JPH10180922A - 赤外線吸収体 - Google Patents

赤外線吸収体

Info

Publication number
JPH10180922A
JPH10180922A JP8355880A JP35588096A JPH10180922A JP H10180922 A JPH10180922 A JP H10180922A JP 8355880 A JP8355880 A JP 8355880A JP 35588096 A JP35588096 A JP 35588096A JP H10180922 A JPH10180922 A JP H10180922A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
infrared
group
solvent
infrared absorber
onium salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8355880A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Emori
洋之 江森
Shigeki Furuhashi
繁樹 古橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP8355880A priority Critical patent/JPH10180922A/ja
Publication of JPH10180922A publication Critical patent/JPH10180922A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Filters (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Gas-Filled Discharge Tubes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】400〜700nmの可視領域での透過率低下
をおこさず、さらに赤外線吸収能の劣化も抑制され、長
期に亘って赤外線のカット、吸収を行えるものの開発。 【解決手段】反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂に赤外
線吸収能を有するオニウム塩化合物を含有させた組成物
の層を支持体の少なくとも片方の面に有する赤外線吸収
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽光、発光機能
を有する表示体等から発生する赤外線を吸収する赤外線
吸収体に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光線は紫外線が3%、可視光線が5
3%、赤外線が44%のエネルギーをもつといわれてい
る。赤外線を有効に吸収カットできるフィルム、シート
は、夏場の太陽からの厳しい日射を軽減でき、また屋内
の冷房効率を向上させることが可能になることから、そ
の用途として自動車などの車両や建築物の窓材があげら
れる。このような日射調整材料は、可視光領域の波長の
透過率変化を主眼にしているのが大部分であり、可視光
領域に吸収が無く、700nm以上の赤外領域を有効に
吸収カットでき、さらに耐久性に優れるフィルム、シー
トは少ない。
【0003】また、太陽光線以外にも発光機能を有する
表示体等では赤外線の発生があり、赤外線による電気機
器の遠隔操作及び通信に対して誤動作を与える等の問題
がある。
【0004】さらに、カメラ、ビデオカメラなどの光学
機器の受光素子や撮像素子に使用されているフォトダイ
オードやCCDにも視感度に準じた受光感度補正や色調
調整が必要とされ、受光素子や撮像素子の前に赤外線吸
収フィルターを設けることにより補正している。また赤
外線吸収材料は赤外感光性の感材用セーフライトフィル
ター、赤外領域の半導体レーザー光などを光源とする感
光材料、光ディスク用記録材料等にも用いられる。
【0005】このように応用範囲の広い赤外線吸収フィ
ルターとして従来からガラスに蒸着膜を施したフィルタ
ー、金属イオンを含んだリン酸塩ガラス製のフィルター
が知られている。しかし、前者は干渉を利用しているた
め、反射光の障害や視感度との不一致などの問題が、後
者は耐湿性の低さや製造工程の煩雑さによるコスト高な
どの問題がある。
【0006】プラスチック製の赤外線吸収フィルターと
して、赤外領域に特性吸収を有する多くの材料、例えば
アントラキノン類、フタロシアニン化合物、ナフタロシ
アニン化合物、クロム、コバルト金属錯塩化合物、六塩
化タングステンと塩化スズをメチルメタクリレート(M
MA)シロップに溶解させ重合させた材料、ジチオール
系の金属錯体、スクアリリウム化合物、アセチレン系ポ
リマーに酸化剤を気相もしくは液相でドーピングした材
料、チオ尿素に硫化第二銅を作用させた材料、イモニウ
ム系材料などをプラスチック中に練り込み成形したもの
が提案されている。
【0007】しかし、これらの多くは、耐熱性や耐久性
が不十分であることと、可視光領域に大きな吸収を有す
ること、さらには赤外線吸収能の劣化等により400〜
700nmの可視領域での透過率低下をおこす等の理由
から一部を除いて実用化に至っていないものが多い。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、赤外
