを示す。
【図6】aは硬化深度の測定方法を示す略図である。b
は高圧水銀ランプの略図である。図中、L3は硬化深度
を示す。
【符号の説明】
1…注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物 2…マスターモデル 3…凹型 4…回転台 5…高圧水銀ランプ 6…高圧水銀ランプ 7…立体モデル 8…ガラス容器 9…硬化した樹脂 10…高圧水銀ランプ 11…真空ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 59/00 - 59/72 C08L 63/00 - 63/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】必須成分として、ビスフェノール類から誘
    導される1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を
    有する芳香族エポキシ樹脂(a−1)を30重量%以
    上、1分子中に少なくとも2個以上のシクロヘキセンオ
    キシド基を有する脂環族エポキシ樹脂(a−2)を30
    重量%以上、1分子中に1個のエポキシ基を有するエポ
    キシ樹脂(a−3−1)、または1分子中に1以上のシ
    クロヘキセンオキシド基と1以上のアルキレンオキシド
    基の両方を有するエポキシ樹脂(a−3−2)、または
    1分子中に2個以上のエポキシ基を有する脂肪族エポキ
    シ樹脂(a−3−3)のいずれか1以上のエポキシ樹脂
    (a−3)を0.1〜30重量%含有するエネルギー線
    硬化性カチオン重合性有機物質(a)、エネルギー線感受
    性カチオン重合開始剤(b)、アクリレート化合物または
    メタアクリレート化合物(c)、およびラジカル重合開始
    剤(d)を含有し、エネルギー線硬化性カチオン重合性有
    機物質(a)とエネルギー線感受性カチオン重合開始剤(b)
    との配合比が重量比で98.00:2.00〜99.9
    9:0.01であり、エネルギー線硬化性カチオン重合
    性有機物質(a)とエネルギー線感受性カチオン重合開始
    剤(b)の総量とアクリレート化合物またはメタアクリレ
    ート化合物(c)との重量比が60:40〜98:2の範
    囲であり、ラジカル重合開始剤(d)を、エネルギー線硬
    化性カチオン重合性有機物質(a)とエネルギー線感受性
    カチオン重合開始剤(b)とアクリレート化合物またはメ
    タアクリレート化合物(c)との総量100重量部に対し
    て0.01〜4重量部含有する注型用エネルギー線硬化
    性樹脂組成物を、エネルギー線の透過可能な材料で作成
    された任意形状の凹型に注入し、該凹型の外側よりエネ
    ルギー線を照射し、凹型中の樹脂組成物を硬化させるこ
    とを特徴とする注型成型方法。
  2. 【請求項2】前記注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物
    におけるエネルギー線感受性カチオン重合開始剤(b)
    が、次の一般式で表されるオニウム塩であることを特徴
    とする請求項1記載の注型成型方法。 (R 1 a 2 b 3 c 4 d Z) +m (MX n -m (式中カチオンはオニウム塩であり、ZはS、Se、T
    e、P、As、Sb、B i、O、N、またはハロゲン原
    子であり、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 は、同一でも異なってい
    ても良い有機の基である。数a,b,c,dの合計はZ
    の価数に等しい。Mは、ハロゲン化物錯体の中心原子で
    ある金属又は半金属(metalloid)である。X
    はハロゲン原子であり、mはハロゲン化物錯体イオンの
    正味の電荷であり、nはハロゲン化物錯体イオン中のハ
    ロゲン原子の数である。)
  3. 【請求項3】前記注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物
    が、透明な微粉末を、エネルギー線硬化性カチオン重合
    性有機物質(a)と、エネルギー線感受性カチオン重合開
    始剤(b)と、アクリレート化合物またはメタアクリレー
    ト化合物(c)と、ラジカル重合開始剤(d)との総量100
    重量部に対して、0.1〜10重量部含有する請求項1
    または2記載の注型成型方法。
  4. 【請求項4】前記注型用エネルギー線硬化性樹脂組成物
    の25℃における粘度が5000cps以下で、硬化収
    縮率(線収縮)が3%以下である請求項1ないし3のい
    ずれか1項記載の注型成型方法。
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