JPH10182051A - 乗客コンベアの乗降口 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】踏板走行路からコーム部に向う乗客がコーム部
の高い段差に衝突するのを未然に防止する。 【解決手段】一方の乗降床３から他方の乗降床３にかけ
て無端状に連結されて移動する踏板２と、踏板２が乗降
床３で出没する境界部に、踏板２上面の凹凸溝に噛み合
う歯を有するコーム４を備え、コーム４の乗降床側の踏
板２の凸溝上面にその先端が位置する歯先４Ａと、歯先
４Ａより反乗降床側に凹溝内の凸溝上面より下側を通っ
て延設され、最先端部が凸溝上面より上側に突出する突
出部４Ｄを有する歯先４Ｃを設け、コーム４を乗降床３
に固設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はエスカレータや動く
歩道を総称した乗客コンベアの乗降口に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、無端状に連結されて移動する踏
板走行部の乗降口には、この踏板上面の凹凸溝に対して
交互に凹凸の歯先が噛み合うコームが配設されている。

【０００３】（特開平4−129991 号公報）

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来技術は、エスカレ
ータ式乗客コンベアの乗降床におけるコーム部分の段差
を少なくして荷物用カート等の乗降障害を除去せんとし
たもので、乗降口の踏板の水平走行路が長いエスカレー
タや踏板走行路に段差のない動く歩道において、その踏
板走行路の終端部で突如高い段差を形成しているコーム
部に足元が衝突して転倒するという人身事故に対する防
止策等の配慮はなかった。

【０００５】本発明の目的は、踏板走行路からコーム部
に向う乗客がコーム部の高い段差に衝突するのを未然に
防止する乗客コンベアの乗降口を提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、一方の乗降床から他方の乗降床にかけて無
端状に連結されて移動する踏板と、この踏板が乗降床で
出没する境界部に、この踏板上面の凹凸溝に噛み合う歯
を有するコームを備えたものにおいて、前記コームに、
このコームの乗降床側の前記踏板の凸溝上面にその先端
が位置する第一の歯先と、この第一の歯先より反乗降床
側に前記凹溝内の前記凸溝上面より下側を通って延設さ
れ、その最先端部が前記凸溝上面より上側に突出する突
出部を有する第二の歯先を設け、このコームを前記乗降
床に固設した。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図１
と図２に沿って説明する。

【０００８】図１に例示した乗客コンベア１は、ゴムベ
ルト式の踏板２を有し、この踏板２が一方の乗降床３か
ら他方の乗降床（図示略称）にかけて無端状に連結され
て移動する構成であり、踏板２と乗降床３との境界部
に、コーム４がその幅方向で複数個に分割されて乗降床
３に固設される。ここで踏板２は、その凸溝上面２ａと
凹溝底面２ｂ（深さｈａ）を交互に繰り返す多数の凹凸
溝２Ａを有しており、この凸溝上面２ａより上側に８０
〜１００mm程度高い位置（高さＨ）に乗降床３が存在し
障害段差を形成している。

【０００９】一方、本発明のコーム４は、乗降床３から
これの先端側に向けて斜面４ａを有し、凸溝上面２ａの
上側にあって、それとは僅かな隙間ｇａを明けた歯先４
Ａがあり、さらに凸溝上面２ａよりｈｂだけ下側で凹溝
底面２ｂとは隙間ｇｂを明けた状態で、歯先４Ａよりも
長さＬだけ反乗降床３側に、凹凸溝２Ａを通って歯先４
Ｃが延設されている。また、コーム４の歯先４Ａと歯先
４Ｃとの間の延設部４Ｂは凸溝上面２ａより深さｈｄだ
け低い位置にあって、その最先端部には、凸溝上面２ａ
よりも数mm上側に突出する突出部４Ｄを備えて全体に象
の鼻状の形をしている。そして、乗り口から降り口にか
けて矢印Ｂのように踏板走行路からコームに向って移動
してきた乗客が立話をしたり、後向きの状態でいて足元
が高さＨの急激な段差がある乗降床３に衝突して転倒し
てしまうという人身事故が発生する前に、その足元（靴
底）に対して突出部４Ｄの僅かな突出量で相図（靴底を
持ち上げる）して乗降床３が近いことを事前に認知さ
せ、転倒事故を防止するなどの安全増しを図る。

【００１０】このようにしたことにより、踏板２とコー
ム４は適正な隙間ｇａ，ｇｂを有して通常の踏板移動に
支障がない構成であり、歯先４Ａで足先の乗降床３の下
側への侵入を阻止する一方、歯先４Ｃの突出部４Ｄで乗
降床３への接近を事前に知らせることにより転倒防止等
の安全効果を発揮する。

【００１１】なお、コーム４の長さ（特にＬ部分）は、
必要に応じて任意に選択される。

【００１２】

【発明の効果】本発明によれば、踏板走行路からコーム
部に向う乗客がコーム部の高い段差に衝突するのを未然
に防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による乗客コンベアの乗降床付近の斜視
図。

【図２】図１のＡ−Ａ線に沿う断面図。

【符号の説明】

１…乗客コンベア、２…踏板、３…乗降床、４…コー
ム、４Ａ，４Ｃ…歯先、４Ｂ…延設部、４Ｄ…突出部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方の乗降床から他方の乗降床にかけて無
   端状に連結されて移動する踏板と、前記踏板が前記乗降
   床で出没する境界部に、前記踏板上面の凹凸溝に噛み合
   う歯を有するコームを備えたものにおいて、前記コーム
   に、前記コームの乗降床側の前記踏板の凸溝上面にその
   先端が位置する第一の歯先と、前記第一の歯先より反乗
   降床側に前記凹溝内の前記凸溝上面より下側を通って延
   設され、その最先端部が前記凸溝上面より上側に突出す
   る突出部を有する第二の歯先を設け、前記コームを前記
   乗降床に固設したことを特徴とする乗客コンベアの乗降
   口。