線吸収体の400〜700nmの可視領域での透過率低
下を防止し、さらに耐久性に優れるプラスチック製赤外
線吸収体の開発を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の問
題点を解決すべく鋭意検討の結果、反応基を有さない溶
剤可溶性樹脂中にオニウム塩系赤外線吸収剤を含有させ
たものを支持体の少なくとも片面に塗布することによ
り、400〜700nmの可視領域での透過率低下をお
こさず、さらに赤外線吸収能の劣化が抑制された赤外線
吸収体が得られることを見出し、本発明を完成するに至
った。即ち、本発明は
【0010】(1)反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂
に赤外線吸収能を有するオニウム塩化合物を含有させた
組成物の層を支持体の少なくとも片方の面に有する赤外
線吸収体、(2)反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂が
非結晶性飽和ポリエステル樹脂である(1)に記載の赤
外線吸収体、(3)赤外線吸収能を有するオニウム塩化
合物がジイモニウム系化合物またはアミニウム系化合物
である(1)または(2)に記載の赤外線吸収体、
(4)組成物中に色素を含有させた(1)ないし(3)
の何れかに記載の赤外線吸収体、(5)支持体が透明で
ある(1)ないし(4)の何れかに記載の赤外線吸収
体、(6)支持体又は紫外線吸収剤が煉込まれた支持体
に紫外線吸収剤を染色またはコーティングした(5)に
記載の赤外線吸収体、(7)紫外線吸収剤を含有させた
粘着層を設けた(5)又は(6)に記載の赤外線吸収
体、(8)(1)ないし(7)の何れかに記載の赤外線
吸収体を組み込んだプラズマディスプレイパネル、に関
する。
【0011】
【発明の実施形態】本発明に使用される反応性基を有さ
ない溶剤可溶性樹脂としては、水酸基、イソシアネート
基、アミノ基、カルボキシル基等の反応性基を有さない
合成樹脂、例えばポリエステル、ポリスチレン等の乾燥
型溶剤可溶性合成樹脂が好ましい。乾燥型の合成樹脂は
粘着剤のようなべたつきが無く、乾いた状態の表面を与
える合成樹脂である。
【0012】ポリエステルとしては、例えば飽和ポリエ
ステル樹脂、特に非結晶性飽和ポリエステル樹脂が好ま
しい。非結晶性飽和ポリエステル樹脂は、ポリエチレン
テレフタレートのような繊維、フィルムに使用される高
融点、高結晶性の溶剤溶解性に乏しいものでなく、融点
が低く、工業用各種有機溶剤に対する溶解性が高い樹脂
で、そのような樹脂の具体例としては例えば東洋紡社製
のバイロン樹脂があげられる。
【0013】本発明で使用する赤外線吸収能を有するオ
ニウム塩化合物としては、例えばジイモニウム系化合
物、アミニウム系化合物、インドリウム系化合物、キノ
リニウム系化合物等があげられるが、ジイモニウム系化
合物またはアミニウム系化合物が好ましい。このオニウ
ム塩化合物の使用量は、要求される赤外線吸収能により
適宜選択されるが、反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂
100重量部に対し、好ましくは1〜200重量部、よ
り好ましくは2〜100重量部、さらに好ましくは3〜
80重量部程度である。
【0014】ジイモニウム系およびアミニウム系赤外線
吸収剤としては、例えば下記一般式(1)および一般式
(2)で示される化合物が好ましい例として挙げられ
る。
【0015】
【化1】
【0016】一般式(1)、(2)において、Rは水素
原子、アルキル基、置換アルキル基、環式アルキル基、
アルケニル基、アラルキル基または置換アラルキル基
を、Aはp−フェニレン基またはp−ビフェニレン基
を、X- は陰イオンをそれぞれ示す。
【0017】一般式(1)、(2)におけるRにおい
て、アルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、
n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、iso-ブチ
ル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、iso-
ペンチル基、t-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル
基等の(C1〜C10)アルキル基が、置換アルキル基
としては、例えば、2-ヒドロキシエチル基、3-ヒドロキ
シプロピル基、4-ヒドロキシブチル基、2-アセトキシエ
チル基、カルボキメチル基、2-カルボキシエチル基、3-
カルボキシプロピル基、2-スルホエチル基、3-スルホプ
ロピル基、4-スルホブチル基、3-スルフェイトプロピル
基、4-スルフェイトブチル基、N-(メチルスルホニル)
- カルバミルメチル基、3-(アセチルスルファミル)プ
ロピル基、4-(アセチルスルファミル)ブチル基等が、
環式アルキル基としては、例えばシクロヘキシル基等が
あげられる。アルケニル基としては、例えばビニル基、
アリル基、プロペニル基等が、アラルキル基としては、
例えばベンジル基、フェネチル基、α−ナフチルメチル
基、β−ナフチルメチル基等が、置換アラルキル基とし
ては、例えばカルボキシベンジル基、スルホベンジル
基、ヒドロキシベンジル基等がそれぞれあげられる。X
- (陰イオン)としては、例えば6フッ化アンチモン酸
アニオン、過塩素酸アニオン、硝酸アニオン、4フッ化
硼素アニオン、ハロゲンアニオン、6フッ化砒素アニオ
ン等があげられる。
【0018】一般式(1)、(2)で示される化合物の
うち、代表的な化合物を次に例示する。
【0019】
【表1】表1 一般式(1)の化合物 No. R X 1-1 CH3 AsF6 - 1-2 CH3 ClO4 - 1-3 CH3 SbF6 - 1-4 n- C4 9 AsF6 - 1-5 n- C4 9 ClO4 - 1-6 n- C4 9 SbF6 - 1-7 n- C4 9 BF4 - 1-8 n- C4 9 - 1-9 t- C4 9 ClO4 - 1-10 t- C4 9 AsF6 -
【0020】
【表2】 表2 一般式(2)の化合物 No. R A X 2-1 CH3 p- フェニレン基 AsF6 - 2-2 CH3 p- フェニレン基 ClO4 - 2-3 CH3 p- フェニレン基 SbF6 - 2-4 n- C4 9 p- フェニレン基 AsF6 - 2-5 n- C4 9 p- フェニレン基 ClO4 - 2-6 n- C4 9 p- フェニレン基 SbF6 - 2-7 n- C4 9 p- フェニレン基 BF4 - 2-8 n- C4 9 p- フェニレン基 I- 2-9 t- C4 9 p- フェニレン基 ClO4 - 2-10 t- C4 9 p- フェニレン基 AsF6 - 2-11 CH3 p- ビフェニレン基 AsF6 - 2-12 C2 5 p- ビフェニレン基 AsF6 - 2-13 C2 5 p- ビフェニレン基 ClO4 - 2-14 C2 5 p- ビフェニレン基 SbF6 -
【0021】これらのジイモニウム系またはアミニウム
系の赤外線吸収剤の市販品としては、例えば日本化薬社
製のIRG−002、IRG−022等があげられる。
【0022】反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂中に
は、必要に応じ色調整のために色素が存在しても良い。
色素としては有機溶剤に対する溶解性の点から分散染
料、水不溶性有機色素が好ましい。例えば日本化薬社製
のKayalon Polyester Colour
s、Kayaset Coloursが用いうる色素の
具体例として挙げられる。
【0023】本発明に用いられる支持体としては、例え
ばプラスチック等のシート、フィルム、板等が挙げられ
るが、特に制限はない。プラスチックとしては、熱可塑
性樹脂、熱硬化性樹脂が使用でき、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチ
レンテレフタレート等のポリエステル樹脂、トリアセチ
ルセルロース、ブチルセルロース等のセルロース樹脂、
ポリスチレン、ポリウレタン、塩化ビニル、アクリル樹
脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。光学用途へ
使用するためには透明なプラスチックが好ましい。また
その屈折率は、好ましくは1.3〜1.75、より好ま
しくは1.45〜1.65程度のものが良い。支持体部
の厚みは用途によって異なるが、25〜5000μmが
好ましい。
【0024】支持体には、例えば煉込み法、染色法また
はコーティング法により紫外線吸収剤を付与しても良
い。使用しうる紫外線吸収剤としては、例えば2-(2'-
ヒドロキシ-5'-メチルフェニル)ベンゾトリアゾールな
どのベンゾトリアゾール系化合物、2-ヒドロキシ-4- メ
トキシベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系化合物、
4-t-ブチルフェニルサリシレートなどのサリチル酸エス
テル系化合物、2-エトキシ-2'-エチルオキザリックアシ
ッドビスアニリドなどのオキザリックアシッドアニリド
系化合物、エチル-2- シアノ-3,3- ジフェニルアクリレ
ートなどのシアノアクリレート系化合物等が挙げられ
る。
【0025】コーティングの場合、使用するコーティン
グ剤としては、例えば粘着剤、熱硬化型樹脂等があげら
れる。紫外線吸収剤の添加量は粘着剤、熱硬化型樹脂等
の樹脂固形分に対し重量比1〜30%程度が好ましい。
より好ましくは重量比5〜20%程度である。本発明の
赤外線吸収体においては本発明の赤外線吸収体のいずれ
かの面に粘着層を設けることが出来る。粘着層を設ける
場合、使用出来る粘着剤としては、例えばアクリル系粘
着剤等が挙げられる。この場合、紫外線吸収剤の添加量
は粘着剤の樹脂固形分に対して重量比で1〜30%程
度、より好ましくは1〜10%である。
【0026】本発明の赤外線吸収体は、反応性基を有さ
ない溶剤可溶性樹脂の溶剤溶解液中にオニウム塩系赤外
線吸収剤を溶解させた塗工液を支持体上に塗工すること
により得られる。溶剤としては、例えばトルエン、キシ
レン等のベンゼン系溶剤、アセトン、メチルエチルケト
ン等のケトン系溶剤があげられる。溶剤中の樹脂や赤外
線吸収剤の量は目的に応じ適宜定められる。この塗工方
式は特に限定されるものではないが、メイヤーバーコー
ト、マイクログラビアコート、グラビアコート、ディッ
プコート等が用いられる。
【0027】本発明の赤外線吸収体は種々の用途に使用
可能であるが、好ましい用途の1つにプラズマディスプ
レイが挙げられる。プラズマディスプレイパネルに本発
明の赤外線吸収体を搭載する場合は、通常赤外線吸収体
を発光層より観察者からみて前面に設ける。設ける方法
としては、例えば赤外線吸収体をモジュ−ルにはめ込む
方法、粘着剤を用いてパネルの前面ガラス基板等に直接
貼り合わせる方法等が採用しうる。
【0028】
【実施例】本発明を実施例、比較例により具体的に説明
するがこれに限定されるものではない。
【0029】実施例1 非結晶性飽和ポリエステル樹脂(バイロン200 東洋
紡社製)7gをメチルエチルケトン50gで溶解した液
に、IRG−022(赤外線吸収能を有するオニウム塩
化合物 日本化薬社製)1gを混合溶解した塗工液を得
た。50μmのポリエステルフィルム上にディップコー
ト法で乾燥後の厚みが3μmとなるように塗工し、本発
明の赤外線吸収体(フィルム)を得た。このフィルムに
粘着層を設け、ガラスに貼合し耐久性試験サンプルを得
た。得られたサンプルには、可視領域での透過率の低下
はみられなかった。このサンプルを70℃と紫外線カ−
ボンアーク(スガ試験機製 紫外線ロングライフ・フェ
ードメーター試験機)での耐久性を評価した。その結果
(950nmでの赤外線吸収能の残存率)を表3に示し
た。赤外線吸収能の残存率は下記の(1)式を用いて計
算した。
【0030】
【数1】 (赤外線吸収能残存率)=(試験後の吸光度)/(初期吸光度)×100 (1)
【0031】実施例2 紫外線吸収剤で染色されたポリエステルフィルム(38
0nmでの透過率が1%以下)を支持体に用いた以外は
実施例1に準じて実施し、本発明の赤外線吸収体(フィ
ルム)を得た。このフィルムに粘着層を設け、ガラスに
貼合し耐久性試験サンプルを得た。得られたサンプルに
は、可視領域での透過率の低下はみられなかった。この
サンプルを70℃と紫外線カ−ボンアーク(スガ試験機
製 紫外線ロングライフ・フェードメーター試験機)で
の耐久性を評価した。その結果(950nmでの赤外線
吸収能の残存率)を表3に示した。赤外線吸収能の残存
率は上記の(1)式を用いて計算した。
【0032】比較例1 アクリル系粘着剤(固形分18%)30gにメチルエチ
ルケトン10g、IRG−022(日本化薬社製)0.
07gを混合溶解し、粘着塗工液を得た。50μmのポ
リエステルフィルム上にコンマコート法で乾燥後の厚み
が25μmとなるように塗工し、赤外線吸収フィルムを
得た。このフィルムに粘着層を設け、ガラスに貼合し耐
久性試験サンプルを得た。得られたサンプルには、可視
領域での透過率の低下はみられなかった。このサンプル
を70℃と紫外線カ−ボンアーク(スガ試験機製 紫外
線ロングライフ・フェードメーター試験機)での耐久性
を評価した。その結果(950nmでの赤外線吸収能の
残存率)を表3に示した。赤外線吸収能の残存率は上記
の(1)式を用いて計算した。
【0033】比較例2 ポリウレタン樹脂(ニッポラン 5199 日本ポリウ
レタン社製)25g(固形分30%)をメチルエチルケ
トン25gで溶解した液に、IRG−022(日本化薬
社製)1gを混合溶解した塗工液を得た。50μmのポ
リエステルフィルム上にディップコート法で乾燥後の厚
みが3μmとなるように塗工し、赤外線吸収フィルムを
得た。このフィルムに粘着層を設け、ガラスに貼合し耐
久性試験サンプルを得た。得られたサンプルには、可視
領域での透過率の低下がみられた。このサンプルを70
℃と紫外線カ−ボンアーク(スガ試験機製 紫外線ロン
グライフ・フェードメーター試験機)での耐久性を評価
した。結果(950nmでの赤外線吸収能の残存率)を
表3に示した。赤外線吸収能の残存率は上記の(1)式
を用いて計算した。
【0034】
【表3】 表3 可視領域の透過率低下 耐久試験 耐久試験前 耐久試験後 70℃(乾燥) カーボンアーク 実施例1 なし なし 95% 86% (135時間) (40時間) 実施例2 なし なし 96% 92% (140時間) (40時間) 比較例1 なし あり 55% 5% (24時間) (40時間) 比較例2 あり あり 75% 94% (24時間) (40時間)
【0035】表3より、赤外線吸収能を有するオニウム
塩化合物をアクリル系粘着剤に添加して得られた比較例
1の赤外線吸収体、及びポリウレタン樹脂に添加して得
られた比較例2の赤外線吸収体は、いずれも耐久試験後
に可視領域の透過率や赤外線吸収能の残存率が低下して
いる。特に、比較例1のものではカーボンアーク試験で
5%と赤外線吸収能を殆ど失っており、又比較例2のも
のでは耐久試験前でも可視領域の透過率が低下してい
る。これに対し、本発明の赤外線吸収体は、いずれも可
視領域の透過率の低下もなく、又耐久試験後の赤外線吸
収能の残存率の低下も殆どない。
【0036】
【発明の効果】反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂中に
オニウム塩系赤外線吸収剤を含有させた赤外線吸収層を
支持体上に設けることにより、400〜700nmの可
視領域での透過率低下をおこさず、さらに赤外線吸収能
の劣化も抑制され、長期に亘って赤外線のカット、吸収
を行えるシート、フィルムまたは板が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/16 C08K 5/16 C08L 67/00 C08L 67/00 C09K 3/00 105 C09K 3/00 105 G02B 5/22 G02B 5/22 H01J 11/02 H01J 11/02 E

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂に赤外
    線吸収能を有するオニウム塩化合物を含有させた組成物
    の層を支持体の少なくとも片方の面に有する赤外線吸収
    体。
  2. 【請求項2】反応性基を有さない溶剤可溶性樹脂が非結
    晶性飽和ポリエステル樹脂である請求項1に記載の赤外
    線吸収体。
  3. 【請求項3】赤外線吸収能を有するオニウム塩化合物が
    ジイモニウム系化合物またはアミニウム系化合物である
    請求項1または2に記載の赤外線吸収体。
  4. 【請求項4】組成物中に色素を含有させた請求項1ない
    し3の何れか一項に記載の赤外線吸収体。
  5. 【請求項5】支持体が透明である請求項1ないし4の何
    れか一項に記載の赤外線吸収体。
  6. 【請求項6】支持体又は紫外線吸収剤が煉込まれた支持
    体に紫外線吸収剤を染色またはコーティングした請求項
    5に記載の赤外線吸収体。
  7. 【請求項7】紫外線吸収剤を含有させた粘着層を設けた
    請求項5又は6に記載の赤外線吸収体。
  8. 【請求項8】請求項1ないし7の何れか一項に記載の赤
    外線吸収体を組み込んだプラズマディスプレイパネル。
JP8355880A 1996-12-25 1996-12-25 赤外線吸収体 Pending JPH10180922A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8355880A JPH10180922A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 赤外線吸収体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8355880A JPH10180922A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 赤外線吸収体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10180922A true JPH10180922A (ja) 1998-07-07

Family

ID=18446207

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8355880A Pending JPH10180922A (ja) 1996-12-25 1996-12-25 赤外線吸収体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10180922A (ja)

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286929A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Mitsubishi Polyester Film Copp 赤外線フィルター
WO2003032028A1 (fr) * 2001-10-04 2003-04-17 Bridgestone Corporation Film absorbant de rayonnement infrarouge proche
WO2004048480A1 (ja) 2002-11-22 2004-06-10 Japan Carlit Co., Ltd. 近赤外線吸収色素及び近赤外線遮断フィルター
WO2006028006A1 (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha ジイモニウム化合物及びその用途
JP2006153955A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 光学フィルター
EP1806605A1 (en) * 2004-07-12 2007-07-11 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Filter and cyanine compound
WO2008072537A1 (ja) * 2006-12-15 2008-06-19 Adeka Corporation 光学フィルター
KR20110119799A (ko) 2009-02-20 2011-11-02 닛뽕 카릿또 가부시키가이샤 근적외선 흡수 색소 및 근적외선 차단 필터
WO2014038457A1 (ja) * 2012-09-05 2014-03-13 富士フイルム株式会社 赤外線遮蔽フィルム
US9966402B2 (en) 2014-12-04 2018-05-08 Jsr Corporation Solid-state imaging device
US10854661B2 (en) 2015-01-21 2020-12-01 Jsr Corporation Solid-state imaging device, infrared-absorbing composition, and flattened-film-forming curable composition

Cited By (23)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002286929A (ja) * 2001-03-27 2002-10-03 Mitsubishi Polyester Film Copp 赤外線フィルター
WO2003032028A1 (fr) * 2001-10-04 2003-04-17 Bridgestone Corporation Film absorbant de rayonnement infrarouge proche
WO2004048480A1 (ja) 2002-11-22 2004-06-10 Japan Carlit Co., Ltd. 近赤外線吸収色素及び近赤外線遮断フィルター
EP1564260A1 (en) * 2002-11-22 2005-08-17 Japan Carlit Co., Ltd. Coloring matter absorbing near-infrared ray and filter for cutting off near-infrared ray
EP1564260A4 (en) * 2002-11-22 2006-01-25 Japan Carlit Co Ltd IN THE NEAR-FROSTED AREA, ABSORBENT-REFINDER AND SEALANT FOR NEAR-FROSTED RADIATION
KR101015647B1 (ko) * 2002-11-22 2011-02-22 닛뽕 카릿또 가부시키가이샤 근적외선 흡수색소 및 근적외선 차단필터
CN100348669C (zh) * 2002-11-22 2007-11-14 日本卡利德株式会社 吸收近红外线的染料和阻挡近红外线的滤光片
US7524619B2 (en) 2002-11-22 2009-04-28 Japan Carlit Co., Ltd. Coloring matter absorbing near-infrared ray and filter for cutting off near-infrared ray
EP1806605A4 (en) * 2004-07-12 2008-09-24 Nippon Kayaku Kk CYANINE FILTER AND COMPOUND
EP1806605A1 (en) * 2004-07-12 2007-07-11 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Filter and cyanine compound
WO2006028006A1 (ja) * 2004-09-06 2006-03-16 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha ジイモニウム化合物及びその用途
US7521006B2 (en) 2004-09-06 2009-04-21 Nippon Kayaku Kabushiki Kaisha Diimmonium compound and use thereof
JP4825676B2 (ja) * 2004-09-06 2011-11-30 日本化薬株式会社 ジイモニウム化合物及びその用途
JP2012012399A (ja) * 2004-09-06 2012-01-19 Nippon Kayaku Co Ltd ジイモニウム化合物
JP2006153955A (ja) * 2004-11-25 2006-06-15 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 光学フィルター
WO2008072537A1 (ja) * 2006-12-15 2008-06-19 Adeka Corporation 光学フィルター
JP5020258B2 (ja) * 2006-12-15 2012-09-05 株式会社Adeka 光学フィルター
US8337728B2 (en) 2006-12-15 2012-12-25 Adeka Corporation Method for producing an optical filter
KR20110119799A (ko) 2009-02-20 2011-11-02 닛뽕 카릿또 가부시키가이샤 근적외선 흡수 색소 및 근적외선 차단 필터
WO2014038457A1 (ja) * 2012-09-05 2014-03-13 富士フイルム株式会社 赤外線遮蔽フィルム
JP2014066987A (ja) * 2012-09-05 2014-04-17 Fujifilm Corp 赤外線遮蔽フィルム
US9966402B2 (en) 2014-12-04 2018-05-08 Jsr Corporation Solid-state imaging device
US10854661B2 (en) 2015-01-21 2020-12-01 Jsr Corporation Solid-state imaging device, infrared-absorbing composition, and flattened-film-forming curable composition

Similar Documents

Publication Publication Date Title
USRE39858E1 (en) Infrared absorption filter
KR100758862B1 (ko) 광학 필름용 조성물, 및 광학 필름
US3400156A (en) Triaminotriphenylaminium salts
EP1506985A1 (en) Near infrared absorptive adhesive composition and optical film
JPH10180922A (ja) 赤外線吸収体
JPS6254143B2 (ja)
JP2007140098A (ja) ディスプレイ用光学フィルム
JP3341741B2 (ja) 近赤外線吸収フィルタ−
JP2000117906A (ja) 赤外線カットオフフィルム
JP2007078786A (ja) ディスプレイ用光学フィルム
JP3701406B2 (ja) 熱線遮蔽材
JP5116673B2 (ja) 遮光剤
JPH07100996A (ja) 近赤外線吸収性フィルム
JP2001174626A (ja) 近赤外線吸収フィルム
JP2002303720A (ja) 近赤外線吸収フィルター
JP4698420B2 (ja) 近赤外線遮蔽用塗料、それから得られる近赤外線遮蔽積層体及びその製造方法
EP1469056A2 (en) Photochromic compound, photochromic composition and photochromic display element using the same
JP2001247526A (ja) 近赤外線吸収化合組成物および近赤外線吸収フィルター
JP5701552B2 (ja) 近赤外線吸収色素及び近赤外線遮断フィルター
JP4403473B2 (ja) 近赤外線吸収化合物および近赤外線吸収フィルター
JP2005043921A (ja) 近赤外線吸収フィルター
JP3812590B2 (ja) 近赤外線吸収フィルターおよびその製造方法
JP2005301300A (ja) 近赤外線吸収フィルターの製造方法および近赤外線吸収フィルターの使用方法
JP3029908U (ja) ヘルメット用調光シールド
JP2002226827A (ja) 近赤外線吸収化合物、それを用いた近赤外線吸収フィルターおよび当該フィルターを利用した近赤外線除去方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040817

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041013

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20050104